JP6106940B2 - 音響構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、音響管の効果を調整する技術に関する。
オーディオルームや楽器練習室等の壁に囲まれた音響空間では、平行に対面する壁面間で音が繰り返し反射することによりブーミングやフラッターエコー等の音響障害が発生する。そこで、このような音響障害を防止するために、音を吸収、散乱するための音響部材が開発されている。例えば、特許文献1及び2では、開口部を共有する一対の音響管と、その開口部に隣接する反射面とを備えた音響構造体が提案されている。この音響構造体の開口部から入射した音は、各音響管の共鳴周波数に応じた定在波を発生させ、この定在波は開口部から再放射される。この定在波の吸音効果、散乱効果により、音響空間における音響障害の発生が防止される。
特開2010−84509号公報 特開2010−85989号公報
しかし、特許文献1及び2に記載の音響構造体では、開口部の形状が固定されているため、開口部の開口面積を調節することにより音響管の効果を調整しようとしても、せいぜいオン・オフの調整しかできない。また、一対の音響管のうち一方の音響管の効果を調整しようとすると、対となる音響管の効果まで同時に調整してしまうことになる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、音響管の効果をより柔軟に調整することを目的とする。
上記の課題を解決するために本発明は、内部に空気通路を有し、側面に開口部を有する共鳴器と、前記空気通路を塞ぐ抵抗部材とを備え、前記共鳴器は、前記開口部を共有する第1の音響管と第2の音響管とからなり、前記第1の音響管は第1の共鳴周波数において共鳴が発生し、前記第2の音響管は第2の共鳴周波数において共鳴が発生し、前記抵抗部材は、前記第1の音響管又は前記第2の音響管の空気通路を塞ぎ、前記第1の音響管又は前記第2の音響管を空気通路として選択させることを特徴とする音響構造体を提供する。
上記の音響構造体において、前記抵抗部材は、前記共鳴器に対して着脱可能であってもよい。
上記の音響構造体において、前記共鳴器は、前記開口部に挿入され、前記第1の音響管と前記第2の音響管とを隔てる仕切部材であって、前記開口部を、前記第1の音響管を外部空間に連通させる第1の開口部分と、前記第2の音響管を前記外部空間に連通させる第2の開口部分とに分ける仕切部材をさらに備え、前記抵抗部材は、前記第1の開口部分の全部を塞いでもよい。
上記の音響構造体において、前記共鳴器は、磁性体により構成され、前記抵抗部材は、磁石により構成されてもよい。
本発明によれば、音響管の効果をより柔軟に調整することができる。
音響構造体100の構成を示す図である。 共鳴管1と蓋体2とを分離して示す図である。 図1(a)のI−I線断面図である。 音響構造体100に対して入射波が入射したときの反射波の挙動を示す図である。 開口部21の他の形状を示す図である。 一変形例に係る蓋体2を示す図である。 一変形例に係る蓋体2を示す図である。 一変形例に係る蓋体2を示す図である。 音響構造体200の構成を示す図である。 共鳴管1と枠体3と閉鎖部材4とを分離して示す図である。 音響構造体200Aの構成を示す図である。 共鳴管1と構造体5とを分離して示す図である。 音響構造体200Bの構成を示す図である。 共鳴管1と枠体6と抵抗部材7とを分離して示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(1)第1実施形態
(1−1)基本構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る音響構造体100の構成を示す図である。図1(a)は、音響構造体100の外観を示す斜視図であり、図1(b)は、図1(a)のI−I線断面図であり、図1(c)は、図1(a)のII−II線断面図である。同図に示される
音響構造体100は、中空の直方体形状の音響部材であり、後述するように吸音効果と散乱効果とを奏する。
なお、以下の説明では、音響構造体100の延在方向をY方向とし、Y方向に直交し且つ開口面21に平行な方向をX方向とし、Y方向に直交し且つ開口面21に直交する方向をZ方向とする。また図1(b)に示される、白い円の中に黒い円を描いた記号は、紙面奥側から手前側に向かう矢印を示している。
