JP6110207B2 - 膝継手及び義足 - Google Patents

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本発明は、膝継手及び義足に関する。
例えば、特開平5−212070号公報には、義足による歩行を円滑にするために、線形油圧ダンパを用いた膝継手が開示されている。しかしながら、この膝継手は、線形油圧ダンパを動作させるために、回転運動を直線運動に変換するリンク機構を必要とし、構造が複雑である。また、線形油圧ダンパを電子制御する構成であるため、センサや制御回路などが必要とされ、製造コストが高くつくという問題がある。また、電子制御された線形油圧ダンパを動作させるために電源が必要とされるという問題がある。
特開平5−212070号公報
本発明が解決しようとする課題は、歩行動作に応じてトルク特性を自動的に変化させることができ、かつトルク特性を変化させるために、電気部品や電子部品を必要としない膝継手及び義足を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の膝継手及び義足を提供する。
1.大腿部に装着されるソケットと人工下腿部とを接合する膝継手であって、前記ソケットに固定されるハウジングと、前記人工下腿部に結合される回転軸と、前記ハウジングの内部に形成される油室と、該油室に充填されるオイルと、前記油室に配置され、前記油室を第1の室と第2の室とに区画し、前記回転軸の回転に伴って回動するベーンと、第1の室と第2の室とを隔てる隔壁と、該隔壁の内部に設けられ、第1の室に連通する油路と、該油路から分岐する第1の油路及び第2の油路と、第1の油路と第2の油路の分岐点に設けられる切替バルブとを備え、第1の油路は、トルクを発生させるための第1の手段を有して構成され、第2の油路は、第1の手段によって発生するトルクの特性とは異なる特性を示すトルクを発生させるための第2の手段を有して構成され、前記切替バルブは、両端に弁座を有する弁室と、該弁室内で自重により移動可能な弁体とを有し、前記弁室の傾斜方向が変化することによって、第1の室に連通する油路から前記弁室に流入したオイルの流れ先を第1の油路と第2の油路に選択的に切り替えることを特徴とする膝継手。
2.前記弁体が鋼球から成り、該弁体の移動速度を加速するために、前記弁室に隣接するように前記隔壁の内部に設けられる空気室と、該空気室内で自重により移動可能な磁石とを備えることを特徴とする前記1に記載の膝継手。
3.前記隔壁の内部に設けられ、オイルの流量を実質的に制限しない径を有する第3の油路と、第3の油路に設けられ、第1の室からオイルが流出したときは弁を閉じ、第2の室からオイルが流出したときは弁を開くように動作する第1の逆止弁とを備えることを特徴とする前記1に記載の膝継手。
4.オイルが第1の油路及び第2の油路から前記弁室に流入することを防ぐための第2の逆止弁を備えることを特徴とする前記1に記載の膝継手。
5.第1の手段によって発生するトルクが第2の手段によって発生するトルクよりも大きいことを特徴とする前記1に記載の膝継手。
6.第1の手段が流量調整バルブであることを特徴とする前記5に記載の膝継手。
7.大腿部に装着されるソケットと、人工下腿部と、前記ソケットと前記人工下腿部とを接合する膝継手とを備え、前記膝継手が前記1から前記6のいずれか1に記載の膝継手であることを特徴とする義足。
本発明によれば、歩行動作に応じてトルク特性を自動的に変化させることができ、かつトルク特性を変化させるために、電気部品や電子部品を必要としない膝継手及び義足を提供することが可能になる。
図1は、実施例1に係る膝継手を示す斜視図である。 図2は、実施例1に係る膝継手の内部構造を示す断面図である。 図3は、実施例1に係る膝継手に内蔵された油圧回路の回路図である。 図4は、第1の手段として採用し得る流量調整バルブの一例を示す断面図である。 図5は、流量調整バルブの動作を説明するための図である。 図6は、第1の手段として採用し得る自動調整バルブの一例を示す断面図である。 図7は、自動調整バルブの動作を説明するための図である。 図8は、第1の手段がオリフィスであり、第2の手段もオリフィスである場合の両者のトルク特性の一例を示すグラフである。 図9は、第1の手段が流量調整バルブであり、第2の手段がオリフィスである場合の両者のトルク特性の一例を示すグラフである。 図10は、第1の手段が自動調整バルブであり、第2の手段がオリフィスである場合の両者のトルク特性の一例を示すグラフである。 図11は、第1の手段が流量調整バルブであり、第2の手段も流量調整バルブである場合の両者のトルク特性の一例を示すグラフである。 