JP3888992B2 - 椅子 - Google Patents

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Description

本発明は、劇場や音楽ホールに用いられ、離席の際に、着座体が水平状態から回動して起立するように構成された椅子に関する。
従来、劇場ホールや音楽ホールでは、一定の床面積により多くの椅子を配置でき、且つ椅子の前後間を歩行し易いように、着座体の後方側が椅子本体に回動可能に支持され、椅子に着席していないときには、着座体を水平状態から起立させ、椅子の前後の間隔を広げることができるように構成された椅子が用いられている。
例えば、着座体と椅子本体との間にスプリングを介在させ、このスプリングによって、着座体が起立するように付勢力を常時加え、着席している使用者が離席すると同時に、着座体の前方部が跳ね上がって起立するように構成されたものがある。
ところで、前述のようにスプリングを備えた椅子は、使用者が離席の際に、着座体が跳ね上がって背凭れに強く当接し、衝撃音を発生させて使用者に不快感を与える虞がある。そこで、着座体が背凭れに当接する際の衝撃音を低減するために、流体が充填されたシリンダと、シリンダ内を摺動するピストンとを有するシリンダ装置を備え、着座体の回動に伴って、ピストンを摺動してシリンダ内の流体を圧縮又は流動させ、その反力を着座体に伝達し、着座体の回動方向に抗する反力を加えるように構成されたものがある。
また、シリンダ内には空気が充填され、着座体の回動方向に抗する空気の反力がスプリングのバネ圧より大きくなって着座体が回動途中で停止したりすることのないように、ピストンの摺動に伴ってシリンダ内の空気をシリンダの外方に排出する排出機構が備えられたり、着座体の回動速度を除々に減速させるために、シリンダの断面をシリンダの軸方向に沿って変化するように形成されたりしたシリンダ装置が用いられているものがある。(例えば、特許文献1参照)
特開平9−276066号公報(第3―5頁、第1―3図)
従来例のように、スプリングのバネ圧により着座体が自ら回動して起立するように構成され、着座体の回動方向に抗する反力を加えるシリンダ装置を備えた椅子によれば、椅子が長期間使用されてスプリングのバネ圧が低減すると、離席の際に着座体が水平状態から起立状態に移る回動動作が遅れたり、着座体の回動が途中で停止したりして、着席者の迅速な移動が困難になる虞があった。
また、特許文献1に記載された技術のように、シリンダ内に空気を充填し、シリンダの摺動に伴ってシリンダ内の空気をシリンダの外方に排出する排出機構を備えたり、シリンダの断面をシリンダの軸方向に沿って変化するように形成したりしたシリンダ装置を用いるものとすれば、シリンダ装置が特殊なものとなるので、生産性を損なう虞があった。
そこで、本発明は、離席の際に、スプリングのバネ圧により着座体が自ら回動して起立するように構成された椅子において、着座体が背凭れに当接する際の衝撃音を低減すると共に、着座体が水平状態から起立状態に移る回動動作を促進し、且つ、特殊なシリンダ装置を必要とせず、生産性を向上すること目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、床面に設置された左右一対の側壁を有する椅子本体と、該椅子本体の後方位置に前記一対の側壁を連結するように立設された背凭れと、水平に配置され、両端が前記椅子本体の左右の側壁に固定された支軸と、後方部が該支軸に回動自在に支持され、該支軸を支点として、座面が略水平な着座位置から座面が前記背凭れに当接される収納位置までの間で回動可能な着座体と、該着座体と前記支軸との間に接続され、前記着座体が前記支軸を支点として前記着座位置から前記収納位置へと回動する方向に、前記着座体を付勢する付勢部材と、シリンダと、該シリンダ内に摺動可能に設けられ、該シリンダ内を二室に画成するピストンと、該ピストンに設けられ、前記シリンダ内の二室を連通する連通路と、基端側が前記ピストンに連結され、先端側が前記シリンダ外に突出したピストンロッドと、前記ピストンが該ピストンロッド側に摺動する際に前記連通路を介して流れる流体の流動抵抗を大きくし、該ピストンがその反対方向に摺動する際に該流動抵抗を小さくする弁機構と、を備え、前記着座体の回動動作に伴い前記ピストンロッドに軸方向の力を受けて前記着座体の回動に抗する反力を加えるシリンダ装置と、を備えた椅子であって、前記支軸に対して、前記着座体が当該支軸を支点として回動する際の座面の回動角度範囲内の略中間の角度方向に突設された第一の延出部材を備え、前記シリンダ装置は、前記ピストンロッドの先端部が、前記第一の延出部材の先端に接続され、前記ピストンロッドの先端部とは反対側に位置する前記シリンダの外端部が、前記着座体の前方部に接続されていることを特徴とする。
請求項1に記載の椅子によれば、支軸に対して、着座体が支軸を支点として回動する際の座面の回動角度範囲内の略中間の角度方向に突設された第一の延出部材を備え、シリンダ装置は、ピストンロッドの先端部が、第一の延出部材の先端に接続され、ピストンロッドの先端部とは反対側に位置するシリンダの外端部が、着座体の前方部に接続されているので、着座体が着座位置から収納位置に向かって回動する際に、シリンダの外端部が、着座体の回動に伴って着座体と一体となって回動する。そして、この際、着座体が第一の延出部材が突設された角度に至る回動角度範囲では、シリンダの外端部が第一の延出部材の先端に除々に近づく回動軌跡となるので、ピストンロッドの先端部からシリンダの外端部に至る両端間の長さが除々に短くなり、ピストンがピストンロッドの突出方向とは反対方向に摺動し、着座体が第一の延出部材が突設された角度から収納位置に至る回動角度範囲では、シリンダの外端部が第一の延出部材の先端に除々に遠ざかる回動軌跡となるので、ピストンロッドの先端部からシリンダの外端部に至る両端間の長さが除々長くなり、ピストンがピストンロッドの突出方向に摺動する。
そして、シリンダ装置には、ピストンがピストンロッド側に摺動する際に連通路を流れる流体の流動抵抗を大きくし、ピストンがその反対方向に摺動する際に流動抵抗を小さくする弁機構が備えられているので、着座体が着座位置から収納位置に移る回動動作において、第一の延出部材が突設された角度に至る回動角度範囲では、着座体の回動動作に抗する反力の発現を抑え、着座体の回動動作を促進でき、第一の延出部材が突設された角度から収納位置に至る回動角度範囲では、着座体の回動動作に抗する反力を発現させ、着座体の回動速度を緩やかにでき、着座体が背凭れに当接する際の衝撃音を低減し、着座体を背凭れ緩やかに静止できる。
また、請求項1に記載の椅子によれば、着座体が着座位置から収納位置に移る回動動作において、第一の延出部材が突設された角度に至る回動角度範囲までは、着座体の回動動作を促進できるので、例えば、劇場ホールや音楽ホールなどで、着席者が緊急避難を要する際の利便性が優れている。
また、シリンダ内の流体の流動抵抗を調整する弁機構を備えたシリンダ装置は、例えば、回転椅子、ドア、車両等の動作機構を有する分野において、その衝撃を吸収するために広く用いられている。従って、本発明によれば、その分野で使用されているシリンダ装置をそのまま使用できるので、従来の椅子よりも安価に実現できる。
また、請求項1に記載の椅子は、請求項2に記載の発明のように、前記シリンダ内に充填された流体がオイルであれば、気体のように圧縮されて発現するバネ性を持たないので、流体が気体であるよりも、着座体が背凭れに当接する際の着座体の跳ね返りを、一層抑制できる。
次に、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の椅子において、前記第一の延出部材の突設位置から前記支軸の軸方向に離れた位置で、前記支軸に対して、前記着座体の後方側でしかも水平面よりも上方に向けて突設された第二の延出部材を備え、前記付勢部材は、線材をコイル状に旋回したコイルスプリングからなり、該コイルスプリングの一端が前記着座体の前方部に接続され、該コイルスプリングの他端が前記第二の延出部材の先端に接続されていることを特徴とする。
