JP6110188B2 - 透明導電フィルム、電子デバイス、および透明導電フィルムの製造方法 - Google Patents

透明導電フィルム、電子デバイス、および透明導電フィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、透明導電フィルム、および透明導電フィルムの製造方法に関し、特に、比抵抗(抵抗率)の膜厚依存性が少なく、かつ、ガスバリア性に優れた透明導電層およびそのような透明導電フィルムの効率的な形成方法を提供する。
従来、液晶デバイスや有機エレクトロルミネッセンスデバイス(有機EL素子)を備えた画像表示装置の透明電極において、薄型化、軽量化、フレキシブル化等を実現するために、透明プラスチックフィルムの上に、ガスバリア層および透明電極を下方から順次に、積層してなる透明導電フィルムが提案されている。
より具体的には、水蒸気や酸素等の透過を抑制すること等を目的として、PETフィルム上に、金属酸化物からなる透明ガスバリア層、透明保護層、および透明導電層を順次に積層してなる透明導電フィルムが各種提案されている(例えば、特許文献1参照)。
そして、積層後の各層の変化を抑制するために、第1工程、第2工程、および第3工程を同一の真空装置(図示せず)の内部で行うことを特徴としたフレキシブルディスプレイ基板としての透明導電フィルムの製造方法も併せて提案されている。
一方、透明導電フィルムにおける透明導電層の形成材料としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)が主として、用いられているものの、形成材料の一つとしてのインジウムが希少金属であって、比較的高価であることから、酸化亜鉛系材料の適用が検討されている。
すなわち、ZnO系透明導電薄膜の膜厚が薄い場合であっても、低抵抗値を示し、かつ湿熱環境下においても抵抗値の変化率が小さい透明導電フィルムおよびその製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
より具体的には、有機高分子フィルム基材上に、可視光透過率が高い第1の酸化物薄膜として、酸素量が化学量論値の60〜90%の酸化アルミニウム薄膜や酸化ケイ素薄膜を形成し、当該第1の酸化物薄膜の上に、ZnO系透明導電薄膜を形成し、さらに、可視光透過率が高く、かつ、水蒸気透過率が所定値以下である第2の酸化物薄膜を形成してなる透明導電フィルムが提案されている。
特開2000−338901号公報 特開2009−302032号公報
しかしながら、特許文献1に開示された透明導電フィルムの製造方法によれば、第1工程において、蒸着法、スパッタリング法等によって、透明プラスチックフィルムの表面に、金属酸化物のみからなるガスバリア層を積層するために、柔軟性が劣っており、例えば、得られたフレキシブルディスプレイ基板を丸めたり、折り曲げたりすると、ガスバリア層にクラックが発生し、ガスバリア性が著しく低下するという問題が見られた。
また、第2工程が必須工程であって、ガスバリア層と、透明導電層の間に、透明保護層を積層する必要があって、工程数が過度に多くなったり、フレキシブルディスプレイ基板の薄膜化が困難となったりするという問題も見られた。
また、特許文献2に開示された透明導電フィルムおよびその製造方法によれば、所定の第1の酸化物薄膜の存在によって、ZnO系透明導電薄膜の比抵抗に対する膜厚依存性はある程度改善されるものの、依然として、ZnO系透明導電薄膜の比抵抗が高く、より低い比抵抗を示す透明導電フィルムの開発が望まれていた。
そこで、本発明者は、このような問題を鋭意検討した結果、樹脂基材の片面または両面に、樹脂基材側から、ガスバリア層および透明導電層を順次に備えた透明導電フィルムを構成し、所定の焼結体から透明導電層を形成することにより、比抵抗に対する膜厚依存性が少なく、かつ、ガスバリア性が良好となるという事実を見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、比抵抗に対する膜厚依存性が少ない上に、ガスバリア性に優れた透明導電フィルム、およびそのような透明導電フィルムの効率的な形成方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、樹脂基材の片面または両面に、樹脂基材側から、ガスバリア層および透明導電層を順次に備えた透明導電フィルムであって、
透明導電層は、酸化亜鉛を主成分とするとともに、金属としての亜鉛および酸化ガリウムをさらに含む焼結体から成膜してあり、
かつ、透明導電層の膜厚を10〜80nmの範囲内の値とすることを特徴とする透明導電フィルムが提供され、上述した問題を解決することができる。
すなわち、樹脂基材側に、ガスバリア層および透明導電層を順次に備え、透明導電層が所定の焼結体から構成してあることから、比抵抗の膜厚依存性が少ない透明導電フィルムとすることができる。
