JP6107333B2 - 振動子、発振器、電子機器および移動体 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の振動子の振動素子は、音叉型をなしており、基部と、基部から延出する一対の振動腕とを有している。また、各振動腕には、その上面および下面に一対の溝が形成されている。また、溝の長さは、振動素子の全長に対して20〜68%となるよう設定されている。このような構成にすることにより、基本モードで振動する振動素子の等価直列抵抗R1は、第2次高調波モードでの等価直列抵抗R2よりも小さくすることができる。
しかしながら、上記範囲に溝の長さを設定することにより、振動素子の長さに対する溝の長さが占める割合が小さくなる分、基本モードを励振する電界面積が減少し、その結果、等価直列抵抗R1が大きくなる。
[適用例1]
本発明の振動子は、基部と、
前記基部と一体に設けられ、前記基部から第1の方向に延出し、前記第1の方向と直交する第2の方向に並んでいる一対の振動腕と、を含む振動素子と、
前記振動素子を支持しているベースと、
前記振動素子を前記ベースに対して固定している固着部と、を含み、
前記振動素子は、下記式(1)で示される条件を満足するよう構成されていることを特徴とする。
こうすることによって、基本屈曲振動モードでの等価直列抵抗R1の値が増大することを抑制しつつ、第n次高調波屈曲振動モードにおける等価直列抵抗Rnの値を基本屈曲振動モードでの等価直列抵抗R1の値よりも大きくすることができる。これにより、第n次高調波屈曲振動モードの振動を抑制することができ、よって、優れた振動特性を発揮する振動子を得ることができると共に、この振動子を搭載した発振器が、第n次高調波屈曲振動モードの共振周波数で発信する誤動作を起こす虞が小さくなる。
本発明の振動子では、第n次高調波屈曲振動モード(nは2以上の自然数)におけるQ値をQnとしたとき、QLn −1/Qn −1は、0.5以上であるのが好ましい。
このように、第n次高調波屈曲振動モードにおける振動漏れに起因する損失が、第n次高調波屈曲振動モードにおける損失全体に占める割合が50%以上となることによって、より確実に、基本屈曲振動モードの等価直列抵抗R1の値が増大することを抑圧しつつ、第n次高調波屈曲振動モードの等価直列抵抗RnをR1よりも大きくすることができる。
本発明の振動子では、第n次高調波屈曲振動モード(nは2以上の自然数)におけるQ値をQnとしたとき、Qn/Q1は、1以下であるのが好ましい。
これにより、基本屈曲振動モードにおけるQ値を、高調波屈曲振動モードにおける振動漏れのみを考慮したQ値よりも確実に大きくすることができる。
従来の音叉型振動素子では、基本屈曲振動モードや第n次高調波屈曲振動モードの各モードにおける全体の損失に対する熱弾性損失の占める割合が大きかった為に、後述する式(10)から明らかなように、周波数の高い第n次高調波屈曲振動モードにおけるQ値(Qn)は、基本屈曲振動モードにおけるQ値(Q1)よりも必然的に大きくなってしまい、結果として第n次高調波屈曲振動モードにおける等価直列抵抗Rnは、基本屈曲振動モードにおける等価直列抵抗R1よりも小さくなってしまっていたが、Qnを律してこれをQ1以下とする、即ち第n次高調波屈曲振動モードにおける損失を基本屈曲振動モードにおける損失以上に大きく律することによって、より確実に、基本屈曲振動モードの等価直列抵抗R1の値が増大することを抑圧しつつ、第n次高調波屈曲振動モードの等価直列抵抗RnをR1よりも大きくすることができる。
本発明の振動子では、熱緩和周波数をfm0としたとき、fm0 2/f1 2は0.05以下であるのが好ましい。
これにより、断熱的領域(後述)において、よりQ値の高い振動子を得ることができる。
本発明の振動子では、前記振動素子は、下記式(2)で示される条件を満足するよう構成されているのが好ましい。
本発明の振動子では、前記振動素子は、下記式(3)で示される条件を満足するよう構成されているのが好ましい。
