JP6555014B2 - 能動騒音制御装置、能動騒音制御プログラム、及び能動騒音制御方法 - Google Patents

能動騒音制御装置、能動騒音制御プログラム、及び能動騒音制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、能動騒音制御装置、能動騒音制御プログラム、及び能動騒音制御方法に関し、例えば、空調や電気機器の筐体などのダクトに用いられる騒音制御装置、騒音制御プログラム、及び騒音制御方法に適用し得るものである。
空調や電気機器の筐体などのダクトでは、装置の駆動音やファンが騒音源となり騒音が発生する。発生した騒音はダクト内の空間を伝播し、ダクトの吹き出し口から放出され、騒音問題の原因となっている。このようなダクトによる騒音を低減する方法に関して、これまでも多くの研究、開発が行なわれている。
ダクトの騒音を低減する1つの手法として、能動騒音制御(Active Noise Control、以下、「ANC」と呼ぶ)装置を使用する手法がある。
ANC装置とは、騒音の逆位相、同振幅の制御音を生成し、騒音を能動的に低減(消音)する手法である。このANC装置を使用してダクトの騒音を低減する手法が非特許文献1によって提案されている。
非特許文献1に開示されるANC装置は、フィードフォワード型のANC装置であり、参照マイクの入力信号と誤差マイクの入力信号と計測した2次経路のインパルス応答と計測したフィードバック経路のインパルス応答に基づいて、FIR(Finite Impulse Response)型の適応フィルタのフィルタ係数をFiltered−X LMS(Least Mean Square)アルゴリズムで逐次更新することで、誤差マイクの設置点(消去点、または制御点)の騒音を低減する制御信号を生成し、制御スピーカから制御信号を出力することで誤差マイクの設置点の騒音を低減する。
SEN M.KUO et al.:Active Noise Control: A Tutorial Review,PROCEEDINGS OF THE IEEE, VOL. 87, NO. 6, JUNE 1999
しかしながら、非特許文献1に記載のANC装置では、ダクトの断面積が小さい場合(例えば、直径または1辺が数センチ〜数十センチ以下のダクト)、計測した2次経路のインパルス応答は、残響成分が多いインパルス応答になる。そのような2次経路のインパルス応答に参照マイクの入力信号を畳み込んで生成する濾波参照信号と誤差マイクの入力信号は相関が小さいため、適応フィルタのフィルタ係数が正しく更新されず、誤差マイクの設置点で騒音を低減できない。
2次経路の残響成分を低減するために、ダクトの内部に吸音材や遮音材などを設置する受動騒音制御(Passive Noise Control、以下、「PNC」と呼ぶ)装置がANC装置と併用されるが、2次経路の全ての残響成分を低減することは不可能であり、残響成分が残っている限り適応フィルタのフィルタ係数の更新は正しく行われず、ANC装置の性能を十分に発揮できない。図2は、断面積が小さいダクト(PNC装置なし)の2次経路のインパルス応答の計測結果を示す説明図である。また、図3は、断面積が小さいダクト(PNC装置あり)の2次経路のインパルス応答の計測結果を示す説明図である。図2と図3を比較すると、図3で示す2次経路のインパルス応答は、図2に比べれば残響成分が小さくなっているが、それでも残響成分が残っている点が見て取れる。
そのため、ダクトの断面積が小さく、2次経路のインパルス応答に残響成分が残っている場合でも、残響成分を除去し、適応フィルタのフィルタ係数の更新を正しく行い、誤差マイクの設置点の騒音を低減できるANC装置が望まれる。
