JP5129302B2 - センサ閾値決定回路 - Google Patents
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Description
センサバイアス電流出力回路140は、センサ駆動電流Iを増幅するための演算増幅器141、増幅動作を行うためのスイッチング切り替えを行うPMOSトランジスタ142、及びセンサ駆動電圧VCCが印加されたバイアス電流出力用抵抗RBとを有して構成される。
駆動電流検出用抵抗RSを用いてセンサ駆動電流Iを検出し、そのセンサ駆動電流Iを駆動電流検出用抵抗RSとバイアス電流出力用抵抗RBと演算増幅器141の組み合わせで決まるK対1の比で増幅した電流を出力する電流ミラー回路が構成され、センサ駆動電流Iの所定(1/K=RS/RB)倍のセンサバイアス電流IBを発生させている。
電圧比較器160は、プラス入力端子がセンサ出力端子VPに接続され、マイナス入力端子がセンサ出力端子VNに接続される。また、出力端子がスイッチSW1のゲートと、インバータ151を介してスイッチSW2のゲートとに接続される。そして、4端子型センサ120から出力される2つの出力電圧を比較することで、4端子型センサ120の出力電圧をディジタル値Doutとして出力する。
ここで、図6を参照して、バイアス電流IBによりヒステリシスを持たせることができるということを説明する。図6は、バイアス電流切り替え回路150のスイッチSW2が導通し、スイッチSW1が開放したときのセンサ閾値決定回路100と等価な回路であるセンサ閾値決定回路100´の回路構成を示す回路図ある。
I1=(VCC−VP)/R1 ……(1a)
I2=VCC/(R3+R4) ……(1b)
VP/R2=I1+IB ……(1c)
これをVPについて解くと、
VP=(VCC/R1+IB)/(1/R1+1/R2) ……(2)
となる。電圧比較器160は、センサ出力端子VPの電圧=センサ出力端子VNの電圧となるときスイッチング動作するので、次の式(3)が成り立つ。
(VCC/R1+IB)/(1/R1+1/R2)
=R4×VCC/(R3+R4) ……(3)
(VCC/(R+ΔR)+IB)/(1/(R+ΔR)+1/(R−ΔR))
=(R+ΔR)×VCC/(R−ΔR+R+ΔR) ……(4)
となる。上式(4)が成り立つΔR/Rを求めると、
ΔR/R=VCC/(R×IB)×(SQRT(1+(R×IB/VCC)2)−1)
≒VCC/(R×IB)×(1+(R×IB/VCC)2/2−1)
=R×IB/(2×VCC) ……(5)
となる。4端子型センサ120のセンサ出力電圧VHは、通常数百μVから数十mVの出力範囲である。また、4端子型センサ120の駆動電圧VCCは、1Vから5V程度である。また、R×IBは、大きくても数十mVである。よって、上式(5)のR×IB/VCCの項は、1よりも十分に小さい値である。以上説明したように、4端子型センサ120の電流I1、I2とバイアス電流IBとから、閾値電圧を決めることができる。
ここで、R1=R+ΔR、R2=R−ΔRとすると、
ROUT=(R+ΔR)×(R−ΔR)/(R+ΔR+R−ΔR)
=(R/2)×(1−(ΔR/R)2) ……(7)
となる。ΔR/Rは、普通0.1以下と考えて良いので、2次の項を無視すると
ROUT=R/2 ……(8)
となる。センサ出力インピーダンスROUTとバイアス電流IBの積は、R×IB/2となる。センサ出力電圧VHは、センサ出力端子VNの電圧とセンサ出力端子VPの電圧との差分電圧であるので、次式(9)のようになる。
前述と同じく、R1=R4=R+ΔR、R2=R3=R−ΔRとすると、
VH=VCC×(R+ΔR)/(R−ΔR+R+ΔR)−VCC×
(R−ΔR)/(R+ΔR+R−ΔR)=VCC×ΔR/R ……(10)
となる。電圧比較器160は、センサ出力端子VPの電圧=センサ出力端子VNの電圧となるときスイッチするので、次の式(11)が成り立つ。
VCC×ΔR/R=R×IB/2 ……(11)
従って、
ΔR/R=R×IB/(2×VCC) ……(12)
となる。上式(5)及び(12)で示されるように、4端子型センサ120の電流I1、I2とバイアス電流IBとから考えた場合であっても、あるいは、センサ出力インピーダンスROUTとバイアス電流IBの積から考えた場合においても同じ結果が得られた。
ΔR/R=R×VCC/R/K/(2×VCC)
=1/(2×K) ……(13)
