JP2019115079A - 振動素子、振動子、発振器、電子機器および移動体 - Google Patents
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Abstract
Description
[適用例1]
本発明の振動素子は、互いに直交する方向を第1の方向および第2の方向としたとき、
基部と、
前記基部と一体的に設けられ、前記第2の方向に並び、前記基部から前記第1の方向に延出している1対の振動腕と、
を含み、
前記振動腕は、
腕部と、
当該腕部の先端側に位置し、前記腕部よりも前記第2の方向に沿った長さが長い広幅部と、
を含み、
前記振動腕の前記第1の方向に沿った長さをL、
前記広幅部の前記第1の方向に沿った長さをHとしたとき、
1.2%<H/L<30.0%
なる関係を満足し、
前記腕部の前記第2の方向に沿った長さをW1、
前記広幅部の前記第2の方向に沿った長さをW2としたとき、
1.5≦W2/W1≦10.0
なる関係を満足していることを特徴とする。
これにより、CI値の上昇を低減しつつ、優れた振動特性を発揮することのできる振動素子が得られる。
本発明の振動素子では、前記Lおよび前記Hが、4.6%<H/L<22.3%なる関係を満足していることが好ましい。
これにより、CI値の上昇をより効果的に低減することができる。
[適用例3]
本発明の振動素子では、前記W1および前記W2が、1.6≦W2/W1≦7.0なる関係を満足していることが好ましい。
これにより、CI値の上昇をより効果的に低減することができる。
本発明の振動素子では、前記腕部の主面には前記第1の方向に沿って延びている有底の溝部が設けられていることが好ましい。
これにより、熱弾性損失を低減することができ、より優れた振動特性を発揮することができる。
本発明の振動素子では、前記広幅部は、
前記腕本体の先端側に接続されている本体部と、
本体部から前記振動腕の固定端側へ向けて、平面視で前記腕本体を間に挟んで、それぞれ突出している1対の突出部と、
を含み、
前記1対の突出部は、前記腕部と離間して配置されていることが好ましい。
これにより、振動腕の全長を抑えつつ、広幅部の質量を高めることができる。言い換えると、広幅部の質量効果を損なうことなく、腕部を長く確保することができる。
本発明の振動素子では、前記第1の方向および前記第2の方向の両方向に直交する方向を第3の方向としたとき、
前記広幅部は、さらに、各前記突出部と前記腕部とを連結し、前記腕部および前記突出部よりも前記第3の方向に沿った長さが短い1対の連結部を含むことが好ましい。
これにより、振動腕の全長を抑えつつ、広幅部の質量を高めることができる。言い換えると、広幅部の質量効果を損なうことなく、腕部を長く確保することができる。
本発明の振動素子では、前記基部は、前記振動腕が延出している側とは反対側に、前記振動腕から離れるに従い前記第2の方向の長さが漸減している縮幅部を含むことが好ましい。
これにより、振動腕の振動が相殺(緩和・吸収)され、振動漏れを低減することができる。そのため、優れた振動特性を有する振動素子が得られる。
本発明の振動素子では、前記1対の振動腕の間に位置し、前記基部から前記第1の方向に沿って延出している支持部を含むことが好ましい。
支持腕を介して振動素子をパッケージに固定することにより、振動漏れをより少なくすることができる。
本発明の振動素子では、前記振動素子は、
前記基部に接続され、前記第1の方向に沿って延在し、平面視で前記1対の振動腕を間に挟んで前記第2の方向に沿って並んでいる1対の支持腕を含むことが好ましい。
両支持腕を介して振動素子をパッケージに固定することにより、振動漏れをより少なくすることができる。
本発明の振動子は、本発明の振動素子と、
前記振動素子を搭載したパッケージと、を含むことを特徴とする。
これにより、信頼性の高い振動子が得られる。
[適用例11]
本発明の発振器は、本発明の振動素子と、
前記振動素子と電気的に接続されている発振回路と、を備えていることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い振動子が得られる。
本発明の電子機器は、本発明の振動素子を備えていることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
[適用例13]
本発明の移動体は、本発明の振動素子を備えていることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い移動体が得られる。
1.振動素子
まず、本発明の振動素子について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態にかかる振動素子の平面図、図2は、(a)が図1中のA−A線断面図、(b)が図1中のB−B線断面図、図3は、振動漏れ低減の原理を説明する平面図、図4は、屈曲振動時の熱伝導について説明する振動腕の断面図、図5は、Q値とf/fmの関係を示すグラフ、図6は、シミュレーションに用いた振動腕の形状および大きさを示す斜視図、図7は、実効幅aを説明する斜視図、図8は、ハンマーヘッド占有率と低R1化指数の関係を示すグラフである。なお、以下では、説明の便宜上、図1に示すように、互いに直交する3軸をX軸(水晶の電気軸)、Y軸(水晶の機械軸)およびZ軸(水晶の光学軸)とする。