本発明の振動子では、前記固着部を構成している材料の貯蔵弾性率、前記固着部を構成している材料の損失弾性率、前記固着部の配置数、前記振動素子に対する前記固着部の配置位置および前記振動素子に対する前記固着部の大きさのうちの少なくとも1つを設定することにより、前記振動素子は、上記式(1)で示される条件を満足するよう構成されているのが好ましい。
これにより、基本屈曲振動モードで高いQ値を得ることができ、かつ、基本屈曲振動モードでの等価直列抵抗を第n次高調波モード(nは2以上の自然数)での等価直列抵抗よりも小さくすることができ、基本屈曲振動モードにおいて、より優れた振動特性を発揮する振動子を得ることができる。
本発明の振動子では、前記振動素子は、前記一対の振動腕の間において、前記基部から前記第1の方向に沿って延出している支持腕を含み、
前記固着部は、前記支持腕を前記ベースに対して固定しているのが好ましい。
これにより、振動素子の基本屈曲振動モードにおける振動漏れを効果的に低減することができる。
本発明の振動子では、各前記振動腕は、表裏の関係にある一対の主面と、各前記主面に開放している有底の溝と、を含んでいるのが好ましい。
これにより、各前記振動腕の剛性と前記基部の剛性とに大きな差が生じると共に、各前記振動腕に対する前記基部の質量が相対的に増大して、各前記振動腕の屈曲振動が前記基部に伝わり難くなるため、振動素子の基本屈曲振動モードにおける振動漏れをより効果的に低減することができる。
本発明の振動子では、各前記振動腕は、腕部と、前記腕部の前記基部と反対側に位置し、前記腕部よりも前記第2の方向に沿った長さが大きい広幅部と、を含んでいるのが好ましい。
このように広幅部を含んでいることによって、各前記振動腕の先端が重くなる分を、基本屈曲振動モードの共振周波数を一定に保つように前記腕部の幅(第2の方向の長さ)を拡げることができるので、屈曲振動時に前記腕部で発生する熱が流れる経路が長くなり、振動素子の熱弾性損失を低減させることができる。
本発明の発振器は、本発明の振動子と、
発振回路とを含むことを特徴とする。
これにより、信頼性の高い発振回路を得ることができる。
[適用例12]
本発明の電子機器は、本発明の振動子を含むことを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器を得ることができる。
[適用例13]
本発明の移動体は、本発明の振動子を含むことを特徴とする。
これにより、信頼性の高い移動体を得ることができる。
1.振動子
まず、本発明の振動子について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態にかかる振動子の平面図、図2は、図1中のA−A線断面図、図3は、振動漏れ低減の原理を説明する平面図、図4は、図1中のB−B線断面図、図5は、屈曲振動時の熱伝導について説明する振動腕の断面図、図6は、Q値とf/fmの関係を示すグラフ、図7は、図1に示す振動素子およびシミュレーションに用いる振動素子を示す平面図、図8は、図1に示す振動素子の第2次屈曲振動モードおよび第3次屈曲振動モードを示す斜視図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1に示すように、互いに直交する3軸をX軸(水晶の電気軸)、Y軸(水晶の機械軸)およびZ軸(水晶の光学軸)とし、以下、特に断りのない限りnは2以上の自然数とする。
図1および図2に示す振動子1は、振動素子2と、振動素子2を収納するパッケージ9とを有している。以下、振動素子2およびパッケージ9について、詳細に説明する。
パッケージ9は、上面に開放する凹部911を有する箱状のベース91と、凹部911の開口を塞ぐようにベース91に接合されている板状のリッド92とを有している。このようなパッケージ9は、凹部911がリッド92にて塞がれることにより形成された収納空間を有しており、この収納空間に振動素子2が気密的に収納されている。振動素子2は、支持腕71にて、例えば、エポキシ系、アクリル系、ポリイミド系、ビスマスレイド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、シリコン系の樹脂に導電性フィラーを混合した導電性接着剤11を介して凹部911の底面に固定されている。