JP2521606B2 - 蒸気系腐食抑制剤組成物 - Google Patents
蒸気系腐食抑制剤組成物Info
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- JP2521606B2 JP2521606B2 JP3356883A JP35688391A JP2521606B2 JP 2521606 B2 JP2521606 B2 JP 2521606B2 JP 3356883 A JP3356883 A JP 3356883A JP 35688391 A JP35688391 A JP 35688391A JP 2521606 B2 JP2521606 B2 JP 2521606B2
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23F—NON-MECHANICAL REMOVAL OF METALLIC MATERIAL FROM SURFACE; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL; MULTI-STEP PROCESSES FOR SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL INVOLVING AT LEAST ONE PROCESS PROVIDED FOR IN CLASS C23 AND AT LEAST ONE PROCESS COVERED BY SUBCLASS C21D OR C22F OR CLASS C25
- C23F11/00—Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent
- C23F11/08—Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent in other liquids
- C23F11/10—Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent in other liquids using organic inhibitors
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- Organic Chemistry (AREA)
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- Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業用エネルギ−供給
源として重要な役割を果たしている蒸気発生機用蒸気復
水系の腐食抑制剤に関する。詳しくは、腐食抑制剤には
皮膜性防食剤と中和性防食剤及びこれら両者を含む複合
防食剤があるが、本発明は後者の複合防食剤に属する。
源として重要な役割を果たしている蒸気発生機用蒸気復
水系の腐食抑制剤に関する。詳しくは、腐食抑制剤には
皮膜性防食剤と中和性防食剤及びこれら両者を含む複合
防食剤があるが、本発明は後者の複合防食剤に属する。
【0002】
【従来の技術】近年ボイラ−プラントの大型化に伴いエ
ネルギ−利用の効率化が要求されてきた。そのため、省
エネルギ−、省資源対策が求められ、ボイラ−蒸気復水
の回収が重要な課題となっている。ボイラ−蒸気復水を
回収し利用するためには、復水の水質が良質であること
が必要である。その理由は、水質が良質ではない場合に
は給水中に不純物が持ち込まれ、ボイラ−腐食の原因と
なるからである。ボイラ−から発生する復水は、純水で
あるため、復水系の配管などになんらの支障を生じない
ように考えられるかもしれないが、実際には、防食処理
を行わない場合は腐食が発生し、蒸気漏れによるエネル
ギ−の損失、機器の破損、復水中に含まれる腐食性物質
によるボイラ−の二次腐食などが発生する。このような
復水系配管が腐食する原因は、ボイラ−の原水や給水に
含まれている溶存酸素や二酸化炭素、およびボイラ−水
中に溶解していた炭酸水素塩、炭酸塩などが、高温のた
め分解して生ずる二酸化炭素などにあると考えられる。
その腐食防止対策として、原水や給水中含まれる溶存酸
素を対象として、脱気機や脱酸素剤などを用いた防食方
