JP4848099B2 - 椅子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、椅子に関する。さらに詳しくは、本発明は、座受部材に対して揺動可能に支持されると共に初期位置に付勢される背支桿を備えた椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】
座受部材と、該座受部材に対して揺動可能に支持される背支桿と、背支桿を初期位置に復帰させるよう付勢するガススプリングとを備えた椅子が普及している。この種の椅子では、背凭れを傾斜させたときに背支点が下がって座り心地が悪くなったり着座者の背中の衣類が捲れることを防止するために、背凭れの後傾に伴って座が後傾するものが開発されている。
【0003】
このような椅子100では、図14に示すように背支桿101の回転軸102がガススプリング103の回転軸104よりも前側に位置すると共に、座105の前部が座受部材106に回転可能に支持されて、座105の後部が背支桿101に回転可能に直接支持されている。これにより、背支桿101が後傾すると座105が後傾する。
【0004】
そして、ここでのガススプリング103は、1本のケーシング111と、該ケーシング111に対して出没可能なロッド112と、該ロッド112の周囲からの作動オイル漏れを防止する1本のオイルシール113とを備えている。
【0005】
また、座105や背凭れをロッキング可能とした椅子100では、座105や背凭れを初期位置に復帰させるために圧縮コイルばね110を反力源とする反力付与機構107を使用している。そして、着座者の体格や使用状態に応じてロッキングの反力の大きさを調整するために、ロッキングの反力調整機構108を備えた椅子がある。この反力調整機構108としては、例えば調整ねじ109を回転させてスライダ123を圧縮コイルばね110の伸縮方向に摺動させることにより圧縮コイルばね110の初期圧縮長さを変更する。圧縮コイルばね110の初期圧縮長さを変更することにより、その初圧を変更してロッキングの反力の大きさを調整することができる(実開昭62−109646号公報参照)。
【0006】
さらに、座105が座受部材106に対して揺動する椅子100では、座105は座受部材106に支持軸114により支持されている。例えば図14に示す椅子100では、座受部材106の前部に形成された前後方向の長孔115と座105の前部に形成された真円の透孔とに支持軸114が貫通して座105の前部を回転および前後動可能に支持している。これにより、座105の後部が降下するのに伴って座105が後方に移動することができ、背凭れの後傾時に衣服が捲れることを防止できる。
【0007】
また、背凭れを任意の傾斜角度で固定したり、あるいは座105を任意の高さで固定するために、任意長さで固定可能なガススプリング103,116を使用することがある。そして、このガススプリング103,116としては、プッシュロッド117,118を押し込むことにより全長が伸縮可能になると共にプッシュロッド117,118を解放することにより長さが固定されるタイプのものが使用されている。そして、例えば座105の昇降に使用されるガススプリング116の操作機構119としては、プッシュロッド118を押圧する回転可能な操作アーム120と、操作アーム120を回転させるために接続されたワイヤ121とを備えている。このワイヤ121を引いて操作アーム120を引き下げることによりプッシュロッド118を押し込んで座105が昇降可能になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した背凭れの後傾に伴って座105が後傾する椅子100では、座105の後部が背支桿101に直接支持されているので、座105および背凭れの傾動比を適切な大きさにするためには座105の後側の支持点を背支桿101の回転軸102とガススプリング103への連結軸122との中間付近に設置しなければならず座105は座105の後端部よりも前側で支持されるようになってしまう。このため、座105と座受部材106との間の空間Sを十分に確保することができない。これにより、可撓性の大きい座105を使用すると着座者の体重で座105が下方に撓んだときに座受部材106や背支桿101に当たってしまうおそれがある。例えば薄いプラスチック製で可撓性の大きな座を使用したり、枠状支持部材と該枠状支持部材の内側にネットを張った座を使用するときに、着座者の体重で座が撓んで臀部が座受部材106や背支桿101に当たってしまうおそれがある。これでは、座105の選択範囲を拡大できず、材質やデザインの新しい座105の採用が困難である。
【0009】
しかも、この椅子100では座105の後部が背支桿101に直接支持されていることから、使用者が勢い良く腰掛けたときに座105への衝撃が直に背支桿101に伝達されてしまう。このため、背凭れが一旦後傾して直後に復起して着座者の背中を叩いてしまうことがあり、座り心地を損ねることがある。
【0010】
また、上述した圧縮コイルばね110の初期圧縮長さを変更する反力調整機構108では、反力を大きくするために圧縮コイルばね110を圧縮する方向に調整ねじ109を回転させなければならないので、大きな操作力を必要としてしまう。このため、特に力の弱い女性等にとって操作性が悪いものとなってしまう。
