JP6110639B2 - センサ閾値決定回路 - Google Patents
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Description
図2に示すセンサ閾値決定回路300は、センサ駆動電流検出回路120と、センサバイアス電流出力回路130と、バイアス電流切り替え回路140と、オフセットキャンセル回路200と、を備える。オフセットキャンセル回路200は、4端子型センサ3を含むチョッパ回路100を備える。
この駆動電流検出用抵抗RSは、4端子型センサ3を駆動するためのセンサ駆動電流Iを検出する。
センサバイアス電流出力回路130は、センサ駆動電流検出回路120で検出したセンサ駆動電流Iを増幅するための演算増幅器131と、増幅動作を行うためのスイッチング切り替えを行うPMOSトランジスタ132、およびセンサ駆動電圧Vccが一端に印加されたバイアス電流出力抵抗RBを有して構成される。このバイアス電流出力抵抗RBの他端がPMOSトランジスタ132を介してバイアス電流切り替え回路140に接続される。
すなわちセンサバイアス電流出力回路130は、駆動電流検出用抵抗RSを用いてセンサ駆動電流Iを検出し、そのセンサ駆動電流Iを、駆動電流検出用抵抗RSとセンサバイアス電流出力回路130のバイアス電流出力抵抗RBと演算増幅器131との組み合わせで決まるK対1の比で増幅した電流を出力する電流ミラー回路を構成する。そして、この電流ミラー回路により、センサ駆動電流Iの所定倍のセンサバイアス電流IBを発生させ、このセンサバイアス電流IBを、バイアス電流切り替え回路140に供給する。
図2に示す、従来のセンサ閾値決定回路300では、駆動電流検出用抵抗RSを用いてセンサ駆動電流Iを検出し、そのセンサ駆動電流Iを駆動電流検出用抵抗RSとバイアス電流出力抵抗RBと演算増幅器131との組み合わせで決まるK対1の比で増幅した電流を出力する電流ミラー回路が構成され、センサ駆動電流Iの1/Kのセンサバイアス電流IBを発生させている。
このとき、オフセットキャンセル回路200において、4端子型センサ3のオフセットが「0」にキャンセルされているものとすると、4端子型センサ3の磁気感度Bopは、Bop=IB×R=2×A×Vhで表すことができる。
図3は、図2のオフセットキャンセル回路200を抜き出した図である。
状態PH1にあるときのオフセットキャンセル回路200の状態を図4に示し、状態PH2にあるときのオフセットキャンセル回路200の状態を図5に示す。
図4の状態PH1において、4端子型センサ3は、例えば磁束密度に応じて出力信号「−Vh」を得る。
この4端子型センサ3のセンサ出力は、ゲインアンプ10の入力信号となる。ゲインアンプ10の利得をA倍としたとき、ゲインアンプ10の出力「Vh1−Vh2」は、Vh1−Vh2=A×(−Vh+Voff1)となる。なお、「Vh1」はゲインアンプ10の正側出力、「Vh2」はゲインアンプ10の負側出力である。
そして、キャパシタ5の容量値をCとした場合、キャパシタ5にチャージされる電荷Q1はQ1=C×(Vh3−Vh2)=C×(Vh1−Vh2)=C×A×(−Vh+Voff1)となる。
4端子型センサ3は、チョッパ回路100において2方向チョッパ方式で駆動され、状態PH1から接続が切り替わるため、センサ出力は極性が変化して「Vh」となる。
磁束密度が「0」の時は、理想的には4端子型センサ3の出力は「0」となるはずであるが、実際にはオフセットが存在する。この時のオフセットをVoff2とする。
状態PH2では、スイッチ4はOFFに制御され、比較アンプ11はコンパレータとして動作する。そのため、比較アンプ11の出力電圧VOは、HighレベルまたはLowレベルとなる。
比較アンプ11の出力電圧VOは、比較アンプ11に入力される「Vh1′」と「Vh3′」との差「Vh1′−Vh3′」が正値であれば、VO=Highレベル、負値であれば、Vo=Lowレベルとなる。
Vh1′−Vh3′
=Vh1′−(Vh2′+Q/C)
=Vh1′−Vh2′−(Vh1−Vh2)
=A×(Vh+Voff2)−A×(−Vh+Voff1)
=2×A×Vh+A×(Voff2−Voff1)
しかしながら、ゲインアンプ10の入力端に接続される4端子型センサ3の端子はそれぞれ異なるため、Voff2とVoff1とは同等の値を取らず、現実的には完全に「0」にはならない。このオフセットキャンセル後の「Voff2−Voff1」を残留オフセットと呼ぶ。
しかしながら、残留オフセットがあるため、磁気感度Bopは、Bop=IB×R=2×A×Vh+A×(Voff2−Voff1)となる。
4端子型センサ3のオフセットは、センサ外部入力BINには関係ない(依存しない)ため、極性は変わらず、残留オフセットの影響でヒステリシスオフセット(Bop+Brp)/2=(IB×R+(−IB×R))/2=A×(Voff2−Voff1)が発生することになる。