法が行なわれている。
ネルギ−利用の効率化が要求されてきた。そのため、省
エネルギ−、省資源対策が求められ、ボイラ−蒸気復水
の回収が重要な課題となっている。ボイラ−蒸気復水を
回収し利用するためには、復水の水質が良質であること
が必要である。その理由は、水質が良質ではない場合に
は給水中に不純物が持ち込まれ、ボイラ−腐食の原因と
なるからである。ボイラ−から発生する復水は、純水で
あるため、復水系の配管などになんらの支障を生じない
ように考えられるかもしれないが、実際には、防食処理
を行わない場合は腐食が発生し、蒸気漏れによるエネル
ギ−の損失、機器の破損、復水中に含まれる腐食性物質
によるボイラ−の二次腐食などが発生する。このような
復水系配管が腐食する原因は、ボイラ−の原水や給水に
含まれている溶存酸素や二酸化炭素、およびボイラ−水
中に溶解していた炭酸水素塩、炭酸塩などが、高温のた
め分解して生ずる二酸化炭素などにあると考えられる。
その腐食防止対策として、原水や給水中含まれる溶存酸
素を対象として、脱気機や脱酸素剤などを用いた防食方
法が行なわれている。
【0003】他方、ボイラ−中で発生する二酸化炭素
や、脱気器などで除去出来なかった原水あるいは給水中
の酸素および二酸化炭素は、蒸気復水系に放出される。
このようにして、復水系配管に入った二酸化炭素など揮
発性酸化物は、蒸気復水系の冷却時に生ずる凝縮水に溶
解して、低pH化を起こし、酸素などが、更に配管の腐
食を促進させる。このような酸性化による蒸気復水系の
腐食を防止するには、次のような方法が取られている。
前述のように、防食剤には、皮膜性防食剤と中和性防食
剤、および、この両者を含む複合防食剤がある。皮膜性
防食剤は、蒸気復水系の配管の金属内面に撥水性防食被
膜を形成して、凝縮水と金属との接触を遮断することに
よる腐食防止法であり、これには高級アルキルアミンが
主に使用される。また中和性防食剤による方法は、凝縮
水に溶解した二酸化炭素を、主に揮発性有機アミンのア
ルカノ−ルアミンを用いて中和する方法である。また、
この両者を混合した複合防食剤を用いる方法がある。
や、脱気器などで除去出来なかった原水あるいは給水中
の酸素および二酸化炭素は、蒸気復水系に放出される。
このようにして、復水系配管に入った二酸化炭素など揮
発性酸化物は、蒸気復水系の冷却時に生ずる凝縮水に溶
解して、低pH化を起こし、酸素などが、更に配管の腐
食を促進させる。このような酸性化による蒸気復水系の
腐食を防止するには、次のような方法が取られている。
前述のように、防食剤には、皮膜性防食剤と中和性防食
剤、および、この両者を含む複合防食剤がある。皮膜性
防食剤は、蒸気復水系の配管の金属内面に撥水性防食被
膜を形成して、凝縮水と金属との接触を遮断することに
よる腐食防止法であり、これには高級アルキルアミンが
主に使用される。また中和性防食剤による方法は、凝縮
水に溶解した二酸化炭素を、主に揮発性有機アミンのア
ルカノ−ルアミンを用いて中和する方法である。また、
この両者を混合した複合防食剤を用いる方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ボイラ−の復水系防食
剤を給水ラインから投入する通常の復水系防食剤の投入
方法では、防食剤が水へ均一に溶解することが重要にな
る。良好な防食効果を示す長鎖脂肪族アミンは、撥水性
が強いほど凝縮水と金属との接触をよく遮断し、防食効
果を上げるが、水への均一溶解は困難となる。この解決
方法には、長鎖脂肪族アミンをアルコ−ルに溶解した
後、水に分散する方法、酢酸または酢酸塩を加えて水に
溶解する方法が行なわれてきた。しかし、これらの方法
ではpHを上げたり、給水で希釈したり、清缶剤などの
電解質などと混合したりすると凝集、析出、浮上および
設備機器への付着などが生じるため、給水ポンプが閉塞
したり、所定量の防食剤を蒸気ラインに送り込むことが
難しいなどの欠点があった。
剤を給水ラインから投入する通常の復水系防食剤の投入
方法では、防食剤が水へ均一に溶解することが重要にな
る。良好な防食効果を示す長鎖脂肪族アミンは、撥水性
が強いほど凝縮水と金属との接触をよく遮断し、防食効
果を上げるが、水への均一溶解は困難となる。この解決
方法には、長鎖脂肪族アミンをアルコ−ルに溶解した