水晶基板3は、Zカット水晶板で構成されている。Zカット水晶板とは、Z軸を厚さ方向とする水晶基板である。なお、Z軸は、水晶基板3の厚さ方向と一致しているのが好ましいが、常温近傍における周波数温度変化を小さくする観点から、厚さ方向に対して若干(例えば、15°未満程度)傾けてもよい。
このような水晶基板3は、基部4と、一対の振動腕5、6とを有している。
縮幅部42は、本体部41の基端側(振動腕5、6が延出している側とは反対側)に設けられている。また、縮幅部42は、その幅(X軸方向に沿った長さ)が振動腕5、6から離れるに従い漸減する。このような縮幅部42を有することにより、振動素子2の振動漏れを効果的に抑制することができる。
まず、図3(a)に示すように、縮幅部42が設けられていない場合について説明する。振動腕5、6が互いに離間するように屈曲変形した場合、振動腕5が接続されている付近の本体部41では、矢印で示したように時計回りの回転運動に近い変位が発生し、振動腕6が接続されている付近の本体部41では、矢印で示したように反時計回りの回転運動に近い変位が発生する(ただし、厳密には回転運動ということができるような運動ではないため、便宜的に「回転運動に近い」とする)。これらの変位のX軸方向成分は、互いに反対方向を向いているから、本体部41のX軸方向中央部において相殺され、+Y軸方向の変位が残ることになる(ただし、厳密にはZ軸方向の変位も残るが、ここでは省略する)。すなわち、本体部41は、X軸方向中央部が+Y軸方向に変位するような屈曲変形をする。この+Y軸方向の変位を有する本体部41のY軸方向中央部に接着剤を形成し、接着剤を介してパッケージに固定すると、+Y軸方向変位に随伴する弾性エネルギーが接着剤を介して外部に漏洩する。これが振動漏れという損失であり、Q値の劣化の原因となり、結果としてCI値の劣化となる。
なお、ここでは縮幅部42の輪郭がアーチ状をしているが、上述のような作用を呈するものであればこれに限るものではない。例えば、輪郭が複数の直線によって、段差状に形成されている縮幅部であってもよい。
本体591は、腕部51よりも幅(X軸方向の長さ)が広く、腕部51からX軸方向の両側へ突出している。1対の突出部592、593は、腕部51を挟んでX軸方向の両側に位置している。突出部592、593は、それぞれ、腕部51とX軸方向に離間し、本体591の基端側外縁から振動腕5の基端側へ突出している。
以上、振動腕5について説明した。振動腕6は、振動腕5と同様の構成である。すなわち、腕部61は、XY平面で構成された一対の主面611、612と、YZ平面で構成され、一対の主面611、612を接続する一対の側面613、614とを有している。また、腕部61は、主面611に開放する有底の溝62と、主面612に開放する有底の溝63とを有している。各溝62、63は、Y軸方向に延在し、先端がハンマーヘッド69まで延び、基端が基部4まで延びている。
ハンマーヘッド69は、XY平面視にて、略矩形である。また、ハンマーヘッド69は、腕部61の先端に接続された本体691と、本体691から振動腕6の基端側へ向けて突出する突出部692、693と、突出部692、693と腕部61との間に形成された薄肉部694、695とを有している。
また、ハンマーヘッド69のX軸方向中心を振動腕5のX軸方向中心から多少ずらしておくとよい。こうすることによって、屈曲振動時に振動腕5が捩れることによって生じてしまう基部4のZ軸方向の振動を低減することができるので、振動漏れを抑制することができる。
同様に、振動腕6にも、一対の第1駆動用電極84と一対の第2駆動用電極85とが形成されている。具体的には、第1駆動用電極84の一方は、側面613に形成されており、他方は、側面614に形成されている。また、第2駆動用電極85の一方は、溝62の内面(側面)に形成されており、他方は、溝63の内面(側面)に形成されている。なお、前記一方の第1駆動用電極84は、側面613から溝696a、696bの内面(腕部61側の側面)まで延びていてもよく、同様に、前記他方の第1駆動用電極84は、側面614から溝697a、697bの内面(腕部61側の側面)まで延びていてもよい。これにより、電界が作用する領域をより広くすることができる。
これら第1、第2駆動用電極84、85の間に交番電圧を印加すると、振動腕5、6が互いに接近、離間を繰り返すように面内方向(XY平面方向)に所定の周波数で振動する。
上述したように、振動素子2では、振動腕5、6に溝52、53、62、63を形成することによって、熱弾性損失の低減を図っている。以下、このことについて、振動腕5を例にして具体的に説明する。
fm0=πk/(2ρCpa2)‥‥(1)
なお、πは円周率、kは振動腕5の振動方向の熱伝導率、ρは振動腕5の質量密度、Cpは振動腕5の熱容量、aは振動腕5の振動方向の幅である。式(1)の熱伝導率k、質量密度ρ、熱容量Cpに振動腕5の材料そのもの(すなわち水晶)の定数を入力した場合、求まる熱緩和周波数fm0は、振動腕5に溝52、53を設けていない場合の値となる。