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、第1の本発明の能動騒音抑圧装置は、(1)消音の対象となる騒音が伝播する管内の騒音源付近に設置され、上記騒音を受音する第1のマイクと、(2)上記管内の開口部付近に設置され、上記管内の開口部付近の音を受音する第2のマイクと、(3)上記第2のマイクまで伝播した上記騒音を低減する制御信号を上記管内に出力するスピーカと、(4)上記スピーカから出力する上記制御信号と、上記スピーカから上記第2のマイクに至る2次経路の残響成分のインパルス応答とを用いて、上記スピーカから出力され、上記第2のマイクで受音される上記制御信号の推定残響音を算出する制御信号残響成分計算部と、(5)上記第2のマイクの入力信号から上記推定残響音を差し引くことで上記推定残響音を除去した第2のマイク入力信号を算出する制御信号残響成分除去部と、(6)上記第1のマイクの入力信号と、上記推定残響音を除去した第2のマイク入力信号と、1時刻前の上記制御信号と、計測した上記スピーカから上記第1のマイクに至るフィードバック経路のインパルス応答と、計測した上記2次経路のインパルス応答とを用いて、上記制御信号を算出し、算出した制御信号を上記スピーカに出力し、適応フィルタのフィルタ係数を更新する適応フィルタ部とを有することを特徴とする。
第2の本発明の能動騒音抑圧プログラムは、(1)消音の対象となる騒音が伝播する管内の騒音源付近に設置され、上記騒音を受音する第1のマイクと、(2)上記管内の開口部付近に設置され、上記管内の開口部付近の音を受音する第2のマイクと、(3)上記第2のマイクまで伝播した上記騒音を低減する制御信号を上記管内に出力するスピーカとを有する能動騒音抑圧装置に搭載されるコンピュータを、(4)上記スピーカから出力する上記制御信号と、上記スピーカから上記第2のマイクに至る2次経路の残響成分のインパルス応答とを用いて、上記スピーカから出力され、上記第2のマイクで受音される上記制御信号の推定残響音を算出する制御信号残響成分計算部と、(5)上記第2のマイクの入力信号から上記推定残響音を差し引くことで上記推定残響音を除去した第2のマイク入力信号を算出する制御信号残響成分除去部と、(6)上記第1のマイクの入力信号と、上記推定残響音を除去した第2のマイク入力信号と、1時刻前の上記制御信号と、計測した上記スピーカから上記第1のマイクに至るフィードバック経路のインパルス応答と、計測した上記2次経路のインパルス応答とを用いて、上記制御信号を算出し、算出した制御信号を上記スピーカに出力し、適応フィルタのフィルタ係数を更新する適応フィルタ部として機能させることを特徴とする。
第3の本発明の能動騒音抑圧方法は、第1のマイク、スピーカ、第2のマイク、制御信号残響成分計算部、制御信号残響成分除去部、適応フィルタ部を有し、(1)上記第1のマイクは、消音の対象となる騒音が伝播する管内の騒音源付近に設置され、上記騒音を受音し、(2)上記第2のマイクは、上記管内の開口部付近に設置され、上記管内の開口部付近の音を受音し、(3)上記スピーカは、上記第2のマイクまで伝播した上記騒音を低減する制御信号を上記管内に出力し、(4)上記制御信号残響成分計算部は、上記スピーカから出力する上記制御信号と、上記スピーカから上記第2のマイクに至る2次経路の残響成分のインパルス応答とを用いて、上記スピーカから出力され、上記第2のマイクで受音される上記制御信号の推定残響音を算出し、(5)制御信号残響成分除去部は、上記第2のマイクの入力信号から上記推定残響音を差し引くことで上記推定残響音を除去した第2のマイク入力信号を算出し、(6)上記適応フィルタ部は、上記第1のマイクの入力信号と、上記推定残響音を除去した第2のマイク入力信号と、1時刻前の上記制御信号と、計測した上記スピーカから上記第1のマイクに至るフィードバック経路のインパルス応答と、計測した上記2次経路のインパルス応答とを用いて、上記制御信号を算出し、算出した制御信号を上記スピーカに出力し、適応フィルタのフィルタ係数を更新することを特徴とする。
本発明によれば、2次経路のインパルス応答に残響成分が残っている場合でも、適応フィルタのフィルタ係数の更新を正しく行い、誤差マイクの設置点の騒音を低減でき、ANC装置の性能を十分に発揮できる。
実施形態のANC装置の構成を示すブロック図である。 断面積が小さいダクトの2次経路インパルス応答である。 断面積が小さいダクトの内部に吸音材を設置したときの2次経路インパルス応答である。
(A)主たる実施形態
