JP6109419B2 - 電子整流式サーボモータを動作させる方法及び装置、並びに、サーボモータを有する位置決めシステム - Google Patents

電子整流式サーボモータを動作させる方法及び装置、並びに、サーボモータを有する位置決めシステム Download PDF

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Description

本発明は、特に例えばスロットルバルブの位置決め装置のような位置決め装置に使用するための、電子整流式電動機に関する。本発明はさらに、このようにして駆動される電動機における電流制限手段に関する。
位置決め装置に使用する場合には、ブラシ整流式直流モータの代わりに電子整流式直流モータ、いわゆるブラシレス直流モータを使用することもできる。電子整流式直流モータは、基本的に他の性能データが同等の場合には、より良好な効率とより小さい構造高さとを有する。しかしながらブラシ整流式直流モータとは異なり、電子整流式直流モータは電子的に駆動又は整流する必要があり、この際には、駆動電圧を選択するためにロータ位置を比較的精確に把握しなければならず、また、トルクベース制御のためにモータ電流を比較的精確に把握しなければならない。ロータ位置の検出時及び/又は電流の測定時における不正確さは、効率の著しい低下と供給される駆動トルクの著しい低下とを引き起こす。
スロットルバルブの位置決め装置の場合には、サーボモータを電子整流式駆動モータによって置き換え、モータ軸に基づいて直接的にロータ位置を検出する代わりに、減速機を介してモータ軸に接続されたスロットルバルブに既存のスロットルバルブ角度センサに基づいて間接的にロータ位置を検出する。この装置は、典型的には機械的なロータ位置の10°を超える不安定さを伴った、不正確なロータ位置検出しかできない。
さらにはコスト上の理由から、モータ電流を検出するための電流センサ機器の設置も省略すべきである。検出されたロータ位置に依存して印加される整流パターンを用いた駆動は、角度の不安定さとパラメータの変動とがこのように大きい場合には電流制限の不具合を引き起こし、これによってパワーエレクトロニクスによるエンジンの緊急停止が引き起こされる恐れがある。
従って、本発明の課題は、ロータ位置の検出時に不正確さが生じている場合であっても、及び/又は、別のパラメータが不正確な場合であっても、電流制限の超過を排除し、ひいては確実な動作を可能にする、電子整流式サーボモータのためのロバストな駆動を提供することである。
発明の開示
この課題は、請求項1に記載の電子整流式サーボモータを動作させる方法と、各独立請求項に記載の装置、位置決めシステム、及び、コンピュータプログラムとによって解決される。
本発明のさらなる有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
第1の態様によれば、電子整流式サーボモータを動作させる方法であって、前記サーボモータを、整流パターンに基づいて生成される電圧空間ベクトルによって、予め規定されたトルクと前記サーボモータのロータのロータ位置とに依存して、最適化目標に基づいて駆動し、許容可能な電圧空間ベクトルの範囲を示す駆動範囲を規定し、前記サーボモータの前記駆動を、前記駆動範囲内の電圧空間ベクトルだけが使用されるように実施する、方法が設けられる。
さらには、前記サーボモータの前記駆動を、予め規定された特性マップに基づいて実施することができ、前記特性マップは、前記電圧空間ベクトルを、前記予め規定されたトルクと前記サーボモータの前記ロータの前記ロータ位置とに依存して規定する。
1つの実施形態によれば、前記特性マップはさらに、特に駆動範囲の縁部にて、前記最適化目標を実現しない電圧空間ベクトルを規定することができる。
電子整流式サーボモータは、複数の相端子を有し、これらの相端子にはそれぞれ1つの相電圧を提供することができる。相電圧によるサーボモータの駆動は整流と呼ばれ、現在要求されているトルクを生成するモータ電流を設定するために、各々の時点においてサーボモータにどのように相電圧を印加すべきかを定めている。整流の入力変数は、目標トルクと、モータ軸のロータ位置角度である。