【0011】
さらに、この反力調整機構108では、反力を調整することにより初圧が大きく変わってしまうので、図15に示すように初期位置にある背凭れを傾斜させるための最初の力が変わってしまう。このため、同図中、上側の直線で示すように反力を大きくしたときは、ロッキングを開始するために大きな荷重fが必要になってしまい、快適なロッキング動作の妨げになってしまう。
【0012】
さらに、上述したガススプリング103を背凭れの反力調整機構103として使用する椅子100では、ガススプリング103のケーシング111およびオイルシール113のいずれもが1本だけであるためにロッド112を真っ直ぐに出没させるという正規の動作以外の動作に対しては液密性が余り高くない。このため、例えば着座者が背凭れに対して斜めに荷重を掛けたときにガススプリング103のロッド112に大きな捻れた力が作用すると、オイルシール113とロッド112との隙間から作動オイルが漏れ出してしまうおそれがある。また、作動オイルが漏れ難くなるように複数段のオイルシール113を設けることが考えられるが、これではロッド112とオイルシール113との摩擦が大きくなってガススプリング103の応答性が悪くなってしまう。
【0013】
さらに、上述した座105が座受部材106に支持軸114により支持されている椅子100では、座受部材106に支持軸114を貫通させただけで支持しているので、支持軸114と座受部材106との間での遊びにより、座105が座受部材106に対してがた付きを生じてしまうおそれがある。
【0014】
また、上述したプッシュロッド118を押し込むことにより全長が伸縮可能になるガススプリング116を使用した椅子100では、該ガススプリング116の操作機構として少なくとも回転可能な操作アーム120が必要になるので、椅子100への組み付け作業が煩雑になってしまう。
【0015】
そこで、本発明は座と座受部材との間の空間を十分に大きく確保できる椅子を提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明は座や背凭れの傾動の反力を小さな力で容易に調整できる椅子を提供することを目的とする。
【0017】
さらに、本発明は使用するガススプリングからの作動オイル漏れを防止できる椅子を提供することを目的とする。
【0018】
そして、本発明は座の回転部でのがた付きを防止できる椅子を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、請求項1記載の発明は、座受部材と、該座受部材に前部が回転可能に支持される座と、座受部材に対して回転可能に支持される背支桿と、背支桿を初期位置に復帰させるよう付勢する第1の反力付与機構とを備える椅子において、座の前部は前支持部材を介して座受部材の前部に取り付けられて支持されると共に、座の後部は後支持部材を介して第1の反力付与機構に取り付けられて支持されており、第1の反力付与機構の前端は座受部材に取り付けられると共に、第1の反力付与機構の後端は背支桿に取り付けられており、座受部材および第1の反力付与機構と座との間には着座時の座の撓みによる座受部材および第1の反力付与機構への衝突を回避する空間が設けられているようにしている。
【0021】
したがって、従来のように座の後部を背支桿に直接支持させていた場合と同等の座及び背凭れの傾動比を実現しながらも、座の後部の支持位置を座の後端部にまでずらすことができる。このため、座の前後の支持点の間隔を十分に大きく採ることができるようになるので、座と座受部材との間の空間を十分に確保することができる。よって、可撓性の大きな座を使用しても、座が座受部材に当たってしまうことを防止できる。
【0022】
また、座と背凭れとが直接は連結されていないので、使用者が勢い良く着座したときに背凭れが一旦後傾してしまうことを抑制できる。このため、従来の座と背支桿とが直接連結された椅子のように背凭れが着座者の背中を叩くことを防止できる。
【0023】
そして、請求項2記載の発明は、請求項1記載の椅子において、第1の反力付与機構は、内ケーシングおよび外ケーシングを備えたガススプリングを反力源としている。
【0024】
したがって、着座者が背凭れに対して斜めに荷重を掛けてガススプリングのロッドに大きな捻れ力が作用した場合でも、特に外ケーシングが変形して内ケーシングとロッドとの間での捻れを小さくすることができる。これにより、内ケーシングの内部に設けられたオイルシールとロッドとの隙間から作動オイルが漏れ出すことを抑制できる。また、第1の反力付与機構に伸縮方向以外から大きな荷重が作用するためロッドの周囲から作動オイルが漏れ易くなるが、内ケーシングとロッドとの間での捻れを小さくすることによりオイル漏れを効果的に防止できる。しかも、ロッドの動きを妨げること無く外ケーシングに溶接やかしめ等の加工を施すことができるので、椅子の設計の自由度を高められると共に製造を容易にすることができる。
【0025】