この導電性接着剤11のヤング率は、50〜6000MPaが好ましく、100〜5000MPaがより好ましい。後述するように、振動素子2を構成する材料は、この導電性接着剤11よりも十分に硬い材料であるため、このようなヤング率の上限にすることで、支持腕71と導電性接着剤11との界面に到達する第n次高調波モードにおける振動は、導電性接着剤11によって反射されることが殆どなく、その多くが振動漏れとして外部に漏洩する。これに対して基本屈曲振動モードでは、後述する基部4における振動の相殺効果によって、支持腕71と導電性接着剤11との界面に到達する振動は極めて小さいために振動漏れも極めて小さい。この結果、基本屈曲振動モードにおけるQ値は劣化することなく、第n次屈曲振動モードにおけるQ値のみを意図的に劣化させることができるので、第n次高調波屈曲振動モードにおける等価直列抵抗Rnの値を基本屈曲振動モードでの等価直列抵抗R1の値よりも十分に大きくすることができる。また、余りにヤング率が小さいと、振動子1に外部から衝撃が加わった際の導電性接着剤11の変形が大きく、振動素子2の+Y軸方向先端に形成されているハンマーヘッド59、69が、ベース91やリッド92に衝突することで破損し、基本屈曲振動モードの共振周波数が上昇してしまう虞があるため、このようなヤング率の下限にすることで、振動子1に外部から衝撃が加わった際にも、基本屈曲振動モードの共振周波数が殆ど変化しない、安定した振動子1を得ることができる。
ベース91の構成材料としては、特に限定されないが、酸化アルミニウム等の各種セラミックスを用いることができる。また、リッド92の構成材料としては、特に限定されないが、ベース91の構成材料と線膨張係数が近似する部材であると良い。例えば、ベース91の構成材料を前述のようなセラミックスとした場合には、コバール等の合金とするのが好ましい。なお、ベース91とリッド92の接合は、特に限定されず、例えば、接着剤を介して接合してもよいし、シーム溶接等により接合してもよい。
接続端子951、961、貫通電極952、962および外部端子953、963の構成としては、それぞれ、導電性を有していれば、特に限定されないが、例えば、Cr(クロム)、W(タングステン)などのメタライズ層(下地層)に、Ni(ニッケル)、Au(金)、Ag(銀)、Cu(銅)などの各被膜を積層した金属被膜で構成することができる。
図1、図2および図4に示すように、振動素子2は、水晶基板3と、水晶基板3上に形成された第1、第2駆動用電極84、85とを有している。なお、図1および図2では、説明の便宜上、第1、第2駆動用電極84、85の図示を省略している。
水晶基板3は、Zカット水晶板で構成されている。これにより、振動素子2は、優れた振動特性を発揮することができる。Zカット水晶板とは、Z軸を厚さ方向とする水晶基板である。なお、Z軸は、水晶基板3の厚さ方向と一致しているのが好ましいが、常温近傍における周波数温度変化を小さくする観点から、厚さ方向に対して若干傾けてもよい。
基部4は、XY平面に広がりを有し、Z軸方向に厚さを有する板状をなしている。基部4は、振動腕5、6を支持・連結する部分(本体部41)と、振動漏れを低減する縮幅部42とを有している。
まず、図3(a)に示すように、縮幅部42が設けられていない場合について説明する。振動腕5、6が互いに離間するように略XY平面内で屈曲変形した場合、振動腕5が接続されている付近の本体部41では、矢印で示したように時計回りの回転運動に近い変位が発生し、振動腕6が接続されている付近の本体部41では、矢印で示したように反時計回りの回転運動に近い変位が発生する(ただし、厳密には回転運動ということができるような運動ではないため、便宜的に「回転運動に近い」とする)。
振動腕5、6は、X軸方向(第2の方向)に並び、かつ、互いに平行となるように基部4の先端からY軸方向(第1の方向)に延出している。これら振動腕5、6は、それぞれ、長手形状をなし、その基端が固定端となり、先端が自由端となる。また、振動腕5、6は、それぞれ、腕部51、61と、腕部51、61の先端(基部4と反対側)に設けられ、XY平面視にて略矩形状のハンマーヘッド(腕部51、61よりもX軸方向に沿った長さが大きい広幅部)59、69とを有している。
