JP2011233997A - オーディオ再生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のスピーカーで構成するマルチチャンネル再生音場において、仰角方向の仮想音場の高さをそろえるために各々のスピーカーの高さの検知が必要だが、そのためには多数のマイクロホンが必要になるか測定に手間がかかる
【解決手段】スピーカー111から出力した出力信号を第1のマイクロホン101と第2のマイクロホン102とで収音し、信号解析装置105は収音した音声データから直接波と第1反射波を検出し、前記直接波の時間関係を用いて複数の第1反射波から床方向からの第1反射波を選別する。選別した第1反射波の到来時間と前記第1マイクロホン101の高さからスピーカー111の高さを算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばマルチチャンネル音声信号を再生する音響システムや、音響システムを調整するための装置や方法に関する。
昨今のAV(Audio&Video)機器でのオーディオ再生は、ホームシアター関連技術の開発が盛んであり、視聴者の周辺に複数のスピーカーを配置し、全方向の臨場感を高めている。とりわけ、DVD(Digital Versatile Disc)の開発により記録チャンネル数が増加し、2チャンネルステレオ方式から5.1チャンネルの音場再生へ発展し、現在では更に後方へ1本ないし、2本のスピーカーを追加し、6.1チャンネル、7.1チャンネルの音場再生へ拡大している。具体的にはDolby ProLogic IIxによる5.1チャンネル信号源の7.1チャンネル信号への拡張や、BD(Blu−ray Disc登録商標)ディスクでの7.1チャンネル信号源の記録などである。
更に、水平方向のチャンネル数の増加だけでなく、仰角方向にもチャンネル数を増やしてサラウンド音場の臨場感や包まれ感を向上させる取り組みが行われている。例えば、Dolby ProLogic IIz方式によってフロントスピーカーの上方にスピーカーを配置し、5.1チャンネル信号に信号処理を施してそれぞれのスピーカーに出力させる信号を生成し、7.1チャンネル信号へ拡張したサラウンド音場を生成している。また、実際のスピーカーを追加で設置するのではなく、従来の5.1チャンネルのスピーカーを用いて実際にはスピーカーのない場所に仮想音像を生成し、頭部伝達関数を応用した特性を仮想音像に適用して仮想音像の定位感を向上させる技術を、従来の水平方向の仮想音像だけではなく、仰角方向の仮想音像にも応用する取り組みもなされている。
仰角方向の仮想音像によって視聴者に対して仰角方向のサラウンド音場を生成するが、このサラウンド音場においては、高さのばらつきが少ないことが重要である。例えば、映画の音響効果でフライオーバーというのがある。前方のスピーカーから発音された音像(例えば飛行機のエンジン音)が、視聴者の頭上を越えて後方へ(または後方から前方へ)と移動する音響効果である。図10(a)に示すように、フロントチャンネルとサラウンドチャンネルの音源を発音するそれぞれのスピーカーの高さが同じ場合にはフライオーバーを表現する合成音像の軌跡の高さも一定に保たれるが、図10(b)のように前後で使用しているスピーカーの高さが異なると、フライオーバーの音像の軌跡が歪んでしまう。このように、複数のスピーカーに渡って合成音像が移動することによって移動感や包まれ感を再現する音場では高さのばらつきが少ないことが重要であり、これは仰角方向の仮想音像によるサラウンド音場にも言える。高さのばらつきの少ない仮想音像を生成するためには、実際のスピーカーの高さを知る必要がある。
スピーカーの水平方向の位置だけでなく高さ方向の位置すなわち発音体の3次元の位置を、マイクロホンを使って検出する方法としては、特許文献1に開示された「4点法」というものがある。この方法は、1つのマイクロホンを基準の原点に、他の3つのマイクロホンを先のマイクロホンを基準とした直行座標軸上に配置され、発音体からの出音を収音した時間差を利用して発音体の位置を算出するものである。