以下では、本発明の能動騒音制御装置、能動騒音制御プログラム、及び能動騒音制御方法の一実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施形態は、例えば、ダクトの騒音制御システムに本発明の能動騒音制御装置、能動騒音制御プログラム、及び能動騒音制御方法を適用した場合を例示したものである。
(A−1)本発明の実施形態の構成
図1は、本発明の実施形態に係るANC装置100の構成を示すブロック図である。
本発明の実施形態に係るANC装置100は、例えば、専用ボードとして構築されるようにしても良いし、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)へのANCプログラムの書き込みによって実現されたものであっても良く、CPUと、CPUが実行するソフトウェア(ANCプログラム)によって実現されたものであっても良いが、機能的には、図1で表すことができる。
図1において、この実施形態に係るANC装置100は、参照マイク101、マイクアンプ102(102a、102b)、AD変換器103(103a、103b)、ANC部104、誤差マイク106、DA変換器109、スピーカアンプ110、制御スピーカ111を有する。
(A−2)本発明の実施形態の動作
本発明の実施形態に係るANC装置100の動作を詳細に説明する。
参照マイク101は、ダクトDの騒音源Sが発する騒音等を受音するマイクである。なお、騒音源Sが発する騒音は、例えば、ファンの音、装置の駆動音である。
誤差マイク106は、ダクトDの吹き出し口Hから放音される騒音等を受音するマイクである。
マイクアンプ102(102a、102b)は、参照マイク101又は誤差マイク106により受音された入力信号を増幅するものである。
AD変換器103(103a、103b)は、マイクアンプ102により増幅された入力信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するものである。以下、AD変換器103aで変換された入力信号を「参照マイク入力信号」と、AD変換器103bで変換された入力信号「誤差マイク入力信号」とする。
DA変換器109は、後述するANC部104内で算出した制御信号をデジタル信号からアナログ信号に変換するものである。
なお、この実施形態のダクトDの内部のスピーカから誤差マイク付近には、吸音材や遮音材などを利用したPNC装置Pが設置されているものとする。また、この実施形態のダクトDは、断面が円の場合は直径数センチ〜数十センチ以下、断面が方形の場合は1辺が直径数センチ〜数十センチ以下の大きさのダクトを想定している。
ANC部104は、参照マイク入力信号と誤差マイク入力信号から、吹き出し口H(誤差マイク106の設置点)から放音される騒音源Sの騒音を低減する制御信号を生成するものである。なお、ANC部104は、予め、騒音源Sが停止しているときに、フィードバック経路P3のインパルス応答と2次経路P2のインパルス応答を計測する。また、ANC部104は、計測したフィードバック経路P3のインパルス応答を、後述するフィードバック経路フィルタ部112に、計測した2次経路P2のインパルス応答を、後述する2次経路フィルタ部115に保持する。さらに、ANC部104は、計測した2次経路P2のインパルス応答から算出した2次経路P2の残響成分のインパルス応答を後述する制御信号残響成分計算部116に保持する。
ANC部104は、参照マイク入力端子105、誤差マイク入力端子107、制御信号出力端子108、フィードバック経路フィルタ部112、フィードバック成分除去部113、2次経路フィルタ部115、制御信号残響成分計算部116、制御信号残響除去部117、適応フィルタ係数更新部118、適応フィルタ部114を有する。
参照マイク入力端子105は、参照マイク入力信号をANC部104へ入力するインタフェースである。
誤差マイク入力端子107は、誤差マイク入力信号をANC部104へ入力するインタフェースである。
制御信号出力端子108は、ANC部104で算出した制御音を外部へ出力するインタフェースである。
