以下に、図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を詳しく説明する。なお、以下の実施の形態はあくまで例示であり、本発明の範囲を限定する趣旨のものではない。
(第1実施形態)
本発明に係る音響再生装置の第1実施形態として、アレイスピーカを備える音響再生装置を例に挙げて以下に説明する。
<装置構成>
図1は、第1実施形態に係る音響再生装置の一構成例の外観の模式図である。図1において、音響信号再生用のスピーカ1及び2は、それぞれ、ステレオ音響信号のL信号とR信号を音に変換して主音響を出力するスピーカ(主音響出力手段)である。補正用のアレイスピーカ3は、スピーカ1及び2から出力された音の反射音を打ち消す補正音響を出力するスピーカ(補正音響出力手段)である。
アレイスピーカ3は、例えば、同じ口径の複数のスピーカユニットを規則的に配置し、各スピーカユニットの再生遅延の制御を適宜行うことによって、任意の方向に指向性を持つ音響ビームを出力するよう制御可能である。つまり、各スピーカユニットは、それぞれ再生遅延を設定可能に構成されている。特に、アレイスピーカ3は、後述するように同時に複数(N個)の方向に音響ビームを生成して出力することができる。これにより、アレイスピーカ3は、部屋の壁などによる反射音を打ち消すための補正信号を音響ビームに変換して適切な方向に出力する。
ここでは、アレイスピーカ3は横方向(水平方向)にM個、縦方向(鉛直方向)にL個のスピーカユニットを格子状に並べることによってアレイを構成するものとする。アレイスピーカ3において、横方向のスピーカユニットの個数は、水平面における音響ビーム方向の指向性に寄与し、スピーカユニットの個数が多いほど水平面の指向性が強まる。一方、縦方向のスピーカユニットの個数は、音響ビームの音圧に寄与し、スピーカユニットの個数が多いほど音響ビームの音圧が高まる。アレイスピーカ3の詳細な構成については図3を用いて後述する。
コントロールアンプ4は、音響再生装置全体の動作制御を行う。具体的には、メディアプレイヤーによって出力される音響信号に対して適宜音量制御やトーンコントロールなどの処理を行ってから増幅を行い、スピーカ1,2に出力する。また、入力音響信号から反射音補正信号を生成し、適切な音響出力方向の情報とともにアレイスピーカ3に出力する。また、スピーカ1、2やアレイスピーカ3から測定信号を出力し、マイクロフォンアレイ6によって収音した信号から、ユーザ聴取位置における部屋の音響特性解析などを行う。コントロールアンプ4の詳細な構成は図2を用いて後述する。
メディアプレイヤー5は、ディスクメディア(CD、SACDなど)や汎用ストレージメディア(HDDなど)に格納されている音響信号、あるいは、インターネット上のサーバからストリーミングされる音響信号などを再生し、コントロールアンプ4に出力する。
マイクロフォンアレイ6(集音手段)は、例えば、3つのマイクロフォンユニットを水平面上に正三角形の頂点位置に配置したものである。マイクロフォンアレイ6は前後左右の方向が予め指定されており、3つのユニットのうちの一つを前側として、残りの二つが正面に対して後部左右均等に位置するように方向が決定される。マイクロフォンアレイ6は、各マイクロフォンユニットで設置された位置の音を収音し、電気信号に変換してコントロールアンプ4に出力する。この構成により、マイクロフォンアレイ6は、音響の到来方向を検出可能になっている。
図2は、コントロールアンプ4の詳細構成を示すブロック図である。なお、コントロールアンプ4に内蔵される全ての構成要素と制御器121は不図示の制御信号バスによって接続され、双方向に制御信号を送受信可能である。
音響信号入力インターフェース(音響信号入力I/F)101は、メディアプレイヤー5から出力されるデジタルステレオ音響信号を受信してステレオ遅延器102へ出力する。ステレオ遅延器102は、スピーカ1、2の配置位置とユーザ聴取位置により、ユーザ聴取位置において発生する左右信号の遅延差の補正を入力音響信号に対して行い、音響処理器103へ出力する。音響処理器103は、使用者が操作器120を操作して行う指示に従って制御器121から送信される制御信号に基づき、入力音響信号に対してトーンコントロールや音量制御などの音響処理を行う。そして、音響処理器103は、処理が施された音響信号をシステム間遅延器104や反射音補正フィルタ115へ出力する。
システム間遅延器104は、入力された音響信号を遅延させ、デジタル−アナログ変換器105に出力する。この遅延時間には、反射音補正フィルタ115によって行われるフィルタ適用処理による遅延分に加えて、ステレオスピーカ1、2とアレイスピーカ3とのシステム遅延が含まれる。デジタル−アナログ変換器(以降DACと表記)105は、入力されたデジタル音響信号をアナログ音響信号に変換して出力する。パワーアンプ106、107は、入力された左右チャンネルのアナログ音響信号を所定の増幅率で増幅してスピーカ1,2にそれぞれ出力する。増幅された左右チャンネルの音響信号は、スピーカ1,2によって音に変換されて出力されることにより、ステレオ音響再生が行われる。