また、特許文献2に記載されている音場測定装置では、2つのマイクロホンで発音体の3次元の位置を検出する方法が示されている。この方法は、最初にある1つのスピーカーと2つのマイクロホンとの距離を測定した後、その1つめのスピーカーの位置を基準として2つのマイクロホンを、平行移動か、基準に対して等距離を保ちながらの移動か、一方のマイクロホンを中心にもう一方のマイクロホンを回転させるか、という移動をさせながら目的のスピーカーとの距離を数回測定する。各測定時に得られるスピーカーの位置の候補を何回か測定するごとに絞り込み、最終的に位置を特定するというものである。
特開昭61−296896号公報 特開2007−028437号公報
特許文献1に記載の4点法による測定方法は、マイクロホンが少なくとも4つ必要でコストがかかるという課題がある。音場補正のための測定機能はAVアンプ等に搭載されているが、使用されているマイクロホンの数は1つか2つの場合が多い。スピーカーと測定位置との距離のみを測定するならば1つのマイクロホンでも可能であるが、高さを含む位置の測定は原理的に難しい。このような状況でマイクロホンを4つ使用するのは従来に比べてコストがかかる
また特許文献2に記載の測定方法は、マイクロホンの数は2つだが、スピーカーの位置を得るまでにマイクロホンセットを何回か移動させなければならない。しかも、基準となるスピーカーとの距離を保たなければならない等移動方法の制約もあり、測定時に手間がかかるという課題がある。
そこで本発明は、2つのマイクロホンでスピーカーの高さを測定し、複数のスピーカーの高さの補正のための情報を提供する、もしくは仰角方向に生成する仮想音像の高さを制御することによって良好なマルチチャンネル音響音場を実現するオーディオ再生装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のオーディオ再生装置は、複数のスピーカーを用いて仰角方向に仮想音像を生成するオーディオ再生装置において、所定の高さに設置され、前記スピーカーから出力される音声信号および再生音場内の反射音を収音する第1のマイクロホンと、前記第1のマイクロホンと同じ高さに設置され、前記第1のマイクロホンから所定距離だけ離れた位置に設置される第2のマイクロホンと、前記第1のマイクロホンの出力信号及び第2のマイクロホンの出力信号に含まれる複数の反射波を検出する反射波検出装置と前記複数の反射波のマイクロホン間の相互相関係数を算出する相互相関値算出装置と、前記再生音場内において、前記複数のスピーカーから床、天井、壁を含む反射面への距離の大小関係に関する情報を得る距離情報入力装置と、前記反射波のうち同じ反射点から前記第1のマイクロホン及び前記第2のマイクロホンへ到来した反射波対を特定し、前記検出された複数の反射波対から床からの反射波を判定し、前記距離の大小関係に関する情報とから、前記各スピーカーの高さを算出する高さ算出装置とから構成される。
さらに、前記高さ算出装置によって算出された前記複数のスピーカーの高さと、仰角方向の仮想音像を生成する高さから、前記各スピーカーから出力する仮想音像を生成するための音声特性パラメータを算出するパラメータ算出装置と備えるように構成しても構わない。
このような構成により、スピーカーからの直接波だけでなくマルチチャンネル再生音場周辺からの反射波、特に床で1度反射してマイクロホンへ到来する反射波(以降、ある場所で一度反射してマイクロホンへ到来する反射波のことを1次反射波という)を用いることによって、2つのマイクロホンでスピーカーの高さを測定でき、異なる高さのスピーカーからなるマルチチャンネル再生装置においても、高さの一様な仰角方向のサラウンド音場を生成することが可能となる。
以上のように本発明のオーディオ再生装置によれば、試聴点に対するスピーカーの高さを少ないマイクロホンで測定することが可能となり、複数スピーカーの水平面方向のばらつきだけでなく高さ方向のばらつきも補正することができ、良好なマルチチャンネル再生音場を構築することが可能となる。