また、このように金属としての亜鉛を用い、すなわち、少なくとも酸化亜鉛−亜鉛−酸化ガリウムの三元系焼結体を用いることにより、比抵抗の膜厚依存性が少なく、特に、80nm以下の薄い透明導電層を形成する場合にも、比抵抗が著しく増加しない透明導電フィルムを得ることができる。
そして、金属元素である亜鉛を系に加えることにより、成膜速度が向上し、成膜時間を短縮することができ、ひいては、生産性を向上させることができる。
また、本発明の透明導電フィルムを構成するにあたり、焼結体の全体量に対して、酸化亜鉛の配合量を70〜98重量%の範囲内の値とし、金属の配合量を1.6〜30重量%の範囲内の値とし、かつ、酸化ガリウムの配合量を0.4〜10重量%の範囲内の値とすることを特徴とすることが好ましい。
このように、配合率が制御された酸化亜鉛−金属−酸化ガリウムの三元系焼結体を用いることにより、透明性に優れ、比抵抗の膜厚依存性がさらに少なく、特に100nm以下の薄い透明導電層でも、比抵抗が著しく増加しない透明導電フィルムを得ることができる。
また、本発明の透明導電フィルムを構成するにあたり、透明導電層の膜厚を20〜50nmの範囲内の値とすることが好ましい。
また、本発明の透明導電フィルムを構成するにあたり、40℃、90%RHの高湿条件下における水蒸気透過率を0.1g/m2/day以下とすることが好ましい。
このように水蒸気透過率を制限することにより、樹脂基材を透過して、水蒸気等が浸入したとしても、その水蒸気等の更なる浸透を防ぎ、結果として、透明導電層が劣化することを防ぐことができる。
また、本発明の別の態様は、上述したいずれかの透明導電フィルムを、透明電極に用いてなる電子デバイスである。
このように比抵抗の膜厚依存性が少なく、特に、膜厚が80nm以下であっても、比抵抗が著しく増加しない透明導電層を電極として備えることにより、電子デバイスの電気特性を良好なものとすることができる。
また、本発明のさらに別の態様は、樹脂基材の片面または両面に、樹脂基材側からガスバリア層および透明導電層を順次に備えた透明導電フィルムの製造方法であって、下記工程(1)〜(2)を含むことを特徴とする透明導電フィルムの製造方法である。
(1)樹脂基材の片面または両面に、ガスバリア層を形成する工程
(2)ガスバリア層の上にスパッタリング法または蒸着法によって、酸化亜鉛を主成分とするとともに、金属としての亜鉛および酸化ガリウムをさらに含む焼結体からなる、膜厚が10〜80nmの範囲内の値である透明導電層を形成する工程
すなわち、このように製造することによって、比抵抗に対する膜厚依存性が少ない上に、ガスバリア性に優れた透明導電フィルムを効率的に製造することができる。
また、このように金属としての亜鉛を用い、すなわち、少なくとも酸化亜鉛−亜鉛−酸化ガリウムの三元系焼結体を用いることにより、比抵抗の膜厚依存性が少なく、特に、80nm以下の薄い透明導電層を形成する場合にも、比抵抗が著しく増加しない透明導電フィルムを効率的に得ることができる。
そして、金属元素である亜鉛を系に加えることにより、成膜速度が向上し、成膜時間を短縮することができ、ひいては、生産性を向上させることができる。
図1(a)〜(b)は、本発明の透明導電フィルムにおける態様を説明するために供する図である。 図2は、透明導電フィルムにおける透明導電層の第1領域、第2領域および第3領域の配合組成関係を説明するために供する図である。 図3は、透明導電フィルムにおける透明導電層の膜厚と、比抵抗と、の関係を説明するために供する図である。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、図1(a)に例示するように、樹脂基材12の片面または両面に、樹脂基材12側から、ガスバリア層14および透明導電層16を順次に備えた透明導電フィルム10であって、透明導電層16は、酸化亜鉛を主成分とするとともに、金属としての亜鉛および酸化ガリウムをさらに含む焼結体から成膜してあり、かつ、透明導電層16の膜厚を10〜80nmの範囲内の値とすることを特徴とする透明導電フィルム10である。
以下、第1の実施形態の透明導電フィルムにつき、適宜図面を参照して、具体的に説明する。
1.樹脂基材
(1)種類
図1(a)に例示する樹脂基材12に使用される樹脂としては、柔軟性および透明性に優れるものであれば特に限定されず、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、アクリル系樹脂、シクロオレフィン系ポリマ、芳香族系重合体等が挙げられる。
より具体的には、ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート等が挙げられる。
