JP2014235240A - 能動騒音制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 参照マイクロホンと誤差マイクロホンとの間のコヒーレンスが低い場合でも、高い消音効果を得ることができる能動騒音制御装置を提供する。【解決手段】 信号処理部14は、参照マイクロホン11から騒音信号が入力されてキャンセル信号を出力する消音フィルタ141cと、騒音信号の離散値を所定数格納するバッファ142aと、誤差マイクロホン12が出力する誤差信号の離散値を所定数格納するバッファ142bと、騒音信号の各離散値と誤差信号の各離散値とを用いて最小二乗規範演算を行うことによってフィルタ係数を算出する係数演算器142dと、係数演算器142dが算出した複数のフィルタ係数を同期加算する同期加算器142eと、同期加算結果からフィルタ係数の平均値を算出し、この算出した平均値を消音フィルタ141cのフィルタ係数に設定する平均演算器142fとで構成される。【選択図】図1

Description

本発明は、能動騒音制御装置に関するものである。
従来、騒音源が発する音が伝播する空間(騒音伝播路)において騒音を低減する技術として、アクティブノイズ制御を用いた能動騒音制御装置がある。アクティブノイズ制御とは、騒音の逆位相、同振幅のキャンセル音を放射することによって、能動的に騒音を低減させる技術である(例えば、特許文献1参照)。
従来の能動騒音制御装置の構成を図14に示す。能動騒音制御装置は、電気機器の筐体、空調ダクト、トンネル等の騒音伝播路101に設けられる。騒音伝播路101の一端側には騒音源102が位置しており、騒音伝播路101の他端側の開口101aから騒音源102が発する騒音が放出される。
騒音伝播路101に設けられた能動騒音制御装置は、参照マイクロホン111、誤差マイクロホン112、スピーカ113、信号処理部114で構成される。
参照マイクロホン111は、騒音伝播路101において騒音源102側に位置する。誤差マイクロホン112は、騒音伝播路101において開口101a側に位置する。スピーカ113は、騒音伝播路101において、参照マイクロホン111と誤差マイクロホン112との間に位置している。すなわち、騒音源102から開口101aに至るまでに、参照マイクロホン111、スピーカ113、誤差マイクロホン112の順に配置されている。
信号処理部114は、増幅器114a,114b,114c、A/D変換器114d,114e、D/A変換器114f、消音制御ブロック114gで構成される。
参照マイクロホン111の出力は、増幅器114aで増幅された後、A/D変換器114dによってA/D変換される。A/D変換器114dの出力は、消音制御ブロック114gに入力される。
誤差マイクロホン112の出力は、増幅器114bで増幅された後、A/D変換器114eによってA/D変換される。A/D変換器114eの出力は、消音制御ブロック114gに入力される。
消音制御ブロック114gから出力されるキャンセル信号は、D/A変換器114fによってD/A変換された後、増幅器114cで増幅される。スピーカ113は、増幅器114cで増幅されたキャンセル信号を入力されて、キャンセル音を出力する。
消音制御ブロック114gは、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor)で構成される。そして、消音制御ブロック114gは、誤差マイクロホン112の設置点(消音点)における音圧レベルが最小になるよう、騒音源102の騒音を打ち消すキャンセル音をスピーカ113から出力することによって、騒音源102から開口101aを通って騒音伝播路101外に伝わる騒音を抑制する。すなわち、消音制御ブロック114gは、アクティブノイズ制御を行うものであり、騒音源102の騒音変化、騒音伝播特性の変化に追従するために、適応フィルタの機能を実現する消音用プログラムを実行する。この適応フィルタのフィルタ係数の更新には、例えば、Filtered−X LMS逐次更新制御アルゴリズムが使用される。
以下、信号処理部114の動作について説明する。
まず、参照マイクロホン111は、騒音源102が発生する騒音を集音した信号(騒音信号)を出力する。A/D変換器114dは、予め決められたサンプリング周波数(ここでは、一例として8kHzとする)で、増幅器114aによって増幅された騒音信号をA/D変換した離散値を出力する。
誤差マイクロホン112は、消音点において、キャンセル音によって消去しきれなかった残留騒音を集音した信号(誤差信号)を出力する。A/D変換器114eは、A/D変換器114dと同じサンプリング周波数で、増幅器114bによって増幅された誤差信号をA/D変換した離散値を出力する。
消音制御ブロック114gにおいて、減算器114iは、A/D変換器114dが出力する信号からハウリングキャンセルフィルタ114h(Howling Cancel Filter)の出力信号を減算する。減算器114iの出力は、消音適応フィルタ114j、フィルタ114kに入力される。フィルタ114kは、スピーカ113から誤差マイクロホン112に至る音波の伝達関数Cを模擬した伝達関数C^をフィルタ係数として設定されたFIRフィルタ(Finite Impulse Response Filter)である。そして、フィルタ114kは、減算器114iの出力と伝達関数C^との畳み込み演算を行う。このフィルタ114kの出力を、参照信号Xとする。