本発明の実施の形態におけるオーディオ再生装置の構成を示す図 本発明の実施の形態におけるオーディオ再生装置の一部である信号解析装置の構成を示す図 マイク信号入力装置の構成を示す図 スピーカーからの出力音声が壁を反射してマイクロホンへ到達する様子を示す図 スピーカーからの出力音声が床や天井を反射してマイクロホンへ到達する様子を示す図 第1のマイクロホン及び第2のマイクロホンの入力信号の時系列信号の例を示す図 スピーカーから床、前後の壁、天井までの距離の大小関係に関する情報の入力を促す入出力装置の画面例を示す図 スピーカーからの直接波と床を反射する1次反射波との行路長とスピーカーの高さとの関係を示す図 マイクロホン1とマイクロホン2との、検索された振幅極大点と相互相関係数をもとめるデータ範囲とを示した図 スピーカーの高さの違いによるフライオーバーの軌跡の変化を示す図 信号解析装置の構成要素である、反射波検出装置の処理内容を示したフロー図 反射波検出装置の処理の一部である、極大値検索処理の処理内容を示したフロー図
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について、図を用いながら説明する。具体例として示すオーディオ再生装置は、マルチチャンネル再生音場において用いられる複数のスピーカーに対してそれぞれの高さを測定し、各々のスピーカーの高さデータから決められた高さに仮想音像をつくるためのパラメータを生成する機能を実現するものである。
図1は本実施の形態のオーディオ再生装置の構成を示す略図である。
図1において、本実施の形態のオーディオ再生装置は、マイクロホン101から出力されたマイク信号の増幅やAD変換を行うマイクロホン信号入力装置103、マイクロホン信号入力装置103と同様の働きをするマイクロホン102用のマイクロホン信号入力装置104、マイクロホン信号入力装置103、104から出力されたデジタル信号を解析し、スピーカー112から116の高さを測定する信号解析装置105、スピーカー112から116へ測定用信号を出力する測定信号再生装置107、制御装置106、入出力装置108、入力切替装置109、演算装置110、再生装置111から構成される。
制御装置106は信号解析装置105、測定信号再生装置107、入出力装置108、入力切替装置109、演算装置110、再生装置111の制御を行う。再生装置111は、サラウンドコンテンツを再生する。
演算装置110は制御装置106から受信した各スピーカーの高さ情報を元に仮想音像を生成するためのパラメータを算出し、再生装置111で再生されたコンテンツデータの各チャンネル信号に対し演算処理を行う。
入力切替装置109は制御装置106の指示を受けて測定信号再生装置107と演算装置110の出力とのいずれかを選択してスピーカー112から116出力する。
入出力装置108はユーザーへの情報の出力や、ユーザーからの情報の入力を受け付ける。
また図2は、本発明の実施の形態において、図1に示す信号解析装置105の詳細な構成図である。
また図3は、本発明の実施の形態において、図1に示すマイクロホン信号入力装置103、104の詳細な構成図である。
また図7は、本発明の実施の形態において、図1に示す入出力装置108が出力する画面の一例である。
また図9は、本発明の実施の形態において、マイクロホン101とマイクロホン102とのインパルス応答データにおいて、直接波及び反射波を示し、マイクロホン101とマイクロホン102とのデータ間で相互相関係数を算出する際に用いるデータの範囲を示す図である。
また図11は、信号解析装置105を構成する反射波検出装置の処理内容を示したフロー図である。
また図12は、反射波検出装置の処理の一部である、極大値検索処理の処理内容を示したフロー図である。
以下、図面を参照しながら本発明のオーディオ再生装置の動作について説明する。
図1において、スピーカー112から116は再生環境内に配置され、マイクロホン101とマイクロホン102との間隔は0.17mであり、その中点が試聴点に位置している。高さは1.2mとしている。マイクロホン101とマイクロホン102との間隔は、スピーカーからの距離に対して充分短く、かつADC303の分解能以上であれば特にこの距離でなくとも良い。またマイクロホン101,マイクロホン102の高さも、既知であれば特にこの高さでなくとも良い。
制御装置106は、スピーカー112、113、114、115、116の順番で1本ずつその高さを測定するように各装置の制御を実施する。ここではスピーカー112の測定実施例を示す。