後、水に分散する方法、酢酸または酢酸塩を加えて水に
溶解する方法が行なわれてきた。しかし、これらの方法
ではpHを上げたり、給水で希釈したり、清缶剤などの
電解質などと混合したりすると凝集、析出、浮上および
設備機器への付着などが生じるため、給水ポンプが閉塞
したり、所定量の防食剤を蒸気ラインに送り込むことが
難しいなどの欠点があった。
【0005】これらの問題を解決する方法として、脂肪
酸アルカリ金属塩を用いた水性エマルジョン組成物が発
表されたが、清缶剤の原液と復水系防食剤の混合では長
期保存が困難であったり、エマルジョン状態を破壊する
環境変化には、絶えず注意を払わなければならない。ま
た、最も重要なボイラ−運転管理の面から考えると、脂
肪族アルカリ塩の過剰はボイラ−水を泡立たせ、キャリ
−オ−バ−の原因となるため、復水系防食剤の濃度管理
やボイラ−水の濃縮倍数には慎重を期さなければならな
い。最近では、生蒸気を直接使用する病院や食品工場が
増加したり、色々な事情により蒸気を大気中に放出する
ことが多くなったので、蒸気の安全性を求める声が大き
くなっている。このため、使用する原料は人体に対して
安全性の高い物質であることが望ましい。これらの諸要
件を兼ね備えた蒸気復水系防食剤が待望されていた。
酸アルカリ金属塩を用いた水性エマルジョン組成物が発
表されたが、清缶剤の原液と復水系防食剤の混合では長
期保存が困難であったり、エマルジョン状態を破壊する
環境変化には、絶えず注意を払わなければならない。ま
た、最も重要なボイラ−運転管理の面から考えると、脂
肪族アルカリ塩の過剰はボイラ−水を泡立たせ、キャリ
−オ−バ−の原因となるため、復水系防食剤の濃度管理
やボイラ−水の濃縮倍数には慎重を期さなければならな
い。最近では、生蒸気を直接使用する病院や食品工場が
増加したり、色々な事情により蒸気を大気中に放出する
ことが多くなったので、蒸気の安全性を求める声が大き
くなっている。このため、使用する原料は人体に対して
安全性の高い物質であることが望ましい。これらの諸要
件を兼ね備えた蒸気復水系防食剤が待望されていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、常温において、水溶性の低級脂肪族ケト
ン化合物及び低級脂肪族アルコール化合物を有する溶液
または水溶液から成る。前記低級脂肪族ケトン化合物の
低級脂肪族アルコール化合物に対する比は0.1〜9で
あり、組成物全量に対する低級脂肪族ケトン化合物と低
級脂肪族アルコール化合物との和の含有量は5〜98重
量%で構成する。さらに前記の構成組成物に炭素数8〜
22の長鎖脂肪族アミンと水溶性中和性アミンの両者ま
たは炭素数8〜22の長鎖脂肪族アミンのみを含有し、
組成物全量に対する炭素数8〜22の長鎖脂肪族アミン
の含有量が0.1〜25重量%で構成するものである。
に、本発明は、常温において、水溶性の低級脂肪族ケト
ン化合物及び低級脂肪族アルコール化合物を有する溶液
または水溶液から成る。前記低級脂肪族ケトン化合物の
低級脂肪族アルコール化合物に対する比は0.1〜9で
あり、組成物全量に対する低級脂肪族ケトン化合物と低
級脂肪族アルコール化合物との和の含有量は5〜98重
量%で構成する。さらに前記の構成組成物に炭素数8〜
22の長鎖脂肪族アミンと水溶性中和性アミンの両者ま
たは炭素数8〜22の長鎖脂肪族アミンのみを含有し、
組成物全量に対する炭素数8〜22の長鎖脂肪族アミン
の含有量が0.1〜25重量%で構成するものである。
【0007】
【実施例】本発明の実施例を説明すると、効率の良い防
食効果を発揮させるために、被膜性防食剤と中和性防食
剤の両者を含む複合防食剤を一液化する。この防食剤が
水の中に投入されても分離したりせず、希釈性に優れ、
清缶剤のpH領域でも均一に混合されること、また、清
缶剤など電解質と混合しても分離したりしないことが大
切である。本発明は、常温において、水溶性の低級脂肪
族ケトン化合物及び低級脂肪族アルコール化合物を有す
る溶液または水溶液から成り、低級脂肪族ケトン化合物
の低級脂肪族アルコール化合物に対する比は0.1〜9
であり、組成物全量に対する低級脂肪族ケトン化合物と
低級脂肪族アルコール化合物との和の含有量は5〜98
