JP2002280870A - 振動片、振動子、発振器及び電子機器 - Google Patents
振動片、振動子、発振器及び電子機器Info
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Landscapes
- Oscillators With Electromechanical Resonators (AREA)
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Abstract
を一定に保持すると共に、基部を短くしても、振動片、
素子間のCI値バラツキを小さくし、並びに振動片全体
も小型化できる振動片、これを有する振動子、この振動
子を備える発振器及び電子機器を提供すること。 【解決手段】 基部110と、この基部から突出して形
成されている振動腕部121,122と、前記振動腕部
の表面部及び/又は裏面部に溝部123,124が形成
されている振動片であって、前記基部に切り込み部12
6が形成されていると共に、前記溝部の一部に電極部1
23a,124aが形成され、前記振動腕部の側面の一
部にも電極部123b,124bが形成されていること
で振動片100を構成する。
Description
この振動片を有する振動子、この振動子を備える発振器
や電子機器に関する。
は、例えば図11に示すように構成されている。すなわ
ち、音叉型水晶振動片10は、基部11と、この基部1
1から突出して形成されている2本の振動腕部12,1
3を有している。そして、この2本の振動腕部12,1
3には、図12に示すように、溝12a,13aが表面
及び裏面に形成されている。図12は、図11のA−
A'線断面図であり、この図12に示すように振動腕部
12,13は、この溝12a.13aにより、その断面
が略H型に形成されている。さらに、このような溝12
a,13aには、この振動腕部12,13を振動させる
ための励振電極12b,13bが、それぞれ図12に示
すように形成されている。また、図12に示すように、
振動腕部12,13の側面にも側面励振電極12c,1
3cが形成されている。
は、振動片の大きさを小型化しても溝12a、13b内
に励振電極12b、13bを備えているので、腕部1
2,13の振動損失が低くCI値(クリスタルインピー
ダンス又は等価直列抵抗)も低く抑えることができると
いう特性を有する。このため、略H型の音叉型水晶振動
片10は、例えば特に小型でも高精度な性能が求められ
る振動子に適用されている。このような音叉型水晶振動
片10は、その振動により基本波の周波数で信号を発振
するようになっているが、同時に高調波の周波数でも同
様の信号を発振してしまう特性を有している。そして、
この高調波の信号を振動子等の機器が基本波の周波数の
信号と間違えて拾ってしまうと、機器に異常をもたらす
おそれがある。
として、CI値比を基準に設計する方法がある。このC
I値比は、高周波のCI値を基本波CI値で割ったもの
(高周波CI値/基本波CI値)である。すなわち、高
周波CI値が基本波CI値より大となり、このCI値比
が1.0以上となれば、高周波での信号の発振が発生し
難くなり、機器等が誤って高調波の信号を拾うおそれが
小さくなり、高性能な振動片となる。このようにCI値
比を1.0以上にするためには、高調波のCI値を大き
くする必要がある。その方法として、図11における振
動腕部12,13の長さ(L)に対して溝12a,13
aに形成された励振電極12b,13bの長さ(dl)
を半分、すなわち0.5Lにすることが知られている。
図13は、このような基本波CI値とCI値比との関係
を示す図である。図13に示すように、基本波CI値
は、励振電極12b、13bの長さ(dl)が、振動腕
部12,13の長さ(L)に対して短くなればなるほど
上昇し、これによりCI値比も上昇する。
(dl)が、振動腕部12,13の長さ(L)に対して
長くなればなるほど、基本波CI値が下降するが、同時
にCI値比も1.0に近づく。例えば励振電極12b、
13bの長さが(dl)が振動腕部12,13の長さ
(L)の60%になるとCI値比は1.0以下となって
しまう。したがって、このように励振電極12b,13
bの長さ(dl)を振動腕部12,13の長さ(L)の
約半分程度にしている。このようにすることで、振動片
の高調波CI値と基本波CI値が上昇するが、同時に、
高調波CI値の方が基本波CI値より、より大きくなる
ため、両者のCI値の差が広がり、上述のCI値比を
1.0以上とすることができるようになる(図13参
照)。したがって、このようにCI値比を1.0以上に
することで、音叉型水晶振動片10を搭載している振動
子等が誤って高調波の信号を拾い難くし、高性能で小型
の振動片を構成するようにしている。
に高調波のCI値を上昇させると、高調波ほどではない
が基本波のCI値も大となってしまう。この基本波にお
いてCI値が大きくなりすぎると、振動片の性能の劣化
の原因となってしまう。そのため、上述のCI値比を
1.0以上とするため、高調波のCI値を、あまり大き
くすることができなかった。しかし、基本波のCI値が
上昇しずぎない程度に高調波のCI値を上げると、上述
のCI値比を1.0以上にするのは容易ではないため、
どうしても基本波のCI値が必要以上に上昇してしまう
という問題があった。
片10であっても、近年の電気機器等の装置の小型化の
要請に対応するには、更なる小型化が求められている。
この小型化の要請に対応するには、基部11の図11に
おける縦方向の長さ(L1)をより短く形成すれば、全
体として振動片10の長さが短くなり、振動片10が小
型化され、最も良いのであるが、以下のような問題があ