請求項3に記載の椅子によれば、支軸に対して、着座体の後方側でしかも水平面よりも上方に向けて突設された第二の延出部材を備え、付勢部材は、線材をコイル状に旋回したコイルスプリングからなり、コイルスプリングの一端が着座体の前方部に接続され、コイルスプリングの他端が第二の延出部材の他端に接続されているので、着座体には、コイルスプリングの伸縮方向のバネ圧が加えられ、支軸を支点とする回転モーメントが作用する。また、着座体の着座位置よりも収納位置の方が、コイルスプリングの一端から第二の延出部材の先端までの長さが長くなり、コイルスプリングには縮む力が発現し、着座体が収納位置に向かって回動するように、着座体にバネ圧が付勢される。
また、コイルスプリングはシリンダ装置と同様に、一端が着座体の前方部に接続され、他端が第二の延出部材を介して支軸に接続されているので、シリンダ装置の反力とコイルスプリングのバネ圧とのバランスがとり易く、着座体の回動速度を精度良く制御できる。
以下、本発明の実施例を図面と共に説明する。図1(a)は本発明が適用された実施例の椅子の構成を表す斜視図、図1(b)は、同実施例の椅子を側面からみた断面図、図2は、同実施例の椅子の、着座体の構成を表す斜視図、図3は、同実施例の椅子の動作説明図、図4は、図3における同実施例の椅子の、着座体の回動動作を表す説明図、図5(a)は、同実施例の椅子におけるシリンダ装置の構成を表す断面図、図5(b)は、同シリンダ装置において、ピストンがピストンロッドの突出方向と反対方向に摺動する際の、シリンダ装置の動作を表す図、図5(c)は、同シリンダ装置において、ピストンがピストンロッドの突出方向に摺動する際の、シリンダ装置の動作を表す図、図6は、同実施例の椅子におけるシリンダ装置の、着座体の回動に伴う寸法変化を表す図である。
図1(a)、(b)に表したように、椅子1は、床面に設置された左右一対の側壁2a、2bを有する椅子本体1と、椅子本体1の後方位置に一対の側壁2a、2bを連結するように立設された背凭れ3と、水平に配置され、両端が椅子本体2の左右の側壁2a、2bに固定された支軸4と、支軸4を支点として、座面が略水平な着座位置から座面が背凭れ3に当接される収納位置までの間で回動可能な着座体5と、左右の側壁2a、2bの上方に設置された肘掛け部14とを備えている。
また、椅子本体2の前方には、前壁2cが左右の側壁2a、2bを連結して備えられている。そして、前壁2cの上端2dは、着座体5の着座位置において、着座体5の下面5cが当接する位置に設けられている。従って、着座体5は、収納位置から着座位置に向かって回動する際に、着座体5の下面5cが前壁2cの上端2dに当接して回動が停止し、着座位置から収納位置に向かって回動する際に、着座体5の座面が背凭れ3に当接して回動が停止する。
次に、図1(b)に表したように、着座体5は、内方が空洞となった枠体と5aと、枠体5の外周を覆うスポンジ5bによって構成されている。
そして、リクライニング椅子1は、枠体5aの内方に、着座体5と支軸4との間に接続され、着座体5が支軸4を支点として着座位置から収納位置へと回動する方向に、着座体5を付勢するスプリング(所謂、本発明の付勢部材である)6と、着座体5と支軸4との間に連結され、着座体5の回動方向に抗する反力を加えるシリンダ装置7とを備えている。
着座体5は、図2に表したように、枠体5aの両側壁5b、5cの後方側に、支持プレート20によって軸受け部18、19が固定され、軸受け部18、19に支軸4が回動自在に係合している。尚、支軸4の両端は、図1に表した椅子本体2の左右の側壁2a、2bに固定される。
また、枠体5aの一方の側壁5bには、前方側(所謂、着座体5の前方側である。)に、枠体5aの内方に突出するようにスプリング連結ピン15が固定され、支軸4の周面には、第二の延出部材13が固定されている。また、第二の延出部材13は、図1(b)に表したように、着座体5の後方側でしかも水平面よりも上方に突設している。
