JP6106905B2 - パワーコンディショナ - Google Patents

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Description

本発明は、太陽光発電用のパワーコンディショナに関する。
近年、地球環境問題への関心の高まりとともに、自然エネルギーを利用した新エネルギー技術が注目されている。特に、太陽光発電システムの住宅への普及が加速されてきている。太陽光発電システムは、太陽光を電気エネルギーに変換する太陽電池、およびその設置架台と、直流電力を交流電力に変換するインバータや配線を行う接続箱などにより構成されている。
通常、太陽光発電システムに用いられる太陽電池には、太陽電池素子を複数直列・並列にした太陽電池モジュールが用いられる。しかしながら、太陽電池モジュールによって発電される電力は直流電力として取り出されるため、一般家庭に普及している電気機器のような交流電力用の負荷にそのまま供給することができない。そこで、発電電力の直流−交流変換を行うための電力変換装置を用いて、電力会社の商用電力系統と同様の交流電力を作り出せるようにして交流電力用の負荷に電力供給するのが一般的である。また、電力変換装置では、余剰電力を商用電力系統に逆潮流(売電)できるようにするのが一般的である。このような機能を有する電力変換装置をパワーコンディショナと称している。このようなパワーコンディショナが例えば特許文献1に開示されている。
ところで、パワーコンディショナは、動作時にインバータ回路でのスイッチングロスなどの損失分が熱として生じるため、高温となる。そこで、特許文献1に記載のパワーコンディショナでは、パワーコンディショナの背面に放熱板などを用いることで、外部へ熱を逃がすようにしている。
特開2005−269692号公報(段落[0002]〜[0007]、及び図9参照)
しかしながら、上記従来例では、太陽電池モジュールからの配線を接続する端子台と、商用電力系統からの配線を接続する端子台との配置について、何ら考慮されていない。このため、各端子台の配置の如何によっては、端子台を配置するためのスペースを大きく取らざるを得ず、パワーコンディショナのケースが大型化するという問題があった。また、各端子台の配置の如何によっては、各端子台に配線を接続する作業が煩わしくなり、施工し難くなるという問題があった。
本発明は、上記の点に鑑みて為されたもので、ケースの大型化を回避でき、且つ端子台に配線を接続する作業をし易くすることのできるパワーコンディショナを提供することを目的とする。
本発明のパワーコンディショナは、ケースと、前記ケースに収納されて少なくとも太陽電池と商用電力系統との系統連系運転を行う電子回路と、前記太陽電池と接続する直流入力用の第1端子台と、前記商用電力系統と接続する系統連系用の第2端子台とを備え、前記各端子台は、配線を接続するための複数の接続端子をそれぞれ有し、前記各端子台を、前記ケースの厚み方向に沿って段違いに配置し、且つ前記各接続端子を厚み方向と交差する方向に沿って互いにずらして配置し、前記厚み方向において、前記第1端子台を前段に、前記第2端子台を後段に配置することを特徴とする。
このパワーコンディショナにおいて、前記各接続端子を鉛直下方に向けて配置し、前記各接続端子は、前記電子回路からの配線を接続する端子ねじと、前記ケース外に引き出される配線を接続する端子ねじとを有し、前記ケースに、前記ケース外に引き出される配線を接続する端子ねじと、当該端子ねじの周囲の電子部品とを隔離する隔離板を設けることが好ましい。
このパワーコンディショナにおいて、前記隔離板に、自立運転用のコンセントを取り付ける取付部を設けることが好ましい。
このパワーコンディショナにおいて、前記ケースを造営面に取り付けるための取付板を備え、前記ケース又は前記取付板の何れか一方に、前記ケースを前記取付板に引っ掛けるための引掛け片を設け、前記ケース又は前記取付板の何れか他方に前記引掛け片を引っ掛ける引掛け孔を設け、且つ前記ケース及び前記取付板に、ねじ止めするための取付孔をそれぞれ設けることが好ましい。
本発明は、直流入力用の端子台と系統連系用の端子台とをケースの厚み方向に沿って2段に配置している。このため、端子台を設置するために必要なスペースを小さくすることができ、ケースの大型化を回避することができる。また、本発明は、各端子台を互いにずらして配置している。このため、一方の端子台に配線を接続する作業を行う際に、他方の端子台が作業の妨げとなり難いので、配線を接続する作業を行ない易い。