音響構造体100は、図1に示されるように、共鳴管1と蓋体2とを有する。共鳴管1は、中空の直方体形状の部材である。共鳴管1は、例えばアクリル樹脂や木材等の剛性率の高い材質からなる反射性の板材により構成される。共鳴管1は、図1に示されるように、4つの側面板11,12,13及び14と、2つの底面板15及び16とを有する。これらの側面板11,12,13及び14と底面板15及び16とにより、共鳴管1内部に、一方向に延在する中空部17が形成される。この中空部17は、本発明に係る「空気通路」の一例である。側面板11は、正方形の開口部111を有する(図2参照)。共鳴管1は、本発明に係る「共鳴器」の一例である。
蓋体2は、正方形の板状の部材である。蓋体2は、図2に示されるように、共鳴管1に対して着脱可能な部材である。蓋体2は、図1に示されるように、正方形の開口部21と、開口部21を囲むように形成される正方形の枠部22とを有する。開口部21の開口寸法L1は、図3に示されるように、開口部111の開口寸法L2よりも小さい。すなわち、開口部21の開口面積は、開口部111の開口面積よりも小さい。枠部22は、開口部21の開口面に対して垂直に延びる部材である。枠部22の一辺の長さ(X又はY軸方向の長さ)は、開口部111の開口寸法L2と等しくなるように設定される。この枠部22が共鳴管1の開口部111に嵌め込まれることにより、蓋体2は共鳴管1と接合される。蓋体2は、音波の伝搬を阻害する部材であり、本発明に係る「抵抗部材」の一例である。
以上説明した構成を有する音響構造体100は、例えば利用者によって、音響空間内の壁や天井に固定される。このように設置された音響構造体100は、吸音効果及び散乱効果を奏し、音源から音響構造体100に向かって伝播してくる音波の音響エネルギーを散逸させる。なお、音響構造体100による吸音効果及び散乱効果の発生の原理は以下の通りである。
図1(b)に示されるように、音響構造体100は、開口部21を開口端とし底面板16を閉口端とする音響管18(本発明に係る「第1の音響管」の一例)と、開口部21を開口端とし底面板15を開口端とする音響管19(本発明に係る「第2の音響管」の一例)とが形成されているとみなすことができる。この音響構造体100に外部空間から開口部21を介して音波が入射すると、中空部17内では、音響管18の開口端から閉口端に向かう進行波と、音響管19の開口端から閉口端に向かう進行波が発生する。前者の進行波は、音響管18の閉口端において反射され、その反射波は開口端へ戻る。一方、後者の進行波は、音響管19の閉口端において反射され、その反射波は開口端へ戻る。
その際、音響管18では、下記式(1)に示す共鳴周波数fan(n=1,2,…)において共鳴が発生し、音響管18において進行波と反射波とが合成された音波は、音響管18の閉口端に粒子速度の節を有し、開口端に粒子速度の腹を有する定在波となる。一方、音響管19では、下記式(2)に示す共鳴周波数fbn(n=1,2,…)において共鳴が発生し、音響管19において進行波と反射波とが合成された音波は、音響管19の閉口端に粒子速度の節を有し、開口端に粒子速度の腹を有する定在波となる。なお、下記式(1)及び(2)において、Laは音響管18の延在方向の長さ(開口部21から底面板16までの長さ)を示し、Lbは音響管19の延在方向の長さ(開口部21から底面板15までの長さ)を示し、cは音波の伝搬速度を示し、nは1以上の整数を示す。
fan=(2n−1)・(c/(4・La))…(1)
fbn=(2n−1)・(c/(4・Lb))…(2)
ここで、外部空間から開口部21に入射する音波と、側面板11上の開口部21近傍に入射する音波のうち共鳴周波数fanの成分に着目すると、音響管18の閉口端において反射されて開口端から外部空間へ放射される音波は、外部空間から開口部21に入射する音波に対して逆相となる。よって、図4に示すように、共鳴周波数fanの成分を含む音波が開口部21を介して中空部17に入射した場合、開口部21から見て入射方向(図4の吸音領域)においては、音響管18から開口部21を介して放射される音波と、側面板11上の開口部21近傍の各点から反射される音波とが逆相になって互いの位相が干渉し合い、吸音効果が発生する。