図12は、第1の手段が流量調整バルブであり、第2の手段が自動調整バルブである場合の両者のトルク特性の一例を示すグラフである。 図13は、第1の手段が自動調整バルブであり、第2の手段も自動調整バルブである場合の両者のトルク特性の一例を示すグラフである。 図14は、切替バルブの構造を示す図である。 図15は、実施例1に係る膝継手を具備する義足を示す斜視図である。 図16は、実施例1に係る膝継手を具備する義足を示す断面図である。 図17は、実施例1に係る膝継手の動作を説明するための図である。 図18は、実施例1に係る膝継手の動作を説明するための図である。 図19は、実施例1に係る膝継手の動作を説明するための図である。 図20は、実施例1に係る膝継手の動作を説明するための図である。 図21は、実施例1に係る膝継手の動作を説明するための図である。 図22は、実施例1に係る膝継手の動作を説明するための図である。 図23は、実施例1に係る膝継手の動作を説明するための図である。 図24は、切替バルブの動作を説明するための図である。 図25は、切替バルブの動作を説明するための図である。 図26は、第1の油路へのオイルの流れが遮断された状態を示す油圧回路図である。 図27は、切替バルブの動作を説明するための図である。 図28は、切替バルブの動作を説明するための図である。 図29は、切替バルブの動作を説明するための図である。 図30は、実施例1に係る膝継手の動作を説明するための図である。 図31は、切替バルブの動作を説明するための図である。 図32は、第1の油路へのオイルの流れが遮断された状態を示す油圧回路図である。 図33は、切替バルブを構成する弁体の移動速度を加速させるための手段を示す図である。(実施例2) 図34は、磁石及び弁体が弁室の傾斜方向の変化に従って移動した状態を示す図である。 図35は、実施例3に係る膝継手に内蔵された油圧回路の回路図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明するが、本発明の技術的範囲は以下の説明の内容に限定されるものではない。
図1は、本実施例に係る膝継手を示す斜視図であり、図2は、本実施例に係る膝継手の内部構造を示す断面図である。この膝継手100は、ハウジング101と、回転軸105と、ハウジング101の内部に形成される油室102と、油室102に配置され、油室102を第1の室103と第2の室104とに区画するベーン106と、第1の室103と第2の室104とを隔てる隔壁107とを備えている。油室102(第1の室103及び第2の室104)にはオイルが充填されている。この膝継手100は、ベーン106が回転軸105の回転に伴って回動するように構成されている。
この膝継手100は、油圧回路を内蔵している。図3は、本実施例に係る膝継手に内蔵された油圧回路の回路図である。この油圧回路は、第1の室103と、第2の室104と、ベーン106と、第1の室103に連通する油路108と、油路108から分岐する第1の油路109及び第2の油路110と、第1の油路109と第2の油路110の分岐点に設けられる切替バルブ111と、第1の油路109、第2の油路110及び第2の室104に連通する油路112と、第1の室103及び第2の室104に連通する第3の油路113と、第3の油路113に設けられる第1の逆止弁114とを有して構成されている。油圧回路を構成する上記の要素は、第1の室103、第2の室104及びベーン106を除いて、すべて隔壁107の内部に設けられている。
第1の油路109は、トルクを発生させるための第1の手段を有している。第1の手段としては、例えば、第1の油路109の一部又は全部をオリフィス(オイルの流量を制限し得る小孔)とする構成を採用することができる。また、オリフィスに代えて、流量調整バルブ又は自動調整バルブを採用しても良い。ここにいう「自動調整バルブ」は、負荷の変化に対応してオイルの流量を自動的に調整し得るバルブである。
図4は、第1の手段として採用し得る流量調整バルブの一例を示す断面図である。この流量調整バルブは、弁室200と、弁室200に配置される弁体201とを有して構成されている。弁体201の先端部分は、テーパー状に形成されている。弁体201の後端部分には、弁室200に形成された雌ねじ202と結合する雄ねじ203が形成されている。この流量調整バルブは、弁体201の先端部と弁座204との間隙でオイルの流量を絞ることができる。弁体201は、図5に示したように、弁体201を一方向(ねじを締める方向)に回転させることによって、弁座204に向かって移動する。このとき、弁体201の先端部と弁座204との間隙は縮小される。一方、弁体201を逆方向(ねじを緩める方向)に回転させたときには、弁体201は、弁座204から離れる方向へ移動する。このとき、弁体201の先端部と弁座204との間隙は拡大される。従って、この流量調整バルブは、弁体201を上記のように操作することによって、オイルの流量を調整することができる。図4及び図5において、矢印はオイルの流れ方向を示している。