消音適応フィルタ114jは、係数更新部114mによってフィルタ係数を設定されるFIR型の適応フィルタである。
係数更新部114mは、Filtered−X LMS(Least Mean Square)という周知の逐次更新制御アルゴリズムを用いて、消音フィルタ114jのフィルタ係数を更新する。この係数更新部114mは、フィルタ114kが出力する参照信号XとA/D変換器114eが出力する誤差信号eとに基づいて、フィルタ係数を演算する。具体的に、フィルタ係数:W、サンプリング時刻:k、定数:μとすると、
W(k+1)=W(k)+2・μ・X(k)・e(k) (1)式
となる。
そして、係数更新部114mは、サンプリング周期毎に消音フィルタ114jのフィルタ係数Wを更新する。
消音フィルタ114jは、減算器114iの出力とフィルタ係数Wとの畳み込み演算を行うことによって、キャンセル信号を生成する。消音フィルタ114jが出力するキャンセル信号は、D/A変換器114fによってD/A変換が施された後、増幅器114cで増幅され、スピーカ113から出力される。
キャンセル音の波形は、消音点における騒音波形に対して逆位相、同振幅となり、騒音源102から騒音伝播路101を伝播して開口101aから放出される騒音を低減させている。
特開平11−65573号公報
図14に示す従来の能動騒音制御装置において、騒音を打ち消す消音量(消音効果)は、参照マイクロホン111と誤差マイクロホン112との間のコヒーレンス(Coherence)に依存している。
図15(a)(b)は、従来の能動騒音制御装置におけるコヒーレンスおよび期待消音量の各変動を示しており、期待消音量は、コヒーレンスから計算によって求めた値である。また、図16は、従来の能動騒音制御装置におけるコヒーレンスと最大期待消音量との関係を示しており、コヒーレンスCoh(n)と最大期待消音量ATT(n)との間には、(2)式の関係が成立する。なお、最大期待消音量ATT(n)の単位はdB(デシベル)である。
ATT(n)=10・log10(1−Coh(n)) (2)式
すなわち、参照マイクロホン111と誤差マイクロホン112との間のコヒーレンスが高ければ、消音量が大きくなり、騒音の消音効果が高くなる。図15(a)(b)、図16は一例であるが、コヒーレンス0.9の場合、期待消音量10dBとなる。
しかしながら、騒音源102が送風機である場合、騒音伝播路101に発生する乱気流によって、参照マイクロホン111と誤差マイクロホン112との間のコヒーレンスが0.9未満にまで低下することがある。参照マイクロホン111と誤差マイクロホン112との間のコヒーレンスが低くなると、消音量が小さくなり、消音効果が悪化してしまう。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、参照マイクロホンと誤差マイクロホンとの間のコヒーレンスが低い場合でも、高い消音効果を得ることができる能動騒音制御装置を提供することにある。
本発明の能動騒音制御装置は、騒音源から発せられた音が伝播する空間に設けられて騒音信号を出力する第1のマイクロホンと、前記騒音信号に基づいて、前記騒音源から発せられた音を打ち消すキャンセル信号を生成する信号処理部と、前記キャンセル信号をキャンセル音として前記空間に出力するスピーカと、前記空間において、前記騒音源から発せられた音と前記キャンセル音との合成音を集音して誤差信号を出力する第2のマイクロホンとを備え、前記信号処理部は、フィルタ係数を設定され、前記騒音信号が入力されて前記キャンセル信号を出力する消音フィルタと、前記騒音信号に基づく第1の離散値を所定数格納する第1のバッファと、前記誤差信号に基づく第2の離散値を前記所定数格納する第2のバッファと、前記第1のバッファに格納された前記第1の離散値と前記第2のバッファに格納された前記第2の離散値とを用いて最小二乗規範演算を行うことによって前記フィルタ係数を算出する係数演算器と、前記係数演算器が算出した複数の前記フィルタ係数を同期加算する同期加算器と、前記同期加算器の同期加算結果から前記フィルタ係数の平均値を算出し、この算出した平均値を前記消音フィルタの前記フィルタ係数に設定する平均演算器とで構成されることを特徴とする。
本発明の能動騒音制御装置は、騒音源から発せられた音が伝播する空間に設けられて騒音信号を出力する第1のマイクロホンと、前記騒音信号に基づいて、前記騒音源から発せられた音を打ち消すキャンセル信号を生成する信号処理部と、前記キャンセル信号をキャンセル音として前記空間に出力するスピーカと、前記空間において、前記騒音源から発せられた音と前記キャンセル音との合成音を集音して誤差信号を出力する第2のマイクロホンとを備え、前記信号処理部は、フィルタ係数を設定され、前記騒音信号が入力されて前記キャンセル信号を出力する消音フィルタと、前記騒音信号に基づく第1の離散値を所定数格納する第1のバッファと、前記誤差信号に基づく第2の離散値を前記所定数格納する第2のバッファと、前記第1のバッファに格納された前記第1の離散値と前記第2のバッファに格納された前記第2の離散値とを用いて、前記第1のマイクロホンから前記第2のマイクロホンに至る経路における音の伝達関数を周波数領域において算出する伝達関数演算器と、前記伝達関数演算器が算出した複数の前記伝達関数を同期加算する同期加算器と、前記同期加算器の同期加算結果から前記伝達関数の平均値を算出する平均演算器と、前記伝達関数の平均値を用いて前記消音フィルタに設定する前記フィルタ係数を算出する係数演算器とで構成されることを特徴とする。
