JP3931662B2 - 振動片、振動子、発振器及び電子機器 - Google Patents

振動片、振動子、発振器及び電子機器 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
本発明は、例えば水晶等からなる振動片、この振動片を有する振動子、この振動子を備える発振器や電子機器に関する。
【0003】
【従来の技術】
従来、振動片である音叉型水晶振動片は、例えば図11に示すように構成されている。
すなわち、音叉型水晶振動片10は、基部11と、この基部11から突出して形成されている2本の振動腕部12,13を有している。そして、この2本の振動腕部12,13には、図12に示すように、溝12a,13aが表面及び裏面に形成されている。
図12は、図11のA−A'線断面図であり、この図12に示すように振動腕部12,13は、この溝12a.13aにより、その断面が略H型に形成されている。
さらに、このような溝12a,13aには、この振動腕部12,13を振動させるための励振電極12b,13bが、それぞれ図12に示すように形成されている。
また、図12に示すように、振動腕部12,13の側面にも側面励振電極12c,13cが形成されている。
【0004】
このような略H型の音叉型水晶振動片10は、振動片の大きさを小型化しても溝12a、13b内に励振電極12b、13bを備えているので、腕部12,13の振動損失が低くCI値(クリスタルインピーダンス又は等価直列抵抗)も低く抑えることができるという特性を有する。
このため、略H型の音叉型水晶振動片10は、例えば特に小型でも高精度な性能が求められる振動子に適用されている。
このような音叉型水晶振動片10は、その振動により基本波の周波数で信号を発振するようになっているが、同時に高調波の周波数でも同様の信号を発振してしまう特性を有している。
そして、この高調波の信号を振動子等の機器が基本波の周波数の信号と間違えて拾ってしまうと、機器に異常をもたらすおそれがある。
【0005】
そこで、このような事態を未然に防ぐ方法として、CI値比を基準に設計する方法がある。このCI値比は、高周波のCI値を基本波CI値で割ったもの(高周波CI値/基本波CI値)である。
すなわち、高周波CI値が基本波CI値より大となり、このCI値比が1.0以上となれば、高周波での信号の発振が発生し難くなり、機器等が誤って高調波の信号を拾うおそれが小さくなり、高性能な振動片となる。
このようにCI値比を1.0以上にするためには、高調波のCI値を大きくする必要がある。その方法として、図11における振動腕部12,13の長さ(L)に対して溝12a,13aに形成された励振電極12b,13bの長さ(dl)を半分、すなわち0.5Lにすることが知られている。
図13は、このような基本波CI値とCI値比との関係を示す図である。図13に示すように、基本波CI値は、励振電極12b、13bの長さ(dl)が、振動腕部12,13の長さ(L)に対して短くなればなるほど上昇し、これによりCI値比も上昇する。
【0006】
反対に、励振電極12b、13bの長さ(dl)が、振動腕部12,13の長さ(L)に対して長くなればなるほど、基本波CI値が下降するが、同時にCI値比も1.0に近づく。例えば励振電極12b、13bの長さが(dl)が振動腕部12,13の長さ(L)の60%になるとCI値比は1.0以下となってしまう。
したがって、このように励振電極12b,13bの長さ(dl)を振動腕部12,13の長さ(L)の約半分程度にしている。
このようにすることで、振動片の高調波CI値と基本波CI値が上昇するが、同時に、高調波CI値の方が基本波CI値より、より大きくなるため、両者のCI値の差が広がり、上述のCI値比を1.0以上とすることができるようになる(図13参照)。
したがって、このようにCI値比を1.0以上にすることで、音叉型水晶振動片10を搭載している振動子等が誤って高調波の信号を拾い難くし、高性能で小型の振動片を構成するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のように高調波のCI値を上昇させると、高調波ほどではないが基本波のCI値も大となってしまう。
この基本波においてCI値が大きくなりすぎると、振動片の性能の劣化の原因となってしまう。そのため、上述のCI値比を1.0以上とするため、高調波のCI値を、あまり大きくすることができなかった。
しかし、基本波のCI値が上昇しずぎない程度に高調波のCI値を上げると、上述のCI値比を1.0以上にするのは容易ではないため、どうしても基本波のCI値が必要以上に上昇してしまうという問題があった。
【0008】
また、上述のような小型の音叉型水晶振動片10であっても、近年の電気機器等の装置の小型化の要請に対応するには、更なる小型化が求められている。
この小型化の要請に対応するには、基部11の図11における縦方向の長さ(L1)をより短く形成すれば、全体として振動片10の長さが短くなり、振動片10が小型化され、最も良いのであるが、以下のような問題があった。
すなわち、一般に基部11の長さを振動腕部12,13の長さの40%以上としないと、CI値が安定せず、振動片の性能が劣化してしまうという問題があった。
【0009】
具体的には、図12に示すように振動腕部12,13の厚みをD、振動腕部12,13の幅をW、振動腕部12,13の長さをLとした場合、音叉型水晶振動片10の周波数fは、
f∝W/L2 ・・・・・・・式1
の関係式を満たさなければならない。すなわち、振動片10の振動腕部12,13の長さLを短くすればするほど、振動腕部12,13の幅Wも細くなるという関係になっている。
【0010】
図11に示す音叉型水晶振動片10は、上述のように小型化されているため振動腕部12,13の長さLが例えば、1.644mmと短いため、その幅も例えば0.1mmと極めて細くなっている。さらに振動腕部12,13の厚みDも例えば0.1mmと成っている。
ところで、音叉型水晶振動片10の腕部12,13は、図14(a)に示すように、幅Wが長く厚みDが短ければ、図において矢印Bに示すように通常の水平方向の振動を行うことになる。
しかし、上述にように幅Wが短くなると、図14(b)に示すように、垂直方向の成分(図において矢印Cの方向)を含むようになり、図14(b)において矢印Eで示す方向に振動腕部12,13が振動する。
