JP2003249126A - 低抵抗透明導電膜及びその製造法 - Google Patents
低抵抗透明導電膜及びその製造法Info
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Abstract
小さい所定の膜厚を有する薄膜状の透明導電膜及びその
製造法の提供。 【解決手段】 導電性金属微粒子膜及び導電性金属膜
を、この順序で複数層積層し、この積層膜を一括して、
又は各膜の形成毎に、大気中で、180〜250℃で燒
結して透明導電膜を形成する。
Description
及びその製造法に関する。低抵抗透明電導膜は、LC
D、有機EL等のフラットパネルディスプレイ用透明導
電膜として利用できる。
トパネルディスプレイ用透明導電膜は、蒸着法、イオン
プレーティング法、スパッタリング法等によって、ガラ
ス基板上に金属酸化物を付着せしめることにより製造さ
れている。しかしながら、これらの方法では、装置が大
がかりになり装置コストが高くなると共に、製造コスト
が高くなる等のため、簡単な装置で安価に製造する方法
が求められていた。
用透明導電膜を簡単な装置で安価に製造することを目的
として、従来のスパッタ成膜法等に代えて、近年、IT
O膜等の透明導電膜をスピン塗布、スプレー塗布、イン
クジェット塗布で形成することが提案されている。この
場合、透明導電膜形成材料としては、例えば、CRT表
面のコーティング用途にITO等の微粒子を有機溶媒に
分散した分散液が使用される。この分散液を上記塗布方
法で基板に塗布した後加熱して、有機溶媒の除去とIT
O微粒子の焼結とを行い、基板上に薄膜状のITO膜を
形成する。
る従来の材料は、低温加熱では焼結後の電気抵抗(シー
ト抵抗)が数kΩ/□と大きく、また、電気抵抗が小さ
いものを得ようとすると焼結の際に高温加熱(例えば、
300℃程度以上)が必要なため、LCD、有機EL等
のフラットパネルディスプレイの分野における透明導電
膜の形成には使用できないという問題がある。そのた
め、低温で焼結でき、低抵抗値を有する透明導電膜及び
その製造法が求められている。
スあるいはそれ以上の大面積になるにつれて、配線抵抗
が大きくなるため、ITO等の膜厚を増大させてこの問
題を解決しようとしている。しかし、膜厚が増大すると
電気抵抗も増大するため、透明導電膜を大電流用電極と
して使用することが困難になる。また、液晶ディスプレ
イ用透明電極においては膜厚が300nm程度を超える
と、その段差の影響によって液晶の配向状態に異常が発
生しやすく、ディスプレイ上の表示欠陥の原因となると
いう問題がある。そのため、できるだけ薄膜で電気抵抗
の小さい透明導電膜が求められている。本発明の課題
は、上記従来技術の問題点を解決することにあり、焼結
温度が低く、かつ、焼結後の電気抵抗(シート抵抗)が小
さい所定の膜厚を有する薄膜状の透明導電膜の製造法及
び得られた低抵抗透明導電膜を提供することにある。
明導電膜を得るために、その材料及び製造プロセスにつ
いて鋭意研究・開発を行ってきた。その結果、低温加熱
で電気抵抗を大幅に下げることができる低抵抗透明導電
膜の製造法を見出し、本発明を完成させるに至った。本
発明の低抵抗透明導電膜は、被処理基板上に透明導電性
金属膜からなる層及び透明導電膜形成用金属酸化物膜か
らなる層を、この順序で、交互に複数層積層し、各層毎
に又は積層膜を一括して燒結してなる構造を有してい
る。
る際に通常使用される材料であれば適宜選択して用いる
ことができるが、例えば、ITO、ATO、IZO、Z
nO、SnO2、CaWO4等から選ばれたものが好ま
しい。導電性金属としては、通常用いられる導電性金属
であれば適宜選択して用いることができる。以下述べる
ような製造工程において焼結温度を低くするためには、
例えば、Ag、Sn、Zn、In、Cu、Pbから選ば
れたものが好ましい。
20nmであることが好ましい。1nm未満だと電気抵
抗が下がらず、20nmを超えると透過率が低下すると
いう問題があるからである。本発明の低抵抗透明導電膜
の製造法は、導電性金属微粒子の分散液を被処理基板上
に塗布して導電性金属膜からなる層を形成する第一工程
と、この層の上に透明導電膜形成用金属酸化物微粒子の
分散液を塗布して金属酸化物膜からなる層を形成する第
二工程とを、この順序で複数回繰り返して積層膜を形成
し、この積層膜を大気中で、180〜250℃で燒結す
ることからなる。
た、導電性金属微粒子の分散液を被処理基板上に塗布し
て導電性金属膜からなる層を形成し、この層を大気中で
180〜250℃で燒結する第一工程と、この層の上に
透明導電膜形成用金属酸化物微粒子の分散液を塗布して
金属酸化物膜からなる層を形成し、この層を大気中で1
80〜250℃で燒結する第二工程とを、この順序で複
数回繰り返して積層膜を形成することからなる。
な焼結は起こらず、また、250℃を超えるとディスプ
レイ製造工程上問題が生じる。上記製造法で用いる金属
酸化物及び導電性金属、並びに導電性金属膜の厚さは、
上記の通りである。本発明の低抵抗透明導電膜は、ガラ
ス基板や有機樹脂材料からなる基板との密着性も併せ持
つという特徴を有する。
記したように、導電性金属からなる層及び透明導電膜形
成用金属酸化物からなる層がこの順序で繰り返して積層
されてなるものである。この導電性金属からなる層は、
