JP6104650B2 - 消音装置、消音方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、消音装置および消音方法に関する。
吸音材などのパッシブな騒音対策が効果的でない環境下において低周波騒音を低減する仕組みとして、アクティブノイズコントロール(ANC:active noise control)が知られている。ANCは、騒音と同振幅で逆位相の信号を人為的に作成して制御スピーカから出力することにより、当該騒音を打ち消すことを可能にするものである。ANCは、自動車などにおけるロードノイズを低減する機器や、医療機器が発生する騒音を低減する機器、ノイズキャンセルイヤホンなどに適用されている。
ANCの基本手法としては、Filtered−xと呼ばれるものが知られている。Filtered−xは、騒音を打ち消す信号を出力する制御スピーカと、当該制御スピーカが出力する信号(音)を出力する制御フィルタと、当該騒音および制御スピーカの発した信号音を受けてこれを低レベルに抑えるように制御フィルタを適応的に更新するための誤差マイクとを備えている。Filtered−xの手法では、原理上、制御スピーカと誤差マイクとの間の空間特性を同定(二次経路同定)する必要があるが、高残響下では反射波の影響を強く受けるため、二次経路に特性としてノッチなどの高減衰帯域が生じることがある。
制御フィルタは、典型的に、二次経路特性の逆フィルタ特性を含むことになるから、当該二次経路にその特性としてノッチなどの高減衰帯域が含まれると、制御フィルタは共振特性を有してしまう。その結果、制御フィルタの適応更新に影響を与えることになり、特に高残響下においては、制御性能が低下する原因となる。
特開平7−134590号公報
本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、二次経路にその特性としてノッチなどの高減衰帯域が含まれる場合であっても、制御性能を良好にすることができる消音装置を提供することを目的とする。
実施形態の消音装置は、消音の対象となる制御対象音を空間上で低減する消音装置であって、制御対象音を参照信号に変換する参照マイクと、制御対象音を含む空間上の音を誤差信号に変換する誤差マイクと、参照信号を変換して制御対象音を打ち消すための制御信号を生成する制御フィルタと、参照信号と誤差信号とに基づいて制御フィルタの変換特性を制御するフィルタ更新部とを有している。また、実施形態の消音装置は、第1の駆動信号に基づいて空間に音を発する第1の制御スピーカと、第2の駆動信号に基づいて空間に音を発する第2の制御スピーカとを有している。さらに、実施形態の消音装置は、第1の制御スピーカから誤差マイクまでの経路特性および第2の制御スピーカから誤差マイクまでの経路特性に基づき制御信号を第1の駆動信号に変換する第1の再生フィルタと、第1の制御スピーカから誤差マイクまでの経路特性および第2の制御スピーカから誤差マイクまでの経路特性に基づき第1の再生フィルタとは異なる特性で制御信号を第2の駆動信号に変換する第2の再生フィルタとを有している。
また、他の実施形態の消音装置は、消音の対象となる制御対象音を空間上で低減する消音装置であって、制御対象音を含む空間上の音を誤差信号に変換する誤差マイクと、誤差信号に基づいて制御対象音を打ち消すための制御信号を生成する制御信号生成部と、第1の駆動信号に基づいて空間に音を発する第1の制御スピーカと、第2の駆動信号に基づいて空間に音を発する第2の制御スピーカと、第1の制御スピーカから誤差マイクまでの経路特性および第2の制御スピーカから誤差マイクまでの経路特性に基づき制御信号を第1の駆動信号に変換する第1の再生フィルタと、第1の制御スピーカから誤差マイクまでの経路特性および第2の制御スピーカから誤差マイクまでの経路特性に基づき第1の再生フィルタとは異なる特性で制御信号を第2の駆動信号に変換する第2の再生フィルタとを有している。そして、制御信号生成部が、第1の再生フィルタおよび第2の再生フィルタの入力から誤差マイクまでの経路特性に基づき制御信号を変換するフィードバックフィルタと、誤差信号からフィードバックフィルタにより変換された信号を引いた推定騒音信号を変換して制御信号を生成する制御フィルタと、推定騒音信号と誤差信号とに基づいて制御フィルタの変換特性を制御するフィルタ更新部とを有している。
第1の実施形態の能動消音装置の概念を示す図である。 第1の実施形態の能動消音装置の構成を示すブロック線図である。 第1の実施形態の能動消音装置の製造方法を示すフローチャートである。 第1の実施形態の能動消音装置における第1再生フィルタを構築するためのブロック線図である。 第1の実施形態の能動消音装置における第2再生フィルタを構築するためのブロック線図である。 再生フィルタの特性を求める方法を説明するブロック図である。 第1の実施形態の能動消音装置における二次経路同定を行うためのブロック線図である。 第1の実施形態の能動消音装置の具体例を示す図である。 図7に示す具体例における第1制御スピーカおよび第2制御スピーカそれぞれの経路に係る経路特性(周波数特性)を示す図である。 図7に示す具体例における第1制御スピーカの経路特性(インパルス応答)を示す図である。 図7に示す具体例における第2制御スピーカの経路特性(インパルス応答)を示す図である。 図7に示す具体例における忠実再生フィルタの特性を説明する図である。 図7に示す具体例における忠実再生フィルタの特性を示す図である。 図7に示す具体例における忠実再生フィルタの特性を示す図である。 図7に示す具体例における二次経路同定の結果を示す図である。 図7に示す具体例における二次経路同定の結果を説明する図である。 図7に示す具体例における二次経路同定の結果を示す図である。 図7に示す具体例における制御結果を示す図である。 図7に示す具体例において第1制御スピーカのみを用いた場合の制御結果を示す図である。 図7に示す具体例における消音効果(周波数特性)を示す図である。 第2の実施形態に係る能動消音装置の構成を示すブロック線図である。 第3の実施形態に係る能動消音装置の構成を示すブロック線図である。
