JP4976881B2 - センサ閾値回路 - Google Patents
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Description
始めに、図5におけるバイアス電流切り替え回路95のスイッチSWOが導通し、スイッチSWRが開放している時の閾値点について、図7を参照して説明する。図7は、説明を簡単にするために、図5に示すバイアス電流切り替え回路95のスイッチSWOが導通し、スイッチSWRが開放している状態で、4端子型センサ10、電圧比較器20、バイアス電流IBOを取り出した回路構成を示す図である。
このとき、センサバイアス電流発生回路55が発生する電流IBOはセンサ駆動電流ISを用いて次式(1)となる。
IBO=IS×RS/RO …(1)
ここで簡単にする為に、次のように電流ミラー比1/KOを定義する。
1/KO=RS/RO …(2)
I1=(VCC−VP)/R1 …(3a)
I2=VCC/(R3+R4) …(3b)
VP/R2=I1+(I1+I2)/KO …(3c)
VPについて解くと、
VP=VCC×((1+1/KO)/R1+1/(KO×(R3+R4)))/(1/R2+(1+1/KO)/R1) …(4)
となる。電圧比較器20は、VP=VNとなる電圧でスイッチするので、次式(5)が成立する。
VCC×((1+1/KO)/R1+1/(KO×(R3+R4)))/(1/R2+(1+1/KO)/R1)=R4×VCC/(R3+R4) …(5)
((1+1/KO)/(R+ΔR)+1/(KO×(R−ΔR+R+ΔR)))/(1/( R−ΔR)+(1+1/KO)/( R+ΔR)=( R+ΔR)/( R−ΔR + R+ΔR) …(6)
ΔR/R=1/(2×KO×(1+1/(2×KO))
≒1/(2×KO) ≡BOP …(7)
すなわち、上式(7)が成り立つΔR/Rが閾値BOPとなる。ここで、通常のセンサ出力電圧は数百μVから数十mV程度であり、センサ駆動電圧は1Vから5V程度である。これより、KOは十分に大きい値として近似をおこなっている。
IBR=IS×RS/RR …(8)
ここで簡単にする為に、次のように電流ミラー比1/KRを定義する。
1/KR=RS/RR …(9)
このとき、図8に示すように電流を定めバイアス電流IBRの時の電流ミラー比1/KOを1/KRとすることで同様に考えることができ、VP=VNが成り立つときのΔR/Rは次の式(10)で与えられる。
ΔR/R≒1/(2×KR)≡BRP …(10)
すなわち、上式(10)が成り立つΔR/Rが閾値BRPとなる。
ヒステリシス幅|BH|は以下の式(11)で書ける。
|BH|=|BOP−BRP|=|1/(2×KO)−1/(2×KR)|
=|RS×(1/RA−1/RB)/2| …(11)
上式(7)、(10)、(11)から得られる閾値BOP及びBRP、ヒステリシス幅|BH|とセンサ駆動電流検出抵抗器RSの関係を図9に示す。
この図9に示すように、従来のセンサ閾値回路においては、センサ駆動電流検出回路30の抵抗器RSを変化させることで閾値点を変化させた場合、ヒステリシス幅|BH|も同様に変化することが分かる。これは、上式(11)からも分かる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、閾値点の変化に依存しないヒステリシス幅を与えることができるセンサ閾値回路を提供することを目的としている。
また、本発明の請求項3によるセンサ閾値回路は、請求項1又は2において、前記センサは、4端子型のセンサであって、ホール素子、磁気抵抗素子、歪みセンサ、圧力センサ、温度センサ、加速度センサのいずれか1つであることを特徴とする。
但し、本発明の構成回路として2つの実施形態があるので、これらを第1及び第2の実施形態として各々説明し、この後に双方の作用及び効果を纏めて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態におけるセンサ閾値回路の構成を示す回路図である。
このセンサ閾値回路は、4端子型センサ10と、電圧比較器20と、センサ駆動電流検出回路30と、閾値電流発生回路50と、温度補償抵抗器80と、温度補償電流検出回路70と、ヒステリシス電流発生回路60と、バイアス電流演算回路190とを備えて構成されている。なお、4端子型センサ10は、例えばホール素子、磁気抵抗素子、歪みセンサ、圧力センサ、温度センサ、加速度センサのいずれかである。