単層でも複数層でもよい。複数層の場合、各層を構成す
る金属は同じ種類でも異なった種類でもよい。
散液を被処理基板上に、例えば、スピン塗布、スプレー
塗布、インクジェット塗布、浸漬塗布、ロールコート
法、スクリーン印刷法等の公知の方法を用いて塗布し、
次いで、この層の上に透明導電膜形成用金属酸化物の分
散液を塗布し、この工程をこの順序で複数回繰り返して
積層膜を形成した後、この積層膜を一括して、通常の透
明導電膜形成用材料の微粒子を単体で焼結するのに必要
な温度(一般に、500〜700℃)よりはるかに低温
(180〜250℃)で、大気中で焼結して成膜すること
により得られる。この製造法の各工程において分散液を
塗布した後、所定の温度で乾燥すれば、分散液の粘度に
もよるが、次の工程において分散液を塗布し易い。
の分散液を被処理基板上に塗布して導電性金属膜からな
る層を形成し、この層を、通常の透明導電膜形成用材料
の微粒子を単体で焼結するのに必要な温度(一般に、4
00〜600℃)よりはるかに低温(180〜250℃)
で、大気中で燒結する第一工程と、この層の上に透明導
電膜形成用金属酸化物微粒子の分散液を塗布して金属酸
化物膜からなる層を形成し、この層を大気中で180〜
250℃で燒結する第二工程とを、この順序で複数回繰
り返して積層膜を形成しても得られる。
膜の電気抵抗が充分に低下しない燒結温度(250℃以
下)でも、電気抵抗の小さな膜を製造することが可能で
ある。また、被処理基板に接する最下層の膜として、導
電性金属膜を形成するので、膜と基板との密着性にも優
れている。本発明における透明導電膜形成用金属酸化物
としては、通常、透明導電膜形成用材料として用いられ
る酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化カドミウ
ム、酸化ガリウム、In2O3(ZnO)m、及びInG
aO3(ZnO)m等や、これら酸化物にドーパントを添
加したもの、例えば、錫添加酸化インジウム(ITO)、
アンチモン添加酸化錫(ATO)、 亜鉛添加酸化インジ
ウム(IZO)及びアルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)等
を用いることができる。LCD、有機EL等のディスプ
レイ用透明導電膜形成用材料としては、特に、ITO、
ATO、IZO、酸化亜鉛、SnO2、CaWO4が好
ましい。
の少なくとも1種を用いることが好ましいが、その他
に、Li、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、C
a、Sc、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Ga、
Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Cu、Pb、Mo、C
d、In、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、
Ti、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、E
u、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びL
u等から選ばれた少なくとも1種を用いることもでき
る。
性金属微粒子の分散液は、該微粒子を有機溶媒に分散さ
せたものである。用いる有機溶媒としては、使用する微
粒子によって適宜選択すればよく、例えば、次のような
ものがある。すなわち、メタノール、エタノール、プロ
パノール、イソプロピルアルコール、及びブタノール等
のアルコール類、エチレングリコール等のグリコール
類、アセトン、メチルエチルケトン及びジエチルケトン
等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル及び酢酸ベンジ
ル等のエステル類、メトキシエタノール及びエトキシエ
タノール等のエーテルアルコール類、ジオキサン及びテ
トラヒドロフラン等のエーテル類、N,N−ジメチルホ
ルムアミド等の酸アミド類、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素類等を挙げることができる。さらに、本発
明では、この有機溶媒中には水も含まれるものとする。
に応じて、分散液とした場合に塗布しやすく、かつ所望
の膜厚を得ることができるように適宜選択すればよい。
例えば、 溶媒に対して微粒子1〜10wt%である。
分散液を塗布する被処理基板としての支持体には、通常
用いられるガラス基板や有機樹脂材料からなる基板を挙
げることができ、その形状としては平板、立体物、フィ
ルム等であってもよい。有機樹脂材料としては、例え
ば、セルロースアセテート類、ポリスチレン、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリスチレン類、ポリエーテル
類、ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ
カーボネート、ポリフッ化ビニリデン、テフロン(登録
商標)等を用いることができる。これらを単独又は貼り
合わせて支持体として用いてもよい。この被処理基板
は、分散液を塗布する前に、純水や超音波等を用いて洗
浄することが好ましい。