一方、開口部21から放射される音波と、側面板11により反射される反射波とが互いに隣接する散乱領域では、前者の音波と後者の音波の位相が不連続となる。このように位相差のある音波が隣接することにより、散乱領域付近では、位相の不連続を解消しようとする気体分子の流れが発生する。この結果、散乱領域付近では、入射方向に対する鏡面反射方向以外の方向への音響エネルギーの流れが発生し、散乱効果が発生する。
同様に、共鳴周波数fbnの成分を含む音波が開口部21を介して中空部17に入射した場合も、開口部21への入射方向に鏡面反射する方向(図4の吸音領域)では吸音効果が発生し、散乱領域付近では散乱効果が発生する。
なお、共鳴周波数fan及びfbnの各近傍の周波数帯域においては、共鳴周波数fan及びfbnから多少ずれていたとしても、周波数がある程度近ければ、開口部21から外部空間に放射される音波の位相と側面板12により反射される反射波の位相とが逆相に近い関係になる。この場合、その近さに応じた程度の吸音効果及び散乱効果が発生する。
以上が、音響構造体100による吸音効果及び散乱効果の発生の原理についての説明である。
以上説明した本実施形態に係る音響構造体100では、上述のように、蓋体2が共鳴管1に対して着脱可能となっている。そして、蓋体2の開口部21の開口面積は、共鳴管1の開口部111の開口面積よりも狭く設定されている。また、音響管においては、その開口部の開口面積を変更することにより、音響管の音響効果が変化することが知られている。よって、本実施形態に係る音響構造体100によれば、蓋体2を共鳴管1から着脱することにより、音響管の音響効果を変更することができる。
(1−2)変形例
(1−2−1)変形例1
上記の蓋体2の開口部21の形状は、正方形に限られず、円形、楕円形、その他の多角形等の任意の形状であってもよい。図5は、蓋体2の開口部21の他の形状を示す図である。蓋体2の開口部21の形状は、例えば図5(a)に示されるように、共鳴管1の短手方向に対して垂直に延びる長方形であってもよい。また、図5(b)に示されるように、共鳴管1の長手方向に延びる長方形であってもよい。また、図5(c)に示されるように、その開口寸法が開口部21よりも小さい正方形であってもよい。また、図5(d)に示されるように、円形であってもよい。また、図5(e)に示されるように、楕円形であってもよい。また、図5(f)に示されるように、音符の形状のようにデザイン性を伴ったものであってもよい。
(1−2−2)変形例2
上記の蓋体2は、その開口部21を塞ぐシャッタを有していてもよい。図6は、シャッタ23を有する蓋体2を示す図である。シャッタ23は、正方形の板状の部材であって、蓋体2に対して、開口部21の開口面と平行となるように設置される。その際、シャッタ23は、図示せぬガイドに沿って共鳴管1の短手方向に移動可能なように設置される。シャッタ23はその位置を変更させられることにより、開口部21の開口面積を変化させることができる。なお、シャッタ23の移動方向は、共鳴管1の長手方向であってもよい。
設けられるシャッタの数は、1枚に限らず2枚以上であってもよい。図7は、2枚のシャッタ24A及び24Bを有する蓋体2Aを示す図である。なお、同図に示される例では、共鳴管1の開口部の形状が、共鳴管1の長手方向に延びる長方形となっている。また、蓋体2Aの形状は、同じく、共鳴管1の長手方向に延びる長方形となっている。同図に示されるシャッタ24A及び24Bは、長方形の板状の部材であって、蓋体2Aに対して、開口部21Aの開口面と平行となるように設置される。その際、シャッタ24A及び24Bは、図示せぬガイドに沿って共鳴管1の長手方向に移動可能なように設置される。シャッタ24A及び24Bはその位置を変更させられることにより、開口部21Aの開口面積を変化させることができる。
(1−2−3)変形例3
上記の蓋体2は、その開口部21を覆う網や膜などの音響抵抗材を有していてもよい。図8は、抵抗材25を有する蓋体2を示す図である。抵抗材25は、例えば、グラスウールや不織布、ウレタンフォームのような多孔質材料により構成され、開口部21全体を覆うように蓋体2に設置される。抵抗材25の存在により、開口部21は空気が流れにくくなる。
(2)第2実施形態