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の椅子において、座は第1の反力付与機構に摺動可能に取り付けられるようにしている。したがって、座の前側の支持点を座受部材に対して摺動しないように回転可能に支持させることができる。これにより、第1の反力付与機構が背支桿よりも大きな角度で傾斜するようになるので、座の沈み込み量が大きくなってリクライニング時の姿勢が安定してより良い座り心地を得ることができるようになる。
また、請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1つに記載の椅子において、背支桿を初期位置に復帰させるように付勢する第2の反力付与機構を備え、第2の反力付与機構は座受部材と背支桿との間に設けられているものである。
【0026】
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載の椅子において、第2の反力付与機構の背支桿側の取付端部を案内する背支桿に形成された案内部と、取付端部を案内部に案内させて変位させることにより第2の反力付与機構の座受部材側の取付位置を中心に第2の反力付与機構を回転させて反力を調整する調整部とを備えるようにしている。
【0027】
したがって、調整部の操作により第2の反力付与機構の傾斜角度を変更すると、背支桿の傾動に対する第2の反力付与機構の伸縮量が変化されて反力を調整できる。このため、調整部による調整時には第2の反力付与機構は伸縮量を変えずに傾動されるので、背支桿の反力調整を一定な軽い力で行うことができる。これにより、女性等の握力の弱い者であっても、反力調整の作業を容易に行うことができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す一実施の形態に基づいて詳細に説明する。図1〜図6に本発明の椅子1の実施形態の一例を示す。この椅子1は、座受部材2と、該座受部材2に前部が回転可能に支持される座3と、座受部材2に対して回転可能に支持される背支桿4と、背支桿4を初期位置に復帰させるよう付勢する反力付与機構5,6とを備えるものである。本実施形態では、反力付与機構5,6として座受部材2の後部に設置された第1の反力付与機構5と、座受部材2の前部に設置された第2の反力付与機構6とを備えている。
【0032】
そして、座3の後部が第1の反力付与機構5に直接取り付けられて支持されるようにしている。したがって、従来のように座3の後部を背支桿4に直接支持させていた場合と同等の座3及び背凭れの傾動比を実現しながらも、座3の後部の支持位置を座3の後端部にまでずらすことができる。このため、座3の前後の支持点の間隔を十分に大きく採ることができるようになるので、座3と座受部材2との間の空間Sを十分に確保することができる。よって、可撓性の大きな座3を使用しても、座3が座受部材2に当たってしまうことを防止できる。しかも、座3と背凭れとが直接は連結されていないので、使用者が勢い良く着座したときに背凭れが一旦後傾してしまうことを抑制できる。このため、従来の座3と背支桿4が直接連結された椅子1のように背凭れが着座者の背中を叩くことを防止できる。
【0033】
背支桿4は、座受部材2の中央部付近に回転軸7により揺動可能に支持されている。第1の反力付与機構5は、前端が座受部材2の後端部に支持軸8により回転可能に支持されると共に、後端が背支桿4の一部に取付軸9により回転可能に取り付けられている。このため、これら座受部材2と背支桿4と第1の反力付与機構5とにより連鎖機構が形成されている。そして、第1の反力付与機構5の長さを変更することにより、背支桿4を傾動させて背凭れを傾動できると同時に、第1の反力付与機構5を傾動させて座3を傾動できる。
【0034】
そして、第1の反力付与機構5の反力源としてはガススプリング10を使用している。また、図2に示すように、ガススプリング10を最も伸ばしたときに、背支桿4が初期位置に位置するように設定する。さらに、図1に示すように、ガススプリング10を最も縮めたときに、背支桿4が最も傾斜した状態になるように設定する。このため、ガススプリング10により背支桿4を初期位置と最大傾斜位置とに各々位置決めできるので、背支桿4の揺動範囲を規制するストッパを形成する必要が無く、構造の複雑化を防止できる。
【0035】
このガススプリング10は、図3及び図4に示すように内ケーシング54および外ケーシング55を備えたものとしている。すなわち、このガススプリング10は二重のケーシングを備えたいわゆる複筒式と呼ばれるものである。このガススプリング10では、内ケーシング54とロッド11との間に内側のオイルシール12が設けられると共に、外ケーシング55とロッド11との間に外側のオイルシール13が設けられている。但し、外側のオイルシール13はロッド11に対して若干の隙間を有して設けられている。このため、外側のオイルシール13とロッド11との間で殆ど摩擦を生ずることが無く、ガススプリング10の応答性を単筒式のものと同等に高く維持することができる。
【0036】