重量%である。そして前記の構成組成物に加えて、炭素
数8〜22の長鎖脂肪族アミンと水溶性中和性アミンの
両者または炭素数8〜22の長鎖脂肪族アミンのみを含
有し、組成物全量に対する炭素数8〜22の長鎖脂肪族
アミンの含有量が0.1〜25重量%で構成し、水溶性
中和性アミンを加える場合にはその中和性アミンの量は
0.5〜50重量%で構成する。このら構成要素につい
て以下詳しく説明すると、
食効果を発揮させるために、被膜性防食剤と中和性防食
剤の両者を含む複合防食剤を一液化する。この防食剤が
水の中に投入されても分離したりせず、希釈性に優れ、
清缶剤のpH領域でも均一に混合されること、また、清
缶剤など電解質と混合しても分離したりしないことが大
切である。本発明は、常温において、水溶性の低級脂肪
族ケトン化合物及び低級脂肪族アルコール化合物を有す
る溶液または水溶液から成り、低級脂肪族ケトン化合物
の低級脂肪族アルコール化合物に対する比は0.1〜9
であり、組成物全量に対する低級脂肪族ケトン化合物と
低級脂肪族アルコール化合物との和の含有量は5〜98
重量%である。そして前記の構成組成物に加えて、炭素
数8〜22の長鎖脂肪族アミンと水溶性中和性アミンの
両者または炭素数8〜22の長鎖脂肪族アミンのみを含
有し、組成物全量に対する炭素数8〜22の長鎖脂肪族
アミンの含有量が0.1〜25重量%で構成し、水溶性
中和性アミンを加える場合にはその中和性アミンの量は
0.5〜50重量%で構成する。このら構成要素につい
て以下詳しく説明すると、
【0008】水溶性低級脂肪族ケトン化合物としては、
アセトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトン、ビア
セチル、アセチルアセトンなどがあるが、好ましくは、
食品添加物のアセトンが良い。
アセトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトン、ビア
セチル、アセチルアセトンなどがあるが、好ましくは、
食品添加物のアセトンが良い。
【0009】水溶性低級脂肪族アルコ−ル化合物として
は、メタノ−ル、エタノ−ル、n-,iso-プロパノ−ル、n
-,sec-,tert-ブタノ−ルなどがあるが好ましくは食品添
加物のエタノ−ルが良い。なお、防食剤を水中へ容易に
分散させるには、通常用いられている界面活性剤を少量
添加しても良く、多価アルコ−ル、例えばエチレングリ
コ−ル、プロピレングリコ−ル、グリセリン等を適宜添
加するには問題がない。
は、メタノ−ル、エタノ−ル、n-,iso-プロパノ−ル、n
-,sec-,tert-ブタノ−ルなどがあるが好ましくは食品添
加物のエタノ−ルが良い。なお、防食剤を水中へ容易に
分散させるには、通常用いられている界面活性剤を少量
添加しても良く、多価アルコ−ル、例えばエチレングリ
コ−ル、プロピレングリコ−ル、グリセリン等を適宜添
加するには問題がない。
【0010】炭素数8〜22の長鎖脂肪族アミンは、ア
ルキル基もしくはアルケニル基を1〜3個からなる長鎖
脂肪族アミンであり、人体に対する安全性を重視する
と、好ましくは米国FDA規格においてボイラ−水用添
加剤として認可されているオクタデシルアミンがある。
オクタデシルアミンを使用した場合には、ボイラ−から
発生した蒸気が管理ミスなどで漏れ、食品や人体に直接
触れる物質に接触したとしても安全性に問題がない。組
成物全量に対する炭素数8〜22の長鎖脂肪族アミンの
含有量が0.1〜25重量%にある組成物、好ましくは
0.4〜10重量%にある。蒸気中に含まれる濃度は5
ppm以下が望ましい。
ルキル基もしくはアルケニル基を1〜3個からなる長鎖
脂肪族アミンであり、人体に対する安全性を重視する
と、好ましくは米国FDA規格においてボイラ−水用添
加剤として認可されているオクタデシルアミンがある。
オクタデシルアミンを使用した場合には、ボイラ−から
発生した蒸気が管理ミスなどで漏れ、食品や人体に直接
触れる物質に接触したとしても安全性に問題がない。組
成物全量に対する炭素数8〜22の長鎖脂肪族アミンの
含有量が0.1〜25重量%にある組成物、好ましくは
0.4〜10重量%にある。蒸気中に含まれる濃度は5
ppm以下が望ましい。
【0011】水溶性中和性アミンの成分として使用され
