JP6111154B2 - 光束制御部材、発光装置、照明装置および成形型 - Google Patents
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Description
(光束制御部材および発光装置の構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る発光装置100の断面図である。図2に示されるように、発光装置100は、発光素子120および光束制御部材140を有する。発光素子120は、例えば白色発光ダイオードなどの発光ダイオード(LED)である。光束制御部材140は、発光素子120から出射された光の配光を制御する。光束制御部材140は、その中心軸CAが発光素子120の光軸LAに合致するように配置される。
図3〜図6に示される実施の形態1に係る光束制御部材140を有する発光装置100について、照度分布のシミュレーションおよび配光分布のシミュレーションを行った。また、比較のため、図7A,Bに示される稜線146dが直線状の光束制御部材140’を有する発光装置についても、照度分布のシミュレーションおよび配光分布のシミュレーションを行った。
次に、実施の形態1に係る光束制御部材140を成形するための成形型について説明する。
次に、第1金型500の製造方法について説明する。第1金型500の製造方法は、第1金型片580の製造方法により2つに大別される、第1の製造方法では、1枚の金属板(加工材料)を旋盤加工した後に、金属板を切断することで、第1金型片580を製造する。第2の製造方法では、予め切り出された金属片を治具に嵌め込んだ状態で旋盤加工した後に、治具から取り出すことで、第1金型片580を製造する。いずれの製造方法においても、4個の第1金型片580を組み合せることで第1金型500が製造される。なお、4個の第1金属片580の曲率中心は、共通であってもよいし、互いに異なっていてもよい。たとえば、4個の第1金属片580が、共通する1つの曲率中心で加工されていてもよい。また、2個の第1金属片580が、共通する1つの曲率中心で加工されていてもよい。この場合は、2個の第1金属片580の曲率中心と、残る2個の第1金属片580の曲率中心とが異なる。また、4個の第1金属片580が、互いに異なる曲率中心で加工されていてもよい。以上の手順により、曲線加工のみで第1金型500を製造することができる。
次に、本実施の形態に係る発光装置100を有する照明装置400について説明する。
以上のように、本実施の形態に係る光束制御部材140は、稜線146dが円弧となるように凸部146を形成しているため、曲線加工のみで製造することができる。また、光束制御部材140は、凸部146が略四角形となるように配置されているため、被照射領域を四角形に照らすことができる。さらに、光束制御部材140は、稜線146dが内側に凸となるように配置されているため、四角形(正方形)の四隅も均一かつ効率的に照らすことができる。また、本実施の形態に係る光束制御部材140は、稜線146dの曲率半径の長さと円弧の向き(中心軸CA側に凸とするか、仮想四角形Sの外側に凸とする)を調整することで、四角形状の被照射領域内における光の配分を調整することもできる。
実施の形態1の変形例に係る発光装置および照明装置は、光束制御部材640の形状が実施の形態1に係る発光装置100および照明装置400とそれぞれ異なる。そこで、実施の形態1に係る発光装置100および照明装置400と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略し、光束制御部材640の新しい構成要素を中心に説明する。実施の形態1の変形例に係る光束制御部材640は、仮想直線L上に、隣り合う凸部を離間する壁部642をさらに有する点で実施の形態1に係る光束制御部材140と異なる。
図13〜図15は、本発明の実施の形態1の変形例に係る光束制御部材の構成を示す図である。図13は、実施の形態1の変形例に係る光束制御部材640の斜視図である。図14Aは、光束制御部材640の平面図であり、図14Bは、側面図であり、図14Cは、底面図であり、図14Dは、屈折部144およびフレネルレンズ部145を省略した底面図である。図15Aは、図13に示される破線部分の拡大図であり、図15Bは、図14Cに示される破線部分の拡大図である。
実施の形態1の変形例に係る光束制御部材640は、実施の形態1の光束制御部材140と同様の効果を有する。また、変形例に係る光束制御部材640を射出成形により製造する場合、壁部642に対応する成形型の溝部は、ガス抜き用の通路として機能する。よって、変形例に係る光束制御部材640は、射出成形時において成形型の壁部642に対応する部分によって適切にガス抜きされて、溶融樹脂がキャビティー内に充填されるため、適切に製造されうる。