図6は、第1の手段として採用し得る自動調整バルブの一例を示す断面図である。この自動調整バルブは、弁室300と、弁室300に配置される弁体301と、弁体301の移動を抑制するばね302とを有して構成されている。この自動調整バルブは、弁体301の外周面と油路109の内周面との間隙でオイルの流量を絞ることができる。弁体301の移動は、ばね302の弾性力によって抑制されるので、弁体301を油路109に向かって移動させる力(オイルの圧力)が大きくなるほど弁体301の外周面と油路109の内周面との間隙の長さLが長くなる(図7参照)。そして、この間隙の長さLが長くなるほどオイルは流れ難くなる。従って、この自動調整バルブによれば、負荷の増減にかかわらず回転軸105の角速度を一定に維持することができる。図6及び図7において、矢印はオイルの流れ方向を示している。
第2の油路110は、第1の手段によって発生するトルクの特性とは異なる特性を示すトルクを発生させるための第2の手段を有している。第2の手段としては、例えば、第2の油路110の一部又は全部をオリフィス(オイルの流量を制限し得る小孔)とする構成を採用することができる。また、オリフィスに代えて、上記した流量調整バルブ又は自動調整バルブを採用しても良い。
第1の手段がオリフィスであり、第2の手段もオリフィスである場合は、第2の手段の径を第1の手段の径と異ならせることによって、第2の手段は、第1の手段によって発生するトルクの特性とは異なる特性を示すトルクを発生させることができる。第2の手段が流量調整バルブである場合は、第2の手段が第1の手段によって発生するトルクの特性とは異なる特性を示すトルクを発生させるように弁体の位置が適宜設定される。第1の手段が自動調整バルブであり、第2の手段も自動調整バルブである場合は、第2の手段のばねとして、第1の手段のばねの弾性力よりも大きい又は小さい弾性力を有するばねを用いることによって、第2の手段は、第1の手段によって発生するトルクの特性とは異なる特性を示すトルクを発生させることができる。
図8は、第1の手段がオリフィスであり、第2の手段もオリフィスである場合の両者のトルク特性の一例を示している。第1の手段の径は、第2の手段の径よりも小さい。図9は、第1の手段が流量調整バルブであり、第2の手段がオリフィスである場合の両者のトルク特性の一例を示している。第1の手段は、第2の手段によって発生するトルクよりも大きいトルクを発生させるように、弁体の位置が設定されている。図10は、第1の手段が自動調整バルブであり、第2の手段がオリフィスである場合の両者のトルク特性の一例を示している。図11は、第1の手段が流量調整バルブであり、第2の手段も流量調整バルブである場合の両者のトルク特性の一例を示している。第1の手段は、第2の手段によって発生するトルクよりも大きいトルクを発生させるように、弁体の位置が設定されている。図12は、第1の手段が流量調整バルブであり、第2の手段が自動調整バルブである場合の両者のトルク特性の一例を示している。図13は、第1の手段が自動調整バルブであり、第2の手段も自動調整バルブである場合の両者のトルク特性の一例を示している。第1の手段は、第2の手段のばねのばね定数よりも小さいばね定数を有するばねを用いている。
図14は、切替バルブ111の構造を示す図である。切替バルブ111は、両端に弁座(第1の弁座117及び第2の弁座118)を有する弁室115と、弁室115の内部で自重により移動可能な弁体116とを有して構成されている。弁室115は、細長い空間であり、その中はオイルで満たされている。油路108は、弁室115の長さ方向中央部分に連通している。第1の弁座117は、第1の油路109と連通し、第2の弁座118は、第2の油路110と連通している。弁体116は、弁室115の内部で自重により移動しやすいように球体であることが好ましい。
本実施例に係る膝継手100は、図15及び図16に示したように、ハウジング101がソケット400に固定され、回転軸105が人工下腿部500に結合されて使用される。義足を構成するソケット400は、使用者の大腿部に装着される。ソケット400は、ハウジング101を固定するためのジョイント401を備えている。義足を構成する人工下腿部500は、使用者の下腿部として機能するように人工的に製作されたものである。人工下腿部500は、回転軸105に結合するアーム501を備えている。ハウジング101は、人工下腿部500が前方へ折れ曲がることを防止するために、アーム501に当接するストッパー119を備えている(図1及び図15参照)。