本発明では、以上説明したように、消音フィルタに設定されたフィルタ係数は、複数のフィルタ係数の同期加算処理を経て算出されるので、外部雑音がフィルタ係数に及ぼす影響は、同期加算処理によって低減されている。したがって、参照マイクロホンと誤差マイクロホンとの間のコヒーレンスが低い場合でも、高い消音効果を得ることができるという効果がある。
また、本発明では、消音フィルタに設定されたフィルタ係数は、同期加算した複数の伝達関数の平均値を用いて算出されるので、外部雑音がフィルタ係数に及ぼす影響は、同期加算処理によって低減されている。したがって、参照マイクロホンと誤差マイクロホンとの間のコヒーレンスが低い場合でも、高い消音効果を得ることができるという効果がある。
実施形態1の能動騒音制御装置の構成を示すブロック図である。 同上の動作を示す説明図である。 (a)(b)同上の消音効果を示す特性図である。 実施形態2の能動騒音制御装置の構成を示すブロック図である。 同上の動作を示す説明図である。 (a)(b)同上の伝達関数の特性を示すグラフ図である。 (a)(b)同上の伝達関数の特性を示すグラフ図である。 (a)(b)同上の伝達関数の特性を示すグラフ図である。 (a)(b)従来の伝達関数の特性を示すグラフ図である。 (a)(b)実施形態2の消音効果を示すグラフ図である。 (a)(b)同上の消音効果を示すグラフ図である。 (a)(b)同上の消音効果を示すグラフ図である。 (a)(b)従来の消音効果を示すグラフ図である。 従来の能動騒音制御装置の構成を示すブロック図である。 (a)(b)従来の消音効果を示す特性図である。 従来のコヒーレンスと最大期待消音量との関係を示すグラフ図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態の能動騒音制御装置の構成を示す。
能動騒音制御装置は、電気機器の筐体、空調ダクト、トンネル等の騒音伝播路1に設けられる。騒音伝播路1の一端側には騒音源2が位置しており、騒音伝播路1の他端側の開口1aから騒音源2が発する騒音が放出される。
騒音伝播路1に設けられた能動騒音制御装置は、参照マイクロホン11、誤差マイクロホン12、スピーカ13、信号処理部14で構成される。
参照マイクロホン11(第1のマイクロホン)は、騒音伝播路1において騒音源2側に位置する。誤差マイクロホン12(第2のマイクロホン)は、騒音伝播路1において開口1a側に位置する。スピーカ13は、騒音伝播路1において、参照マイクロホン11と誤差マイクロホン12との間に位置している。すなわち、騒音源2から開口1aに至るまでに、参照マイクロホン11、スピーカ13、誤差マイクロホン12の順に配置されている。
信号処理部14は、増幅器14a,14b,14c、A/D変換器14d,14e、D/A変換器14f、消音制御ブロック14gで構成される。
まず、参照マイクロホン11は、騒音源2が発生する騒音を集音した信号(騒音信号)を出力する。A/D変換器14dは、予め決められたサンプリング周波数(ここでは、一例として8kHzとする)で、増幅器14aによって増幅された騒音信号をA/D変換した離散値を出力する。A/D変換器14dの出力(離散値)は、サンプリング周期毎に消音制御ブロック14gに入力される。
誤差マイクロホン12は、誤差マイクロホン12の設置点(消音点)において、キャンセル音によって消去しきれなかった残留騒音を集音した信号(誤差信号)を出力する。A/D変換器14eは、A/D変換器14dと同じサンプリング周波数で、増幅器14bによって増幅された誤差信号をA/D変換した離散値を出力する。A/D変換器14eの出力(離散値)は、サンプリング周期毎に消音制御ブロック14gに入力される。
消音制御ブロック14gから出力されるキャンセル信号yは、D/A変換器14fによってD/A変換された後、増幅器14cで増幅される。スピーカ13は、増幅器14cで増幅されたキャンセル信号を入力されて、キャンセル音を出力する。
消音制御ブロック14gは、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor)で構成される。
そして、消音制御ブロック14gは、消音点における音圧レベルが最小になるよう、騒音源2の騒音を打ち消すキャンセル音をスピーカ13から出力することによって、騒音源2から開口1aを通って騒音伝播路1外に伝わる騒音を抑制する。
以下、信号処理部14の動作について、図1、図2を用いて説明する。なお、スピーカ13から参照マイクロホン11に至る音波の伝達関数F、スピーカ13から誤差マイクロホン12に至る音波の伝達関数C、参照マイクロホン11から誤差マイクロホン12に至る音波の伝達関数Tとする。
消音ブロック14gは、実時間処理部141、係数更新部142で構成される。
実時間処理部141は、ハウリングキャンセルフィルタ141a、減算器141b、消音フィルタ141c、フィルタ141d、減算器141eを有する。
係数更新部142は、バッファ142a,142b、フィルタ142c、係数演算器142d、同期加算器142e、平均演算器142fを有する。