また、ハンマーヘッド59のX軸方向中心を振動腕5のX軸方向中心から多少ずらしておくとよい。こうすることによって、屈曲振動時に振動腕5が捩れることによって生じてしまう基部4のZ軸方向の振動を低減することができるので、振動漏れを抑制することができる。
また、ハンマーヘッド69のX軸方向中心を振動腕6のX軸方向中心から多少ずらしておくとよい。こうすることによって、屈曲振動時に振動腕6が捩れることによって生じてしまう基部4のZ軸方向の振動を低減することができるので、振動漏れを抑制することができる。
これらの第1、第2駆動用電極84、85の間に交番電圧を印加すると、振動腕5、6が互いに接近、離間を繰り返すように面内方向(XY平面方向)に所定の周波数で振動する。
上述したように、振動素子2では、振動腕5、6に溝52、53、62、63を形成することによって、熱弾性損失の低減を図っている。以下、このことについて、振動腕5を例にして具体的に説明する。
また、振動腕5が平板構造(断面形状が矩形の構造)であると見做したときの熱緩和周波数をfm0とすれば、fm0は下記式で求めることができる。
なお、図6において、f/fm<1の領域を等温的領域とも言い、この等温的領域ではf/fmが小さくなるにつれてQ値が高くなる。これは、振動腕の機械的周波数が低くなる(振動腕の振動が遅くなる)につれて前述のような振動腕内の温度差が生じ難くなるためである。したがって、f/fmを0(零)に限りなく近づけた際の極限では、等温準静操作となって、熱弾性損失は限りなく0(零)に接近する。一方、f/fm>1の領域を断熱的領域とも言い、この断熱的領域ではf/fmが大きくなるにつれてQ値が高くなる。これは、振動腕の機械的周波数が高くなるにつれて、各側面の温度上昇・温度効果の切り替わりが高速となり、前述のような熱伝導が生じる時間がなくなるためである。したがって、f/fmを限りなく大きくした際の極限では、断熱操作となって、熱弾性損失は限りなく0(零)に接近する。このことから、f/fm>1の関係を満たすとは、f/fmが断熱的領域にあるとも言い換えることができる。
図1に示すように、振動腕5の全長(Y軸方向の長さ)をL[μm]とし、ハンマーヘッド59の長さ(Y軸方向の長さ)をH[μm]としたとき、振動腕5は、0.012<H/L<0.3なる関係を満足しているのが好ましく、0.046<H/L<0.223なる関係を満足しているのがより好ましい。このような関係を満足することによって、振動素子2の基本屈曲振動モードにおける等価直列抵抗R1が低く抑えられるため、振動損失が少なく、優れた振動特性を有する振動素子2となる。
このように、振動腕5では、0.012<H/L<0.3なる関係と、1.5≦W2/W1≦10.0なる関係とを満足することによって、これら2つの関係の相乗効果によって、小型化でCI値が十分に抑えられている振動素子2が得られる。
以上説明したような振動素子2は、下記式(1)で示される条件を満足するよう構成されている。
ここで、上記式(1)で示される条件を満足する振動素子2は、固着部の構成材料(導電性接着剤11)の貯蔵弾性率、固着部の構成材料(導電性接着剤11)の損失弾性率、固着部の配置数、振動素子2に対する固着部の配置位置および振動素子2に対する固着部の大きさのうちの少なくとも1つを設定することにより得ることができる。
振動漏れによるCI値の制御において、第n次高調波屈曲振動モードにおける等価直列抵抗Rnは、下記式(6)で表すことができる。
ここで、本発明では、基本屈曲振動モードにおける等価直列抵抗R1に対する第n次高調波屈曲振動モードの等価直列抵抗Rnが1より大きくする必要がある。すなわち、下記式(8)を満たすように設計して、本発明の振動子を搭載した発振器が、第n次高調波屈曲振動モードの共振周波数で発振してしまう誤動作を起こす虞を小さくする必要がある。
なお、上記式(10)においてnの換わりに1とすれば、基本屈曲振動モードにおける関係式が得られる。
これにより、上記式(11)は、下記式(14)となる。
なお、第n次屈曲振動モードにおける、振動漏れのみを考慮したQ値(QLn)は、次のようにして実際に測定することができる。