った。すなわち、一般に基部11の長さを振動腕部1
2,13の長さの40%以上としないと、CI値が安定
せず、振動片の性能が劣化してしまうという問題があっ
た。
12,13の厚みをD、振動腕部12,13の幅をW、
振動腕部12,13の長さをLとした場合、音叉型水晶
振動片10の周波数fは、 f∝W/L2 ・・・・・・・式1 の関係式を満たさなければならない。すなわち、振動片
10の振動腕部12,13の長さLを短くすればするほ
ど、振動腕部12,13の幅Wも細くなるという関係に
なっている。
述のように小型化されているため振動腕部12,13の
長さLが例えば、1.644mmと短いため、その幅も
例えば0.1mmと極めて細くなっている。さらに振動
腕部12,13の厚みDも例えば0.1mmと成ってい
る。ところで、音叉型水晶振動片10の腕部12,13
は、図13(a)に示すように、幅Wが長く厚みDが短
ければ、図において矢印Bに示すように通常の水平方向
の振動を行うことになる。しかし、上述にように幅Wが
短くなると、図14(b)に示すように、垂直方向の成
分(図において矢印Cの方向)を含むようになり、図1
4(b)において矢印Eで示す方向に振動腕部12,1
3が振動する。これは、図15に示す図でも明らかなよ
うに垂直振動成分変位量(nm)は、振動腕部12,1
3の幅W/厚みDが1.2より小さくなると急激に変位
量も大きくなるのが分かる。
直成分が増加すると、この振動が振動片10の基部11
へと伝わり、振動片10をパッケージ等に固定する基部
11の固定領域の接着剤等からエネルギーが逃げてしま
うことになる。このように振動が基部11へ漏れ、基部
11の固定領域からエネルギーが逃げると、振動腕部1
2,13の振動が不安定化し、振動片、素子間のCI値
バラツキが大きなものになっていた。そして、このよう
な振動腕部12,13の振動の漏れや基部11の固定領
域からのエネルギーの逃げを防ぐには、上述のように振
動腕部12,13の長さLの40%以上の長さを基部1
1において確保しなければならなかった。したがって、
これが振動片10自体の小型化の障害となっていた。
を低く抑えながら、CI値比を一定に保持すると共に、
基部を短くしても振動片、素子間のCI値バラツキを小
さくし、並びに振動片全体も小型化できる振動片、これ
を有する振動子、この振子を備える発振器及び電子機器
を提供することを目的とする。
の基部から突出して形成されている振動腕部と、前記振
動腕部の表面部及び/又は裏面部に溝部が形成されてい
る振動片であって、前記基部に切り込み部が形成されて
いると共に、前記溝部の一部に電極部が形成されている
ことを特徴とする振動片により、達成される。
ので、溝部のうち電極部が形成されていない部分を前記
振動腕部に形成することになる。すなわち、前記電極部
は、CI値比が一定以上になるような長さで前記溝部に
配置される。一方、CI値の上昇は、前記溝部の長さを
前記振動腕部の長さに比べ長く形成することで解消でき
る。具体的には、前記溝部には、前記電極部が形成され
ていない部分があるので、この部分の長さを変更するこ
とで、CI値の上昇を容易に抑えることができる。した
がって、CI値比とCI値を容易に最適に調整すること
ができる振動片である。また、前記基部に切り込み部が
形成されているので、前記振動腕部が振動する際に、振
動の垂直成分が生じても、振動腕部の振動が基部側へ漏
れるのを、この切り込み部で緩和することができる。し
たがって、基部を小型化しながら、振動片、素子間のC
I値のバラツキを小さくすることができる。
面部に溝部が形成されていると共に、前記振動片のCI
(クリスタルインピーダンス)値比(高周波CI値/基
本波CI値)が1.0以上になるように前記溝部の一部
に電極部が形成されていることを特徴とする振動片であ
る。前記振動片のCI(クリスタルインピーダンス)値
比(高周波CI値/基本波CI値)が1.0以上になる
ように前記溝部の一部に電極部が形成されているので、
この振動片を搭載した機器等において、高周波で発振が
しにくくなる。このため、異常信号を発振しない高性能
な振動片となる。
ける前記溝部の一部に形成される電極部の長さが前記振
動腕部の長さに対して略45%乃至略55%に形成され
ていることを特徴とする振動片である。前記振動腕部の
長手方向における前記溝部の一部に形成される電極部の
長さが前記振動腕部の長さに対して略45%乃至略55
%に形成されているので、図13に示すようにCI値比
を1.0以上とすることができる。したがって、この振
動片を搭載した機器等において、高周波で発振がしにく
くなる。このため、異常信号を発振しない高性能な振動
片となる。
ことを特徴とする振動片である。前記電極部が励振電極
であるので、励振電極において、上述のようにCI値及
びCI値比を容易に調整することができる。
固定させるための固定領域が設けられていると共に、前
記切り込み部は、この固定領域と前記振動腕部との間の
基部に設けられていることを特徴とする振動片である。
前記切り込み部は、この固定領域と前記振動腕部との間
の基部に設けられている。したがって、この切り込み部
は、前記振動腕部の振動の妨げにならない位置に配置さ
れていると共に、振動漏れが前記固定領域へ伝わり、エ
ネルギーの逃げが生じるのを有効に防止している。この
ため、振動片、素子間のCI値バラツキを小さくするこ
とができる。
至略40KHzで発振する水晶で形成されている音叉型
振動片であることを特徴とする振動片である。前記振動
片が略30KHz乃至略40KHzで発振する水晶で形
成されている音叉型振動片に、前記基部に切り込み部が
形成されていると共に、前記溝部の一部に電極部が形成
