JP6107098B2 - 蒸気・復水系処理剤組成物の製造方法、及びその製造方法で得られる蒸気・復水系処理剤組成物 - Google Patents

蒸気・復水系処理剤組成物の製造方法、及びその製造方法で得られる蒸気・復水系処理剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、蒸気系や復水系等における金属腐食を抑制するためのエマルション型蒸気・復水系処理剤組成物の製造方法、及びその製造方法で得られる蒸気・復水系処理剤組成物に関する。
ボイラー、濃縮缶等の蒸気を発生する装置では、供給水中に含まれていた重炭酸イオンや二酸化炭素等の作用による復水のpH低下及び溶存酸素に起因して、蒸気や復水と接触する箇所に腐食が生じる。この腐食の防止対策としては、供給水のイオン交換処理や脱気処理に加えて、主に皮膜性防食剤として作用する長鎖脂肪族アミンを使用した化学的処理が用いられている。
しかし、長鎖脂肪族アミンは非水溶性であるために、直接水に添加して溶解させることはできず、均一に安定して分散させることも困難であった。そこで、長鎖脂肪族アミンを水中に乳化、分散してエマルションの形で用いる方法が提案されている。例えば、特許文献1には、乳化剤かつ乳化安定剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを用いて長鎖脂肪族アミンを水に分散させた蒸気・復水系処理剤組成物が開示されている。
特開平11−335878号公報
しかし、本発明者らが検討したところ、特許文献1に開示された製造方法で得られる蒸気・復水系処理剤組成物は、保存安定性が十分ではないことが判明した。
本発明は、保存安定性に優れた蒸気・復水系処理剤組成物を得ることができる製造方法、及びその製造方法で得られる蒸気・復水系処理剤組成物を提供することを目的とする。
本発明は、(a)炭素数10〜24の長鎖脂肪族基を有する長鎖脂肪族アミン及びその脂肪酸塩の少なくとも一方と、(b)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルと、(c)式:HO−(CR −NR (但し、Rは独立にH又はCHであり、Rは独立にH、CH、又はCであり、nは2又は3である。)で表される中和性アミンとを含有する水性エマルションである蒸気・復水系処理剤組成物の製造方法であって、上記(a)成分と上記(b)成分とを含有する水分散液を、70℃以上の液温に維持した状態で、上記(c)成分を含有する水溶液に混合して混合物を生成する混合工程を含み、上記混合工程では、生成途中の上記混合物の液温を40℃以下に保持し、前記(c)成分の使用量は、前記組成物全量に対して、0.5〜3.0質量%である製造方法であり、−5℃から40℃で1ヶ月間静置したときに、均一で良好な乳化状態を維持する蒸気・復水系処理剤組成物を得ることができる製造方法に関する。
また、本発明は、(a)炭素数10〜24の長鎖脂肪族基を有する長鎖脂肪族アミン及びその脂肪酸塩の少なくとも一方と、(b)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルと、(c)式:HO−(CR −NR (但し、Rは独立にH又はCHであり、Rは独立にH、CH、又はCであり、nは2又は3である。)で表される中和性アミンとを含有する水性エマルションである蒸気・復水系処理剤組成物の製造方法であって、上記(a)成分と上記(b)成分とを含有する水分散液を、70℃以上の液温に維持した状態で、水に添加して混合液を調製する混合液調製工程と、上記混合液に上記(c)成分を混合して混合物を生成する混合工程とを含み、上記混合液調製工程では、生成途中の上記混合液の液温を40℃以下に保持し、前記(c)成分の使用量は、前記組成物全量に対して、0.5〜3.0質量%である製造方法であり、−5℃から40℃で1ヶ月間静置したときに、均一で良好な乳化状態を維持する蒸気・復水系処理剤組成物を得ることができる製造方法に関する
本発明は、上記製造方法で得られ、−5℃から40℃で1ヶ月間静置したときに、均一で良好な乳化状態を維持する蒸気・復水系処理剤組成物に関する。