実時間処理部141において、ハウリングキャンセルフィルタ141aは、スピーカ13から参照マイクロホン11に至る音波の伝達関数Fを模擬した伝達関数F^をフィルタ係数として設定されたタップ長256のFIRフィルタである。そして、ハウリングキャンセルフィルタ141aは、消音フィルタ141cが出力するキャンセル信号yに伝達関数F^を畳み込み演算する。減算器141bは、A/D変換器14dの出力からハウリングキャンセルフィルタ141aの出力を減じた信号を出力する。すなわち、参照マイクロホン11が集音した対象騒音(騒音源2が発する騒音)の成分r、対象騒音以外のノイズ成分n1とすると、r+n1+F・yからF^・yを減算した信号が、減算器141bから出力される。減算器141bの出力は、消音フィルタ141c、係数更新部142に入力される。ここで、減算器141bの出力は、r+n1とみなすことができる。
消音フィルタ141cは、係数更新部142によってフィルタ係数Wを設定されるタップ長256のFIR型の適応フィルタである。そして、消音フィルタ141cは、減算器141bの出力r+n1にフィルタ係数Wを畳み込み演算することによって、キャンセル信号yを出力する。消音フィルタ141cが出力するキャンセル信号yは、D/A変換器14fによってD/A変換が施された後、増幅器14cで増幅され、スピーカ13から出力される。キャンセル音の波形は、消音点における騒音波形に対して逆位相、同振幅(ほぼ逆位相、同振幅を含む)となり、騒音源2から騒音伝播路1を伝播して開口1aから放出される騒音を低減させている。
また、消音フィルタ141cが出力するキャンセル信号yは、フィルタ141dにも入力される。フィルタ141dは、スピーカ13から誤差マイクロホン12に至る音波の伝達関数Cを模擬した伝達関数C^をフィルタ係数として設定されたタップ長256のFIRフィルタである。そして、フィルタ141dは、キャンセル信号yに伝達関数C^を畳み込み演算する。
減算器141eは、A/D変換器14eの出力からフィルタ141dの出力を減算した信号を出力する。減算器141eの出力は、係数更新部142に入力される。すなわち、誤差マイクロホン12が集音した対象騒音(騒音源2が発する騒音)の成分d、対象騒音以外のノイズ成分n2とすると、d+n2+C・yからC^・yを減算した信号が、減算器141eから出力される。減算器141eの出力は、係数更新部142に入力される。ここで、減算器141eの出力は、d+n2とみなすことができる。
このように、実時間処理部141は、サンプリング周期51(図2参照)を1周期として、キャンセル音yの生成処理、減算器141b,141eの出力処理等を行っている。
そして、係数更新部142では、以下の処理を実行する。
まず、バッファ142a(第1のバッファ)は、減算器141bの出力r+n1(第1の離散値)をサンプリング周期51毎に順次蓄積する。また、バッファ142b(第2のバッファ)は、減算器141eの出力d+n2(第2の離散値)をサンプリング周期51毎に順次蓄積する。図2のバッファ期間52が、バッファ142a,142bに256サンプル分のデータ(r+n1,d+n2)が格納される1周期を示す。バッファ142a,142bは、前回のバッファ期間52における256サンプル分のデータを格納した状態で、今回のバッファ期間52における256サンプル分のデータの格納を開始する。すなわち、バッファ142a,142bは、少なくともバッファ期間52の2周期分のデータを格納できる容量を備えている。
また、フィルタ142cは、スピーカ13から誤差マイクロホン12に至る音波の伝達関数Cを模擬した伝達関数C^をフィルタ係数として設定されたタップ長256のFIRフィルタである。そして、バッファ142aに、減算器141bの出力r+n1がバッファ期間52毎に256サンプル格納されると、フィルタ142cは、データr+n1に伝達関数C^を畳み込み演算したベクトル[h]を係数演算器142dへ出力する。なお、[ ]はベクトルを示すものとする。
また、バッファ142bに、演算器142bの出力d+n2がバッファ期間52毎に256サンプル格納されると、バッファ142bは、この256サンプルのデータd+n2を係数演算器142dへ出力する。
係数演算器142dは、256個のベクトル[h]で構成される畳み込み演算行列H、および要素数256のベクトル[d+n2]に対して、(3)式に示す最小二乗規範演算を行って、フィルタ係数Wを算出する。すなわち、係数演算器142dは、図2のW算出期間53毎に、直前のバッファ期間52でバッファ142a,142bに蓄積されたデータを用いてフィルタ係数Wを算出している。
W=−(HH)−1・H・[d+n2] (3)式
そして、同期加算器142eは、係数演算器142dが上述のフィルタ係数Wを算出する度に、フィルタ係数Wの同期加算処理を行う。同期加算器142eは、この同期加算処理の実行回数が規定回数(ここでは、1000回)に達すると、この1000回分の同期加算結果を平均演算器142fへ出力する。図2の同期加算期間54は、1000回のW算出期間53で構成されており、同期加算器142eは、同期加算期間54において算出された1000個のフィルタ係数Wの同期加算を行っている。
平均演算器142fは、同期加算期間54に続く平均化期間55において、1000個のフィルタ係数Wの同期加算結果を1000で除することによって、フィルタ係数Wの平均値を算出する。
そして、平均演算器142fは、平均化期間55に続く更新期間56(図2参照)において、算出したフィルタ係数Wの平均値を消音フィルタ141cに設定する。この平均演算器142fによるフィルタ係数Wの更新処理は、サンプリング周波数8kHzとすると、(1/8000)×256×1000=32秒毎に1回実行されている。