なお、図5において、f/fm<1の領域を等温的領域とも言い、この等温的領域ではf/fmが小さくなるにつれてQ値が高くなる。これは、振動腕の機械的周波数が低くなる(振動腕の振動が遅くなる)につれて前述のような振動腕内の温度差が生じ難くなるためである。したがって、f/fmを0(零)に限りなく近づけた際の極限では、等温準静操作となって、熱弾性損失は限りなく0(零)に接近する。一方、f/fm>1の領域を断熱的領域とも言い、この断熱的領域ではf/fmが大きくなるにつれてQ値が高くなる。これは、振動腕の機械的周波数が高くなるにつれて、各側面の温度上昇・温度効果の切り替わりが高速となり、前述のような熱伝導が生じる時間がなくなるためである。したがって、f/fmを限りなく大きくした際の極限では、断熱操作となって、熱弾性損失は限りなく0(零)に接近する。このことから、f/fm>1の関係を満たすとは、f/fmが断熱的領域にあるとも言い換えることができる。
図1に示すように、振動腕5の全長(Y軸方向の長さ)をLとし、ハンマーヘッド59の長さ(Y軸方向の長さ)をHとしたとき、振動腕5は、1.2%<H/L<30.0%なる関係を満足している。この関係を満足していれば、特に限定されないが、さらに、4.6%<H/L<22.3%なる関係を満足しているのが好ましい。このような関係を満足することによって、振動素子2のCI値が低く抑えられるため、振動損失が少なく、優れた振動特性を有する振動素子2となる。ここで、本実施形態では、振動腕5の基端を、側面514が基部4と接続されている箇所と、側面513が基部4と接続されている箇所を結んだ線分の、振動腕5の幅(X軸方向の長さ)中心に位置する箇所に設定している。
このように、振動腕5では、1.2%<H/L<30.0%なる関係と、1.5≦W2/W1≦10.0なる関係とを満足することによって、これら2つの関係の相乗効果によって、小型化でCI値が十分に抑えられている振動素子2が得られる。
なお、Q値をF変換後Q値へ換算する方法は、次の通りである。
下記式(3)、(4)を用いて次のような計算を行った。
f0=πk/(2ρCpa2)…(3)
Q={ρCp/(Cα2H)}×[{1+(f/f0)2}/(f/f0)]…(4)
ただし、式(3)、(4)中のπは円周率、kは振動腕5の幅方向の熱電導率、ρは質量密度、Cpは熱容量、Cは振動腕5の長さ方向の伸縮の弾性スティフネス定数、αは振動腕5の長さ方向の熱膨張率、Hは絶対温度、fは固有周波数である。また、aは、振動腕5を図7に示すような平板形状として見做したきの幅(実効幅)である。なお、図7では、振動腕5に溝52、53が形成されていないが、この際のaの値を用いてもF変換後Q値への換算を行うことができる。
まず、シミュレーションで用いた振動腕5の固有周波数をF1とし、求められたQ値をQ1とし、式(3)、(4)を用いて、f=F1、Q=Q1となるようなaの値を求める。次に、求められたaを用い、また、f=32.768kHzとし、式(2)からQの値を算出する。このようにして得られたQ値がF変換後Q値となる。
次に、本発明の振動素子の第2実施形態について説明する。
図9は、本発明の第2実施形態にかかる振動素子の平面図である。
以下、第2実施形態の振動素子について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第2実施形態にかかる振動素子は、ハンマーヘッドの構成が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
ハンマーヘッド69Aは、前述したハンマーヘッド59Aと同様の構成であるため、その説明を省略する。
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
次に、本発明の振動素子の第3実施形態について説明する。
図10は、本発明の第3実施形態にかかる振動素子の平面図である。
以下、第3実施形態の振動素子について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第3実施形態にかかる振動素子は、ハンマーヘッドの構成が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
ハンマーヘッド69Bは、前述したハンマーヘッド59Bと同様の構成であるため、その説明を省略する。
このような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
次に、本発明の振動素子の第4実施形態について説明する。
図11は、本発明の第4実施形態にかかる振動素子の平面図である。
以下、第4実施形態の振動素子について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図11に示すように、ハンマーヘッド59Cは、略矩形をなしており、前述した第1実施形態のハンマーヘッドから、突出部592、593および薄肉部594、595を省略した構成となっている。このような構成とすることにより、ハンマーヘッド59Cの構成が簡単なものとなる。また、溝52、53の先端は、腕部51とハンマーヘッド59Cの境界部に位置している。腕部51の自由端部は、幅が自由端側に向けて漸増するテーパ状をなしているが、このテーパ部分の幅(X軸方向の長さ)が腕部51の幅(X軸方向の長さ)の1.5倍以上となっている部分を腕部51が有している場合には、この部分もハンマーヘッド59Cの長さHに含まれる。