以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。一般に、騒音源を打ち消す音信号(制御信号)を発する制御スピーカと騒音源の音および当該制御スピーカが発する音を受ける誤差マイクとを有する能動消音装置では、制御スピーカが発する制御音の反射波の影響により、制御スピーカと誤差マイクとの間の空間特性にノッチや共振特性を生じる可能性がある。当該空間特性にノッチが生ずると、制御フィルタに共振特性が生じて制御フィルタの適応更新に影響を与えるおそれがある。
そこで、実施形態の能動消音装置では、制御スピーカを二つ以上用意し、当該制御スピーカ入力と誤差マイクとの間の特性を任意に決定できる忠実再生技術を適用することで、反射波による影響を低減し制御フィルタ適応更新における悪影響を低減させている。これにより、制御フィルタの適応更新において局所最適にとどまる可能性が低減され、制御効果の増大を実現することができる。
(第1の実施形態の構成)
図1に示すように、実施形態に係る能動消音装置1は、参照マイク100と、制御フィルタ機能をもつ処理部本体(1)と、複数の制御スピーカと、誤差マイク132とを具備したFiltered−xの構成を有している。図1に示す例では、能動消音装置1は、二つの制御スピーカ、例えば特性Gs1をもつ第1制御スピーカと、特性Gs2をもつ第2制御スピーカとを有している。
図1に示すように、参照マイク100は、経路特性Gをもつ経路20を経た騒音源sの音を受け取る。能動消音装置1の制御フィルタは、参照マイク100が受けた音信号に基づいて二つの制御信号を生成し、それぞれ第1および第2制御スピーカを駆動する。誤差マイク132は、経路特性Gをもつ経路10を経て届く騒音源sからの音、経路特性Ge1をもつ経路31を経て届く第1制御スピーカからの音、および、経路特性Ge2をもつ経路32を経て届く第2制御スピーカからの音を受ける。合成された三つの音に基づいて、制御フィルタの特性が更新的に制御される。なお、第1制御スピーカおよび第2制御スピーカが発する音は、それぞれ特性H,Hをもつ経路41,42を経て参照マイク100にも届くから、ハウリングが発生する。そのため、能動消音装置1は、かかるハウリングを相殺する機能をも有してもよい。
ここで、第1制御スピーカ入力から誤差マイクまでの特性(Gs1およびGe1)と、第2制御スピーカ入力から誤差マイクまでの特性(Gs2およびGe2)とが、それぞれ異なる特性となるように設計される。具体的には、第1および第2制御スピーカの特性Gs1・Gs2を異なるものとしたり、第1および第2制御スピーカを参照マイクに対して非対称な配置として経路特性Ge1・Ge2を異なるものとしたり、あるいはこれらを組み合わせたりすることができる。これにより、第1制御スピーカから誤差マイクまでの音に関する伝達特性が示す高減衰帯域が、第2制御スピーカから誤差マイクまでの音に関する伝達特性が示す高減衰帯域に重ならないようにする。
この実施形態の能動消音装置によれば、騒音源の音を打ち消す音信号を発する制御スピーカを複数用意し、制御スピーカそれぞれから誤差マイクまでの経路特性を制御スピーカ毎に異なるように構成している。かかる構成により、仮に一の制御スピーカから誤差マイクまでの経路特性にノッチや共振特性が含まれていたとしても、他の制御スピーカから誤差マイクまでの経路特性が異なるため、一方が他方を補完して制御フィルタの適応更新を正しく行うことができる。すなわち、制御フィルタの特性の収束速度を速めるとともに制御フィルタ特性を向上することができる。
続いて、図2を参照して実施形態の能動消音装置1の構成をより詳細に説明する。図2に示すように、実施形態の能動消音装置1は、経路20を経た騒音源sの音を受ける参照マイク100と、参照マイク100が受けた音を用いて騒音源sの音を相殺する音信号を生成する制御フィルタ108と、制御フィルタ108により生成された制御信号を音として出力する第1制御スピーカ116および第2制御スピーカ126と、騒音源sの音と第1および第2制御スピーカ116,126が発した音とを受ける誤差マイク132とを有している。
参照マイク100および制御フィルタ108の間には、参照マイク100が受けた音の信号(参照信号)の折り返し周波数以下を通過させる第1フィルタ102(アンチエイリアスフィルタF1)と、第1フィルタ102を通過したアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器104(ADC104)とが配設されている。ADC104によりデジタル化された音信号は加算器106を経て制御フィルタ108に送られる。制御フィルタ108は、外部から更新可能な特性Kを有しており、騒音源sが発する音信号を打ち消す信号を生成する。
