JP7187857B2 - 照明器具及びレンズ - Google Patents

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Description

本発明は、照明器具及びレンズに関する。
従来から、階段の踊り場に設置されている照明器具がある。この照明器具は、設置される踊り場だけでなく、階段にも光を照射している。例えば、特許文献1に記載の照明器具は、踊り場の壁面に取り付けられて使用されるものであり、非常時に点灯する非常用光源部を備えている。この照明器具は、非常用光源部が床面に光を照射するようにレンズにより配光制御している。
特開2017-50257号公報
レンズによる配光は、典型的には、円形の配光となる。その一方で、階段通路のような被照射部は、矩形形状を有する。このため、特許文献1の照明器具では、階段通路のような矩形形状を有する被照射部に対して光を効率良く照射しにくいという課題がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、矩形形状を有する被照射部に対して光を効率良く照射する上で有利になる照明器具、及び当該照明器具に用いられるレンズを提供することを目的とする。
本発明に係る照明器具は、器具本体と、器具本体に支持された光源と、光源からの光を受けるレンズと、を備え、レンズは、光源からの光が入射する入光面と、入光面に入射した光が出射する出光面と、を備え、レンズは、出光面から出射して被照射部に照射される光が四角状に分布するように配光制御する照明器具であって、レンズを出光面側から見たときに、出光面は、楕円状の領域から、第一突出部、第二突出部、第三突出部、及び第四突出部が四隅に突出した形状を有し、第一突出部と第二突出部とは、楕円状の領域の短軸に平行な方向である出光面短手方向に並んでおり、第三突出部と第四突出部とは、出光面短手方向に並んでおり、第一突出部と第四突出部とは、楕円状の領域の長軸に平行な方向である出光面長手方向に並んでおり、第二突出部と第三突出部とは、出光面長手方向に並んでおり、出光面短手方向についての出光面の大きさである出光面の幅に関して、第三突出部及び第四突出部の位置での出光面の幅は、第一突出部及び第二突出部の位置での出光面の幅よりも大きいものである。
また、本発明に係る照明器具は、器具本体と、器具本体に支持された光源と、光源からの光を受けるレンズと、を備え、レンズは、光源からの光が入射する入光面と、入光面に入射した光が出射する出光面と、を備え、レンズから放射される光を、レンズの取り付け平面の垂線軸に対して35°内に集めることにより、器具本体を階段の踊り場の天井面に取り付けた場合の遠方床面を照らすための遠方照射軸方向と、器具本体を踊り場の壁面に取り付けた場合の遠方床面を照らすための遠方照射軸方向とを両立させる配光とした照明器具であって、遠方床面は、踊り場から階段を下った所にある床面であり、器具本体を天井面に取り付けた場合の遠方床面を照らすための遠方照射軸方向は、垂線軸に対する角度である鉛直角がマイナス50°からマイナス20°の範囲になり、器具本体を壁面に取り付けた場合の遠方床面を照らすための遠方照射軸方向は、鉛直角がマイナス5°からプラス25°の範囲になるものである。
また、本発明に係るレンズは、光源からの光が入射する入光面と、入光面に入射した光が出射する出光面と、を備え、出光面から出射して被照射部に照射される光が四角状に分布するように配光制御するレンズであって、レンズを出光面側から見たときに、出光面は、楕円状の領域から、第一突出部、第二突出部、第三突出部、及び第四突出部が四隅に突出した形状を有し、第一突出部と第二突出部とは、楕円状の領域の短軸に平行な方向である出光面短手方向に並んでおり、第三突出部と第四突出部とは、出光面短手方向に並んでおり、第一突出部と第四突出部とは、楕円状の領域の長軸に平行な方向である出光面長手方向に並んでおり、第二突出部と第三突出部とは、出光面長手方向に並んでおり、出光面短手方向についての出光面の大きさである出光面の幅に関して、第三突出部及び第四突出部の位置での出光面の幅は、第一突出部及び第二突出部の位置での出光面の幅よりも大きいものである。
本発明によれば、矩形形状を有する被照射部に対して光を効率良く照射する上で有利になる照明器具、及び当該照明器具に用いられるレンズを提供することが可能となる。
実施の形態1による照明器具の斜視図である。 図1に示す照明器具の分解斜視図である。 図1に示す照明器具が備える非常用光源部の分解斜視図である。 図1に示す照明器具が備える非常用光源部のレンズをレンズ中心線に平行な方向から見た図である。 実施の形態1による照明器具が踊り場の壁面に取り付けられた状態を示す側面図である。 図5の一部を拡大した図である。 実施の形態1による照明器具が踊り場の天井面に取り付けられた状態を示す側面図である。 図7の一部を拡大した図である。 実施の形態1による非常用光源部のA断面における配光分布を示す図である。 実施の形態1によるレンズのA断面図である。 実施の形態1による照明器具が踊り場の壁面に取り付けられた状態を示す平面図である。 実施の形態1による照明器具が踊り場の天井面に取り付けられた状態を示す平面図である。 実施の形態1における非常用光源部による四角配光を模式的に示す斜視図である。 非常用光源部と、非常用光源部から四角配光で照射する照射領域とを模式的に示した平面図である。 高い取り付け位置の場合に必要とされる配光分布と、低い取り付け位置の場合に必要とされる配光分布とを対比させて示した図(図面代用写真)である。 1mから8mの取り付け高さの場合に非常用光源部に求められる光度の角度分布すなわち配光分布を示す図(図面代用写真)である。 壁付及び天付を両立させるためにレンズから放射される配光分布を示す図(図面代用写真)である。 例1のレンズをレンズ中心線に平行な方向から見た図(図面代用写真)である。 図18に示すレンズの出光面から出射する光の配光を示す円等光度図(図面代用写真)である。 例2のレンズをレンズ中心線に平行な方向から見た図(図面代用写真)である。 図20に示すレンズの出光面から出射する光の配光を示す円等光度図(図面代用写真)である。 