JP5402931B2 - ボイラ水処理剤及び水処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ボイラ水系内のスケールを抑制する技術に関する。
省エネルギや省コスト化に伴い、冷却水系、ボイラ水系及び排ガス集塵水系等の種々の水系システムにおいて、使用水量の節約が望まれている。このため、近年、系外にブローされる水量を減らし、高濃縮で運転する技術が開発されている。
水系では、水中のカルシウムやマグネシウム等のスケール成分が高濃度化する結果、これらがスケール化して析出し、熱効率の低下や水流路の閉塞等の問題を引き起こすという問題がある。特にボイラ水系では、ボイラ缶内に持ち込まれたカルシウム、マグネシウム及び鉄等のスケール成分が、熱負荷の高い伝熱面においてスケール化して伝熱面に付着すると、伝熱阻害を誘発する。この伝熱阻害は、鋼材の過熱による膨張、湾曲、破裂及び熱効率の低下の原因になり得る。
かかる問題を抑制するためには、スケール抑制作用を有する水処理剤を水系に添加して、スケール成分が系内へ付着するのを抑制し、ブローで水系外に排出する必要がある。このため、従来の水処理剤には、腐食抑制作用に優れるリン酸三ナトリウムやリン酸二カリウム等のリン酸塩が配合されている。
一方、ボイラ水系を流通する水に含まれる溶存酸素は、ボイラ缶体、蒸気復水配管及びその他の水系プラント設備の腐食原因となる。そこで、一般に、給水系や蒸気発生設備に供給される水には、溶存酸素の除去作用を有する脱酸素剤を含有する水処理剤が添加されている。
この脱酸素剤として、従来はヒドラジンが多用されていたが、人体への安全性を向上する観点から、ヒドラジンに代わる天然素材の使用が検討されている。そして、現在、脱酸素剤の成分として、酸素除去作用に加えて金属表面に対する腐食抑制皮膜形成能を有するタンニン類等の多価フェノール系有機物が着目されている(特許文献1)。
特開平6−108274号公報
しかしながら、前述した従来の技術には、以下に示す問題点がある。天然素材に由来するタンニン類等の多価フェノール系有機物には、カルシウムイオンやマグネシウムイオン等のように、リン酸イオンと反応して難溶性の塩を形成するイオンが混在している。このため、多価フェノール系有機物及びリン酸塩の双方を含有する水処理剤は、その保管及び流通中に難溶性の塩が析出し、水系に添加された後に発揮すべきスケール抑制機能が低下してしまうことがあるという問題点がある。
この問題を解決する方法としては、多価フェノール系有機物とリン酸塩とを分離して保管及び流通し、難溶性の塩の析出を予防することが考えられるが、これらを別々に保管及び流通することは煩雑であり、更に、使用現場で両成分を混合する作業も煩雑である。
そこで、本発明は、リン酸又はその塩と天然物系脱酸素剤とを含んでいても、保管及び流通中にその性能が低下することなく、優れたスケール抑制効果が得られるボイラ水処理剤及び水処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、通常の保管条件下の重合リン酸及び/又はその塩が、カルシウムイオンやマグネシウムイオン等と併存していても安定に存在できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明に係るボイラ水処理剤は、重合リン酸及び/又はその塩と、多価フェノール系有機化合物及び/又は多糖類系有機化合物を含む天然物系脱酸素剤と、を含有し、オルトリン酸及びその塩を実質的に含有しないものである。
ここで、「実質的に含有しない」とは、全く含有しないことのみならず、不可避的に混入する僅少量を含有すること、あるいは迂回目的で許容限度内の量を含有することも包含する。
本発明のボイラ水処理剤に配合されている重合リン酸及びその塩は、天然物系脱酸素剤中に混在するカルシウムイオンやマグネシウムイオン等の存在にかかわらず安定であるため、保管及び流通中にスケール抑制性能が低下することがない。また、重合リン酸及びその塩は、高温・高圧であるボイラ水系に添加されると、オルトリン酸塩に分解され、充分な腐食抑制作用を発揮する。
このボイラ水処理剤では、多価フェノール系有機化合物として、例えばタンニン類、リグニン類及びカテキン類からなる群より選ばれる1種以上の化合物を使用することができ、また、多糖類系有機化合物として、例えばキトサン類を使用することができる。
更に、アルカリ剤を含有させることもできる。その場合、アルカリ剤として、例えば水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムを使用することが好ましい。
本発明に係る水処理方法は、ボイラ水系における水処理方法であり、ボイラ水系に、前述した水処理剤と、アルカリ剤と、を添加するものである。