実施の形態2に係る発光装置および照明装置は、光束制御部材740の形状が実施の形態1に係る発光装置100および照明装置400とそれぞれ異なる。そこで、実施の形態1に係る発光装置100および照明装置400と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略し、光束制御部材740の新しい構成要素を中心に説明する。実施の形態2に係る光束制御部材740は、稜線146dが光束制御部材740の外側に凸となるように配置されている点で、実施の形態1に係る光束制御部材140と異なる。
図16〜図18は、実施の形態2に係る光束制御部材740の構成を示す図である。図16は、実施の形態2に係る光束制御部材740の斜視図である。図17Aは、光束制御部材740の平面図であり、図17Bは、側面図であり、図17Cは、底面図であり、図17Dは、屈折部144およびフレネルレンズ部145を省略した底面図である。図18Aは、図16に示される破線部分の拡大図であり、図18Bは、図17Cに示される破線部分の拡大図である。
図16〜図18に示される実施の形態2に係る光束制御部材740を有する発光装置について、照度分布のシミュレーションおよび配光分布のシミュレーションを行った。
次に、実施の形態2に係る光束制御部材740を成形するための成形型について説明する。実施の形態2に係る成形型は、第1金型900および第2金型を有する。第1金型900は、4つの第1金型片980を組み合わせて構成される。実施の形態2に係る成形型は、谷線の配置が実施の形態1の成形型と異なる。
以上のように、実施の形態2に係る光束制部材740は、実施の形態1に係る光束制御部材140に比べて製造上の制約が少ない。具体的には、第1傾斜面146a’を傾斜させる必要がなく、稜線146dの曲率半径を実施の形態1に係る光束制御部材140よりも小さくすることができる。したがって、実施の形態2に係る照明装置では、円弧の中点から仮想四角形Sの対角線の交点までの距離よりも稜線146dの曲率半径が大きいという条件下において稜線146dの曲率半径の大きさを調整することで、四隅の照度を抑えた円形に近い四角形状の被照射領域から、照度の均整度が高い四角形状の被照射領域まで、様々な要求に対応することができる。
実施の形態2の変形例に係る発光装置および照明装置は、光束制御部材840の形状が実施の形態2に係る発光装置および照明装置とそれぞれ異なる。そこで、実施の形態2に係る発光装置および照明装置と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略し、光束制御部材840の新しい構成要素を中心に説明する。実施の形態2の変形例に係る光束制御部材840は、仮想直線L上に、隣り合う凸部を離間する壁部642をさらに有する点で実施の形態2に係る光束制御部材840と異なる。
図21〜図23は、本発明の実施の形態2の変形例に係る光束制御部材の構成を示す図である。図21は、実施の形態2の変形例に係る光束制御部材840の斜視図である。図22Aは、光束制御部材840の平面図であり、図22Bは、側面図であり、図22Cは、底面図であり、図22Dは、屈折部144およびフレネルレンズ部145を省略した底面図である。図23Aは、図21に示される破線部分の拡大図であり、図23Bは、図22Cに示される破線部分の拡大図である。
実施の形態2の変形例に係る光束制御部材840は、実施の形態2の光束制御部材740と同様の効果を有する。また、変形例に係る光束制御部材840を射出成形により製造する場合、壁部642に対応する成形型の溝部は、ガス抜き用の通路として機能する。よって、変形例に係る光束制御部材840は、射出成形時において成形型の壁部642に対応する部分によって適切にガス抜きされて、溶融樹脂がキャビティー内に充填されるため、適切に形成されうる。
実施の形態3に係る発光装置および照明装置は、光束制御部材240の形状が実施の形態1に係る発光装置100および照明装置400とそれぞれ異なる。そこで、実施の形態1に係る発光装置100および照明装置400と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略し、光束制御部材240の新しい構成要素を中心に説明する。実施の形態3に係る光束制御部材240は、複数の凸部146のうち、最も外側の最も高い凸部146が、直線状の稜線246dを有する凸部246に置き換えられている点で、実施の形態1に係る光束制御部材140と異なる。