例3のレンズをレンズ中心線に平行な方向から見た図(図面代用写真)である。 図22に示すレンズの出光面から出射する光の配光を示す円等光度図(図面代用写真)である。 実施の形態1によるレンズの出光面の3方向の断面形状を示す図である。 A断面に沿ったレンズの断面と光に対する働きを示す光線図である。 レンズの出光面から出射する光の配光を表す円等光度図である。 実施の形態2によるレンズを、レンズ中心線に平行な方向であって入光面側から見た図である。 実施の形態2によるレンズを通過する光線の例を示す図(図面代用写真)である。 実施の形態2によるレンズの出光面から出射する光の配光を示す円等光度図(図面代用写真)である。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図において共通または対応する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略化または省略する。本開示は、以下の各実施の形態で説明する構成のうち、組み合わせ可能な構成のあらゆる組み合わせを含み得る。なお、本開示で角度に言及した場合において、和が360°となる優角と劣角とがあるときには原則として劣角の角度を指すものとし、和が180°となる鋭角と鈍角とがある場合には原則として鋭角の角度を指すものとする。また、本開示における「鉛直角」及び「水平角」との用語は、配光分布を記述する際の慣例に従ったものであり、照明器具の実際の設置状態における鉛直線あるいは水平面に対する角度には必ずしも対応していない。また、出願人は、図15から図23、図28及び図29の図面代用写真の現物(カラー画像)を物件提出書にて提出する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による照明器具1の斜視図である。図2は、図1に示す照明器具1の分解斜視図である。本実施の形態の照明器具1は、例えば、建物の避難経路となる階段の踊り場の壁面または天井面に設置される階段通路誘導灯のような、非常用照明器具として用いることに適する。これらの図に示すように、照明器具1は、被取付部となる壁面または天井面に取り付けられる器具本体100と、器具本体100に取り付けられている常用光源部200と、器具本体100に取り付けられ停電などの非常時に点灯する非常用光源部300とを備えている。
器具本体100は、細長いほぼ箱形の外形を有する。典型的には、照明器具1は、器具本体100の長手方向が水平になる姿勢で設置される。器具本体100の内部には、非常用光源部300以外に、非常灯制御ユニット400、センサユニット500、点検スイッチ600、バッテリー700などが収納されている。器具本体100の正面には、平面部110と、平面部110に対して傾斜した傾斜部120とが形成されている。平面部110には、開口111が形成されている。器具本体100の背面には、背面部130が形成されている。器具本体100は、被取付部の面に背面部130が向き合う状態で被取付部に対して固定される。平面部110は、背面部130に対して平行である。
平面部110には、開口111を塞ぐように常用光源部200が着脱可能に取り付けつけられている。傾斜部120には、器具本体100の長手方向及び短手方向に関して、常用光源部200と隣接しない位置に、非常用光源部300が設けられている。本実施の形態では、器具本体100の長手方向の、一端に近い位置と他端に近い位置との二箇所にそれぞれ非常用光源部300が設置されている。また、傾斜部120の中央付近にはセンサユニット500が配置されている。
常用光源部200は、細長い外形を有する。図2に示すように、常用光源部200が器具本体100に対して着脱可能であるので、常用光源部200の交換などのメンテナンスを容易にすることができる。
器具本体100には、例えばAC100Vの商用電源が接続される。商用電源の電力は、常用光源部200と非常灯制御ユニット400とにそれぞれ供給される。常用光源部200は、商用電源の電力により点灯する。バッテリー700は、商用電源の停電時に非常用光源部300を点灯させるためのエネルギーを蓄える。非常灯制御ユニット400は、商用電源の電力によりバッテリー700を充電するための充電回路、非常時にバッテリー700から供給される電力により非常用光源部300を点灯させるための点灯回路、制御回路などを備える。
非常用光源部300は、発光基板310と、発光基板310から出射される光を受けて配光制御をするレンズ320と、非常用光源部300を器具本体100に固定する台座330と、発光基板310及びレンズ320を台座330に固定するソケット340とを備えている。レンズ320の中心線を以下「レンズ中心線」と呼ぶ場合がある。
センサユニット500は、照明器具1の外部の空間からの信号を受信するセンサを備える。例えば、検知範囲内に人が存在するか否かを電波または赤外線などを用いて検知する人感センサ、外部空間の光量を信号として受信する明るさセンサ、リモコンから発せられた電磁波を外部空間からの信号として受信するリモコン用の受光センサのうちの少なくとも一つをセンサユニット500が備えてもよい。照明器具1は、センサユニット500が検知した信号に応じて、常用光源部200の点灯状態を制御してもよい。例えば、センサユニット500が人感センサを備える場合において、人感センサが人を検知したときに常用光源部200を全光点灯させ、人感センサが人を検知しないときに常用光源部200を減光または消灯させてもよい。
点検スイッチ600は、非常時に要求される機能を照明器具1が維持しているかどうかを点検するときに操作される。
傾斜部120には、開口121及び開口122が形成されている。開口121の形状は、楕円状である。開口122の形状は、長方形である。非常用光源部300のレンズ320の一部は、開口121から器具本体100の外部へ突出する。センサユニット500の一部は、開口122から器具本体100の外部へ突出する。
図3は、図1に示す照明器具1が備える非常用光源部300の分解斜視図である。図4は、図1に示す照明器具1が備える非常用光源部300のレンズ320をレンズ中心線に平行な方向から見た図である。