入出力装置108には例えば図7のように表示が行われユーザーに対し、スピーカー112から床、前壁、後壁、天井までの距離の大小関係の情報を入力するように促される。ユーザーによって入力された情報は制御装置106へ送信され、保持される。
制御装置106は入力切替装置109に対し、スピーカー112へ測定信号送出装置107からの信号を送出するように指示を出す。
入力切替装置109は制御装置106からの指示を受けて、測定信号送出装置107からの信号を出力するようにする。
制御装置106は測定信号送出装置107に対して、測定信号をスピーカー112から送出するように指示を出す。
制御装置106からの指示を受けて、測定信号送出装置107は測定信号をスピーカー112へ測定信号を送出する。
ここで用いられる測定信号は例えばTSP(Time Stretch Pulse)信号といった、再生音場のインパルス応答が測定可能な信号であれば、特別な信号を用いる必要はない。また、測定信号送出装置107に保持されている測定信号の形態は、CD(Compact Disc)やDVD、SDに記録されているものでもいいし、HDD(Hard Disc Drive)にあらかじめ記録されているものでもかまわない。そして測定信号送出装置107も測定信号が記録されている形態にあわせて、CDプレーヤー、DVDプレーヤー、SDカードプレーヤーや、HDDデータをサウンドカードで読み出して再生する再生装置でも構わない。
スピーカー112から出力された信号は、スピーカー112から直接あるいは周辺の壁や床、天井を反射してマイクロホン101、102によって収音される。
マイクロホン101、102は収音した応答信号データをアナログデータとして出力する。
マイクロホン101、102から出力された応答信号アナログデータはそれぞれ、マイク信号入力装置103、104へ入力される。
図3において、マイクロホンからの応答信号アナログデータはマイクアンプ302で増幅される。増幅された応答信号アナログデータはADC(アナログ−デジタル変換器)303でデジタルデータへ変換される。
ADC303から出力された応答信号デジタルデータは、信号処理装置304によってインパルス応答データとなる。
以上の動作は、マイクロホン101の出力アナログデータに対してマイク入力装置103が、またマイクロホン102の出力アナログデータに対してマイク入力装置104がそれぞれ行い、マイクロホン101、102の収音データに対して、それぞれのインパルス応答データが生成される。この時、インパルス応答データは振幅値ではなくエネルギーの時系列データに変換される。
ここから、信号解析装置105の動作説明を、図2と図7とを用いて行う。信号解析装置105は、入力としてマイクロホン101のインパルス応答のエネルギーデータ210、マイクロホン102のインパルス応答のエネルギーデータ211、測定信号送出開始タイミングデータ222及びスピーカーから床、壁、天井までの距離の大小関係を示すデータ223を用いる。また、スピーカーの高さデータ221を出力とする。
図1の信号解析装置105と図2の201は同じものである。
信号解析装置201は、マイク信号入力装置103、104から出力されるマイクロホン101、マイクロホン102のそれぞれのインパルス応答のエネルギーデータ210、211をいったん記憶装置202に記憶する。
次に直接波検出装置203の動作を説明する。
本発明のオーディオ再生装置の構成により、スピーカーからの直接波だけでなくマルチチャンネル再生音場周辺からの反射波、特に床で1度反射してマイクロホンへ到来する反射波(以降、ある場所で一度反射してマイクロホンへ到来する反射波のことを1次反射波という)を用いることによって、2つのマイクロホンでスピーカーの高さを測定でき、異なる高さのスピーカーからなるマルチチャンネル再生装置においても、高さの一様な仰角方向のサラウンド音場を生成することが可能となる。
まず、本発明のオーディオ再生装置による構成により反射音を検出できる仕組みについて説明を行う。
