JP2008134422A - カラオケ装置 - Google Patents

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Yukiya Sasaki
幸弥 佐々木
Takuro Sone
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Abstract

【課題】低音から高音まで音質を確保しながらも歌唱音声に指向性を持たせることを可能としたカラオケ装置を提供する。
【解決手段】高音用のスピーカセット5H、中音用のスピーカセット5M、低音用のスピーカセット5Lを設ける。各音声ビーム制御部の出力する音声信号をミキシングするミキサの後段(DACの前段)に位相差分補償フィルタを設ける。位相差分補償フィルタ41Hは、スピーカセット5Hとスピーカセット5Mの位相特性の差分を補償する。位相差分補償フィルタ41Lは、スピーカセット5Lとスピーカセット5Mの位相特性の差分を補償する。位相差分補償フィルタ41Mは、他のフィルタに生じる遅延と同様の遅延を付与する。
【選択図】図1

Description

この発明は、歌唱音声の指向性を制御できるカラオケ装置に関する。
カラオケ装置は、1室を単一のグループが占有する場所(カラオケボックスなど)に設置されるほか、不特定の顧客が集まる場所(スナック店舗等の飲食店など)に設置される場合も多い。
従来のカラオケ装置は、ステレオスピーカを用いて、店内に伴奏音および歌唱音声を拡声していた。したがって、上記不特定の顧客が集まる店舗に設置された場合、誰が歌唱した歌唱音声でも、店内の全てに聞こえるようになっていた。
スナック等の飲食店では、他人(他のグループ)の歌唱は必ずしも聴きたいものではなく、場合によっては耳障りなものである。しかし、上記従来のカラオケ装置では、歌唱者の歌唱音声が店舗全体に放音されるため、全ての顧客がカラオケ歌唱を聞かなければならないという問題点があった。
そこで、スピーカアレイを用いることで、歌唱者の居るグループにだけ歌唱音声を聴かせるように放音に指向性を持たせる装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2005−173137号公報
特許文献1に示した装置において、スピーカアレイの放音の指向性を強くするためには、スピーカアレイを構成する各スピーカユニット間の距離を短くする必要があり、スピーカユニットには小口径のものを用いることが多かった。
小口径のスピーカユニットを用いた場合、指向性を持たせることが容易となるが、十分な音質(特に低音の音質)を得ることができなくなるという問題が有った。
この発明は、低音から高音まで音質を確保しながらも歌唱音声に指向性を持たせることを可能としたカラオケ装置を提供することを目的とする。
この発明のカラオケ装置は、カラオケ曲の伴奏音を発生するための曲データを記憶した記憶手段と、歌唱音声を入力するマイクと、複数のスピーカユニットを配列してなるスピーカセットを複数並べ、各スピーカセット間で異なる口径のスピーカユニットを有するスピーカアレイと、前記伴奏音、および歌唱音声を各スピーカユニットに遅延入力して放音に指向性を持たせる放音処理部と、各スピーカユニットに入力する音声について、前記複数のスピーカセット間の位相特性の差分を補正する複数の位相補償フィルタと、前記放音処理部に対して、前記伴奏音を無指向性で出力するよう制御するとともに、前記歌唱音声を特定の方向へ指向性を持たせて出力するように制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
この構成では、スピーカセットを複数並べたスピーカアレイを備える。スピーカアレイは、各スピーカセット間で異なる口径のスピーカユニットを配列している。例えば小口径のスピーカユニットを配列したスピーカセット、および大口径のスピーカユニットを配列したスピーカセットを構成する。各スピーカセットは同一直線上に並べてもよいし、並行に並べてもよい。これらのスピーカセットを用いて歌唱音声を特定の方向へ指向性を持たせて出力する。口径の異なるスピーカユニットを用いることで低音から高音までの音質を確保する。