このような構成のセンサ閾値回路において、センサ駆動電流検出回路30の抵抗器RSを用いてセンサ駆動電流ISを検出し、抵抗器RS、抵抗器RO、演算増幅器51及びPMOSトランジスタ52から成る閾値電流発生回路50で、センサ駆動電流ISの1/K倍(K>0)の閾値電流IOを発生する。
図2は、本発明の第2の実施形態におけるセンサ閾値回路の構成を示す回路図である。
このセンサ閾値回路は、4端子型センサ10と、電圧比較器20と、センサ駆動電流検出回路30と、閾値電流発生回路50と、温度補償抵抗器80と、温度補償電流検出回路70と、ヒステリシス電流発生回路60と、バイアス電流演算回路290とを備えて構成されている。
また、このセンサ閾値回路は、4端子型センサ10の出力端子にバイアス電流演算回路190で発生したセンサバイアス電流IBを流し込み、センサバイアス電流IBと4端子型センサ10の出力端子VPのインピーダンスROUTとの積IB×ROUTによる電圧ドロップを利用し、出力VSO(=VP−VN)にヒステリシス特性を有している。
本発明のセンサ閾値回路の要点は、従来技術において与えられるバイアス電流IBを、閾値電流IOとヒステリシス電流IHとを演算することによって発生させるようにしたことである。
本発明を理解する為に、まず、図1におけるヒステリシス電流IHと閾値電流IOとについて考察する。また、理解を簡単にする為に、センサ駆動電流を検出する抵抗器RSの抵抗値をセンサ抵抗器R1、R2、R3、R4の抵抗値に比べて非常に小さいと考え、それによりセンサの駆動端子電圧VCC2はVCCに等しいとした。同様に、温度補償電流を検出する温度補償電流検出抵抗器RT2の抵抗値を温度補償抵抗器RT1の抵抗値に比べ非常に小さいと考え、それにより温度補償抵抗駆動電圧VCC3はVCCに等しいとした。後で導かれる結果から、センサ駆動電圧VCCに閾値点が依存しないことがわかるので、センサ駆動電流検出抵抗器の抵抗値と温度補償電流検出抵抗器の抵抗値は、任意の値でかまわない。
IT=VCC/RT1 …(12)
1/A倍のヒステリシス電流発生回路60により次式(13)のヒステリシス電流IHを発生する。
IH=IT/A
=VCC/(RT1×A) …(13)
また、閾値電流IOは図5に示した従来回路と同様であり次式(14)で表される。
IO=IS×RS/RO …(14)
ここで簡単にする為に、次式(15a)及び(15b)のように電流ミラー比1/Kを定義する。
1/K=RS/RO …(15a)
IO=IS/K …(15b)
図3に示すバイアス電流演算回路の第1のスイッチSW1が導通し、第2のスイッチSW2が開放している時の閾値点を考える。
この時、バイアス電流IBOは次式(16)で表される。
IBO=IO …(16)
ΔR/R≒1/(2×K) ≡BOP …(17)
すなわち、上式(17)が成り立つΔR/Rが閾値BOPとなる。
ここで、簡単にする為にバイアス電流演算回路のNMOS192、NMOS193のサイズ比を1倍とし、電流ミラー比を1倍として扱う。このミラー比をC倍(C>0)とする時には、以下の式において1/AをC/Aとして扱うことで同様に考えることができる。
IBR=IO−IH …(18)
このとき、次の式(19a)〜(19c)が成り立つ。
I1=(VCC−VP)/R1 …(19a)
I2=VCC/(R3+R4) …(19b)
VP/R2=I1+((I1+I2)/K−VCC/(RT1×A)) …(19c)
VPについて解くと、
VP=VCC×((1+1/K)/R1+1/(K×(R3+R4))−1/(RT1×A))/(1/R2+(1+1/K)/R1) …(20)
となる。電圧比較器20は、VP=VNとなる電圧でスイッチするので、次式(21)が成り立つ。
VCC×((1+1/K)/R1+1/(K×(R3+R4))−1/(RT1×A))/(1/R2+(1+1/K)/R1)=R4×VCC/(R3+R4) …(21)
((1+1/K)/(R+ΔR)+1/(K×(R−ΔR+R+ΔR))−1/(RT1×A))/(1/( R−ΔR)+(1+1/K)/( R+ΔR))=( R+ΔR)/( R−ΔR + R+ΔR) …(22)
ΔR/R≒(2/K−2/(RT×A/R))/(4+2/K) …(23)
ここで、通常センサ出力電圧は数百μVから数十mV程度であり、センサ駆動電圧は1Vから5V程度であることを利用し、ΔR/Rは0.1以下の十分小さい値として近似をおこなった。また、温度補償抵抗器RT1をセンサ抵抗器R1、R2、R3、R4を用いて置き換えるために定数Bを次の式(24)で定義する。
B=RT1/R …(24)
ΔR/R= (2/K−2/(B×A))/(4+2/K)
≒1/(2×K)−1/(2×A×B)≡BRP …(25)