これは、図15に示す図でも明らかなように垂直振動成分変位量(nm)は、振動腕部12,13の幅W/厚みDが1.2より小さくなると急激に変位量も大きくなるのが分かる。
【0011】
このように振動腕部12,13の振動の垂直成分が増加すると、この振動が振動片10の基部11へと伝わり、振動片10をパッケージ等に固定する基部11の固定領域の接着剤等からエネルギーが逃げてしまうことになる。
このように振動が基部11へ漏れ、基部11の固定領域からエネルギーが逃げると、振動腕部12,13の振動が不安定化し、振動片、素子間のCI値バラツキが大きなものになっていた。
そして、このような振動腕部12,13の振動の漏れや基部11の固定領域からのエネルギーの逃げを防ぐには、上述のように振動腕部12,13の長さLの40%以上の長さを基部11において確保しなければならなかった。したがって、これが振動片10自体の小型化の障害となっていた。
【0012】
本発明は上記問題に鑑み、基本波のCI値を低く抑えながら、CI値比を一定に保持すると共に、基部を短くしても振動片、素子間のCI値バラツキを小さくし、並びに振動片全体も小型化できる振動片、これを有する振動子、この振子を備える発振器及び電子機器を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的は、基部と、この基部から突出して形成されている振動腕部と、前記振動腕部の表面部及び/又は裏面部に溝部が形成されている振動片であって、前記基部に切り込み部が形成されていると共に、前記溝部の一部に電極部が形成されていることを特徴とする振動片により、達成される。
【0014】
前記溝部の一部に電極部が形成されているので、溝部のうち電極部が形成されていない部分を前記振動腕部に形成することになる。
すなわち、前記電極部は、CI値比が一定以上になるような長さで前記溝部に配置される。
一方、CI値の上昇は、前記溝部の長さを前記振動腕部の長さに比べ長く形成することで解消できる。具体的には、前記溝部には、前記電極部が形成されていない部分があるので、この部分の長さを変更することで、CI値の上昇を容易に抑えることができる。
したがって、CI値比とCI値を容易に最適に調整することができる振動片である。
また、前記基部に切り込み部が形成されているので、前記振動腕部が振動する際に、振動の垂直成分が生じても、振動腕部の振動が基部側へ漏れるのを、この切り込み部で緩和することができる。したがって、基部を小型化しながら、振動片、素子間のCI値のバラツキを小さくすることができる。
【0015】
好ましくは、前記振動腕部の表面部及び裏面部に溝部が形成されていると共に、前記振動片のCI(クリスタルインピーダンス)値比(高周波CI値/基本波CI値)が1.0以上になるように前記溝部の一部に電極部が形成されていることを特徴とする振動片である。
前記振動片のCI(クリスタルインピーダンス)値比(高周波CI値/基本波CI値)が1.0以上になるように前記溝部の一部に電極部が形成されているので、この振動片を搭載した機器等において、高周波で発振がしにくくなる。このため、異常信号を発振しない高性能な振動片となる。
【0016】
好ましくは、前記振動腕部の長手方向における前記溝部の一部に形成される電極部の長さが前記振動腕部の長さに対して略45%乃至略55%に形成されていることを特徴とする振動片である。
前記振動腕部の長手方向における前記溝部の一部に形成される電極部の長さが前記振動腕部の長さに対して略45%乃至略55%に形成されているので、図13に示すようにCI値比を1.0以上とすることができる。
したがって、この振動片を搭載した機器等において、高周波で発振がしにくくなる。このため、異常信号を発振しない高性能な振動片となる。
【0017】
好ましくは、前記電極部が励振電極であることを特徴とする振動片である。前記電極部が励振電極であるので、励振電極において、上述のようにCI値及びCI値比を容易に調整することができる。
【0018】
好ましくは、前記基部には、この振動片を固定させるための固定領域が設けられていると共に、前記切り込み部は、この固定領域と前記振動腕部との間の基部に設けられていることを特徴とする振動片である。
前記切り込み部は、この固定領域と前記振動腕部との間の基部に設けられている。したがって、この切り込み部は、前記振動腕部の振動の妨げにならない位置に配置されていると共に、振動漏れが前記固定領域へ伝わり、エネルギーの逃げが生じるのを有効に防止している。このため、振動片、素子間のCI値バラツキを小さくすることができる。
【0019】
好ましくは、前記振動片が略30KHz乃至略40KHzで発振する水晶で形成されている音叉型振動片であることを特徴とする振動片である。
前記振動片が略30KHz乃至略40KHzで発振する水晶で形成されている音叉型振動片に、前記基部に切り込み部が形成されていると共に、前記溝部の一部に電極部が形成されている。
したがって、CI値及びCI値比の調整が容易で、前記音叉型振動片全体も小型化でき、振動片、素子間のCI値バラツキを小さくすることができる。
【0020】
前記目的は、基部と、この基部から突出して形成されている振動腕部と、前記振動腕部の表面部及び/又は裏面部に溝部が形成されている振動片が、パッケージ内に収容されている振動子であって、前記基部に切り込み部が形成されていると共に、前記溝部の一部に電極部が形成されていることを特徴とする振動子により、達成される。
【0021】
前記振動片の前記溝部の一部に電極部が形成されているので、溝部のうち電極部が形成されていない部分を前記振動腕部に形成することになる。
すなわち、前記電極部は、CI値比が一定以上になるような長さで前記溝部に配置される。
一方、CI値の上昇は、前記溝部の長さを前記振動腕部の長さに比べ長く形成することで解消できる。具体的には、前記溝部には、前記電極部が形成されていない部分があるので、この部分の長さを変更することで、CI値の上昇を容易に抑えることができる。
したがって、振動片のCI値比とCI値を容易に最適に調整することができる振動子である。
また、前記振動片の前記基部に切り込み部が形成されているので、前記振動腕部が振動する際に、振動の垂直成分が生じても、振動腕部の振動が基部側へ漏れるのを、この切り込み部で緩和することができる。したがって、基部を小型化しながら、振動片、素子間のCI値バラツキを小さくすることができる振動子である。
【0022】