つまり、4端子型センサの各端子の接続を切り替え4端子型センサの対向する端子間に流れる電流の向きを90度ずつ切り替える。これにより、オフセットキャンセル回路は、4端子型センサに流れる電流の向きに応じて、第1から第4の状態まで4つの状態ができる。この4つの状態それぞれで出力される4端子型センサの出力信号を、それぞれ異なるキャパシタに保持し、各キャパシタの充電電圧を加算することにより、オフセットをキャンセルすることができる。
そこで、本発明では配置面積を大きく増やすことなく、シンプルな回路設計で残留オフセットを低減することの可能なオフセットキャンセル回路を提供することを目的としている。
図1は、本発明におけるセンサ閾値決定回路1の一例を示す回路図である。
本発明におけるセンサ閾値決定回路1は、図2に示す、従来のセンサ閾値決定回路300に、さらにオフセット電流加減算回路150を追加したものである。
オフセット電流加減算回路150は、ドレインどうしが直列に接続されたPMOSトランジスタ151とNMOSトランジスタ152とを備え、PMOSトランジスタ151のソースは、バイアス電流出力抵抗RBとPMOSトランジスタ132との間に接続され、NMOSトランジスタ152のソースは、接地されている。そして、PMOSトランジスタ151のゲートには演算増幅器131の出力が入力され、NMOSトランジスタ152のゲートには比較アンプ11の出力電圧VOが入力される。
このように、上記実施形態で説明したセンサ閾値決定回路1の構成をすることによって、4端子型センサ3のオフセットをより低減することができるが、さらに、センサ閾値決定回路1の後段にあえて温度補償回路などを設けることで、センサの出力精度をより向上させることもできる。
さらに、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
3 4端子型センサ
4 スイッチ
5 キャパシタ
10 ゲインアンプ
11 比較アンプ
100 チョッパ回路
101 スイッチ回路
120 センサ駆動電流検出回路
130 センサバイアス電流出力回路
131 演算増幅器
132 PMOSトランジスタ
140 バイアス電流切り替え回路
150 オフセット電流加減算回路
151 PMOSトランジスタ
I センサ駆動電流
IB センサバイアス電流
Ioffset オフセット電流
RB バイアス電流出力抵抗
RS 駆動電流検出用抵抗
VO 出力電圧
Vx センサ閾値電圧
Claims (2)
- センサの出力インピーダンスとバイアス電流との積により、前記センサによるセンサ出力のディジタル化のための閾値を決定するセンサ閾値決定回路において、
前記センサは4端子型センサであり且つ当該4端子型センサに流れる電流の方向が2方向に切り替わるように前記4端子型センサの4つの端子の接続先を切り替えて2つの状態に切り替え、前記4つの端子のうちの、前記2つの状態においてそれぞれ出力端子として動作する2つの端子からセンサ出力電圧を取り出すようになっており、
前記センサを駆動するためのセンサ駆動電流を検出するセンサ駆動電流検出回路と、
当該センサ駆動電流検出回路で検出されたセンサ駆動電流を所定倍したバイアス電流を出力するセンサバイアス電流出力回路と、
当該センサバイアス電流出力回路から出力されるバイアス電流の電流値を制御する制御回路と、
前記出力端子として動作する2つの端子から取り出した前記センサ出力電圧を比較して、前記センサ出力電圧をディジタル値として出力する電圧比較器と、
バイアス電流切り替え回路と、を備え、
当該バイアス電流切り替え回路は、
前記電圧比較器のディジタル出力に基づき、前記4端子型センサの、前記出力端子として動作する2つの端子のうち、前記ディジタル出力により特定されるいずれか一方の端子にのみ前記バイアス電流を供給し、
前記制御回路は、前記電圧比較器の前記ディジタル出力に基づき、前記4端子型センサの前記出力端子として動作する2つの端子のうち、予め設定した一方の端子に供給される前記バイアス電流についてのみ、その電流値を制御することを特徴とするセンサ閾値決定回路。 - 前記センサ駆動電流検出回路は、第1の抵抗を用いて前記センサ駆動電流を検出し、
前記センサバイアス電流出力回路は、第2の抵抗と演算増幅器とを有し、前記第1の抵抗と、前記第2の抵抗および前記演算増幅器との組み合わせで前記第1の抵抗および前記第2の抵抗の抵抗値の比で決定されるK対1の電流ミラー回路を構成し、かつ前記バイアス電流として、前記センサ駆動電流の1/K倍のバイアス電流を出力し、
前記制御回路は、前記センサ駆動電流の1/K倍のバイアス電流に対して、当該バイアス電流の電流値調整用のオフセット電流を加算または減算することを特徴とする請求項1に記載のセンサ閾値決定回路。
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