また、シクロオレフィン系ポリマとしては、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素化物が挙げられる。
(2)膜厚
また、図1(a)に例示する樹脂基材12の膜厚は、使用目的等に応じて決定すればよいが、柔軟性および取り扱いが容易であるという点から、1〜1,000μmの範囲内の値とすることが好ましく、5〜500μmの範囲内の値とすることがより好ましく、10〜200μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
2.ガスバリア層
(1)態様
図1(a)に例示されるガスバリア層14は、樹脂基材12と、透明導電層16と、の間に形成され、樹脂基材12を透過して、水蒸気等が浸入したとしても、その水蒸気等の更なる浸透を防ぎ、結果として、透明導電層16が劣化することを防ぐための層である。
したがって、所定のガスバリア性を発揮するのであれば、かかるガスバリア層の構成については、特に制限されるものではないが、例えば、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、スズ等の金属;酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ等の無機酸化物;窒化珪素等の無機窒化物;無機炭化物;無機硫化物;これらの複合体である酸窒化珪素等の無機酸化炭化物;無機窒化炭化物;無機酸化窒化炭化物;高分子化合物等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
そして、これらの中でも、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素のいずれから、ガスバリア層が構成されることが好ましい。
また、かかるガスバリア層は、各種高分子樹脂、硬化剤、老化防止剤、光安定剤、難燃剤等の他の配合成分を含んでいても良い。
また、図1(a)に例示されるガスバリア層14として、組成関係が厳密に制御された薄膜であることが好ましい。
より具体的には、図1(b)および図2に例示されるように、ガスバリア層14´は、少なくとも酸素原子、ケイ素原子、窒素原子を含有し、XPS測定(X線光電子分光測定)によって測定されるガスバリア層中の窒素量、ケイ素量、および酸素量に関して、ガスバリア層の基材と接する面を基材側、その反対の面を表面側としたときに、酸素量>ケイ素量>窒素量の関係となる第1領域14aと、ケイ素量>酸素量>窒素量の関係となる第2領域14bと、酸素量>ケイ素量>窒素量の関係となる第3領域14cと、を表面側から基材側に向かって含む構成であることが好ましい。
すなわち、かかるガスバリア層14´において、窒素量が酸素量よりも多い領域を有することなく、機械的強度や透明性等に優れた第1領域14aと、ガスバリア性等に優れた第2領域14bと、機械的強度や透明性等に優れた第3領域14cと、を順次含むことにより、優れたガスバリア性や透明性を得ることができるためである。
また、ガスバリア層の各領域における屈折率に関して、第1領域における屈折率が1.5未満の範囲内の値であり、第2領域における屈折率が1.5以上の値であり、第3領域
における屈折率が1.5未満の値であることが好ましい。
この理由は、各領域の屈折率をこのような値に制限することによって、後述する透明導電層とガスバリア層における反射率を制御し、より優れた透明性を安定的に得ることができるためである。
上述したガスバリア層14´は、ポリシラザン化合物含有層に、プラズマイオン注入処理を施すことによりポリシラザン化合物含有層に、プラズマイオン注入処理を施すことにより形成することができる。
このようなプラズマイオン注入処理としては、外部電界を用いて発生させたプラズマ中に存在するイオンを、ポリシラザン化合物含有層に対して注入する方法、または外部電電界を用いることなく、ガスバリア層形成用材料からなる層に印加する負の高電圧パルスによる電界のみで発生させたプラズマ中に存在するイオンを、ポリシラザン化合物含有層に注入する方法が挙げられる。
なお、注入されるイオンとしては、水素、窒素、酸素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン、及びクリプトン等が挙げられる。
(3)膜厚
また、図1(a)に例示されるガスバリア層14の膜厚を20nm〜50μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このような所定膜厚のガスバリア層とすることによって、さらに優れたガスバリア性や密着性が得られるとともに、柔軟性と、被膜強度とを両立させることができるためである。