このガススプリング10は複筒式であるので、着座者が背凭れに対して斜めに荷重を掛けてガススプリング10のロッド11に大きな捻れ力が作用した場合でも、特に外ケーシング55が変形して内ケーシング54とロッド11との間での捻れを小さくすることができる。これにより、内ケーシング54の内部に設けられたオイルシール12とロッド11との隙間から作動オイルが漏れ出すことを抑制できる。また、特にこの椅子1では第1の反力付与機構5に座3の後部が直接取り付けられて支持されることから上方より大きな荷重が作用するので、ロッド11の周囲から作動オイルが漏れ易くなる。しかしながら、外ケーシング55の変形によって内ケーシング54とロッド11との間での捻れを小さくできるので、オイル漏れを効果的に抑制することができる。しかも、外ケーシング55には溶接やかしめ等の加工を施すことができるので、座3の後部を取り付けるための取付部材24を溶接等で容易に固定することができる。
【0037】
さらに、このガススプリング10は伸縮をロック可能なロック機能を有するものとしている。このため、背凭れおよび座3を任意の傾斜角度で固定することができる。また、ここでのロック機能は、ガススプリング10のロッド11の中央に設けられたプッシュロッド14を押し込むことにより伸縮可能にすると共に、プッシュロッド14を解放することによりロックされるものとしている。
【0038】
この第1の反力付与機構5には、ガススプリング10のプッシュロッド14を押し込んだり解放したりする操作機構15が設けられている。この操作機構15は、ガススプリング10のロッド11の先端部に固定されると共に座受部材2の後端部に支持軸8により回転可能に支持された支持体16と、該支持体16に回転可能に設けられると共に回転によりガススプリング10のプッシュロッド14を押圧する操作アーム17と、操作アーム17に接続されたワイヤ18及び該ワイヤ18を摺動可能に収容するアウタケーシング19とを有している。アウタケーシング19は支持体16に固定される。
【0039】
そして、ワイヤ18の他端を操作レバー(図示せず)により引っ張って操作アーム17を回転させてプッシュロッド14を押し込むことにより、ガススプリング10が伸縮可能となり背支桿4および第1の反力付与機構5が傾動可能になる。よって、背支桿4に支持される背凭れと第1の反力付与機構5に支持される座3とがロッキング可能に成る。また、ワイヤ18を緩めてプッシュロッド14が飛び出すことによりガススプリング10の長さが固定されると、座受部材2と背支桿4とガススプリング10とが三角形の固定リンクを形成するので、背支桿4および第1の反力付与機構5がロックされる。よって、背凭れおよび座3が位置決めされる。
【0040】
座3の前部は、座受部材2の前部に前支持部材20を介して取り付けられている。この前支持部材20は、座受部材2の前部に形成された座支持孔21に前座支持軸22によって前後動可能かつ揺動可能に支持されている。前座支持軸22は前支持部材20に対して圧入により固定されている。また、座3の後部は、第1の反力付与機構5に後支持部材23を介して取り付けられている。この後支持部材23は、第1の反力付与機構5に固定された取付部材24に後支持軸25によって揺動可能に支持されている。よって、第1の反力付与機構5の後傾に伴って座3の後部が沈みながら後方に引かれると、座3の前部が揺動しながら後方に摺動する。これにより、背凭れ及び座3が連動してロッキング動作を行うことができる。
【0041】
座3は、プラスチック製の薄板状で可撓性を有するものとしている。このため、座3を一体成形により容易に形成することができると共に、高いクッション性を得ることができる。本実施形態では座3はプラスチック製の薄板状としているが、これには限られず心材となる座板とその上に載置されるクッション並びに該クッションを覆う上張地とから構成される座3を用いても良い。
【0042】
背支桿4は、図7に示すように椅子1に組み付ける前に枠状に一体化されたものとしている。このため、1本の単なる棒状の背支桿4を使用する場合や左右別々の2本の背支桿4により背凭れを支持する場合に比べて、背支桿4の特に捻れに対する剛性を高めることができる。よって、例えば着座者が背凭れに対して斜めに荷重を掛けたときでも、背支桿4が捩れてしまうことを抑制できる。
【0043】
この背支桿4は、左右に設けられた側枠部26と、側枠部26の前端部に左右に貫通された状態で一体化された回転軸7と、側枠部26の後端部を連結するよう一体化された後枠部27と、回転軸7に一体化された前側に突出する反力受け部28とを備えている。回転軸7も背支桿4に一体化されているので、背支桿4とその回転軸7とが一体化されていない場合に比べて、背支桿4の捻れ力に対する剛性を高めることができる。反力受け部28は第2の反力付与機構6からの反力を受ける。
【0044】
回転軸7は側枠部26および反力受け部28の各取付孔29,30に貫通した状態で溶接により一体化されている。そして、回転軸7の各取付孔29,30への取付部分は、図8に示すように平たく潰されて外周面から突出した平部31とされている。また、各取付孔29,30は、真円部29a,30aと、該真円部29a,30aから互いに反対方向に外周側に突出する2つの回り止め部29b,30bとを備えている。そして、回転軸7の平部31の両側端が取付孔29,30の回り止め部29b,30bに収容されて、回転が防止されるようにしている。このため、回転軸7と側枠部26の溶接、あるいは回転軸7と反力受け部28の溶接が万一外れたとしても、反力受け部28と側枠部26とが空転してしまうことが無いので、第2の反力付与機構6からの反力が常に反力受け部28から背支桿4の全体に伝達される。