本発明に係るパワーコンディショナの実施形態を示す図で、(a)は全体斜視図で、(b)はケースに収納される部品ブロックの全体斜視図である。 同上のパワーコンディショナのケースに収納される部品ブロックの前面図である。 同上のパワーコンディショナの回路概略図である。 同上のパワーコンディショナのケース本体を示す図で、(a)は斜視図で、(b)は前面図で、(c)は下面図で、(d)は上面図で、ある。 (a)は同上のパワーコンディショナのケース本体の保護シートを外した状態の斜視図で、(b)〜(d)は同上のパワーコンディショナにおける保護シートの取付説明図である。 同上のパワーコンディショナのパネルを示す図で、(a)はパネルの取付説明図で、(b)は前面図で、(c)は後方から見た斜視図で、(d)〜(f)は引掛け片の説明図である。 同上のパワーコンディショナの第1部品ブロック及び第3部品ブロックを取り付ける際の分解斜視図である。 同上のパワーコンディショナの取付板を示す図で、(a)は斜視図で、(b)は平面図である。 同上のパワーコンディショナにおける取付板を装着する前の斜視図である。 同上のパワーコンディショナにおける取付板を装着した後の斜視図である。
以下、本発明に係るパワーコンディショナの実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下の説明では、図1(a)に示す矢印により上下左右方向、及び前後方向を定めるものとする。
本実施形態は、太陽光発電を利用した系統連系システムに用いられるパワーコンディショナPC1である。この系統連系システムは、図3に示すように、住宅の屋根等に設置する複数の太陽電池A1と、各太陽電池A1により発電された直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナPC1とで構成される。そして、この系統連系システムは、パワーコンディショナPC1と商用電力系統(図示せず)との間に接続された負荷(図示せず)に対して、系統連系運転と自立運転との何れか一方に切り替えて交流電力を供給するものである。ここで、系統連系運転とは、パワーコンディショナPC1と商用電力系統とを連系して運転することを示す。また、自立運転とは、例えば商用電力系統が停電している場合等に、パワーコンディショナPC1のみを運転することを示す。
太陽電池A1は、それぞれ複数の太陽電池モジュールA10を直列に接続して成るストリングで構成されている。本実施形態では、各太陽電池A1を構成する太陽電池モジュールA10の数は一定ではない。このため、各太陽電池A1から得られる直流電力も一定ではない。そこで、本実施形態では、後述する昇圧回路を内蔵した所謂マルチストリング型のパワーコンディショナPC1を構成している。したがって、各太陽電池A1から得られる直流電力を昇圧回路により一定にすることで、各太陽電池A1における太陽電池モジュールA10の数を考慮せずに系統連系システムを構築することができる。
パワーコンディショナPC1は、図1(a),(b)に示すように、ケース本体1及びパネル2から成る直方体状のケース3と、ケース3に収納されて上記の系統連系運転又は自立運転の制御を行う電子回路とを備える。この電子回路は、後述するように、各部品ブロックB1〜B3に区画してケース3に収納される。
ケース本体1は、ベース10と、上側板11、下側板12、右側板13、左側板14とで構成される。ベース10は、図2に示すように、矩形状の金属板から成る。ベース10の前面に、各部品ブロックB1〜B3を載置する。ベース10の右下部には、後述する第2端子台5を取り付ける。また、ベース10の右下部には、第2端子台5の入力用端子ねじ50Aに配線を接続する作業の妨げとならないように、矩形状の切り欠き10Aを設けている。
各側板11〜14は、図1(a),図4(a)に示すように、ベース10の四辺からそれぞれ前向きに突出する矩形状の金属板から成る。上側板11の左右方向における中央部には、前後方向に沿って長尺な複数のスリットから成る第1通気口11Aを設けている。また、上側板11における第1通気口11Aの周部には、メッシュ状の第2通気口11Bを設けている。下側板12の左右方向における中央部には、上側板11と同様に第1通気口12Aを設けている。また、下側板12における第1通気口12Aの周部には、上側板11と同様に第2通気口12Bを設けている。これら通気口11A,12A,11B,12Bは、外気をケース本体1内部に取り込むための吸い込み口、又はケース本体1内部の空気を外部に放出するための吐き出し口として機能する。