したがって、ガスバリア層の膜厚を30nm〜1,000nmの範囲内の値とすることがより好ましく、40〜500nmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(4)水蒸気透過率(WVTR)
また、ガスバリア層の40℃、相対湿度90%の雰囲気化で測定される水蒸気透過率を0.1g/m2/day以下の値とすることが好ましく、0.05g/m2/day以下の値とすることがより好ましく、0.01g/m2/day以下の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、このような水蒸気透過率の値とすることによって、透明導電層が劣化することを防ぎ、耐湿熱性に優れたガスバリア性が得られるためである。
なお、ガスバリア層の水蒸気透過率としては、公知方法で測定することができ、例えば、実施例1に示すように、市販の水蒸気透過率測定装置を用いて測定することができる。
3.透明導電層
図1(a)〜(b)に例示される透明導電層16は、所定の焼結体に由来した所定金属酸化物を含んでなる、所定膜厚の導電性および透明性を有する膜である。
(1)焼結体の配合組成
図1(a)〜(b)に例示される透明導電層16は、酸化亜鉛を主成分とするとともに、金属および酸化ガリウムをさらに含む焼結体から成膜することを特徴とする。
すなわち、このような焼結体に由来した透明導電層であれば、比抵抗の膜厚依存性を小さくすることができるためである。
また、このような焼結体に由来した透明導電膜は、従来の二元系焼結体を用いてなる透明導電膜において、特に、膜厚が100nm以下であっても、キャリア濃度が著しく低下することなく、キャリア濃度の膜厚依存性が小さい透明導電膜を得ることができる。
また、透明導電層を形成する焼結体に含まれる金属としては、例えば、マグネシム、アルミニウム、チタン、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブテン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、スズ、アンチモン、ランタノイド、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、イリジウム、白金、金、ビズマス、アクチノイド等も少なくとも一種または二種以上の組み合わせが挙げられる。
これらの金属種の中でも、アルミニウム、チタン、亜鉛、ジルコニウム、インジウム、スズ、タングステン等がより好ましく、亜鉛およびインジウムがさらに好ましく、亜鉛であることが最も好ましい。
この理由は、所定金属を含む酸化亜鉛系の三元系焼結体、すなわち、酸化亜鉛−金属−酸化ガリウムの三元系焼結体を用いることにより、透明性に優れ、比抵抗の膜厚依存性が少なく、特に、膜厚が100nm以下であっても、比抵抗が著しく増加しない透明導電層を得ることができるためである。
(2)配合量
また、透明導電層を形成する焼結体において、当該焼結体の全体量に対して、酸化亜鉛の配合量を50〜99.8重量%の範囲内の値とし、所定金属の配合量を0.1〜49重量%の範囲内の値とし、かつ、酸化ガリウムの配合量を0.1〜11重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、配合量が制御された酸化亜鉛−金属−酸化ガリウムの三元系焼結体を用いることにより、比抵抗の膜厚依存性が小さく、透明導電層を効率的に成膜することができ、ひいては、生産効率を向上させることができるためである。
より具体的には、焼結体の全体量に対して、所定金属の配合量が1重量%未満の場合は、比抵抗の膜厚依存性が大きく、生産効率の向上が見込めない場合があるためである。
一方、焼結体の全体量に対して、金属の配合量が49重量%を超える場合は、金属が主となる焼結体となり、例えば、スパッタリング法を実施して、酸素等の反応ガスを系内へ導入する際に、ガスの流量等を厳密に制御しなければ、連続生産時に安定した性能が得られないおそれがあるためである。
したがって、焼結体の全体量に対して、酸化亜鉛の配合量を60〜99重量%の範囲内の値とし、所定金属の配合量を0.8〜40重量%の範囲内の値とし、かつ、酸化ガリウムの配合量を0.2〜10重量%の範囲内の値とすることがより好ましい。
さらに言えば、焼結体の全体量に対して、酸化亜鉛の配合量を70〜98重量%の範囲内の値とし、所定金属の配合量を1.6〜30重量%の範囲内の値とし、かつ、酸化ガリウムの配合量を0.4〜10重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)膜厚
また、図1(a)〜(b)に例示される透明導電層16の膜厚(d)を10〜200nmの範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、このような膜厚の透明導電層であれば、比抵抗の膜厚依存性が小さく、比抵抗の値自体が低い透明導電層を得ることができるためである。