テスト信号生成器108は、MLS(Maximum Length Sequence)信号やTSP(Time Stretched Pulse)信号などの測定用信号を生成する。そして、ステレオ音響再生用のスピーカ1、2で音響再生したときの室内音響特性の測定を行う場合はDAC105に出力する。また、アレイスピーカ3が出力する音響ビームの方向調整を行うための測定を行う場合は、遅延情報付加器116へテスト信号を出力する。また、同時にインパルス応答算出器111にもテスト信号を出力する。
マイクロフォンアンプ109は、マイクロフォンアレイ6に含まれる3つの各マイクロフォンユニットで収音したアナログ音響信号をそれぞれ所定の増幅率で増幅する。アナログ−デジタル変換器110は、入力されたアナログ音響信号をデジタル音響信号に変換して出力する。インパルス応答算出器111は、テスト信号生成器108から送信されるテスト信号と、各マイクロフォンユニットで収音した測定点の音響信号から、測定点における室内インパルス応答を算出する。直接音・反射音成分分離器112は、インパルス応答算出器111から出力されるインパルス応答を解析し、音響成分を到来時刻に基づいて直接音成分と反射音成分に分離し、制御器121の指示に従って、直接音成分や反射音成分を出力する。
入射方向解析器113は、3つの直接音・反射音成分分離器112から入力された3つのインパルス応答とマイクロフォンアレイ6における各マイクロフォンユニットの配置より、直接音成分、もしくは、反射音成分の入射方向を算出する。直接音成分が入力された場合は、直接音成分の入射方向と経路遅延を算出して、方向−遅延DB118に出力する。また、反射音成分が入力された場合は、反射音成分を制御器121の指示に従って入射方向ごとにN個のグループに分割し、グループ別に反射音補正フィルタ設計器114へ入射方向とともに出力する。
反射音補正フィルタ設計器114は、入力された方向ごとの反射音成分を補正するための補正フィルタ係数を設計する。設計されたフィルタ係数は反射音補正フィルタ115に出力される。また、反射音の入射方向をキーにして方向−遅延DB118を検索して得られる遅延情報を遅延情報付加器116へ出力する。反射音補正フィルタ115は、反射音補正フィルタ設計器114によって設計されたフィルタを入力された音響信号に重畳し、反射音補正信号を生成、出力する。遅延情報付加器116は、反射音補正信号にユニット間遅延と経路遅延を付加して出力する。なお、第1実施形態において、反射音補正フィルタ設計器114、反射音補正フィルタ115、遅延情報付加器116は、反射音成分の入射方向のグループ数であるN個がコントロールアンプ4の構成要素として含まれる。
混合器117は、入射方向ごとに生成される遅延情報付きの反射音補正信号を混合して、アレイスピーカ3へ出力する。方向−遅延データベース(DB)118は、入射方向解析器113が解析した入射方向、経路遅延時間の情報と、ユニット間遅延算出器119から送信される隣接ユニット間遅延時間の情報と、を対応付けて格納する。これにより、聴取点において、ある入射方向から音響ビームを出力したい場合、入射方向をキーとして当該DBを検索することにより、アレイスピーカ3における隣接ユニット間遅延時間と経路遅延時間を得ることができる。図10は、方向−遅延DBに格納されるデータを例示的に示す図である。
ユニット間遅延算出器119は、アレイスピーカ3から出力する音響ビームの放射角度を制御器121から指定されると、アレイスピーカ3を構成するスピーカユニット間の遅延時間を算出して、遅延情報付加器116と方向−遅延DB118へ出力する。
操作器120は、回転ダイヤルやボタン、もしくはGUIなどで構成され、ユーザ指示を受け付ける機能部である。例えば、音響再生装置に対するユーザの初期設定や音響再生の開始、停止指示や、音量制御、音質制御などの操作を受け付け、信号に変換して制御器121へ送信する。制御器121は、コントロールアンプ4に含まれる全ての構成要素と不図示の制御信号バスによって接続されている。操作器120から送信される信号に従って、制御信号バスを介して各構成要素に適宜制御信号を送信する。表示器122は、ユーザに対して指示を促す表示や、音響再生装置の動作状況や動作結果の表示を行う機能部である。
図3は、補正用のアレイスピーカ3の詳細構成を示すブロック図である。アレイスピーカ3は、上述のN個の方向に音響ビームを生成するため、(M×L)個のスピーカユニットへの信号を生成し、各スピーカユニットから音を出力する。