【0045】
座受部材2の前端部と反力受け部28との間に設けられた第2の反力付与機構6は、圧縮コイルばね32と、該圧縮コイルばね32を座受部材2の前端部に回転可能に支持する前ばねマウント33と、圧縮コイルばね32を背支桿4に対して回転可能に支持する後ばねマウント34とを備えている。前ばねマウント33は座3の前部を支持する前座支持軸22に取り付けられている。また、後ばねマウント34は背支桿4の反力受け部28に取り付けられている。
【0046】
そして、この椅子1では、第2の反力付与機構6の背支桿4側の取付端部である後ばねマウント34を案内すると共に反力受け部28に形成された案内部35と、後ばねマウント34を案内部35に案内させて変位させることにより第2の反力付与機構6の座受部材2側の取付位置を中心に第2の反力付与機構6を回転させて反力を調整する調整部36とを備えている。
【0047】
案内部35は、背支桿4の回転中心である回転軸7からの放射線上に位置すると共に圧縮コイルばね32にほぼ直交する直線状の長孔から成るものとしている。調整部36は、案内部35に沿うと共に反力受け部28の取付孔40に回転可能に取り付けられた調整ねじ37と、該調整ねじ37に螺合すると共に後ばねマウント34が回転可能に取り付けられるスライダ38と、調整ねじ37を回転させるためのノブ39とを備えている。
【0048】
したがって、ノブ39を回転させると、調整ねじ37が回転してスライダ38が案内部35に沿って移動される。このため、スライダ38に取り付けられた圧縮コイルばね32の傾斜角度が変更される。このように調整部36の操作により第2の反力付与機構6の傾斜角度を変更すると、背支桿4の傾動に対する第2の反力付与機構6の伸縮量が変化される。これにより、背支桿4をある一定角度傾斜させるときに、第2の反力付与機構6の長手方向が第2の反力付与機構6を伸縮する外力の方向と同一である場合は伸縮量が最大となって反力が最大となるが、第2の反力付与機構6が傾動するにつれて伸縮量が小さくなり反力は減少する。
【0049】
ここで、本実施形態では案内部35を直線状にしているので、スライダ38を摺動させて第2の反力付与機構6の傾斜角度を変更したときに僅かに第2の反力付与機構6の長さが変更される。しかし、案内部35は第2の反力付与機構6にほぼ直交して設けられているので、第2の反力付与機構6の傾斜に伴う長さの変化はごく僅かである。このため、調整部36による調整時には第2の反力付与機構6は伸縮量を殆ど変えずに傾動されるので、背支桿4の反力調整をほぼ一定な軽い力で行うことができる。これにより、女性等の握力の弱い者であっても、反力調整の作業を容易に行うことができる。
【0050】
また、第2の反力付与機構6を傾斜させたときの背支桿4の傾斜角θと荷重Fとの関係を図9に示す。同図中、上側の直線は第2の反力付与機構6と案内部35とが直交に近い状態、下側の直線は第2の反力付与機構6と案内部35とが直交から遠い状態となっている。同図に示すように、第2の反力付与機構6の傾斜角度にかかわらず、初圧は殆ど無い。このため、反力を大きくしたときでもスムーズにロッキング動作を行うことができるようになるので、従来のように初圧を変化させる反力付与機構のようにロッキングを開始するために大きな荷重が必要なものに比べて快適なロッキング動作を行うことができる。
【0051】
本実施形態では案内部35を直線状に形成しているので、スライダ38の調整ねじ37による移動方向と案内部35による案内方向とを一致させることができ、スライダ38を可動部の無い簡易な構造のものにできる。本実施形態では案内部35を直線状に形成しているが、これには限られず第2の反力付与機構6の回転中心を中心とする円弧形状にしても良い。この場合、調整ねじ37による移動方向と案内部35による案内方向とが一致しないので、スライダ38を調整ねじ37に螺合して摺動する部分と案内部35により案内される部分とに分けて、これらの部分が互いにスライダ38の移動方向に直交する方向のみに摺動可能なように係合させる。このように第2の反力付与機構6の回転中心を中心とする円弧形状の案内部35を用いれば、第2の反力付与機構6の傾斜に伴う長さの変化は無いので背支桿4の反力調整を一定な軽い力で行うことができる。
【0052】
また、座3の前部を支持する前座支持軸22は、第2の反力付与機構6により座受部材2に付勢されている。すなわち、第2の反力付与機構6の前ばねマウント33が前座支持軸22を前方に押圧している。したがって、前座支持軸22と座支持孔21とのがた付きの発生を防止することができる。ここで、前座支持軸22は前支持部材20に対して圧入して固定されているので、これら前座支持軸22と前支持部材20との間でのがた付きは生じない。よって、座3と座受部材2とは、座3→前支持部材20→前座支持軸22→座支持孔21→座受部材2という経路を経て互いに固定されるので、座3の座受部材2に対するがた付きを防止することができる。
【0053】