スプリング6は、材質がバネ鋼からなる線材をコイル状に旋回したコイルスプリングからなり、コイル状部が一端6aから他端6b方向に伸縮し、その伸縮方向にバネ圧を発現する。そして、図2に表したように、スプリング6の一端6aがスプリング連結ピン15に接続され、スプリング6の他端6bが第二の延出部材13の先端に接続されている。尚、図2は、着座体5が収納位置にあって、この際、スプリング6は縮んでいる。
次に、図3、図4にもとづいて、リクライニング椅子1における着座体5の回動動作を説明する。尚、図4における(a)、(b)、(c)、(d)は、図3における着座体5の位置P1、P2、P3、P4に対応し、(a)は着座体5の座面が略水平である着座位置、(b)は(a)より略30°後方側に着座体5が回動した位置、(c)は(a)より略60°後方側に着座体5が回動した位置、(d)は、(a)より略90°後方側に着座体が回動し、着座体5の座面が背凭れ3に当接した収納位置を表している。
スプリング6は、一端6aがスプリング連結ピン15に接続されているので、図3、図4に表したように、着座体5が支軸4を支点に、収納位置P4から着座位置P1に向かって回動すると、一端6aが支軸4を支点に着座体5と一体となって回動する。この際、スプリング6の他端6bが第二の延出部材13の他端に接続されているので、着座体5が収納位置P4から着座位置P1に向かって回動するに従って、図4の(d)から(a)のように、スプリング6の他端6bから一端6aまでの長さTが除々に長くなり、スプリング6が伸びる。そして、図3における着座体5の着座位置P1においては、図4の(a)のように、スプリング6が伸びているので、スプリング6には縮むようにバネ圧が発現しており、着座体5には、支軸4を支点として収納位置P4に向かって回動するように、スプリング6によるバネ圧が付勢されることになる。
次に、図2に表したように、枠体5aの他方の側壁5cには、前方側(所謂、着座体5の前方側である。)に、枠体5aの内方に突出するようにシリンダ連結ピン16が固定され、支軸4には、第二の延出部材13の突設位置から支軸4の軸方向に離れた位置で、第一の延出部材12が固定されている(即ち、第一の延出部材12の突設位置から支軸4の軸方向に離れた位置で、第二の延出部材13が固定されている)。また、第一の延出部材12は、図1(b)に表したように、支軸4に対して、着座体5が支軸4を支点として回動する際の、座面の回動角度範囲内の略中間の角度方向に突設している。
そして、図2に表したように、シリンダ装置7に備えられたピストンロッド10の先端部10bが、第一の延出部材12の先端に、ピン17を介して、図中のR2方向に回動自在に接続され、ピストンロッド10の先端部10bとは反対側に位置するシリンダ8の外端部8aが、シリンダ連結ピン16に図中のR1方向に回動自在に接続されている。
また、シリンダ装置7は、図5(a)に表したように、オイル7cが充填されたシリンダ8と、シリンダ8内に摺動可能に設けられ、シリンダ8内を一方の室7aと他方の室7bとの二室に画成するピストン9と、ピストン9に設けられ、シリンダ8内の二室を連通する連通路9aと、基端側がピストン9に連結され、先端側がシリンダ8外に突出したピストンロッド10と、ピストン9がピストンロッド10側に摺動する際に連通路9aを流れる流体の流動抵抗を大きくし、ピストン9がその反対方向に摺動する際に連通路9aを介して流れる流体の流動抵抗を小さくする弁機構11とを備えている。
また、シリンダ8の開口部には、開口部を封入するためのシール材7dと、ピストンロッド10をスライド自在に支持するガイド体7eとが、シリンダ8に固定されている。また、シール材7d及びガイド体7eにはピストンロッド10が挿通されている。
また、弁機構11は、ピストンロッド10の基端側の径が縮小され、この縮径部に、ピストンロッド10の軸方向に沿ってスライド自在に、板状のスライド弁11aが係合して構成されている。
そして、弁機構11は、ピストンロッド10と連通路9aとの間には、オイル7cの流通路となる間隙Cが構成され、ピストン9がピストンロッド10の突出方向に摺動する際には、オイル7cの流れに沿って、スライド弁11aがピストン9に近接するようにスライドして間隙Cが狭くなり、間隙Cを介して連通路9a流れるオイルの流動抵抗を増加し、一方、ピストン9が前述の反対方向に摺動する際には、オイル7cの流れに沿って、スライド弁11aがピストンから遠ざかるにようにスライドして間隙Cが広くなり、間隙Cを介して連通路9a流れるオイル7cの流動抵抗を減少するように構成されている。