電流検出が行われない電子整流式サーボモータの場合には、サーボモータは、モータ電流に関して制御されずに動作される。この場合には、整流のための入力変数として、目標トルク及びモータ軸のロータ位置角度の他に回転数も必要である。理想的なサーボモータであれば、所定の駆動電圧が印加されると所期のトルクを供給し、これに対応するモータ電流が生じるであろう。
しかしながらサーボモータのモータパラメータは、大量生産による製造誤差と温度影響とに起因してずれる可能性がある、及び/又は、ロータ位置の検出は、間接的に実施されるせいでエラーを有する可能性がある。このことによって整流エラーが引き起こされ、モータ電流及び該モータ電流から形成されるトルクは目標値から相違してしまう。この相違によって許容できないほど高いモータ電流が生じた場合には、パワーエレクトロニクスは、サーボモータ又はパワーエレクトロニクスの過熱又は損傷を回避するために、サーボモータの動作を中断しなければならない。特に、例えば内燃機関のスロットルバルブの位置決め装置のような安全上重要な使用分野においては、このような事態はいかなる場合であっても回避しなければならない。従って、サーボモータの駆動は、ロータ位置検出が不正確な場合であっても、また、モータパラメータに関して変動的又は不安定な場合であっても、モータ電流の量がモータ電流閾値を超過しないように実施されなければならない。
サーボモータは、大多数の動作点においては最適化目標に関連して動作することができる。上述した動作方法によれば、境界領域での動作時には、ロバスト性を獲得するために最適化目標からずらすことが意図される。
上述した方法では、まず目標トルクを、例えば適切にパラメータ化された特性マップを用いて、ロータ固定のd−q座標系における電圧空間ベクトルに対応付けることが意図される。提供すべき電圧空間ベクトルは、目標トルクと、回転数と、予め規定された最適化目標とに依存して、対応する特性マップから形成される。この特性マップは、オフラインで算出され、本方法を実施するために供給することができる。特性マップから、ロータ固定のd−q座標系における提供すべき電圧空間ベクトルが求められると、座標変換が実施され、そしてロータ位置に依存して、多相の電子整流式サーボモータを駆動するための各相電圧が決定される。
複数の提供すべき相電圧によって唯一の目標量、すなわち目標トルクを設定すべきであるので、予め規定された目標トルクを達成するために複数の駆動手段が存在する。三相電圧の場合には、最適化の可能性を提供する自由度を効果的に利用することができる。この自由度は、各回転数と、達成すべき各目標トルクとに対して、それぞれ異なるように別個に利用することができる。上述した方法によれば、この自由度は、公称値の場合において最適化目標に基づいて駆動を実現するために利用される。このためには、最適化目標を最も良好に達成することができる駆動、すなわち整流パターンを、各回転数と、各目標トルクとに対してそれぞれ別個に求める必要がある。
さらには最適化の追加条件として、ロータ位置検出が不正確な場合や、パラメータの相違が存在する場合又はパラメータが不正確な場合に、最悪な事態でも、最大限許容可能なモータ電流の超過が引き起こされる可能性がないような解決策だけを考慮するように定めることができる。特性マップを作成するためには、ロータ位置を求める際に最大限許容可能なエラーを定めなければならない。これに代えて又はこれに加えて、パラメータと該パラメータの公称値との間で生じ得る相違を定量化すべきである。このことから、可能性のあるそれぞれの駆動のための目標トルクと回転数とに基づいた最適化において、当該可能性のある駆動が許容可能であるか否かを判定するために決定的となる不利な組み合わせを求めるべきである。その後、許容可能な全ての駆動から、最適化目標に鑑みて最も良好な手段を選択することができる。
特性マップの作成はオフラインで実施することができ、このようにして得られた特性マップが、サーボモータの駆動時に供給される。
サーボモータを駆動するための本方法の利点は、パラメータが公称パラメータ値から相違している場合であっても、及び/又は、ロータ位置の検出又は供給が不正確な場合であっても、許容可能なモータ電流の超過が回避されることにある。
特に、前記特性マップはさらに、前記最適化目標を実現する電圧空間ベクトルから、最大限達成可能なトルクを供給する電圧空間ベクトルまで、前記駆動範囲の縁部に沿って電圧空間ベクトルを規定することができる。