のようになる。上記式(13)において、重要なことは、閾値電圧が定数Kにのみ依存し変化するということである。上記の定数Kは、抵抗比あるいはトランジスタのミラー比により与えられるものである。よって、定数Kが決定されれば、閾値電圧はひとつの値に決まり、ばらつきや経時変化が無いことを意味する。
電圧比較器160によって比較される電圧は、4端子型センサ120のセンサ出力電圧VHと、上式(11)により得られた閾値電圧(R×IB/2)とである。センサ出力電圧VHはホール起電力であるので、ホール定数をRH、センサ厚みをtとすると、一般的にホール起電力はRH/t×I×BINのように定義される。このホール起電力は、RH/tとセンサ駆動電流Iによって決まることが分かる。つまり、
RH/t×I×BIN=R×IB/2
BIN=R×IB/(2×(RH/t×I)) ……(14)
となる。ここで、バイアス電流IBは、センサ駆動電流Iの1/K倍の電流であるので、
BIN=R×I/K/(2×(RH/t×I))
=R/(2×K×(RH/t)) ……(15)
そこで、本発明の目的は、上記の課題に鑑み、センサの外部入力に対して、センサの抵抗に依存しないヒステリシス特性もたせたディジタル値を出力することのできるセンサ閾値決定回路を提供することを目的とする。
本発明に係る第1のセンサ閾値決定回路は、センサを駆動するためのセンサ駆動電流を検出するセンサ駆動電流検出手段と、前記センサ駆動電流検出手段から検出された前記センサ駆動電流を所定倍したバイアス電流を出力するセンサバイアス電流出力手段と、前記センサの出力インピーダンスを所定のインピーダンスに変換するインピーダンス変換手段と、前記センサから出力されたセンサ出力電圧を比較して、前記センサ出力電圧をディジタル値として出力する電圧比較手段と、を備え、変換後の出力インピーダンスに対して、前記バイアス電流を流すことによって、前記ディジタル値として出力するための閾値電圧を決定することを特徴とする。
上記の第2のセンサ閾値決定回路によれば、インピーダンス変換手段が、4端子型のセンサの2つの出力インピーダンスの少なくとも一方を所定のインピーダンスに変換した後で、バイアス電流切り替え手段によって、変換された出力インピーダンスだけにバイアス電流を流すことが可能となる。
上記の第3のセンサ閾値決定回路によれば、インピーダンス変換手段が、4端子型のセンサの2つの出力インピーダンスの両方を所定のインピーダンスに変換する。
上記の第4のセンサ閾値決定回路によれば、バイアス電流切り替え手段が、増幅されたセンサ駆動電流を、バイアス電流切り替え手段の出力からインピーダンス変換手段の2つのうちの出力のいずれかに切り替えて流す。これにより、上述したようにセンサへの外部入力に対して、センサの抵抗に依存しないヒステリシス特性を持たせたディジタル値を出力することが可能となる。
上記の第5のセンサ閾値決定回路によれば、インピーダンス変換手段が、4端子型のセンサの2つの出力インピーダンスのいずれか一方を所定のインピーダンスに変換する。
上記の第7のセンサ閾値決定回路によれば、まず、例えば演算増幅器によるボルテージフォロアの回路構成と、演算増幅器と抵抗とによる非反転増幅回路の構成とを組み合わせた出力電圧増幅回路でセンサ出力電圧を所定のゲインで増幅する。さらに、インピーダンス変換用抵抗素子にバイアス電流を流せば、増幅されたセンサ出力電圧を基準にして、閾値電圧を決定することが可能となる。
上記の第8のセンサ閾値決定回路によれば、ミラー回路において、変換後の出力インピーダンスに流すためのバイアス電流を生成することが可能となる。
上記の第9のセンサ閾値決定回路によれば、ホール素子、磁気抵抗素子、歪みセンサ等のセンサの種類を問わず、各種センサに用いることが可能となる。
[第1実施形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るセンサ閾値決定回路10の回路構成を説明する。図1に示すセンサ閾値決定回路10は、図5に示したセンサ閾値決定回路10を構成する各部に加えて、インピーダンス変換回路170をさらに有して構成される。
演算増幅器171は、4端子型センサ120の出力電圧の一方を所定のゲインで増幅するためのものであり、プラス入力端子にセンサ出力端子VPが接続される。また、マイナス入力端子に、抵抗RG1とRG2との間のノードが接続される。この演算増幅器171は、抵抗RG1と抵抗RG2とで、端子VNXの電圧を基準として信号を増幅する非反転増幅回路を構成する。