されている。したがって、CI値及びCI値比の調整が
容易で、前記音叉型振動片全体も小型化でき、振動片、
素子間のCI値バラツキを小さくすることができる。
て形成されている振動腕部と、前記振動腕部の表面部及
び/又は裏面部に溝部が形成されている振動片が、パッ
ケージ内に収容されている振動子であって、前記基部に
切り込み部が形成されていると共に、前記溝部の一部に
電極部が形成されていることを特徴とする振動子によ
り、達成される。
成されているので、溝部のうち電極部が形成されていな
い部分を前記振動腕部に形成することになる。すなわ
ち、前記電極部は、CI値比が一定以上になるような長
さで前記溝部に配置される。一方、CI値の上昇は、前
記溝部の長さを前記振動腕部の長さに比べ長く形成する
ことで解消できる。具体的には、前記溝部には、前記電
極部が形成されていない部分があるので、この部分の長
さを変更することで、CI値の上昇を容易に抑えること
ができる。したがって、振動片のCI値比とCI値を容
易に最適に調整することができる振動子である。また、
前記振動片の前記基部に切り込み部が形成されているの
で、前記振動腕部が振動する際に、振動の垂直成分が生
じても、振動腕部の振動が基部側へ漏れるのを、この切
り込み部で緩和することができる。したがって、基部を
小型化しながら、振動片、素子間のCI値バラツキを小
さくすることができる振動子である。
面部に溝部が形成されていると共に、前記振動片のCI
(クリスタルインピーダンス)値比(高周波CI値/基
本波CI値)が1.0以上になるように前記溝部の一部
に電極部が形成されていることを特徴とする振動子であ
る。請求項8の構成によれば、前記振動片のCI(クリ
スタルインピーダンス)値比(高周波CI値/基本波C
I値)が1.0以上になるように前記溝部の一部に電極
部が形成されているので、この振動片を搭載した機器等
において、高周波で発振がしにくくなる。このため、異
常信号を発振しない高性能な振動片を有する振動子とな
る。
ける前記溝部の一部に形成される電極部の長さが前記振
動腕部の長さに対して略45%乃至略55%に形成され
ていることを特徴とする振動子である。前記振動片の前
記振動腕部の長手方向における前記溝部の一部に形成さ
れる電極部の長さが前記振動腕部の長さに対して略45
%乃至略55%に形成されているので、図13に示すよ
うにCI値比を1.0以上とすることができる。したが
って、この振動片を搭載した振動子において、高周波で
発振がしにくくなるため、異常信号を発振しない高性能
な振動片を有する振動子となる。
ことを特徴とする振動子である。前記振動片の前記電極
部が励振電極であるので、励振電極において、上述のよ
うにCI値及びCI値比を容易に調整することができ
る。
固定させるための固定領域が設けられていると共に、前
記切り込み部は、この固定領域と前記振動腕部との間の
基部に設けられていることを特徴とする振動子である。
前記振動片の前記切り込み部は、この固定領域と前記振
動腕部との間の基部に設けられている。したがって、こ
の切り込み部は、前記振動腕部の振動の妨げにならない
位置に配置されていると共に、振動漏れが前記固定領域
へ伝わり、エネルギーの逃げが生じるのを有効に防止し
ている。このため、振動片、素子間のCI値バラツキを
小さくした振動子となる。
至略40KHzで発振する水晶で形成されている音叉型
振動片であることを特徴とする振動子である。前記振動
片が略30KHz乃至略40KHzで発振する水晶で形
成されている音叉型振動片に、前記基部に切り込み部が
形成されていると共に、前記溝部の一部に電極部が形成
されている。したがって、CI値及びCI値比の調整が
容易で、前記音叉型振動片全体や振動子全体も小型化で
き、振動片、素子間のCI値バラツキを小さくすること
ができる振動子である。
されていることを特徴とする振動子である。前記パッケ
ージが箱状に形成されている振動子を小型化でき、前記
振動片のCI値及びCI値比の調整が容易で、且つ振動
片、素子間のCI値バラツキを小さくすることができ
る。
ダータイプに形成されていることを特徴とする振動子で
ある。前記パッケージが所謂シリンダータイプに形成さ
れ、振動子や振動片を小型化でき、前記振動片のCI値
及びCI値比を容易に調整でき、且つ振動片、素子間の
CI値バラツキを小さくすることができる。
て形成されている振動腕部と、を有する振動片と集積回
路がパッケージ内に収容されている発振器であって、前
記振動片の前記基部に切り込み部が形成されていると共
に、前記振動片の前記溝部の一部に電極部が形成されて
いることを特徴とする発振器により、達成される。
成されているので、溝部のうち電極部が形成されていな
い部分を前記振動腕部に形成することになる。すなわ
ち、前記電極部は、CI値比が一定以上になるような長
さで前記溝部に配置される。一方、CI値の上昇は、前
記溝部の長さを前記振動腕部の長さに比べ長く形成する
ことで解消できる。具体的には、前記溝部には、前記電
極部が形成されていない部分があるので、この部分の長
さを変更することで、CI値の上昇を容易に抑えること
ができる。したがって、振動片のCI値比とCI値を容
易に最適に調整することができる発振器である。また、
前記振動片の前記基部に切り込み部が形成されているの
で、前記振動腕部が振動する際に、振動の垂直成分が生
じても、振動腕部の振動が基部側へ漏れるのを、この切
り込み部で緩和することができる。したがって、基部を
小型化しながら、振動片、素子間のCI値バラツキを小
さくすることができる発振器である。
て形成されている振動腕部と、を有する振動片であり、
この振動片がパッケージ内に収容されている振動子であ