一方、座受部材2は、図10に示すように脚41に固定された本体部42と、該本体部42に形成されると共に背支桿4の回転軸7を着脱可能な背支桿収容部43と、本体部42に形成されると共に第1の反力付与機構5の支持軸8を着脱可能な反力付与機構収容部46と、回転軸7を背支桿収容部43に保持すると共に支持軸8を反力付与機構収容部46に保持する抑え部材44と、該抑え部材44により回転軸7および支持軸8を保持したまま本体部42に被せられるカバー45とを備えている。背支桿収容部43および反力付与機構収容部46は、本体部42に形成された上方に開口する縦溝から成る。
【0054】
この座受部材2を組み立てるときは、本体部42の背支桿収容部43に背支桿4の回転軸7を挿入し、反力付与機構収容部46に第1の反力付与機構5の支持軸8を挿入する。そして、各収容部43,46に抑え部材44を入れて回転軸7および支持軸8を保持して、更にカバー45を被せて本体部42にボルト47でねじ止めする。このため、従来のように座受部材2と背支桿4とに側方から回転軸7や支持軸8を貫通させる作業が不要に成るので、椅子1の組立作業を簡易化することができる。また、ボルト47を取り外してカバー45を取り去ることにより座受部材2から背支桿4および第1の反力付与機構5を取り外すことができるので、椅子1の分解作業も簡易化することができる。しかも、図5に示すようにボルト47の頭が露出しているので、一般の使用者がそれを見たときにボルト47を外せば分解可能であると容易に判断できる。よって、椅子1の廃棄時に一般の使用者に自分で分解する気を起こさせて分解促進を図ることができる。
【0055】
座受部材2は、脚41の上部に設けられた昇降ガススプリング48の上端部に固定されている。座受部材2の本体部42は、脚41の上部に嵌合して座3を支持するためのガススプリング支持部49を有している。
【0056】
この昇降ガススプリング48は、図11に示すように、先端に突出する操作ピン50を傾斜させることにより全長が伸縮可能になるものを使用している。そして、この昇降ガススプリング48を操作するための操作機構51が設けられている。この操作機構51は、操作ピン50に被せられるキャップ部材52と、該キャップ部材52に連結されると共にキャップ部材52を操作ピン50の傾斜方向に引いて操作ピン50を傾斜させるワイヤ53とを備えている。このため、ワイヤ53が連結されたキャップ部材52を操作ピン50に嵌め付けるだけで昇降ガススプリング48の操作機構51を形成することができる。よって、従来のように昇降ガススプリング48のプッシュロッドを押し込むための操作アームを設ける必要が無く操作機構51の椅子1への組み付け作業を簡易化することができる。そして、ワイヤ53の先端には、該ワイヤ53を引っ張るための昇降操作レバー(図示せず)が取り付けられている。
【0057】
昇降操作レバーを操作してワイヤ53を引っ張ると操作ピン50が倒されるこれにより、昇降ガススプリング48の長さが可変になって、座3を昇降することができる。また、昇降操作レバーを解放してワイヤ53を引いていないときは、操作ピン50が復起して昇降ガススプリング48の長さを固定することができるので、座3の高さを固定することができる。
【0058】
上述した椅子1の動作を以下に説明する。
【0059】
図2に示すように第1の反力付与機構5が最も伸びきっているときは、背凭れおよび座3が初期位置に位置している。ここで、座3の後部は第1の反力付与機構5により直接支持されているので、従来のように座3の後部を背支桿4に直接支持させていた場合と同等の座3及び背凭れの傾動比を実現しながらも、座3の前後の支持部材20,23の間隔を十分に大きく採ることができる。よって、座3と座受部材2との間の空間Sを十分に確保することができるようになり、可撓性の大きな座3を使用しても座3が座受部材2に当たってしまうことを防止できる。
【0060】
このとき、使用者が勢い良く着座すると、座3からの衝撃は座受部材2と第1の反力付与機構5とに直接伝達される。よって、着座時の衝撃力が座3から背支桿4には直接は伝わらないので、背凭れが一旦後傾してしまうことを抑制できる。このため、従来の座3と背支桿4とが直接連結された椅子1のように背凭れが着座者の背中を叩くことを防止できる。
【0061】
また、反力を調整するための調整部36のノブ39を回転させて第2の反力付与機構6を傾斜させることにより、第2の反力付与機構6による反力を調整することができる。調整部36による調整時には第2の反力付与機構6は伸縮量を殆ど変えずに傾動されるので、背支桿4の反力調整を一定な軽い力で行うことができる。これにより、女性等の握力の弱い者であっても、反力調整の作業を容易に行うことができる。
【0062】
第1の反力付与機構5の操作機構15によりガススプリング10のロックを外した状態で着座者が背凭れに体重を掛けると、図1に示すように第1の反力付与機構5および第2の反力付与機構6を圧縮しながら背支桿4が後傾される。第1の反力付与機構5の後傾により、座3も後傾される。これにより、背凭れと座3とが連動して2つの反力付与機構5,6の反力を受けながらロッキング動作を行うことができる。