制御フィルタ108と第1制御スピーカ116との間には、第1制御スピーカ116の特性Gs1と第1制御スピーカ116から誤差マイク132までの経路31の特性Ge1とに対応する第1再生フィルタ110(フィルタh1)と、第1再生フィルタ110の出力をアナログに変換するD/A変換器112(DAC112)と、第1制御スピーカ116を保護する第2フィルタ114(保護フィルタF2)とが配設されている。第1再生フィルタ110から出力される音信号は、DAC112によりアナログ信号に変換され、第2フィルタ114を経て第1制御スピーカ116に送られる。同様に、制御フィルタ108と第2制御スピーカ126との間には、第2制御スピーカ126の特性Gs2と第2制御スピーカ126から誤差マイク132までの経路32の特性Ge2とに対応する第2再生フィルタ120(フィルタh2)と、第2再生フィルタ120の出力をアナログに変換するD/A変換器122(DAC122)と、第2制御スピーカ126を保護する第2フィルタ124(保護フィルタF2)とが配設されている。第2再生フィルタ120から出力される音信号は、DAC122によりアナログ信号に変換され、第2フィルタ124を経て第2制御スピーカ126に送られる。
第1再生フィルタ110は、第1制御スピーカ116、第2制御スピーカ126および誤差マイク132それぞれの位置関係や特性等により定まる特性Gs1・Ge1・Gs2・Ge2に基づいて決定される特性を有しており、制御フィルタ108の特性Kと併せて騒音源sからの音の打ち消しに寄与する。同様に、第2再生フィルタ120は、第1制御スピーカ116、第2制御スピーカ126および誤差マイク132それぞれの位置関係や特性等により定まる特性Gs1・Ge1・Gs2・Ge2に基づいて決定される特性を有しており、制御フィルタ108の特性Kと併せて騒音源sからの音の打ち消しに寄与する。
制御フィルタ108から第1制御スピーカ116までの構成と、制御フィルタ108から第2制御スピーカ126までの構成は、それぞれ対応し共通の構成を有している。ただし、前述の通り、第1制御スピーカ116から誤差マイク132までの経路31の特性Ge1および第2制御スピーカ126から誤差マイク132までの経路32の特性Ge2は、異なる特性となるように構成されている。従って、第1再生フィルタ110および第2再生フィルタ120は異なる特性を有している。なお、前述の通り、第1制御スピーカ116の特性Gs1と第2制御スピーカ126の特性Gs2とを異なる特性としてもよい。
さらに、この実施形態の能動消音装置1は、誤差マイク132が受けた音の信号(誤差信号)の折り返し周波数以下を通過させる第3フィルタ134a(アンチエイリアスフィルタF3a)と、第3フィルタ134aを通過したアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器136(ADC136)と、Filtered−xにおける二次経路特性を有し制御フィルタ108に入力される信号をフィルタリングする二次経路同定フィルタ140とを有している。そして、二次経路同定フィルタ140を通過した信号とADC136から出力される信号とを用いて、誤差マイク132が音を受けて出力する誤差信号が最小になるように制御フィルタ108を更新するLMS演算部150(Least Mean Square)を有している。アンチエイリアス機能をもつ第3フィルタ134aに加えて、制御帯域制限機能をもつ第3フィルタ134bをさらに備えてもよい。
二次経路同定フィルタ140は、制御フィルタ108の出力点uから誤差マイク132を経てADC136の出力までの経路の経路特性に対応したフィルタである。LMS演算部150は、当該経路特性に対応した二次経路同定フィルタ140の出力信号と、ADC136の出力信号とを用いて、誤差マイク132が出力する誤差信号が最小になるように制御フィルタ108の特性を制御する。なお、この実施形態では、制御フィルタの更新アルゴリズムとしてLMSを使うものとしているが、これには限定されない。例えば、FTF(Fast Transversal Filter)など他のアルゴリズムを用いてもよい。
ここで、第1制御スピーカ116および第2制御スピーカ126から出力された音は、特性H,Hをもつ経路41,42を経て合成され(図中33)参照マイク100にも到達する。これはハウリングを発生させる。そこで、実施形態の能動消音装置1は、制御フィルタ108の出力信号を遅延させる遅延部162と、遅延された信号にハウリングの経路41,42の特性H,Hを含む図中u点から参照マイク100を通り第1フィルタ102、ADC104を含む経路特性に対応した特性をもつハウリングフィルタ164と、ADC104がデジタルに変換した音信号とハウリングフィルタ164の出力とを合成する加算器106とを有している。これらの構成により、経路40により発生するハウリングを防ぐことができる。
(実施形態の動作)
騒音源sからの音は、特性Gの経路20を経て参照マイク100に到達する。このとき、参照マイク100は、騒音源sからの音だけではなく、第1制御スピーカ116および第2制御スピーカ126が発生し特性H,Hの経路41,42を経て到達した音も併せて受け取る。第1フィルタ102は、参照マイク100が受け取った音信号をアンチエイリアス処理し、ADC104は、第1フィルタ102を通過した音信号をデジタル信号に変換する。