この消音フィルタ141cに設定されたフィルタ係数Wは、1000個のフィルタ係数Wの同期加算処理を経て算出される。そして、ノイズ成分n1,n2は白色雑音とみなすことができるので、ノイズ成分n1,n2がフィルタ係数Wに及ぼす影響は、同期加算処理によって低減されている。したがって、参照マイクロホン11と誤差マイクロホン12との間のコヒーレンスが低下した場合でも、高い消音量を維持できるので、コヒーレンス≪1である場合でも高い消音効果を得ることが可能になる。
図3(a)(b)は、本実施形態の能動騒音制御装置におけるコヒーレンスと期待消音量との関係を示しており、コヒーレンスが増減しても従来(図15(a)(b)参照)に比べて高い消音量を維持でき、コヒーレンスが低下した場合であっても高い消音効果を得ることができる。
また、能動騒音制御装置は、フィルタ係数Wの更新を定期的に行うことによって、環境の経時変化に適応してフィルタ係数Wを更新している。このフィルタ係数Wの更新処理は、一定の周期で定期的に実行する構成以外に、音響環境の変化時に随時行う構成であってもよい。例えば、参照マイクロホン11、または誤差マイクロホン12、または参照マイクロホン11および誤差マイクロホン12の両方が集音した信号に所定以上の変化が生じた場合に、フィルタ係数Wの更新処理を実行する。
このように、本実施形態の能動騒音制御装置は、騒音源2から発せられた音が伝播する騒音伝播路1に設けられて騒音信号を出力する参照マイクロホン11と、騒音信号に基づいて、騒音源2から発せられた音を打ち消すキャンセル信号を生成する信号処理部14と、キャンセル信号をキャンセル音として騒音伝播路1に出力するスピーカ13と、騒音伝播路1において、騒音源2から発せられた音とキャンセル音との合成音を集音して誤差信号を出力する誤差マイクロホン12とを備える。そして、信号処理部14は、フィルタ係数Wを設定され、騒音信号が入力されてキャンセル信号を出力する消音フィルタ141cと、騒音信号の離散値を所定数格納するバッファ142aと、誤差信号の離散値を所定数格納するバッファ142bとを備える。さらに、信号処理部14は、バッファ142aに格納された騒音信号の各離散値とバッファ142bに格納された誤差信号の各離散値とを用いて最小二乗規範演算を行うことによってフィルタ係数Wを算出する係数演算器142dを備える。さらに、信号処理部14は、係数演算器142dが算出した複数のフィルタ係数Wを同期加算する同期加算器142eと、同期加算器142eの同期加算結果からフィルタ係数Wの平均値を算出し、この算出した平均値を消音フィルタ141cのフィルタ係数に設定する平均演算器142fとを備える。
(実施形態2)
図4は、本実施形態の能動騒音制御装置の構成を示す。
能動騒音制御装置は、電気機器の筐体、空調ダクト、トンネル等の騒音伝播路1に設けられる。騒音伝播路1の一端側には騒音源2が位置しており、騒音伝播路1の他端側の開口1aから騒音源2が発する騒音が放出される。
騒音伝播路1に設けられた能動騒音制御装置は、参照マイクロホン11、誤差マイクロホン12、スピーカ13、信号処理部14で構成される。
参照マイクロホン11(第1のマイクロホン)は、騒音伝播路1において騒音源2側に位置する。誤差マイクロホン12(第2のマイクロホン)は、騒音伝播路1において開口1a側に位置する。スピーカ13は、騒音伝播路1において、参照マイクロホン11と誤差マイクロホン12との間に位置している。すなわち、騒音源2から開口1aに至るまでに、参照マイクロホン11、スピーカ13、誤差マイクロホン12の順に配置されている。
信号処理部14は、増幅器14a,14b,14c、A/D変換器14d,14e、D/A変換器14f、消音制御ブロック14gで構成される。
まず、参照マイクロホン11は、騒音源2が発生する騒音を集音した信号(騒音信号)を出力する。A/D変換器14dは、予め決められたサンプリング周波数(ここでは、一例として8kHzとする)で、増幅器14aによって増幅された騒音信号をA/D変換した離散値を出力する。A/D変換器14dの出力(離散値)は、サンプリング周期毎に消音制御ブロック14gに入力される。
誤差マイクロホン12は、誤差マイクロホン12の設置点(消音点)において、キャンセル音によって消去しきれなかった残留騒音を集音した信号(誤差信号)を出力する。A/D変換器14eは、A/D変換器14dと同じサンプリング周波数で、増幅器14bによって増幅された誤差信号をA/D変換した離散値を出力する。A/D変換器14eの出力(離散値)は、サンプリング周期毎に消音制御ブロック14gに入力される。
消音制御ブロック14gから出力されるキャンセル信号yは、D/A変換器14fによってD/A変換された後、増幅器14cで増幅される。スピーカ13は、増幅器14cで増幅されたキャンセル信号を入力されて、キャンセル音を出力する。
消音制御ブロック14gは、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor)で構成される。
そして、消音制御ブロック14gは、消音点における音圧レベルが最小になるよう、騒音源2の騒音を打ち消すキャンセル音をスピーカ13から出力することによって、騒音源2から開口1aを通って騒音伝播路1外に伝わる騒音を抑制する。
以下、信号処理部14の動作について、図4、図5を用いて説明する。なお、スピーカ13から参照マイクロホン11に至る音波の伝達関数F、スピーカ13から誤差マイクロホン12に至る音波の伝達関数C、参照マイクロホン11から誤差マイクロホン12に至る音波の伝達関数Tとする。