したがって、かかる透明導電層の膜厚を15〜100nmの範囲内の値とすることがより好ましく、20〜50nmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、透明導電層の膜厚(d)は、実施例1において具体的に説明するように、分光エリプソメーターを用いて、測定することができる。
(4)表面抵抗値
また、図1(a)〜(b)に例示される透明導電層16の表面抵抗値(R)を1000Ω/□以下の値とすることが好ましく、900Ω/□以下の値とすることがより好ましく、800Ω/□以下の値とすることがさらに好ましい。
なお、透明導電層の表面抵抗値(R)は、実施例1において具体的に説明するように、表面抵抗測定装置を用いて、測定することができる。
(5)比抵抗
また、図1(a)〜(b)に例示される透明導電層16の比抵抗(ρ)を1×10-2Ω・cm以下の値とすることが好ましく、1×10-3Ω・cm以下の値とすることがより好ましく、2×10-4Ω・cm以下の値とすることがさらに好ましい。
なお、透明導電層の比抵抗(ρ)は、実施例1において具体的に説明するように、透明導電フィルムの膜厚(d)および測定した表面抵抗値(R)より、算出することができる。
ここで、図3を参照して、透明導電フィルムにおける透明導電層の膜厚と、比抵抗と、の関係を説明する。
すなわち、図3の横軸に、実施例、比較例の透明導電層の膜厚(nm)が採って示してあり、縦軸に、実施例、比較例の透明導電層の比抵抗(Ω・cm)が採って示してある。
そして、特性曲線Aが、本発明の酸化亜鉛−亜鉛−酸化ガリウムの三元系焼結体を用いてなる透明導電層に対応しており、特性曲線Bが、従来の酸化亜鉛−酸化ガリウムの二元系焼結体を用いてなる透明導電層に対応している。
これらの特性曲線AおよびBの比較から、本発明の酸化亜鉛−亜鉛−酸化ガリウムの三元系焼結体を用いてなる透明導電層のほうが、従来の酸化亜鉛−酸化ガリウムの二元系焼結体を用いてなる透明導電層よりも、比抵抗の膜厚依存性が、かなり低くなっている。
より具体的には、特性曲線Aの場合、膜厚が20nm程度のときに、比抵抗は1.35×10-3Ω・cm程度であり、膜厚が50nm程度のときに、比抵抗は1.22×10-3Ω・cm程度であり、膜厚が100nm程度のときに、比抵抗は1.16×10-3Ω・cm程度であって、平坦な膜厚依存性が小さい特性曲線となっている。
一方、特性曲線Bの場合、膜厚が20nm程度のときに、比抵抗は1.84×10-3Ω・cm程度であり、膜厚が50nm程度のときに、比抵抗は1.37×10-3Ω・cm程度であり、膜厚が100nm程度のときに、比抵抗は1.18×10-3Ω・cm程度であって、膜厚が薄いほど、比抵抗の値が急激に大きくなる傾向がみられている。
よって、本発明の三元系焼結体を用いてなる透明導電層の場合、従来の二元系焼結体を用いてなる透明導電層よりも、比抵抗の膜厚依存性が、かなり低く、透明導電層の膜厚が、特に100nm以下の場合でも、比抵抗が著しく増加することがなく、比抵抗が低い透明導電層が得られることが理解される。
(6)移動度
また、図1(a)〜(b)に例示される透明導電層16の移動度(電子移動度)を5〜100cm2/V/sec(電界強度:1×105V/cm)の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる透明導電層の移動度を所定範囲内の値に制御することにより、比抵抗の値が低く、透明性に優れた透明導電層を得ることができるためである。
したがって、透明導電層の移動度を10〜40cm2/V/secの範囲内の値とすることがより好ましく、10〜30cm2/V/secの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、透明導電層の移動度は、実施例1において具体的に説明するように、VAN DER PAUR法に基づくホール効果測定方法により測定することができる。
(7)キャリア濃度
また、図1(a)〜(b)に例示される透明導電層16のキャリア濃度を1×1020〜2×1021(1/cm3)の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるキャリア濃度の範囲内の値に制御することにより、比抵抗の値が低い透明導電層を得ることができるためである。
なお、透明導電層のキャリア濃度は、実施例1において具体的に説明するように、移動度と同様に、VAN DER PAUR法に基づくホール効果測定方法により測定することができる。
(8)透明導電層の形成方法
透明導電層を形成する方法として、例えば、スパッタリング法や蒸着法に代表される物理的作製法と、化学気相成長法に代表される化学的作製法が挙げられる。