加算器106は、ADC104が変換した音信号と制御フィルタ108の出力に基づき生成された信号とを合成して制御フィルタ108および二次経路同定フィルタ140に与える。
制御フィルタ108は、入力された音信号を演算して演算結果を第1再生フィルタ110および第2再生フィルタ120に入力する。第1再生フィルタ110に与えられた信号は、DAC112、第2フィルタ114を経て第1制御スピーカ116から音として出力される。同様に、第2再生フィルタ120に与えられた信号は、DAC122、第2フィルタ124を経て第2制御スピーカ126から音として出力される。
誤差マイク132は、特性Gの経路10を経て到達する騒音源sの音、特性Ge1の経路31を経て到達する第1制御スピーカ116が出力した音、および、特性Ge2の経路32を経て到達する第2制御スピーカ126が出力した音を受け取って電気信号(誤差信号)に変換する。誤差マイク132が出力した誤差信号は、第3フィルタ134a、ADC136を経てLMS演算部150に送られる。
演算部150は、二次経路同定フィルタ140を経て加算器106から送られる信号と、ADC136から送られる信号とを最小二乗法演算し、演算結果に基づいて制御フィルタ108の特性Kを制御する。
この実施形態の能動消音装置1では、第1制御スピーカ116から誤差マイク132までの経路31の特性Ge1および第2制御スピーカ126から誤差マイク132までの経路32の特性Ge2が異なる特性となるように構成したので、仮に一方の経路、例えば特性Ge1をもつ経路31が反射波等の影響を受ける状況にあっても、異なる特性Ge2をもつ経路32により第2制御スピーカ126が音信号を発することができる。すなわち、一方の経路特性にノッチや共振特性が生じたとしても、他方の経路特性によって補うことができ、制御フィルタ108の適応制御を適切かつ迅速に行うことができる。
(忠実再生フィルタの構築)
続いて、図2ないし図6を参照して、実施形態の能動消音装置1の構築方法について説明する。まず、構築場所において参照マイク100、第1制御スピーカ116、第2制御スピーカ126、および誤差マイク132の配置場所を決定する(図3ステップ50。以下「S50」のように称する。)。このとき、第1制御スピーカ116および第2制御スピーカ126は、誤差マイク132に対して対称な位置に配置せず、各々の経路特性が異なるものとなるように配置する。二つの制御スピーカを誤差マイクに対して対称的に配置すると、それぞれの経路特性におけるノッチ特性が一致してしまい、互いに補完することができなくなるからである。
参照マイク、制御スピーカおよび誤差マイクを所望の位置に配置した後、各制御スピーカの経路を同定する(S52)。すなわち、制御フィルタ108の出力u点から誤差マイク132の入力e点を経てLMS演算部150の入力までの特性を、第1制御スピーカ116に係る経路および第2制御スピーカ126に係る経路それぞれについて計測する。
具体的には、図4Aに示すように、DAC112、第2フィルタ114、第1制御スピーカ116、誤差マイク132のe点、第3フィルタ134a、ADC136、LMS演算部151の経路の回路を構築し、LMS演算部151と並列に適応フィルタg(適応フィルタ110a)を設ける。そして、LMS演算部151を働かせて適応フィルタ110aの出力とADC136の出力とが等しくなるように適応フィルタ110aの特性gを更新する。その結果、特性gは、DAC112からADC136までの経路特性となる。
同様に、図4Bに示すように、DAC122、第2フィルタ124、第2制御スピーカ126、誤差マイク132のe点、第3フィルタ134a、ADC136、LMS演算部152の経路の回路を構築し、LMS演算部152と並列に適応フィルタg(適応フィルタ120a)を設ける。そして、LMS演算部152を働かせて適応フィルタ120aの出力とADC136の出力とが等しくなるように適応フィルタ120aの特性gを更新する。その結果、特性gは、DAC122からADC136までの経路特性となる。これらの特性gおよびgは、第1制御スピーカ116、第2制御スピーカ126および誤差マイク132の位置関係を反映したものとなる。
特性gおよびgが得られると、当該特性gおよびgを利用して第1再生フィルタ110および第2再生フィルタ120の特性h、hを求める(S54)。具体的には、図5に示すように経路特性をg,g、それぞれ対応して接続された再生フィルタの特性をh,hとして、経路特性g・再生フィルタhと経路特性g・再生フィルタhとを並列接続して一方の入力信号Inを他方の評価点Evで再現することを考えると、数式1を満たす特性h,hを求めればよい。ただし、ここではg,g,h,hを伝達関数として扱っている。
Figure 0006104650
すなわち、第1再生フィルタ110の特性hは、経路特性g,gに基づいて計算することができる。同様に、第2再生フィルタ120の特性hは、経路特性g,gに基づいて計算することができる。なお、目標応答をdとしその周波数特性をDすれば、数式2を満たす特性h、hを求めることで再生フィルタの特性h,hを得ることができる。
Figure 0006104650