消音ブロック14gは、実時間処理部141、係数更新部143で構成される。
実時間処理部141は、ハウリングキャンセルフィルタ141a、減算器141b、消音フィルタ141c、フィルタ141d、減算器141eを有する。
係数更新部143は、バッファ143a,143b、FFT演算器143c,143d、伝達関数演算器143e、同期加算器143f、平均/IFFT演算器143g、係数演算器143h、係数記憶部143iを有する。
実時間処理部141において、ハウリングキャンセルフィルタ141aは、スピーカ13から参照マイクロホン11に至る音波の伝達関数Fを模擬した伝達関数F^をフィルタ係数として設定されたタップ長256のFIRフィルタである。そして、ハウリングキャンセルフィルタ141aは、消音フィルタ141cが出力するキャンセル信号yに伝達関数F^を畳み込み演算する。減算器141bは、A/D変換器14dの出力からハウリングキャンセルフィルタ141aの出力を減じた信号を出力する。すなわち、参照マイクロホン11が集音した対象騒音(騒音源2が発する騒音)の成分r、対象騒音以外のノイズ成分n1とすると、r+n1+F・yからF^・yを減算した信号が、減算器141bから出力される。減算器141bの出力は、消音フィルタ141c、係数更新部143に入力される。ここで、減算器141bの出力は、r+n1とみなすことができる。
消音フィルタ141cは、係数更新部143によってフィルタ係数Wを設定されるタップ長256のFIR型の適応フィルタである。そして、消音フィルタ141cは、減算器141bの出力r+n1にフィルタ係数Wを畳み込み演算することによって、キャンセル信号yを出力する。消音フィルタ141cが出力するキャンセル信号yは、D/A変換器14fによってD/A変換が施された後、増幅器14cで増幅され、スピーカ13から出力される。キャンセル音の波形は、消音点における騒音波形に対して逆位相、同振幅(ほぼ逆位相、同振幅を含む)となり、騒音源2から騒音伝播路1を伝播して開口1aから放出される騒音を低減させている。
また、消音フィルタ141cが出力するキャンセル信号yは、フィルタ141dにも入力される。フィルタ141dは、スピーカ13から誤差マイクロホン12に至る音波の伝達関数Cを模擬した伝達関数C^をフィルタ係数として設定されたタップ長256のFIRフィルタである。そして、フィルタ141dは、キャンセル信号yに伝達関数C^を畳み込み演算する。
減算器141eは、A/D変換器14eの出力からフィルタ141dの出力を減算した信号を出力する。減算器141eの出力は、係数更新部143に入力される。すなわち、誤差マイクロホン12が集音した対象騒音(騒音源2が発する騒音)の成分d、対象騒音以外のノイズ成分n2とすると、d+n2+C・yからC^・yを減算した信号が、減算器141eから出力される。減算器141eの出力は、係数更新部143に入力される。ここで、減算器141eの出力は、d+n2とみなすことができる。
このように、実時間処理部141は、サンプリング周期61(図5参照)を1周期として、キャンセル音yの生成処理、減算器141b,141eの出力処理等を行っている。
そして、係数更新部143では、以下の処理を実行する。
まず、バッファ143a(第1のバッファ)は、減算器141bの出力r+n1(第1の離散値)をサンプリング周期61毎に順次蓄積する。また、バッファ143b(第2のバッファ)は、減算器141eの出力d+n2(第2の離散値)をサンプリング周期61毎に順次蓄積する。図5のバッファ期間62は、バッファ143a,143bに256サンプル分のデータ(r+n1,d+n2)が格納される1周期を示す。バッファ143a,143bは、前回のバッファ期間62における256サンプル分のデータを格納した状態で、今回のバッファ期間62における256サンプル分のデータの格納を開始する。すなわち、バッファ143a,143bは、少なくともバッファ期間62の2周期分のデータを格納できる容量を備えている。
そして、バッファ143aに、減算器141bの出力r+n1がバッファ期間62毎に256サンプル格納されると、FFT演算器143cは、この256サンプルのr+n1に対してFFT(Fast Fourier Transform)処理を実行する。FFT演算器143cは、r+n1にFFT処理を施した周波数領域データRを出力する。
また、バッファ143bに、減算器141eの出力d+n2がバッファ期間62毎に256サンプル格納されると、FFT演算器143dは、この256サンプルのd+n2に対してFFT処理を実行する。FFT演算器143dは、d+n2にFFT処理を施した周波数領域データDを出力する。
伝達関数演算器143eは、周波数領域データR,Dに対して、(4)式に示す演算を行って、伝達関数Tを算出する。但し、Dは、Dの共役複素数を示す。すなわち、伝達関数演算器143eは、図5のT算出期間63毎に、直前のバッファ期間62でバッファ143a,143bに蓄積されてFFT処理を施されたデータを用いて、伝達関数Tの算出処理を行っている。
T=(R・D)/(D・D) (4)式
そして、同期加算器143fは、伝達関数演算器143eが上述の伝達関数Tを算出する度に、伝達関数Tの同期加算処理を行う。同期加算器143fは、この同期加算処理の実行回数が規定回数(ここでは、1000回)に達すると、この1000回分の同期加算結果を平均/IFFT演算器143gへ出力する。図5の同期加算期間64は、1000回のT算出期間63で構成されており、同期加算器143fは、同期加算期間64において算出された1000個の伝達関数Tの同期加算を行っている。