本発明によれば、保存安定性に優れた蒸気・復水系処理剤組成物を得ることができる製造方法、及びその製造方法で得られる蒸気・復水系処理剤組成物を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る蒸気・復水系処理剤組成物の製造方法について手順の具体例を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る蒸気・復水系処理剤組成物の製造方法について手順の具体例を示すフローチャートである。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係る蒸気・復水系処理剤組成物の製造方法は、(a)炭素数10〜24の長鎖脂肪族基を有する長鎖脂肪族アミン及びその脂肪酸塩の少なくとも一方と、(b)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルと、(c)式:HO−(CR −NR (但し、Rは独立にH又はCHであり、Rは独立にH、CH、又はCであり、nは2又は3である。)で表される中和性アミンとを含有する水性エマルションである蒸気・復水系処理剤組成物の製造方法であって、上記(a)成分と上記(b)成分とを含有する水分散液を、70℃以上の液温に維持した状態で、上記(c)成分を含有する水溶液に混合して混合物を生成する混合工程を含み、上記混合工程では、生成途中の上記混合物の液温を40℃以下に保持する製造方法である。
以下、本発明の第1実施形態に係る蒸気・復水系処理剤組成物の製造方法について、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る蒸気・復水系処理剤組成物の製造方法について手順の具体例を示すフローチャートである。
図1に示すとおり、本発明の第1実施形態に係る蒸気・復水系処理剤組成物の製造方法は、(a)成分と(b)成分とを含有する水分散液を、70℃以上の液温に維持した状態で、(c)成分を含有する水溶液に混合して混合物を生成する混合工程を含み、混合工程では、生成途中の上記混合物の液温が40℃以下に保持される。蒸気・復水系処理剤組成物は、上記混合工程で生成された混合物として得られる。
(a)成分と(b)成分とを含有する水分散液は、図1に示すとおり、例えば、水に(a)成分と(b)成分とを添加し、70℃以上の温度で混合することにより得られる。(a)成分は、通常、室温で固体の油分であるため、室温で(a)成分を水と混ぜても(a)成分は水に分散しにくい。しかし、乳化剤かつ乳化安定剤として機能する(b)成分を共存させて70℃以上の温度で混合を行うことにより、(a)成分が十分に融解し、水に均一に安定して分散するため、(a)成分と(b)成分とを含有する水分散液を容易に得ることができる。
上記温度が70℃未満であると、(a)成分の融解が不十分となりやすく、上記水分散液を得られない場合がある。上記温度の上限は、特に限定されるものではないが、得られる蒸気・復水系処理剤組成物の保存安定性の観点から、80℃以下が好ましい。上記温度が80℃以下であると、そのような温度に水分散液を長時間さらしても、(b)成分であるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの分子構造に変化が起こりにくく、より良好な保存安定性を有する蒸気・復水系処理剤組成物が得やすい。
上記水分散液を得るためのより具体的な方法としては、例えば、70℃以上の水に(a)成分と(b)成分とを添加し、70℃以上の温度で混合する方法や、室温等の70℃未満の水に(a)成分と(b)成分とを添加した後、液温を70℃以上に上げ、70℃以上の温度で混合を行う方法が挙げられるが、水分散液の得やすさ等の観点から、前者の方法が好ましい。
一方、(c)成分を含有する水溶液は、図1に示すとおり、例えば、水に(c)成分を添加し、混合することにより得られる。