上記の第1実施形態では、2つの音響管により共有される開口部の開口面積を変更することによって、2つの音響管の効果を同時に調整することとしている。しかし、2つの音響管の効果を別々に調整するようにしてもよい。以下に説明する実施形態では、このような態様について説明する。
(2−1)基本構成
図9は、本発明の第2実施形態に係る音響構造体200の構成を示す図である。図9(a)は、音響構造体200の外観を示す斜視図であり、図9(b)は、図9(a)のIII−III線断面図であり、図9(c)は、図9(a)のIV−IV線断面図である。また、図10は、音響構造体200の構成要素を分離して示す図である。音響構造体200は、中空の直方体形状の音響部材であり、第1実施形態に係る音響構造体100と同様に、吸音効果と散乱効果とを奏する。音響構造体200は、図9及び10に示されるように、共鳴管1と枠体3と、抵抗部材4とを有する。なお、以下の説明では、第1実施形態と共通する構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
共鳴管1の構成は、側面板11に設けられる開口部111Aの形状が、共鳴管1の短手方向に延びる長方形となっている点以外は第1実施形態と同様である(図10参照)。なお、開口部111Aの長手方向の長さは、共鳴管1の底面板15又は16の長手方向(X方向)の長さと等しくなるように設定されている。
枠体3は、図9及び10に示されるように、蓋部31と、枠部32A及び32Bとにより構成される部材である。枠体3は、図10に示されるように、共鳴管1に対して着脱可能な部材である。
蓋部31は、共鳴管1の短手方向に延びる長方形の板状部材である。蓋部31の長手方向の長さは、共鳴管1の側面板11の短手方向の長さと等しくなるように設定される。また、蓋部31の短手方向の長さは、開口部111Aの短手方向の長さ以上となるように設定される。蓋部31は、図9及び10に示されるように、開口部311と、スリット312A及び312Bとを有する。開口部311は、蓋部31の板面の中央に設けられ、その形状は蓋部31の長手方向に延びる長方形である。スリット312A及び312Bは、蓋部31の長手方向に延びる孔であり、開口部311を挟むように設けられる。
枠部32A及び32Bは、コの字形状の部材であって、その開放側の端面が蓋部31の面に接合される。その際、枠部32Aは、スリット312Aと平行に対向するように接合され、枠部32Bは、スリット312Bと平行に対向するように接合される。枠部32A及び32Bは、それぞれ溝321A,321Bを有する。
抵抗部材4は、共鳴管1の短手方向に延びる長方形の板状の部材である。抵抗部材4は、音波の伝搬を阻害する部材である。抵抗部材4は、図10に示されるように、枠体3に対して着脱可能な部材である。抵抗部材4は、図9及び10に示されるように、枠部41と、枠部41に張られる抵抗材42とを有する。抵抗材42は、例えば、グラスウールや不織布、ウレタンフォームのような多孔質材料により構成される音響抵抗材である。抵抗部材4は、蓋部31のスリット312A又は312Bから挿入され、枠部41のうちその短手方向の端部と、挿入側の端部とが、枠部32A又は32Bの溝321A又は321Bと係合することにより、枠体3に取り付けられる。
スリット312Aに挿入された抵抗部材4は、音響管19の、開口部111Aへと至る空気通路上に配置されることになる。抵抗部材4は、上述のように、抵抗材42を有することから、当該空気通路上は空気が流れにくくなる。一方、スリット312Bに挿入された抵抗部材4は、音響管18の、開口部111Aへと至る空気通路上に配置されることになる。抵抗部材4は、上述のように、抵抗材42を有することから、当該空気通路上は空気が流れにくくなる。
以上説明した本実施形態に係る音響構造体200では、上述のように、抵抗部材4が枠体3に対して着脱可能となっている。そして、抵抗部材4には、抵抗材42が設けられている。また、音響管においては、その空気通路上の流れ抵抗を変化させることによって、その音響効果が変化することが知られている。よって、本実施形態に係る音響構造体200によれば、抵抗部材4を枠体3から着脱することによって、音響管の音響効果を変更することができる。