まず、導電性接着剤11を介してベース91と接続されている状態の振動素子2、即ち振動子1の第n次高調波屈曲振動モードにおけるQ値を測定してこれをQaとする。
次に、ベース91とは導電性接着剤11を介して接続されていない振動素子2を用意し、Au、Al、Cuなどの金属ワイヤーによって素子2を宙吊りの状態でベース91の接続端子951、961に固定する。この際には、振動素子2に導電性接着剤11が接続されていても接続されていなくても、あるいは振動素子2に導電性接着剤11の一部が残留して接続されている状態でもよい。これは、この状態の導電性接着剤11はベース91に接続されていないため、第n次高調波屈曲振動モードにおいて導電性接着剤11を介して弾性エネルギーが外部に漏洩することがないので損失には関与せず、また変形も極めて小さいので単に等価直列抵抗Rnを若干大きくするのみであるためである。
また、素子2側のワイヤーは、素子2において最も振動の影響を受けない領域、即ち支持腕71に接続される。なお、支持腕のない振動素子の場合には、基部などの、固着部が設けられるべき領域周辺にワイヤーが接続される。また、ワイヤーは振動素子2の第n次屈曲振動が漏洩しないよう十分な細さと長さをもたせておけばよく、例えば直径5μm〜30μm、長さは振動素子2のY軸方向長さに対して1.5倍〜5倍程度であるとよい。
この状態で測定された第n次高調波屈曲振動モードにおけるQ値をQbとする。
式(7)によれば、Qa −1=QTn −1+QLn −1、Qb −1=QTn −1であるから、これら2つの式によって、QLn=(Qa −1−Qb −1)−1が得られることになる。
なお、固着部が導電性接着剤ではない場合も同様にして測定することができる。また、振動漏れの影響を受けない方法であれば他の方法でもよいし、Qaのみを測定しておき、振動素子2の形状を模したモデルを用いてシミュレーションによりQTnを算出し、式(7)によってQLn=(Qa −1−QTn −1)−1として求めてもよい。
[3]fm0 2/f1 2は0.05以下であるのが好ましく、0.001以下であるのがより好ましく、さらに0.0001以下であるのがより好ましい。例えば、fm0 2/f1 2=0.05である場合、下記表1に示すように、基本屈曲振動モードのQ値(Q1)は、熱弾性損失が最大となるf1=fm0でのQ値802に対して十分に高くなる。
本シミュレーションで用いた振動素子2の各部の寸法は、水晶基板3の厚さが130μm、溝62、63の深さが60μm、その他は図7(a)に示す通りである。なお、図7(b)に示す振動素子Xは、縮幅部42および支持腕71を省略したこと以外は、図7(a)に示す振動素子2と略同様である。
このような振動素子2および振動素子Xについてシミュレーションを行い、基本屈曲振動モードおよび第2次高周波屈曲振動モードにおける特性値を計算した。以下、この計算結果を下記表2に示す。
このように、本発明で規定する式(1)を満足するように振動素子2を構成(設計)することで、その基本屈曲振動モードでの等価直列抵抗R1の増大を抑制しつつ、第n次高調波屈曲振動モードにおける等価直列抵抗Rnを基本屈曲振動モードでの等価直列抵抗R1の値よりも大きくすることができる。その結果、優れた振動特性を発揮する振動子1を得ることができると共に、振動子1を搭載した発振器が、第n次高調波屈曲振動モードの共振周波数において発振してしまう誤動作の発生を抑制することができる。
次に、本発明の振動子を適用した発振器(本発明の発振器)について説明する。
図9は、本発明の発振器の好適な実施形態を示す断面図である。
図9に示す発振器10は、振動子1と、振動素子2を駆動するためのICチップ8とを有している。以下、発振器10について、前述した振動子との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
また、第2凹部911bの底面には、ワイヤーを介してICチップ8と電気的に接続された複数の内部端子93が形成されている。これら複数の内部端子93には、ベース91に形成された図示しないビアを介してパッケージ9の底面に形成された外部端子94に電気的に接続された端子と、図示しないビアやワイヤーを介して接続端子95に電気的に接続された端子と、図示しないビアやワイヤーを介して接続端子96に電気的に接続された端子とが含まれている。