(c)成分を含有する水溶液の液温は、特に限定されず、上記水分散液を上記水溶液に混合する際に、生成途中の混合物の液温を40℃以下に保持することができる温度であることが好ましく、水と(c)成分との混合割合や上記水分散液と上記水溶液との重量比等にもよるが、10℃以下であることが好ましい。10℃以下の水溶液を得るための具体的な方法としては、例えば、10℃以下の水に(c)成分を添加して混合し、液温を10℃以下に保持する方法や、室温等の10℃超の水に(c)成分を添加して混合し、液温を10℃以下に下げる方法が挙げられるが、(c)成分の揮発の抑えやすさ等の観点から、前者の方法が好ましい。
上述の水分散液及び(c)成分を含有する水溶液を調製するために用いられる水としては、例えば、逆浸透膜等により膜処理することで得られる純水、蒸留水、及びイオン交換水等の精製水等が挙げられる。
上記のとおりにして得られた水分散液を、上記のとおりにして得られた水溶液に混合する。水分散液を水溶液に混合する際、水分散液の液温は70℃以上に維持される。上記液温が70℃未満であると、(a)成分の融解が不十分となりやすく、水分散液の分散状態が悪化しやすい。上記液温の上限は、特に限定されるものではないが、得られる蒸気・復水系処理剤組成物の保存安定性の観点から、80℃以下が好ましい。上記温度が80℃以下であると、そのような温度に水分散液を長時間さらしても、(b)成分であるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの分子構造に変化が起こりにくく、より良好な保存安定性を有する蒸気・復水系処理剤組成物が得やすい。
また、上記水分散液を上記水溶液に混合する際には、図1に示すとおり、生成途中の混合物の液温を40℃以下に保持する。上記液温が40℃超であると、得られる蒸気・復水系処理剤組成物の保存安定性が悪化しやすい。上記液温を40℃以下に保持する方法としては、例えば、上記のとおり、水溶液の液温を10℃以下に設定する方法が挙げられる。なお、生成途中の混合物とは、水分散液の水溶液への混合開始から混合終了までの間に、水分散液と水溶液とが混合されて生成する混合物をいう。
なお、得られる蒸気・復水系処理剤組成物の保存安定性の観点から、水分散液の液温を70〜80℃に維持する時間は、2時間以下にすることが好ましく、水分散液の液温を80℃超に維持する時間は、1時間以下にすることが好ましい。即ち、水分散液を調製してから水溶液に混合し終えるまでの時間を、水分散液の液温を70〜80℃に維持する場合には、2時間以下にすることが好ましく、水分散液の液温を80℃超に維持する場合には、1時間以下にすることが好ましい
以上のとおりにして、保存安定性に優れた蒸気・復水系処理剤組成物を得ることができる。
次に、本発明の第1実施形態に係る蒸気・復水系処理剤組成物の製造方法で得られる蒸気・復水系処理剤組成物(以下、「本発明の第1実施形態に係る蒸気・復水系処理剤組成物」という場合がある。)について説明する。
本発明の第1実施形態に係る蒸気・復水系処理剤組成物においては、(a)成分が(b)成分により乳化、分散され、長期的な安定性(保存安定性)が確保されるとともに、中和性アミンである(c)成分も含まれることにより、(a)成分の皮膜性アミン防食剤としての機能に加えて、(c)成分の防食機能も発揮される。また、本発明の第1実施形態に係る蒸気・復水系処理剤組成物においては、(c)成分が(b)成分と協同的に作用することにより、広い温度範囲での長期の保存安定性が発揮される。本発明の第1実施形態に係る蒸気・復水系処理剤組成物は、組成物全量に対して、(a)成分量が0.1〜5重量%、(b)成分量が0.1〜10重量%、(c)成分量が0.5〜50重量%、残部が水であるような各成分割合の乳化分散系であることが、保存安定性を高める観点から好ましい。
(a)成分として用いられる長鎖脂肪族アミンは、炭素数10〜24、好ましくは炭素数12〜20の長鎖脂肪族基1〜3個、好ましくは1個を有するものである。(a)成分は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記長鎖脂肪族基は、飽和長鎖脂肪族基であっても、不飽和長鎖脂肪族基であってもよい。炭素数が10より少ない長鎖脂肪族基を有する長鎖脂肪族アミン及びその脂肪酸塩は、金属の防食性能に劣る傾向にある。炭素数が24を超える長鎖脂肪族基を有する長鎖脂肪族アミン及びその脂肪酸塩は、ゲル化を起こしやすく、得られる蒸気・復水系処理剤組成物は、保存安定性に優れたものとなりにくい。