また、本実施形態に係る音響構造体200では、上述のように、一方の抵抗部材4は、音響管19の、開口部111Aへと至る空気通路上に配置され、もう一方の抵抗部材4は、音響管18の、開口部111Aへと至る空気通路上に配置されている。すなわち、音響管ごとに抵抗部材4が設けられている。よって、本実施形態に係る音響構造体200によれば、音響管ごとに効果を調整することができる。
(2−2)変形例
(2−2−1)変形例1
上記の実施形態において、上記の抵抗部材4に代えて、抵抗材42を有しない単なる板状の部材である抵抗部材4Aを採用してもよい。この場合、抵抗部材4Aを着脱することで、音響管の効果のオン・オフを選択することができる。また、一方の音響管についての効果のオン・オフを切り替えるだけであれば、第2実施形態よりも簡単な構成により実現することができる。例えば、図11に示されるように、枠体3及び抵抗部材4に代えて、構造体5を採用することにより、一方および両方の音響管の効果のオン・オフを切り替えることができる。
図11は、本変形例に係る音響構造体200Aを示す図である。図11(a)は、音響構造体200Aの斜視図であり、図11(b)は、図11(a)のV−V線断面図であり、図11(c)は、図11(a)のVI−VI線断面図である。また、図12は、音響構造体
200Aの構成要素を分離して示す図である。同図に示される音響構造体200Aは、枠体3及び抵抗部材4に代えて構造体5が採用されている点以外は、音響構造体200と同様の構成を有している。以下の説明では、第2実施形態と共通する構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
構造体5は、図11及び12に示されるように、底面板51と、背面板52と、側面板53A及び53Bとにより構成される。構造体5は、図12に示されるように、共鳴管1に対して着脱可能な部材である。構造体5は、音波の伝搬を阻害する部材であり、本発明に係る「抵抗部材」の一例である。
底面板51は、共鳴管1の短手方向に延びる長方形の部材である。底面板51の長手方向の長さは、開口部111Aの長手方向の長さと等しくなるように設定される。また、底面板51の短手方向の長さは、開口部111Aの短手方向の長さと等しくなるように設定される。
背面板52は、底面板51の長手方向の一端に設けられ、底面板51に対して垂直に延びる長方形の部材である。背面板52の長手方向の長さは、開口部111Aの長手方向の長さと等しくなるように設定される。また、背面板52の短手方向の長さは、共鳴管1の底面板15又は16の短手方向(Z方向)の長さと等しくなるように設定される。
側面板53A及び53Bは、それぞれ底面板51の、長手方向において対向する端部に設けられ、底面板51に対して垂直に延びる長方形の部材である。側面板53A及び53Bの長手方向の長さは、共鳴管1の底面板15又は16の短手方向(Z方向)の長さと等しくなるように設定される。また、側面板53A及び53Bの短手方向の長さは、開口部111Aの短手方向の長さと背面板51の厚みとの差と等しくなるように設定される。
本変形例に係る音響構造体200Aでは、構造体5の底面板51と背面板52により音響管18の開口端が閉鎖される。すなわち、音響管18の、開口部111Aへと至る空気通路が閉鎖される。その結果、音響管18の効果がオフになる。一方、構造体5は上述のように共鳴管1に対して着脱可能であるため、構造体5を共鳴管1から取り外し、音響管19の開口端が閉鎖されるように取り付けた場合には、音響管19の効果をオフにすることができる。また構造体5の底面板51が開口部111Aを塞ぐように取り付けた場合には、音響管18および音響管19両方の効果をオフにすることができる。
(2−2−2)変形例2
上記の実施形態では、各音響管の空気通路上に音響抵抗材を配置することによって、各音響管の効果を別々に調整している。しかし、上記の実施形態において共有されている開口部111Aを各音響管ごとの開口部に分け、各開口部に音響抵抗材を配置することによって各音響管の効果を別々に調整するようにしてもよい。以下、このような態様について説明する。