図8は、床からの高さが未知(xとする)のスピーカー801と床からの高さが既知(Hとする)であるマイクロホン802とを表した図である。803は直接波のスピーカー801からマイクロホン802での行路、805はスピーカー801から床までの行路、804は床からマイクロホン802までの行路である。床を1度反射してマイクロホン802へ到達する1次反射波の行路は(804+805)になる。一方、807は、スピーカー801の床に対して対称な位置にある仮想音像である。この仮想音像807からマイクロホン802までを結んだ直線(806+804)の長さは、幾何学的に1次反射波の行路(804+805)と同じになる。
直接波の行路803の長さをD、仮想音像807からマイクロホン802までの行路(806+804)の長さをD、更にスピーカー801とマイクロホン802との間の、床面に投影した距離をyとすると、以下の式が成り立つ。
=y+(H−x) (1)
=y+(H+x) (2)
数式(1)、(2)から、
x=(D −D )/H (3)
以上から、スピーカーからの直接波の行路長と床での1次反射波の行路長と求まれば、スピーカーの高さを算出することができる。
次にマイクロホンでの測定データの一例を図6に示す。スピーカーから測定用の信号を出力した時の波形であり、縦軸は振幅、横軸は時間を表す。601、602は直接波を示している。その後に、いくつか振幅が大きくなっている部分が見られる(603、604)。これが1次反射波を示している。通常の部屋で測定した場合は床だけでなく、天井や壁などでも反射してマイクロホンに到達する。更に一度反射した反射波だけでなく、複数回反射した後にマイクロホンに到達する反射波もある。しかし、一度反射することによる振幅の減衰が大きいため、振幅の大きさを比較することで測定データから1次反射波を選り分けるは可能である。
図4はスピーカーとマイクロホンとを配置した部屋を上から見た図、図5は横から見た図である。図4において、マイクロホン401、402へ到来する1次反射波は横の壁に反射する反射波404、405、406、407、マイクロホン401、402の後方の壁を反射してマイクロホン401、402へ到来する反射波408、409、更にスピーカー403の後方(マイクロホン401、402の前方)の壁を反射してマイクロホン401、402へ到来する反射波410、411がある。また図5では、スピーカー501から発音し、床を反射してマイクロホンへ到来する反射波504、天井を反射してマイクロホンへ到来する反射波503がある。これらの反射波から、床からの反射波を選別して、上式を用いてスピーカーの高さを算出する。
右側の壁に反射する反射波406、407は2つのマイクロホンへ到来する順番が直接波とは逆になるため、床からの反射波でないことが明らかである。また、左側の壁からの反射波に関しては、左側の壁に対して対称の位置にある仮想音像412からの直接波と考えると、2つのマイクロホンが並んでいる方向においてスピーカー403よりも遠い位置に存在し、到来波の2つのマイクロホン間の時間差が直接波のそれよりも大きくなり、床の反射波と区別することが可能である。
その他の反射波に関しては、部屋のサイズやスピーカーやマイクロホンの配置などで到来時間が変わる可能性が高い。例えば、スピーカーとスピーカー後方の壁との距離が、床からスピーカーまでの高さよりも大きい場合は、後方の壁からの反射波の方が早くマイクロホンに到達することもある。つまり、スピーカーから、床、後方の壁、前方の壁、天井までの距離の大小によって、マイクロホンまでの到来時間が変わる。
スピーカーから、床、後方の壁、前方の壁、天井までの距離の大小関係の情報と、1次反射波の到来時間とを比較することによって、床からの反射音を選り分けることが可能となる。
直接波検出装置203は、まず、記憶装置202に保存されている、マイクロホン101が収音した応答信号のインパルス応答データ212、及びマイクロホン102が収音した応答信号のインパルス応答データ213のそれぞれにおけるエネルギーの最大値を探し、その最大値及びその時のサンプル数を求める。
マイクロホン101のインパルス応答データのエネルギーの最大値をEMAXM1、その最大値をとるサンプル数をPP、マイクロホン102のインパルス応答データのエネルギーの最大値をEMAXM2、その最大値をとるサンプル数をPPとする。