口径の異なるスピーカユニットでは位相特性が異なり、位相干渉が発生することが考えられるが、歌唱音声信号、および伴奏音声についてスピーカセット間の位相差分を補償するフィルタで補正してからスピーカユニットに入力する。
また、この発明は、さらに、前記マイクの位置を検出するマイク位置検出部を備え、前記制御手段は、前記歌唱音声を前記マイクの位置を含む方向へ指向性を持たせて出力するように前記放音処理部を制御することを特徴とする。
この構成では、マイクの位置を検出し、このマイクの位置を含む方向に音声ビームが出力されるように設定する。歌唱音声は、歌唱者とその周囲(グループ)の方向に放音されれば十分であるため、マイク位置を含む方向に限定した指向性で出力するようにすればよい。
また、この発明は、さらに、前記スピーカセットは、それぞれ相対的に大口径、中口径、および小口径のスピーカユニットを配列してなり、前記複数の位相補償フィルタは、大口径のスピーカユニットに入力する音声の位相差分を補正する大口径用位相補償フィルタと、小口径のスピーカユニットに入力する音声の位相差分を補正する小口径用位相補償フィルタと、からなることを特徴とする。
この構成では、小口径のスピーカユニットを配列したスピーカセット、中口径のスピーカユニットを配列したスピーカセット、および大口径のスピーカユニットを配列したスピーカセットを有する。中口径のスピーカユニットを基準として大口径、小口径のスピーカセットの位相差分を補償するように、大口径用位相補償フィルタと小口径用位相補償フィルタを備える。低音用の大口径スピーカ、中音用の中口径スピーカ、高音用の小口径スピーカを有することにより、さらなる音質の向上を期待できる。また、人の声の主帯域を含む中音用の中口径のスピーカユニットを基準とすることで、全てのスピーカセットに対して位相補償フィルタを設置せずにすむ。
この発明によれば、低音から高音まで音質を確保しながらも歌唱音声に指向性を持たせることが可能となる。
図面を参照してこの発明の実施形態であるカラオケ装置について説明する。図1はカラオケ装置のブロック図、図2は同カラオケ装置において用いられるスピーカアレイの外観図である。
カラオケ装置1は、マイク2、ドライバアンプ3H、ドライバアンプ3M、ドライバアンプ3L、信号処理部4、スピーカセット5H、スピーカセット5M、スピーカセット5L、ADC6、マイク位置検出部7、制御部8、伴奏再生部9、および記憶部10を備えている。なお、本発明の実施形態でスピーカセットとは、スピーカユニットを複数配列したものを言う。
カラオケ装置1は、カラオケ曲のリクエストを受け付けて、その曲の曲データを読み出してカラオケ演奏を行うとともに、そのカラオケ曲の歌詞をモニタ(図示せず)に表示する。カラオケ演奏時には、カラオケ曲の伴奏音(カラオケ演奏音)を発生する。また、ガイドボーカル音声を再生する。カラオケ演奏音、ガイドボーカル音声はドライバアンプ3H、ドライバアンプ3M、およびドライバアンプ3Lによって増幅されスピーカセット5H、スピーカセット5M、およびスピーカセット5Lから放音される。
スピーカセット5H、スピーカセット5M、およびスピーカセット5Lは、図2(A)に示すように、スピーカユニットをマトリクスに配列して構成されたものであり、全体としてスピーカアレイを構成する。スピーカセット5H、スピーカセット5M、およびスピーカセット5Lは、それぞれ並行に横方向(アレイ長軸方向)に配列されている。