なお、図9の構成では、ICチップ8が収納空間内に配置されている構成について説明したが、ICチップ8の配置は、特に限定されず、例えば、パッケージ9の外側(ベースの底面)に配置されていてもよい。
次に、本発明の振動子を適用した電子機器(本発明の電子機器)について説明する。
図10は、本発明の振動子を備える電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部2000を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、フィルター、共振器、基準クロック等として機能する振動素子2が内蔵されている。
次に、本発明の振動子を適用した移動体(本発明の移動体)について説明する。
図13は、本発明の移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車1500には、振動素子2が搭載されている。振動素子2は、キーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム、等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
以上、本発明の振動子、振動子、発振器、電子機器および移動体について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
Claims (12)
- 基部、及び前記基部と一体に設けられ、前記基部から第1の方向に延出し、前記第1の方向と直交する第2の方向に並んでいる一対の振動腕を含む振動素子と、
前記振動素子が支持されているベースと、
前記振動素子を前記ベースに固定している固着部と、
を含み、
前記振動素子は、下記式(1)で示される条件を満足するよう構成されていることを特徴とする振動子。
(式(1)中、QLnは、第n次高調波屈曲振動モードにおける振動漏れのみを考慮したQ値、Q1は、基本屈曲振動モードにおけるQ値を示し、Lnは、第n次高調波屈曲振動モードにおける等価インダクタンス、L1は、基本屈曲振動モードにおける等価インダクタンス、fnは、第n次高調波屈曲振動モードにおける共振周波数、f1は、基本屈曲振動モードにおける共振周波数、nは2以上の自然数を示す。) - 第n次高調波屈曲振動モードにおけるQ値をQnとしたとき、QLn −1/Qn −1は、0.5以上である請求項1に記載の振動子。
- 第n次高調波屈曲振動モードにおけるQ値をQnとしたとき、Qn/Q1は、1以下である請求項1または2に記載の振動子。
- 熱緩和周波数をfm0としたとき、fm0 2/f1 2は0.05以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の振動子。
- 前記振動素子は、前記一対の振動腕の間において、前記基部から前記第1の方向に沿って延出している支持腕を含み、
前記固着部を介して、前記支持腕が前記ベースに固定されている請求項1ないし6のいずれか1項に記載の振動子。 - 各前記振動腕は、表裏の関係にある一対の主面と、各前記主面に有底の溝と、を含んでいる請求項1ないし7のいずれか1項に記載の振動子。
- 各前記振動腕は、
腕部と、
前記腕部の前記基部と反対側に位置し、前記腕部よりも前記第2の方向に沿った長さが大きい広幅部と、
を含む請求項1ないし8のいずれか1項に記載の振動子。 - 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の振動子と、
発振回路と、
を含むことを特徴とする発振器。 - 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の振動子を含むことを特徴とする電子機器。
- 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の振動子を含むことを特徴とする移動体。
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