【0063】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施形態では、座3は第1の反力付与機構5に回転のみ可能に取り付けらているが、これには限られず座3が第1の反力付与機構5に摺動可能に取り付けられるようにしても良い。すなわち、本実施形態では、座受部材2の座支持孔21が前後方向の長孔であると共に後支持部材23が第1の反力付与機構5に対して回転のみ可能に設けられているので座3の傾斜に伴い座3が全体として前後動するが、座3の取付構造はこれには限られない。
【0064】
例えば、図12および図13に示すように、座受部材2の座支持孔21が前座支持軸22の太さと同等の直径の真円形状であると共に第1の反力付与機構5の取付部材24がガススプリング10に対して摺動可能であるようにしても良い。この場合、座3は前座支持軸22を中心に傾斜し、この傾斜により取付部材24がガススプリング10に対して摺動する。あるいは、図12および図13に示す実施形態では後支持部材23および取付部材24が回転のみ可能であると共に取付部材24がガススプリング10に対して摺動可能であるようにしているが、これには限られず取付部材24をガススプリング10に固定すると共に後支持部材23と取付部材24とが互いに前後動可能なように設けても良い。これらの座3の取付構造によれば、反力付与機構5が背支桿4よりも大きな角度で傾斜するようになるので、座3の沈み込み量が大きくなってリクライニング時の姿勢が安定してより良い座り心地を得ることができるようになる。
【0065】
また、本実施形態では複筒式のガススプリング10を第1の反力付与機構5の反力源として使用しているが、これには限られず複筒式のガススプリングを座3の昇降ガススプリング48として使用しても良い。そして、本実施形態では第1の反力付与機構5の反力源として複筒式のガススプリング10を使用しているが、これには限られず単筒式のガススプリングを使用しても良い。この場合、ガススプリング10のコストを下げることができる。
【0066】
さらに、本実施形態では操作ピン50を傾斜させることにより伸縮可能になるガススプリングを座3の昇降ガススプリング48として使用しているが、これには限られず第1の反力付与機構5の反力源として使用しても良い。この場合、第1の反力付与機構5の操作機構15の簡易化を図ることができる。あるいは、本実施形態では座3の昇降ガススプリング48として操作ピン50を傾斜させることにより伸縮可能になるガススプリングを使用しているが、これには限られずプッシュロッドを押し込むことにより伸縮可能になるガススプリングを使用するようにしても良い。この場合、昇降ガススプリング48のコストを下げることができる。
【0067】
そして、本実施形態では支持部材を座受部材2とすると共に被支持部材を背支桿4として、調整部36が座受部材2に対する背支桿4の反力を調整するものとしているが、これには限られず例えば被支持部材を座3を支持する揺動部材としても良い。この場合、調整部36が座受部材2に対する揺動部材の反力を調整することができるようになるので、座3のロッキングの反力を調整することができる。
【0068】
また、本実施形態では第2の反力付与機構6の反力源として圧縮コイルばね32を使用しているが、これには限られず捻りコイルばねを使用しても良い。あるいは、本実施形態では第2の反力付与機構6の反力を調整する調整部36を備えているが、これは無くても良い。さらに、本実施形態では第2の反力付与機構6を備えているが、これは無くても良い。
【0069】
そして、本実施形態では、座3の後部が第1の反力付与機構5に直接取り付けられて支持されているが、これには限られず座3の後部が背支桿4に直接取り付けられて支持されるようにしても良い。また、このような背支桿4の反力付与機構の反力源として上述した複筒式のガススプリング10を使用すれば、着座者が背凭れに対して斜めに荷重を掛けてガススプリング10のロッド11に大きな捻れ力が作用した場合でも作動オイルが漏れ出すことを抑制できる。
【0070】
さらに、本実施形態では枠状に一体化した背支桿4により背凭れを支持しているが、これには限られず1本の単なる棒状の背支桿により支持したり、あるいは左右別々の2本の背支桿により支持するようにしても良い。
【0071】
なお、椅子1の種類は特に限定されず、事務用回転椅子や学習用ホームチェアなどの各種のものに採用することができる。
【0072】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、請求項1記載の椅子によれば、座の後部が第1の反力付与機構に直接取り付けられて支持されているので、従来のように座の後部を背支桿に直接支持させていた場合と同等の座及び背凭れの傾動比を実現しながらも、座の後部の支持位置を座の後端部にまでずらすことができる。このため、座の前後の支持点の間隔を十分に大きく採ることができるようになるので、座と座受部材との間の空間を十分に確保することができる。よって、可撓性の大きな座を使用しても座が座受部材に当たってしまうことを防止でき、座の材質やデザイン等の選択範囲を拡大することができる。
【0073】
また、座と背凭れとが直接は連結されていないので、使用者が勢い良く着座したときに背凭れが一旦後傾してしまうことを抑制できる。このため、従来の座と背支桿とが直接連結された椅子のように背凭れが着座者の背中を叩くことを防止できる。よって、座り心地を高めることができる。
【0074】