スピーカセット5Hは、高音域用のスピーカユニット51H〜5nHを直線上に配列したものであり、配列個数は例えば同図(A)に示すように16個である。スピーカセット5Mは中音域用のスピーカユニット51M〜5nMを直線状に配列したものであり、配列個数は例えば同図(A)に示すように10個である。スピーカセット5Lは低音域用のスピーカユニット51L〜5nLを直線状に配列したものであり、配列個数は例えば同図(A)に示すように5個である。高音域用のスピーカユニット51H〜5nHは、スピーカユニット51M〜5nMに比較して小口径のユニットであり、低音域用のスピーカユニット51L〜5nLは、スピーカユニット51M〜5nMに比較して大口径のユニットである。
なお、スピーカユニットの配列個数、および配列態様はこの例に限るものではない。図2(B)に示すように、1つの直線上に口径の異なるスピーカユニットを配置するようにしてもよい。また、図2(C)に示すように、配列中央付近でスピーカユニットが密に、配列端付近で疎になるようにしてもよい。また、図2(D)に示すような配置にしてもよい。図2(D)に示す例は、高音域用のスピーカユニット51H〜5nHを直線状に並行に2列で配列し、その外側に中音域用のスピーカユニット51M、5nMを配列し、さらに外側に低音域用スピーカユニット51L、5nLを配列したものである。このように配列することでコンパクトな筐体でスピーカアレイを構成することもできる。
なお、同図の例では、高音域用のスピーカユニットよりもさらに高音(例えば10kHz以上)を放音するツイータ51T、およびツイータ5nTを配置し、音質を向上させているが、本発明においてツイータは必須ではない。
この構成(例えば図2(A)の構成)のスピーカセット5H、スピーカセット5M、およびスピーカセット5Lの各スピーカユニットに、音声信号を遅延制御して入力することにより、音声ビームを形成して放音指向性を持たせることができる。なお、無指向性で出力することも可能である。
ここで、図3を参照してビーム制御について説明する。図3は、音声ビームの形成原理を説明するための図である。同図(A)は、一列に並んでいる複数のスピーカユニットSPに同じ音声信号を同時に入力した場合を示している。この場合には、各スピーカユニットSPからは同じ音声が同時に放音される。個別のスピーカユニットSPから出力された音波は放射状(円形)に伝搬してゆく。ここで、各スピーカユニットSPから出力された音波の合成波形は、前方へ伝搬する成分は合成されて強められる。一方で、前方以外の方向へ伝搬する成分は、各スピーカユニットSPから出力された信号成分が干渉しあうことによって打ち消される。したがって、前方に向かう成分のみが合成によって強められて音声ビームとなる。
同図(B)は、同図(A)で示す複数のスピーカユニットSPから音声ビームを斜めに形成する場合のディレイ時間制御について示した図である。この図では、音声ビームを正面から右方向にθの角度に形成している。この場合、ビームの向きと反対側の端部(同図左端)のスピーカユニットSPから最初に音声を出力し、この後時間τが経過する毎に順次ビーム向きに隣接する(同図では右側に隣接する)スピーカユニットSPに音声を出力する。
このように一列に並んでいるスピーカユニットSPから出力する音声を一端から他端に向けて順次遅延することにより、同図(B)のように音声ビームを斜め方向に向けることができる。
制御部8は、CPUを含み、歌唱者によりリクエストされたカラオケ曲の曲データを記憶部10から読み出して伴奏再生部9に入力する。カラオケ曲のリクエストは、図示しないリモコンなどを用いて行われる。また、制御部8は、記憶部10から、スピーカアレイの音声ビームを制御するためのビーム制御データ(各スピーカユニットに入力する音声信号の遅延量を規定したデータ)を読み出し、信号処理部4の制御を行う。
伴奏再生部9は、楽音を生成する音源のほかガイドボーカル再生部を含み、カラオケ演奏音を発生するとともに、オーディオデータであるガイドボーカル音声を再生する。ガイドボーカルデータは、各カラオケ曲の曲データに含まれている。伴奏再生部9が発生したカラオケ演奏音、およびガイドボーカル音声は、信号処理部4に入力される。また、マイク2から入力された歌唱音声信号は、ADC6でデジタル信号化されたのち信号処理部4に入力される。