また、下側板12の右部には、後述する第2端子台5の下部及びコンセント6を外部に露出するための矩形状の切り欠き12Cを設けている(図4(a)参照)。この切り欠き12Cは、矩形状の第1端子カバー12Dで覆われている(図5(a)参照)。なお、第1端子カバー12Dは、取り付け及び取り外しが自在である。
上側板11の前端には、図5(a)に示すように、前向きに突出する上延設片15を設けている。同様に、右側板13の前端、及び左側板14の前端には、それぞれ前向きに突出する右延設片16及び左延設片17を設けている。各延設片15〜17は、パネル2をケース本体1に取り付けた際に、パネル2の内壁と対向する。これにより、例えば埃等の外部からの異物がケース本体1へ侵入するのを防いでいる。上延設片15には、図6(a)に示すように、1対の矩形状の引掛け孔15Aを左右方向に亘って一定の間隔を空けて貫設している。
下側板12の前端縁には、図5(a)に示すように、上向きに突出する第1突片12Eを左右方向に亘って複数設けている。また、下側板12の前端縁には、第1突片12Eと前後方向において互いに段違いとなるように上向きに突出する第2突片12Fを左右方向に亘って複数(本実施形態では4つ)設けている。各第2突片12Fには、図5(d)に示すように、後向きに突出する半球形状の突部12Gを一体に形成している。
上延設片15の前端縁には、図5(a)に示すように、下向きに突出する第1突片15Bを左右方向に亘って複数設けている。また、上延設片15の前端縁には、第1突片15Bと前後方向において互いに段違いとなるように下向きに突出する第2突片15Cを左右方向に亘って複数(本実施形態では4つ)設けている。各第2突片15Cには、図5(d)に示すように、後向きに突出する半球形状の突部15Dを一体に形成している。
ここで、図4(a)に示すように、ケース本体1の前面は、例えば埃等の外部からの異物が内部に侵入しないように、矩形状の保護シート22で覆っている。なお、保護シート22の右下部には、後述する第1端子台4の前部を覆う第2端子カバー23を避けるために、矩形状の切り欠き22Aを設けている。なお、第2端子カバー23は、取り付け及び取り外しが自在である。保護シート22の上端縁及び下端縁には、図5(b),(c)に示すように、それぞれ複数(本実施形態では4つ)の丸孔22Bを左右方向に亘って貫設している。
以下、保護シート22をケース本体1に取り付ける方法について説明する。先ず、図5(c)に示すように、保護シート22の下端縁を各第1突片12Eと各第2突片12Fとの間に挿入する。そして、図5(d)に示すように、各第2突片12Fの突部12Gを、対向する保護シート22の丸孔22Bに嵌合する。次に、図5(b)に示すように、保護シート22の上端縁を各第1突片15Bと各第2突片15Cとの間に挿入する。そして、そして、図5(d)に示すように、各第2突片15Cの突部15Dを、対向する保護シート22の丸孔22Bに嵌合する。これにより、保護シート22がケース本体1に取り付けられる。
このように、本実施形態では、第1突片12E,15Bと第2突片12F,15Cとの間に保護シート22を挟み込み、各突部12G,15Dを各丸孔22Bに嵌合するだけで保護シート22をケース本体1に取り付けることができる。したがって、本実施形態では、従来のように保護シート22をケース本体1にねじ止めする必要がなく、施工し易い。また、本実施形態では、保護シート22を取り付ける際にねじ止めが不要であることから、取付ねじやナット等の部品も不要であり、コストを削減することができる。なお、本実施形態では、第2突片12F,15Cにそれぞれ突部12G,15Dを設けているが、第1突片12E,15Bに突部を設けてもよい。
パネル2は、図6(a)〜(c)に示すように、後面を開口した扁平な箱形に形成されている。パネル2前面の下部には、後述する操作部8を露出させるための矩形状の窓孔20を貫設している。パネル2上面の後端縁には、1対の引掛け片21を左右方向に亘って一定の間隔を空けて設けている。各引掛け片21は、図6(f)に示すように、後向きに突出する第1立片21Aと、第1立片21Aの先端から下向きに突出する第2立片21Bと、第2立片21Bの先端から後向きに突出する第3立片21Cとを一体に形成して成る。