膝継手100は、ハウジング101がソケット400に固定されるため、歩行時の大腿部の動きに伴って変位する。具体的には、例えば、図17に示したように、大腿部601(義足が装着される大腿部)が直立姿勢のときの膝継手100の状態を初期状態とした場合、図19に示したように、大腿部602(義足が装着されない大腿部)が骨盤700より前方へ移動し、大腿部601が骨盤700より後方へ相対的に移動することによって、膝継手100は、初期状態から時計回り方向に変位する。一方、図23に示したように、大腿部601が骨盤700より前方へ移動したときは、膝継手100は、初期状態から反時計回り方向に変位する。
切替バルブ111の弁室115は、膝継手100が初期状態のときに、弁室115の長さ方向が回転軸105の中心を通る仮想線A(図17参照)と平行となるように配置されている。図14は、膝継手100が初期状態のときの切替バルブ111の姿勢を示している。図18は、膝継手100が初期状態のときの油圧回路図である。弁室115は、膝継手100が図19に示したように時計回り方向に変位したときには、図24に示したように、時計回り方向に傾斜する。切替バルブ111の弁体116は、弁室115が時計回り方向に傾斜することによって、第1の弁座117に向かって移動を開始する。
次に、図20に示したように、大腿部601の前方への移動が開始されると、人工下腿部500の屈曲動作が発生する。このとき、ベーン106は、人工下腿部500の屈曲動作に伴って時計回り方向に回転し、第1の室103のオイルが油路108に流入する。それによって、第2の室104までのオイルの流れが発生する。弁体116は、弁室115に流れ込むオイルの圧力によって第1の弁座117に押し当てられる(図25参照)。これにより、第1の油路109へのオイルの流れが遮断され、弁室115から排出されるオイルは第2の油路110へ流入する。第2の油路110はトルクを発生させるための第2の手段を備えているので、オイルが第2の油路110を通過するときに発生するオイルの抵抗力がベーン106に作用してトルクが発生する。このトルクによって、人工下腿部500が跳ね上がるように屈曲することを防ぐことができる。第2の油路110を通過したオイルは、油路112を介して第2の室104に流入する。図26は、第1の油路109へのオイルの流れが遮断された状態を示す油圧回路図である。
次に、図21に示したように、大腿部601が骨盤700より若干前方へ移動したときは、膝継手100が反時計回り方向に変位し、弁室115が、図27に示したように、反時計回り方向に傾斜する。しかしながら、人工下腿部500の屈曲動作が継続しているため、弁体116は、オイルの圧力によって第1の弁座117に押し当てられた状態のまま維持される。従って、第2の手段によって発生するトルクが人工下腿部500に作用し続ける。このため、人工下腿部500の屈曲動作が継続している間は、人工下腿部500の屈曲角度が安定して維持される。
次に、図22に示したように、大腿部601が骨盤700より更に前方へ移動し、人工下腿部500の伸展動作が開始されたときは、ベーン106が人工下腿部500の伸展動作に伴って反時計回り方向に回転し、第2の室104のオイルが第3の油路113に流入する。第3の油路113に流入したオイルは、第3の油路113に設けられた第1の逆止弁114を開放する。ここで、第1の逆止弁114は、第1の室103からオイルが流出したときは弁を閉じ、第2の室104からオイルが流出したときは弁を開くように動作する。第3の油路113は、オイルの流量を実質的に制限しない径を有しているので、ベーン106が反時計回り方向に回転したときに発生するトルクは、ベーン106が時計回り方向に回転したときに発生するトルクと比べて格段に小さいものとなる。従って、人工下腿部500の伸展動作が円滑に行われる。このとき切替バルブ111は、弁室115が反時計回り方向に傾斜しているため、弁体116が第1の弁座117から離れて、第2の弁座118に向かって移動する(図28参照)。
そして、図23に示したように、大腿部601が骨盤700より更に前方へ移動したときは、ハウジング101に設けられたストッパー119が人工下腿部500に設けられたアーム501に当接して人工下腿部500の伸展動作が終了する。このとき切替バルブ111の弁体116は、第2の弁座118付近に位置している(図29参照)。