マイク位置検出部7は、マイク2の位置を検出する。マイク2の位置検出手法はどのようなものを用いてもよいが、例えば図4に示すような手法で行う。
図4は、マイク位置測定を示す概念図である。マイク位置検出部7は、信号処理部4(図1において高音用歌唱音声ビーム制御部42H、中音用歌唱音声ビーム制御部42M、または低音用歌唱音声ビーム制御部42L)を介してスピーカセット5H(または5M,5L)における一方の最端のスピーカユニット51Hと、他方の最端のスピーカユニット5nHに対して、同じ検査用音声信号(例えば可聴限界に近い高周波数音声)を順に入力する。マイク位置検出部7は、マイク2から検査用音声信号を収音した場合に、この収音タイミングを検知する。
マイク位置検出部7は、スピーカユニット51Hが測定用音声を出力したタイミングから上記収音タイミングまでの時間t1を計時する。また、スピーカユニット5nHが測定用音声を出力したタイミングから収音タイミングまでの時間t2を計時する。マイク位置検出部7は、この時間t1及び時間t2を用いてマイク位置を算出する。すなわち、マイク位置検出部7は、時間t1、t2と音速の関係から、スピーカユニット51Hとマイク2の距離、およびスピーカユニット5nHとマイク2の距離を測定することができ、スピーカユニット51Hとスピーカユニット5nH間の距離情報を有していれば、三角測量によりマイク2の位置を測定することができる。マイク2の位置は、図4に示すように、スピーカ筐体の(上面から見た)中心位置からの距離r、および筐体中心位置から正面方向(スピーカ放音面、すなわちアレイ長軸方向に直交する方向)の軸(これを角度0degとする)とのずれ角θで表される。
マイク位置検出部7は、上記のようにして検出したマイク位置の情報を制御部8に入力する。制御部8は、入力されたマイク位置の情報に基づいて、記憶部10からスピーカアレイの音声ビームを制御するためのビーム制御データを読み出し、信号処理部4の制御を行う。詳細は図5を用いて後述する。
マイク2に入力された歌唱音声信号は、ADC6でデジタル信号化されたのち信号処理部4の高音用歌唱音声ビーム制御部42Hに入力されるとともに、中音用歌唱音声ビーム制御部42M、低音用歌唱音声ビーム制御部42Lに入力される。一方で伴奏再生部9が発生したカラオケ演奏音、およびガイドボーカル音声は、伴奏音声ビーム制御部43に入力される。
高音用歌唱音声ビーム制御部42Hは、歌唱音声信号がスピーカセット5Hにおいて音声ビームとして出力されるように各スピーカユニット毎の遅延時間を制御する。中音用歌唱音声ビーム制御部42Mは、歌唱音声信号がスピーカセット5Mにおいて音声ビームとして出力されるように各スピーカユニット毎の遅延時間を制御する。低音用歌唱音声ビーム制御部42Lは、歌唱音声信号がスピーカセット5Lにおいて音声ビームとして出力されるように各スピーカユニット毎の遅延時間を制御する。伴奏音声ビーム制御部43は、伴奏音声信号がスピーカセット5H、スピーカセット5M、およびスピーカセット5Lにおいて無指向性(または弱い指向性を有した音声ビーム)で出力されるように各スピーカユニット毎の遅延時間を制御する。
制御部8は、信号処理部4の上記各ビーム制御部に対してそれぞれ別々のビーム制御データをセットすることにより、伴奏再生部9が発生したカラオケ演奏音(およびガイドボーカル音声)を無指向性で出力し、歌唱音声をその歌唱者およびグループがいる方向のみにビーム出力するように制御する。
高音用歌唱音声ビーム制御部42Hで指向性を制御された音声信号(歌唱音声)と伴奏音声ビーム制御部43で指向性を制御された音声信号(カラオケ伴奏音、ガイドボーカル音声)は、ミキサ44Hで各スピーカユニット毎に合成され、位相差分補償フィルタ41Hを経て各スピーカユニット別にDAC45Hでアナログ音声信号に変換されてドライバアンプ3Hに入力される。ドライバアンプ3Hは、スピーカセット5Hの全スピーカユニットに対応する個数のオーディオアンプ31H〜3nHを備えており、入力された各スピーカユニット毎の音声信号を増幅してスピーカセット5Hに出力する。