経路特性gおよびgから第1および第2再生フィルタ110および120それぞれの特性を求める具体的手法としては、例えばMINT法(Multiple-input/output Inverse Theorem:MINT)などの手法や、周波数領域などから計算する手法などを用いることができる。
ここで、第1および第2再生フィルタ110,120の特性h1,h2の目標特性Dは、例えばインパルス応答において、経路特性g,gのうち距離の短い方の時間遅れよりも長いタップにおいて立ち上がる信号(0,…0,a,0,…0)に(離散時間単位インパルス信号を右にシフトした信号に)、使用する第1および第2制御スピーカ116,126の低域限界とエイリアスフィルタ(第3フィルタ134a)のカットオフ周波数とを考慮に入れたバンドパスフィルタを通したものとすることが望ましい。なお、図4Aおよび図4Bでは、LMS同定(LMS演算部151,152)を用いているが、これには限定されない。例えば、TSP同定など同定可能な他の方法を用いてもよい。
第1再生フィルタ110および第2再生フィルタ120の特性h1、h2が得られた後、二次経路の同定をFiltered−xの手法に準じて行う(S56)。すなわち、図6に示すように、特性h1の第1再生フィルタ110および特性h2の第2再生フィルタ120を含めた状態で、第1再生フィルタ110、DAC112、第2フィルタ114、第1制御スピーカ116、第2再生フィルタ120、DAC122、第2フィルタ124、第2制御スピーカ126、誤差マイク132のe点、第3フィルタ134a(フィルタ134b)、ADC136、LMS演算部153の経路の回路を構築し、LMS演算部153と並列に二次経路同定フィルタ140を設ける。そして、LMS演算部153を働かせて二次経路同定フィルタ140の出力とADC136の出力とが等しくなるように二次経路同定フィルタ140の特性を制御して特性Cを同定する。この実施形態の能動消音装置1では、二つの制御スピーカを一つの制御スピーカのように動作させている。
ここで、二次経路同定およびANC動作に際して、アンチエイリアス機能をもつ第3フィルタ134aに加えて制御帯域調整用フィルタ134bを追加してもよい。
二次経路同定フィルタ140の特性Cが得られた後、図2に示す回路構成を構築してANC動作を開始する(S58)。第1再生フィルタ110、第2再生フィルタ120にはそれぞれ得られた特性h1、h2を設定し、二次経路同定フィルタ140には同定された特性Cを設定する。
なお、上記説明した例では、能動消音装置1の基本構成としてフィードフォワード制御に適用しているが、これには限定されない。後述するように、古典フィードバック制御や適応型フィードバック制御など、ANC制御手段を問わず二次経路を任意特性に変更する手法に適用することができる。
(動作原理)
図2において、従来のFiltered−x手法の構成、すなわち図2に示す構成から第1再生フィルタ110、第2再生フィルタ120、DAC122、第2フィルタ124、および第2制御スピーカ126を除いた構成の動作について説明する。理想的な制御フィルタ108の特性Kは、数式3にて表すことができる。
Figure 0006104650
ここで、Gは経路10の経路特性、Gは経路20の経路特性、Fは第1フィルタ102の特性、GA/DはADC104の特性、GD/AはDAC112の特性、Fは第2フィルタ114の特性、Gs1は第1制御スピーカ116の特性、Ge1は第1制御スピーカ116から誤差マイク132までの経路31の特性である。
また、二次経路特性Cは、数式4にて表すことができる。
Figure 0006104650
数式4を数式3に当てはめると、特性Kは数式5のようになる。
Figure 0006104650
すなわち、二次経路特性Cが制御フィルタの特性Kの分母に含まれることがわかる。従って、例えば二次経路特性にノッチ特性がある場合には、制御フィルタの特性が理想的であっても共振特性が生じ得ることになる。一般に制御フィルタは適応的に更新されるため、実際にはFIRフィルタで構築できないような鋭い共振が発生することはないと考えられるが、その場合でも局所最適解に収束することになるから、本来収束すべき特性を得ることができない。
実施形態の能動消音装置1では、経路特性の異なる制御スピーカを複数設けることにより、仮に一つの制御スピーカの経路特性にノッチ特性が含まれていたとしても、他の制御スピーカの経路特性がそれを補完し、二次経路全体としてはノッチ特性などがない経路特性とすることを可能にする。従って、適応制御フィルタを理想的な制御フィルタに近づけることができる。
(具体例)
続いて、図7〜図13を参照して、実施形態に係る能動消音装置の具体例について説明する。図7に示すように、0.4m×0.4m×0.4mの立方体形状のケース160をアクリル板で作成し、騒音源162、第1制御スピーカ116、第2制御スピーカ126、参照マイク100、および、誤差マイク132を配置した。図7に示すように、騒音源162と誤差マイク132は、ケース160の平面方向の概ね対角線上に位置し、それぞれ壁cに沿ってy軸方向に寄せた位置および壁aと壁bとが交わる角部に配置した。参照マイク100は、騒音源162の音の出口近傍に配置した。第1制御スピーカ116は、誤差マイク132から−x方向に0.1m、y方向に0.04m、z方向に0.2mの位置に、音の出口を壁aに向けて配置した。第2制御スピーカ126は、誤差マイク132から−x方向に0.04m、y方向に0.2mの位置に、音の出口を壁bに向けて配置した。