前記特性マップの前記電圧空間ベクトルを、前記駆動範囲によって許容された電圧空間ベクトルまで制限することができる。
1つの実施形態によれば、予め規定されたトルクと、前記駆動範囲内に前記最適化目標を実現する電圧空間ベクトルが存在しないロータ位置とのために、前記予め規定されたトルクを供給する電圧空間ベクトルを、前記最適化目標を実現する電圧空間ベクトルとの距離が最も小さい前記駆動範囲内で選択することができる。
さらには、前記サーボモータは、整流パターンに基づいて生成された電圧空間ベクトルによって、さらに前記サーボモータの現在の回転数に依存して駆動することができる。
前記駆動範囲は、モータ電流の量が、予め規定されたモータ電流閾値を超過しない許容可能な電圧空間ベクトルの範囲を示すことができる、及び/又は、前記駆動範囲は、モータ電圧の量が、予め規定されたモータ電圧閾値を超過しない許容可能な電圧空間ベクトルの範囲を示すことができる。
さらには、示された前記ロータ位置(L)が実際のロータ位置から予め規定された不正確さの分だけ相違している場合にも、及び/又は、前記サーボモータ(2)の1つ以上のモータパラメータが対応する目標値から予め規定された不正確さの分だけ相違している場合にも、前記予め規定されたモータ電流閾値及び/又は前記予め規定されたモータ電圧閾値が超過されないように、許容可能な電圧空間ベクトルによって前記駆動範囲を規定することができる。
前記特性マップのための前記最適化目標を、前記予め規定された目標トルクに、前記サーボモータの最大効率が達成される電圧空間ベクトルが対応付けられるように決定することができる。
別の1つの態様によれば、電子整流式サーボモータを動作させる装置であって、
・前記サーボモータを、整流パターンに基づいて生成された電圧空間ベクトルによって、予め規定されたトルクと前記サーボモータのロータのロータ位置(L)とに依存して、最適化目標に基づいて駆動し、
・許容可能な電圧空間ベクトルを示す駆動範囲を規定し、
・前記サーボモータの駆動を、前記駆動範囲内の電圧空間ベクトルだけが使用されるように実施する
ように構成されている、装置が設けられる。
別の1つの態様によれば、
・アクチュエータを駆動するための電子整流式サーボモータと、
・上述した装置と
を有する位置決めシステムが設けられる。
別の1つの態様によれば、コンピュータユニット上で実行されたときに上述した方法を実施するプログラムコードを含むコンピュータプログラム、又は、当該コンピュータプログラムが保存されている電子記憶媒体、又は、当該電子記憶媒体を有する電子制御装置が設けられる。
図面の簡単な説明
本発明の好ましい実施形態を、以下、添付図面に基づいてより詳細に説明する。
電子整流式サーボモータを有する位置決めシステムを示す図である。 サーボモータの予め規定された回転数における、ロバストかつ許容可能な駆動領域と、ロータ固定のd−q座標系での整流戦略とを示す線図である。 電子整流式サーボモータを動作させるための相電圧を求める方法の機能図である。
図1は、電子整流式電気モータとして構成されたサーボモータ2を有する位置決めシステム1を示す。サーボモータ2は、モータ軸3と機械装置又は伝動装置5とを介してアクチュエータ4を駆動する。スロットルバルブの位置決め装置とすることができ、この場合には、内燃機関の空気供給システム内におけるアクチュエータであるスロットルバルブの位置が、サーボモータ2の相応の駆動によって提供される。
サーボモータ2は、複数の相端子6を介して電気的に駆動される。本実施例の場合には、サーボモータ2は三相電動機として構成されている。サーボモータ2には相電圧(相電位)U,U,Uが印加され、これらの相電圧がサーボモータ2の対応する電流消費を引き起こし、その結果、サーボモータ2からモータ軸3を介して提供されるトルクが生じる。
サーボモータ2の駆動は、制御ユニット10によって実施される。制御ユニット10は、規準値として目標トルクMsollを受信し、かつ、適当なセンサ機器によって回転数nのデータとロータ位置Lのデータとを受信する。制御ユニット10は、サーボモータ2を駆動するための相電圧U,U,Uを生成する。