本発明においては、カルシウムイオンやマグネシウムイオン等と併存していても安定に存在できる重合リン酸及び/又はその塩を含む水処理剤を使用しているため、スケールを充分に抑制することができる。
本発明によれば、リン酸成分として重合リン酸及び/又はその塩を使用しているため、天然物系脱酸素剤を含有していても、保管及び流通中における性能低下がなく、優れたスケール抑制効果が得られる。
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
[ボイラ水処理剤]
先ず、本発明の第1の実施形態に係るボイラ水処理剤について説明する。本実施形態に係るボイラ水処理剤は、重合リン酸及び/又はその塩と、天然物系脱酸素剤とを含有するものであり、ボイラ水系に添加され、スケール抑制及び腐食抑制等の作用を奏する。
(天然物系脱酸素剤)
天然物系脱酸素剤は、天然素材から生成される多価フェノール系有機化合物及び/又は多糖類系有機化合物を含むと共に、生成過程等で混入するカルシウムイオンやマグネシウムイオン等も必然的に含んでいる。また、天然物系脱酸素剤は、天然素材に由来するため、安全性に優れる。
この天然系脱酸素剤に含まれる多価フェノール系有機化合物は、水中の溶存酸素を低減する作用を有していれば特に限定されるものではなく、例えば没食子酸等でもよいが、脱酸素作用に優れる点から、タンニン類、リグニン類及びカテキン類からなる群より選ばれる1種以上の化合物であることが望ましい。
ここで使用するタンニン類としては、例えば、ガロタンニン等の加水分解性タンニン、及びケブラチョタンニン等の重合タンニンが挙げられる。また、リグニン類としては、例えば、アルコールリグニン、ジオキサンリグニン、フェノールリグニン、ハイドロトロビックリグニン、メルカプトリグニン、チオグリコール酸リグニン、リグニンスルホン酸、アルカリリグニン、チオアルカリリグニン、酸リグニン、酸化銅−アンモニアリグニン及び過ヨウ素酸リグニン等が挙げられる。更に、カテキン類としては、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、エピカテキン及びエピカテキンガレート等が挙げられる。
一方、天然系脱酸素剤に含まれる多糖類系有機化合物としては、脱酸素作用に優れる点から、キトサン類であることが好ましいが、これに限定されるものではなく、デンプン等であってもよい。ここで使用するキトサン類としては、例えば、キトサン、グリセリル化キトサン、カルボキシメチルキトサン、カチオン化キトサン及びヒドロキシアルキルキトサン等が挙げられる。
(重合リン酸,重合リン酸塩)
天然物系脱酸素剤に含まれるカルシウムイオンやマグネシウムイオン等は、リン酸イオンと反応して難溶性の塩(例えば、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト)を形成しやすい。このような塩が形成された水処理剤は、ボイラ水系に添加されたときに、リン酸イオンの量が不足し、スケールの抑制効果が不充分になるおそれがある。そこで、本実施形態のボイラ水処理剤では、リン酸成分として、重合リン酸及び/又はその塩を配合している。
本実施形態のボイラ水処理剤に配合される重合リン酸としては、例えば、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、ヘキサメタリン酸及びウルトラメタリン酸等が挙げられるが、非高温又は非高圧条件下における安定性に優れる点から、トリポリリン酸を使用することが好ましい。また、重合リン酸塩としては、前述した重合リン酸のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウム塩、カルシウム塩)等が挙げられる。
これら重合リン酸塩の中でも、使用時にリン酸イオンと反応しスケール増加の原因になりにくい点から、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)を使用することが好ましく、トリポリリン酸ナトリウムであることがより好ましい。このトリポリリン酸ナトリウムの結晶は、I型結晶形及びII型結晶形の2つのタイプを有し、いずれの形の結晶も水に易溶である。このため、I型結晶形及び/又はII型結晶形のトリポリリン酸ナトリウムは、単独で、又はトリポリリン酸ナトリウム六水和物と共に使用できる。
前述した重合リン酸及びその塩は、高温高圧の条件下では、分解してオルトリン酸塩になる。このため、ボイラ水系に添加されるとオルトリン酸塩が生成され、このオルトリン酸塩によって充分なスケール抑制作用が発揮される。例えば、トリポリリン酸ナトリウムの場合には、下記化学式1,2に示す分解反応を生じる。
Figure 0005402931
Figure 0005402931