する。Snが5重量%含まれているIn2O3微粒子
(ITO:粒径1μm以下)を濃度が5%となるように酢
酸n−ブチルに分散して分散液(以下A液と呼ぶ)を調
製し、また、Ag微粒子を濃度が1%となるように酢酸
n−ブチルに分散して分散液(以下B液と呼ぶ)を調製
した。最初にB液をスピンコート法によりガラス基板に
塗布・乾燥した後、A液、B液、A液の順で同様に塗布
・乾燥を繰り返し、積層膜を形成した。この積層膜を大
気中で250℃に加熱することにより、基板側からAg
膜5nm、ITO膜60nm、Ag膜5nm、ITO膜
60nの4層構造をもつ透明導電膜を形成した。
図1に示す。図1に示すように、基板1上に、Ag膜
2、ITO膜3、Ag膜4、及びITO膜5からなる透
明導電膜が形成されている。上記製造法において加熱時
間を5、10分で行い、各加熱時間において得られた透
明電導膜に対し、シート抵抗(Ω/□)を測定した。その
結果を表1に示す。
方法によれば、シート抵抗の低い積層透明導電膜が得ら
れている。このシート抵抗は、対照としてITO微粒子
単体を500℃で焼結して得られた透明導電膜のシート
抵抗(15〜30KΩ/□)、及び基板上にITO膜、A
g膜、ITO膜、Ag膜及びITO膜をこの順序で積層
して得た積層透明導電膜(燒結温度500℃)のシート抵
抗(1.2KΩ/□)の場合と比べて、極めて低い値であ
った。その他の上記金属酸化物や導電性金属を用いた場
合も、上記方法に従えば、低温燒結で同様に低いシート
抵抗を有する積層透明導電膜が得られる。
属膜及び透明導電膜形成用金属酸化物膜をこの順序で複
数積層してなるため、電気抵抗が小さく、かつ、被処理
基板との密着性も高いという効果がある。また、本発明
の低抵抗透明導電膜の製造法によれば、上記した構造を
有する積層膜とするため、低い焼結温度で、焼結後の電
気抵抗が小さい薄膜状透明導電膜を簡単な装置で安価に
製造することができる。
式的に示す断面図。
Claims (8)
- 【請求項1】 被処理基板上に透明導電性金属膜からな
る層及び透明導電膜形成用金属酸化物の膜からなる層
を、この順序で、交互に複数層積層し、各層毎に又は積
層膜を一括して燒結してなる構造を有することを特徴と
する低抵抗透明導電膜。 - 【請求項2】 前記金属酸化物が、ITO、ATO、I
ZO、ZnO、SnO2、CaWO4から選ばれたもの
であることを特徴とする請求項1記載の低抵抗透明導電
膜。 - 【請求項3】 前記導電性金属が、Ag、Sn、Zn、
In、Cu、Pbから選ばれたものであることを特徴と
する請求項1又は2記載の低抵抗透明導電膜。 - 【請求項4】 前記導電性金属膜の厚さが1〜20nm
であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
の低抵抗透明導電膜。 - 【請求項5】 導電性金属微粒子の分散液を被処理基板
上に塗布して導電性金属膜からなる層を形成する第一工
程と、この層の上に透明導電膜形成用金属酸化物微粒子
の分散液を塗布して金属酸化物膜からなる層を形成する
第二工程とを、この順序で複数回繰り返して積層膜を形
成し、この積層膜を大気中で、180〜250℃で燒結
することを特徴とする低抵抗透明電導膜の製造法。 - 【請求項6】 導電性金属微粒子の分散液を被処理基板
上に塗布して導電性金属膜からなる層を形成し、この層
を大気中で180〜250℃で燒結する第一工程と、こ
の層の上に透明導電膜形成用金属酸化物微粒子の分散液
を塗布して金属酸化物膜からなる層を形成し、この層を
大気中で180〜250℃で燒結する第二工程とを、こ
の順序で複数回繰り返して積層膜を形成することを特徴
とする低抵抗透明電導膜の製造法。 - 【請求項7】 前記金属酸化物が、ITO、ATO、I
ZO、ZnO、SnO2、CaWO4から選ばれたもの
であることを特徴とする請求項5又は6記載の低抵抗透
明導電膜の製造法。 - 【請求項8】 前記導電性金属が、Ag、Sn、Zn、
In、Cu、Pbから選ばれたものであることを特徴と
する請求項5〜7のいずれかに記載の低抵抗透明導電膜
の製造法。
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---|---|---|---|
JP2002050301A JP2003249126A (ja) | 2002-02-26 | 2002-02-26 | 低抵抗透明導電膜及びその製造法 |
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---|---|
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ID=28662584
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JP (1) | JP2003249126A (ja) |
Cited By (6)
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-
2002
- 2002-02-26 JP JP2002050301A patent/JP2003249126A/ja active Pending
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