図24〜図26は、実施の形態3に係る光束制御部材240の構成を示す図である。図24は、実施の形態3に係る光束制御部材240の斜視図である。図25Aは、光束制御部材240の平面図であり、図25Bは、側面図であり、図25Cは、底面図である。図26Aは、実施の形態3に係る光束制御部材240の、図25CのA−A線に沿っての断面図であり、図26Bは、図25Cに示される部分Bの拡大図であり、図26Cは、図25Cに示される部分Cの拡大図である。
図24〜図26に示される実施の形態3に係る光束制御部材240を有する発光装置について、照度分布のシミュレーションを行った。
次に、実施の形態3に係る光束制御部材240を成形するための成形型について説明する。実施の形態3に係る成形型は、光束制御部材240における最も外側の最も高い凸部246に対応する第1金型片280における最も外側の最も深い凹部が、当該凹部の谷線が平面視において直線となるように形成されている点、および、第1金型片280が第1コア部281と第2コア部282とに分離可能である点、で、実施の形態1の成形型と異なる。
以上のように、実施の形態3に係る光束制部材240は、実施の形態1および2に係る光束制御部材140と同様に、照度の均整度が高い四角形状の被照射領域を形成することができる。また、実施の形態3に係る光束制御部材240は、円弧状の凸部を形成するための第1コア部281と直線状の凸部を形成するための第2コア部282とを分離可能な第1金型片280を用いて製造することができる。第2コア部282は、前述したように、直線加工によって製造することができる。また、第2コア部282は、光束制御部材240における最も大きな凸部246に対応することから、当該直線加工は、微細な加工のための特殊な加工機を必要としない。このため、汎用の、または既に所有している直線加工用の加工機によって当該直線加工を行うことが可能である。さらに、上記直線加工は、旋盤加工よりも直線部の加工精度が高く、また加工時間も短い。よって、成形型のコストがより低減され、成形型の製造時間がより短縮されるので、照度の均整度が高い四角形状の被照射領域を形成する光束制御部材の生産性を高める観点から、より効果的である。
実施の形態4に係る発光装置および照明装置は、光束制御部材340の形状が実施の形態2に係る発光装置100および照明装置400とそれぞれ異なる。そこで、実施の形態2に係る発光装置100および照明装置400と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略し、光束制御部材340の新しい構成要素を中心に説明する。実施の形態4に係る光束制御部材340は、複数の凸部146のうち、最も外側の最も高い凸部146が、直線状の稜線246dを有する凸部246に置き換えられている点で、実施の形態2に係る光束制御部材140と異なる。
図29〜図31は、実施の形態4に係る光束制御部材340の構成を示す図である。図29は、実施の形態4に係る光束制御部材340の斜視図である。図30Aは、光束制御部材340の平面図であり、図30Bは、側面図であり、図30Cは、底面図である。図31Aは、実施の形態4に係る光束制御部材340の、図30CのA−A線に沿っての断面図であり、図31Bは、図30Cに示される部分Bの拡大図であり、図31Cは、図30Cに示される部分Cの拡大図である。
図29〜図31に示される実施の形態4に係る光束制御部材340を有する発光装置について、照度分布のシミュレーションを行った。
次に、実施の形態4に係る光束制御部材340を成形するための成形型について説明する。実施の形態4に係る成形型は、光束制御部材340における最も外側の最も高い凸部246に対応する第1金型片380における最も外側の最も深い凹部が、当該凹部の谷線が平面視において直線となるように形成されている点、および、第1金型片380が第1コア部381と第2コア部382とに分離可能である点、で、実施の形態2の成形型と異なる。
以上のように、実施の形態4に係る光束制部材340は、実施の形態1および2に係る光束制御部材140と同様に、照度および照度の均整度が高い四角形状の被照射領域を形成することができる。また、実施の形態4に係る光束制御部材340は、実施の形態3と同じ理由により、照度の均整度が高い四角形状の被照射領域を形成する光束制御部材の生産性を高める観点から、より効果的である。
12,42,52 溝
20,44 シリンドリカルレンズ
40 第1の集光レンズ
50 第2の集光レンズ
100 発光装置
120 発光素子
140,140’,240,340,640,740,840 光束制御部材
141 入射領域
142 出射領域
143 フランジ
144 屈折部
145 フレネルレンズ部
146,246 凸部
146a,146a’ 第1傾斜面
146b,146b’ 第2傾斜面
146c,146c’ 第3傾斜面