これらの中でも、簡便に透明導電体層が形成できることから、スパッタリング法または蒸着法が好ましい。すなわち、スパッタリング法または蒸着法により形成することにより、形成される透明導電層の組成は、焼結体と同じ組成になりやすく、効率よく透明導電層を形成することができる。
より具体的なスパッタリング法として、DCスパッタリング法、DCマグネトロンスパッタリング法、RFスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法、DC+RF重畳スパッタリング法、DC+RF重畳マグネトロンスパッタリング法、対向ターゲットスパッタリング法、ECRスパッタリング法、デュアルマグネトロンスパッタリング法等が挙げられる。
また、より具体的な蒸着法として、抵抗加熱法、電子線加熱法、レーザー加熱法、アーク蒸着法、および誘導加熱法等が挙げられる。
4.透明導電フィルム
(1)表面抵抗値
図1(a)〜(b)に例示される透明導電フィルム10、10´の表面抵抗値(R)は、事実上、透明導電層16の抵抗表面値と同一であることから、再度の説明は省略する。
(2)水蒸気透過率(WVTR)
また、図1(a)〜(b)に例示される透明導電フィルム10、10´の水蒸気透過率は、事実上、ガスバリア層14、14´の水蒸気透過率で決まるが、当該透明導電フィルム10、10´の40℃、相対湿度90%の雰囲気化で測定される水蒸気透過率を0.1g/m2/day以下の値とすることが好ましく、0.05g/m2/day以下の値とすることがより好ましく、0.01g/m2/day以下の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、このような水蒸気透過率を有する透明導電フィルムを、例えば、電子デバイスの電極に用いた場合において、電子デバイスに用いられる素子の水蒸気による性能劣化を有効に防止できるためである。
(3)その他の層
本発明の透明導電フィルムは、図示しないものの、当該透明導電フィルムの両面、あるいは片面、さらには、内部において、ハードコート層、接着剤層、光学調整層、衝撃吸収層、プライマー層等の他の層を含むことも好ましい。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、樹脂基材の片面または両面に、樹脂基材側からガスバリア層および透明導電層を順次に備えた透明導電フィルムの製造方法であって、下記工程(1)〜(2)を含むことを特徴とする透明導電フィルムの製造方法である。
(1)樹脂基材の片面または両面に、ガスバリア層を形成する工程
(2)ガスバリア層の上にスパッタリング法または蒸着法によって、酸化亜鉛を主成分とするとともに、金属としての亜鉛および酸化ガリウムをさらに含む焼結体からなる、膜厚が10〜80nmの範囲内の値である透明導電層を形成する工程
すなわち、このような方法で、透明導電層を形成することで、形成される透明導電層16の組成は、焼結体と同じ組成になりやすく、効率よく透明導電層16を形成することができる。
また、スパッタリングまたは蒸着の条件としては、特に限定されないが、排圧としては、1×10-2Pa以下の値が好ましく、1×10-3Pa以下の値がより好ましい。
また、アルゴンガスを系内に導入する形成方法を選択した場合、系内圧力を0.1〜5Pa、より好ましくは0.2〜1Paの範囲内の値とすることが好ましい。
さらに、スパッタリング法または蒸着法で、系内に導入するガス種は、アルゴン(Ar)と酸素(O2)の混合ガスを用いることが好ましく、その場合、かかる混合比(O2/(Ar+O2))を0.01〜20の範囲内の値とすることが好ましく、0.1〜10の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、アルゴンと酸素の混合比が上記範囲であれば、比抵抗が低い透明導電層を成膜することが有効にできるとともに、短時間で透明導電層を成膜することができ、ひいては、生産効率を向上させることができるためである。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。但し、本発明は、特段の理由なく以下の実施例の記載に制限されるものではない。
[実施例1]
1.透明導電フィルムの製造
(1)工程1:ガスバリア層形成用材料層の形成工程
樹脂基材として、コスモシャインPETA4300(東洋紡社製、ポリエチレンテレフタレートフィルム、膜厚100μm)を準備した。
次いで、樹脂基材上に、光硬化性樹脂からなるプライマー層形成溶液を塗布した後、120℃、1分間の条件で加熱処理して、乾燥させた。
次いで、UV光照射ラインを用いて、高圧水銀灯を用い、ラインスピ−ド:20m/min、積算光量:100mJ、ピーク強度:1.466W、パス回数:2回の条件でUV照射を行い、プライマー層を形成した。