規準値である目標トルクMSollは、整流パターンに基づいて相電圧U,U,Uのための整流を実施するために使用される。整流パターンは、現在要求されている目標トルクMSollを形成するために、各時点において、サーボモータ2の相端子6にどのように相電圧U,U,Uを印加すべきであるかを表したものである。提供すべき相電圧が3つ以上ある場合には、目標トルクMSollを達成するために複数の駆動手段が存在する。この場合、最適化の可能性を提供する少なくとも1つの自由度を使用することができる。この自由度は、各回転数に対して、又は、達成すべき各目標トルクのための各回転数範囲に対して、それぞれ異なるように別個に利用することができる。
上述した位置決めシステム1は、高いロバスト性を有するように作成すべきである。しかしながらロータ位置Lの検出時には、サーボモータ2のパラメータ変動に起因して、理想的な電流消費と実際の電流消費との間に相違が生じることが多い。モータ電流が、予め規定されたモータ電流閾値を超過すると、制御ユニット10は基本的に緊急停止を実施して、制御ユニット10及び/又はサーボモータ2を損傷又は故障から保護する。
特に、ロータ位置検出が間接的に実施される位置決めシステム1の場合、すなわち、例えば伝動装置5を介してサーボモータ2に接続されたアクチュエータ4においてロータ位置検出が実施される位置決めシステム1の場合には、ロータ位置Lの検出時の不正確さが大きくなる可能性があり、しかもこの不正確さは、機械的な角度位置の10°を格段に超過する恐れもある。
相電圧U,U,Uによる制御時には、サーボモータ2の動作中に回転するステータ磁界の方向を表す空間ベクトルが形成される。空間ベクトルを回転数に依存せずに表わせるように、空間ベクトルは基本的にロータ固定のd−q座標系で表される。
自由度は、予め規定された最適化目標に基づいた最適化において、例えば効率に関する最適化において利用することができる。
図2には、d−q座標系の電圧空間ベクトルU,Uの線図が図示されている。さらには、円形の制限曲線によって許容電圧の電圧範囲BSPが示されており、略楕円形の制限曲線によって許容電流の電流範囲BSが示されている。許容可能なモータ電流の電流範囲BSは、ロータ固定のd−q座標系における空間ベクトルの範囲を表しており、この範囲内では、モータ電流の量が、予め規定されたモータ電流閾値を下回っている。この場合、許容可能なモータ電流の電流範囲BSの電流制限曲線LSは、モータ電流がモータ電流閾値に達している全てのU−Uの組み合わせの曲線を表している。
同様にして、許容可能なモータ電圧の電圧範囲BSPは、空間ベクトルU,Uが位置することができる範囲であって、従って、所定のモータ電圧閾値が超過されない範囲を表している。2つの相端子6の間の相電圧U,U,Uから形成されるモータ電圧閾値は、実質的にサーボモータ2の動作のための給電電圧の供給可能性によって制限されている。予め規定された給電電圧において許容可能又は供給可能な相電圧U,U,Uの電圧範囲BSPが、電圧制限曲線LSPによって示されており、この電圧制限曲線LSPは、相電圧U,U,Uが予め規定された相電圧閾値に一致している全ての空間ベクトルU,Uの量を表している。
ここで、許容可能なモータ電流の電流範囲BSと、許容可能な相電圧U,U,Uの電圧範囲BSPとに基づいて、ロバストかつ許容可能な駆動範囲ABが求められる。この許容可能な駆動範囲ABは、ロータ位置検出が予め規定された不正確さを有する場合、及び/又は、パラメータが不正確な場合に、モータ電流が電流制限曲線LSによって予め規定されたモータ電流閾値を超過して増加するのをいかなる場合であっても排除する。つまり、ロータ位置の予め規定された不正確さと、パラメータの予め規定された不正確さとを用いて、各回転数と各電圧空間ベクトルとに対する最悪のシナリオが求められる。
図示した特性マップにはさらに、所定のトルクを達成するための空間ベクトル値が示される。この空間ベクトル値は、トルク曲線MLによって示されている。ロータ位置又はパラメータが不正確な場合にモータ電流が高くなり過ぎるのを回避しつつも、予め規定された目標トルクMsollを選択するために、駆動範囲AB内において目標トルクMsollを供給するために複数の空間ベクトル制御が可能であることが見て取れる。
図3には、制御ユニット10の概略図が示されている。制御ユニット10は、制限ユニット11を有し、この制限ユニット11は、目下の回転数nと予め規定された目標トルクMsollとに基づいて、要求されたトルクを制限する。
