JP2002275662A - 腐食抑制剤 - Google Patents
腐食抑制剤Info
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Abstract
期間の保存や使用においても良好な安定性を維持するこ
とができる腐食抑制剤を提供する。 【解決手段】 水分と接触する金属の腐食を抑制するた
めの水性エマルジョン系の腐食抑制剤であって、オクタ
デシルアミン脂肪酸塩と、ショ糖脂肪酸エステル化合物
とを含む。
Description
くに水分と接触する金属の腐食を抑制するための腐食抑
制剤に関する。
置は、給水に含まれている重炭酸イオン,二酸化炭素等
による復水(ドレン)のpHの低下作用や、溶存酸素に
よる酸化作用により、蒸気および復水と接触する部分に
腐食が生じ易い。このような腐食は、装置の性能低下や
故障の原因になったり、装置の寿命を短縮する可能性が
ある。とくに、蒸気を用いて食品加工や滅菌処理を施す
場合において、衛生面の問題が生じている。そのため、
衛生面を考慮に入れた腐食を抑制する方法が、種々検討
さている。
を抑制する薬剤としては、水分と直接接触する部分に防
食性の皮膜を形成することにより、水分と金属が直接接
触することを防ぐ皮膜形成型の腐食抑制剤がある。この
皮膜形成型の腐食抑制剤として、長鎖脂肪族アミンと脂
肪酸アルカリ金属塩を含む水性エマルジョンが提案され
ている(特開昭60−174884号公報)。この腐食
抑制剤は、長鎖脂肪族アミンが金属に防食性の皮膜を形
成するための成分として機能する。ここにおいて、脂肪
族アルカリ金属塩は、長鎖脂肪族アミンを水中に分散さ
せてエマルジョンを形成するために用いる界面活性剤で
ある。
リ金属塩とを含む腐食抑制剤は、食品添加物で構成され
たものではない。そのため、長鎖脂肪族アミンと脂肪族
アルカリ金属塩とを含む腐食抑制剤は、人体もしくは環
境に対する安全性が高いものとは言えないため、食品加
工や滅菌処理を行う蒸気や水を供給するためのボイラを
はじめとする各種機器に対して適用できない。
に鑑み、人体や環境に対する安全性が高く、しかも長期
間の保存や使用においても良好な安定性を維持すること
ができる腐食抑制剤を提供することを目的としている。
解決するためになされたものであって、水分と接触する
金属の腐食を抑制するための水性エマルジョン系の腐食
抑制剤であって、オクタデシルアミン脂肪酸塩とショ糖
脂肪酸エステル化合物を含んでいる。
合物は、HLB値が13〜15である。
シルアミン脂肪酸塩を0.3〜3.0重量%、前記ショ
糖脂肪酸エステル化合物を1.0〜9.0重量%それぞ
れ含んでいる。
ついて説明する。この発明は、水分と接触する金属の腐
食を抑制するためのものであり、オクタデシルアミン脂
肪酸塩をショ糖脂肪酸エステル化合物を用いて、水性分
散媒中に分散させた水性エマルジョン系の腐食抑制剤で
ある。
水性分散媒は、水性エマルジョンを形成するために通常
用いられるものであり、食品添加物であれば、とくに限
定されるものではなく、基本的には水,とくに純水であ
る。この水性分散媒は、水の他に、適宜、プロピレング
リコールおよびグリセリン等の食品添加物を用いた増粘
剤や凍結防止剤を含んでいてもよい。
いて説明する。このオクタデシルアミン脂肪酸塩は、金
属の表面に対し、水分による腐食を抑制するための成分
である。また、このオクタデシルアミン脂肪酸塩を構成
する脂肪酸塩としては、オレイン酸,ラウリン酸および
ステアリン酸等の金属塩を挙げることができる。
肪酸塩は、食品添加物であり、人体もしくは環境に対す
る安全性の高いものであるため、食品加工用や滅菌処理
用の蒸気を供給するためのボイラをはじめとする各種機
器に対しても適用することができる。
オクタデシルアミン脂肪酸塩の割合は、通常、全重量の
0.3〜3.0重量%に設定されているのが好ましく、
1.0〜2.0重量%に設定されているのがより好まし
い。この含有量が0.3重量%未満であれば、金属に対
して腐食抑制用の所要の皮膜を形成するのが困難になる
可能性があり、また腐食抑制剤そのものの安定性,とく
に乳化安定性が損なわれる可能性がある。逆に、3.0
重量%を超える場合は、腐食抑制剤がゲル化しやすくな
り、金属に対して所要の皮膜を形成するのが困難であ
り、金属配管を閉塞させる可能性がある。また、腐食抑
制剤が相分離しやすくなり、乳化安定性が低下する可能
性がある。
いて説明する。このショ糖脂肪酸エステル化合物は、長
鎖脂肪族アミンの脂肪酸塩を水性分散媒中に分散させる
界面活性剤である。ここで用いられるショ糖脂肪酸エス