図3に示すように、発光基板310は、基板311と、基板311に実装された発光素子312とを備える。発光素子312は、光源に相当する。発光素子312は、例えば発光ダイオードのような半導体光源を用いたものでもよい。図示の例では、パッケージタイプの4個の発光素子312が、平板状の基板311の中央部に配置されている。パッケージタイプの発光素子312は、例えばチップスケールパッケージ(CSP)タイプのものでもよい。また、発光素子312は、パッケージタイプものに限らず、例えばチップオンボード(COB)タイプのものでもよい。
図3に示す例では、台座330と発光基板310との間に放熱絶縁シート350が配置される。放熱絶縁シート350の両面に、台座330の表面と、発光基板310の裏面とがそれぞれ密着する。これにより、発光基板310で発生した熱を台座330へ効率良く逃がすことができる。台座330は、器具本体100に対して固定される。発光基板310及びレンズ320は、台座330及びソケット340を介して器具本体100により支持される。
ソケット340は、発光基板310を覆うように配置される。ソケット340は、開口341と、複数の係合部342とを有する。開口341は、ソケット340の中央に形成されている。発光素子312から発せられた光は、開口341を通過して、レンズ320に入射する。係合部342がレンズ320の外縁部に係合することにより、レンズ320が固定される。
レンズ320は、発光素子312からの光が入射する入光面321と、入光面321に入射した光が出射する出光面322とを有する。本実施の形態のレンズ320は、フランジ部323を備える。フランジ部323は、出光面322の周縁部から外周側へ環状に突出する。フランジ部323は、レンズ中心線に対して垂直な板状を呈する。フランジ部323は、基板311に対して平行に配置される。フランジ部323の外縁部がソケット340の係合部342に係合する。フランジ部323は、ソケット340に対向する内面と、この内面と反対側の外面とを有する。
出光面322は、全体として、フランジ部323の外面よりも外側へ隆起する凸部を形成している。フランジ部323は、器具本体100の傾斜部120の内側に位置する。出光面322は、傾斜部120に形成された開口121を通って器具本体100の外部へ突出する。
以下の説明では、出光面322とフランジ部323との間の、レンズ中心線の方向の距離を「出光面322の高さ」と称する。出光面322の高さは、出光面322の中心部分で最も高く、出光面322の外縁部分に向かって低くなる。図1から図4では、出光面322の高さについての等高線を出光面322に記載することによって出光面322の形状を表現している。
レンズ320は、出光面322から出射して被照射部に照射される光が四角状に分布するように配光制御する。本実施の形態では、例えば、階段及び踊り場を含む階段通路が被照射部に相当する。以下の説明では、被照射部に照射される光が四角状に分布する配光を「四角配光」と称する。
図4は、レンズ320を出光面322側から見た図である。図4のように見たときに、出光面322は、楕円状の領域324から四隅が突出した形状を有する。楕円状の領域324とは、図4における出光面322の輪郭に内接する仮想の楕円で囲まれる領域である。出光面322は、楕円状の領域324から第一突出部325、第二突出部326、第三突出部327、及び第四突出部328が突出した形状を有する。第一突出部325、第二突出部326、第三突出部327、及び第四突出部328は、楕円状の領域324に外接する仮想の長方形の四隅に相当する位置にある。
本実施の形態のレンズ320では、楕円状の領域324の四隅が第一突出部325、第二突出部326、第三突出部327、及び第四突出部328として突出した形状を出光面322が有することにより、四角配光が可能となる。
レンズ320は、不燃化材料であるガラス材料で形成されていることが望ましい。レンズ320を不燃化材料で形成することにより、停電時など非常時の光源として非常用光源部300を用いることに適する。なお、非常時の光源として用いられるものでない場合には、例えば樹脂材料などによりレンズ320を形成してもよい。
本実施の形態のレンズ320は、出光面長手方向及び出光面短手方向を有する。出光面長手方向は、楕円状の領域324の長軸に平行な方向である。出光面短手方向は、楕円状の領域324の短軸に平行な方向である。第一突出部325と第二突出部326とは、出光面短手方向に並んでいる。第三突出部327と第四突出部328とは、出光面短手方向に並んでいる。第一突出部325と第四突出部328とは、出光面長手方向に並んでいる。第二突出部326と第三突出部327とは、出光面長手方向に並んでいる。本実施の形態における照明器具1が被取付部に取り付けられた状態では、出光面長手方向は鉛直線に対して傾斜し、出光面短手方向は水平になる。なお、以下の説明では、次のように用語を定義する。図4に示すように、レンズ中心線を含み出光面長手方向に平行な平面で切断した断面を「A断面」と称する。また、レンズ中心線を含み出光面短手方向に平行な平面で切断した断面を「B断面」と称する。
第一突出部325、第二突出部326、第三突出部327、及び第四突出部328の表面に相当する部分の出光面322は、凸面として形成されている。本実施の形態における出光面322は、第一突出部325と第四突出部328との間にある凹面329と、第二突出部326と第三突出部327との間にある凹面351とを備える。
出光面短手方向についての出光面322の大きさを「出光面322の幅」と称する。本実施の形態では、第三突出部327及び第四突出部328の位置での出光面322の幅W1は、第一突出部325及び第二突出部326の位置での出光面322の幅W2よりも大きい。
図5から図12を用いて、照明器具1が被取付部に取り付けられ、非常用光源部300により照明する場合の状況について説明する。図5は、実施の形態1による照明器具1が踊り場の壁面901に取り付けられた状態を示す側面図である。壁面901は、踊り場の床面902に対して垂直な面である。上り階段903は、床面902から上っていく方向に延びる階段である。下り階段904は、床面902から下っていく方向に延びる階段である。壁面901は、上り階段903及び下り階段904の踏面の長手方向に対して平行である。