次いで、形成したプライマー層上に、ポリシラザン化合物としてのアクアミカNL110−20(クラリアントジャパン社製)を塗布した後、120℃で、1分間の条件で加熱処理して、乾燥させ、ポリシラザン化合物含有層(膜厚:150nm)を得た。その後、23℃、50%RH環境下でシーズニングを行った。
次いで、下記プラズマ注入装置を用いて、下記プラズマイオン注入条件で、ポリシラザン化合物含有層に対して、アルゴンのプラズマイオンを注入し、プラズマイオン注入膜としてのガスバリア層とした。
(プラズマイオン装置)
RF電源:日本電子(株)製、型番「RF」56000
高電圧パルス電源:栗田製作所(株)製、型番「PV−3−HSHV−0835」
(プラズマイオン注入条件)
プラズマ生成ガス:アルゴン(Ar)
ガス流量:100sccm
Duty比:0.5%
繰り返し周波数:1000Hz
印加電圧:−6kV
RF電源:周波数13.56MHz、印加電力1000W
チャンバー内圧:0.2Pa
パルス幅:5μsec
処理時間(イオン注入時間):5分間
搬送速度:0.2m/min
次いで、XPS測定分析装置(アルバックファイ社製、Quantum2000)を用いて、ガスバリア層の元素分析を行い、得られた元素量チャートを図2に示す。
なお、図2の元素量チャートから、このガスバリア層は、ガスバリア層中の窒素量、ケイ素量、および酸素量に関して、ガスバリア層の樹脂基材と接する面を基材側、その反対の面を表面側としたときに、酸素量>ケイ素量>窒素量の関係となる第1領域と、ケイ素量>酸素量>窒素量の関係となる第2領域と、酸素量>ケイ素量>窒素量の関係となる第3領域と、を表面側から基材側に向かって含む構成であることが確認された。
(2)工程2:透明導電層の形成工程
次いで、得られたガスバリア層を備えたPETフィルムに対し、DCマグネトロンスパッタリング法により、三元系焼結体(Zn−ZnO−Ga、酸化亜鉛の配合量82.2重量%、金属(亜鉛)の配合量11.7重量%、酸化ガリウムの配合量5.8重量%、表1中、TYP1と表記する。)を用いて、下記スパッタリング条件にて、透明導電層(膜厚:20nm)を形成した。
すなわち、樹脂基材上に、ガスバリア層(膜厚:150nm)と、透明導電層(膜厚:20nm)と、を順次に有する透明導電フィルムとした。
基板温度:20℃
DC出力:500W
キャリアガス:アルゴン(Ar)および酸素(O2)(全流量に対して4%)
成膜圧力:0.3Pa
成膜時間:5.6sec.
2.透明導電フィルムの評価
得られた透明導電フィルムにつき、以下の測定を行い、評価した。
(1)透明導電層の膜厚(d)
得られた透明導電フィルムの透明導電層における膜厚(d)を、分光エリプソメーターM−2000U(J.A.ウーラム・ジャパン社製)を用いて測定した。
(2)比抵抗(ρ)および湿熱試験後の比抵抗(ρ1)
得られた透明導電フィルムの透明導電層における表面抵抗値(R)を、表面抵抗測定装置として、LORESTA−GP MCP−T600(三菱化学(株)製)およびプローブとして、PROBE TYPE ASP(三菱化学アナリテック(株)製)を用いて、温度23℃、50%RHの環境条件下、測定した。
次いで、得られた透明導電性フィルムを、60℃、90%RH環境下に、300時間置き、取り出し後、23℃50%RH環境下で1日調温・調湿を行い、湿熱試験後の表面抵抗値(R1)を測定した。
そして、透明導電層における比抵抗(ρ)および湿熱試験後の比抵抗(ρ1)、さらには、透明導電フィルムの膜厚(d)を測定し、それらから下式(1)および(2)より、表面抵抗値(R)および湿熱試験後の表面抵抗値(R1)を算出した。
なお、図3に、実施例1等における透明導電層の膜厚と、比抵抗の関係を示す。
R =ρ/d (1)
R1=ρ1/d (2)
(4)ガスバリア性
得られた透明導電フィルムにつき、水蒸気透過率測定装置(MOCON(株)製、AQUATRAN)を用いて、40℃、相対湿度90%の条件下における水蒸気透過率を測定し、以下の基準に準じて、ガスバリア性を評価した。
◎:0.05g/m2/day以下の値である。
○:0.1g/m2/day以下の値である。
△:0.3g/m2/day以下の値である。
×:0.3g/m2/dayを超えた値である。
[実施例2〜5および参考例6]
実施例2〜5および参考例6では、工程(2)において形成する透明導電層の膜厚を、それぞれ30nm、40nm、50nmm、80nm、100nmに変えたほかは、実施例1と同様に、透明導電フィルムを作成し、評価した。
[比較例1]
比較例1では、焼結体として、二元系のZnO−Ga(酸化亜鉛の配合量94.3重量%、Gaの含有量5.7重量%、表1中、TYP2と表記する。)を用い、キャリアガスとして、アルゴンのみを用い、膜厚20nmの透明導電層を形成した以外は、実施例1と同様に透明導電フィルムを作成し、評価した。成膜時間は6.9秒であった。