ハンマーヘッド69Cは、前述したハンマーヘッド59Cと同様の構成であるため、その説明を省略する。
このような第4実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
次に、本発明の振動素子の第5実施形態について説明する。
図12は、本発明の第5実施形態にかかる振動素子の平面図である。
以下、第5実施形態の振動素子について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図12に示すように、ハンマーヘッド59Dは、略矩形をなしており、前述した第1実施形態のハンマーヘッドから、突出部592、593および薄肉部594、595を省略した構成となっている。このような構成とすることにより、ハンマーヘッド59Dの構成が簡単なものとなる。腕部51の自由端部は、幅が自由端側に向けて漸増するテーパ状をなしているが、このテーパ部分の幅(X軸方向の長さ)が腕部51の幅(X軸方向の長さ)の1.5倍以上となっている部分を腕部51が有している場合には、この部分もハンマーヘッド59Dの長さHに含まれる。
ハンマーヘッド69Dは、前述したハンマーヘッド59Dと同様の構成であるため、その説明を省略する。
このような第5実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
次に、本発明の振動素子の第6実施形態について説明する。
図13は、本発明の第6実施形態にかかる振動素子の平面図である。
以下、第6実施形態の振動素子について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図13に示すように、振動素子2Eは、振動腕5、6の間に位置し、基部4からY軸方向に延出している支持部7を有している。図示しないが、振動素子2Eは、支持部7にて接着剤を介してパッケージに固定される。このような構成とすることによって、振動素子2Eの振動漏れをより効果的に低減することができる。
このような第6実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
次に、本発明の振動素子の第7実施形態について説明する。
図14は、本発明の第7実施形態にかかる振動素子の平面図である。
以下、第7実施形態の振動素子について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図14に示すように、振動素子2Fは、基部4から延出する支持部7を有している。支持部7は、基部4の下端(振動腕5、6が延出する側と反対側)から延出し、X軸方向に分岐する分岐部71と、分岐部からX軸方向両側に延出する連結腕72、73と、連結腕72、73の先端部からY軸方向の振動腕5、6側に延出する支持腕74、75とを有している。また、支持腕74、75は、振動腕5、6を介してX軸方向に対向して配置されている。図示しないが、振動素子2Fは、支持腕74、75にて接着剤等を介してパッケージに固定される。このような構成とすることによって、振動素子2Eの振動漏れをより効果的に低減することができる。
このような第7実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
次に、本発明の振動子について説明する。
図15は、本発明の振動子の好適な実施形態を示す平面図、図16は、図15中のC−C線断面図である。
図15に示すように、振動子1は、振動素子2(本発明の振動素子)と、振動素子2を収納するパッケージ9とを有している。なお、振動素子2は、前述した第1実施形態で説明した振動素子と同様である。
接続端子951、961、貫通電極952、962および外部端子953、963の構成としては、それぞれ、導電性を有していれば、特に限定されないが、例えば、Cr(クロム)、W(タングステン)などのメタライズ層(下地層)に、Ni(ニッケル)、Au(金)、Ag(銀)、Cu(銅)などの各被膜を積層した金属被膜で構成することができる。
次に、本発明の振動素子を適用した発振器(本発明の発振器)について説明する。
図17は、本発明の発振器の好適な実施形態を示す断面図である。
図17に示す発振器10は、振動子1と、振動素子2を駆動するためのICチップ8とを有している。以下、発振器10について、前述した振動子との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
また、第2凹部911bの底面には、ワイヤーを介してICチップ8と電気的に接続された複数の内部端子93が形成されている。これら複数の内部端子93には、ベース91に形成された図示しないビアを介してパッケージ9の底面に形成された外部端子94に電気的に接続された端子と、図示しないビアやワイヤーを介して接続端子95に電気的に接続された端子と、図示しないビアやワイヤーを介して接続端子96に電気的に接続された端子とが含まれている。