図6は、図5の一部を拡大した図である。図6に示すように、器具本体100の背面部130が壁面901に平行になるように器具本体100が壁面901に取り付けられている。図6中の角度θは、壁面901に対する器具本体100の傾斜部120の傾斜角度である。すなわち、角度θは、鉛直線に対する傾斜部120の傾斜角度に相当する。本実施の形態では、角度θは、30°である。レンズ320の中心線は、非常用光源部300の灯軸AXに相当する。図5及び図6に示す例では、非常用光源部300の灯軸AXと鉛直線との間の角度は、60°となる。以下の説明では、灯軸AXの方向を「灯軸方向」と呼ぶ場合がある。
図5中の光線B1及び光線B2は、非常用光源部300から放射される光線の例である。光線B1は、照明器具1からの距離が近い被照射部に照射される光線の例に相当する。光線B1は、照明器具1から真下に近い方向へ放射され、床面902に照射される。光線B2は、照明器具1からの距離が遠い被照射部に照射される光線の例に相当する。光線B2は、下り階段904を下った所にある遠方床面907に到達する。上り階段903、下り階段904、及び遠方床面907は、光線B2及びこれに近い方向に放射される光によって照明される。光線B2及びこれに近い方向に放射される光は、非常用光源部300の灯軸方向に近い方向の光であるので、比較的高い光度を有する。本実施の形態であれば、照明器具1からの距離が遠い、上り階段903、下り階段904、及び遠方床面907に対して、そのような比較的高光度の光を照射することができるので、それらを十分な光量で照明することができる。
また、床面902は、光線B1及びこれに近い方向に放射される光によって照明される。光線B1及びこれに近い方向に放射される光は、非常用光源部300の灯軸方向に対する角度が大きい方向の光であるので、比較的低い光度を有する。床面902は照明器具1からの距離が近いので、そのような比較的低光度の光によっても床面902を十分な光量で照明することができる。
図7は、実施の形態1による照明器具1が踊り場の天井面905に取り付けられた状態を示す側面図である。天井面905は、踊り場の床面902に向かい合う水平な面である。図8は、図7の一部を拡大した図である。図8に示すように、器具本体100の背面部130が天井面905に平行になるように器具本体100が天井面905に取り付けられている。図8中の角度θは、天井面905に対する器具本体100の傾斜部120の傾斜角度である。すなわち、角度θは、水平面に対する傾斜部120の傾斜角度に相当する。図7及び図8に示す例では、非常用光源部300の灯軸AXと鉛直線との間の角度は、30°となる。このように、照明器具1が天井面905に取り付けられた場合の灯軸AXと鉛直線との間の角度は、照明器具1が壁面901に取り付けられた場合の灯軸AXと鉛直線との間の角度よりも小さくなる。
図7中の光線B3及び光線B4は、非常用光源部300から放射される光線の例である。光線B3は、照明器具1からの距離が近い被照射部に照射される光線の例に相当する。光線B3は、照明器具1から真下に近い方向へ放射され、床面902に照射される。光線B4は、照明器具1からの距離が遠い被照射部に照射される光線の例に相当する。光線B4は、下り階段904を下った所にある遠方床面907に到達する。上り階段903、下り階段904、及び遠方床面907は、光線B4及びこれに近い方向に放射される光によって照明される。光線B4及びこれに近い方向に放射される光は、非常用光源部300の灯軸方向に近い方向の光であるので、比較的高い光度を有する。本実施の形態であれば、照明器具1からの距離が遠い、上り階段903、下り階段904、及び遠方床面907に対して、そのような比較的高光度の光を照射することができるので、それらを十分な光量で照明することができる。
また、床面902は、光線B3及びこれに近い方向に放射される光によって照明される。光線B3及びこれに近い方向に放射される光は、非常用光源部300の灯軸方向に対する角度が大きい方向の光であるので、比較的低い光度を有する。床面902は照明器具1からの距離が近いので、そのような比較的低光度の光によっても床面902を十分な光量で照明することができる。
照明器具1が天井面905に取り付けられる場合には、壁面901から離れた位置に照明器具1が配置される場合がある。図7において、非常用光源部300から放射される光には、光線B3のように、壁面901に近づくように進む光が含まれる。これにより、壁面901から離れた位置に照明器具1が配置された場合であっても、壁面901に近い位置の床面902を十分な光量で照明することができる。なお、以下の説明では、壁面901に取り付けられた照明器具1を「壁付」と称し、天井面905に取り付けられた照明器具1を「天付」と称する場合がある。
図9は、実施の形態1による非常用光源部300のA断面における配光分布を示す図である。図10は、実施の形態1によるレンズ320のA断面図である。図10に示すように、レンズ320は、レンズ中心線すなわち灯軸AXに対して垂直な底面352を有する。底面352は、出光面322の反対側にある平坦な表面であり、フランジ部323とともに同一平面を形成している。入光面321は、全体として、底面352に対して陥没する凹部を形成している。底面352は、レンズ320を取り付けるための取り付け平面に相当する。灯軸AXは、この取り付け平面に対して垂直な垂線軸に相当する。
図9の横軸は、レンズ320の取り付け平面の垂線軸の方向、すなわち灯軸AXの方向を0°とした場合の鉛直角を示す。図9の横軸のプラス方向は図4の紙面の上方に相当し、図9の横軸のマイナス方向は図4の紙面の下方に相当する。図9において、壁付の場合の実際の鉛直直下の方向の鉛直角はマイナス60°となり、天付の場合の実際の鉛直直下の方向の鉛直角はプラス30°となる。
以下の説明では、遠方床面907を照らすための光の方向を「遠方照射軸方向」と称する。例えば、図5中の光線B2の方向は壁付の場合の遠方照射軸方向に相当し、図7中の光線B4の方向は天付の場合の遠方照射軸方向に相当する。