そして、シリンダ装置7は、図5(b)に表したように、ピストンロッド10を介して外力が加えられ、ピストン9が他方の室7b側から一方の室7a側に向けて(図中のD方向であって、ピストンロッド10の突出方向とは反対方向である。)摺動する際には、一方の室7aが狭くなるので、オイル7cが一方の室7aから連通路9aを介して他方の室7bに流れる(図中のQ1のように流れる)。そして、この際、オイル7cの流力によって、スライド弁11aがピストン9から遠ざかるようにスライドし、間隙C1が広くなって、オイル7cの流動抵抗が減少する。
一方、シリンダ装置7は、図5(c)に表したように、ピストン9が一方の室7a側から他方の室7b側に向けて(図中のU方向であって、ピストンロッド10の突出方向である。)摺動する際には、他方の室7bが狭くなるので、オイル7cが他方の室7bから連通路9aを介して一方の室7aに流れる(図中のQ2のように流れる)。そして、この際、オイル7cの流力によって、スライド弁11aがピストン9に近づくようにスライドし、間隙C2が狭くなって、オイル7cの流動抵抗が増加する。
次に、図4、図6にもとづいて、着座体5の回動動作に伴うシリンダ装置7の動作を説明する。尚、図4における(a)、(b)、(c)、(d)は、図3における着座体5の位置P1、P2、P3、P4に対応し、(a)は着座体5の座面が略水平である着座位置、(b)は(a)より略30°後方側に回動した位置、(c)は(a)より略60°後方側に回動した位置、(d)は、(a)より略90°後方側に回動し背凭れ3に当接した収納位置を表している。
図4に表したように、シリンダ装置7は、シリンダ8の外端部8aが、着座体5の前方部にシリンダ連結ピン(図2中の符合16)を介して接続されているので、着座体5が支軸4を支点に、着座位置(a)から収納位置(d)に向かって回動すると、外端部8aが支軸4を支点に着座体5と一体となって回動する。この際、ピストンロッド10の先端部10bが第一の延出部材12の先端に接続されているので、着座体5の回動に従って、シリンダ8の外端部8aからピストンロッド10の先端部10bまでの長さSが変化し、ピストン(図5中の符合9)が摺動する。
この際、着座位置(a)から第一の延出部材12が突設された角度に至る回動角度範囲((a)から(b)と(c)の略中間に至る回動範囲)では、シリンダ8の外端部8aからピストンロッド10の先端部10bまでの長さSが除々に短くなる。そして、第一の延出部材12とシリンダ装置7が直線状になる位置で、長さSが最短となる。また、前述の第一の延出部材12が突設された角度から収納位置(d)に至る回動角度範囲では、着座体5の回動に伴って、シリンダ8の外端部8aからピストンロッド10の先端部10bまでの長さSが除々に長くなる。
前述の着座体5の回動動作に伴う、シリンダ8の外端部8aからピストンロッド10の先端部10bまでの長さSの変化を図6に表した。図6において、横軸は着座体5の着座位置を基準(0°)とする回動角度であって、縦軸は、シリンダ8の外端部8aからピストンロッド10の先端部10bまでの長さSである。
図6に表したように、着座体5の着座位置から回動途中の所定の角度(支持4に対して、第一の延出部材12が突設された角度である)に至る回動範囲(図中のD1の範囲)では、長さSが除々に短くなり、回動途中の所定の角度から着座体5の収納位置に至る回動範囲(図中のD2の範囲)では、長さSが除々に長くなる。
そして、長さSが除々に短くなる回動範囲では、図5の(b)に表したように、ピストン9が他方の室7b側から一方の室7a側に向けて(図5中のD方向であって、ピストンロッド10の突出方向とは反対方向である。)摺動するので、弁機構11の作用によって、オイル7cの流動抵抗が減少し、着座体5の回動動作に抗する反力が減少し、長さSが徐々に長くなる回動範囲では、図5の(c)に表したように、弁機構11の作用によって、オイル7cの流動抵抗が増加し、着座体5の回動動作に抗する反力が増加する。