図13は、本変形例に係る音響構造体200Bの構成を示す図である。図13(a)は、音響構造体200Bの斜視図であり、図13(b)は、図13(a)のVII−VII線断面図であり、図13(c)は、図13(a)のVIII−VIII線断面図である。図14は、音響構造体200Bの構成要素を分離して示す図である。同図に示される音響構造体200Bは、枠体3及び抵抗部材4に代えて枠体6及び抵抗部材7が採用されている以外は、音響構造体200と同様の構成を有している。以下の説明では、第2実施形態と共通する構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
枠体6は、図13及び14に示されるように、枠部61と仕切部材62とにより構成される。枠体6は、図14に示されるように、共鳴管1に対して着脱可能な部材である。
枠部61は、共鳴管1の短手方向に延びる長方形の板状部材である。枠部61の長手方向の長さは、共鳴管1の側面板11の短手方向の長さと等しくなるように設定される。また、枠部61の短手方向の長さは、開口部111Aの短手方向の長さ以上となるように設定される。枠部61は、図13及び14に示されるように、2つの開口部611A及び611Bと、2つのスリット612A及び612Bとを有する。
開口部611A及び611Bは、枠部61の長手方向に延びる長方形の形状を有し、枠部61の長手中央部を挟むように配置される。開口部611A及び611Bの長手方向の長さは、開口部111Aの長手方向の長さと等しくなるように設定される。開口部611A及び611Bの短手方向の長さは、開口部111Aの短手方向の長さよりも短くなるように設定される。枠部61は、開口部611Aを囲む側面に溝613Aを有し、開口部611Bを囲む側面に溝613Bを有する。開口部611A及び611Bは、それぞれ本発明に係る「第1の開口部分」又は「第2の開口部分」の一例である。
スリット612A及び612Bは、枠部61の長手方向に延びる孔であって、それぞれ枠部61の長手方向の側面であって、互いに対向する各側面に配置される。スリット612Aは開口部611Aまで貫通している。スリット612Bは開口部611Bまで貫通している。
仕切部材62は、共鳴管1の短手方向に延びる長方形の板状部材である。仕切部材62の長手方向の長さは、開口部111Aの長手方向の長さと等しくなるように設定される。また、仕切部材62の短手方向(図13及び14のY方向)の長さは、開口部111Aの短手方向の長さより短くなるように設定される。仕切部材62は、その長手方向の側面が枠部61の長手方向(例えば、長手中央部)に沿って接合される。
抵抗部材7は、共鳴管1の短手方向に延びる長方形の板状の部材である。抵抗部材7は、音波の伝搬を阻害する部材である。抵抗部材7は、図14に示されるように、枠体6に対して着脱可能な部材である。抵抗部材7は、図13及び14に示されるように、枠部71と、枠部71に張られる抵抗材72とを有する。抵抗材72は、例えば、グラスウールや不織布、ウレタンフォームのような多孔質材料により構成される音響抵抗材である。抵抗部材7は、枠部61のスリット612A又は612Bから挿入され、枠部71のうちその短手方向の端部と、挿入側の端部とが、枠部61の溝613A又は613Bと係合することにより、枠体6に取り付けられる。
スリット612Aに挿入された抵抗部材7は、音響管19を外部空間に連通させる枠体6の開口部611Aに配置されることになる。抵抗部材7は上述のように抵抗材72を有することから、当該開口部611Aは空気が流れにくくなる。一方、スリット612Bに挿入された抵抗部材7は、音響管18を外部空間に連通させる枠体6の開口部611Bに配置されることになる。抵抗部材7は上述のように抵抗材72を有することから、当該開口部611Bは空気が流れにくくなる。
以上説明した本変形例に係る音響構造体200Bでは、上述のように、枠体6により、共鳴管1の開口部11Aが、音響管19を外部空間に連通させる開口部611Aと、音響管18を外部空間に連通させる開口部611Bとに分けられる。そして、各開口部611A,611Bにはそれぞれ別々に抵抗部材7が配置可能となっている。よって、本変形例に係る音響構造体200Bによれば、音響管ごとに効果を調整することができる。
なお、本変形例において、上記の抵抗部材7に代えて、抵抗材72を有しない単なる板状の部材である抵抗部材を採用してもよい。この場合、抵抗材72を有しない単なる板状の部材である抵抗部材を着脱することで、音響管の効果のオン・オフを選択することができる。
(3)他の変形例