本発明に好適に用いることができる長鎖脂肪族アミンとしては、例えば、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、ドコシルアミン等の飽和長鎖脂肪族アミン;オレイルアミン、リシノレイルアミン、リノレイルアミン、リノレニルアミン等の不飽和長鎖脂肪族アミン;ヤシ油アミン、硬化牛脂アミン等の混合アミン;及びこれらの混合物が挙げられる。
(a)成分として用いられる長鎖脂肪族アミンの脂肪酸塩において、上記長鎖脂肪族アミンと脂肪酸塩を形成する脂肪酸は、特に限定されず、炭素数2〜24のものが好ましい。上記脂肪酸としては、例えば、酢酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が挙げられる。
なお、米国FDA規格においてボイラー水用添加剤として使用が認められているオクタデシルアミンを(a)成分として使用した場合には、ボイラーから発生した蒸気が漏れて食品と接触しても安全性の面で問題がないので、食品製造業においても使用できる利点を有する。
(a)成分は、組成物全量に対して0.1〜5重量%の割合で用いるのが好ましい。(a)成分の使用量が上記範囲内であると、(a)成分は、ゲル化しにくいため、水への分散性が良好となりやすく、得られる組成物は、保存安定性に優れたものとなりやすい。
本発明において、(b)成分のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、乳化剤かつ乳化安定剤として用いられる。(b)成分は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。(b)成分としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等が挙げられ、エチレンオキサイドは4〜30モルの割合で付加されているのが好ましい。
なお、日本食品添加物規格や米国FDA規格をはじめ、国際的に広く食品添加物として使用が認められているポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等を(b)成分として使用した場合には、ボイラーから発生した蒸気が漏れて食品と接触しても安全性の面で問題がないので、食品製造業においても使用できる利点を有する。
(b)成分は、組成物全量に対して0.1〜10重量%の割合で用いるのが好ましい。(b)成分の使用量が上記範囲内であると、(a)成分の水への分散性が良好となりやすい。
(c)成分は、式:HO−(CR −NR (但し、Rは独立にH又はCHであり、Rは独立にH、CH、又はCであり、nは2又は3である。)で表される中和性アミンである。(c)成分は、金属防食機能を有する。また、(c)成分は、(b)成分と協同的に作用して、(a)成分を含むエマルションに、広い温度範囲での長期の保存安定性を与える。(c)成分は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(c)成分としては、例えば、エタノールアミン、プロパノールアミン、アミノメチルプロパノール、アミノエチルプロパノール、ジエチルアミノエタノール、モルホリン、及びこれらの混合物が挙げられる。
(c)成分は、組成物全量に対して0.5〜50重量%の割合で用いるのが好ましい。(c)成分の使用量が上記範囲内であると、(c)成分の金属防食性能が効果的に発揮されるとともに、得られる組成物の乳化状態が安定しやすい。
本発明の第1実施形態に係る蒸気・復水系処理剤組成物は、長期保存安定性に極めて優れる。これに加えて、上記蒸気・復水系処理剤組成物は、各成分を選べば安全性がより高くなるので、食品工場等の安全性に対する制限が厳しい工場においても支障なくボイラー等に腐食抑制剤として使用することができる。