以下に、前記の構成を有する実施例の椅子1の作用効果を記載する。
実施例に記載の椅子1によれば、着座体5が着座位置から収納位置に向かって回動する際に、シリンダ8の外端部8aが、着座体5の回動に伴って着座体5と一体となって回動する。そして、この際、着座体5の着座位置から、支軸4に対して第一の延出部材12が突設された角度に至る回動角度範囲では、シリンダ8の外端部8aが第一の延出部材12の先端に対して除々に近づく回動軌跡となるので、ピストンロッド10の先端部10bからシリンダ8の外端部8aに至る両端間の長さSが除々に短くなり、ピストン9がピストンロッド10の突出方向とは反対方向に摺動し、支軸4に対して第一の延出部材12が突設された角度から着座体5の収納位置に至る回動角度範囲では、シリンダ8の外端部8aが第一の延出部材12の先端に対して除々に遠ざかる回動軌跡となるので、ピストンロッド10の先端部からシリンダ8の外端部8aに至る両端間の長さSが除々長くなり、ピストン9がピストンロッド10の突出方向に摺動する。
そして、シリンダ装置7には、ピストン9がピストンロッド側10に摺動する際に連通路9aを流れる流体の流動抵抗を大きくし、ピストン9がその反対方向に摺動する際に流動抵抗を小さくする弁機構11が備えられているので、着座体5が着座位置から収納位置に移る回動動作において、支軸4に対して第一の延出部材12が突設された角度に至る回動角度範囲では、着座体5の回動動作に抗する反力の発現を抑え、着座体5の回動動作を促進でき、支軸4に対して第一の延出部材12が突設された角度から収納位置に至る回動角度範囲では、着座体5の回動動作に抗する反力を発現させ、着座体5の回動速度を緩やかにでき、着座体5が背凭れ3に当接する際の衝撃音を低減し、着座体5を背凭れ3に緩やかに静止できる。
また、実施例に記載の椅子1によれば、着座体5が着座位置から収納位置に移る回動動作において、支軸4に対して第一の延出部材が突設された角度に至る回動角度範囲までは、着座体5の回動動作を促進できるので、例えば、劇場ホールや音楽ホールなどで、着席者が緊急避難を要する際の利便性が優れている。
また、実施例に記載の椅子1によれば、シリンダ8内に充填された流体がオイル7cであるので、流体が気体であるよりも、着座体5が背凭れ3に当接する際の着座体5の跳ね返りを、一層抑制できる。
また、実施例に記載の椅子1によれば、支軸4に対して、着座体5の後方側でしかも水平面よりも上方に向けて突設された第二の延出部材13を備え、スプリング6が、線材をコイル状に旋回したコイルスプリングからなり、コイルスプリングの一端が着座体5の前方部に接続され、コイルスプリングの他端が第二の延出部材13の先端に接続されているので、着座体5には、コイルスプリングの伸縮方向のバネ圧が加えられ、支軸4を支点とする回転モーメントが作用する。そして、着座体5の着座位置よりも収納位置の方が、コイルスプリングの一端から第二の延出部材13の先端までの長さTが長くなり、コイルスプリングには縮む力が発現し、着座体5が起立するように、バネ圧を付勢することができる。
また、実施例に記載の椅子1によれば、コイルスプリングはシリンダ装置7と同様に、一端が着座体5の前方部に接続され、他端が第二の延出部材13を介して支軸4に接続されているので、シリンダ装置7の反力とコイルスプリングのバネ圧とのバランスがとり易く、着座体5の回動速度を精度良く制御できる。
尚、本発明は、前記の実施例に限定されることなく、種々の態様をとることができる。
例えば、実施例の椅子1には、スプリング6とシリンダ装置7をそれぞれ1個づつ備えたが、複数個備えてもよい。
また、着座体5の前方部に接続するシリンダ8の外端部8aが、シリンダ8に対して、着脱できるように構成されたものであっても良い。
また、本発明は、劇場ホールや音楽ホールでの使用される椅子に限定されることなく、付勢部材によって着座体が自ら起立するように構成されたものであれば活用できる。