インピーダンス変換用抵抗RSUM1は、演算増幅器172の出力端子とつながる端子VNXと、電圧比較器160のマイナス入力端子とつながる端子VSUMNとの間に接続される。また、インピーダンス変換用抵抗RSUM2は演算増幅器171とつながる端子VPXと、電圧比較器160のプラス入力端子とつながる端子VSUMPとの間に接続される。
インピーダンス変換回路170は、センサ出力端子VPの電圧とセンサ出力端子VNの電圧との差分電圧VHを、端子VPXと端子VNXとの間に、端子VNXの電圧を基準としてゲインA倍にて増幅するための機能を有する。同時に、各々の演算増幅器171、172の出力インピーダンスが小さいという特徴を有している。各々の演算増幅器の出力インピーダンスが小さいために、バイアス電流IBを吐き出す際に見える出力インピーダンスはインピーダンス変換用抵抗RSUM1のみとなる。従って、バイアス電流IBを吐き出す際に見える出力インピーダンスは、4端子型センサ120の出力インピーダンスR/2からRSUM1に変換されたことになる。
IB=I×RS/RB……(16)
となる。ここで、上式(16)を用いてセンサ閾値電圧Vxを求めると、
Vx=I×RS/RB×RSUM1……(17)
となる。電圧比較器160により判定する電圧は、4端子型センサ120に磁気入力した際に得られるセンサ出力端子VPとセンサ出力端子VNとの間に発生するセンサ出力電圧VHをインピーダンス変換回路170によりゲインA倍した電圧と、上式(17)により得られたセンサ閾値電圧Vxである。センサ外部入力BINをA×VHとVxから求める。
A×RH/t×I×BIN=I×RS/RB×RSUM1
BIN=1/(A×(RH/t)×(RB/RSUM1)×(1/RS))……(18)
続いて、図3を参照して、本発明の第2実施形態に係るセンサ閾値決定回路20の回路構成を説明する。
図3に示すセンサ閾値決定回路20は、図1に示したセンサ閾値決定回路10を構成する各部に加えて、センサバイアスシンク電流出力回路180を有して構成される。
センサバイアスシンク電流出力回路180は、NMOSトランジスタ181、182を有して構成される。このNMOSトランジスタ181のゲートは、NMOSトランジスタ182のゲートに接続され、NMOSトランジスタ182のドレインが端子VSUMNに接続されることで、センサバイアス電流−IBを発生させることができる。
なお、スイッチSW2が導通し、スイッチSW1が開放したときの状態は、上述した数式(18)と同様の解析においてインピーダンス変換用抵抗RSUM1を−RSUM1に置き換えて考えれば良い。
続いて、図4を参照して、本発明の第3実施形態に係るセンサ閾値決定回路30の回路構成を説明する。図4に示すセンサ閾値決定回路30は、図3に示したセンサ閾値決定回路20を構成する各部を有して構成される。但し、また、インピーダンス変換回路370は、インピーダンス変換回路170が有する素子のうち、インピーダンス変換用抵抗RSUM1を有していない点が相違する。
まず、バイアス電流IBを発生するPMOSトランジスタ143のドレインは、バイアス電流切り替え回路250のスイッチSW2を介してセンサバイアスシンク電流出力回路180のダイオード接続されたNMOSトランジスタ181のドレインとゲートに接続される。これにより、センサバイアス電流IBにシンクする電流を出力することができる。ここまでは、第2実施形態に係るセンサ閾値決定回路20と同じである。
そして、電圧比較器160と接続された端子VCOMPは、バイアス電流切り替え回路250のSW1のゲート、インバータ151の入力端子を介してSW2のゲート、スイッチSW3のゲートにそれぞれ接続されているので、電圧比較器160と接続された端子VCOMPの状態によって、バイアス電流切り替え回路250にてバイアス電流を切り替えた際に、インピーダンス変換用抵抗RSUM2に吐き出すセンサバイアス電流IBを−IBへと切り替えることが可能となる。
なお、スイッチSW2が導通し、スイッチSW1が開放したときの状態は、数式(18)と同様の解析においてインピーダンス変換用抵抗RSUM2を−RSUM2に置き換えて考えれば良い。
上述したように、上述したセンサ閾値決定回路では、センサの抵抗に依存しないヒステリシス特性を持たせたディジタル値を出力することができるが、センサ閾値決定回路の後段に、あえて温度補償回路等を設けることで、センサの出力精度を高めることもできる。
[まとめ]