好ましくは、前記振動腕部の表面部及び裏面部に溝部が形成されていると共に、前記振動片のCI(クリスタルインピーダンス)値比(高周波CI値/基本波CI値)が1.0以上になるように前記溝部の一部に電極部が形成されていることを特徴とする振動子である。
請求項8の構成によれば、前記振動片のCI(クリスタルインピーダンス)値比(高周波CI値/基本波CI値)が1.0以上になるように前記溝部の一部に電極部が形成されているので、この振動片を搭載した機器等において、高周波で発振がしにくくなる。このため、異常信号を発振しない高性能な振動片を有する振動子となる。
【0023】
好ましくは、前記振動腕部の長手方向における前記溝部の一部に形成される電極部の長さが前記振動腕部の長さに対して略45%乃至略55%に形成されていることを特徴とする振動子である。
前記振動片の前記振動腕部の長手方向における前記溝部の一部に形成される電極部の長さが前記振動腕部の長さに対して略45%乃至略55%に形成されているので、図13に示すようにCI値比を1.0以上とすることができる。
したがって、この振動片を搭載した振動子において、高周波で発振がしにくくなるため、異常信号を発振しない高性能な振動片を有する振動子となる。
【0024】
好ましくは、前記電極部が励振電極であることを特徴とする振動子である。
前記振動片の前記電極部が励振電極であるので、励振電極において、上述のようにCI値及びCI値比を容易に調整することができる。
【0025】
好ましくは、前記基部には、この振動片を固定させるための固定領域が設けられていると共に、前記切り込み部は、この固定領域と前記振動腕部との間の基部に設けられていることを特徴とする振動子である。
前記振動片の前記切り込み部は、この固定領域と前記振動腕部との間の基部に設けられている。したがって、この切り込み部は、前記振動腕部の振動の妨げにならない位置に配置されていると共に、振動漏れが前記固定領域へ伝わり、エネルギーの逃げが生じるのを有効に防止している。このため、振動片、素子間のCI値バラツキを小さくした振動子となる。
【0026】
好ましくは、前記振動片が略30KHz乃至略40KHzで発振する水晶で形成されている音叉型振動片であることを特徴とする振動子である。
前記振動片が略30KHz乃至略40KHzで発振する水晶で形成されている音叉型振動片に、前記基部に切り込み部が形成されていると共に、前記溝部の一部に電極部が形成されている。
したがって、CI値及びCI値比の調整が容易で、前記音叉型振動片全体や振動子全体も小型化でき、振動片、素子間のCI値バラツキを小さくすることができる振動子である。
【0027】
好ましくは、前記パッケージが箱状に形成されていることを特徴とする振動子である。
前記パッケージが箱状に形成されている振動子を小型化でき、前記振動片のCI値及びCI値比の調整が容易で、且つ振動片、素子間のCI値バラツキを小さくすることができる。
【0028】
好ましくは、前記パッケージが所謂シリンダータイプに形成されていることを特徴とする振動子である。
前記パッケージが所謂シリンダータイプに形成され、振動子や振動片を小型化でき、前記振動片のCI値及びCI値比を容易に調整でき、且つ振動片、素子間のCI値バラツキを小さくすることができる。
【0029】
前記目的は、基部と、この基部から突出して形成されている振動腕部と、を有する振動片と集積回路がパッケージ内に収容されている発振器であって、前記振動片の前記基部に切り込み部が形成されていると共に、前記振動片の前記溝部の一部に電極部が形成されていることを特徴とする発振器により、達成される。
【0030】
前記振動片の前記溝部の一部に電極部が形成されているので、溝部のうち電極部が形成されていない部分を前記振動腕部に形成することになる。
すなわち、前記電極部は、CI値比が一定以上になるような長さで前記溝部に配置される。
一方、CI値の上昇は、前記溝部の長さを前記振動腕部の長さに比べ長く形成することで解消できる。具体的には、前記溝部には、前記電極部が形成されていない部分があるので、この部分の長さを変更することで、CI値の上昇を容易に抑えることができる。
したがって、振動片のCI値比とCI値を容易に最適に調整することができる発振器である。
また、前記振動片の前記基部に切り込み部が形成されているので、前記振動腕部が振動する際に、振動の垂直成分が生じても、振動腕部の振動が基部側へ漏れるのを、この切り込み部で緩和することができる。したがって、基部を小型化しながら、振動片、素子間のCI値バラツキを小さくすることができる発振器である。
【0031】
前記目的は、基部と、この基部から突出して形成されている振動腕部と、を有する振動片であり、この振動片がパッケージ内に収容されている振動子であり、この振動子を制御部に接続して用いている電子機器であって、前記振動片の前記基部に切り込み部が形成されていると共に、前記振動片の前記溝部の一部に電極部が形成されていることを特徴とする電子機器により、達成される。
【0032】
溝部のうち電極部が形成されていない部分を前記振動腕部に形成することになる。
すなわち、前記電極部は、CI値比が一定以上になるような長さで前記溝部に配置される。
一方、CI値の上昇は、前記溝部の長さを前記振動腕部の長さに比べ長く形成することで解消できる。具体的には、前記溝部には、前記電極部が形成されていない部分があるので、この部分の長さを変更することで、CI値の上昇を容易に抑えることができる。
したがって、振動片のCI値比とCI値を容易に最適に調整することができる振動子を有する電子機器である。
また、前記振動片の前記基部に切り込み部が形成されているので、前記振動腕部が振動する際に、振動の垂直成分が生じても、振動腕部の振動が基部側へ漏れるのを、この切り込み部で緩和することができる。したがって、基部を小型化しながら、振動片、素子間のCI値バラツキを小さくすることができる振動子を有する電子機器である。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0034】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る振動片である音叉型水晶振動片100を示す図である。
音叉型水晶振動片100は、例えば所謂水晶Z板となるように水晶の単結晶を切り出して形成されている。また、図1に示す音叉型水晶振動片100は例えば32.768KHzで信号を発信する振動片であるため、極めて小型の振動片となっている。