特性マップブロック12において、要求されたトルクと回転数nとに基づいて、ロータ固定のd−q座標系における提供すべき空間ベクトルU,Uが求められる。このことは図2の線図に関連して以下のようにして実施される。
まず、要求された目標トルクMsollと回転数とによって作成された特性マップKが供給される。この特性マップKでは、パラメータの不正確さとロータ位置検出の不正確さとを考慮して駆動範囲ABを画定している電流範囲BS及び電圧範囲BSPの内側において、空間ベクトルU,Uが動作点に対応付けられており、これによって予め規定された最適化目標が遵守される。予め規定された目標トルクMsollと現在の回転数nとに関して、駆動範囲ABの内側に位置する空間ベクトルU,Uが特性マップK上に存在する場合には、この空間ベクトルU,Uがサーボモータ2の駆動に使用される。
目標トルクMsollに相当するトルク曲線MLの交点が発見されない場合には、駆動範囲ABの外側制限曲線BABにおいて当該予め規定された特性マップKから離れ、その代わりに、駆動範囲ABの制限曲線BABに関して、所定の空間ベクトルU,Uを有する所期の目標トルクMsollが、駆動範囲ABの該当する制限曲線BABに到達可能であるかがチェックされる。到達可能である場合には、当該空間ベクトルU,Uが供給される。そうでない場合には、許容可能な駆動範囲ABから離れることなく最大トルクを達成可能にする空間ベクトルU,Uが提供される。
座標変換ブロック13において、供給された空間ベクトルU,Uが、検出されたロータ位置Lを用いて、対応する相電圧U,U,Uに変換される。
入力変数である目標トルクMsollと回転数nとによって最適化された空間ベクトルU,Uを求めるための特性マップKは、オフラインで作成され、例えばルックアップテーブル又は特性マップKを表すその他の関数によって制御ユニット10にマッピング又は保存される。最適化は、従来の方法に基づいて実施され、駆動範囲ABの内側にて有効な特性マップKをもたらす。駆動範囲の制限曲線BL上に位置する、特性マップKの空間ベクトルU,Uは、量的に最も大きいトルクまで空間ベクトル曲線の代わりとなり、これによって、空間ベクトルU,Uは、この空間ベクトル曲線が制限曲線BAB上に達すると直ぐに、制限曲線BABによって量的により大きいトルクの方向へと定められる。図2において駆動範囲の内側に示されているように、特性曲線の特徴的な三等分が生じる。
許容可能な駆動範囲の内側における空間ベクトル曲線のための最適化目標として、効率の最大化の代わりに別の目標を追求することも可能である。
パラメータの不安定さの大部分は温度影響に起因しているので、サーボモータ2の温度範囲全体を考慮すると、ロバストに利用可能なトルクが著しく制限される可能性がある。サーボモータ2の現在の温度を検出又は評価できる場合には、複数の異なる温度範囲に対して制御を別々に設計することができ、現在の温度に応じて予め規定された複数の特性マップ間での切り換えが可能となる。

Claims (11)

  1. 電子整流式サーボモータ(2)を動作させる方法であって、
    前記サーボモータ(2)を、整流パターンに基づいて生成された電圧空間ベクトルによって、予め規定されたトルクと前記サーボモータ(2)のロータのロータ位置(L)とに依存して、最適化目標に基づいて駆動し、
    許容可能な電圧空間ベクトルの範囲を示す駆動範囲を規定し、
    前記サーボモータ(2)の前記駆動を、前記駆動範囲内の電圧空間ベクトルだけが使用されるように実施する方法において、
    前記サーボモータ(2)の前記駆動を、予め規定された特性マップに基づいて実施し、
    前記特性マップは、前記電圧空間ベクトルを、前記予め規定されたトルクと前記サーボモータ(2)の前記ロータの前記ロータ位置(L)とに依存して、前記最適化目標に基づいて規定し、
    前記駆動範囲は、モータ電流の量が、予め規定されたモータ電流閾値を超過しない許容可能な電圧空間ベクトルの範囲を示し、及び/又は、前記駆動範囲は、モータ電圧の量が、予め規定されたモータ電圧閾値を超過しない許容可能な電圧空間ベクトルの範囲を示し、
    前記特性マップの前記電圧空間ベクトルを、前記駆動範囲によって許容された電圧空間ベクトルに制限し、
    前記特性マップはさらに、前記駆動範囲の縁部にて、前記最適化目標を実現しない電圧空間ベクトルを規定し、