他方、重合リン酸及びその塩は、非高温(常温及び低温を含む)又は非高圧の条件下では、ほとんど分解せず、安定に存在する。このため、本実施形態のボイラ水処理剤においては、保管や流通の間、リン酸イオンの生成は抑制され、難分解性の塩の形成を抑制することができる。
また、本実施形態のボイラ水処理剤では、オルトリン酸及びその塩を実質的に含有しないことが好ましい。これにより、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等とリン酸イオンとが反応して形成される難溶性の塩が、ボイラ水系に混入される事態を予防することができる。なお、「実質的に含有しない」とは、全く含有しないことのみならず、不可避的に混入する僅少量を含有すること、あるいは迂回目的で許容限度内の量を含有することも包含する。
(アルカリ剤)
更に、本実施形態のボイラ水処理剤は、前述した成分に加えて、アルカリ剤を含んでいることが望ましい。アルカリ剤は、脱酸素剤による溶存酸素の除去に伴って発生する有機酸を中和する効果がある。これにより、ボイラ水系内のpH低下が抑制されるため、腐食抑制効果を高めることができる。
本実施形態のボイラ水処理剤に配合されるアルカリ剤は、アルカリ性であれば特に限定されるものではなく、例えば、アルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム)若しくはアルカリ土類金属(例えばマグネシウム、カルシウム)の水酸化物又は炭酸化物等が挙げられる。これらの中でも、特に、アルカリ金属の水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムであることがより好ましい。これにより、スケール抑制効果を向上させることができる。
このアルカリ剤の含有量は、ボイラ水系に補給される水の水質、ボイラの運転圧力、並びに重合リン酸及びその塩の含有量等に応じて、適宜設定することができる。
(その他)
本実施形態のボイラ水処理剤は、スケール分散剤及び防食剤といった任意成分を更に含んでいてもよい。
スケール分散剤は、スケールを分散して、ボイラ水系へのスケールの付着を抑制するものである。本実施形態のボイラ水処理剤に配合されるスケール分散剤は、特に限定されるものではなく、例えば、スルホン酸基やカルボン酸基を含む高分子ポリマー等の周知のものを使用することができる。
防食剤は、ボイラ水系に防食皮膜を形成することで、腐食を防止するものである。本実施形態のボイラ水処理剤に配合される防食剤は、特に限定されるものではなく、例えば、シクロヘキシルアミン、ジエチルエタノールアミン及びモルホリン等の中和性アミン、オクタデシルアミン等の長鎖脂肪族アミン等の周知のものを使用することができる。
このように本実施形態のボイラ水処理剤においては、リン酸成分として、重合リン酸及び/又はその塩を配合しているため、保管又は流通中の性能低下を抑制することができる。また、重合リン酸及び/又はその塩に加えて、天然物系脱酸素剤も含有しているため、リン酸成分と脱酸素剤とを別々に保管及び流通させたり、使用現場で混合したりする必要がないため、作業の煩雑さも解消することもできる。
[水処理方法]
次に、本発明の第2の実施形態に係る水処理方法について説明する。本実施形態の水処理方法は、前述した第1の実施形態の水処理剤を使用して、ボイラ水系におけるスケールや腐食の発生を抑制する方法である。具体的には、本実施形態の水処理方法は、重合リン酸及び/又はその塩並びに天然物系脱酸素剤を含有するボイラ水処理剤と、アルカリ剤とを、ボイラ水系に添加する工程を有する。
ボイラ水処理剤及びアルカリ剤の添加箇所は、ボイラ水系の任意の箇所であってよく、通常は、スケールや腐食を抑制すべき箇所又はその上流である。また、ボイラ水系へのアルカリ剤の添加は、ボイラ水処理剤と混合した後に行ってもよいし、ボイラ水処理剤と独立に行ってもよい。ここで、独立に添加するとは、独立のタイミング及び/又は独立の箇所に添加することを指す。
なお、ボイラ水系に添加する成分の詳細は、ボイラ水処理剤で述べたものと同様であるため、省略する。
本実施形態の水処理方法においては、リン酸成分として重合リン酸及び/又はその塩が配合され、更に、天然物系脱酸素剤が併せて配合されたボイラ水処理剤使用しているため、優れたスケール抑制効果が安定して得られると共に、使用現場での混合作業も不要となる。
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて、本発明の効果について具体的に説明する。先ず、本発明の第1実施例として、重合リン酸を用いた水処理剤(実施例)と、非重合リン酸を用いた水処理剤(比較例)とで、保存安定性を比較した。本実施例においては、リン酸成分として重合リン酸の塩であるトリポリリン酸ナトリウムを使用し、これに、タンニン又はリグニンスルホン酸ナトリウムを含む天然物系脱酸素剤、並びに水酸化カリウム及び/又は水酸化ナトリウムからなるアルカリ剤を配合して、実施例1〜16の水処理剤を調製した。