る化学式は、 で示される中和性アミンおよびシクロヘキシルアミン、
モルフォリンである。好ましくは、米国FDA規格にお
いてボイラー水用添加剤として認可されているシクロヘ
キシルアミン、モルフォリン、2−ジエチルアミノエタ
ノール、同様にカナダFDBCS規格において認可され
ている2−アミノ、2−メチルプロパノールなどがあ
る。この水溶性中和性アミンの組成物全量に対する含有
量は、効果において特に上限はないが、使用量は0.5
〜50重量%で、濃度は10〜15ppmが好ましく、
蒸気中に含まれる濃度は、米国FDA規格以内が望まし
い。
る化学式は、 で示される中和性アミンおよびシクロヘキシルアミン、
モルフォリンである。好ましくは、米国FDA規格にお
いてボイラー水用添加剤として認可されているシクロヘ
キシルアミン、モルフォリン、2−ジエチルアミノエタ
ノール、同様にカナダFDBCS規格において認可され
ている2−アミノ、2−メチルプロパノールなどがあ
る。この水溶性中和性アミンの組成物全量に対する含有
量は、効果において特に上限はないが、使用量は0.5
〜50重量%で、濃度は10〜15ppmが好ましく、
蒸気中に含まれる濃度は、米国FDA規格以内が望まし
い。
【0012】さらに具体的に説明すると、オクタデシル
アミンを0.05gを次に示す有機溶媒2mlに添加
し、60℃で加熱溶解した後、放冷した。このとき、オ
クタデシルアミンが白濁し析出する温度を測定し、表1
に示した。なおオクタデシルアミンの融点は約52℃で
ある。
アミンを0.05gを次に示す有機溶媒2mlに添加
し、60℃で加熱溶解した後、放冷した。このとき、オ
クタデシルアミンが白濁し析出する温度を測定し、表1
に示した。なおオクタデシルアミンの融点は約52℃で
ある。
【0013】
【表1】 有機溶剤によるオクタデシルアミンの溶解力 試薬 白濁する温度(℃) メタノ−ル 39 エタノ−ル 42 ブタノ−ル 46 エチレングリコ−ル 溶けない プロピレングリコ−ル 溶けない グリセリン 溶けない グリコ−ル酸(70%) 23 グルコン酸(50%) 23 シクロヘキシルアミン 溶解 モルフォリン 32 2-ジエタノ−ルアミン 32 2-アミノ,2-メチル−プロパノ−ル 32 アセトン 溶けない ビアセトン 溶けない ショ糖脂肪酸エステル 30 アセトン1+エタノ−ル3 25 アセトン1+エタノ−ル1 溶解 アセトン3+エタノ−ル1 38
【0014】以上のように、アセトンとエタノ−ルを混
合すると、それぞれが単独のときに比較してオクタデシ
ルアミンの溶解量が増加し、アセトンとエタノ−ルの比
が1:1(表1中で「アセトン1+エタノ−ル1」と表
現する)の時最も溶解度が増加し、シクロヘキシルアミ
ン以上の溶解性を確認した。なお、オクタデシルアミン
がエタノ−ル、エタノ−ル1+アセトン1、アセトンの
混合溶媒中で溶解する時の紫外線吸収(UV)スペクト
ルを図1乃至図3に示した。簡単に説明すると、図1に
示すエタノ−ル溶媒中のオクタデシルアミンの吸収は、
200〜240nmにあり、図3に示すアセトン中のそ
れもほぼ同じ形の吸収として現われるが、図2に示すエ
タノ−ル1+アセトン1の(UV)スペクトルは200
〜220nmの範囲において著しく異なり、この混合溶
媒中での溶解状態は、アセトンやエタノ−ルとは明白に
異なることを示している。この化学的変化が、混合溶媒
によるオクタデシルアミンの大量溶解の原因であると考
えられる。
合すると、それぞれが単独のときに比較してオクタデシ
ルアミンの溶解量が増加し、アセトンとエタノ−ルの比
が1:1(表1中で「アセトン1+エタノ−ル1」と表
現する)の時最も溶解度が増加し、シクロヘキシルアミ
ン以上の溶解性を確認した。なお、オクタデシルアミン
がエタノ−ル、エタノ−ル1+アセトン1、アセトンの
混合溶媒中で溶解する時の紫外線吸収(UV)スペクト
ルを図1乃至図3に示した。簡単に説明すると、図1に
示すエタノ−ル溶媒中のオクタデシルアミンの吸収は、
200〜240nmにあり、図3に示すアセトン中のそ
れもほぼ同じ形の吸収として現われるが、図2に示すエ
タノ−ル1+アセトン1の(UV)スペクトルは200
〜220nmの範囲において著しく異なり、この混合溶
媒中での溶解状態は、アセトンやエタノ−ルとは明白に