    前記予め規定されたトルクと現在の回転数とに関して、前記駆動範囲の内側に位置する空間ベクトルが前記特性マップ上に存在する場合には、当該空間ベクトルを使用し、そうでない場合、前記駆動範囲の縁部に位置する前記特性マップの空間ベクトルを使用する
    ことを特徴とする、方法。
  2. 前記特性マップはさらに、前記最適化目標を実現する電圧空間ベクトルから、最大限達成可能なトルクを供給する電圧空間ベクトルまで、前記駆動範囲の縁部に沿って電圧空間ベクトルを規定する、
    請求項記載の方法。
  3. 前記予め規定されたトルクと、前記駆動範囲内に前記最適化目標を実現する電圧空間ベクトルが存在しないロータ位置とのために、前記予め規定されたトルクを供給する電圧空間ベクトルを、特性曲線上での電圧空間ベクトルとの距離が最も小さい駆動範囲内で選択する、
    請求項1または2記載の方法。
  4. 前記サーボモータ(2)を、整流パターンに基づいて生成された電圧空間ベクトルによって、さらに前記サーボモータ(2)の現在の回転数に依存して制御する、
    請求項1からのいずれか一項記載の方法。
  5. 示された前記ロータ位置(L)が実際のロータ位置から予め規定された不正確さの分だけ相違する場合にも、及び/又は、前記サーボモータ(2)の1つ以上のモータパラメータが対応する目標値から予め規定された不正確さの分だけ相違する場合にも、前記予め規定されたモータ電流閾値及び/又は前記予め規定されたモータ電圧閾値が超過されないように、許容可能な電圧空間ベクトルによって前記駆動範囲を規定する、
    請求項1から4のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記特性マップ(K)のための前記最適化目標を、前記予め規定されたルクに、前記サーボモータ(2)の最大効率が達成される電圧空間ベクトルが対応付けられるように決定する、
    請求項1からのいずれか一項記載の方法。
  7. 電子整流式サーボモータ(2)を動作させる装置であって、
    ・前記サーボモータを、整流パターンに基づいて生成された電圧空間ベクトルによって、予め規定されたトルクと前記サーボモータ(2)のロータのロータ位置(L)とに依存して、最適化目標に基づいて駆動し、
    ・許容可能な電圧空間ベクトルを示す駆動範囲を規定し、
    ・前記サーボモータ(2)の前記駆動を、前記駆動範囲内の電圧空間ベクトルだけが使用されるように実施する装置において、
    前記サーボモータ(2)の前記駆動を、予め規定された特性マップに基づいて実施し、
    前記特性マップは、前記電圧空間ベクトルを、前記予め規定されたトルクと前記サーボモータ(2)の前記ロータの前記ロータ位置(L)とに依存して、前記最適化目標に基づいて規定し、
    前記駆動範囲は、モータ電流の量が、予め規定されたモータ電流閾値を超過しない許容可能な電圧空間ベクトルの範囲を示し、及び/又は、前記駆動範囲は、モータ電圧の量が、予め規定されたモータ電圧閾値を超過しない許容可能な電圧空間ベクトルの範囲を示し、
    前記特性マップの前記電圧空間ベクトルを、前記駆動範囲によって許容された電圧空間ベクトルに制限し、
    前記特性マップはさらに、前記駆動範囲の縁部にて、前記最適化目標を実現しない電圧空間ベクトルを規定し、
    前記予め規定されたトルクと現在の回転数とに関して、前記駆動範囲の内側に位置する空間ベクトルが前記特性マップ上に存在する場合には、当該空間ベクトルを使用し、そうでない場合、前記駆動範囲の縁部に位置する前記特性マップの空間ベクトルを使用する
    ように構成されている、装置。
  8. ・アクチュエータ(4)を駆動するための電子整流式サーボモータ(2)と、
    ・請求項記載の装置と
    を有する、位置決めシステム(1)。
  9. コンピュータユニット上で実行されたときに請求項1からのいずれか一項記載の方法を実施するためのプログラムコードを含む、コンピュータプログラム。
  10. 請求項記載のコンピュータプログラムが保存されている、電子記憶媒体。
  11. 請求項10記載の電子記憶媒体を有する、電子制御装置。
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