分離器201は、全ての入射方向のものが混合されて送信される反射音補正信号を入射方向別に分離して、各方向を担当する遅延情報分離器202へ出力する。また、分離器201は、テスト信号を受信すると、そのまま音響ビーム方向テスト制御器210へ送信する。遅延情報分離器202は、分離器201から送信される入射方向ごとの反射音補正信号から遅延情報を分離して遅延算出器203に出力する。なお、反射音補正信号は、スピーカユニットの個数((M×L)個)分に分割され(M×L)個の遅延器204へ出力される。
遅延算出器203は、遅延情報に含まれる隣接ユニット間遅延時間と経路遅延時間に基づいて各スピーカユニットの実際の遅延時間を算出して、遅延器204に設定する。なお、アレイスピーカ3は、N個の遅延情報分離器202及びN個の遅延算出器203を含む。
遅延器204は、遅延算出器203から送出される各スピーカユニットの遅延時間に従って、遅延情報分離器202から出力される反射音補正信号をそれぞれ遅延させて加算器205へ出力する。加算器205は、入射方向ごとに出力された反射音補正信号をスピーカユニット毎に加算して出力する。加算器205から出力された反射音補正信号はDAC206によりアナログ音響信号に変換された後、アンプ207によって所定の増幅率で増幅され、スピーカユニット208によって音に変換されて出力される。
各スピーカユニットから、遅延制御が行われたN個の反射音補正信号が音として出力されるため、結果として、アレイスピーカ3は、N個の方向に反射音補正信号の音響ビームを形成し出力することになる。
なお、加算器205、DAC206、アンプ207はスピーカユニットと同数、すなわち、(M×L)個が構成要素として含まれる。また、遅延器204は、N個の到来方向毎にそれぞれ(M×L)個必要であるので、全部で(N×M×L)個が含まれることになる。
<初期設定処理の動作>
第1実施形態に係る音響再生装置を最初に室内に設置する場合は、アレイスピーカの音響ビーム出力方向を壁面の反射特性に合わせて調整する必要がある。さらに、ステレオスピーカ再生時の室内の音響特性を測定し、それに基づいて補正フィルタを設計する必要がある。
図5は、第1実施形態における初期設定処理のフローチャートである。当該処理は、ユーザが操作器120を操作して初期設定を開始する指示を与え、操作器120が制御器121に初期設定処理の開始指示信号を送信することにより開始される。
ステップS1では、制御器121は、ユーザに対して聴取点にマイクロフォンアレイ6を設置することを促す表示をするように表示器122に制御信号を送信する。
ステップS2では、制御器121は、操作器120によりユーザから設置完了の指示を受け付けたか否かを確認する。設置完了の指示がない場合は、指示があるまで待機する。設置完了の指示があった場合は、S3へ進む。
ステップS3では、制御器121は、補正用のアレイスピーカ3の音響ビーム出力方向を制御する方向−遅延DBを室内特性に合わせて補正する。DBに格納する情報は、テスト信号の音響ビームを補正用のアレイスピーカ3から方向を変えながら出力し、聴取点に設置したマイクロフォンアレイ6で収音した信号を解析することにより得られる。この処理の詳細は、図6を参照して後述する。
ステップS4では、制御器121は、反射音補正フィルタ115に設定するフィルタ係数を算出し設定する。フィルタ係数は、室内測定用のテスト信号をスピーカ1,2から個別に出力し、聴取点に設置したマイクロフォンアレイ6に収音した信号を解析することにより得られる。この処理の詳細は図7を参照して後述する。処理を終えると、初期設定処理を終了する。
<音響ビーム方向−遅延DB補正処理(S3)の動作>
図6は、音響ビーム方向−遅延DB補正処理(S3)の詳細フローチャートである。上述したように、補正用のアレイスピーカ3の音響ビーム出力方向を制御する方向−遅延DBを室内特性に合わせて補正する。そこで、アレイスピーカによる音響の出力方向(及び対応する遅延時間)とユーザ聴取位置に到来する音響の到来方向との関係を決定する(関係決定手段)。
ステップS101では、方向−遅延DBに格納されているデータを初期化(例えば全てクリア)する処理が行われる。処理を終えると、S102へ進む。
ステップS102では、アレイスピーカから放射する音響ビームの放射角度の分解能をユーザから受け付ける。例えば、候補となる角度分解能を表示器122にリスト表示させ、ユーザに操作器120を介してユーザからの選択指定を受け付ける。もしくは、操作器120を介して任意の角度分解能をユーザから受け付ける。指定された放射角度分解能は、制御器121に内蔵されるメモリに保存される。以降の説明では、一例として、ユーザが指定された角度分解能を5°として説明する。処理を終えると、S103へ進む。
ステップS103では、アレイスピーカ3の前方の180°(±90°)の水平方向の角度に対して、S102で設定した角度分解能で測定を行うために、テスト信号を発音する回数を計算する。アレイスピーカから見て真正面の方向をθ=0°とし、−90°<θ<90°の範囲において、5°刻みで測定を行うとすると、−85°から+85°まで計35回の発音・測定を行うことになる。計算された総発音回数は、制御器121内部のメモリに記憶される。処理を終えると、S104へ進む。