異なることを示している。この化学的変化が、混合溶媒
によるオクタデシルアミンの大量溶解の原因であると考
えられる。
【0015】
【実験例1】オクタデシルアミンを2重量%、シクロヘ
キシルアミンを14重量%、2−ジエタノールアミン5
重量%、アセトン5重量%、エタノール5重量%、純水
69重量%を充分混合すると透明になり、室温で1週
間、1ヵ月、3ヵ月静置保存しても、分離変色は見られ
ない。
キシルアミンを14重量%、2−ジエタノールアミン5
重量%、アセトン5重量%、エタノール5重量%、純水
69重量%を充分混合すると透明になり、室温で1週
間、1ヵ月、3ヵ月静置保存しても、分離変色は見られ
ない。
【0016】
【実験例2】上記実験例1と同一組成物を使用して同一
条件下において被膜型復水系防食剤を使用しているA社
のボイラーに当社食品工場向け清缶剤と復水系複合防食
剤とを一液にして1ヵ月使用した結果のドレンの変化を
表2で示す。
条件下において被膜型復水系防食剤を使用しているA社
のボイラーに当社食品工場向け清缶剤と復水系複合防食
剤とを一液にして1ヵ月使用した結果のドレンの変化を
表2で示す。
【0017】
【表2】
【0018】表2からわかるように、pHが増加してい
ることは、2−ジエタノールアミン(水溶性中和性アミ
ン)によって、二酸化炭素によるドレンの酸性化を防止
できたことを示す。また、配管の腐食状態を示す全鉄の
数字も60%減少したことより、混合タイプの防食剤の
効果とともにこの方法で得た複合防食剤が実機にも利用
できることを確認した。
ることは、2−ジエタノールアミン(水溶性中和性アミ
ン)によって、二酸化炭素によるドレンの酸性化を防止
できたことを示す。また、配管の腐食状態を示す全鉄の
数字も60%減少したことより、混合タイプの防食剤の
効果とともにこの方法で得た複合防食剤が実機にも利用
できることを確認した。
【0019】
【実験例3】オクタデシルアミンを0.2重量%、シク
ロヘキシルアミンを2重量%、2−ジエタノールアミン
2重量%、アセトン10重量%、エタノール12.2重
量%、純水73.6重量%を充分混合すると透明にな
り、室温で1週間、1ヵ月、3ヵ月静置保存しても、分
離変色は見られない。また、この製品をB社のボイラー
に使用したところ、2ヵ月後のドレン水の分析がpH
8.3、全鉄0.16mg/1となり、良好なドレン水
の状態である。このように、実験例2よりもかなりアミ
ン類の濃度が低くても充分防食効果が得られている。
ロヘキシルアミンを2重量%、2−ジエタノールアミン
2重量%、アセトン10重量%、エタノール12.2重
量%、純水73.6重量%を充分混合すると透明にな
り、室温で1週間、1ヵ月、3ヵ月静置保存しても、分
離変色は見られない。また、この製品をB社のボイラー
に使用したところ、2ヵ月後のドレン水の分析がpH
8.3、全鉄0.16mg/1となり、良好なドレン水
の状態である。このように、実験例2よりもかなりアミ
ン類の濃度が低くても充分防食効果が得られている。
【0020】
【発明の作用並びに効果】本発明の腐食抑制剤は、産業
用エネルギー供給源として重要な役割を果たしている蒸
気発生機用蒸気復水系において、低級脂肪族ケトン化合
物及び低級脂肪族アルコール化合物を有する溶液または
水溶液と、この構成組成物に炭素数8〜22の長鎖脂肪
族アミンを所定量含有させて一液化することにより、水
への均一溶解が困難な被膜性防食剤を単独で用いる場合
よりも水中での溶解量を増加させ、凝縮水と金属との接
触を遮断する被膜効果を発揮することができる。その
際、投入後これら組成物が分離したりせず、希釈性にも
優れ、清缶剤のpH領域でも均一に混合され、清缶剤な
どの電解質と混合しても凝集、析出、浮上および設備機
器への付着などが生じないので腐食抑制効果を充分発揮
させることができる。さらに、人体に対する安全性にも
配慮しているため、食品工場、病院、給食センター等の
ように蒸気の用途が生蒸気や直接食品の加工に使われた
り、人体に触れる場合でも、安心して使うことができ
る。また、炭素数8〜22の長鎖脂肪族アミンにさらに
水溶性中和性アミンを加えれば、ドレンのpH値を上げ
て腐食をより効果的に抑制することができる。
用エネルギー供給源として重要な役割を果たしている蒸