このような音叉型水晶振動片100は、図1に示すように、基部110を有している。そして、この基部110から図において上方向に突出するように振動腕部である音叉腕121,122が2本配置されている。
また、この音叉腕121,122の表面と裏面には、溝部123,124が図1に示すように形成されている。この溝部123,124は、図1に示されていない音叉腕121,122の裏面側にも同様に形成されているため、図2に示すように図1のF−F'断面図では、略H型に形成されている。
【0035】
ところで、図1に示す音叉腕121、122に形成されている溝部123,124には、図1及び図2に示すように、電極部である励振電極123a,124aが形成されている。
また、音叉型水晶振動片100の側面には、図2に示すように側面励振電極123b,124bが配置されている。
さらに、音叉型水晶振動片100には、給電等を行う他の電極125も配置されている。
この励振電極123a,124aが溝部123,124に配置され、側面励振電極123b,124bが、側面に配置されているため、励振電極123a,124a及び側面励振電極123b,124bに電圧を印加すると、音叉腕123,124内に効率良く電界が生じ、音叉腕123,124の振動損失が低くCI値(クリスタルインピーダンス又は等価直列抵抗)も低い状態で振動が生じることになる。
このCI値は、具体的には基本波であり、周波数は例えば32kHZとなっている。この基本波のCI値を低く抑えることで高性能な振動片となることになる。
【0036】
ところで、この励振電極123a,124aが配置されている溝部123,124の長さは、図1に示すように音叉腕121,122の長さ(L)に対して、70%の長さである0.7Lに設定されている。
この0.7Lの長さは、図3の基本波CI値と溝長との関係を示す図にあるように、最も基本波CI値が低くなる長さである。
また、このような長さに配置されている溝部123,124の一部には、図1及び2に示すように、励振電極123a,124aが配置されている。
すなわち、この励振電極123a,124aは、溝部123,124の全部にわたって配置されているのではなく、音叉腕121,122の長さ(L)に対して50%の長さとなっている。
【0037】
この割合は、図13に示すように、CI値比(高調波CI値/基本波CI値)が1.0以上となる配置である。このように配置することで、上述のように高調波のCI値が大きくなり、高調波で誤った発振をし難くなるので、音叉型水晶振動片100を搭載する振動子等は基本波の発振を受け易くなる。
上述のように音叉腕121、122が振動すると、基本波の発振のみならず高調波での発振する可能性が発生してしまう。
しかし、本実施の形態によれば、溝部123,124の長さは、基本波のCI値が低下するような長さ(0.7L)に設定し、励振電極123a,124aの長さはCI値比が1.0以上になるような長さ(0.5L)としているので、高調波の発振がし難く、且つ基本波のCI値を低く抑えることができることになる。
すなわち、従来の音叉型水晶振動片10と異なり溝部123,124内全体に励振電極123a,124aを配置せず、溝部123,124に励振電極123a,124aを配置しない部分を設けたので、かかる調整が可能となった。
【0038】
ところで、このように溝部123,124や励振電極123a,124aが配置されている音叉腕121、122の図1における下方には、上述のように基部110が配置されている。
この基部110は、その全体が略板状に形成されている。そして、図において縦方向の長さが、図4に示すように、例えば0.56mmに形成されている。
図4は、図1の音叉型水晶振動片100の大きさ等を示した図である。
図4に示すように、この基部110から突出して配置されている前記音叉腕121,122の図において縦方向の長さは例えば1.644mmに形成されている。
【0039】
したがって、この音叉腕121,122に対する基部110の長さは、約34%となっている。これに対して従来の音叉型水晶振動片10は、図11に示すように基部11の長さ(L1)が0.7mmで腕部12,13の長さ(L)が1.644mmに形成され、基部11の長さは腕部12,13の長さに対して約42.6%となり、40%を超えている。
このように基部11の長さを腕部12,13の長さに対して40%以上の長さになるようにすることで、上述のように腕部12,13の垂直成分の振動により振動漏れが生じ、振動片、素子間のCI値バラツキが大きくなるのを防いでいた。
【0040】
これに対して、本実施の形態の音叉型水晶振動片100の基部110の長さは、音叉腕121,122の長さに対して上述のように34%になるように形成されているので、従来の音叉型水晶振動片10と同様の構成では、音叉腕121,122の垂直成分の振動による振動漏れが生じ、振動片、素子間のCI値バラツキが大きくなる。
しかし、本実施の形態では、図4に示すように基部110の両側に切り込み部126が2箇所設けられている。
この状態を示すのが図5である。図5は図4の基部110の切り込み部126の配置状態を示す概略斜視図である。
図5に示すように切り込み部126は、矩形状に形成されされている。
このような切り込み部126は、図4に示すように基部110の上端部から0.113mm下方から下に向かって形成されている。
【0041】
この切り込み部126の基部110における配置条件を示したのが図6である。
図6において基部110の底面から基部110の上端、具体的には2本の音叉腕121,122の間の股部までの長さをA1とする。
そして、基部110の底面から切り込み部126の上端部までの長さをA2とする。
また、基部110の底面から音叉腕121,122に形成されている溝部123,124の下端部までの長さをA3としたとき、A3の長さは、A2の長さより長くなるように切り込み部126が形成される。
そして、A3の長さはA1の長さと同じか、若しくはA3の長さがA1の長さより長くなるように形成される。したがって、音叉腕121,122の根元より基部110の底面側に前記溝部123,124が形成されないようになっている。
【0042】
以上の関係から、基部110に形成される切り込み部126の位置は、必ず音叉腕121,122の溝部123,124の下端部より下方に配置されることになる。
したがって、この切り込み部126の存在が、音叉腕部121、122の振動
を阻害等することがない。