図9の点線は、天付の場合に要求される配光分布を示す。天付の場合の遠方照射軸方向は、床面902から天井面905までの天井高さに応じて変化する。天井高さが低い場合には、遠方照射軸方向は、鉛直角の絶対値が比較的大きい方向となり、例えば鉛直角がマイナス50°の方向となる。天井高さが低い場合には、天井高さが高い場合よりも遠方床面907までの距離が短くなるので、要求される光度は天井高さが高い場合よりも低くなる。天井高さが高い場合には、遠方照射軸方向は、鉛直角の絶対値が比較的小さい方向となり、例えば鉛直角がマイナス20°の方向となる。天井高さが高い場合には、天井高さが低い場合よりも遠方床面907までの距離が長くなるので、要求される光度は天井高さが低い場合よりも高くなる。以上のように、天付の場合の遠方照射軸方向は、鉛直角がマイナス50°からマイナス20°程度の範囲になる。その結果、天付の場合には、図9の点線が示すように、鉛直角がマイナス50°からマイナス20°程度の範囲において、比較的高い光度が要求される。
図9の一点鎖線は、壁付の場合に要求される配光分布を示す。壁付の場合の遠方照射軸方向は、鉛直角がマイナス5°からプラス25°程度の範囲になる。その結果、壁付の場合には、図9の一点鎖線が示すように、鉛直角がマイナス5°からプラス25°程度の範囲において、比較的高い光度が要求される。
図9の破線で示す「目標配光」は、上述した壁付の場合の要求配光と天付の場合の要求配光との両方を満たす配光分布である。図9の実線で示す「A断面設計」は、実施の形態1による非常用光源部300の配光分布を示す。図9の「A断面設計」が示すとおり、本実施の形態であれば、レンズ320を用いて、出光面322から放射される光を、鉛直角の絶対値が35°内の方向に集めることにより、図9の「目標配光」を満足させることが可能となる。これにより、本実施の形態であれば、天付の場合の遠方照射軸方向と、壁付の場合の遠方照射軸方向とを両立させる配光が得られる。すなわち、壁付の場合と天付の場合とのいずれの場合においても、遠方床面907を含む必要な範囲に、十分な光量を照射することが可能となる。
以下の説明では、鉛直角0°の方向に対する両側において光度が最大光度の1/2となる方向の鉛直角の絶対値を「半値角」と称する。図9の「A断面設計」が示すとおり、本実施の形態では、鉛直角0°の方向を光度のピークとし、半値角が約35°となっている。
図10に示すように、レンズ320の入光面321は、底面352に対して平行に近い平坦面321aを有する。図10中の光線B13及び光線B14は、灯軸AX上の光源301から発せられた光の経路の例を示す。光線B13及び光線B14は、平坦面321aのうち周縁に近い位置に入射し、出光面322から出射する。光線B13及び光線B14は、出光面322から、鉛直角の絶対値が35°の方向へ放射される。図10が示すとおり、本実施の形態では、レンズ320を用いることにより、灯軸AXを中心としたコーン状すなわち錐体状をなす、鉛直角の絶対値が35°以下の範囲内に、主に光を放射している。
なお、本実施の形態では半値角が約35°であるが、半値角が30°から40°の範囲にあれば、本実施の形態の効果と同様の効果が得られる。
図11は、実施の形態1による照明器具1が踊り場の壁面901に取り付けられた状態を示す平面図である。すなわち、図11は、図5中の矢印911のように見た図に相当する。図12は、実施の形態1による照明器具1が踊り場の天井面905に取り付けられた状態を示す平面図である。すなわち、図12は、図7中の矢印912のように見た図に相当する。図11及び図12に示すように、照明器具1の長手方向の一端部に配置された非常用光源部300は、上り階段903に対向し、照明器具1の長手方向の他端部に配置された非常用光源部300は、下り階段904に対向する。これにより、上り階段903と下り階段904との間に壁906がある場合であっても、壁906に影響されることなく、上り階段903及び下り階段904の双方に対して非常用光源部300からの光を照射することができる。
図11中の光線B5及び光線B6は、照明器具1の長手方向の一端部に配置された非常用光源部300から放射される光線の例である。壁面908は、壁面901及び床面902の双方に対して垂直な面であり、上り階段903の横の壁につながる壁面である。壁面909は、壁面901及び床面902の双方に対して垂直な面であり、下り階段904の横の壁につながる壁面である。壁面909は、壁面908と向かい合う。光線B5は、壁面908に到達する。光線B6は、壁面909に到達する。
図11中の光線B7及び光線B8は、照明器具1の長手方向の他端部に配置された非常用光源部300から放射される光線の例である。光線B7は、壁面908に到達する。光線B8は、壁面909に到達する。
図12中の光線B9及び光線B10は、照明器具1の長手方向の一端部に配置された非常用光源部300から放射される光線の例である。光線B9は、壁面908に到達する。光線B10は、壁面909に到達する。図12中の光線B11及び光線B12は、照明器具1の長手方向の他端部に配置された非常用光源部300から放射される光線の例である。光線B11は、壁面908に到達する。光線B12は、壁面909に到達する。光線B9,B10,B11,B12は、壁面901に近づくように進む光に相当する。
本実施の形態の照明器具1によれば、非常用光源部300からレンズ320により照射された光が、床面及び階段において、四角形状に照射している。これにより、照明器具1に近い側と遠い側とにおいて、同じような幅を持って非常用光源部300からの光を照射することができる。本実施の形態の照明器具1であれば、照明器具1に近い側と遠い側とにおいて同じような幅を持って非常用光源部300からの光を照射していることで、以下の効果が得られる。すなわち、壁面901に照明器具1を取り付けた場合と、天井面905に照明器具1を付けた場合とにおいて、レンズ320の向き(レンズ320の階段に近い側)が変わっても、同じように床面及び階段に光を照射することができ、床面及び階段の必要な範囲に十分な光量で照明することができる。なお、本開示において、“必要な範囲”及び“十分な光量”とは、例えば、消防法等の法令で定められている範囲及び照度を満たすものであればよい。本実施の形態では、壁面901は、第一の被取付部に相当し、天井面905は、第一の被取付部に対して垂直になる第二の被取付部に相当する。