ステップS104では、実際に発音した回数をカウントするカウンタを0に初期化する。カウンタは制御器121内部のメモリに記憶される。処理を終えると、S105へ進む。
以下で説明するステップS105からS120までの処理は、ある1つの角度にテスト信号の音響ビームを放射し、聴取点において収音、解析を行う一連の処理である。この一連の処理が各角度に対して繰り返し行われることにより、アレイスピーカ3の前面180°弱に対して5°刻みの全方向での測定が行われることになる。
ステップS105では、制御器121は、発音する音響ビームの放射角度を算出する。今、発音回数カウンタの値をa、角度分解能をφ°とすると、次の発音の放射角度θは、以下の数式(1)で計算される。
θ=(a+1)・φ−90[°] ・・・(1)
処理を終えると、S106へ進む。
ステップS106では、ユニット間遅延算出器119は、S105で求めた放射角度に対するアレイスピーカ3の隣接ユニット間の遅延時間を求める。放射角度は制御信号バスを介して制御器121からユニット間遅延算出器119に送信される。このときのスピーカユニット間の遅延時間は以下のように計算できる。
図12は、アレイスピーカ3によってある1つの方向に音響ビームを生成する原理を示す模式図である。横に並んだスピーカユニットにおいて、隣接するユニット間の遅延時間差を一定にそろえることによって、各ユニットが出力する波面を合成し、正面からの角度θに強い指向性を持つ音響ビームを形成することができる。このとき、隣接ユニット間距離をx[m]、遅延時間差をt[sec]、空気中の音の速さをv=340m/secとすると、tは、以下の数式(2)で計算できる。
t=x・tanθ/340[sec] ・・・(2)
こうして計算されたユニット間遅延時間は、遅延情報付加器116と方向−遅延DB118に出力される。処理を終えると、S107とS113へ処理が進む。S107からS112までの一連のフローとS113とは並行して処理が行われる。
ステップS107では、制御器121の指示により、テスト信号生成器108は、遅延情報付加器116の1つへアレイスピーカ3から発音するテスト信号を出力する。このとき、テスト信号生成器108は、同時に3つのインパルス応答算出器111にもテスト信号を出力する。処理を終えると、S108へ進む。
ステップS108では、遅延情報付加器116は、S107で入力され入力されたテスト信号に対し、S106で入力されたユニット間遅延時間の情報を付加する。そして、ステップS109では、遅延情報付加器116は、混合器117を介してアレイスピーカ3へ出力する。アレイスピーカ3では、入力された信号を、分離器201を介して遅延情報分離器202の一つへ出力する。
ステップS110では、遅延情報分離器202は、テスト信号からユニット間遅延時間の情報を分離して遅延算出器203に送信する。そして、ステップS111では、遅延算出器203は、入力されたスピーカユニット間の遅延時間に基づいて各スピーカユニットの実際の遅延時間を算出し、遅延器204に出力する。この計算を、図12を参照し以下に説明する。
最大ユニット間遅延時間差は、数式(2)よりt=x/340とみなすことができる。ここで、アレイスピーカ3を構成するスピーカユニットのうち左端のユニットと右端のユニットとの最大遅延時間差Dmaxは、以下の数式(3)で求められる。
Dmax=(x/340)・(M−1) ・・・(3)
アレイスピーカ3によって形成される音響ビームはアレイ中央に収束すると考えると、音響ビームの遅延時間はアレイ中央のユニットの遅延時間に一致するとみなすことができる。よって、音響ビームを形成するためのアレイスピーカ3の最大遅延時間は、Dmax/2となる。第1実施形態では、これをアレイスピーカ基準遅延Dbaseとする。
Dbase=Dmax/2=(x/340)・(M−1)/2・・・(4)
Dbaseの値は遅延算出器203内部のメモリに予め記憶されている。
そこで、全ての角度に放射される音響ビームのユニット遅延による遅延が、基準遅延Dbaseになるように、各ユニットでの実際の遅延時間を計算する。アレイスピーカ3において、横に並んだユニットの番号を左から順に0,1,2,・・・,M−1として、ユニット間遅延時間をtとすると、i番目のユニットの実遅延量Diは、以下の数式(5)で計算される。
Di=Dbase−((M−1)/2−i)・t ・・・(5)
遅延算出器203は、数式(5)に従って全てのユニットの実遅延量を算出し、各ユニット用の遅延器204に設定する。処理を終えると、S112に進む。
ステップS112では、遅延情報分離器202は、テスト信号を各遅延器204に送信する。テスト信号は遅延器204によって指定された隣接時間差で遅延され、加算器205、DAC206、アンプ207を介して各スピーカユニット208から出力される。そのため、音響ビームが指定した角度θで形成されてアレイスピーカ3から出力される。
ステップS113では、聴取点に設置されたマイクロフォンアレイ6は、聴取点の音を収音する。マイクロフォンアレイ6の各マイクロフォンユニットで収音された音は、マイクロフォンアンプで増幅された後ADCによってデジタル音響信号に変換されてインパルス応答算出器111内のメモリに一時的に格納される。S112、S113の処理を終えると、S114へ進む。
ステップS114では、インパルス応答算出器111は、S107で得られたテスト信号と、S113で得られた収音信号との相互相関を取ることにより、アレイスピーカから指定角度で音響ビームを発音した場合のシステム全体の測定遅延時間を求める。
この遅延時間には、音響ビームが発音されてから部屋の壁面によって反射されて聴取点に到達するまでの経路遅延も含まれることになる。なお、ここでは、基準となる測定遅延時間は、マイクロフォンアレイ6の中央前側のユニットで収音された信号を基準に導出するものとする。システム全体の測定遅延時間は、制御信号バスを介して制御器121に出力され、制御器121内のメモリに一時保存される。処理を終えると、S115へ進む。
ステップS115では、インパルス応答算出器111は、S113で収音した収音信号からインパルス応答を算出する。これは、例えば、テスト信号がMLSの場合は、収音信号にアダマール変換を行うことによって得ることができる。インパルス応答計算は、信号処理の分野において公知であるため詳細な説明は省略する。このようにして得られた3つのインパルス応答は、S114で得られた測定遅延時間によって最初のインパルス時間を各々調整してから、直接音・反射音成分分離器112に出力される。処理を終えると、S116へ進む。
ステップS116では、直接音・反射音成分分離器は、入力されたインパルス応答の直接音成分と反射音成分を分離し、直接音成分のみを取り出す。これは、例えば線形予測によって後部残響成分を予測して分離する方法などがある。直接音と反射音を分離する技術は、音響処理分野において公知であるため詳細な説明は省略する。分離された直接音は、入射方向解析器113へ出力される。処理を終えると、S117へ進む。
ステップS117では、入射方向解析器113は、S116で得られた3つの直接音成分のインパルス応答の時間差と、マイクロフォンアレイ6におけるマイクロフォンユニットの配置より、聴取点における音響ビームの入射方向を検出する。時間差による方向決定の技術は、公知であるため詳細な説明は省略する。検出された入射方向は、方向−遅延DBへ出力される。処理を終えると、S118へ進む。
ステップS118では、方向−遅延DBは、S108で得られた隣接スピーカユニット間遅延時間と、S114で得られた測定遅延時間と、S117で得られた入射方向とを関連付けて格納する。方向−遅延DBを参照することにより、聴取点において特定の入射方向となるような音響ビームを出力するための隣接ユニット間遅延時間が直ちに導出出来ることになる。なお、第1実施形態において、図10に示す方向−遅延DB内のデータ模式図において、測定遅延時間は経路遅延時間の項目に格納されるものとする。処理を終えると、S110へ進む。
ステップS119では、制御器121は、制御器121の内部メモリに格納されているカウンタをインクリメントする。そして、ステップS120では、制御器121は、制御器121の内部メモリに格納されているカウンタの値と、S103で求めた総発音回数との比較を行い、収音した全ての方向の測定信号の解析を終えたかどうか確認する。カウンタの値が総発音回数より小さい場合は、測定信号の解析が完了していないため、S105に戻って次の角度での測定信号の発音と解析を行う。カウンタと総発音回数が同じ値ならば、全ての発音と測定信号の解析を終えたと判定し、S121へ進む。
ステップS121では、制御器121は、不図示の制御信号バスを介して方向−遅延DBにアクセスし、最も測定遅延の長いデータを検索し、これを基準経路遅延時間DLBとして、制御器121内部のメモリに一時保存する。この基準経路時間は測定遅延であるので、測定を行う部屋の音響特性によって変化する。処理を終えると、S122へ進む。
ステップS122では、方向−遅延DBに保存されている全てのデータエントリーに対し、基準経路遅延時間DLBから各データエントリーの測定遅延時間を引いた値を求め、この値を経路遅延時間として改めてDBに格納する。
後述する反射音補正信号発音処理において、この経路遅延時間をアレイスピーカ3の遅延時間に加えることにより、アレイスピーカ3が発する音響ビームの聴取点における到達時間が、全ての入射方向に対して基準経路遅延時間DLBとなる。つまり、音響ビームの発音方向によらず、到達時間を一致させることができる。処理を終えると、音響ビーム方向−遅延DB補正処理を終了する。
<反射音補正フィルタ設計処理(S4)の動作>
図7は、S4の反射音補正フィルタ設計処理の詳細フローチャートである。上述したように、反射音補正フィルタ115に設定するフィルタ係数を算出し設定する。