また、図6で斜線で示す部分は、音叉型水晶振動片100をパッケージにおいて固定する際に実際に固定される固定領域111である。この固定領域111の上端部と、基部110の底面との長さを示したのがA4である。
そして、この固定領域111と切り込み部126との位置関係は、A2の長さが、必ずA4の長さより長くなる。
したがって、切り込み部126の上端部は、必ず固定領域111より図6の上方に配置されるので、切り込み部126が固定領域111に影響を及ぼすことがなく、音叉型水晶振動片100のパッケージに対する固定状態に悪影響を与えることがない。
【0043】
このように、基部110に設けられた切り込み部126は、音叉型水晶振動片100の音叉腕121,122の振動に悪影響を与えることがない位置に設けられている。そして、更に、切り込み部126は、音叉型水晶振動片100のパッケージに対する固定状態に悪影響を与えることがない位置にも設けられている。このような位置に設けられている切り込み部126は、音叉腕121,122の溝部123,124の位置より下方の基部110側に設けられている。このため、音叉腕121,122の垂直成分の振動により、溝部123,124から漏れてきた漏れ振動は、切り込み部126により、基部110の固定領域111に伝わり難くなる。
したがって、漏れ振動が固定領域111に伝わり、エネルギー逃げが生じ難くなり、振動片、素子間のCI値バラツキの増大を有効に防止できることになる。
【0044】
以上のように振動片、素子間のCI値バラツキを小さくすることができるので、従来の音叉型水晶振動片10のように基部11の長さを腕部12,13の長さの40%以上にする必要がない。
本実施の形態では、図1に示すように、音叉型水晶振動片100の基部110の長さは、音叉腕121,122の長さに対して上述のように34%になるように形成されていても、音叉腕121,122の垂直成分の振動による振動漏れが生じ難く、振動片、素子間のCI値バラツキを小さくすることになる。これにより、基部110の長さを短くすることができ、音叉型水晶振動片100の大きさを小型化することができる。
本実施の形態では、基部110の長さが図4に示すように0.56mmとすることができ、従来の音叉型水晶振動片10の図11に示す基部11の長さ(L1)である0.7mmより著しく小さくすることが可能となる。
【0045】
ところで、上述の音叉腕121、122のそれぞれの幅は、図4に示すように0.1mmに形成される。このように音叉腕121,122の腕幅を著しく狭くするのは、上述の式1である「f∝W/L2 」の説明で詳述したように、音叉腕121、122の長さ(L)を短くしたためである。
すなわち、音叉腕121,122の長さを図4に示すように1.644mmと短くするには、上記式1から腕幅は、0.1mmにする必要があり、そのため腕幅を0.1mmとしたものである。
しかし、このように音叉腕121,122の腕幅を0.1mmとすると、CI値が大きくなるおそれがある。
そこで、本実施の形態では、CI値の上昇を抑えるために図1に示すように音叉腕121,122の表面及び裏面に長さ0.7Lの溝部123、124が上述のように設けられ、図3に示すように、CI値が著しく低くなるようになっている。
【0046】
以上のように構成される本実施の形態の音叉型水晶振動片100がパッケージ等内に配置され、電圧が印加されると、音叉腕121,122が振動するが、このとき、音叉腕121,122の腕幅と厚みは、上述のように共に0.1mmに形成されている。
したがって、図14(b)に示すように垂直成分の振動が生じるが、この振動が基部110の切り込み部126で緩和され、エネルギーが基部110の固定領域111から逃げ、振動漏れが生じ、振動片、素子間のCI値バラツキが増大するのを未然に防止することができる。
また、この切り込み部126は音叉腕121,122の振動を阻害せず、且つ基部110の固定領域111の固定に影響を与えない基部110の部分に配置されているため、音叉腕121、122の振動や音叉型水晶振動片100のパッケージに対する固定に悪影響を与えることがない。
【0047】
さらに、基部110の長さを従来の振動片より短くすることができるので、音叉型水晶振動片100の小型化を図ることができ、このような振動片を搭載する振動子等の小型化を可能にするものである。
そして、小型化された音叉型水晶振動片100は、基本波CI値が上述のように極めて低く設定され、CI値比も1.0以上に設定されているので、より精度の高い超小型振動片となる。
【0048】
(第2の実施の形態)
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る振動子であるセラミックパッケージ音叉型振動子200を示す図である。
このセラミックパッケージ音叉型振動子200は、上述の第1の実施の形態の音叉型水晶振動片100を用いている。したがって、音叉型水晶振動片100の構成、作用等については、同一符号を用いて、その説明を省略する。
図7は、セラミックパッケージ音叉型振動子200の構成を示す概略断面図である。図7に示すようにセラミックパッケージ音叉型振動子200は、その内側に空間を有する箱状のパッケージ210を有している。
このパッケージ210には、その底部にベース部211を備えている。このベース部211は、例えばアルミナ等のセラミックス等で形成されている。
【0049】
ベース部211上には、封止部212が設けられており、この封止部212は、ベース部211と同様の材料から形成されている。また、この封止部212の上端部には、蓋体213が載置され、これらベース部211、封止部212及び蓋体213で、中空の箱体を形成することになる。
このように形成されているパッケージ210のベース部211上にはパッケージ側電極214が設けられている。このパッケージ側電極214の上には導電性接着剤等を介して音叉型水晶振動片100の基部110の固定領域111が固定されている。
この音叉型水晶振動片100は、図1に示すように構成されているため、基本波のCI値が低く抑えられていると共に、CI値比が1.0以上に設定されており、更に、小型で振動片、素子間でCI値バラツキが小さい。したがって、この振動片を搭載したセラミックパッケージ音叉型振動子200も小型で振動片、素子間でCI値バラツキが小さい高性能な振動子となる。
【0050】
(第3の実施の形態)
図8は、本発明の第3の実施の形態に係る電子機器であるデジタル携帯電話300を示す概略図である。
このデジタル携帯電話300は、上述の第2の実施の形態のセラミックパッケージ音叉型振動子200と音叉型水晶振動片100とを使用している。