同様に、中音用歌唱音声ビーム制御部42Mで指向性を制御された音声信号(歌唱音声)と伴奏音声ビーム制御部43で指向性を制御された音声信号(カラオケ伴奏音、ガイドボーカル音声)は、ミキサ44Mで各スピーカユニット毎に合成され、位相差分補償フィルタ41Mを経て各スピーカユニット別にDAC45Mでアナログ音声信号に変換されてドライバアンプ3Mに入力される。ドライバアンプ3Mは、スピーカセット5Mの全スピーカユニットに対応する個数のオーディオアンプ31M〜3nMを備えており、入力された各スピーカユニット毎の音声信号を増幅してスピーカセット5Mに出力する。低音用歌唱音声ビーム制御部42Lで指向性を制御された音声信号(歌唱音声)と伴奏音声ビーム制御部43で指向性を制御された音声信号(カラオケ伴奏音、ガイドボーカル音声)は、ミキサ44Lで各スピーカユニット毎に合成され、位相差分補償フィルタ41Lを経て各スピーカユニット別にDAC45Lでアナログ音声信号に変換されてドライバアンプ3Lに入力される。ドライバアンプ3Lは、スピーカセット5Lの全スピーカユニットに対応する個数のオーディオアンプ31L〜3nLを備えており、入力された各スピーカユニット毎の音声信号を増幅してスピーカセット5Lに出力する。
以上のようにして、各スピーカセットがそれぞれ無指向性の音声、または音声ビームを出力することにより、スピーカアレイ全体として音声ビームを出力する。ここで、制御部8は、マイク位置検出部7から入力したマイク位置の情報に基づいて、そのマイク位置(角度)に歌唱音声の音声ビームが向けられるように各スピーカユニット別の遅延量を設定する。また、伴奏再生部9から出力されたカラオケ演奏音(およびガイドボーカル音声)は無指向性で出力するように遅延量を設定する。これにより、歌唱者およびグループがいる方向のみに歌唱音声をビーム出力する。
図5を参照して実際のカラオケ店舗におけるビーム制御について説明する。同図において、カラオケ装置1は、店舗の室内61のすみに設置されている。室内61の内部には4つのテーブル71〜74が設置されている。この図は、テーブル71の客がカラオケ曲を歌唱する場合に形成する音声ビームを示している。スピーカセット5H,5M,5Lからは、カラオケ伴奏音(およびガイドボーカル音声)が無指向性で室内61の全体に放音されている(不図示)。また、歌唱者のテーブル71の方向には、スピーカセット5H,5M,5Lから音声ビーム81で歌唱音声が放音されている。
このように各音声信号を放音することにより、カラオケ曲の伴奏は、室内61全体で聴こえ、歌唱者の歌唱音声は、その歌唱者のテーブル71のみで聴こえるようになる。他のテーブル72〜74には、伴奏音、ガイドボーカルが聴こえるため、他のグループの歌唱者の歌唱を聴く必要がない。歌唱者が移動した場合、例えばテーブル72のグループで歌唱が行われる場合、スピーカセット5H,5M,5Lから音声ビーム82で歌唱音声が放音される。マイク位置検出部7は、定期的に(またはリモコンで指示されたとき)マイク2の位置を測定し、制御部8にマイク位置の情報を入力する。したがって、歌唱者の居る方向(グループ)に歌唱音声が放音されることとなる。
なお、音声の指向性は完全なものではないため、他のテーブル72〜74にも歌唱者の歌唱音声が若干漏れて聴こえてくるが、この場所には同じメロディを歌唱するガイドボーカル音声が、音声ビームによる歌唱音声の漏れレベルよりも高いレベルで放音されているため、マスキング効果により、このテーブルの顧客には歌唱音声が殆ど聞こえない。
なお、ガイドボーカル音声については図1において伴奏音声ビーム制御部43とは別の図示しない音声ビーム制御部(ガイドボーカル音声専用のビーム制御部)に入力するようにしてもよい。そして、その他のテーブル72〜74の方向には、スピーカアレイから弱指向性のビーム82,83,84でガイドボーカル音声がそれぞれ放音されるようにしてもよい。