本発明の第1実施形態に係る蒸気・復水系処理剤組成物は、(a)成分、(b)成分、及び(c)成分の3成分を必須とするが、必要に応じて、腐食抑制剤の慣用成分やその他の補助添加剤を任意に含有することができる。このような慣用成分や補助添加剤の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン等の可溶化剤や凍結防止剤;ヘキサメタ燐酸ナトリウム、トリポリ燐酸ナトリウム等の重合燐酸塩類;ニトロトリ酢酸ナトリウム(SNTA)、EDTA等の金属イオン封鎖剤等が挙げられる。
本発明の第1実施形態に係る蒸気・復水系処理剤組成物は、給水又は蒸気に対し、(a)成分及び(c)成分の合計の含有量として、0.1〜200ppm、好ましくは1〜20ppm程度となるように連続的又は断続的に添加することによって、蒸気発生系や復水系等の金属部分の腐食を抑制する。
本発明の第1実施形態に係る蒸気・復水系処理剤組成物は、使用濃度付近に希釈されたとき、その希釈液がpH9〜11程度の塩基性を示すので、一般に、燐酸ナトリウム等の塩基性スケール防止剤及び/又は亜硫酸ナトリウム、タンニン等のその他の水処理剤を併用することも可能である。
本発明の第1実施形態に係る蒸気・復水系処理剤組成物は、長期的な保存及び使用に対して、極めて高い乳化分散安定性を発揮する。
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態に係る蒸気・復水系処理剤組成物の製造方法は、(a)炭素数10〜24の長鎖脂肪族基を有する長鎖脂肪族アミン及びその脂肪酸塩の少なくとも一方と、(b)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルと、(c)式:HO−(CR −NR (但し、Rは独立にH又はCHであり、Rは独立にH、CH、又はCであり、nは2又は3である。)で表される中和性アミンとを含有する水性エマルションである蒸気・復水系処理剤組成物の製造方法であって、上記(a)成分と上記(b)成分とを含有する水分散液を、70℃以上の液温に維持した状態で、水に添加して混合液を調製する混合液調製工程と、上記混合液に上記(c)成分を混合して混合物を生成する混合工程とを含み、上記混合液調製工程では、生成途中の上記混合液の液温を40℃以下に保持する製造方法である。
以下、本発明の第2実施形態に係る蒸気・復水系処理剤組成物の製造方法について、図2を参照しながら説明する。図2は、本発明の第2実施形態に係る蒸気・復水系処理剤組成物の製造方法について手順の具体例を示すフローチャートである。
なお、第2実施形態では、主に第1実施形態との相違点について説明する。第2実施形態では、第1実施形態と重複する説明を適宜に省略する。
図2に示すとおり、本発明の第2実施形態に係る蒸気・復水系処理剤組成物の製造方法は、(a)成分と(b)成分とを含有する水分散液を、70℃以上の液温に維持した状態で、水に添加して混合液を調製する混合液調製工程と、上記混合液に(c)成分を混合して混合物を生成する混合工程を含み、混合液調製工程では、生成途中の上記混合液の液温が40℃以下に保持される。蒸気・復水系処理剤組成物は、上記混合工程で生成された混合物として得られる。
(a)成分と(b)成分とを含有する水分散液に関する説明は、第1実施形態と第2実施形態とで重複するので、省略する。
水分散液が添加される水の液温は、特に限定されず、水分散液を水に添加して混合する際に、生成途中の混合液の液温を40℃以下に保持することができる温度であることが好ましく、水分散液と水との重量比等にもよるが、10℃以下であることが好ましい。また、上述の水分散液及び混合液を調製するために用いられる水としては、例えば、逆浸透膜等により膜処理することで得られる純水、蒸留水、及びイオン交換水等の精製水等が挙げられる。
第1実施形態について説明したのと同様にして得られた水分散液を水に添加して混合する。水分散液を水に添加して混合する際、水分散液の液温は70℃以上に維持される。上記液温が70℃未満であると、(a)成分の融解が不十分となりやすく、上記液温の上限は、特に限定されるものではないが、得られる蒸気・復水系処理剤組成物の保存安定性の観点から、80℃以下が好ましい。上記温度が80℃以下であると、そのような温度に水分散液を長時間さらしても、(b)成分であるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの分子構造に変化が起こりにくく、より良好な保存安定性を有する蒸気・復水系処理剤組成物が得やすい。