気発生機用蒸気復水系において、低級脂肪族ケトン化合
物及び低級脂肪族アルコール化合物を有する溶液または
水溶液と、この構成組成物に炭素数8〜22の長鎖脂肪
族アミンを所定量含有させて一液化することにより、水
への均一溶解が困難な被膜性防食剤を単独で用いる場合
よりも水中での溶解量を増加させ、凝縮水と金属との接
触を遮断する被膜効果を発揮することができる。その
際、投入後これら組成物が分離したりせず、希釈性にも
優れ、清缶剤のpH領域でも均一に混合され、清缶剤な
どの電解質と混合しても凝集、析出、浮上および設備機
器への付着などが生じないので腐食抑制効果を充分発揮
させることができる。さらに、人体に対する安全性にも
配慮しているため、食品工場、病院、給食センター等の
ように蒸気の用途が生蒸気や直接食品の加工に使われた
り、人体に触れる場合でも、安心して使うことができ
る。また、炭素数8〜22の長鎖脂肪族アミンにさらに
水溶性中和性アミンを加えれば、ドレンのpH値を上げ
て腐食をより効果的に抑制することができる。
【図1】エタノ−ル+オクタデシルアミンのUVスペク
トルを示すグラフ。
トルを示すグラフ。
【図2】(エタノ−ル1+アセトン1)+オクタデシル
アミンのUVスペクトルを示すグラフ。
アミンのUVスペクトルを示すグラフ。
【図3】アセトン+オクタデシルアミンのUVスペクト
ルを示すグラフ。
ルを示すグラフ。
Claims (1)
- 【請求項1】 水溶性の低級脂肪族ケトン化合物及び低
級脂肪族アルコール化合物を有する常温において溶液ま
たは水溶液から成り、前記両者の比が低級脂肪族アルコ
ール化合物1に対して低級脂肪族ケトン化合物0.1〜
9であり、組成物全量に対する低級脂肪族ケトン化合物
と低級脂肪族アルコール化合物との和の含有量が5〜9
8重量%であり、さらに前記組成物に加えて、炭素数8
〜22の長鎖脂肪族アミンと水溶性中和性アミンの両者
または炭素数8〜22の長鎖脂肪族アミンのみを有し、
組成物全量に対する炭素数8〜22の長鎖脂肪族アミン
の含有量が0.1〜25重量%である蒸気系腐食抑制剤
組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3356883A JP2521606B2 (ja) | 1991-12-25 | 1991-12-25 | 蒸気系腐食抑制剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3356883A JP2521606B2 (ja) | 1991-12-25 | 1991-12-25 | 蒸気系腐食抑制剤組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05171474A JPH05171474A (ja) | 1993-07-09 |
JP2521606B2 true JP2521606B2 (ja) | 1996-08-07 |
Family
ID=18451241
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3356883A Expired - Fee Related JP2521606B2 (ja) | 1991-12-25 | 1991-12-25 | 蒸気系腐食抑制剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2521606B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002256464A (ja) * | 2001-02-27 | 2002-09-11 | Miura Co Ltd | 腐食抑制剤 |
JP2002275662A (ja) * | 2001-03-22 | 2002-09-25 | Miura Co Ltd | 腐食抑制剤 |
-
1991
- 1991-12-25 JP JP3356883A patent/JP2521606B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05171474A (ja) | 1993-07-09 |
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