フィードバック経路フィルタ部112は、フィードバック経路P3のインパルス応答と制御信号から制御信号の推定フィードバック信号を算出するものである。フィードバック経路フィルタ部112は、算出した推定フィードバック信号をフィードバック成分除去部113へ出力する。
フィードバック成分除去部113は、参照マイク入力信号に含まれるフィードバック信号(制御スピーカ111から出力する制御信号がダクトD内の空間を伝わり参照マイク101に受音される信号)を除去するものである。フィードバック成分除去部113は、フィードバック信号を除去した参照マイク入力信号を2次経路フィルタ部115及び適応フィルタ部114に出力する。
2次経路フィルタ部115は、フィードバック信号を除去した参照マイク入力信号と計測した2次経路P2のインパルス応答から、濾波参照信号を算出するものである。2次経路フィルタ部115は、算出した濾波参照信号を適応フィルタ係数更新部118に出力する。
制御信号残響成分計算部116は、2次経路P2の残響成分のインパルス応答を推定し、推定した2次経路P2の残響成分のインパルス応答と制御信号から推定残響音(制御スピーカ111から出力する制御信号がダクトD内の空間を伝わり誤差マイク106で受音される信号の推定信号)を算出するものである。制御信号残響成分計算部116は、算出した推定残響音を制御信号残響除去部117に出力する。
制御信号残響除去部117は、誤差マイク入力信号から推定残響音を除去するものである。制御信号残響除去部117は、推定残響音を除去した誤差マイク入力信号を適応フィルタ部114に出力する。
適応フィルタ係数更新部118は、濾波参照信号と推定残響音を除去した誤差マイク入力信号を用いて、適応アルゴリズム(例えば、LMSアルゴリズム)で適応フィルタのフィルタ係数を更新する。
適応フィルタ部114は、フィードバック成分が除去された参照マイク入力信号と適応フィルタを用いて、制御信号を算出するものである。適応フィルタ部114は、算出した制御信号を制御信号出力端子108に出力する。
次に、実施形態に係るANC装置100の騒音制御時の動作を詳細に説明する。
まず、騒音源Sが停止しているときに、ANC装置100は、フィードバック経路P3のインパルス応答F~(k)と2次経路P2のインパルス応答c~(k)を計測する。フィードバック経路P3のインパルス応答F~(k)と2次経路P2のインパルス応答c~(k)の計測方法は、例えば、制御スピーカ111から白色雑音を出力して、参照マイク101と誤差マイク106で各々受音し、LMSアルゴリズムでフィードバック経路P3のインパルス応答F~(k)と2次経路P2のインパルス応答c~(k)を求める。なお、フィードバック経路P3のインパルス応答F~(k)と2次経路P2のインパルス応答c~(k)の計測手段は、種々の方法を広く適用することができ、例えば、制御スピーカ111からインパルス信号を複数回出力して、参照マイク101と誤差マイク106で各々インパルス応答信号を受音し、参照マイク101のインパルス応答信号の平均をフィードバック経路P3のインパルス応答F~(k)と誤差マイク106のインパルス応答信号の平均を2次経路P2のインパルス応答c~(k)としても良い。
フィードバック経路P3のインパルス応答F~(k)と2次経路P2のインパルス応答c~(k)の計測が完了すると、ANC装置100は、2次経路P2の残響成分のインパルス応答c~rev(k)を求める。この実施形態では、以下の(1)式に示すように、計測した2次経路P2のインパルス応答c~(k)の後半部分のンパルス応答を2次経路P2の残響成分のインパルス応答c~rev(k)としている。
Figure 0006555014
(1)式のFLENc~revは、2次経路P2の残響成分のインパルス応答c~rev(k)のフィルタ長であり、2次経路P2のインパルス応答c~(k)のフィルタ長FLENc~と同じ長さ(FLENc~=FLENc~rev)としている。Nは、計測した2次経路P2のインパルス応答c~(k)のどこからが2次経路P2の残響成分のインパルス応答かを決めるパラメータであり、例えば、フィルタ長の半分(N=FLENc~rev/2)として、2次経路P2の残響成分のインパルス応答c~rev(k)を求める。