制御装置106から送付される測定信号送出開始タイミングデータ222と先に求めたPP、PPからスピーカー112とマイクロホン101、及びマイクロホン102との間の距離DSM1、DSM2を算出する。
測定信号送信開始タイミングがマイクロホン入力装置103、104への入力開始タイミングが同時になるように設定すると、マイクロホン101のインパルス応答データの開始点からPPまで、及びマイクロホン102のインパルス応答データの開始点からPPまでの経過時間が、スピーカー112から出力された直接波がマイクロホン101、及び102までに到達するまでの時間となる。
ここで音速を370m/s、ADC303のサンプリング周波数を48kHzとすると、スピーカー112からマイクロホン101までの距離DSM1は数式(4)で表される。
SM1=PP×370/48000 (4)
同様にスピーカー112からマイクロホン102までの距離DSM2は、数式(4)のPPの代わりにPPを用いて求められる。
スピーカー112の高さを仮にxspaとし(例えば、平均的な部屋における床から天井までの距離である2.4m)、その場合のスピーカー112から出力されて床を反射してマイクロホン102に収音される1次反射波の行路長を算出する。数式(3)を変形して、
=(x×H+D 1/2 (5)
とし、この式にx=xspa=2.4m、D1=DSM1、H=1.2mを代入すれば、スピーカー112から床を1度反射してマイクロホン101へ到達する1次反射波の行路長が求められる。更に数式(4)を変形した
PP=D×48000/370 (6)
を用いて、サンプル数データPPを求める。
PPとPPとの大小比較を行い、このサンプル数の差(DPP)を求める。これにより、マイクロホン101、及び102のどちらに直接波が先に到達したのかが判明する。DPPと直接波が先に到達したマイクのデータとを出力する。マイクロホン101の場合は1、マイクロホン102の場合は2とする。今後、PPがPPより小さい場合について説明を続ける。
次に、反射波検出装置204の動作について説明する。
図11は反射波検出装置204の処理内容を示したフロー図である。図12は反射波検出装置204の処理の一部である極大値検出処理の処理内容を示したフロー図である。以下、図2、図11、図12を用いて、反射波検出装置204の動作について説明する。
直接波検出装置203から出力されるマイクデータ214とサンプル数データPP(215)、PP(216)、マイクロホン101のインパルス応答の最大エネルギーEMAXm1(217)とを取得する。
マイクデータ214を参照して直接波が先に到達したマイクを判別した後、記憶装置202に保持されているマイクロホン101のインパルス応答のエネルギーデータ212の(PP+10)番目のデータから(PP+10)番目のデータまでの区間(PP−PP)個のデータに対して、エネルギーが極大になるデータサンプルを検索する。10×log10(EMAXm1)の対数をとった値から10を引いた値を閾値(E)とする。繰り返し処理に用いる変数Nの最大値Ncheckの値を(PP+10)に設定する(処理1102)。
閾値以上のエネルギーデータを検出したかどうかのフラグデータfを準備し、初期値を0にする。また、変数Nの初期値を(PP+10)に設定する(処理1104)。
N番目のインパルス応答のエネルギーデータE[N]の対数をとった値に10をかけた値10×log10(E[N])とEとの比較を行う(処理1106)。
閾値以上のエネルギーが検出された場合には、フラグデータfを1にする(処理1107)。
処理1106を行う度にNに1を足し、NがNcheckになるまで繰り返す(処理1108、1105)。
いったん繰り返し処理が終わった後、fが1かどうかを確認する(処理1109)。
fが1ならば、閾値E以上のエネルギーがあるとして次の極大値検索処理へ進むが、0ならばEの値から10を引いて新たなEとする(処理1110)。
再度(PP+10)番目から(PP+10)番目のデータまでのインパルス応答のエネルギーデータと比較する。
これを10×log10(EMAXm1)とEとの差が60まで実施し(処理1103〜処理1108)、それでも閾値以上のデータが見つからない場合は極大値個数Cnumをゼロとセットして(処理1111)処理を終了する。