ステップS201では、制御器121は、ステレオ遅延器102及びシステム間遅延器104の遅延量を0に設定する。処理を終えると、S202とS203に進む。第1実施形態において、ステップS202とS203は並列に実行される。
ステップS202では、左スピーカ1又は右スピーカ2から室内音響特性測定用のテスト信号(テスト音響信号)を出力する。まず、制御器121の指示により、テスト信号生成器108が音響特性測定用のテスト信号を生成し、DAC105に出力する。このとき、テスト信号は各インパルス応答算出器111にも出力される。テスト信号はDAC105によってアナログ音響信号に変換され、パワーアンプ106、もしくは107で増幅されて、スピーカ1、2のいずれかから音として出力される。ここでは、まず左スピーカ1から出力し以下の測定を行った後、右スピーカ2から出力し同様の測定をするものとする。
ステップS203では、聴取点に設置されたマイクロフォンアレイ6の各マイクロフォンユニットは、スピーカ1、もしくは2からテスト信号が出力された時の聴取点の音を収音する。各マイクロフォンユニットで収音されたアナログ音響信号は、マイクロフォンアンプで増幅後、ADCによってデジタル信号に変換されてインパルス応答算出器111に出力される。あらかじめ決められた時間間隔の収音を終えると、S204へ進む。
ステップS204では、各インパルス応答算出器111は、S203で収音した音響信号と、S202でテスト信号生成器108から送信されたテスト信号から、この系の遅延情報を含めたインパルス応答を算出する。インパルス応答は、S115の計算と同様な方法で算出することができる。また、システム遅延はS114と同様にテスト信号と収音信号との相関を取ることによって求めることができる。
なお、システム遅延は、マイクロフォンアレイ6における前方中央のマイクユニットで収音した信号の遅延とする。算出された各インパルス応答は、直接音・反射音成分分離器112に各々出力される。また、システム遅延時間は、制御信号バスを介して制御器121へ出力される。左右スピーカ各々で発音した場合のシステム遅延時間は、個別に制御器121が内蔵するメモリに記憶される。処理を終えると、S205へ進む。
ステップS205では、各直接音・反射音成分分離器112は、S203で求めたインパルス応答の直接音成分と反射音成分を分離し、反射音成分を入射方向解析器113へ出力する。分離する方法はS116と同様である。処理を終えると、S206へ進む。
ステップS206では、入射方向解析器113は、S204で得られた1以上の反射音成分(ここでは3つ)のインパルス応答を分析し、主な反射音の入射方向を検出する(反射音決定手段)。
図13は、一般的な室内インパルス応答の時間軸上における模式図である。縦軸は音圧であり、横軸は時間を示している。図示するように、直接音は時間軸において最初に検出されるパルスであり、後続して、複数の初期反射音が複数のパルスとして検出される。さらに後の時間になると、拡散された残響音が続く。なお、残響音に関しては、方向によるエネルギーの偏りはできるものの、拡散したエネルギーであるため明確な入射方向は持たない。
そこで、ステップS206では、入射方向解析器113は、初期反射音を対象として聴取点における入射方向を検出する。まず、各マイクロフォンで収音した信号の反射音インパルス応答において、個々の初期反射音パルスとして分解する。そして、分解した初期反射音パルスの各々について他のユニットで収音したインパルス応答との相関を取る。このようにして、3つのインパルス応答間における、初期反射音パルス同士を対応付ける。次に、対応する3つのパルスの遅延時間とマイクロフォンアレイ6におけるマイクユニットの配置から、各初期反射音パルスの入射方向を検出し、入射方向解析器内部のメモリに格納されている反射音マップにマッピングする。
図11は、反射音マップの模式図である。図11において、入射方向は聴取点から見たスピーカ1,2の中心方向を0°とし、右側を正、左側を負の角度で示す。また、円の中心からの距離は、直接音に対する遅延時間を表している。更に、黒点の大きさは反射音の強さを示している。処理を終えると、S207へ進む。
ステップS207では、入射方向解析器113は、S206で入射方向を検出した反射音の集合に対して、N個の方向にグループ分けを行い、方向グループごとに反射音成分を時間領域で加算して合成する処理を行う。ここで、方向のグループ分けは、聴取点を取り巻く360°の方向をN等分して設定してもよいし、反射音が偏っているN個の入射方向を抜き出してもよい。
図11では、全周(360°)を6等分した場合の例を示す。実線の直線が方向グループの分離線を示している。この場合、各方向グループの入射方向は、分離線の中央の角度として示される。例えば、正面の方向グループの方向は0°として示され、当該グループは±30°の範囲を含んでいる。方向グループ分離後、合成された反射音成分は、方向グループごとに別々の反射音補正フィルタ設計器114に出力される。このとき、各方向グループの入射方向も同時に反射音補正フィルタ設計器114に出力される。処理を終えると、S208へ進む。