また、上記水分散液を水に添加して混合する際には、図2に示すとおり、生成途中の混合液の液温を40℃以下に保持する。上記液温が40℃超であると、得られる蒸気・復水系処理剤組成物の保存安定性が悪化しやすい。上記液温を40℃以下に保持する方法としては、例えば、上記のとおり、水分散液を混合する水の液温を10℃以下に設定する方法が挙げられる。なお、生成途中の混合液とは、水分散液の水への混合開始から混合終了までの間に、水分散液と水とが混合されて生成する混合液をいう。
上記のとおりにして得られた混合液に(c)成分を混合して混合物を生成する。この際、生成途中の混合物の液温も40℃以下に保持することが好ましい。
以上のとおりにして、保存安定性に優れた蒸気・復水系処理剤組成物を得ることができる。
本発明の第2実施形態に係る蒸気・復水系処理剤組成物の製造方法で得られる蒸気・復水系処理剤組成物は、本発明の第1実施形態に係る蒸気・復水系処理剤組成物の製造方法で得られる蒸気・復水系処理剤組成物と同様であるので、説明を省略する。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例では、以下の化合物を用いた。
・(a)成分
ODA:オクタデシルアミン
・(b)成分
POESML:ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート
POESMS:ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート
POESMO:ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート
・(c)成分
AMP:アミノメチルプロパノール
<実施例1〜4、比較例1〜3>
本発明の第1実施形態に係る蒸気・復水系処理剤組成物の製造方法に従って、蒸気・復水系処理剤組成物を調製した。
表1に示す組成に従って、純水に(a)成分及び(b)成分を添加し、混合することにより、(a)成分と(b)成分とを含有する水分散液を得た。その際、(a)成分及び(b)成分を添加する前の純水の液温、並びに、混合時の液温を、表1における「水分散液の液温」の行に示す温度に設定し、同温度の水分散液を得た。一方、表1に示す組成に従って、純水に(c)成分を添加し、混合することにより、(c)成分を含有する水溶液を得た。その際、(c)成分を添加して混合したときの液温を、表1における「水溶液の液温」の行に示す温度に設定し、同温度の水溶液を得た。得られた水分散液を、得られた水溶液に混合し、混合物として蒸気・復水系処理剤組成物を得た。上記水分散液を上記水溶液に混合する際、上記水分散液の液温を、表1における「水分散液の液温」の行に示す温度に維持した。また、生成途中の混合物の液温は、表1に示す温度範囲に保持された。なお、上記水分散液の調製から、上記水分散液を上記水溶液に添加し終えるまでの時間は2時間以内であった。
保存安定性は、得られた組成物をそのまま−5℃、5℃、25℃、及び40℃で1ヶ月間静置し、分散状態を目視で観察することにより評価した。評価基準は、以下のとおりである。結果を表1に示す。
○:均一で良好な乳化状態
△:若干の浮遊物が存在する状態
×:分離や沈殿物が発生した状態
××:(a)成分又は(b)成分が水に分散又は溶解しなかった
Figure 0006107098
表1から、実施例1〜4では、上記水分散液を上記水溶液に混合する際に、上記水分散液の液温を70℃以上に維持し、生成途中の混合物の液温を40℃以下に保持することにより、保存安定性に優れた蒸気・復水系処理剤組成物を得ることができた。これに対し、比較例1及び3では、生成途中の混合物の液温が40℃を超えており、得られた蒸気・復水系処理剤組成物は、保存安定性に劣っていた。また、比較例2では、水分散液の調製時の液温が70℃未満であり、(a)成分又は(b)成分が水に分散又は溶解しなかったため、水分散液を得ることができなかった。よって、比較例2では、保存安定性を評価できなかった。