テル化合物は、とくに限定されるものではないが、好ま
しくはショ糖と長鎖脂肪酸のエステルである。このエス
テルは、モノエステルであってもよいし、ジエステルお
よびそれ以上のエステルであってもよい。また、ジエス
テル以上のエステルの場合には、ショ糖に対して2種以
上の脂肪酸等がエステル結合していてもよい。そして、
ここで用いられる長鎖脂肪酸は、炭素数12〜18個の
ものが好ましく、ステアリン酸,オレイン酸,ラウリン
酸,パルミチン酸およびミリスチン酸等がある。
ち、好ましくはショ糖モノステアリン酸エステル,ショ
糖モノオレイン酸エステル,ショ糖モノラウリン酸エス
テル,ショ糖モノパルミチン酸エステルおよびショ糖モ
ノミリスチン酸エステル等のショ糖脂肪酸モノエステル
類であり、またショ糖ジステアリン酸エステル,ショ糖
ジオレイン酸エステル,ショ糖ジラウリン酸エステル,
ショ糖ジパルミチン酸エステルおよびショ糖ジミリスチ
ン酸エステル等のショ糖脂肪酸ジエステル類等である。
は、食品添加物であるため、人体もしくは環境に対する
安全性の高いものであり、これを界面活性剤として含む
腐食抑制剤は、食品加工用や滅菌処理用の蒸気や水を供
給するためのボイラをはじめとする各種機器に対しても
適用することができる。
は、親油性と親水性のバランスを表すHLBの値が13
〜15のものを用いるのが好ましい。このHLBの値
が、13未満の場合には、腐食抑制剤の乳化安定性およ
び長期保存安定性が低下する可能性がある。逆に、15
を越える場合には、目的とする水性エマルジョンが得ら
れない可能性がある。また、このショ糖脂肪酸エステル
化合物は、HLBの値が13〜15の範囲内にある場合
には、ショ糖脂肪酸エステル化合物を単独で用いてもよ
く、2種以上のショ糖脂肪酸エステルを適宜組み合わせ
た混合物を用いてもよい。さらに、HLBの値が範囲外
にある場合には、2種以上のショ糖脂肪酸エステルを適
宜組み合わせて、HLBの値を範囲内に調整する。
脂肪酸エステル化合物の割合は、通常、全重量の1.0
〜9.0重量%に設定することが好ましく、3.0〜
6.0重量%に設定することがより好ましい。この割合
が1.0重量%未満の場合は、オクタデシルアミン脂肪
酸塩を水性分散媒中に安定して乳化させることが困難に
なる可能性がある。逆に、9.0重量%を超える場合に
は、それに伴う効果が得られず不経済であるばかりでな
く、腐食抑制剤が発泡して使用しにくくなる可能性があ
る。
必要に応じて各種の添加剤を含んでもよい。この添加剤
としては、ヘキサメタ燐酸ナトリウム,トリポリ燐酸ナ
トリウム等の重合燐酸塩類があり、またニトリロトリ酢
酸ナトリウム(SNTA)やエチレンジアミンテトラア
セテート(EDTA)等の金属イオン封鎖剤等がある。
について説明する。以下に述べる方法は例示であって、
この発明の範囲を何ら限定するものではない。まず、オ
クタデシルアミン脂肪酸塩とショ糖脂肪酸エステル化合
物をそれぞれ所定量添加し、80〜90℃程度の温度で
攪拌しながら混合し溶解させて混合液とする。つぎに、
所定量の水性分散媒を10〜20℃程度に維持しつつ、
前記混合液を滴下等の方法により徐々に添加しながら攪
拌する。そして、前記混合液の添加混合後も所定時間
(通常、30分〜1時間程度)攪拌を継続することによ
り、水性エマルジョン状態の腐食抑制剤を得ることがで
きる。ここにおいて、増粘剤,凍結防止剤およびその他
の添加物は、前記混合液に添加してもよいし、水性分散
媒に添加しておいてもよい。また、水性エマルジョン状
態の腐食抑制剤に添加してもよい。
は、食品添加物のみで構成しており、かつ長期間にわた
る保存安定性がよく、また水で希釈した場合においても
十分安定な分散安定性を維持することができる。
ミン脂肪酸塩およびショ糖脂肪酸エステル化合物は、食
品添加物であるため、人体や環境に対する安定性が高
い。したがって、食品加工用や滅菌処理用に安全に用い
ることができ、蒸気が大気中に漏れ出たとしても、作業
環境を汚染する可能性を小さくすることができる。
明する。これらは例示であって、この発明の範囲を何ら
限定するものではない。
剤としてのショ糖モノラウリン酸エステルとショ糖ジラ
ウリン酸エステルとの混合物(HLB=15)と、プロ
ピレングリコールとを混合し、これを80〜90℃の温
度範囲で1時間攪拌して溶解させた。これにより、混合
液を得た。
〜20℃に維持し、この蒸留水に対して前記混合液を滴
下しながら攪拌し、その攪拌を約1時間継続した。これ
により、水性エマルジョン状態の目的とする腐食抑制剤
が得られた。ここにおいて、この腐食抑制剤中に含まれ
る各成分の割合は、表1の通りである。