り、この振動子を制御部に接続して用いている電子機器
であって、前記振動片の前記基部に切り込み部が形成さ
れていると共に、前記振動片の前記溝部の一部に電極部
が形成されていることを特徴とする電子機器により、達
成される。
を前記振動腕部に形成することになる。すなわち、前記
電極部は、CI値比が一定以上になるような長さで前記
溝部に配置される。一方、CI値の上昇は、前記溝部の
長さを前記振動腕部の長さに比べ長く形成することで解
消できる。具体的には、前記溝部には、前記電極部が形
成されていない部分があるので、この部分の長さを変更
することで、CI値の上昇を容易に抑えることができ
る。したがって、振動片のCI値比とCI値を容易に最
適に調整することができる振動子を有する電子機器であ
る。また、前記振動片の前記基部に切り込み部が形成さ
れているので、前記振動腕部が振動する際に、振動の垂
直成分が生じても、振動腕部の振動が基部側へ漏れるの
を、この切り込み部で緩和することができる。したがっ
て、基部を小型化しながら、振動片、素子間のCI値バ
ラツキを小さくすることができる振動子を有する電子機
器である。
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、
技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明
の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨
の記載がない限り、これらの形態に限られるものではな
い。
1の実施の形態に係る振動片である音叉型水晶振動片1
00を示す図である。音叉型水晶振動片100は、例え
ば所謂水晶Z板となるように水晶の単結晶を切り出して
形成されている。また、図1に示す音叉型水晶振動片1
00は例えば32.768KHzで信号を発信する振動
片であるため、極めて小型の振動片となっている。この
ような音叉型水晶振動片100は、図1に示すように、
基部110を有している。そして、この基部110から
図において上方向に突出するように振動腕部である音叉
腕121,122が2本配置されている。また、この音
叉腕121,122の表面と裏面には、溝部123,1
24が図1に示すように形成されている。この溝部12
3,124は、図1に示されていない音叉腕121,1
22の裏面側にも同様に形成されているため、図2に示
すように図1のF−F'断面図では、略H型に形成され
ている。
2に形成されている溝部123,124には、図1及び
図2に示すように、電極部である励振電極123a,1
24aが形成されている。また、音叉型水晶振動片10
0の側面には、図2に示すように側面励振電極123
b,124bが配置されている。さらに、音叉型水晶振
動片100には、給電等を行う他の電極125も配置さ
れている。この励振電極123a,124aが溝部12
3,124に配置され、側面励振電極123b,124
bが、側面に配置されているため、励振電極123a,
124a及び側面励振電極123b,124bに電圧を
印加すると、音叉腕123,124内に効率良く電界が
生じ、音叉腕123,124の振動損失が低くCI値
(クリスタルインピーダンス又は等価直列抵抗)も低い
状態で振動が生じることになる。このCI値は、具体的
には基本波であり、周波数は例えば32kHZとなって
いる。この基本波のCI値を低く抑えることで高性能な
振動片となることになる。
aが配置されている溝部123,124の長さは、図1
に示すように音叉腕121,122の長さ(L)に対し
て、70%の長さである0.7Lに設定されている。こ
の0.7Lの長さは、図3の基本波CI値と溝長との関
係を示す図にあるように、最も基本波CI値が低くなる
長さである。また、このような長さに配置されている溝
部123,124の一部には、図1及び2に示すよう
に、励振電極123a,124aが配置されている。す
なわち、この励振電極123a,124aは、溝部12
3,124の全部にわたって配置されているのではな
く、音叉腕121,122の長さ(L)に対して50%
の長さとなっている。
比(高調波CI値/基本波CI値)が1.0以上となる
配置である。このように配置することで、上述のように
高調波のCI値が大きくなり、高調波で誤った発振をし
難くなるので、音叉型水晶振動片100を搭載する振動
子等は基本波の発振を受け易くなる。上述のように音叉
腕121、122が振動すると、基本波の発振のみなら
ず高調波での発振する可能性が発生してしまう。しか
し、本実施の形態によれば、溝部123,124の長さ
は、基本波のCI値が低下するような長さ(0.7L)
に設定し、励振電極123a,124aの長さはCI値
比が1.0以上になるような長さ(0.5L)としてい
るので、高調波の発振がし難く、且つ基本波のCI値を
低く抑えることができることになる。すなわち、従来の
音叉型水晶振動片10と異なり溝部123,124内全
体に励振電極123a,124aを配置せず、溝部12
3,124に励振電極123a,124aを配置しない
部分を設けたので、かかる調整が可能となった。
や励振電極123a,124aが配置されている音叉腕
121、122の図1における下方には、上述のように
基部110が配置されている。この基部110は、その
全体が略板状に形成されている。そして、図において縦
方向の長さが、図4に示すように、例えば0.56mm
に形成されている。図4は、図1の音叉型水晶振動片1
00の大きさ等を示した図である。図4に示すように、
この基部110から突出して配置されている前記音叉腕
121,122の図において縦方向の長さは例えば1.