146d,246d、283,383 稜線
146d’,286,386 谷線
280,380,580,980 第1金型片
281,381 第1コア部
282,382 第2コア部
284,384,562 凹部
285 内側稜線
287,387 外側稜線
400 照明装置
420 カバー
440 基板
500,900 第1金型
520 入射領域成形領域
540 屈折部成形領域
560 フレネルレンズ部成形領域
642 壁部
CA 中心軸
LA 光軸
S (第1)仮想四角形
S’ (第2)仮想四角形
L (第1)仮想直線
L’ (第2)仮想直線
Claims (13)
- 発光素子から出射された光の配光を制御する光束制御部材であって、
発光素子から出射された光を入射させる入射領域と、
前記入射領域から入射した光を出射させる出射領域と、を有し、
前記入射領域は、第1仮想四角形の対角線の交点と頂点とを結ぶ4本の第1仮想直線のうち、隣接する2本の前記第1仮想直線間を繋ぐ稜線を有する凸部を複数含み、
複数の前記凸部は、2本の前記第1仮想直線間において隣接する2つの前記凸部間に谷部が形成されるように配置され、
複数の前記稜線の少なくとも一部は、平面視において円弧状に形成され、
前記円弧状の稜線の曲率半径は、前記交点から当該稜線の中点までの距離よりも長い、
光束制御部材。 - 複数の前記稜線は、前記円弧状の稜線と、平面視において直線状に形成された稜線とを含み、
前記直線状の稜線を有する凸部は、前記円弧状の稜線を有する凸部よりも、より高く、かつより外側に配置されている、請求項1に記載の光束制御部材。 - 複数の前記稜線の全てが、前記円弧状の稜線である、請求項1に記載の光束制御部材。
- 平面視において、前記稜線は、内側に凸となるように配置されており、
前記稜線の曲率中心は、前記交点および前記第1仮想四角形の一辺の中点を通る直線上に配置されている、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の光束制御部材。 - 平面視において、前記稜線は、外側に凸となるように配置されており、
前記稜線の曲率中心は、前記交点および前記第1仮想四角形の一辺の中点を通る直線上に配置されている、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の光束制御部材。 - 2本の前記第1仮想直線間を繋ぐ複数の前記稜線の曲率中心は、一致している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光束制御部材。
- 発光素子と、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の光束制御部材と、
を有し、
前記交点は、前記発光素子の光軸上に配置されている、
発光装置。 - 請求項7に記載の発光装置と、
前記発光装置からの出射光を拡散させつつ透過させるカバーと、
を有する、照明装置。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の光束制御部材を成形するための成形型であって、
前記入射領域を成形するための入射領域成形領域を有し、
前記入射領域成形領域は、第2仮想四角形の対角線の交点と各頂点とを結ぶ4本の第2仮想直線のうち、隣接する2本の前記第2仮想直線間を繋ぐ谷線を有する複数の凹部を含み、
複数の前記凹部は、2本の前記第2仮想直線間において隣接する2つの前記凹部間に頂部が形成されるように配置され、
複数の前記谷線の少なくとも一部は、平面視において円弧状に形成され、
前記円弧状の谷線の曲率半径は、前記第2仮想四角形の対角線の交点から前記谷線の中点までの距離よりも長い、
成形型。 - 複数の前記谷線は、前記円弧状の谷線と、平面視において直線状に形成された谷線とを含み、
前記直線状の谷線を有する凹部は、前記円弧状の谷線を有する凹部よりも、より深く、かつより外側に配置されている、請求項9に記載の成形型。 - 複数の前記谷線の全てが、前記円弧状の谷線である、請求項9に記載の成形型。
- 平面視において、前記谷線は、内側に凸となるように配置されており、
前記谷線の曲率中心は、前記第2仮想四角形の対角線の交点および前記第2仮想四角形の一辺の中点を通る直線上に配置されている、
請求項9〜11のいずれか一項に記載の成形型。 - 平面視において、前記谷線は、外側に凸となるように配置されており、
前記谷線の曲率中心は、前記第2仮想四角形の対角線の交点および前記第2仮想四角形の一辺の中点を通る直線上に配置されている、
請求項9〜11のいずれか一項に記載の成形型。
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