パネル2は、図6(a)に示すように、各引掛け片21をケース本体1の引掛け孔15Aに挿入して引掛け、下面をケース本体1にねじ止めすることで、ケース本体1に取り付けることができる。
ここで、従来では、図6(d)に示すように、引掛け片21’の先端部が下向きに突出するように折り曲げられていた。このため、パネル2をケース本体1に取り付ける際には、引掛け片21’の先端部を上方から下方へとスライドさせることで、引掛け片21’を引掛け孔15Aに挿入して引っ掛けていた。この構成では、引掛け片21’が引掛け孔15Aから外れるのを防ぐために、引掛け片21’の先端部の下方向に沿った長さを十分に長くする必要があった。
一方、本実施形態では、図6(e),(f)に示すように、パネル2を傾けた状態で各引掛け片21を各引掛け孔15Aに挿入し、パネル2を反時計回りに回動することで、各引掛け片21を回動して各引掛け孔15Aに引っ掛けることができる。この構成では、第3立片21Cが引掛け孔15Aの周縁に引っ掛かる。すなわち、引掛け片21は、引掛け孔15Aの周縁に引っ掛かる位置と引っ掛からない位置との間で回動自在となっている。このため、引掛け片21の先端部の下方向に沿った長さを長くすることなく、引掛け片21が引掛け孔15Aから外れるのを防止することができる。
このように、本実施形態では、引掛け片21の先端部の下方向に沿った長さを短くすることができる。このため、ケース本体1内部において引掛け片21の先端部が占めるスペースが小さくなるため、ケース本体1を小型化することができる。なお、パネル2をケース本体1から取り外す場合には、パネル2下面のねじを外し、その後パネル2を時計回りに回動して各引掛け片21を各引掛け孔15Aから外せばよい。
本実施形態のパワーコンディショナPC1は、ケース3を壁面等の造営面(図示せず)に予め取り付けてある取付板9に取り付けることで、造営面に取り付けることができる。取付板9は、図8(a),(b)に示すように、矩形状の金属板から成り、その左右方向の幅寸法はベース10の左右方向の幅寸法とほぼ同じである。また、ケース本体1の後部は、図9に示すように、各側板11〜14の後端がベース10よりも後方に僅かに突出しており、取付板9を覆い隠して取り付けることができるようになっている。したがって、取付板9にケース3を取り付ける際に、取付板9とケース本体1後部の左右内壁との隙間が小さくなるので、後述する各引掛け片10Bを各引掛け孔91Aに案内し易くなる。
取付板9は、図8(a),(b)に示すように、左右方向に亘って前向きに突出する第1突条91と、第2突条92とを有する。各突条91,92の前後方向における厚み寸法は、取付板9をケース本体1の後部に取り付けた際に、取付板9が各側板11〜14の後端部に覆い隠される程度である。第1突条91の左右両側には、後述する引掛け片10Bを挿入して引っ掛けることのできる矩形状の引掛け孔91Aをそれぞれ貫設している。第2突条92の右下部には、矩形状の切り欠き91Aを形成している。この切り欠き91Aは、取付板9をケース3に取り付ける際に、ベース10の切り欠き10Aと対向する。また、切り欠き91Aの周縁には、取付ねじ93(図10参照)を挿入するための取付孔92Bを貫設している。
ベース10の左右両側には、図9に示すように、後向きに突出する断面L字状の1対の引掛け片10Bを切り起こして形成している。これら引掛け片10Bを取付板9の各引掛け孔91Aに引っ掛けることで、ベース10を取付板9に仮止めすることができる。また、ベース10の切り欠き10Aの周縁には、取付ねじ93を挿入するための取付孔10Cを貫設している。そして、ベース10を取付板9に仮止めした状態で、ケース本体1の内側から取付孔10C及び取付板9の取付孔92Bに取付ねじ93を挿入してねじ止めする。これにより、ベース10を取付板9に固定する、ひいてはケース3を取付板9に固定することができる(図10参照)。
このように、本実施形態では、1対の引掛け片10Bを用いた仮止めと、取付ねじ93を用いた1箇所のねじ止めとにより、ケース3を取付板9に固定している。このため、ねじ止めのみでケース3を取付板9に固定する場合と比較して、ねじ止めの箇所を減らすことができ、施工し易くすることができる。また、ケース本体1の内側からねじ止めを行なっていることから、パネル2を外さない限りケース3を取付板9から外すことができないので、安全性を向上することができる。