したがって、セラミックパッケージ音叉型振動子200と音叉型水晶振動片100の構成、作用等については、同一符号を用いる等して、その説明を省略する。
図8はデジタル携帯電話300の回路ブロックを示しているが、図8に示すように、デジタル携帯電話300で送信する場合は、使用者が、自己の声をマイクロフォンに入力すると、信号はパルス幅変調・符号化のブロックと変調器/復調器のブロックを経てトランスミッター、アンテナスイッチを開始アンテナから送信されることになる。
【0051】
一方、他人の電話から送信された信号は、アンテナで受信され、アンテナスイッチ、受信フィルターを経て、レシーバーから変調器/復調器ブロックに入力される。そして、変調又は復調された信号がパルス幅変調・符号化のブロックを経てスピーカーに声として出力されるようになっている。
このうち、アンテナスイッチや変調器/復調器ブロック等を制御するためのコントローラが設けられている。
このコントローラは、上述の他に表示部であるLCDや数字等の入力部であるキー、更にはRAMやROM等も制御するため、高精度であることが求められる。また、デジタル携帯電話300の小型化の要請もある。
このような要請に合致するものとして上述のセラミックパッケージ音叉振動子200が用いられている。
【0052】
このセラミックパッケージ音叉型振動子200は、図1に示す音叉型水晶振動片100を有するため、CI値が低く、CI値比も1.0以上の設定され、且つ振動片、素子間でCI値バラツキが小さく高精度となると共に、小型となる。したがって、このセラミックパッケージ音叉型振動子200を搭載したデジタル携帯電話300も小型で振動片、素子間でCI値バラツキが小さい高性能なデジタル携帯電話となる。
【0053】
(第4の実施の形態)
図9は、本発明の第4の実施の形態に係る発振器である音叉水晶発振器400を示す図である。
このデジタル音叉水晶発振器400は、上述の第2の実施の形態のセラミックパケージ音叉型振動子200と多くの部分で構成が共通している。したがって、セラミックパケージ音叉型振動子200と音叉型水晶振動片100の構成、作用等については、同一符号を用いて、その説明を省略する。
【0054】
図9に示す音叉型水晶発振器400は、図9に示すセラミックパッケージ音叉振動子200の音叉型水晶振動片100の下方で、ベース部211の上に、図10に示すように集積回路410を配置したものである。
すなわち、音叉水晶発振器400では、その内部に配置された音叉型水晶振動片100が振動すると、その振動は、集積回路410に入力され、その後、所定の周波数信号を取り出すことで、発振器として機能することになる。
すなわち、音叉水晶発振器400に収容されている音叉型水晶振動片100は、図1に示すように構成されているため、CI値が低く抑えられ、CI値比も1.0以上に設定されると共に、小型で振動片、素子間でCI値バラツキが小さいので、この振動片を搭載したデジタル音叉水晶発振器400も小型で振動片、素子間でCI値バラツキが小さい高性能な発振器となる。
【0055】
(第5の実施の形態)
図10は、本発明に第5の実施の形態に係る振動子であるシリンダータイプ音叉振動子500を示す図である。
このシリンダータイプ音叉振動子500は、上述の第1の実施の形態の音叉型水晶振動片100を使用している。したがって、音叉型水晶振動片100の構成、作用等については、同一符号を用いる等して、その説明を省略する。
図10は、シリンダータイプ音叉振動子500の構成を示す概略図である。
図10に示すようにシリンダータイプ音叉振動子500は、その内部に音叉型水晶振動片100を収容するための金属製のキャップ530を有している。このキャップ530は、ステム520に対して圧入され、その内部が真空状態に保持されるようになっている。
【0056】
また、キャップ530に収容された略H型の音叉型水晶振動片100を保持するためのリード510が2本配置されている。
このようなシリンダータイプ音叉振動子500に外部より電流等を印加すると音叉型水晶振動片100の音叉腕121,122が振動し、振動子として機能することになる。
このとき、音叉型水晶振動片100は、図1に示すように構成されているため、CI値が低く抑えられ、CI値比も1.0以上に設定され、さらに、小型で振動片、素子間でCI値バラツキが小さいので、この振動片を搭載したシリンダータイプ音叉振動子500も小型で、振動片、素子間でCI値バラツキが小さい高性能な振動子となる。
【0057】
また、上述の各実施の形態では、32.738kHの音叉型水晶振動子を例に説明したが、15kH乃至155kHの音叉型水晶振動子に適用できることは明らかである。
なお、上述の実施の形態に係る音叉型水晶振動片100は、上述の例のみならず、他の電子機器、携帯情報端末、さらに、テレビジョン、ビデオ機器、所謂ラジカセ、パーソナルコンピュータ等の時計内蔵機器及び時計にも用いられることは明らかである。
さらに、本発明は、上記実施の形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。そして、上記実施の形態の構成は、その一部を省略したり、上述していない他の任意の組み合わせに変更することができる。
【0058】
本実施の形態に係る音叉型水晶振動片100は、以上のように構成されるが、以下、その製造方法等について説明する。
先ず、水晶基板をエッチング等することで、図16の電極が形成されていない状態の音叉型水晶振動片が形成される。その後、この音叉型水晶振動片に電極を形成する。
以下、電極の形成工程を音叉腕120,130を中心に説明する。また、音叉腕130は音叉腕120と同様のため、以下の説明は、音叉腕120の説明のみとする。図18は電極形成工程を示す概略フローチャートである。図19は、音叉腕120に電極が形成される工程を示す概略図である。
【0059】
先ず、図19(a)は、上記エッチングにより外形が形成された状態の音叉型水晶振動片の音叉腕120の図16のB−B’線概略断面図である。
図19(a)に示すように、音叉腕120の表面120e及び裏面120fには、溝部120a、120aが形成される(溝部形成工程)。
このような音叉腕120等を含む振動片全体にスパッタ等により金属膜である電極膜150を形成する(金属膜形成工程、図18のST1)。