図13は、実施の形態1における非常用光源部300による四角配光を模式的に示す斜視図である。図13は、壁付の照明器具1の非常用光源部300による四角配光と、天付の照明器具1の非常用光源部300による四角配光とを示している。非常用光源部300が光を照射すべき被照射部910に相当する階段通路は、矩形形状をしている。本実施の形態であれば、壁付と天付のいずれの場合においても、被照射部910の形状に沿った配光分布をレンズ320により作り出すことができる。
図14は、非常用光源部300と、非常用光源部300から四角配光で照射する照射領域SQとを模式的に示した平面図である。図14は、図11及び図12と同様に、床面902に垂直な方向から見た図に相当する。図14中のSQ1、SQ2、SQ3、及びSQ4は、矩形の照射領域SQの四隅の境界点を示す。SQ3及びSQ4は、前方の照射境界点、すなわち非常用光源部300からの距離が遠い方の照射境界点に相当する。SQ1及びSQ2は、後方の照射境界点、すなわち非常用光源部300からの距離が近い方の照射境界点に相当する。
非常用光源部300からの距離が最も遠い照射境界点SQ3,SQ4を、必要な照度(例えば2lx)で照明するための光束は、最も高い光度が必要となる一方で、その照射する角度幅αは最も小さい。そして、照射境界点SQ3,SQ4から非常用光源部300に近づくにつれ、必要な光束は低下する一方で、照射する角度幅αは大きくなっていく。
図15は、高い取り付け位置の場合に必要とされる配光分布と、低い取り付け位置の場合に必要とされる配光分布とを対比させて示した図(図面代用写真)である。図15(a)は、床面902からの距離である取り付け高さが比較的低い場合の非常用光源部300に必要とされる配光分布を示す。図15(b)は、床面902からの距離である取り付け高さが比較的高い場合の非常用光源部300に必要とされる配光分布を示す。
図15(a)及び図15(b)では、非常用光源部300に必要とされる光度値の角度分布すなわち配光分布を、非常用光源部300を光中心とした円等光度図により表している。図15(a)及び図15(b)の円等光度図では、以下のようにしている。9個の同心円は、10°刻みの鉛直角の目盛に相当する。同心円の中心は、鉛直角0°である。非常用光源部300の実際の鉛直直下の方向を鉛直角0°とする。最も外側の同心円は、鉛直角90°に相当する。光中心から水平な方向が鉛直角90°である。同心円の中心の周りの角度は、水平角を表す。水平角は、光中心を通る一つの基準鉛直面からほかの鉛直面までのなす角である。水平角が270°の方向、すなわち図15(a)及び図15(b)での下方向が、照明器具1の正面の方向に相当する。
図15が示すように、取り付け位置が高くなるにつれ、必要とされる光度が大きくなるが、照射に必要な領域は矩形に近い狭い領域に限られてくることが分かる。つまり、光度値の低い光で広角に光を照射し、且つ光度値の高い光を極限られた矩形領域に照射させることにより、光を有効に利用することができる。
照明器具1のような階段灯では、一般に、1mから8m程度の取り付け高さで使用することが求められる。図16は、1mから8mの取り付け高さの場合に非常用光源部300に求められる光度の角度分布すなわち配光分布を示す図(図面代用写真)である。図16(a)は、壁付の場合を示し、図16(b)は天付の場合を示す。図16(a)及び図16(b)の円等光度図の座標系は、図15(a)及び図15(b)と同様である。水平角が270°の方向、すなわち図16(a)及び図16(b)での下方向が、照明器具1の正面の方向に相当する。
図17は、壁付及び天付を両立させるためにレンズから放射される配光分布を示す図(図面代用写真)である。図16(a)に示す壁付の場合の配光と、図16(b)に示す天付の場合の配光とを非常用光源部300により実現させるためには、図17に示す光度の角度分布がレンズの出光面から放射される必要がある。図17の円等光度図では、以下のようにしている。9個の同心円は、10°刻みの鉛直角の目盛に相当する。同心円の中心は、鉛直角0°である。レンズの入光面側の取り付け平面である底面を基準面とし、この基準面に対して垂直な方向が図17の円等光度図の中心点となっている。すなわち、図17の円等光度図では、非常用光源部300の灯軸AXの方向を鉛直角0°とする。
次に、このような配光分布を形成するための手段について、図18から図23を用いて説明する。図18は、例1のレンズをレンズ中心線に平行な方向から見た図(図面代用写真)である。図19は、図18に示すレンズの出光面から出射する光の配光を示す円等光度図(図面代用写真)である。図20は、例2のレンズをレンズ中心線に平行な方向から見た図(図面代用写真)である。図21は、図20に示すレンズの出光面から出射する光の配光を示す円等光度図(図面代用写真)である。図22は、例3のレンズをレンズ中心線に平行な方向から見た図(図面代用写真)である。図23は、図22に示すレンズの出光面から出射する光の配光を示す円等光度図(図面代用写真)である。
以下の説明では、レンズ中心線を回転の軸として図形を回転させたときに生ずる立体の形状を「回転体形状」と称する。図18、図20、及び図22のレンズの入光面は、いずれも、回転体形状である球面形状の凹部を形成している。図18のレンズの出光面は、回転体形状の曲面を形成している。図20のレンズの出光面は、長手方向と、当該長手方向に対して垂直な短手方向とを有する楕円形状の曲面を形成している。図22のレンズの出光面は、当該出光面の長手方向の基準線に対して45°の方向までの部分を長辺とし、45°以上の角度から真っ直ぐな面となるように曲面を変形させた形状を有する。
図19に示すように、図18のレンズでは、円等光度図における等光度線が円形状を呈する。このように、等方的な円形の出光面を有する図18のレンズでは、配光は等方的となる。
図21に示すように、図20のレンズでは、円等光度図における等光度線が楕円形状を呈する。このように、楕円形の出光面を有する図20のレンズでは、楕円形の長軸方向の配光は広くなり、楕円形の短軸方向の配光は狭くなる。