なお、伴奏音声、およびガイドボーカル音声を歌唱者およびグループがいる方向のみにビーム出力するようにしてもよい。
ここで、上記のように口径の異なるスピーカユニットからなる複数のスピーカセットを近接して設置すると、スピーカユニット間の位相特性(位相の周波数特性)が問題となる。すなわち、口径の異なるスピーカユニットを近接して設置したため、各スピーカユニットの放音が位相干渉し、音質、および指向性の制御に影響を与える可能性が有る。本実施形態では、このスピーカユニット間の位相特性の差(位相差分と言う)を補償するために位相差分補償フィルタ41H、41M、41Lを設けている。位相差分補償フィルタ41H、41M、41Lは、FIRフィルタ、または2次IIRフィルタにより実現されるオールパスフィルタからなり、入力された音声信号の位相特性を補正する。フィルタ係数は制御部8により設定される。制御部8は、記憶部10に記憶されている位相差分補償フィルタ41H、41M、41Lの設定パラメータを読み出し、これに基づいてフィルタ係数を設定する。
図6は、位相差分と位相補償の概念を示した図である。同図(A)は、低音用スピーカユニットの位相特性と中音用スピーカユニットの位相特性を示した図である。同図(A)に示すグラフの横軸は周波数を表し、縦軸は位相を表す。なお、同図に示す位相特性は説明を容易にするために模式的に表した特性であり、実際のスピーカユニットの位相特性の測定結果を表すものではない。
同図(A)に示すように、中音用スピーカにおいて周波数f1に対する位相はra1となる。一方、低音用スピーカにおいて周波数f1に対する位相はra2となる。したがって、周波数f1において中音用スピーカと低音用スピーカの位相差分はra1−ra2となる。
同図(B)は、位相差分補償フィルタの特性を示した図である。同図(B)に示すグラフの横軸は周波数を表し、縦軸は補償位相を表す。補償位相の特性は、同図(A)に示した位相差分をゼロとするように規定される。この例においては中音用スピーカを基準として位相差分がゼロとなるように補償を行うので、周波数f1における補償位相はra1−ra2となる。このような補償位相を持つフィルタ係数を、低音用スピーカの前段に設置した位相差分補償フィルタに設定する。
なお、上述のように、図6はスピーカユニットの位相特性の一例を表すものであって、実際の測定結果ではない。実際にはスピーカセット5H,5M,5Lの位相特性を測定し、その位相差分を補償するように予めフィルタ係数を演算しておき、これを記憶部10に記憶しておく。制御部8は、この演算されたフィルタ係数を読み出して位相差分補償フィルタ41H、41M、41Lに設定する。位相差分補償フィルタとしてFIRフィルタを用いる場合には、人の声の主帯域が含まれる中音用のスピーカセット5Mを基準とし、位相差分補償フィルタ41H、41Lにおいてスピーカセット5H,5Lの位相差分を補償すればよい。フィルタ係数は、位相差分を逆フーリエ変換することにより求められる。なお、FIRフィルタのタップ数が長くなるにつれて信号に遅延が生じるため、基準となるスピーカセット5Mに対応する位相差分補償フィルタ41Mにおいて同様の遅延を付与する。なお、高音用のスピーカセット5Hを基準としてもよいし、低音用のスピーカセット5Lを基準としてもよい。
また、位相差分補償フィルタとして2次IIRフィルタを用いる場合には、以下のようにしてフィルタ係数を規定する。図7は、2次IIRフィルタを用いる場合の位相差分補償フィルタの特性を示した図である。同図に示すグラフの横軸は周波数を表し、縦軸は位相を表す。同図(A)は、中音用、および低音用のスピーカユニットの位相特性を示し、同図(B)は、フィルタの特性を示し、同図(C)は、位相補償後のスピーカユニットの位相特性を示したものである。なお、同図に示す特性についても、説明を容易にするために模式的に表したものであり、実際のスピーカユニット、フィルタの特性を示すものではない。