なお、Nの決定手段は、種々の方法を広く適用することができ、例えば、2次経路P2のインパルス応答c~(k)の最大値のサンプルからαサンプルをN(N=argmax(c~(k))+α)としても良い。
ANC装置100は、計測したフィードバック経路P3のインパルス応答F~(k)をフィードバック経路フィルタ部112に、計測した2次経路P2のインパルス応答c~(k)を2次経路フィルタ部115に、2次経路P2の残響成分のインパルス応答c~rev(k)を制御信号残響成分計算部116に各々保持する。
そして、騒音源Sが動作し始めると、騒音源Sの騒音が発生し、騒音源Sの騒音が参照マイク101に入力される。
参照マイク101に入力された参照マイク入力信号は、マイクアンプ102aで増幅され、AD変換器103aでアナログ信号からデジタル信号に変換され、ANC部104の参照マイク入力端子105に入力される。
一方、ダクト内の空間を伝播し、ダクトの吹き出し口Hまで伝播した騒音は、誤差マイク106で受音され、マイクアンプ102bで増幅され、AD変換器103bでアナログ信号からデジタル信号に変換され、ANC部104の誤差マイク入力端子107に入力される。
フィードバック経路フィルタ部112では、計測したフィードバック経路P3のインパルス応答F~(k)と制御信号y(n)から制御信号の推定フィードバック信号f~(n)を(2)式を用いて求める。
Figure 0006555014
(2)式のFLENF~は、計測したフィードバック経路P3のインパルス応答F~(k)のフィルタ長である。(2)式は、計測したフィードバック経路P3のインパルス応答F~(k)と制御信号y(n)を畳み込むことで制御信号の推定フィードバック信号f~(n)を算出する式である。フィードバック経路フィルタ部112は、算出した推定フィードバック信号f~(n)をフィードバック成分除去部113に出力する。
フィードバック成分除去部113は、参照マイク入力信号x(n)に含まれる制御信号y(n)がフィードバック経路P3を伝達し参照マイク101に入力したフィードバック信号を除去するために、参照マイク入力信号x(n)から推定フィードバック信号f~(n)を引くことでフィードバック信号を除去した参照マイク入力信号x’(n)を(3)式を用いて算出する。
Figure 0006555014
フィードバック成分除去部113は、フィードバック信号を除去した参照マイク入力信号x’(n)を2次経路フィルタ部115と適応フィルタ部114に出力する。
適応フィルタ部114は、フィードバック成分が除去された参照マイク入力信号x’(n)と適応フィルタh(n,j)を用いて、制御信号y(n)を(4)式を用いて算出する。
Figure 0006555014
適応フィルタ部114は、制御信号y(n)をANC部104の制御信号出力端子108と制御信号残響成分計算部116に出力する。
ANC部104の制御信号出力端子108から出力される制御信号y(n)は、DA変換器109でデジタル信号からアナログ信号に変換され、スピーカアンプ110で増幅されてから制御スピーカ111から出力される。
制御信号y(n)は、騒音源Sが動作開始時は、適応フィルタのフィルタ係数が収束していないため、誤差マイク106の設置点の騒音を低減する信号でなく、誤差マイク106の設置点の騒音を低減できないが、適応フィルタのフィルタ係数が収束すると、誤差マイク106の設置点の騒音を低減する信号になり、誤差マイク106の設置点の騒音を低減させる。
一方、2次経路フィルタ部115は、フィードバック信号を除去した参照マイク入力信号x’(n)と計測した2次経路P2のインパルス応答c~(k)から、濾波参照信号r(n)を(5)式を用いて算出する。
Figure 0006555014
(5)式のFLENC~は、計測した2次経路P2のインパルス応答c~(k)のフィルタ長である。(5)式は、フィードバック信号を除去した参照マイク入力信号x’(n)と計測した2次経路P2のインパルス応答c~(k)を畳み込むことで濾波参照信号r(n)を算出する式である。2次経路フィルタ部115は、濾波参照信号r(n)を適応フィルタ係数更新部118に出力する。