ステップS208では、反射音補正フィルタ設計器114は、S207で生成した方向ごとの反射音成分を補正するためのフィルタ係数を設計する(補正フィルタ決定手段)。ここで、補正フィルタは、反射音成分に対する逆位相信号を生成するフィルタでもよいし、反射音声分をFFTして得られる周波数領域成分の逆フィルタでもよい。逆位相フィルタの場合は、ユーザ聴取位置において反射音をキャンセルすることができる。また、逆フィルタの場合は、ユーザ聴取位置において反射音の周波数特性を平らにすることができる。この処理で設計したフィルタ係数は、対応する反射音補正フィルタ115に出力される。処理を終えると、S209へ進む。
ステップS209では、反射音補正フィルタ115は、入力されたフィルタ係数を反射音補正フィルタ115に設定する。なお、反射音補正フィルタ115は、ステレオ信号に対して左右独立したフィルタを各々のチャンネルに重畳することが可能である。よって、S202において左スピーカ1からテスト音が出力された場合は、左チャンネル用のフィルタに係数が設定され、右スピーカ2からテスト音が出力された場合は、右チャンネル用のフィルタに係数が設定される。なお、ここでは、反射音補正フィルタ115の方式及び処理遅延は、ステレオ信号の左右や方向に関わらず全て同一であり、特性及び係数のみが変化するものとする。処理を終えると、S210へ進む。
ステップS210では、制御器121は、左右のスピーカの両方に対して反射音補正フィルタの設計が行われたかどうか確認する。処理が済んでいない場合は、S202とS203に戻り、反射音補正フィルタの設定が終わっていない側のスピーカに対して処理を繰り返す。両方のスピーカに対する処理が済んでいる場合は、S211へ進む。
ステップS211では、各反射音補正フィルタ設計器114は、S207で入力されたグループの入射方向をキーとして方向−遅延DB118を検索する処理である。この検索結果として、最も入射方向が近いデータエントリーのユニット間遅延時間と経路遅延時間が得られる。そして、ステップS212では、各反射音補正フィルタ設計器114は、これらの遅延時間を組にして遅延情報として、各方向グループを担当する遅延情報付加器116に設定する。処理を終えると、S213へ進む。
ステップS213では、制御器121は、S204で記録した左右スピーカによる遅延時間を比較し、より遅い方の遅延時間をステレオ基準遅延として、新たに内部メモリに記録する処理である。さらに、左右の遅延時間が等しくなるように、左右の遅延時間の差分をステレオ遅延器102に設定する。このように調整することにより、左右スピーカから出力される音響信号のユーザ聴取位置における到達時間を一致させることができる。処理を終えると、S214へ進む。
ステップS214では、制御器121は、S121で求めたアレイスピーカ3による音響ビームの基準経路遅延DLBと、S213で求めたステレオ基準遅延との差分を計算する。さらに、反射音補正フィルタによる遅延を加えた時間をシステム間遅延として、システム間遅延器104に設定する。これにより、スピーカ1,2から発音される音響信号と、アレイスピーカ3から放射される音響ビームと、について、ユーザ聴取位置における到達時間を一致させることができる。処理を終えると、反射音補正フィルタ設計処理を終えてリターンする。
以上のように、初期設定処理では、音響再生装置が設置される部屋の音響特性に応じて、反射音補正信号の出力方向を制御する方向−遅延DBの補正と、反射音補正フィルタの特性調整が行われる。さらに、ステレオ音響再生用のスピーカと、補正用のアレイスピーカとのユーザ聴取位置における遅延調整が、部屋によって変化する音響ビームの経路遅延を含めて行われる。
<音響再生時における音響再生装置の動作>
図8は、第1実施形態における音響再生処理のフローチャートである。当該処理は、ユーザが操作器120を操作してユーザが所望する音響信号(ユーザ音響信号)再生開始の指示を与え、操作器120が制御器121に再生開始の指示信号を送信することにより開始される。
ステップS301では、音響信号入力IF101は、メディアプレイヤー5から出力される音響信号を受信する。そして、ステレオ遅延器102は、受信した音響信号に対し左右信号の遅延調整が行い、音響処理器103は、適宜ゲイン調整やトーンコントロール処理などが行う。処理を終えると、S302へ進む。
ステップS302では、音響処理器103は、システム間遅延器104及び各方向の反射音補正フィルタ115に音響信号を分配する。処理を終えると、次の処理に移る。