一方、図30に示したように、大腿部601が骨盤700より前方に移動したときに、躓いたり、身体のバランスを崩したりして、人工下腿部500が急激に折れ曲がる、所謂「膝折れ」という現象が発生することがある。この「膝折れ」による転倒を防ぐには、人工下腿部500の急激な屈曲を抑制し得る大きなトルクを発生させる必要がある。本実施例に係る膝継手100によれば、大腿部601が骨盤700より前方に移動したときは、膝継手100が反時計回り方向に変位し、それに伴い切替バルブ111の弁室115が反時計回り方向に傾斜する。切替バルブ111の弁体116は、弁室115が反時計回り方向に傾斜することによって、第2の弁座118に向かって移動する。また、ベーン106は、人工下腿部500の屈曲動作に伴って時計回り方向に回転し、第1の室103のオイルが油路108に流入する。それによって、第2の室104までのオイルの流れが発生する。弁体116は、弁室115に流れ込むオイルの圧力によって第2の弁座118に押し当てられる(図31参照)。これにより、第2の油路110へのオイルの流れが遮断され、弁室115から排出されるオイルは第1の油路109へ流入する。第1の油路109はトルクを発生させるための第1の手段を備えているので、オイルが第1の油路109を通過するときに発生するオイルの抵抗力がベーン106に作用してトルクが発生する。このトルクによって、人工下腿部500が急激に折れ曲がることを防ぐことができる。第1の油路109を通過したオイルは、油路112を介して第2の室104に流入する。ここで、第1の手段によって発生するトルクの特性は、第2の手段によって発生するトルクの特性と異なる(図8乃至図13参照)。「膝折れ」が発生するときは、使用者の自重に等しい負荷が膝継手100に加えられるため、第1の手段によって発生するトルクは、第2の手段によって発生するトルクよりも大きいことが好ましい。また、このときに膝継手100に加えられる負荷は、使用者の体重によって異なるため、使用者の体重に合わせてトルクを調整できるように、第1の手段として流量調整バルブを採用することが好ましい。図32は、第2の油路110へのオイルの流れが遮断された状態を示す油圧回路図である。
本実施例に係る膝継手は、切替バルブ111を構成する弁体116の移動速度を加速させるための手段を有する点で、実施例1に係る膝継手と異なる。図33は、切替バルブ111を構成する弁体116の移動速度を加速させるための手段を示す図である。この手段は、切替バルブ111を構成する弁室115に隣接する空気室120と、空気室120の内部で自重により移動可能な磁石121とを有して構成されている。空気室120は、細長い空間であり、その中は空気で満たされている。空気室120の長さ方向は、弁室115の長さ方向と平行である。弁体116は鋼球である。磁石121は空気室120の内部で自重により移動しやすいように球状のものが用いられている。
弁体116が自重で移動する場合、弁体116は、オイルの抵抗を受けながら移動するので、素早く移動することが困難である。このため、弁室115の傾斜方向が急速に繰り返し変化した場合には、それに対応して弁体116が移動できず、オイルの流れを第1の油路109と第2の油路110に選択的に切り替えられない事態が発生するおそれがある。対照的に、空気の抵抗はオイルの抵抗よりも格段に小さいので、空気室120に配置された磁石121は素早く移動することができる。本実施例に係る膝継手は、弁室115の傾斜方向が変化すると、磁石121の磁力で弁体116が牽引されて弁体116の移動速度が加速される。従って、本実施例に係る膝継手によれば、弁室115の傾斜方向が急速に繰り返し変化した場合でも、それに対応して弁体116が的確に移動し、オイルの流れを第1の油路109と第2の油路110に選択的に切り替えることができる。図34は、磁石121及び弁体116が弁室115の傾斜方向の変化に従って移動した状態を示す図である。
本実施例に係る膝継手は、オイルが第1の油路109及び第2の油路110から切替バルブ111を構成する弁室115に流入することを防ぐための第2の逆止弁122を備える点で、実施例1に係る膝継手と異なる。図35は、本実施例に係る膝継手に内蔵された油圧回路の回路図である。この油圧回路は、第2の室104に連通する油路112に第2の逆止弁122が設けられている。第2の逆止弁122は、第2の室104からオイルが流出したときは弁を閉じ、第1の室103からオイルが流出したときは弁を開くように動作する。