[比較例2〜3]
比較例2〜3では、透明導電層の膜厚を50nmおよび100nmとした以外は、比較例1と同様に、それぞれ透明導電フィルムを作成し、評価した。
[比較例4]
比較例4では、DC出力を700Wに変えたこと以外は、比較例1と同様に、透明導電フィルムを作成し、評価した。成膜時間は5.6秒であった。
Figure 0006110188
表1および図3より、実施例で得られた透明導電フィルムは、比較例の透明導電フィルムに比べて、比抵抗(ρ)の膜厚依存性が少なく、特に100nm以下の薄い導電薄膜を形成する場合であっても、比抵抗(ρ)が著しく増加せず、低い値を維持していることが判明した。
また、湿熱試験後の比抵抗(ρ1)の増加も抑えられており、酸素等のガスや水分等によって、導電膜の性能が劣化し難いことが判明した。
さらに、実施例で得られた透明導電フィルムは、比較例の透明導電フィルムに比べて、短時間で透明導電層を成膜することができ、ひいては、生産効率を向上させることが判明した。
すなわち、三元系焼結体を用いてなる実施例の透明電極は、高い生産性を維持しつつ、所望の透明導電フィルムが得られることが分かった。
それに対して、二元系焼結体を用いた比較例4において、ターゲットへの投入出力を高めることで、成膜時間の短縮は図られるものの、ターゲットにクラックが発生したり、アーキング等の問題が発生することにより、得られた透明導電層の比抵抗が上昇した。
以上、詳述したように、本発明の透明導電フィルムによれば、樹脂基材、ガスバリア層、および透明導電層を順次に備えており、透明導電層は、所定の焼結体から構成してあることによって、比抵抗の膜厚依存性が少なく、ガスバリア性に優れた透明導電フィルムが得られるようになった。
また、本発明の透明導電フィルムの製造方法によれば、樹脂基材、ガスバリア層、および透明導電層を順次に形成するとともに、透明導電層を形成する際に、所定の焼結体から構成することによって、比抵抗の膜厚依存性が少なく、ガスバリア性に優れた透明導電フィルムが効率的に得られるようになった。
よって、本発明の透明導電フィルムは、所定のガスバリア性や柔軟性等が所望される電気製品、電子部品、画像表示装置(有機エレクトロルミネッセンス素子、液晶表示装置等)の透明電極、太陽電池(太陽電池用バックシート)、透明導電材料、PETボトル、包装容器、ガラス容器等の各種用途において有効に使用されることが期待される。
10、10´:透明導電フィルム
12:樹脂基材
13:基材フィルム
14、14´:ガスバリア層
14a〜14c:ガスバリア層における第1〜第3領域
16:透明導電層

Claims (6)

  1. 樹脂基材の片面または両面に、樹脂基材側から、ガスバリア層および透明導電層を順次に備えた透明導電フィルムであって、
    前記透明導電層は、酸化亜鉛を主成分とするとともに、金属としての亜鉛および酸化ガリウムをさらに含む焼結体から成膜してあり、
    かつ、前記透明導電層の膜厚を10〜80nmの範囲内の値とすることを特徴とする透明導電フィルム。
  2. 前記焼結体の全体量に対して、前記酸化亜鉛の配合量を70〜98重量%の範囲内の値とし、前記金属の配合量を1.6〜30重量%の範囲内の値とし、かつ、前記酸化ガリウムの配合量を0.4〜10重量%の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1に記載の透明導電フィルム。
  3. 前記透明導電層の膜厚を20〜50nmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明導電フィルム。
  4. 40℃、90%RHの高湿条件下における水蒸気透過率を0.1g/m2/day以下の値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の透明導電フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の透明導電フィルムを、透明電極に用いてなる電子デバイス。
  6. 樹脂基材の片面または両面に、樹脂基材側からガスバリア層および透明導電層を順次に備えた透明導電フィルムの製造方法であって、下記工程(1)〜(2)を含むことを特徴とする透明導電フィルムの製造方法。
    (1)前記樹脂基材の片面または両面に、前記ガスバリア層を形成する工程
    (2)前記ガスバリア層の上にスパッタリング法または蒸着法によって、酸化亜鉛を主成分とするとともに、金属としての亜鉛および酸化ガリウムをさらに含む焼結体からなる、膜厚が10〜80nmの範囲内の値である透明導電層を形成する工程
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