なお、図17の構成では、ICチップ8が収納空間内に配置されている構成について説明したが、ICチップ8の配置は、特に限定されず、例えば、パッケージ9の外側(ベースの底面)に配置されていてもよい。
次に、本発明の振動素子を適用した電子機器(本発明の電子機器)について説明する。
図18は、本発明の振動素子を備える電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部2000を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、フィルター、共振器、基準クロック等として機能する振動素子2が内蔵されている。
次に、本発明の振動素子を適用した移動体(本発明の移動体)について説明する。
図21は、本発明の移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車1500には、振動素子2が搭載されている。振動素子2は、キーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム、等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
以上、本発明の振動素子、振動子、発振器、電子機器および移動体について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
Claims (13)
- 互いに直交する方向を第1の方向および第2の方向としたとき、
基部と、
前記基部と一体的に設けられ、前記第2の方向に並び、前記基部から前記第1の方向に延出している1対の振動腕と、
を含み、
前記振動腕は、
腕部と、
当該腕部の先端側に位置し、前記腕部よりも前記第2の方向に沿った長さが長い広幅部と、
を含み、
前記振動腕の前記第1の方向に沿った長さをL、
前記広幅部の前記第1の方向に沿った長さをHとしたとき、
1.2%<H/L<30.0%
なる関係を満足し、
前記腕部の前記第2の方向に沿った長さをW1、
前記広幅部の前記第2の方向に沿った長さをW2としたとき、
1.5≦W2/W1≦10.0
なる関係を満足していることを特徴とする振動素子。 - 前記Lおよび前記Hが、4.6%<H/L<22.3%なる関係を満足している請求項1に記載の振動素子。
- 前記W1および前記W2が、1.6≦W2/W1≦7.0なる関係を満足している請求項1または2に記載の振動素子。
- 前記腕部の主面には前記第1の方向に沿って延びている有底の溝部が設けられている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の振動素子。
- 前記広幅部は、
前記腕本体の先端側に接続されている本体部と、
本体部から前記振動腕の固定端側へ向けて、平面視で前記腕本体を間に挟んで、それぞれ突出している1対の突出部と、
を含み、
前記1対の突出部は、前記腕部と離間して配置されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の振動素子。 - 前記第1の方向および前記第2の方向の両方向に直交する方向を第3の方向としたとき、
前記広幅部は、さらに、各前記突出部と前記腕部とを連結し、前記腕部および前記突出部よりも前記第3の方向に沿った長さが短い1対の連結部を含む請求項5に記載の振動素子。 - 前記基部は、前記振動腕が延出している側とは反対側に、前記振動腕から離れるに従い前記第2の方向の長さが漸減している縮幅部を含む請求項1ないし6のいずれか1項に記載の振動素子。
- 前記1対の振動腕の間に位置し、前記基部から前記第1の方向に沿って延出している支持部を含む請求項1ないし7のいずれか1項に記載の振動素子。
- 前記振動素子は、
前記基部に接続され、前記第1の方向に沿って延在し、平面視で前記1対の振動腕を間に挟んで前記第2の方向に沿って並んでいる1対の支持腕を含む請求項1ないし8のいずれか1項に記載の振動素子。 - 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の振動素子と、
前記振動素子を搭載したパッケージと、を含むことを特徴とする振動子。 - 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の振動素子と、
前記振動素子と電気的に接続されている発振回路と、を備えていることを特徴とする発振器。 - 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の振動素子を備えていることを特徴とする電子機器。
- 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の振動素子を備えていることを特徴とする移動体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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