次に極大値検索処理について説明する(図12)。
これはインパルス応答データでエネルギーの極大値箇所を検出する処理である。(PP−PP)個のインパルス応答データそれぞれに検出フラグデータf[x]を用意し、ゼロに初期設定する(処理1202)。
検出する極大値の個数の最大値をCmax(ここでは5とする)とし、検出した極大値の個数Cnumを0に設定する。更に、閾値Eを上記の値に9を足したものに設定し、繰り返し処理に用いる変数Nの最大値Ncheckの値を(PP+10)に設定する(処理1203)。
変数Nを初期値(PP+10)に設定し、以下の処理1206から1208を、Nの値がNcheckになるまで繰り返す。
f[N]の値を確認し(処理1206)、0ならばEと10×log10(E[N])との比較を実施(処理1207)する。f[N]の値が1ならば次のサンプルデータへ移る。
比較の結果、10×log10(E[N])の値がE以上ならば極大値個数Cnumに1を加え、この時のサンプルデータをPPmax[Cnum]に保持する。更に前後3サンプルのデータも含めてf[N]を1にセットする(処理1208)。もし、10×log10(E[N])の値がEより小さい場合は何もしない。
繰り返し処理が終了した後、極大値個数Cnumが所定個数Cmax以上になったかどうかを確認する(処理1210)。
numがCmaxに達しなかった場合、Eから1を引いた値を新たなEとして(処理1211)、比較処理を再度行う。この繰り返しをCnumがCmaxに達するまで実施する(ここでは、Cnumが5つになったとする)。
次に、相互相関係数算出処理205について説明する。
相互相関係数算出処理205は、まず、極大値個数データCnum(218)と、エネルギー極大値を持つサンプルデータPPmax[z](zは1からCnum)(Cnum=5)219とを、記憶装置202から取得し、また、マイクロホン101のインパルス応答データ212及びマイクロホン102のインパルス応答データ213を取得する。そして、PPmax[z](zは1からCnum)(Cnum=5)の前後の所定サンプル数分だけ、マイクロホン102のインパルス応答データとの相互相関係数を求める。
図9に示すように、マイクロホン101のインパルス応答データの、PPmax[1]を中心としたN個のデータと、マイクロホン102のインパルス応答データのPPmax[1]−N/2からN個のデータとの相互相関係数を算出する。その計算が終わった後、次はマイクロホン102のインパルス応答データのPPmax[1]−N/2+1からN個のデータとの相互相関係数を算出する。このように、マイクロホン102側のインパルス応答データ211の範囲を1つずつずらしながら相互相関係数を算出し、データ範囲がPPmax[1]+DPP−N/2からPPmax[1]+DPP+N/2までになるまで継続する。こうして得られたDPP個の相互相関係数の中での最大値を求める。この処理をCnum個(ここでは5個)のPPmaxそれぞれに対して行い、それぞれの最大相互相関係数をI[z](zは1から5)で表す。
次に、高さ算出装置208について説明する。
相互相関値算出装置207で算出した最大相互相関係数I[1]、I[2]、I[3]、I[4]、I[5](220)を取得し、閾値ITHとの大小比較を行う(例えばITH=0.7とする)。この閾値以上の相互相関係数は、マイクロホン101側の1次反射波のデータと相関の高い、つまり、同じ反射波のデータがマイクロホン102の演算範囲データ内に存在することを意味する。最大相互相関係数が低い場合には、マイクロホン102側に現れる1次反射波は、演算範囲データ外にある、すなわち直接波の到来時間差以上の到来時間差がある場合であり、横壁からの1次反射波など、床、天井、前後の壁の反射波以外の反射波と考えられる。
図9中のマイクロホン101側のサンプルPPmax[3]に振幅の極大値が存在するが、マイクロホン102側のサンプルPPmax[3]からPPmax[3]+DPP+N/2までの間に同様の振幅の極大値が存在しないため、相互相関係数は低いものとなる。従って、I[3]はここで選択から外れることとなる。