以下、パワーコンディショナPC1の回路の概略について図3を用いて説明する。パワーコンディショナPC1は、第1端子台4及び第2端子台5と、自立運転用のコンセント6とを備える。また、パワーコンディショナPC1は、各種回路を実装した第1基板P1、第2基板P2、第3基板P3、第4基板P4、第5基板P5、第6基板P6(図1(b)参照)を備える。
ここで、第1端子台4は、複数(本実施形態では4つ)の太陽電池A1と接続する直流入力用の端子台である。第1端子台4は、図7に示すように、複数(本実施形態では8対)の接続端子40を備える。各接続端子40は、太陽電池A1からの入力用配線(外部からの配線)を接続する入力用端子ねじ40Aと、後述する第1ノイズフィルタNF1への出力用配線(内部からの配線)を接続する出力用端子ねじ40Bとで構成される。接続端子40は、2対を1組として太陽電池A1の入力に用いる。すなわち、本実施形態では、第1端子台4が4組の接続端子40を備えるため、4つの太陽電池A1を接続することができる。
第2端子台5は、商用電力系統と接続する系統連系用の端子台である。第2端子台5は、図7に示すように、複数(本実施形態では6対)の接続端子50を備える。各接続端子50は、商用電力系統への出力用配線(外部からの配線)を接続する出力用端子ねじ50Aと、後述する解列用リレーRY1及び自立用リレーRY2からの入力用配線(内部からの配線)を接続する入力用端子ねじ50Bとで構成される。1対の接続端子50は、アースを接続するために用いる。3対の接続端子50は、商用電力系統の単相3線を接続するために用いる。残りの2対の接続端子50は、自立運転時に、例えば予め配線してある照明器具等の電気機器に電力を供給するための接続端子として用いる。
コンセント6は、例えば停電時などの商用電力系統から切り離された状態で、太陽電池A1からの電力で自立運転する場合に用いる。すなわち、商用電力系統から切り離された状態において、コンセント6に電気機器(図示せず)を接続することで、太陽電池A1からの電力を電気機器に供給することができる。
第1基板P1には、第1端子台4を介して4つの太陽電池A1と接続する4つの第1ノイズフィルタNF1を実装している。各第1ノイズフィルタNF1は、後述するインバータ回路から太陽電池A1への高周波ノイズの流出を抑制するものである。各太陽電池A1は、これら第1ノイズフィルタNF1を介して後述の昇圧回路と接続される。
第2基板P2には、複数(本実施形態では2つ)の昇圧回路を実装している。各昇圧回路は、それぞれ太陽電池A1から供給される直流電力を昇圧して出力するものである。昇圧回路は、太陽電池A1と1対1に対応するため、太陽電池A1の数だけ設ける必要がある。このため、本実施形態では、2つの第2基板P2にそれぞれ2つの昇圧回路を実装することで、4つの太陽電池A1とそれぞれ接続される計4つの昇圧回路を設けている。
各昇圧回路は、第1リアクトルL1と、スイッチング素子Q1と、ダイオードD1と、コンデンサC1とから1石式昇圧チョッパとして構成されている。各昇圧回路は、日射量に基づいて例えば0V〜300V程度の範囲内で絶えず変動する太陽電池A1からの直流電圧を、商用電力系統の交流電圧値の1.4倍程度に昇圧する。
ここで、各昇圧回路の各第1リアクトルL1は、第2基板P2には実装せず、後述するように第1部品ブロックB1としてベース10に配置する。また、コンデンサC1は、第2基板P2には実装せず、複数の小型コンデンサC10から成るコンデンサブロックCB1として別に配置する。
第3基板P3には、インバータ回路を実装している。インバータ回路は、4つの第2スイッチング素子Q2によりフルブリッジ回路として構成されている。インバータ回路は、後述する制御回路(図示せず)によるPWM制御にしたがって各第2スイッチング素子Q2を駆動し、昇圧回路からの直流電力を交流電力に変換する。
インバータ回路の出力端には、高調波を抑制するための第2リアクトルL2を接続している。この第2リアクトルL2は、後述するように第2部品ブロックB2に含まれるものであり、ベース10前面に取り付けられる。
第4基板P4には、直流抵抗式の電流センサS1やカレントトランスCT1を有する保護回路を実装している。制御回路は、これら電流センサS1及びカレントトランスCT1で測定した電流値に基づいてインバータ回路を制御することにより、過負荷からの保護を図っている。また、第4基板P4には、電源投入時の突入電流を制限する突入電流制限回路LC1を実装している。