平均/IFFT演算器143g(平均演算器)は、同期加算期間64に続く演算期間65において、伝達関数Tの平均化処理、伝達関数TのIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理を行う。
演算期間65において、平均/IFFT演算器143gは、1000個の伝達関数Tの同期加算結果を1000で除することによって、伝達関数Tの平均値を算出する。
さらに平均/IFFT演算器143gは、演算期間65において、伝達関数Tの平均値に対してIFFT処理を実行する。このIFFT処理を実行した伝達関数Tの平均値にTavの符号を付す。
そして、係数演算器143hは、演算期間65においてフィルタ係数Wを算出する。係数記憶部143iは伝達関数C^を記憶しており、係数演算器143hは、平均化された伝達関数Tavと、係数記憶部143iの伝達関数C^とを用いて、(5)式に示す演算を行ってフィルタ係数Wを算出する。
W=−C^−1・Tav (5)式
そして、係数演算器143hは、演算期間65に続く更新期間66(図5参照)において、算出したフィルタ係数Wを消音フィルタ141cに設定する。この係数演算器143hによるフィルタ係数Wの更新処理は、サンプリング周波数8kHzとすると、(1/8000)×256×1000=32秒毎に1回実行されている。
この消音フィルタ141cに設定されたフィルタ係数Wは、同期加算した1000個の伝達関数Tの平均値を用いて算出される。そして、ノイズ成分n1,n2は白色雑音とみなすことができるので、ノイズ成分n1,n2がフィルタ係数Wに及ぼす影響は、同期加算処理によって低減されている。したがって、参照マイクロホン11と誤差マイクロホン12との間のコヒーレンスが低下した場合でも、高い消音量を維持できるので、コヒーレンス≪1である場合でも高い消音効果を得ることが可能になる。
また、能動騒音制御装置は、フィルタ係数Wの更新を定期的に行うことによって、環境の経時変化に適応してフィルタ係数Wを更新している。このフィルタ係数Wの更新処理は、一定の周期で定期的に実行する構成以外に、音響環境の変化時に随時行う構成であってもよい。例えば、参照マイクロホン11、または誤差マイクロホン12、または参照マイクロホン11および誤差マイクロホン12の両方が集音した信号に所定以上の変化が生じた場合に、フィルタ係数Wの更新処理を実行する。
また、同期加算器143fが同期加算する伝達関数Tの個数が多いほど、平均/IFFT演算器143gで平均化された伝達関数が真の伝達関数T0(実際の伝達関数T0)に近付き、係数演算器143hが算出するフィルタ係数Wによる消音効果が増大する。
例えば、10個の伝達関数Tの同期加算を行って平均化された伝達関数T1、真の伝達関数T0を図6(a)(b)に示す。図6(a)は伝達関数の振幅を示し、図6(b)は伝達関数の位相を示す。また、図6(a)(b)において、実線は、伝達関数T1の特性を示し、破線は真の伝達関数T0の特性を示す。
また、100個の伝達関数Tの同期加算を行って平均化された伝達関数T2、真の伝達関数T0を図7(a)(b)に示す。図7(a)は伝達関数の振幅を示し、図7(b)は伝達関数の位相を示す。また、図7(a)(b)において、実線は、伝達関数T2の特性を示し、破線は真の伝達関数T0の特性を示す。
また、1000個の伝達関数Tの同期加算を行って平均化された伝達関数T3、真の伝達関数T0を図8(a)(b)に示す。図8(a)は伝達関数の振幅を示し、図8(b)は伝達関数の位相を示す。また、図8(a)(b)において、実線は、伝達関数T3の特性を示し、破線は真の伝達関数T0の特性を示す。
また、従来技術であるFiltered−X LMSを用いて求めた伝達関数Ts、真の伝達関数T0を図9(a)(b)に示す。図9(a)は伝達関数の振幅を示し、図9(b)は伝達関数の位相を示す。また、図9(a)(b)において、実線は、伝達関数Tsの特性を示し、破線は真の伝達関数T0の特性を示す。
図6(a)(b)〜図8(a)(b)から、伝達関数T1より伝達関数T2、伝達関数T2より伝達関数T3のほうが、真の伝達関数T0により近付いていることが判る。さらに、図6(a)(b)〜図9(a)(b)から、従来技術で求めた伝達関数Tsより、本実施形態の伝達関数T1〜T3のほうが、真の伝達関数T0により近付いていることが判る。
そして、図10は、伝達関数T1を用いて算出されたフィルタ係数Wによる消音効果を示す。また、図11は、伝達関数T2を用いて算出されたフィルタ係数Wによる消音効果を示す。また、図12は、伝達関数T3を用いて算出されたフィルタ係数Wによる消音効果を示す。また、図13は、伝達関数Tsを用いて算出されたフィルタ係数Wによる消音効果を示す。なお、図10〜図13において、実線は、伝達関数T1,T2,T3,Tsを用いた場合の消音点における音圧(振幅)を示し、破線(Toff)はキャンセル音の出力を停止させた場合の消音点における音圧(振幅)を示す。
図10〜図12から、伝達関数T1より伝達関数T2を用いたフィルタ係数制御、伝達関数T2より伝達関数T3を用いたフィルタ係数制御のほうが、消音効果が高いことが判る。また、図10〜図13から、従来技術で求めた伝達関数Tsを用いたフィルタ係数制御より、本実施形態の伝達関数T1〜T3を用いたフィルタ係数制御のほうが、消音効果が高いことが判る。