すなわち、第1制御スピーカ116および第2制御スピーカ126は、誤差マイク132を基準に非対称の位置関係に配置され、かつ音の出口方向も異なる方向に向けられている。また、騒音源162の後方の壁cには吸音材を配設した(図3におけるS50)。
かかる条件下において、アンチエイリアス特性をもつ第3フィルタ134aを備えたままで制御帯域調整用のフィルタ134bを外した状態として、第1制御スピーカ116の経路に係る経路特性gおよび第2制御スピーカ126の経路に係る経路特性gを測定したところ、図8A〜図8Cに示す結果が得られた。図8Aは、それぞれの周波数特性、図8B,8Cは、インパルス応答特性である。図8Aに示すように、第1制御スピーカ116に係る経路特性gと第2制御スピーカ126に係る経路特定gとは、互いに異なるものとなっている。例えば、図8Aの1000Hz以上の領域において、第2制御スピーカ126に係る経路特性gではノッチ特性(利得が減少するピーク)が観察されるが、その周波数における第1制御スピーカ116に係る経路特性gでは利得が大きくなるピークとなっており、互いに補完し得る特性が得られたことがわかる。
また、図8Bに示す第1制御スピーカ116に係る経路のインパルス応答と図8Cに示す第2制御スピーカ126に係る経路のインパルス応答から、残響がある空間であることがわかる(図3におけるS52)。
続いて、得られた経路特性g,gを用いて、MINT法により第1再生フィルタ110および第2再生フィルタ120を構築した(図3におけるS54)。図9Aは、参照信号のインパルス応答特性、図9Bは、構築した再生フィルタによる再生音のインパルス応答特性、図9Cは、構築した再生フィルタの周波数特性である。図9Aより、MINT法における目標応答を、9tap目において立ち上がり、200−3500Hzのバンドパスをかけたものとなるようにした。また、MINT法における逆行列構成時に特異値2048個の中から昇順に1000個を用いて逆行列を構成した。これにより、再生フィルタの忠実度は低下するが、再生フィルタの不要なゲイン増加を抑えることができる。図9Bおよび図9Cに示すように、おおよそ目標の応答に形成されていることが確認できた。
次に、二次経路同定を行った(図3におけるS56)。このとき、制御帯域500−2900HzのBPFを制御帯域調整フィルタ134bとして配設した。図10Aは、目標応答をフィルタ134bに通した信号および得られた二次経路同定フィルタ140の特性Cによる再生音の周波数特性、図10Bは、当該参照音のインパルス応答、図10Cは、当該再生音のインパルス応答を示している。図10Aに示すように、2400Hz程度まで十分な忠実度が得られていることがわかる。また、図10Bおよび図10Cに示すように、目標通りのインパルス応答が得られていることが分かる。
図11に最終的な制御結果、図12に第1制御スピーカ116に係る経路のみを用いた場合(従来のFiltered−xシステムと等価)の制御結果を示す(図3におけるS58)。騒音源として白色ノイズを使用した。図11に示すように、第1および第2制御スピーカを用いた場合は、図12に示す第1制御スピーカのみを用いた場合と比較して、制御フィルタの適応制御が良好に行われていることがわかる。特に図12に示す第1制御スピーカのみを用いる場合は、図11に示す第1および第2制御スピーカを用いる場合と比較して、収束速度が遅く、最終的な収束結果も悪いことが読み取れる。
図13は、ANC制御なし(ANC OFF)・第1制御スピーカのみ使用(ANC ON 通常)・第1および第2制御スピーカを使用(ANC ON 提案)、の三つのパターンについて周波数特性を比較した結果を示している。図13に示すように、第1および第2制御スピーカを使う場合の方が、高い制御効果が得られていることがわかる。
なお、この実施形態においては、制御スピーカを二つ設けるものとして説明したが、これには限定されない。二以上の制御スピーカを備えてもよい。この実施形態の能動消音装置によれば、経路特性を変えた複数の制御スピーカを備えたので、制御フィルタの制御を効果的に行うことができる。
(第2の実施形態の構成)
続いて、図14を参照して、第2の実施形態の能動消音装置について説明する。図14に示す能動消音装置2は、Filtered−xなどのフィードフォワード方式ではなく、フィードバック方式を利用したものである。
すなわち、この実施形態の能動消音装置2は、第1の実施形態の能動消音装置から、参照マイク100、第1フィルタ102、ADC104、逆演算部162、ハウリングフィルタ164、二次経路同定フィルタ140およびLMS演算部150を省き、制御フィルタ108に代えてフィードバック制御部208を備えたものである。以下の説明において、図2に示す第1の実施形態と共通する要素については共通の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
図14に示すように、この実施形態の能動消音装置2においても、第1の実施形態と同様に、フィードバック制御部208から第1制御スピーカ116までの構成と、フィードバック制御部208から第2制御スピーカ126までの構成はそれぞれ対応し、共通の構成を有している。そして、第1の実施形態と同様に、第1制御スピーカ116から誤差マイク132までの経路31の特性Ge1および第2制御スピーカ126から誤差マイク132までの経路32の特性Ge2は、互いに異なる特性となるように構成されている。従って、第1再生フィルタ110および第2再生フィルタ120は異なる特性を有している。なお、前述の通り、第1制御スピーカ116の特性Gs1と第2制御スピーカ126の特性Gs2とを異なる特性としてもよい。