閾値ITH以上の最大相互相関係数を持つ極大値を選択した後、それぞれの極大値のサンプル数PPmax[1]、PPmax[2]、PPmax[4]、PPmax[5]と、スピーカーから壁や床、天井までの距離の大小順とを比較する。
制御装置106から、スピーカー112から再生音場内の床、天井、前後の壁までの距離の大小順のデータを取得し、床の距離の順位から床からの1次反射波によるエネルギーの極大値を選択する。例えば、図7に示すように床からスピーカーまでの距離が、後方の壁からスピーカーまでの距離に次いで2番目に短いのであれば、2番目に小さいサンプル数PPmax[2]を床からの1次反射と判定する。PPmax[2]から直接波と同様に行路長を算出し、数式(3)を用いてスピーカー112の高さを算出する。
以上の処理をスピーカー112から116まで実施して各々の高さを算出し、制御装置106へ出力する。視聴者は入出力装置108から仰角方向のサラウンド音場の所望の高さを入力し、入出力装置108は制御装置106へ高さ情報を転送する。制御装置106は仰角方向のサラウンド音場の高さ情報と、各スピーカーの高さ情報を演算装置110へ転送する。演算装置110は、各スピーカーの高さと、スピーカーの高さと仰角方向のサラウンド音場の高さとの差から、仮想音像を生成するために各スピーカーから出力する音声データに適用する特性データを算出する。
制御装置106は測定終了を判断し、入力切替装置109の入力をコンテンツ再生装置111からのデータにするように指示を出す。
このように本発明では、室内の第1反射波と、スピーカーから床や壁、天井までの距離大小関係の情報とを利用することによって2つのマイクロホンでスピーカーの高さを測定することが可能となる。
なお、本発明では上記実施形態に限定されるものではなく、例えば信号解析装置105の中の反射波検出装置204においての極大値検出処理は、同様の結果が得られるものであれば、本発明に適用可能である。
本発明のオーディオ再生装置によれば、従来の音場補正機能にスピーカーの高さ方向の補正機能を容易に付加することが可能となるため、音場補正機能を有するAVアンプやマルチチャンネル音場再生機器において有用である。
101、102 マイクロホン
103、104 マイク信号入力装置
105 信号解析装置
106 制御装置
107 測定信号再生装置
108 入出力装置
109 入力切替装置
110 演算装置
111 再生装置

Claims (2)

  1. 複数のスピーカーを用いて仰角方向に仮想音像を生成するオーディオ再生装置において、
    所定の高さに設置され、前記スピーカーから出力される音声信号および再生音場内の反射音を収音する第1のマイクロホンと、
    前記第1のマイクロホンと同じ高さに設置され、前記第1のマイクロホンから所定距離だけ離れた位置に設置される第2のマイクロホンと、
    前記第1のマイクロホンの出力信号及び第2のマイクロホンの出力信号に含まれる複数の反射波を検出する反射波検出装置と
    前記複数の反射波のマイクロホン間の相互相関係数を算出する相互相関値算出装置と、
    前記再生音場内において、前記複数のスピーカーから床、天井、壁を含む反射面への距離の大小関係に関する情報を得る距離情報入力装置と、
    前記反射波のうち同じ反射点から前記第1のマイクロホン及び前記第2のマイクロホンへ到来した反射波対を特定し、前記検出された複数の反射波対から床からの反射波を判定し、前記距離の大小関係に関する情報とから、前記各スピーカーの高さを算出する高さ算出装置と
    からなることを特徴とするオーディオ再生装置。
  2. 前記高さ算出装置によって算出された前記複数のスピーカーの高さと、仰角方向の仮想音像を生成する高さから、前記各スピーカーから出力する仮想音像を生成するための音声特性パラメータを算出するパラメータ算出装置とをさらに備えることを特徴とする、請求項1記載のオーディオ再生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106847300A (zh) * 2017-03-03 2017-06-13 北京捷思锐科技股份有限公司 一种语音数据处理方法及装置

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