同図(A)に示すように、中音用スピーカユニットと低音用スピーカユニットは位相特性が異なる。したがって、同図(A)の紙面下に示すグラフのように、所定の位相差分を生じる。この位相差分を中音用のスピーカユニットに設けるフィルタ(中音用のフィルタ)と低音用のスピーカユニットに設けるフィルタ(低音用のフィルタ)により補償する。同図(B)に示すように、中音用のフィルタと低音用のフィルタは、同図(A)に示した位相差分を補償するようなフィルタ特性の差分を有する。したがって、中音用スピーカユニットと低音用スピーカユニットは、同図(C)の紙面下に示すグラフのように、位相差分が低減される。このように、各スピーカユニット(スピーカセット)の前段に2次IIRフィルタを設けることで位相差分を補償するオールパスフィルタを実現することができる。なお、同図に示した特性は実際の測定結果ではない。無論、実際に用いるフィルタは図7に示したように1組とは限らない。
なお、位相補償を行う周波数帯域を限定してもよい。すなわち、各スピーカユニットの放音能力が重なる帯域のみ位相補償を行う。例えば低音域用のスピーカセット5Lの放音能力が20Hz〜250Hzであり、中音域用のスピーカセット5Mの放音能力が200Hz〜4kHzであれば、放音能力が重なる200Hz〜250Hzの帯域のみ位相補償を行う。
以上のようにして、口径の異なるスピーカユニットを用いた3つのスピーカセットを設置することで低音から高音までの音質を確保しながら、口径の異なるスピーカユニットを用いたことで発生する位相干渉を位相補償フィルタにより抑えることで歌唱音声に指向性を持たせることが可能となる。
なお、本実施形態ではマイク2の位置をマイク位置検出部7で測定し、検出したマイク位置に応じてビーム制御を行う例を示したが、本発明においてマイク位置検出、およびマイク位置に応じたビーム制御を行う構成は必須ではない。
カラオケ装置の構成を示すブロック図である。 スピーカアレイの外観図である。 音声ビームの形成原理を説明するための図である。 マイク位置測定を示す概念図である。 実際のカラオケ店舗におけるビーム制御について説明する図である。 位相差分と位相補償の概念を示した図である。 2次IIRフィルタを用いる場合の位相差分補償フィルタの特性を示した図である。
符号の説明
1−カラオケ装置
2−マイク
3H,3M,3L−ドライバアンプ
4−信号処理部
5H,5M,5L−スピーカセット
6−ADC
7−マイク位置検出部
8−制御部
9−伴奏再生部
10−記憶部

Claims (3)

  1. カラオケ曲の伴奏音を発生するための曲データを記憶した記憶手段と、
    歌唱音声を入力するマイクと、
    複数のスピーカユニットを配列してなるスピーカセットを複数並べ、各スピーカセット間で異なる口径のスピーカユニットを有するスピーカアレイと、
    前記伴奏音、および歌唱音声を各スピーカユニットに遅延入力して放音に指向性を持たせる放音処理部と、
    各スピーカユニットに入力する音声について、前記複数のスピーカセット間の位相特性の差分を補正する複数の位相補償フィルタと、
    前記放音処理部に対して、前記伴奏音を無指向性で出力するよう制御するとともに、前記歌唱音声を特定の方向へ指向性を持たせて出力するように制御する制御手段と、
    を備えたカラオケ装置。
  2. 前記マイクの位置を検出するマイク位置検出部を備え、
    前記制御手段は、前記歌唱音声を前記マイクの位置を含む方向へ指向性を持たせて出力するように前記放音処理部を制御する請求項1に記載のカラオケ装置。
  3. 前記スピーカセットは、それぞれ相対的に大口径、中口径、および小口径のスピーカユニットを配列してなり、
    前記複数の位相補償フィルタは、大口径のスピーカユニットに入力する音声の位相差分を補正する大口径用位相補償フィルタと、小口径のスピーカユニットに入力する音声の位相差分を補正する小口径用位相補償フィルタと、からなる請求項1、または請求項2に記載のカラオケ装置。
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