図23に示すように、図22のレンズでは、円等光度図における等光度線が、四角状、すなわち矩形に近い形状を呈する。光は、レンズ出光面の長手曲面に広角に広がるようになる。このため、図22のレンズのように、出光面の長手方向の基準線に対して45°の方向の出光面を強調して外側へ延ばして、矩形に近い形状の出光面を形成すれば、矩形に近い配光、すなわち四角配光が得られる。実施の形態1のレンズ320、あるいは図22のレンズによれば、四角配光が得られるので、図17のような配光、またはそれに近い配光が可能となる。
図24は、実施の形態1によるレンズ320の出光面322の3方向の断面形状を示す図である。図24の横軸は、レンズ中心線からの距離を表す。以下の説明では、レンズ中心線を含み出光面長手方向及び出光面短手方向に対して45°の角度となる平面で切断した断面を「45°方向の断面」と称する。図24に示すように、レンズ320の厚さの半分の位置、すなわちレンズ中心線の方向のレンズ320の寸法の1/2の位置において、上記3方向の断面形状の、レンズ中心線から出光面322までの距離を比較すると、B断面を1とした場合、A断面では約1.8倍となり、45°方向の断面では約1.6倍となる。
前述した図9において、破線で示す「目標配光」は、鉛直角0°の方向にピークを持つ山形の配光分布と比べて、鉛直角がおおむねプラス30°からプラス70°までの方向の光度が低くなっている。このため、鉛直角0°の方向にピークを持つ山形の配光分布によって光を照射したと仮定すると、鉛直角がおおむねプラス30°からプラス70°までの方向に対しては、必要以上の光量を照射することになる。これに対し、実施の形態1による非常用光源部300の配光分布は、図9の実線の「A断面設計」が示すとおり、鉛直角0°の方向にピークを持つ山形の配光分布に比べて、鉛直角がおおむねプラス30°からプラス70°までの方向の光度が低くなっており、破線で示す「目標配光」に近い配光になっている。これにより、本実施の形態であれば、鉛直角がおおむねプラス30°からプラス70°までの方向に対して必要以上の光量を照射することを抑制できるので、発光素子312から発せられた光をより有効に活用することができる。本実施の形態では、要求される光度が低い方向への光束を削減するようにレンズ320の形状を工夫することにより、上述したような配光を実現している。この点について、以下に説明する。
図25は、A断面に沿ったレンズ320の断面と光に対する働きを示す光線図である。図25に示すように、本実施の形態のレンズ320は、A断面における入光面321の角度が急激に変わる部分である入光面角度急変部353と、A断面における出光面322の角度が急激に変わる部分である出光面角度急変部354とを備える。図25中の光線は、発光素子312から発せられた光のうち、入光面角度急変部353を通過し、さらに出光面角度急変部354を通過して外部へ放射される光線の例を表している。
入光面321でも出光面322でも、レンズ面の角度が大きく変わる部分では、光は2方向に二分される。このことを利用すると、特定の角度方向に向かう光束の密度を薄めることができる。本実施の形態では、入光面角度急変部353と出光面角度急変部354とにより、光を2回散らすことで、鉛直角がおおむねプラス30°からプラス70°までの方向への光量を抑制することができる。図25中の角βは、入光面角度急変部353及び出光面角度急変部354により光量が抑制される特定の角度方向の例を示している。
本実施の形態の照明器具1は、レンズ320を用いることで下記のような効果を得ることができる。
(1)四角配光をすることができ、天井面905に照明器具1を取り付けても、壁面901に照明器具1を取り付けても、同じように十分な光量を照射することができる。
(2)四角配光により、階段通路のような矩形形状を有する被照射部に対して、十分な光量を効率良く照射することができる。これとは対照的に、仮に、被照射部に対して円形もしくは楕円状に照射する配光の場合には、被照射部の四隅が暗くなるそれがある。また、その場合において、暗くならないように照射するには、全体の光量を上げる必要があり、不要な箇所にまで光を照射することになり、ロスが発生して効率が悪くなる。
(3)レンズ320の一部に、窪みとなる凹面329及び凹面351を設け、非対称な形状の出光面322を形成したことで、余計な光の照射を抑制することができる。なお、余計な光とは、壁面908,909へ向かう方向の光や、二つの非常用光源部300からの光が重なる箇所へ向かう方向の光であり、レンズ320の出光面322からB断面に沿う方向へ放射される光である。本実施の形態であれば、凹面329及び凹面351を設けたことにより、発光素子312からB断面に沿う方向へ発せられた光が、出光面322からA断面に沿う方向へ放射されるように配光を制御することができる。その結果、余計な光の照射を抑制することができる。
本開示の照明器具及びレンズは、実施の形態に限定されるものではなく、レンズの出光面から出射する光の配光を表す円等光度図における等光度線が四角状を呈するものであれば、これまで述べた効果に類似する効果が得られる。この点について以下に説明する。図26は、レンズの出光面から出射する光の配光を表す円等光度図である。図26では、レンズ中心線の方向の鉛直角を0°とし、鉛直線の目盛となる同心円を省略している。等光度線800は、レンズ中心線上にある点光源からの光がレンズの入光面に入射したと仮定した場合の配光を示す。等光度線800は、例えば、最大光度の1/2または1/10の光度の等光度線でもよい。楕円801は、等光度線800に内接する仮想の楕円である。楕円801は、例えば、水平角が0°、90°、180°、及び270°の4箇所で等光度線800に接する。等光度線800は、水平角が45°、135°、225°、及び315°の4方向のそれぞれにおいて、楕円801よりも外側へ張り出した部分を有する。上述したような等光度線800の形状は楕円801よりも矩形に近いと言えるので、等光度線800は四角状を呈することに相当する。また、本開示の照明器具及びレンズは、楕円801を真円に置き換えた場合に上記の条件を満足するものでもよい。
実施の形態2.