644mmに形成されている。
対する基部110の長さは、約34%となっている。こ
れに対して従来の音叉型水晶振動片10は、基部11の
長さ(L1)が0.7mmで腕部12,13の長さ
(L)が1.644mmに形成され、基部11の長さは
腕部12,13の長さに対して約42.6%となり、4
0%を超えている。このように基部11の長さを腕部1
2,13の長さに対して40%以上の長さになるように
することで、上述のように腕部12,13の垂直成分の
振動により振動漏れが生じ、振動片、素子間のCI値バ
ラツキが大きくなるのを防いでいた。
振動片100の基部110の長さは、音叉腕121,1
22の長さに対して上述のように34%になるように形
成されているので、従来の音叉型水晶振動片10と同様
の構成では、音叉腕121,122の垂直成分の振動に
よる振動漏れが生じ、振動片、素子間のCI値バラツキ
が大きくなる。しかし、本実施の形態では、図4に示す
ように基部110の両側に切り込み部126が2箇所設
けられている。この状態を示すのが図5である。図5は
図4の基部110の切り込み部126の配置状態を示す
概略斜視図である。図5に示すように切り込み部126
は、矩形状に形成されされている。このような切り込み
部126は、図4に示すように基部110の上端部から
0.113mm下方から下に向かって形成されている。
る配置条件を示したのが図6である。図6において基部
110の底面から基部110の上端、具体的には2本の
音叉腕121,122の間の股部までの長さをA1とす
る。そして、基部110の底面から切り込み部126の
上端部までの長さをA2とする。また、基部110の底
面から音叉腕121,122に形成されている溝部12
3,124の下端部までの長さをA3としたとき、A3
の長さは、A2の長さより長くなるように切り込み部1
26が形成される。そして、A3の長さはA1の長さと
同じか、若しくはA3の長さがA1の長さより長くなる
ように形成される。したがって、音叉腕121,122
の根元より基部110の底面側に前記溝部123,12
4が形成されないようになっている。
切り込み部126の位置は、必ず音叉腕121,122
の溝部123,124の下端部より下方に配置されるこ
とになる。したがって、この切り込み部126の存在
が、音叉腕部121、122の振動を阻害等することが
ない。また、図6で斜線で示す部分は、音叉型水晶振動
片100をパッケージにおいて固定する際に実際に固定
される固定領域111である。この固定領域111の上
端部と、基部110の底面との長さを示したのがA4で
ある。そして、この固定領域111と切り込み部126
との位置関係は、A2の長さが、必ずA4の長さより長
くなる。したがって、切り込み部126の上端部は、必
ず固定領域111より図4の上方に配置されるので、切
り込み部126が固定領域111に影響を及ぼすことが
なく、音叉型水晶振動片100のパッケージに対する固
定状態に悪影響を与えることがない。
込み部126は、音叉型水晶振動片100の音叉腕12
1,122の振動に悪影響を与えることがない位置に設
けられている。そして、更に、切り込み部126は、音
叉型水晶振動片100のパッケージに対する固定状態に
悪影響を与えることがない位置にも設けられている。こ
のような位置に設けられている切り込み部126は、音
叉腕121,122の溝部123,124の位置より下
方の基部110側に設けられている。このため、音叉腕
121,122の垂直成分の振動により、溝部123,
124から漏れてきた漏れ振動は、切り込み部126に
より、基部110の固定領域111に伝わり難くなる。
したがって、漏れ振動が固定領域111に伝わり、エネ
ルギー逃げが生じ難くなり、振動片、素子間のCI値バ
ラツキの増大を有効に防止できることになる。
ツキを小さくすることができるので、従来の音叉型水晶
振動片10のように基部11の長さを腕部12,13の
長さの40%以上にする必要がない。本実施の形態で
は、図1に示すように、音叉型水晶振動片100の基部
110の長さは、音叉腕121,122の長さに対して
上述のように34%になるように形成されていても、音
叉腕121,122の垂直成分の振動による振動漏れが
生じ難く、振動片、素子間のCI値バラツキを小さくす
ることになる。これにより、基部110の長さを短くす
ることができ、音叉型水晶振動片100の大きさを小型
化することができる。本実施の形態では、基部110の
長さが図4に示すように0.56mmとすることがで
き、従来の音叉型水晶振動片10の図12に示す基部1
1の長さ(L1)である0.7mmより著しく小さくす
ることが可能となる。
それぞれの幅は、図4に示すように0.1mmに形成さ
れる。このように音叉腕121,122の腕幅を著しく
狭くするのは、上述の式1である「f∝W/L2 」の説
明で詳述したように、音叉腕121、122の長さ
(L)を短くしたためである。すなわち、音叉腕12
1,122の長さを図4に示すように1.644mmと
短くするには、上記式1から腕幅は、0.1mmにする
必要があり、そのため腕幅を0.1mmとしたものであ
る。しかし、このように音叉腕121,122の腕幅を
0.1mmとすると、CI値が大きくなるおそれがあ
る。そこで、本実施の形態では、CI値の上昇を抑える
ために図1に示すように音叉腕121,122の表面及
び裏面に長さ0.7Lの溝部123、124が上述のよ
うに設けられ、図3に示すように、CI値が著しく低く
なるようになっている。
叉型水晶振動片100がパッケージ等内に配置され、電
圧が印加されると、音叉腕121,122が振動する
が、このとき、音叉腕121,122の腕幅と厚みは、
上述のように共に0.1mmに形成されている。したが
って、図14(b)に示すように垂直成分の振動が生じ
るが、この振動が基部110の切り込み部126で緩和
され、エネルギーが基部110の固定領域111から逃
げ、振動漏れが生じ、振動片、素子間のCI値バラツキ
が増大するのを未然に防止することができる。また、こ
の切り込み部126は音叉腕121,122の振動を阻
害せず、且つ基部110の固定領域111の固定に影響