制御信号残響成分計算部116は、2次経路P2の残響成分のインパルス応答c~rev(k)と制御信号y(n)から制御スピーカ111から出力する制御信号y(n)がダクト内の空間を伝わり誤差マイク106で受音される推定残響音y~rev(n)を(6)式を用いて算出する。
Figure 0006555014
(6)式は、2次経路P2の残響成分のインパルス応答c~rev(k)と制御信号y(n)を畳み込むことで推定残響音y~rev(n)を算出する式である。制御信号残響成分計算部116は、算出した推定残響音y~rev(n)を制御信号残響除去部117に出力する。
制御信号残響除去部117は、誤差マイク106の入力信号に含まれている制御信号の残響音を除去するために、誤差マイク入力信号e(n)から推定残響音y~rev(n)を引くことで残響音を除去した誤差マイク入力信号e’(n)を(7)式を用いて算出する。
Figure 0006555014
制御信号残響除去部117は、推定残響音を除去した誤差マイク入力信号e’(n)を適応フィルタ係数更新部118に出力する。
適応フィルタ係数更新部118は、濾波参照信号r(n)と制御信号の残響音を除去した誤差マイク入力信号e’(n)を用いて、適応フィルタアルゴリズムを用いて適応フィルタのフィルタ係数を更新する。この実施形態では、以下の(8)式に示すように適応フィルタ更新アルゴリズムはLMSアルゴリズムを用いて適応フィルタの係数h(n,k)を更新する。
Figure 0006555014
(8)式のμは、適応フィルタ係数更新のステップサイズである。なお、適応フィルタh(n,k)のフィルタ係数の更新アルゴリズムは、種々の方法を広く適用することができるが、例えば、(9)式の学習同定法(Normalized LMS,NLMS)などで適応フィルタのフィルタ係数h(n,k)を更新して良い。
Figure 0006555014
(9)式のFLENは計測した2次経路P2のインパルス応答c~(k)のフィルタ長である。
(A−3)本発明の実施形態の効果
この実施形態によれば、ANC装置100は、ダクトDの断面積が小さくても、誤差マイク106により受音された誤差マイク入力信号に含まれる制御信号の残響音を抑圧することにより、適応フィルタ係数更新部118のフィルタ係数の更新を適切に行うことができる。そして、ANC装置100は、適応フィルタ部114で適切に更新したフィルタ係数を使用して算出した制御信号を用いることにより、誤差マイク106の設置点の騒音を低減することができる。
(B)他の実施形態
上述した各実施形態においても、種々の変形実施形態を説明したが、本発明は以下の変形実施形態についても適用することができる。
(B−1)上述した実施形態に係るANC装置100の残響音を推定するとき、残響成分のインパルス応答を計測した2次経路P2の後半のインパルス応答を用いる例示したが、例えば、ANC装置100の制御信号残響成分計算部116は、従来の残響推定法を用いて推定残響音を推定しても良い。
(B−2)上述した実施形態で説明したANC装置100は、例えば、空調装置や電気機器の筐体等のダクトに用いられるANC装置を含む装置に搭載されるようにしても良い。
100…ANC装置、101…参照マイク、102a、102b…マイクアンプ、103a、103b…AD変換器、104…ANC部、105…参照マイク入力端子、106…誤差マイク、107…誤差マイク入力端子、108…制御信号出力端子、109…DA変換器、110…スピーカアンプ、111…制御スピーカ、112…フィードバック経路フィルタ部、113…フィードバック成分除去部、114…適応フィルタ部、115…2次経路フィルタ部、116…制御信号残響成分計算部、117…制御信号残響除去部、118…適応フィルタ係数更新部。

Claims (5)

  1. 消音の対象となる騒音が伝播する管内の騒音源付近に設置され、上記騒音を受音する第1のマイクと、
    上記管内の開口部付近に設置され、上記管内の開口部付近の音を受音する第2のマイクと、
    上記第2のマイクまで伝播した上記騒音を低減する制御信号を上記管内に出力するスピーカと、