この実施形態の能動消音装置2においても、経路特性の異なる制御スピーカの経路を複数設けることにより、仮に一つの制御スピーカの経路特性にノッチ特性が含まれていたとしても、他の制御スピーカの経路特性がそれを補完し、二次経路全体としてはノッチ特性などがない経路特性とすることを可能にする。従って、ノッチや共振がない二次経路特性をもとにフィードバックコントローラを設計することができる。すなわち、設計が容易になるとともに低次のフィルタでの制御を実現することができる。
(第3の実施形態の構成)
続いて、図15を参照して、第3の実施形態の能動消音装置について説明する。図15に示す能動消音装置3は、Filtered−xなどのフィードフォワード方式ではなく、適応型フィードバック方式を利用したものである。
すなわち、この実施形態の能動消音装置3は、第1の実施形態の能動消音装置から、参照マイク100、第1フィルタ102、ADC104、加算器106、逆演算部162およびハウリングフィルタ164を省き、二次経路同定フィルタ140に対応する二次経路同定フィルタ341と、制御フィルタ108の出力を入力に帰還する二次経路同定フィルタ342とを備えたものである。また、この実施形態の能動消音装置3は、図15に示すように、ADC136の出力から二次経路同定フィルタ342の出力を減じて得た推定騒音信号を制御フィルタ108の入力信号とする構成を有している。以下の説明において、図2に示す第1の実施形態と共通する要素については共通の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
図15に示すように、この実施形態の能動消音装置3においても、第1の実施形態と同様に、制御フィルタ108から第1制御スピーカ116までの構成と、制御フィルタ108から第2制御スピーカ126までの構成はそれぞれ対応し、共通の構成を有している。ただし、第1の実施形態と同様に、第1制御スピーカ116から誤差マイク132までの経路31の特性Ge1および第2制御スピーカ126から誤差マイク132までの経路32の特性Ge2は、異なる特性となるように構成されている。従って、第1再生フィルタ110および第2再生フィルタ120は異なる特性を有している。なお、前述の通り、第1制御スピーカ116の特性Gs1と第2制御スピーカ126の特性Gs2とを異なる特性としてもよい。
この実施形態の能動消音装置3においても、経路特性の異なる制御スピーカの経路を複数設けることにより、仮に一つの制御スピーカの経路特性にノッチ特性が含まれていたとしても、他の制御スピーカの経路特性がそれを補完し、二次経路全体としてはノッチ特性などがない経路特性とすることを可能にする。従って、理想的な制御フィルタに適応制御フィルタを近づけることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…能動消音装置、100…参照マイク、102…第1フィルタ、104…ADC、106…加算器、108…制御フィルタ、110…第1再生フィルタ、112,122…DAC、114,124…第2フィルタ、116…第1制御スピーカ、126…第2制御スピーカ、132…誤差マイク、134…第3フィルタ、136…ADC、140…二次経路同定フィルタ、150…LMS演算部。

Claims (9)

  1. 消音の対象となる制御対象音を空間上で低減する消音装置であって、
    前記制御対象音を参照信号に変換する参照マイクと、
    前記制御対象音を含む前記空間上の音を誤差信号に変換する誤差マイクと、
    前記参照信号を変換して前記制御対象音を打ち消すための制御信号を生成する制御フィルタと、
    前記参照信号と前記誤差信号とに基づいて前記制御フィルタの変換特性を制御するフィルタ更新部と、
    第1の駆動信号に基づいて前記空間に音を発する第1の制御スピーカと、
    第2の駆動信号に基づいて前記空間に音を発する第2の制御スピーカと、
    前記第1の制御スピーカから前記誤差マイクまでの経路特性および前記第2の制御スピーカから前記誤差マイクまでの経路特性に基づき前記制御信号を前記第1の駆動信号に変換する第1の再生フィルタと、
    前記第1の制御スピーカから前記誤差マイクまでの経路特性および前記第2の制御スピーカから前記誤差マイクまでの経路特性に基づき前記第1の再生フィルタとは異なる特性で前記制御信号を前記第2の駆動信号に変換する第2の再生フィルタと、
    を具備する消音装置。
  2. 消音の対象となる制御対象音を空間上で低減する消音装置であって、
    前記制御対象音を含む前記空間上の音を誤差信号に変換する誤差マイクと、
    前記誤差信号に基づいて前記制御対象音を打ち消すための制御信号を生成する制御信号生成部と、
    第1の駆動信号に基づいて前記空間に音を発する第1の制御スピーカと、
    第2の駆動信号に基づいて前記空間に音を発する第2の制御スピーカと、
    前記第1の制御スピーカから前記誤差マイクまでの経路特性および前記第2の制御スピーカから前記誤差マイクまでの経路特性に基づき前記制御信号を前記第1の駆動信号に変換する第1の再生フィルタと、