ナトリウムと、プロピレングリコールとを混合し、これ
を80〜90℃の温度範囲で1時間攪拌して溶解させ
た。これにより、混合液を得た。
〜20℃に維持し、この蒸留水に対して前記混合液を滴
下しながら攪拌し、その攪拌を約1時間継続した。これ
により、水性エマルジョン状態の目的とする腐食抑制剤
が得られた。ここにおいて、この腐食抑制剤中に含まれ
る各成分の割合は、表1の通りである。
剤について、保存安定性および希釈安定性を評価した。
評価の方法は、つぎの通りである。
においてそれぞれ1ヶ月間静置し、その後の分散状態を
目視により評価した。評価の基準は、つぎの通りであ
る。その結果を表2に示す。
して、このようにして希釈された腐食抑制剤を−5℃,
25℃および50℃の温度環境下においてそれぞれ1ヶ
月間静置し、その後の分散状態を目視により評価した。
評価の基準は、つぎの通りである。その結果を表2に示
す。
を評価した。ここでは、蒸発量が500kg/hの小型貫
流ボイラに、腐食抑制剤を100mg/リットル添加した
軟水を給水し、圧力が8kg/cm2の蒸気を連続的に発生
させながらボイラを運転した。この際、軟鋼製のテスト
ピース(50mm×25mm×1mm)を蒸気ドレン水中に4
8時間浸漬し、腐食速度(mdd)を調べた。その結果を
表3に示す。ここで、給水に用いた軟水は、愛媛県松山
市の水道水を処理して軟水化したものを用いた。その水
質は、つぎの通りである。
剤は、比較例の腐食抑制剤の保存安定性および希釈安定
性と同等以上の効果を発揮し、また腐食抑制性は同等の
効果を発揮することが分かる。ここにおいて、実施例の
腐食抑制剤は、食品添加物のみで構成されているため、
食品加工用や滅菌処理用でも使用可能な腐食抑制剤とな
る。
や環境に対する安全性が高く、しかも長期間の保存や使
用においても良好な安定性を維持することができる腐食
抑制剤を提供することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】水分と接触する金属の腐食を抑制するため
の水性エマルジョン系の腐食抑制剤であって、 オクタデシルアミン脂肪酸塩と、 ショ糖脂肪酸エステル化合物とを含む腐食抑制剤。 - 【請求項2】前記ショ糖脂肪酸エステル化合物は、HL
B値が13〜15である請求項1に記載の腐食抑制剤。 - 【請求項3】前記オクタデシルアミン脂肪酸塩を0.3
〜3.0重量%、前記ショ糖脂肪酸エステル化合物を
1.0〜9.0重量%それぞれ含んでいる請求項1また
は請求項2に記載の腐食抑制剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001081808A JP2002275662A (ja) | 2001-03-22 | 2001-03-22 | 腐食抑制剤 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2001081808A JP2002275662A (ja) | 2001-03-22 | 2001-03-22 | 腐食抑制剤 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2002275662A true JP2002275662A (ja) | 2002-09-25 |
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---|---|---|---|
JP2001081808A Pending JP2002275662A (ja) | 2001-03-22 | 2001-03-22 | 腐食抑制剤 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009045717A (ja) * | 2007-08-22 | 2009-03-05 | Chubu Kiresuto Kk | 水性放電加工液 |
JP2014114479A (ja) * | 2012-12-10 | 2014-06-26 | Miura Co Ltd | 蒸気・復水系処理剤組成物の製造方法、及びその製造方法で得られる蒸気・復水系処理剤組成物 |
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-
2001
- 2001-03-22 JP JP2001081808A patent/JP2002275662A/ja active Pending
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