以下で説明するステップS303、S304の処理は、S305と同期して処理が行われる(再生制御手段)。ステップS303では、システム間遅延器104は、アレイスピーカ3から放射される音響ビームと同期させるための遅延処理を行う。遅延処理が行われた音響信号はDAC105へ出力される。そして、ステップS304では、DAC105は、入力された音響信号をアナログ音響信号に変換し、左右の信号を分離してパワーアンプ106、107で所定の増幅率で増幅後、スピーカ1、2から出力する。
一方、ステップS305では、各入射方向の反射音補正フィルタ115は、音響信号に入射方向ごとの補正フィルタを重畳して反射音補正信号を生成し(補正信号生成手段)、アレイスピーカ3によって所定の入射方向から補正信号の音響ビームを出力する(出力方向決定手段)。この処理の詳細は図9を参照して後述する。S304とS305の処理を終えると、S306へ進む。
ステップS306では、制御器121は、操作器120を介してユーザによる再生終了を指示する操作が受け付けられたか否かを確認する。再生終了指示がない場合は、S301に戻って再生処理を続行する。再生終了指示があった場合は、再生処理を終了する。
<射音補正信号再生処理(S305)の動作>
図9は、反射音補正信号再生処理の詳細フローチャートである。
ステップS401では、各入射方向用の反射音補正フィルタ115は、入力されたステレオ音響信号に対して、左右個別の反射音補正フィルタを重畳し、左右信号を加算して遅延情報付加器116に出力する。処理を終えると、S402へ進む。
ステップS402では、各遅延情報付加器116は、S401で生成した反射音補正信号に、予め設定されていた各方向の遅延情報を付加する。そして、遅延情報が付加された反射音補正信号は、混合器117へ出力される。そして、ステップS403では、混合器117は、N個の反射音補正信号を混合してアレイスピーカ3へ出力する。処理を終えると、S404へ進む。
ステップS404では、分離器201は、入力された信号を方向別に分解して、N個の遅延情報分離器202にそれぞれ出力する。そして、ステップS405では、遅延情報分離器202は、入力された反射音補正信号から遅延情報を分離し、遅延算出器203に出力する。処理を終えると、S406へ進む。
ステップS406では、遅延算出器203は、遅延情報が変化したかどうかを確認する。遅延情報が変化した場合はS407へ進み、変化がない場合はS408へ進む。
ステップS407では、遅延算出器203は、各方向の遅延情報に含まれるユニット間遅延時間と経路遅延時間とにより、各スピーカユニットの実際の遅延時間を算出する。ここで、各ユニットの番号を左から順に0,1,2、…、(M−1)とし、k番目の方向のユニット間遅延時間をtk、k番目の方向の経路遅延をDLkとする。数式(4)のスピーカアレイ基準遅延Dbaseを用いると、k番目の方向の補正信号におけるi番目のユニットの実遅延時間Dkiは、以下の数式(6)で計算される。
Dki=Dbase−((M−1)/2−i)・tk+DLk ・・・(6)
このように算出された遅延時間は、各ユニット用の遅延器204に設定される。処理を終えると、S408へ進む。
ステップS408では、遅延情報分離器202は、反射音補正信号を遅延器204に分配出力する。そして、各遅延器204は、設定された遅延時間だけ補正信号を遅延させ、加算器205へ出力する。ステップS409では、加算器205により、各方向の反射音補正信号をスピーカユニットごとに加算する。加算した補正信号はDAC206に出力される。
ステップS410では、DAC206は、入力された補正信号をアナログ信号に変換し、アンプ207において所定の増幅率で増幅後、スピーカユニット208で音として出力する。処理を終えると、反射音補正信号再生処理を終了しリターンする。
<効果>
図4は、聴取点へ到達する直接音、反射音及び反射音補正信号の経路を例示的に示す図である。太い実線は、スピーカ1からの直接音の経路を示し、細い実線は、壁面7で反射されたスピーカ1からの初期反射音の経路を示している。ここでは、4個の方向からの初期反射音が例示的に示されている。更に、細い点線は、反射音補正用音響ビームの経路を示している。図から分かるように、4つの反射音補正用音響ビームの経路はそれぞれ、4つの初期反射音の経路と近似するように出力される。このように、初期反射音の経路と近似するように、当該初期反射音を打ち消す反射音補正用音響ビームを出力することにより、従来よりも精密に反射音の補正を行うことができる。また、直接音に対しては処理が行われないため、直接音の音質劣化を引き起こすことも無い。
以上説明したとおり第1実施形態に係る音響再生装置によれば、ユーザ聴取位置においてN個の異なる方向から到来する初期反射音をそれぞれ打ち消すようなN個の反射音補正用音響ビームをアレイスピーカから出力する。これにより、ユーザ聴取位置における初期反射音のみを好適に打ち消すことが出来、反射音による音質劣化を抑制することが出来る。
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。