上記の第1〜3実施形態の各実施形態において、インピーダンス変換回路の出力インピーダンスRSUM1、RSUM2とセンサバイアス電流±IBとの積を用い、端子VPX又はVNXの基準電位にて閾値電圧Vxを発生させる。これにより、センサ外部入力BINに対してセンサ抵抗Rに依存しないヒステリシス特性を持たせたディジタル出力を得ることができる。そのため、各抵抗素子同士のマッチングを考慮する必要が無くなる。
110 センサ駆動電圧源
120 4端子型センサ
130 センサ駆動検出回路
140、240 センサバイアス電流出力回路
150、250 バイアス電流切り替え回路
160 電圧比較器
170、270、370 インピーダンス変換回路
171、172 演算増幅器
RG1、RG2 抵抗
RSUM1、RSUM2 インピーダンス変換用抵抗
180 センサバイアスシンク電流出力回路
Claims (9)
- センサを駆動するためのセンサ駆動電流を検出するセンサ駆動電流検出手段と、
前記センサ駆動電流検出手段から検出された前記センサ駆動電流を所定倍したバイアス電流を出力するセンサバイアス電流出力手段と、
前記センサの出力インピーダンスを所定のインピーダンスに変換するインピーダンス変換手段と、
前記センサから出力されたセンサ出力電圧を比較して、前記センサ出力電圧をディジタル値として出力する電圧比較手段と、
を備え、
変換後の出力インピーダンスに対して、前記バイアス電流を流すことによって、前記ディジタル値として出力するための閾値電圧を決定することを特徴とするセンサ閾値決定回路。 - 前記センサは、2つの入力端子と、2つの出力端子を有する4端子型のセンサであり、
前記インピーダンス変換手段は、前記4端子型のセンサの出力端子に接続され、前記4端子型のセンサの2つの出力インピーダンスの少なくとも一方を所定のインピーダンスに変換し、
前記電圧比較手段の比較結果に基づいて、前記インピーダンス変換手段から出力された2つの出力インピーダンスのうちのいずれか一方に対して前記バイアス電流を流すように、当該バイアス電流の流れを切り替えるバイアス電流切り替え手段を備えることを特徴とする請求項1記載のセンサ閾値決定回路。 - 前記インピーダンス変換手段は、前記4端子型のセンサの2つの出力インピーダンスの両方を所定のインピーダンスに変換することを特徴とする請求項2記載のセンサ閾値決定回路。
- 前記バイアス電流切り替え手段は、前記電圧比較手段の比較結果に基づいて、変換後の2つの出力インピーダンスのうちのいずれか一方に対して前記バイアス電流を流すように、前記バイアス電流の流れを切り替えることを特徴とする請求項3記載のセンサ閾値決定回路。
- 前記インピーダンス変換手段は、前記4端子型のセンサの2つの出力インピーダンスのいずれか一方を所定のインピーダンスに変換することを特徴とする請求項2記載のセンサ閾値決定回路。
- 前記バイアス電流に対して負のバイアス電流を出力するセンサバイアスシンク電流出力手段を備え、
前記バイアス電流切り替え手段は、前記電圧比較手段の比較結果に基づいて、変換後の出力インピーダンスに対して前記バイアス電流を吐き出す、又は引き込むように、前記バイアス電流の流れを切り替えることを特徴とする請求項3記載のセンサ閾値決定回路。 - 前記出力インピーダンス変換手段は、
前記センサ出力電圧を所定のゲインで増幅するための出力電圧増幅回路と、
前記出力電圧増幅回路によって増幅されたセンサ出力電圧を基準にして、前記閾値電圧を決定するためのインピーダンス変換用抵抗素子と、
を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のセンサ閾値決定回路。 - 前記センサ駆動電流検出手段は、前記センサ駆動電流を検出するための駆動電流検出用抵抗素子を有し、
前記センサバイアス電流出力手段は、前記センサ駆動電流を所定倍した前記バイアス電流を出力するための駆動電流増幅回路と、バイアス電流出力用抵抗素子と、スイッチング素子とを有し、
前記センサ駆動電流検出手段と、前記センサバイアス電流出力手段とから電流ミラー回路を構成することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のセンサ閾値決定回路。 - 前記センサは、ホール素子、磁気抵抗素子、歪みセンサ、圧力センサ、温度センサ、又は加速度センサのいずれかのセンサであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のセンサ閾値決定回路。
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