    上記スピーカから出力する上記制御信号と、上記スピーカから上記第2のマイクに至る2次経路の残響成分のインパルス応答とを用いて、上記スピーカから出力され、上記第2のマイクで受音される上記制御信号の推定残響音を算出する制御信号残響成分計算部と、
    上記第2のマイクの入力信号から上記推定残響音を差し引くことで上記推定残響音を除去した第2のマイク入力信号を算出する制御信号残響成分除去部と、
    上記第1のマイクの入力信号と、上記推定残響音を除去した第2のマイク入力信号と、1時刻前の上記制御信号と、計測した上記スピーカから上記第1のマイクに至るフィードバック経路のインパルス応答と、計測した上記2次経路のインパルス応答とを用いて、上記制御信号を算出し、算出した制御信号を上記スピーカに出力し、適応フィルタのフィルタ係数を更新する適応フィルタ部と
    を有することを特徴とする能動騒音抑圧装置。
  2. 上記2次経路の残響成分のインパルス応答は、計測した上記2次経路の後半部分のインパルス応答であることを特徴とする請求項1に記載の能動騒音抑圧装置。
  3. 上記騒音が伝播する管を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の能動騒音抑圧装置。
  4. 消音の対象となる騒音が伝播する管内の騒音源付近に設置され、上記騒音を受音する第1のマイクと、上記管内の開口部付近に設置され、上記管内の開口部付近の音を受音する第2のマイクと、上記第2のマイクまで伝播した上記騒音を低減する制御信号を上記管内に出力するスピーカとを有する能動騒音抑圧装置に搭載されるコンピュータを、
    上記スピーカから出力する上記制御信号と、上記スピーカから上記第2のマイクに至る2次経路の残響成分のインパルス応答とを用いて、上記スピーカから出力され、上記第2のマイクで受音される上記制御信号の推定残響音を算出する制御信号残響成分計算部と、
    上記第2のマイクの入力信号から上記推定残響音を差し引くことで上記推定残響音を除去した第2のマイク入力信号を算出する制御信号残響成分除去部と、
    上記第1のマイクの入力信号と、上記推定残響音を除去した第2のマイク入力信号と、1時刻前の上記制御信号と、計測した上記スピーカから上記第1のマイクに至るフィードバック経路のインパルス応答と、計測した上記2次経路のインパルス応答とを用いて、上記制御信号を算出し、算出した制御信号を上記スピーカに出力し、適応フィルタのフィルタ係数を更新する適応フィルタ部と
    して機能させることを特徴とする能動騒音抑圧プログラム。
  5. 第1のマイク、スピーカ、第2のマイク、制御信号残響成分計算部、制御信号残響成分除去部、適応フィルタ部を有し、
    上記第1のマイクは、消音の対象となる騒音が伝播する管内の騒音源付近に設置され、上記騒音を受音し、
    上記第2のマイクは、上記管内の開口部付近に設置され、上記管内の開口部付近の音を受音し、
    上記スピーカは、上記第2のマイクまで伝播した上記騒音を低減する制御信号を上記管内に出力し、
    上記制御信号残響成分計算部は、上記スピーカから出力する上記制御信号と、上記スピーカから上記第2のマイクに至る2次経路の残響成分のインパルス応答とを用いて、上記スピーカから出力され、上記第2のマイクで受音される上記制御信号の推定残響音を算出し、
    制御信号残響成分除去部は、上記第2のマイクの入力信号から上記推定残響音を差し引くことで上記推定残響音を除去した第2のマイク入力信号を算出し、
    上記適応フィルタ部は、上記第1のマイクの入力信号と、上記推定残響音を除去した第2のマイク入力信号と、1時刻前の上記制御信号と、計測した上記スピーカから上記第1のマイクに至るフィードバック経路のインパルス応答と、計測した上記2次経路のインパルス応答とを用いて、上記制御信号を算出し、算出した制御信号を上記スピーカに出力し、適応フィルタのフィルタ係数を更新する
    ことを特徴とする能動騒音抑圧方法。
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