次に、図27から図29を参照して、実施の形態2について説明するが、前述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分については説明を簡略化または省略する。
図27は、実施の形態2によるレンズ850を、レンズ中心線に平行な方向であって入光面851側から見た図である。図27に示すように、レンズ850が有する入光面851は、レンズ中心線に平行な方向から見たときに、矩形の凹部を形成している。入光面851により形成される凹部の立体形状は、四角錐状または四角錐台状でもよい。入光面851により形成される凹部は、図27中の上方向、下方向、左方向、及び右方向の4箇所に角部を有する。図示を省略するが、レンズ850の出光面は、回転体形状の曲面となっている。レンズ850の出光面は、全体として、回転体形状の凸部を形成する。
図28は、実施の形態2によるレンズ850を通過する光線の例を示す図(図面代用写真)である。図29は、実施の形態2によるレンズ850の出光面から出射する光の配光を示す円等光度図(図面代用写真)である。
図28が示すとおり、レンズ850から放射される光線の密度は、入光面851により形成される矩形の凹部の角部がある方向で疎となる。このため、図28において、上方向、下方向、左方向、及び右方向に向かう光線は少なくなり、左斜め上45°、右斜め上45°、左斜め下45°、右斜め下45°の各方向に向かう光が増える。その結果、図29に示すような矩形の配光分布を生じさせることができる。本実施の形態のように、入光面851のみを矩形形状とし、出光面を回転体形状としたレンズ850によっても、四角配光を達成することが可能である。レンズ850であれば、外から見える出光面が回転体形状を有することで、美観を向上する上で有利になる。
1 照明器具、 100 器具本体、 110 平面部、 111 開口、 120 傾斜部、 121 開口、 122 開口、 130 背面部、 200 常用光源部、 300 非常用光源部、 310 発光基板、 311 基板、 312 発光素子、 320 レンズ、 321 入光面、 322 出光面、 323 フランジ部、 324 楕円状の領域、 325 第一突出部、 326 第二突出部、 327 第三突出部、 328 第四突出部、 329 凹面、 330 台座、 340 ソケット、 341 開口、 342 係合部、 350 放熱絶縁シート、 351 凹面、 352 底面、 353 入光面角度急変部、 354 出光面角度急変部、 400 非常灯制御ユニット、 500 センサユニット、 600 点検スイッチ、 700 バッテリー、 800 等光度線、 801 楕円、 850 レンズ、 851 入光面、 901 壁面、 902 床面、 903 上り階段、 904 下り階段、 905 天井面、 906 壁、 907 遠方床面、 908 壁面、 909 壁面、 910 被照射部

Claims (8)

  1. 器具本体と、
    前記器具本体に支持された光源と、
    前記光源からの光を受けるレンズと、
    を備え、
    前記レンズは、
    前記光源からの光が入射する入光面と、
    前記入光面に入射した光が出射する出光面と、
    を備え、
    前記レンズは、前記出光面から出射して被照射部に照射される光が四角状に分布するように配光制御する照明器具であって、
    前記レンズを前記出光面側から見たときに、前記出光面は、楕円状の領域から、第一突出部、第二突出部、第三突出部、及び第四突出部が四隅に突出した形状を有し、
    前記第一突出部と前記第二突出部とは、前記楕円状の領域の短軸に平行な方向である出光面短手方向に並んでおり、
    前記第三突出部と前記第四突出部とは、前記出光面短手方向に並んでおり、
    前記第一突出部と前記第四突出部とは、前記楕円状の領域の長軸に平行な方向である出光面長手方向に並んでおり、
    前記第二突出部と前記第三突出部とは、前記出光面長手方向に並んでおり、
    前記出光面短手方向についての前記出光面の大きさである前記出光面の幅に関して、前記第三突出部及び前記第四突出部の位置での前記出光面の幅は、前記第一突出部及び前記第二突出部の位置での前記出光面の幅よりも大きい照明器具。
  2. 器具本体と、
    前記器具本体に支持された光源と、
    前記光源からの光を受けるレンズと、
    を備え、
    前記レンズは、
    前記光源からの光が入射する入光面と、
    前記入光面に入射した光が出射する出光面と、
    を備え、
    前記レンズから放射される光を、前記レンズの取り付け平面の垂線軸に対して35°内に集めることにより、前記器具本体を階段の踊り場の天井面に取り付けた場合の遠方床面を照らすための遠方照射軸方向と、前記器具本体を前記踊り場の壁面に取り付けた場合の遠方床面を照らすための遠方照射軸方向とを両立させる配光とした照明器具であって、
    前記遠方床面は、前記踊り場から階段を下った所にある床面であり、
    前記器具本体を前記天井面に取り付けた場合の前記遠方床面を照らすための前記遠方照射軸方向は、前記垂線軸に対する角度である鉛直角がマイナス50°からマイナス20°の範囲になり、
    前記器具本体を前記壁面に取り付けた場合の前記遠方床面を照らすための前記遠方照射軸方向は、前記鉛直角がマイナス5°からプラス25°の範囲になる照明器具。
  3. 前記出光面から出射する光の配光を表す円等光度図における等光度線が四角状を呈する請求項1または請求項2に記載の照明器具。
  4. 前記レンズの中心線に平行な方向から見たときに、前記出光面は、楕円状の領域から四隅が突出した形状を有する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の照明器具。
  5. 前記器具本体は、第一の被取付部と、前記第一の被取付部に対して垂直になる第二の被取付部のいずれにも取り付け可能である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の照明器具。
  6. 前記入光面は、全体として凹部を形成し、
    前記出光面は、全体として凸部を形成する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の照明器具。
  7. 前記入光面は、全体として矩形の凹部を形成し、
    前記出光面は、全体として回転体形状の凸部を形成する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の照明器具。
  8. 光源からの光が入射する入光面と、
    前記入光面に入射した光が出射する出光面と、
    を備え、
    前記出光面から出射して被照射部に照射される光が四角状に分布するように配光制御するレンズであって、
    前記レンズを前記出光面側から見たときに、前記出光面は、楕円状の領域から、第一突出部、第二突出部、第三突出部、及び第四突出部が四隅に突出した形状を有し、
    前記第一突出部と前記第二突出部とは、前記楕円状の領域の短軸に平行な方向である出光面短手方向に並んでおり、
    前記第三突出部と前記第四突出部とは、前記出光面短手方向に並んでおり、
    前記第一突出部と前記第四突出部とは、前記楕円状の領域の長軸に平行な方向である出光面長手方向に並んでおり、
    前記第二突出部と前記第三突出部とは、前記出光面長手方向に並んでおり、
    前記出光面短手方向についての前記出光面の大きさである前記出光面の幅に関して、前記第三突出部及び前記第四突出部の位置での前記出光面の幅は、前記第一突出部及び前記第二突出部の位置での前記出光面の幅よりも大きいレンズ。
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