    前記第1の制御スピーカから前記誤差マイクまでの経路特性および前記第2の制御スピーカから前記誤差マイクまでの経路特性に基づき前記第1の再生フィルタとは異なる特性で前記制御信号を前記第2の駆動信号に変換する第2の再生フィルタと、を具備し、
    前記制御信号生成部
    前記第1の再生フィルタおよび前記第2の再生フィルタの入力から前記誤差マイクまでの経路特性に基づき前記制御信号を変換するフィードバックフィルタと、
    前記誤差信号から前記フィードバックフィルタにより変換された信号を引いた推定騒音信号を変換して前記制御信号を生成する制御フィルタと、
    前記推定騒音信号と前記誤差信号とに基づいて前記制御フィルタの変換特性を制御するフィルタ更新部と、
    を具備する消音装置。
  3. 前記第1および第2の再生フィルタは、
    離散時間単位インパルス信号が前記第1の制御スピーカから前記誤差マイクまでの経路および前記第2の制御スピーカから前記誤差マイクまでの経路のうち時間遅れの短い経路に対応する時間遅れよりも大きい時間遅らせるように設定され、
    前記離散時間単位インパルス信号を少なくとも第1および第2の制御スピーカの低域出力限界周波数を考慮したバンドパスフィルタに通過させた特性を目標応答にする請求項1または2記載の消音装置。
  4. 前記誤差マイクが変換した誤差信号の帯域を調整して前記制御フィルタの制御帯域を制御する制御帯域調整フィルタをさらに具備し、
    前記第1の再生フィルタおよび前記第2の再生フィルタの入力から前記誤差マイクまでの経路は、前記第1の再生フィルタおよび前記第2の再生フィルタの入力から前記誤差マイクを経て前記制御帯域調整フィルタまでの経路である請求項1または2記載の消音装置。
  5. 前記第1および第2の制御スピーカは、前記誤差マイクや前記空間の空間特性を基準として非対称となる位置に配置される請求項1または2記載の消音装置。
  6. 前記第1の再生フィルタおよび前記第2の再生フィルタの入力から前記誤差マイクまでの経路特性に基づき前記参照信号を変換する二次経路フィルタをさらに備え、
    前記フィルタ更新部が、前記二次経路フィルタにより変換された信号と前記誤差信号とに基づいて前記制御フィルタの変換特性を制御する、請求項1記載の消音装置。
  7. 前記第1の再生フィルタおよび前記第2の再生フィルタの入力から前記誤差マイクまでの経路特性に基づき前記推定騒音信号を変換する二次経路フィルタをさらに備え、
    前記フィルタ更新部が、前記二次経路フィルタにより変換された信号と前記誤差信号とに基づいて前記制御フィルタの変換特性を制御する、請求項2記載の消音装置。
  8. 参照マイク、誤差マイク、第1の駆動信号に基づいて空間に音を発する第1の制御スピーカ、第2の駆動信号に基づいて前記空間に音を発する第2の制御スピーカを有する消音装置を用いて、消音の対象となる制御対象音を前記空間上で低減する消音方法であって、
    前記参照マイクを用いて前記制御対象音を参照信号に変換し、
    前記誤差マイクを用いて前記制御対象音を含む前記空間上の音を誤差信号に変換し、
    前記参照信号を変換して前記制御対象音を打ち消すための制御信号を生成し、
    前記参照信号と前記誤差信号とに基づいて前記制御信号の生成における変換特性を制御し、
    前記第1の制御スピーカから前記誤差マイクまでの経路特性および前記第2の制御スピーカから前記誤差マイクまでの経路特性に基づき前記制御信号を前記第1の駆動信号に変換し、
    前記第1の制御スピーカから前記誤差マイクまでの経路特性および前記第2の制御スピーカから前記誤差マイクまでの経路特性に基づき前記第1の駆動信号への変換とは異なる特性で前記制御信号を前記第2の駆動信号に変換してなる、消音方法。
  9. 誤差マイク、第1の駆動信号に基づいて空間に音を発する第1の制御スピーカ、第2の駆動信号に基づいて前記空間に音を発する第2の制御スピーカを有する消音装置を用いて、消音の対象となる制御対象音を前記空間上で低減する消音方法であって、
    前記誤差マイクを用いて前記制御対象音を含む前記空間上の音を誤差信号に変換し、
    前記誤差信号に基づいて前記制御対象音を打ち消すための制御信号を生成し、
    前記第1の制御スピーカから前記誤差マイクまでの経路特性および前記第2の制御スピーカから前記誤差マイクまでの経路特性に基づき前記制御信号を前記第1の駆動信号に変換し、
    前記第1の制御スピーカから前記誤差マイクまでの経路特性および前記第2の制御スピーカから前記誤差マイクまでの経路特性に基づき前記第1の駆動信号への変換とは異なる特性で前記制御信号を前記第2の駆動信号に変換し、
    前記制御信号の生成は、
    前記第1の駆動信号への変換の入力および前記第2の駆動信号への変換の入力から前記誤差マイクまでの経路特性に基づき前記制御信号の変換し、
    前記誤差信号から前記制御信号の変換により変換された信号を引いた推定騒音信号を変換して前記制御信号を生成し、
    前記推定騒音信号と前記誤差信号とに基づいて前記推定騒音信号の変換特性を制御する、消音方法。
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