を与えない基部110の部分に配置されているため、音
叉腕121、122の振動や音叉型水晶振動片100の
パッケージに対する固定に悪影響を与えることがない。
より短くすることができるので、音叉型水晶振動片10
0の小型化を図ることができ、このような振動片を搭載
する振動子等の小型化を可能にするものである。そし
て、小型化された音叉型水晶振動片100は、基本波C
I値が上述のように極めて低く設定され、CI値比も
1.0以上に設定されているので、より精度の高い超小
型振動片となる。
2の実施の形態に係る振動子であるセラミックパッケー
ジ音叉型振動子200を示す図である。このセラミック
パッケージ音叉型振動子200は、上述の第1の実施の
形態の音叉型水晶振動片100を用いている。したがっ
て、音叉型水晶振動片100の構成、作用等について
は、同一符号を用いて、その説明を省略する。図7は、
セラミックパッケージ音叉型振動子200の構成を示す
概略断面図である。図7に示すようにセラミックパッケ
ージ音叉型振動子200は、その内側に空間を有する箱
状のパッケージ210を有している。このパッケージ2
10には、その底部にベース部211を備えている。こ
のベース部211は、例えばアルミナ等のセラミックス
等で形成されている。
けられており、この封止部212は、ベース部211と
同様の材料から形成されている。また、この封止部21
2の上端部には、蓋体213が載置され、これらベース
部211、封止部212及び蓋体213で、中空の箱体
を形成することになる。このように形成されているパッ
ケージ210のベース部211上にはパッケージ側電極
214が設けられている。このパッケージ側電極214
の上には導電性接着剤等を介して音叉型水晶振動片10
0の基部110の固定領域111が固定されている。こ
の音叉型水晶振動片100は、図1に示すように構成さ
れているため、基本波のCI値が低く抑えられていると
共に、CI値比が1.0以上に設定されており、更に、
小型で振動片、素子間でCI値バラツキが小さい。した
がって、この振動片を搭載したセラミックパッケージ音
叉型振動子200も小型で振動片、素子間でCI値バラ
ツキが小さい高性能な振動子となる。
3の実施の形態に係る電子機器であるデジタル携帯電話
300を示す概略図である。このデジタル携帯電話30
0は、上述の第2の実施の形態のセラミックパッケージ
音叉型振動子200と音叉型水晶振動片100とを使用
している。したがって、セラミックパッケージ音叉型振
動子200と音叉型水晶振動片100の構成、作用等に
ついては、同一符号を用いる等して、その説明を省略す
る。図8はデジタル携帯電話300の回路ブロックを示
しているが、図8に示すように、デジタル携帯電話30
0で送信する場合は、使用者が、自己の声をマイクロフ
ォンに入力すると、信号はパルス幅変調・符号化のブロ
ックと変調器/復調器のブロックを経てトランスミッタ
ー、アンテナスイッチを開始アンテナから送信されるこ
とになる。
アンテナで受信され、アンテナスイッチ、受信フィルタ
ーを経て、レシーバーから変調器/復調器ブロックに入
力される。そして、変調又は復調された信号がパルス幅
変調・符号化のブロックを経てスピーカーに声として出
力されるようになっている。このうち、アンテナスイッ
チや変調器/復調器ブロック等を制御するためのコント
ローラが設けられている。このコントローラは、上述の
他に表示部であるLCDや数字等の入力部であるキー、
更にはRAMやROM等も制御するため、高精度である
ことが求められる。また、デジタル携帯電話300の小
型化の要請もある。このような要請に合致するものとし
て上述のセラミックパッケージ音叉振動子200が用い
られている。
00は、図1に示す音叉型水晶振動片100を有するた
め、CI値が低く、CI値比も1.0以上の設定され、
且つ振動片、素子間でCI値バラツキが小さく高精度と
なると共に、小型となる。したがって、このセラミック
パッケージ音叉型振動子200を搭載したデジタル携帯
電話300も小型で振動片、素子間でCI値バラツキが
小さい高性能なデジタル携帯電話となる。
4の実施の形態に係る発振器である音叉水晶発振器40
0を示す図である。このデジタル音叉水晶発振器400
は、上述の第2の実施の形態のセラミックパケージ音叉
型振動子200と多くの部分で構成が共通している。し
たがって、セラミックパケージ音叉型振動子200と音
叉型水晶振動片100の構成、作用等については、同一
符号を用いて、その説明を省略する。
9に示すセラミックパッケージ音叉振動子200の音叉
型水晶振動片100の下方で、ベース部211の上に、
図10に示すように集積回路410を配置したものであ
る。すなわち、音叉水晶発振器400では、その内部に
配置された音叉型水晶振動片100が振動すると、その
振動は、集積回路410に入力され、その後、所定の周
波数信号を取り出すことで、発振器として機能すること
になる。すなわち、音叉水晶発振器400に収容されて
いる音叉型水晶振動片100は、図1に示すように構成
されているため、CI値が低く抑えられ、CI値比も
1.0以上に設定されると共に、小型で振動片、素子間
でCI値バラツキが小さいので、この振動片を搭載した
デジタル音叉水晶発振器400も小型で振動片、素子間
でCI値バラツキが小さい高性能な発振器となる。
第5の実施の形態に係る振動子であるシリンダータイプ
音叉振動子500を示す図である。このシリンダータイ
プ音叉振動子500は、上述の第1の実施の形態の音叉
型水晶振動片100を使用している。したがって、音叉
型水晶振動片100の構成、作用等については、同一符
号を用いる等して、その説明を省略する。図10は、シ
リンダータイプ音叉振動子500の構成を示す概略図で
ある。図10に示すようにシリンダータイプ音叉振動子
500は、その内部に音叉型水晶振動片100を収容す
るための金属製のキャップ530を有している。このキ
ャップ530は、ステム520に対して圧入され、その
内部が真空状態に保持されるようになっている。
の音叉型水晶振動片100を保持するためのリード51
0が2本配置されている。このようなシリンダータイプ
音叉振動子500に外部より電流等を印加すると音叉型