第5基板P5には、第2ノイズフィルタNF2と、解列用リレーRY1と、自立用リレーRY2とを実装している。第2ノイズフィルタNF2は、インバータ回路の出力に含まれるPWMキャリア周波数のリップル成分を平滑することで、正弦波状の交流電圧に変換して出力する。解列用リレーRY1は、制御回路の制御にしたがって、系統連系(パワーコンディショナPC1と商用電力系統との接続)又は解列(パワーコンディショナPC1と商用電力系統との接続の遮断)を行う。自立用リレーRY2は、制御回路の制御にしたがって、パワーコンディショナPC1からコンセント6への給電経路の開閉を行う。
第2ノイズフィルタNF2の入力端には、インバータ回路と第2ノイズフィルタNF2との間の両ラインを内側に挿通した地絡検出用コアGC1を設けている。制御回路は、この地絡検出用コアにより地絡電流が検出されると、異常有りと判断して昇圧回路及びインバータ回路の制御を停止し、解列用リレーRY1に対して解列制御を行う。これにより、本実施形態に係る系統連系システムを地絡から保護することができる。
第6基板P6には、制御回路を実装している。制御回路は、マイクロコンピュータを備え、パワーコンディショナPC1の制御全般を行う。制御回路は、例えば昇圧回路の出力電圧を取り込み、この出力電圧に基づいてスイッチング素子Q1に与える駆動信号のデューティ比を調整する。これにより、制御回路は、昇圧回路の出力電圧を一定電圧に制御する。また、制御回路は、インバータ回路の各スイッチング素子Q2に駆動信号を与えてPWM制御することにより、昇圧回路からの直流電力を交流電力に変換する。更に、制御回路は、商用電力系統の停電の有無を監視し、停電の場合には、昇圧回路及びインバータ回路の制御を停止し、解列用リレーRY1に対して解列制御を行う。
また、制御回路は、操作部8での手動入力に基づいて、系統連系を行う系統連系運転モードと、自立運転を行う自立運転モードとを切り替える。ここで、操作部8は、図1(a)に示すように、各種情報を表示する液晶ディスプレイ80と、入力操作を受け付ける各種スイッチ81とを備える。また、操作部8は、その前面を樹脂材料から成る化粧カバー82で覆っている。
例えば、系統連系運転モード時において運転切替用のスイッチ81を操作すると、制御回路は、解列用リレーRY1に対して解列制御を行うとともに、自立用リレーRY2を制御してコンセント6への給電経路を閉成する。これにより、パワーコンディショナPC1は自立運転モードに切り替わるため、コンセント6を介して電気機器に太陽電池A1からの電力を供給することができる。また、停電時において制御回路は系統連系運転を停止させるが、このときに運転切替用のスイッチ81を操作することで、自立運転モードに切り替えることもできる。
ここで、パワーコンディショナPC1の各種回路は、図1(b),図2に示すように、回路を構成する電子部品を第1部品ブロックB1、第2部品ブロックB2、第3部品ブロックB3に分けて配置することで構成されている。第1部品ブロックB1は、電子部品のうち発熱量が大きく、且つケース本体1の厚み方向(前後方向)における長さが長い(背丈の高い)電子部品から成る。本実施形態では、第1リアクトルL1及び第2リアクトルL2が第1部品ブロックB1に含まれる。
第2部品ブロックB2は、電子部品のうち発熱量が大きく、且つケース本体1の厚み方向における長さが短い(背丈の低い)電子部品をヒートシンク7上に載置して成る。本実施形態では、第2基板P2に実装される昇圧回路を構成する電子部品(第1リアクトルL1を除く)と、第3基板P3に実装されるインバータ回路を構成する電子部品と、複数のコンデンサC10とが第2部品ブロックB2に含まれる。なお、ヒートシンク7の上面には、図7に示すように、第2基板P2と、第3基板P3と、コンデンサブロックCB1とを載置している。
第3部品ブロックB3は、電子部品のうち発熱量が小さい電子部品から成る。本実施形態では、第1基板P1に実装される各ノイズフィルタNF1を構成する電子部品と、第5基板P5に実装されるノイズフィルタNF2を構成する電子部品と、各リレーRY1,RY2等の電子部品とが含まれる。
第3部品ブロックB3において、第1基板P1と第5基板P5とは、図7に示すように金属製の遮蔽板41によって隔てられている。遮蔽板41は、金属板の上下両端をそれぞれ後向きに折り曲げて形成されている。遮蔽板41の前面には、第1基板P1と、第1端子台4とを取り付けている。遮蔽板41は、第5基板P5と、第2端子台5の入力用端子ねじ50Bとを覆う形でベース10に取り付ける。なお、遮蔽板41には、第2端子台5を避けるために矩形状の切り欠き41Aを設けている。