すなわち、上式(23)が成り立つΔR/Rが閾値BRPとなる。ここで、今考えている範囲では定数Kは十分に大きい値として扱えることを利用し近似をおこなった。
この時、ヒステリシス幅|BH|は次式(26)で表される。
|BH|=|BOP−BRP|=|1/(2×K)−(1/(2×K)−1/(2×A×B))|
=|1/(2×A×B)| …(26)
また、上式(17)、(25)の比較により、ヒステリシス電流IHを減算することで、閾値点を1/(2×A×B)移動させることができるということがわかる。
|BH|=|BOP−BRP|=|1/(2×K)+1/(2×A×B)−1/(2×K)|
=|1/(2×A×B)| …(27)
上式(17)、(23)、(26)、(27)から得られる閾値BOP及びBRP、ヒステリシス幅|BH|とセンサ駆動電流検出抵抗器RSの関係を図4に示す。
上記の定数A、Bは、抵抗比によって与えられるので、定数A、Bが決まればヒステリシス幅|BH|はひとつの値に決まり、ばらつきや温度変動、経時変化がない。
従って、第1及び第2のセンサ閾値回路によれば、閾値点の変化に依存しないヒステリシス幅を与えることができる。
20 電圧比較器
30 センサ駆動電流検出回路
40 センサ駆動電圧源
50 閾値電流発生回路
55 センサバイアス電流発生回路
60 ヒステリシス電流発生回路
70 温度補償電流検出回路
80 温度補償回路
190、290 バイアス電流演算回路
95 バイアス電流切り替え回路
151、161、251、261 演算増幅器
SW1、SW2 スイッチ
52、56、62 PMOSトランジスタ
192、193 NMOSトランジスタ
96、191、291 インバータ
R1、R2、R3、R4、RS、RO、RH、RT1、RT2、RA、RB 抵抗器
Claims (3)
- センサの入力に対しヒステリシス特性をもったデジタル信号を出力するセンサ閾値回路において、
前記センサの出力電圧を2値化する電圧比較器と、
前記センサの駆動電流を検出するセンサ駆動電流検出回路と、
該センサ駆動電流検出回路で検出されたセンサ駆動電流の1/K倍(K>0)の閾値電流を発生する閾値電流発生回路と、
前記センサと同じ温度特性をもつ温度補償抵抗器と、
前記温度補償抵抗器に流れる温度補償電流を検出する温度補償電流検出回路と、
該温度補償電流検出回路で検出された温度補償電流の1/A倍(A>0)のヒステリシス電流を発生するヒステリシス電流発生回路と、
前記電圧比較器により2値化された信号に基づいて前記ヒステリシス電流を制御すると共に、前記閾値電流と前記制御されたヒステリシス電流に基づいたバイアス電流を、前記センサの出力電圧を出力する端子に供給するバイアス電流演算回路と、
を具備し、
前記バイアス電流演算回路は、第1及び第2のスイッチを備え、前記第1及び第2のスイッチを切り替えることにより前記ヒステリシス電流を制御し、前記閾値電流と前記ヒステリシス電流との減算を行い、前記バイアス電流を発生させることを特徴とするセンサ閾値回路。 - センサの入力に対しヒステリシス特性をもったデジタル信号を出力するセンサ閾値回路において、
前記センサの出力電圧を2値化する電圧比較器と、
前記センサの駆動電流を検出するセンサ駆動電流検出回路と、
該センサ駆動電流検出回路で検出されたセンサ駆動電流の1/K倍(K>0)の閾値電流を発生する閾値電流発生回路と、
前記センサと同じ温度特性をもつ温度補償抵抗器と、
前記温度補償抵抗器に流れる温度補償電流を検出する温度補償電流検出回路と、
該温度補償電流検出回路で検出された温度補償電流の1/A倍(A>0)のヒステリシス電流を発生するヒステリシス電流発生回路と、
前記電圧比較器により2値化された信号に基づいて前記ヒステリシス電流を制御すると共に、前記閾値電流と前記制御されたヒステリシス電流に基づいたバイアス電流を、前記センサの出力電圧を出力する端子に供給するバイアス電流演算回路と、
を具備し、
前記バイアス電流演算回路は、第1及び第2のスイッチを備え、前記第1及び第2のスイッチを切り替えることにより前記ヒステリシス電流を制御し、前記閾値電流と前記ヒステリシス電流との加算を行い、バイアス電流を発生させることを特徴とするセンサ閾値回路。 - 前記センサは、4端子型のセンサであって、ホール素子、磁気抵抗素子、歪みセンサ、圧力センサ、温度センサ、加速度センサのいずれか1つであることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサ閾値回路。
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