この状態を示したのが図19(b)である。図19に示す電極膜150は、下層がCrで厚みが例えば100Å乃至1000Åで形成される。そして、上層がAuで厚みが例えば500Å乃至1000Åで形成されている。
【0060】
このように表面全体に電極膜150を形成した後、図18のST2に示すようにフォトレジストを霧状に噴霧して電極膜150の上の全面に塗布する。すなわち、図19(c)に示すようにフォトレジスト膜151を形成する(フォトレジスト層形成工程)。
このフォトレジストは紫外光に感光感度を持つ樹脂をベースとした化合物であり、流動性を有するため、例えばスプレーにより霧状に噴霧して塗布される。
また、フォトレジスト膜151の厚みは、例えば1μm乃至6μmとなっている。
【0061】
次に、図18のST3に示すようにフォトレジストパターン形成を行う。すなわち、図16の電極形成部分(斜線部分)を除く部分を覆うような図示しないマスクを介して紫外線をフォトレジスト膜151に照射して(露光)、現像液で取り除き、加熱工程等を経てフォトレジスト膜151を固化させる。
これにより、図16の電極形成部分(斜線部分)に対応する形状のフォトレジストパターン152が形成される。
【0062】
このとき、フォトレジストパターン152は、図16及び図17の短絡防止用間隔W1、具体的は例えば15μmの幅でフォトレスト膜151が形成されていない部分ができる。
ところで、フォトレジストは、上述のように電極膜150上に塗布されるが、図19(a)の音叉腕120の角部であるエッジ部分(図における矢印E)をカバーするように塗布する必要がある。このとき、塗布するフォトレジストが粒子状になっていた方がエッジ部分Eのカバーが良い。
しかしながらフォトレジストをこのように粒子状のものを含んだ状態で塗布すると、フォトレジスト現像後のフォトレジストパターン152の外形は正確な略直線ではなく、粒子の外形に沿った略波線に形成されてしまう。
このようにフォトレジストパターン152の外形線が、不均一であると前記短絡防止用間隔W1が15μmという微細な間隔を形成する場合、部分的に間隔が保持されないおそれがある。
間隔が保持されていない部分は、エッチングされない部分となってしまうため、電極同士の短絡等のおそれがある。
【0063】
そのため、本実施の形態では、図18のST4に示すようにレーザ照射を行う(パターン形状調整工程)。具体的には、前記フォトレジストパターン152の一部の形状である図16の音叉腕120の腕表面120eの短絡防止用間隔W1について行われる。
すなわち、図20(a)に示すように、フォトレジストパターン152の外形線が不均一となり、このフォトレジストパターンをマスクとしてエッチングした場合、形成される溝電極120bと側面電極120dとが短絡等を生じないように、短絡防止用間隔W1が例えば15μm確保できるようにフォトレジストパターン152の外形がレーザによって調整される。
【0064】
このレーザは、例えば、YAGレーザ等が用いられ、特にYAGレーザの3倍高調波を用いるとフォトレジストパターン152の外形をより正確に調整することができる。
このようにフォトレジストパターン152を形成してからレーザを照射するので、特にフォトレジストの感光を防止するイエロールーム内でレーザを照射する必要がないので製造コストを低減することができる。
また、レーザの照射は、図20(a)(b)に示すように音叉腕120の腕表面120eの短絡防止用間隔W1と腕裏面120fの短絡防止用間隔W1とを格別に行う。
【0065】
しかし、これに限らず図20(c)に示すように腕表面120e及び腕裏面の120fの双方を同時にレーザによって加工することもできる。
この場合、生産工程を減らすことができるので生産コストも下げることができる
【0066】
このようにフォトレジストパターン152がレーザによって正確に形成された後、図18のST5のエッチング工程となる(電極膜形成工程)。
具体的には、上述のフォトレジストパターン152をマスクとして電極膜150をエッチングにより除去する。
図21(a)は、エッチングにより電極膜150が除去された状態を示す図である。図21(a)に示すように本実施の形態の製造方法によれば、短絡防止用間隔W1を正確に確保することができる。
【0067】
次に、図18のST6のレジスト剥離工程でフォトレジストパターン152を除去すれば、図21(b)に示すように溝電極120b、側面電極120dが正確に形成されることになる(フォトレジストパターン剥離工程)。
このとき、上述のレーザ照射工程(ST3)の図17に示すレーザ照射で電極膜150の一部が溶解し、この溶解した電極膜150の一部がレジストパターン152と共に除去されるので、より正確に短絡防止用間隔W1を形成することができる。
そして、このとき、音叉型水晶振動片100全体については、図16に示すように基部電極140a等が所定の形状で形成され、音叉型水晶振動片100の電極配置が終了する。
このようにして製造された音叉型水晶振動片100は、音叉腕120、130の腕表面120e、130e及び腕裏面120f、130fの短絡防止用間隔W1が例えば15μmに正確保持され、溝電極120b、130bと側面電極120d、130dとが短絡等することを有効に防止することができ、不良が生じにくい音叉型水晶振動片となる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基本波のCI値を低く抑えながら、CI値比を一定に保持すると共に、基部を短くしても、振動片、素子間のCI値バラツキを小さくし、並びに振動片全体も小型化できる振動片、これを有する振動子、この振動子を備える発振器及び電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る音叉型水晶振動片の概略図である。
【図2】図1のF−F'線断面図である。
【図3】基本波CI値と溝長との関係を示す図である。
【図4】図1の音叉型水晶振動片の寸法を示す図である。
【図5】図4の基部の切り込み部の構成を示す概略斜視図である。
【図6】図4の音叉型水晶振動子の説明図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るセラミックパッケージ音叉型振動子の構成を示す概略断面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係るデジタル携帯電話の回路ブロックを示す概略図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る音叉水晶発振器の構成を示す概略断面図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態に係るシリンダータイプ音叉振動子の構成を示す概略断面図である。