上記の実施形態又は変形例で説明した音響構造体の外形は、直方体状に限られず、例えば円柱状や多角柱状であってもよい。また、共鳴管1の開口部111又は111Aの形状は、正方形や長方形に限られず、円形や楕円形、その他の多角形状であってもよい。また、上記の音響管はいずれも閉管となっているが、開管としてもよい。具体的には共鳴管1において、底面板15及び16を有しない構成としてもよい。また、開口を有する共鳴器は管共鳴を利用したものに限られず、ヘルムホルツ型の共鳴器としてもよい。また、共鳴管1の材質は、アクリル樹脂に限られず、例えばスチール、木質系の材質等、剛性のある材質であればよい。
また、上記の実施形態又は変形例では共鳴管1の開口部の数は1つとなっているが、2つ以上設けてもよい。例えば開口部を2つ設けた場合に、2つの開口部を隔てるような仕切板を着脱可能なように共鳴管に設けてもよい。
また、上記の実施形態又は変形例において着脱可能に設けられていた各部材は、固定的に設けられるようにしてもよい。具体的には、蓋体2、枠体3、構造体5及び枠体6は、共鳴管1に対して固定的に設置されてもよい。また、抵抗部材4は枠体3に対して、抵抗部材7は枠体6に対して固定的に設置されてもよい。
また、上記の実施形態又は変形例で説明した音響構造体は、複数連結することによりパネル状に構成されてもよい。その際、音響構造体は、各構造体の延在方向が平行となり且つ共鳴管の開口部が同一方向を向くように連結されてもよい。
また、上記の実施形態又は変形例では、共鳴管1と蓋体2とは機械的にはめ込むようにして固定されているが、磁石及び磁性体によって固定してもよい。この場合、例えば共鳴管の全てもしくは一部をスチールなどの強磁性体で構成し、蓋体2の全てもしくは一部を磁石により構成すれば、蓋体2を磁力により共鳴管1に固定することができる。これは、上記の枠体3、構造体5及び枠体6についても同様である。これによれば、スライド機構を要せず、開口面積の調整が容易となる。
1…共鳴管、2…蓋体、3…枠体、4…抵抗部材、5…構造体、6…枠体、7…抵抗部材、11,12,13,14…側面板、15,16…底面板、21…開口部、22…枠部、23,24A,24B…シャッタ、25…抵抗材、31…蓋部、32A,32B…枠部、41…枠部、42…抵抗材、51…底面板、52…背面板、53A,53B…側面板、61…枠部、62…仕切部材、100…音響構造体、111,111A…開口部、200,200A,200B…音響構造体、311…開口部、312A,312B…スリット、321A,321B…溝、611A,611B…開口部、612A,612B…スリット、613A,613B…溝

Claims (4)

  1. 内部に空気通路を有し、側面に開口部を有する共鳴器と、
    前記空気通路を塞ぐ抵抗部材と
    を備え、
    前記共鳴器は、前記開口部を共有する第1の音響管と第2の音響管とからなり、
    前記第1の音響管は第1の共鳴周波数において共鳴が発生し、
    前記第2の音響管は第2の共鳴周波数において共鳴が発生し、
    前記抵抗部材は、前記第1の音響管又は前記第2の音響管の空気通路を塞ぎ、前記第1の音響管又は前記第2の音響管を空気通路として選択させる
    ことを特徴とする音響構造体。
  2. 前記抵抗部材は、前記共鳴器に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1に記載の音響構造体。
  3. 前記開口部に挿入され、前記第1の音響管と前記第2の音響管とを隔てる仕切部材であって、前記開口部を、前記第1の音響管を外部空間に連通させる第1の開口部分と、前記第2の音響管を前記外部空間に連通させる第2の開口部分とに分ける仕切部材をさらに備え、
    前記抵抗部材は、前記第1の開口部分の全部を塞ぐ
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の音響構造体。
  4. 前記共鳴器の少なくとも一部は、磁性体により構成され、
    前記抵抗部材の少なくとも一部は、磁石により構成される
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の音響構造体。
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