遮蔽板41の下方には、図1(b),図2に示すように、第1端子台4の入力用端子ねじ40Aと、第2端子台5の出力用端子ねじ50Aとを周囲の電子部品から隔離する金属製の隔離板51を設けている。隔離板51は、金属板を折り曲げて成り、各端子ねじ40A,50Aの上側、左右両側を覆うように形成されている。このため、隔離板51により外部からの異物の侵入を防止することができる。また、各端子台4,5へ配線を接続する作業を行う際に、隔離板51によって周囲の電子部品を隔離しているので、破損を防止することができる。
また、本実施形態では、図1(b)に示すように、接続端子40,50の下方に配線を引き出すスペースを設けるように各端子台4,5を配置している。このため、仮に配線を伝って水が滴下した場合でも、各接続端子40,50が配線よりも上方に位置するので、各端子台4,5を含む充電部に水が浸入するのを防止することができる。
隔離板51のうち右側の板材の下端縁には、右向きに突出する矩形状の延設板51Aを一体に形成している。この延設片51Aには、コンセント6を嵌め込み可能な切り欠き51B(取付部)を設けている。すなわち、本実施形態では、コンセント6を切り欠き51Bに取り付けることで、隔離板51に固定している。このため、組立時にコンセント6を固定した状態で配線を接続する作業を行うことができるので、作業し易くなる。なお、本実施形態では、隔離板51は金属製であるが、一定の強度を持つ剛体であれば金属製でなくてもよい。
ここで、本実施形態では、図1(b)に示すように、直流入力用の第1端子台4と系統連系用の第2端子台5とを、前後方向(ケース3の厚み方向)に沿って段違いに配置している。このため、各端子台4,5を設置するために必要なスペースを小さくすることができ、ケース3の大型化を回避することができる。また、本実施形態では、図2に示すように、各端子台4,5の各接続端子40,50を左右方向に沿って互いにずらして配置している。このため、各端子台4,5に配線を接続する作業を行う際に、他方の端子台が作業の妨げとなり難いので、配線を接続する作業を行ない易い。特に、本実施形態では、第2端子台5と比較して細い配線を接続する直流入力用の第1端子台4を前方に配置しているので、配線を接続する作業がより行い易い。更に、本実施形態では、各端子台4,5を上下方向に沿って互いにずらして配置している。このため、本実施形態では、配線を接続する作業が更に行い易い。
1 ケース本体
2 パネル
3 ケース
4 第1端子台
40 接続端子
40A 端子ねじ
5 第2端子台
50 接続端子
50A 端子ねじ

Claims (4)

  1. ケースと、前記ケースに収納されて少なくとも太陽電池と商用電力系統との系統連系運転を行う電子回路と、前記太陽電池と接続する直流入力用の第1端子台と、前記商用電力系統と接続する系統連系用の第2端子台とを備え、前記各端子台は、配線を接続するための複数の接続端子をそれぞれ有し、
    前記各端子台を、前記ケースの厚み方向に沿って段違いに配置し、且つ前記各接続端子を厚み方向と交差する方向に沿って互いにずらして配置し、
    前記厚み方向において、前記第1端子台を前段に、前記第2端子台後段に配置することを特徴とするパワーコンディショナ。
  2. 前記各接続端子を鉛直下方に向けて配置し、前記各接続端子は、前記電子回路からの配線を接続する端子ねじと、前記ケース外に引き出される配線を接続する端子ねじとを有し、前記ケースに、前記ケース外に引き出される配線を接続する端子ねじと、当該端子ねじの周囲の電子部品とを隔離する隔離板を設けることを特徴とする請求項1記載のパワーコンディショナ。
  3. 前記隔離板に、自立運転用のコンセントを取り付ける取付部を設けることを特徴とする請求項2記載のパワーコンディショナ。
  4. 前記ケースを造営面に取り付けるための取付板を備え、前記ケース又は前記取付板の何れか一方に、前記ケースを前記取付板に引っ掛けるための引掛け片を設け、前記ケース又は前記取付板の何れか他方に前記引掛け片を引っ掛ける引掛け孔を設け、且つ前記ケース及び前記取付板に、ねじ止めするための取付孔をそれぞれ設けることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のパワーコンディショナ。
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