<実施例5、6、比較例4、5>
本発明の第2実施形態に係る蒸気・復水系処理剤組成物の製造方法に従って、蒸気・復水系処理剤組成物を調製した。
表2に示す組成に従って、純水に(a)成分及び(b)成分を添加し、混合することにより、(a)成分と(b)成分とを含有する水分散液を得た。その際、(a)成分及び(b)成分を添加する前の純水の液温、並びに、混合時の液温を、表2における「水分散液の液温」の行に示す温度に設定し、同温度の水分散液を得た。得られた水分散液を、表2に示す量と液温の純水に添加し、混合液を得た。上記水分散液を純水に添加する際、上記水分散液の液温を、表2における「水分散液の液温」の行に示す温度に維持した。また、生成途中の混合液の液温は、表2に示す温度範囲に保持された。上記混合液に、表2に示す量の(c)成分を混合し、混合物として蒸気・復水系処理剤組成物を得た。なお、上記水分散液の調製から、上記水分散液を純水に添加し終えるまでの時間は2時間以内であった。
保存安定性は、実施例1〜4及び比較例1〜3に記載の方法及び評価基準に従って評価した。結果を表2に示す。
Figure 0006107098
表2から、実施例5及び6では、上記水分散液を純水に添加して混合する際に、上記水分散液の液温を70℃以上に維持し、生成途中の混合液の液温を40℃以下に保持することにより、保存安定性に優れた蒸気・復水系処理剤組成物を得ることができた。これに対し、比較例4及び5では、生成途中の混合液の液温が40℃を超えており、得られた蒸気・復水系処理剤組成物は、保存安定性に劣っていた。

Claims (3)

  1. (a)炭素数10〜24の長鎖脂肪族基を有する長鎖脂肪族アミン及びその脂肪酸塩の少なくとも一方と、(b)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルと、(c)式:HO−(CR −NR (但し、Rは独立にH又はCHであり、Rは独立にH、CH、又はCであり、nは2又は3である。)で表される中和性アミンとを含有する水性エマルションである蒸気・復水系処理剤組成物の製造方法であって、
    前記(a)成分と前記(b)成分とを含有する水分散液を、70℃以上の液温に維持した状態で、前記(c)成分を含有する水溶液に混合して混合物を生成する混合工程を含み、
    前記混合工程では、生成途中の前記混合物の液温を40℃以下に保持し、
    前記(c)成分の使用量は、前記組成物全量に対して、0.5〜3.0質量%である製造方法であり、
    −5℃から40℃で1ヶ月間静置したときに、均一で良好な乳化状態を維持する蒸気・復水系処理剤組成物を得ることができる製造方法。
  2. (a)炭素数10〜24の長鎖脂肪族基を有する長鎖脂肪族アミン及びその脂肪酸塩の少なくとも一方と、(b)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルと、(c)式:HO−(CR −NR (但し、Rは独立にH又はCHであり、Rは独立にH、CH、又はCであり、nは2又は3である。)で表される中和性アミンとを含有する水性エマルションである蒸気・復水系処理剤組成物の製造方法であって、
    前記(a)成分と前記(b)成分とを含有する水分散液を、70℃以上の液温に維持した状態で、水に添加して混合液を調製する混合液調製工程と、
    前記混合液に前記(c)成分を混合して混合物を生成する混合工程とを含み、
    前記混合液調製工程では、生成途中の前記混合液の液温を40℃以下に保持し、
    前記(c)成分の使用量は、前記組成物全量に対して、0.5〜3.0質量%である製造方法であり、
    −5℃から40℃で1ヶ月間静置したときに、均一で良好な乳化状態を維持する蒸気・復水系処理剤組成物を得ることができる製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法で得られ、−5℃から40℃で1ヶ月間静置したときに、均一で良好な乳化状態を維持する蒸気・復水系処理剤組成物。
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