このように、本実施形態の能動騒音制御装置は、騒音源2から発せられた音が伝播する騒音伝播路1に設けられて騒音信号を出力する参照マイクロホン11と、騒音信号に基づいて、騒音源2から発せられた音を打ち消すキャンセル信号を生成する信号処理部14と、キャンセル信号をキャンセル音として騒音伝播路1に出力するスピーカ13と、騒音伝播路1において、騒音源2から発せられた音とキャンセル音との合成音を集音して誤差信号を出力する誤差マイクロホン12とを備える。そして、信号処理部14は、フィルタ係数を設定され、騒音信号が入力されてキャンセル信号を出力する消音フィルタ141cと、騒音信号の離散値を所定数格納するバッファ143aと、誤差信号の離散値を所定数格納するバッファ143bとを備える。さらに、信号処理部14は、バッファ143aに格納された騒音信号の各離散値とバッファ143bに格納された誤差信号の各離散値とを用いて、参照マイクロホン11から誤差マイクロホン12に至る経路における音の伝達関数Tを周波数領域において算出する伝達関数演算器143eを備える。さらに、信号処理部14は、伝達関数演算器143eが算出した複数の伝達関数Tを同期加算する同期加算器143fを備える。さらに、信号処理部14は、同期加算器143fの同期加算結果から伝達関数Tの平均値を算出する平均/IFFT演算器143gと、伝達関数Tの平均値を用いて消音フィルタ141cに設定するフィルタ係数Wを算出する係数演算器143hとを備える。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
1 騒音伝播路
2 騒音源
11 参照マイクロホン(第1のマイクロホン)
12 誤差マイクロホン(第2のマイクロホン)
13 スピーカ
14 信号処理部
141c 消音フィルタ
142a バッファ(第1のバッファ)
142b バッファ(第2のバッファ)
142d 係数演算器
142e 同期加算器
142f 平均演算器

Claims (2)

  1. 騒音源から発せられた音が伝播する空間に設けられて騒音信号を出力する第1のマイクロホンと、
    前記騒音信号に基づいて、前記騒音源から発せられた音を打ち消すキャンセル信号を生成する信号処理部と、
    前記キャンセル信号をキャンセル音として前記空間に出力するスピーカと、
    前記空間において、前記騒音源から発せられた音と前記キャンセル音との合成音を集音して誤差信号を出力する第2のマイクロホンとを備え、
    前記信号処理部は、
    フィルタ係数を設定され、前記騒音信号が入力されて前記キャンセル信号を出力する消音フィルタと、
    前記騒音信号に基づく第1の離散値を所定数格納する第1のバッファと、
    前記誤差信号に基づく第2の離散値を前記所定数格納する第2のバッファと、
    前記第1のバッファに格納された前記第1の離散値と前記第2のバッファに格納された前記第2の離散値とを用いて最小二乗規範演算を行うことによって前記フィルタ係数を算出する係数演算器と、
    前記係数演算器が算出した複数の前記フィルタ係数を同期加算する同期加算器と、
    前記同期加算器の同期加算結果から前記フィルタ係数の平均値を算出し、この算出した平均値を前記消音フィルタの前記フィルタ係数に設定する平均演算器とで構成される
    ことを特徴とする能動騒音制御装置。
  2. 騒音源から発せられた音が伝播する空間に設けられて騒音信号を出力する第1のマイクロホンと、
    前記騒音信号に基づいて、前記騒音源から発せられた音を打ち消すキャンセル信号を生成する信号処理部と、
    前記キャンセル信号をキャンセル音として前記空間に出力するスピーカと、
    前記空間において、前記騒音源から発せられた音と前記キャンセル音との合成音を集音して誤差信号を出力する第2のマイクロホンとを備え、
    前記信号処理部は、
    フィルタ係数を設定され、前記騒音信号が入力されて前記キャンセル信号を出力する消音フィルタと、
    前記騒音信号に基づく第1の離散値を所定数格納する第1のバッファと、
    前記誤差信号に基づく第2の離散値を前記所定数格納する第2のバッファと、
    前記第1のバッファに格納された前記第1の離散値と前記第2のバッファに格納された前記第2の離散値とを用いて、前記第1のマイクロホンから前記第2のマイクロホンに至る経路における音の伝達関数を周波数領域において算出する伝達関数演算器と、
    前記伝達関数演算器が算出した複数の前記伝達関数を同期加算する同期加算器と、
    前記同期加算器の同期加算結果から前記伝達関数の平均値を算出する平均演算器と、
    前記伝達関数の平均値を用いて前記消音フィルタに設定する前記フィルタ係数を算出する係数演算器とで構成される
    ことを特徴とする能動騒音制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108877758A (zh) * 2018-07-04 2018-11-23 北京安声科技有限公司 一种空间场主动降噪方法
WO2022201520A1 (ja) * 2021-03-26 2022-09-29 本田技研工業株式会社 能動型騒音制御装置、能動型騒音制御方法、プログラム及び非一時的な有形のコンピュータ可読記憶媒体

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