水晶振動片100の音叉腕121,122が振動し、振
動子として機能することになる。このとき、音叉型水晶
振動片100は、図1に示すように構成されているた
め、CI値が低く抑えられ、CI値比も1.0以上に設
定され、さらに、小型で振動片、素子間でCI値バラツ
キが小さいので、この振動片を搭載したシリンダータイ
プ音叉振動子500も小型で、振動片、素子間でCI値
バラツキが小さい高性能な振動子となる。
38kHの音叉型水晶振動子を例に説明したが、15k
H乃至155kHの音叉型水晶振動子に適用できること
は明らかである。なお、上述の実施の形態に係る音叉型
水晶振動片100は、上述の例のみならず、他の電子機
器、携帯情報端末、さらに、テレビジョン、ビデオ機
器、所謂ラジカセ、パーソナルコンピュータ等の時計内
蔵機器及び時計にも用いられることは明らかである。さ
らに、本発明は、上記実施の形態に限定されず、特許請
求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことがで
きる。そして、上記実施の形態の構成は、その一部を省
略したり、上述していない他の任意の組み合わせに変更
することができる。
0は、以上のように構成されるが、以下、その製造方法
等について説明する。先ず、水晶基板をエッチング等す
ることで、図16の電極が形成されていない状態の音叉
型水晶振動片が形成される。その後、この音叉型水晶振
動片に電極を形成する。以下、電極の形成工程を音叉腕
120,130を中心に説明する。また、音叉腕130
は音叉腕120と同様のため、以下の説明は、音叉腕1
20の説明のみとする。図18は電極形成工程を示す概
略フローチャートである。図19は、音叉腕120に電
極が形成される工程を示す概略図である。
より外形が形成された状態の音叉型水晶振動片の音叉腕
120の図16のB−B’線概略断面図である。図19
(a)に示すように、音叉腕120の表面120e及び
裏面20fには、溝部120a、130aが形成される
(溝部形成工程)。このような音叉腕120等を含む振
動片全体にスパッタ等により金属膜である電極膜150
を形成する(金属膜形成工程、図18のST1)。この
状態を示したのが図19(b)である。図19に示す電
極膜150は、下層がCrで厚みが例えば100Å乃至
1000Åで形成される。そして、上層がAuで厚みが
例えば500Å乃至1000Åで形成されている。
した後、図18のST2に示すようにフォトレジストを
霧状に噴霧して電極膜150の上の全面に塗布する。す
なわち、図19(c)に示すようにフォトレジスト膜1
51を形成する(フォトレジスト層形成工程)。このフ
ォトレジストは紫外光に感光感度を持つ樹脂をベースと
した化合物であり、流動性を有するため、例えばスプレ
ーにより霧状に噴霧して塗布される。また、フォトレジ
スト膜151の厚みは、例えば1μm乃至6μmとなっ
ている。
レジストパターン形成を行う。すなわち、図16の電極
形成部分(斜線部分)を除く部分を覆うような図示しな
いマスクを介して紫外線をフォトレジスト膜151に照
射して(露光)、現像液で取り除き、加熱工程等を経て
フォトレジスト膜151を固化させる。これにより、図
16の電極形成部分(斜線部分)に対応する形状のフォ
トレジストパターン152が形成される。
は、図16及び図17の短絡防止用間隔W1、具体的は
例えば15μmの幅でフォトレスト膜151が形成され
ていない部分ができる。ところで、フォトレジストは、
上述のように電極膜150上に塗布されるが、図19
(a)の音叉腕120の角部であるエッジ部分(図にお
ける矢印E)をカバーするように塗布する必要がある。
このとき、塗布するフォトレジストが粒子状になってい
た方がエッジ部分Eのカバーが良い。しかしながらフォ
トレジストをこのように粒子状のものを含んだ状態で塗
布すると、フォトレジスト現像後のフォトレジストパタ
ーン152の外形は正確な略直線ではなく、粒子の外形
に沿った略波線に形成されてしまう。このようにフォト
レジストパターン152の外形線が、不均一であると前
記短絡防止用間隔W1が15μmという微細な間隔を形
成する場合、部分的に間隔が保持されないおそれがあ
る。間隔が保持されていない部分は、エッチングされな
い部分となってしまうため、電極同士の短絡等のおそれ
がある。
T4に示すようにレーザ照射を行う(パターン形状調整
工程)。具体的には、前記フォトレジストパターン15
2の一部の形状である図16の音叉腕120の腕表面1
20eの短絡防止用間隔W1について行われる。すなわ
ち、図20(a)に示すように、フォトレジストパター
ン152の外形線が不均一となり、このフォトレジスト
パターンをマスクとしてエッチングした場合、形成され
る溝電極120bと側面電極120dとが短絡等を生じ
ないように、短絡防止用間隔W1が例えば15μm確保
できるようにフォトレジストパターン152の外形がレ
ーザによって調整される。
用いられ、特にYAGレーザの3倍高調波を用いるとフ
ォトレジストパターン152の外形をより正確に調整す
ることができる。このようにフォトレジストパターン1
52を形成してからレーザを照射するので、特にフォト
レジストの感光を防止するイエロールーム内でレーザを
照射する必要がないので製造コストを低減することがで
きる。また、レーザの照射は、図20(a)(b)に示
すように音叉腕120の腕表面120eの短絡防止用間
隔W1と腕裏面120fの短絡防止用間隔W1とを格別
に行う。
ように腕表面120e及び腕裏面の120fの双方を同
時にレーザによって加工することもできる。この場合、
生産工程を減らすことができるので生産コストも下げる
ことができる
がレーザによって正確に形成された後、図18のST5
のエッチング工程となる(電極膜形成工程)。具体的に
は、上述のフォトレジストパターン152をマスクとし
て電極膜150をエッチングにより除去する。図21
(a)は、エッチングにより電極膜150が除去された
状態を示す図である。図21(a)に示すように本実施
の形態の製造方法によれば、短絡防止用間隔W1を正確
に確保することができる。
でフォトレジストパターン152を除去すれば、図21