図3に示したように、油路112に逆止弁が設けられていない構成では、ベーン106が第2の室104のオイルを押したときに、オイルが第1の油路109及び第2の油路110から切替バルブ111を構成する弁室115に流入することになる。その結果、例えば、弁室115が時計周り方向に傾斜しているにもかかわらず、弁体116が第2の弁座118の近くに位置してしまうことがある。この状態で、ベーン106が第1の室103のオイルを押した場合、弁室115が時計周り方向に傾斜していても、弁室115に流入したオイルの圧力で弁体116が第1の弁座117に向かって移動できない事態が発生するおそれがある。対照的に、本実施例では、第2の室104に連通する油路112に第2の逆止弁122が設けられているため、オイルが第1の油路109及び第2の油路110から弁室115に流入することを防ぐことができる。従って、例えば、弁室115が時計周り方向に傾斜しているときに、弁体116が第2の弁座118の近くに位置してしまうことがない。本実施例によれば、弁室115が時計周り方向に傾斜しているときは、弁体116が第1の弁座117の近くに位置しているので、この状態で、ベーン106が第1の室103のオイルの押した場合、弁室115の傾斜方向に従って弁体116が第1の弁座117に当接し、第1の油路109へのオイルの流れを確実に遮断することができる。
100 膝継手
101 ハウジング
102 油室
103 第1の室
104 第2の室
105 回転軸
106 ベーン
107 隔壁
108 油路
109 第1の油路
110 第2の油路
111 切替バルブ
112 油路
113 第3の油路
114 第1の逆止弁
115 弁室
116 弁体
117 第1の弁座
118 第2の弁座
119 ストッパー
120 空気室
121 磁石
122 第2の逆止弁
200 弁室
201 弁体
202 雌ねじ
203 雄ねじ
204 弁座
300 弁室
301 弁体
302 ばね
400 ソケット
401 ジョイント
500 人工下腿部
501 アーム
601 義足が装着される大腿部
602 義足が装着されない大腿部
700 骨盤

Claims (7)

  1. 大腿部に装着されるソケットと人工下腿部とを接合する膝継手であって、前記ソケットに固定されるハウジングと、前記人工下腿部に結合される回転軸と、前記ハウジングの内部に形成される油室と、該油室に充填されるオイルと、前記油室に配置され、前記油室を第1の室と第2の室とに区画し、前記回転軸の回転に伴って回動するベーンと、第1の室と第2の室とを隔てる隔壁と、該隔壁の内部に設けられ、第1の室に連通する油路と、該油路から分岐する第1の油路及び第2の油路と、第1の油路と第2の油路の分岐点に設けられる切替バルブとを備え、第1の油路は、トルクを発生させるための第1の手段を有して構成され、第2の油路は、第1の手段によって発生するトルクの特性とは異なる特性を示すトルクを発生させるための第2の手段を有して構成され、前記切替バルブは、両端に弁座を有する弁室と、該弁室内で自重により移動可能な弁体とを有し、前記弁室の傾斜方向が変化することによって、第1の室に連通する油路から前記弁室に流入したオイルの流れ先を第1の油路と第2の油路に選択的に切り替えることを特徴とする膝継手。
  2. 前記弁体が鋼球から成り、該弁体の移動速度を加速するために、前記弁室に隣接するように前記隔壁の内部に設けられる空気室と、該空気室内で自重により移動可能な磁石とを備えることを特徴とする請求項1に記載の膝継手。
  3. 前記隔壁の内部に設けられ、オイルの流量を実質的に制限しない径を有する第3の油路と、第3の油路に設けられ、第1の室からオイルが流出したときは弁を閉じ、第2の室からオイルが流出したときは弁を開くように動作する第1の逆止弁とを備えることを特徴とする請求項1に記載の膝継手。
  4. オイルが第1の油路及び第2の油路から前記弁室に流入することを防ぐための第2の逆止弁を備えることを特徴とする請求項1に記載の膝継手。
  5. 第1の手段によって発生するトルクが第2の手段によって発生するトルクよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の膝継手。
  6. 第1の手段が流量調整バルブであることを特徴とする請求項5に記載の膝継手。
  7. 大腿部に装着されるソケットと、人工下腿部と、前記ソケットと前記人工下腿部とを接合する膝継手とを備え、前記膝継手が請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の膝継手であることを特徴とする義足。
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