また、リン酸成分として非重合リン酸(オルトリン酸)の塩であるリン酸三ナトリウムを使用し、これに、タンニン又はリグニンスルホン酸ナトリウムを含む天然物系脱酸素剤、並びに水酸化カリウム及び/又は水酸化ナトリウムからなるアルカリ剤を配合して、比較例1〜16の水処理剤を調製した。
これら実施例及び比較例の各水処理剤で使用した天然物系脱酸素剤に含まれるカルシウム濃度を、下記表1に示す。
Figure 0005402931
そして、前述した方法で調製した水処理剤150gを、容量250mLのポリプロピレン製容器に入れ、この容器に直径5mmの穴が開いた蓋を被せて、−5℃(低温)又は40℃(常温)にて4週間に亘り静置保管した後、各容器内の析出及び沈殿状況を観察した。各水処理剤の安定性の評価基準は、析出及び沈殿のいずれもが観察されなかった場合を「○」、析出又は沈殿が観察された場合は「×」とした。以上の結果を下記表2,3にまとめて示す。
Figure 0005402931
Figure 0005402931
上記表2及び3に示すように、実施例1〜16のボイラ水処理剤は、−5℃及び40℃のいずれにおいても安定であったのに対して、比較例1〜16のボイラ水処理剤は、−5℃において不安定であった。これにより、非重合リン酸であるオルトリン酸の代わりに、重合リン酸であるトリポリリン酸ナトリウムを用いることで、低温及び常温のいずれで保管又は流通されても性能低下を抑制でき、汎用性を向上できることが確認された。
なお、比較例6のボイラ水処理剤で発生した析出物を、蛍光X線分析装置を用いて分析した結果、析出物の主成分がリン及びカルシウムであることが分かった。これにより、天然物系脱酸素剤に混在するカルシウムイオンが、リン酸イオンと反応することで、析出物が生成されることが強く示唆された。
また、実施例1〜16のいずれのボイラ水処理剤も安定であったことから、重合リン酸であるトリポリリン酸ナトリウムは、多様な天然物系脱酸素剤及びアルカリ剤と良好に併用でき、汎用性に優れることが確認された。特に、重合リン酸であるトリポリリン酸ナトリウムは、天然物系脱酸素剤に混在するカルシウムイオン等の量にかかわらず、ボイラ水処理剤を安定化できることが分かった。
次に、本発明の第2実施例として、重合リン酸を用いた水処理剤(実施例)と、非重合リン酸を用いた水処理剤(比較例)とで、スケール抑制性能を比較した。本実施例においては、40℃に調整した市水軟化水(軟水90%及び市水10%)に、下記表4に示す実施例17及び比較例17,18の水処理剤をそれぞれ140mg/L添加した。これを保有水量5.7Lのテストボイラに給水し、圧力0.7MPa、蒸発量4.5L/時間、ブロー率10%(ただし、運転開始後7時間はブローせず)の条件で運転した。そして、168時間の運転後、ボイラを停止して伝熱チューブ(炭素鋼SS400)3本を取り出した。これらチューブの両端約5cmをビニール製テープで巻回し、そのテープ同士の間の部分(表面積133cm、長さ170mm×直径25mm)に付着したスケールを削り取り、その質量を計測した。その結果を下記表5に示す。
Figure 0005402931
Figure 0005402931
上記表5に示すように、実施例17のボイラ水処理剤は、比較例17と同等、比較例18よりも優秀にスケール付着を抑制していた。これにより、非重合リン酸であるオルトリン酸の代わりに、重合リン酸であるトリポリリン酸ナトリウムを用いても、スケールの付着を同等以上に抑制できることが確認された。

Claims (5)

  1. 重合リン酸及び/又はその塩と、
    多価フェノール系有機化合物及び/又は多糖類系有機化合物を含む天然物系脱酸素剤と、
    を含有し、
    オルトリン酸及びその塩を実質的に含有しないボイラ水処理剤。
  2. 前記多価フェノール系有機化合物は、タンニン類、リグニン類及びカテキン類からなる群より選ばれる1種以上の化合物であり、前記多糖類系有機化合物はキトサン類である請求項1に記載のボイラ水処理剤。
  3. 更に、アルカリ剤を含有する請求項1又は2に記載のボイラ水処理剤。
  4. 前記アルカリ剤は、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムを含む請求項に記載のボイラ水処理剤。
  5. ボイラ水系における水処理方法であって、
    前記ボイラ水系に、請求項1又は2に記載のボイラ水処理剤と、アルカリ剤と、を添加する水処理方法。
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