(b)に示すように溝電極120b、側面電極120d
が正確に形成されることになる(フォトレジストパター
ン剥離工程)。このとき、上述のレーザ照射工程(ST
3)の図17に示すレーザ照射で電極膜150の一部が
溶解し、この溶解した電極膜150の一部がレジストパ
ターン152と共に除去されるので、より正確に短絡防
止用間隔W1を形成することができる。そして、このと
き、音叉型水晶振動片100全体については、図16に
示すように基部電極140a等が所定の形状で形成さ
れ、音叉型水晶振動片100の電極配置が終了する。こ
のようにして製造された音叉型水晶振動片100は、音
叉腕120、130の腕表面120e、130e及び腕
裏面120f、130fの短絡防止用間隔W1が例えば
15μmに正確保持され、溝電極120b、130bと
側面電極120d、130dとが短絡等することを有効
に防止することができ、不良が生じにくい音叉型水晶振
動片となる。
基本波のCI値を低く抑えながら、CI値比を一定に保
持すると共に、基部を短くしても、振動片、素子間のC
I値バラツキを小さくし、並びに振動片全体も小型化で
きる振動片、これを有する振動子、この振動子を備える
発振器及び電子機器を提供することができる。
動片の概略図である。
る。
図である。
ッケージ音叉型振動子の構成を示す概略断面図である。
電話の回路ブロックを示す概略図である。
器の構成を示す概略断面図である。
タイプ音叉振動子の構成を示す概略断面図である。
る。
ある。
(b)振動腕部の振動の他の説明図である。
す図である。
造方法で製造された音叉型水晶振動片100を示す概略
図である。
る。
である。
略図である。
略図である。
Claims (16)
- 【請求項1】 基部と、この基部から突出して形成され
ている振動腕部と、前記振動腕部の表面部及び/又は裏
面部に溝部が形成されている振動片であって、前記基部
に切り込み部が形成されていると共に、前記溝部の一部
に電極部が形成されていることを特徴とする振動片。 - 【請求項2】 前記振動腕部の表面部及び裏面部に溝部
が形成されていると共に、前記振動片のCI(クリスタ
ルインピーダンス)値比(高周波CI値/基本波CI
値)が1.0以上になるように前記溝部の一部に電極部
が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の振
動片。 - 【請求項3】 前記振動腕部の長手方向における前記溝
部の一部に形成される電極部の長さが前記振動腕部の長
さに対して略45%乃至略55%に形成されていること
を特徴とする請求項2に記載の振動片。 - 【請求項4】 前記電極部が励振電極であることを特徴
とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の振動
片。 - 【請求項5】 前記基部には、この振動片を固定させる
ための固定領域が設けられていると共に、前記切り込み
部は、この固定領域と前記振動腕部との間の基部に設け
られていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のい
ずれかに記載の振動片。 - 【請求項6】 前記振動片が略30KHz乃至略40K
Hzで発振する水晶で形成されている音叉型振動片であ
ることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに
記載の振動片。 - 【請求項7】 基部と、この基部から突出して形成さ
れている振動腕部と、前記振動腕部の表面部及び/又は
裏面部に溝部が形成されている振動片が、パッケージ内
に収容されている振動子であって、前記基部に切り込み
部が形成されていると共に、前記溝部の一部に電極部が
形成されていることを特徴とする振動子。 - 【請求項8】 前記振動腕部の表面部及び裏面部に溝部
が形成されていると共に、前記振動片のCI(クリスタ
ルインピーダンス)値比(高周波CI値/基本波CI
値)が1.0以上になるように前記溝部の一部に電極部
が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の振
動子。 - 【請求項9】 前記振動腕部の長手方向における前記溝
部の一部に形成される電極部の長さが前記振動腕部の長
さに対して略45%乃至略55%に形成されていること
を特徴とする請求項8に記載の振動子。 - 【請求項10】 前記電極部が励振電極であることを特
徴とする請求項7乃至請求項9のいずれかに記載の振動
子。 - 【請求項11】 前記基部には、この振動片を固定させ
るための固定領域が設けられていると共に、前記切り込
み部は、この固定領域と前記振動腕部との間の基部に設
けられていることを特徴とする請求項7乃至請求項10
のいずれかに記載の振動子。 - 【請求項12】 前記振動片が略30KHz乃至略40
KHzで発振する水晶で形成されている音叉型振動片で
あることを特徴とする請求項7乃至請求項11のいずれ
かに記載の振動子。 - 【請求項13】 前記パッケージが箱状に形成されてい
ることを特徴とする請求項7乃至請求項12のいずれか
に記載に振動子。 - 【請求項14】 前記パッケージが所謂シリンダータイ
プに形成されていることを特徴とする請求項7乃至請求
項12のいずれかに記載の振動子。 - 【請求項15】 基部と、この基部から突出して形成さ
れている振動腕部と、を有する振動片と集積回路がパッ
ケージ内に収容されている発振器であって、前記振動片
の前記基部に切り込み部が形成されていると共に、前記
振動片の前記溝部の一部に電極部が形成されていること
を特徴とする発振器。 - 【請求項16】 基部と、この基部から突出して形成さ
れている振動腕部と、を有する振動片であり、この振動
片がパッケージ内に収容されている振動子であり、この
振動子を制御部に接続して用いている電子機器であっ
て、前記振動片の前記基部に切り込み部が形成されてい
ると共に、前記振動片の前記溝部の一部に電極部が形成
されていることを特徴とする電子機器。
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