【図11】従来の音叉型水晶振動片を示す概略図である。
【図12】図11のA−A'線概略断面図である。
【図13】基本波CI値とCI値比との関係を示す図である。
【図14】(a)振動腕部の振動の説明図である。(b)振動腕部の振動の他の説明図である。
【図15】振動腕部と垂直振動成分変位量との関係を示す図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態に係る振動片の製造方法で製造された音叉型水晶振動片100を示す概略図である。
【図17】図16のB−B’線概略断面図である。
【図18】電極形成工程を示す概略フローチャートである。
【図19】音叉腕に電極が形成される工程を示す概略図である。
【図20】音叉腕に電極が形成される他の工程を示す概略図である。
【図21】音叉腕に電極が形成される他の工程を示す概略図である。
【符号の説明】
100・・・音叉型水晶振動片
110・・・基部
111・・・固定領域
121、122・・・音叉腕
123,124・・・溝部
123a,124a・・・励振電極
123b,124b・・・側面励振電極
125・・・他の電極
126・・・切り込み部
200・・・セラミックパッケージ音叉振動子
210・・・パッケージ
211・・・ベース部
212・・・封止部
213・・・蓋体
214・・・パッケージ側電極
300・・・デジタル携帯電話
400・・・音叉水晶発振器
410・・・集積回路
500・・・シリンダータイプ音叉振動子
510・・・リード
520・・・ステム
530・・・キャップ

Claims (16)

  1. 基部と、この基部から突出して形成されている振動腕部と、前記振動腕部の表面部及び/又は裏面部に溝部が形成されている振動片であって、
    前記基部に切り込み部が形成されていると共に、前記溝部において、電極部が形成された部分と電極部が形成されていない部分とを有することを特徴とする振動片。
  2. 前記振動腕部の表面部及び裏面部に溝部が形成されていると共に、前記振動片のCI(クリスタルインピーダンス)値比(高周波CI値/基本波CI値)が1.0以上になるように前記溝部の一部に電極部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の振動片。
  3. 前記振動腕部の長手方向における前記溝部の一部に形成される電極部の長さが前記振動腕部の長さに対して45%乃至55%に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の振動片。
  4. 前記電極部が励振電極であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の振動片。
  5. 前記基部には、この振動片を固定させるための固定領域が設けられていると共に、前記切り込み部は、この固定領域と前記振動腕部との間の基部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の振動片。
  6. 前記振動片が30KHz乃至40KHzで発振する水晶で形成されている音叉型振動片であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の振動片。
  7. 基部と、この基部から突出して形成されている振動腕部と、前記振動腕部の表面部及び/又は裏面部に溝部が形成されている振動片が、パッケージ内に収容されている振動子であって、前記基部に切り込み部が形成されていると共に、前記溝部において、電極部が形成された部分と電極部が形成されていない部分とを有することを特徴とする振動子。
  8. 前記振動腕部の表面部及び裏面部に溝部が形成されていると共に、前記振動片のCI(クリスタルインピーダンス)値比(高周波CI値/基本波CI値)が1.0以上になるように前記溝部の一部に電極部が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の振動子。
  9. 前記振動腕部の長手方向における前記溝部の一部に形成される電極部の長さが前記振動腕部の長さに対して45%乃至55%に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の振動子。
  10. 前記電極部が励振電極であることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれかに記載の振動子。
  11. 前記基部には、この振動片を固定させるための固定領域が設けられていると共に、前記切り込み部は、この固定領域と前記振動腕部との間の基部に設けられていることを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれかに記載の振動子。
  12. 前記振動片が30KHz乃至40KHzで発振する水晶で形成されている音叉型振動片であることを特徴とする請求項7乃至請求項11のいずれかに記載の振動子。
  13. 前記パッケージが箱状に形成されていることを特徴とする請求項7乃至請求項12のいずれかに記載に振動子。
  14. 前記パッケージが所謂シリンダータイプに形成されていることを特徴とする請求項7乃至請求項12のいずれかに記載の振動子。
  15. 基部と、この基部から突出して形成されている振動腕部と、を有する振動片と集積回路がパッケージ内に収容されている発振器であって、
    前記振動片の前記基部に切り込み部が形成されていると共に、前記溝部において、電極部が形成された部分と電極部が形成されていない部分とを有することを特徴とする発振器。
  16. 基部と、この基部から突出して形成されている振動腕部と、を有する振動片であり、この振動片がパッケージ内に収容されている振動子であり、
    この振動子を制御部に接続して用いている電子機器であって、前記振動片の前記基部に切り込み部が形成されていると共に、前記溝部において、電極部が形成された部分と電極部が形成されていない部分とを有することを特徴とする電子機器。
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