また、シリンダ内で圧縮される流体として、オイルとガスの両者を充填してもよい。
(a)は本発明が適用された実施例の椅子の構成を表す斜視図、(b)は、同実施例の椅子を側面からみた断面図である。 同実施例の椅子の、着座体の構成を表す斜視図である。 同実施例の椅子の、動作説明図である。 同実施例の椅子の、着座体の回動動作を表す説明図である。 (a)は、同実施例の椅子におけるシリンダ装置の構成を表す断面図、(b)は、同シリンダ装置において、ピストンがピストンロッドの突出方向と反対方向に摺動する際の、シリンダ装置の動作を表す図、(c)は、同シリンダ装置において、ピストンがピストンロッドの突出方向に摺動する際の、シリンダ装置の動作を表す図である。 同実施例の椅子におけるシリンダ装置の、着座体の回動に伴う寸法変化を表す図である。
符号の説明
1…椅子、2…椅子本体、2a,2b…側壁、2c…前壁、3…背凭れ、4…支軸、5…着座体、5a…枠体、5b…スポンジ、6…スプリング、6a…一端、6b…他端、7…シリンダ装置、7a…一方の室、7b…他方の室、7c…オイル、7d…シール、7e…ガイド体、8…シリンダ、8a…外端部、8b…取付孔、9…ピストン、9a…連通孔、10…ピストンロッド、10a…基端部、10b…先端部、10c…取付孔、11…弁機構、11a…スライド弁、12…第一の延出部材、13…第二の延出部材、14…肘掛け部、15…スプリング連結ピン、16…シリンダ連結ピン。

Claims (3)

  1. 床面に設置された左右一対の側壁を有する椅子本体と、
    該椅子本体の後方位置に前記一対の側壁を連結するように立設された背凭れと、
    水平に配置され、両端が前記椅子本体の左右の側壁に固定された支軸と、
    後方部が該支軸に回動自在に支持され、該支軸を支点として、座面が略水平な着座位置から座面が前記背凭れに当接される収納位置までの間で回動可能な着座体と、
    該着座体と前記支軸との間に接続され、前記着座体が前記支軸を支点として前記着座位置から前記収納位置へと回動する方向に、前記着座体を付勢する付勢部材と、
    シリンダと、該シリンダ内に摺動可能に設けられ、該シリンダ内を二室に画成するピストンと、該ピストンに設けられ、前記シリンダ内の二室を連通する連通路と、基端側が前記ピストンに連結され、先端側が前記シリンダ外に突出したピストンロッドと、前記ピストンが該ピストンロッド側に摺動する際に前記連通路を介して流れる流体の流動抵抗を大きくし、該ピストンがその反対方向に摺動する際に該流動抵抗を小さくする弁機構と、を備え、前記着座体の回動動作に伴い前記ピストンロッドに軸方向の力を受けて前記着座体の回動に抗する反力を加えるシリンダ装置と、
    を備えた椅子であって、
    前記支軸に対して、前記着座体が当該支軸を支点として回動する際の座面の回動角度範囲内の略中間の角度方向に突設された第一の延出部材を備え、
    前記シリンダ装置は、
    前記ピストンロッドの先端部が、前記第一の延出部材の先端に接続され、前記ピストンロッドの先端部とは反対側に位置する前記シリンダの外端部が、前記着座体の前方部に接続されていることを特徴とする椅子。
  2. 前記シリンダ装置は、
    前記シリンダ内に充填された流体がオイルである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の椅子。
  3. 前記第一の延出部材の突設位置から前記支軸の軸方向に離れた位置で、前記支軸に対して、前記着座体の後方側でしかも水平面よりも上方に向けて突設された第二の延出部材を備え、
    前記付勢部材は、線材をコイル状に旋回したコイルスプリングからなり、該コイルスプリングの一端が前記着座体の前方部に接続され、該コイルスプリングの他端が前記第二の延出部材の先端に接続されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の椅子。
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