そして、請求項2記載の椅子によれば、複筒式のガススプリングを反力源としているので、着座者が背凭れに対して斜めに荷重を掛けてガススプリングのロッドに大きな捻れ力が作用した場合でも、オイルシールとロッドとの隙間から作動オイルが漏れ出すことを抑制できる。また、第1の反力付与機構に伸縮方向以外から大きな荷重が作用するためロッドの周囲から作動オイルが漏れ易くなるが、この漏れを効果的に防止できる。また、ロッドの動きを妨げること無く外ケーシングに溶接やかしめ等の加工を施すことができるので、椅子の設計の自由度を高められると共に製造を容易にすることができる。
【0075】
さらに、請求項3記載の椅子によれば、座は第1の反力付与機構に摺動可能に取り付けられているので、座の前側の支持点を座受部材に対して摺動しないように回転可能に支持させることができる。これにより、第1の反力付与機構が背支桿よりも大きな角度で傾斜するようになるので、座の沈み込み量が大きくなってリクライニング時の姿勢が安定してより良い座り心地を得ることができるようになる。
また、請求項4記載の椅子のように、背支桿を初期位置に復帰させるように付勢する第2の反力付与機構を備え、第2の反力付与機構は座受部材と背支桿との間に設けられているようにしても良い。
【0076】
一方、請求項5記載の椅子によれば、調整部による調整時には第2の反力付与機構は伸縮量を変えずに傾動されるので、背支桿の反力調整を一定な軽い力で行うことができる。これにより、女性等の握力の弱い者であっても、反力調整の作業を容易に行うことができる。
【0077】
しかも、第2の反力付与機構の傾斜角度にかかわらず初圧は殆ど無いので、反力を大きくしたときでもスムーズにロッキング動作を行うことができるようになる。よって、従来のように初圧を変化させる反力付与機構のようにロッキングを開始するために大きな荷重が必要なものに比べて快適なロッキング動作を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る椅子を示す座の最大傾斜時の側面図である。
【図2】座が初期位置にある椅子を示す側面図である。
【図3】座が初期位置にある椅子を示す中央縦断面側面図である。
【図4】座の最大傾斜時の椅子を示す中央縦断面側面図である。
【図5】座を取り外した椅子を示す平面図である。
【図6】座およびカバーを取り外した椅子を示す平面図である。
【図7】背支桿を示す斜視図である。
【図8】回転軸を示す斜視図である。
【図9】背支桿の傾斜角と荷重との関係を示すグラフである。
【図10】座受部材の分解組立図である。
【図11】昇降ガススプリングを示す中央縦断面側面図であり、(A)はキャップ部材を取り付ける前、(B)はキャップ部材を取り付けた後の状態である。
【図12】座が初期位置にある他の実施形態の椅子を示す側面図である。
【図13】座の最大傾斜時の他の実施形態の椅子を示す側面図である。
【図14】従来の椅子を示す中央縦断面側面図である。
【図15】従来の椅子の背支桿の傾斜角と荷重との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 椅子
2 座受部材
3 座
4 背支桿
5 第1の反力付与機構
6 第2の反力付与機構
10 ガススプリング
11 ロッド
35 案内部
36 調整部
50 操作ピン
52 キャップ部材
54 内ケーシング
55 外ケーシング
Claims (5)
- 座受部材と、該座受部材に前部が回転可能に支持される座と、前記座受部材に対して回転可能に支持される背支桿と、前記背支桿を初期位置に復帰させるよう付勢する第1の反力付与機構とを備える椅子において、前記座の前部は前支持部材を介して前記座受部材の前部に取り付けられて支持されると共に、前記座の後部は後支持部材を介して前記第1の反力付与機構に取り付けられて支持されており、前記第1の反力付与機構の前端は前記座受部材に取り付けられると共に、前記第1の反力付与機構の後端は前記背支桿に取り付けられており、前記座受部材および前記第1の反力付与機構と前記座との間には着座時の前記座の撓みによる前記座受部材および前記第1の反力付与機構への衝突を回避する空間が設けられていることを特徴とする椅子。
- 前記第1の反力付与機構は、内ケーシングおよび外ケーシングを備えたガススプリングを反力源とすることを特徴とする請求項1記載の椅子。
- 前記座は前記第1の反力付与機構に摺動可能に取り付けられたことを特徴とする請求項1または2記載の椅子。
- 前記背支桿を前記初期位置に復帰させるように付勢する第2の反力付与機構を備え、前記第2の反力付与機構は前記座受部材と前記背支桿との間に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の椅子。
- 前記第2の反力付与機構の前記背支桿側の取付端部を案内する前記背支桿に形成された案内部と、前記取付端部を前記案内部に案内させて変位させることにより前記第2の反力付与機構の前記座受部材側の取付位置を中心に前記第2の反力付与機構を回転させて反力を調整する調整部とを備えることを特徴とする請求項4記載の椅子。
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