JP6100471B2 - 不純物拡散成分の拡散方法、及び太陽電池の製造方法 - Google Patents

不純物拡散成分の拡散方法、及び太陽電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、不純物拡散成分の拡散方法、及び太陽電池の製造方法に関するものである。
従来、トランジスタ、ダイオード、IC等の製造にはホウ素が拡散したP型領域を有するシリコン半導体デバイスが使用されている。シリコン基板にホウ素を拡散させる方法としては、熱分解法、対向NB法、ドーパントホスト法、塗布法等が主に用いられてきた。これらの中でも、高価な装置を必要とせず、均一な拡散が可能であり、量産性に優れていることから、塗布法が好適に採用されていた。特にホウ素を含有する塗布液をスピンコーター等にて塗布する方法が多く採用されていた。
例えば、特許文献1には、スピンコート法等の拡散剤塗布法に用いられるホウ素含有拡散剤組成物が開示されている。この拡散材組成物は、いわゆるポリボロンフィルム(PBF)である。また、特許文献1には、ホウ素拡散用塗布液を半導体素子の表面にスピン・オン法等で塗布し、形成された塗膜の乾燥後に所定の温度で焼成し、有機成分を分解燃焼除去してBの無機質被膜を形成し、次いでさらに昇温してホウ素を半導体デバイス表面に拡散させることが開示されている。
特開平9−181010号公報
近年、半導体製造関連分野、とりわけ太陽電池製造分野においては、低コスト化が求められている。具体的には、例えばシリコン系太陽電池を製造する場合、拡散用塗布液の使用量をより少なくすることで、低コスト化を図ることが求められている。これに対し、従来のスピンコート法では、基板あたりの塗布液の使用量が多く、低コスト化を図る上で改善の余地があった。
また、従来のPBFを用いたホウ素拡散では、上述のようにホウ素の拡散前にBの無機質被膜を形成していた。このホウ素被膜からはホウ素が被膜外部へ飛散しやすい。そのため、自身の裏面側や隣接する基板の当該ホウ素被膜と対向する面等の、ホウ素拡散を予定していない領域にホウ素が拡散する、アウトディフュージョンが起こりやすかった。このアウトディフュージョンは、不純物拡散の精度の向上を図る上で解決すべき課題となる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、半導体製造における低コスト化を図るとともに、アウトディフュージョンの発生を抑制することができる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様は、不純物拡散成分の拡散方法である。この不純物拡散成分の拡散方法は、不純物拡散成分(A)、酸素雰囲気下、600℃、30分の加熱により熱分解して消失するアルコール性水酸基含有高分子化合物(B)、及び、有機溶剤(C)を含む拡散剤組成物を、第1半導体基板の一方の表面に塗布し拡散剤層を形成する工程と、前記拡散剤組成物を未塗布の第2半導体基板の一方の表面を前記拡散剤層に貼り合わせて積層体を形成する工程と、前記積層体を加熱して、前記第1半導体基板及び前記第2半導体基板に前記不純物拡散成分(A)を拡散させる工程と、を含むことを特徴とする。
この態様によれば、半導体製造における低コスト化を図るとともに、アウトディフュージョンの発生を抑制することができる。
本発明の他の態様は、太陽電池の製造方法である。この太陽電池の製造方法は、上述した態様の不純物拡散成分の拡散方法を用いて半導体基板に第1導電型の不純物拡散成分(A)を拡散させて、前記半導体基板の一方の表面に第1導電型の不純物拡散層を形成する工程と、前記半導体基板の他方の表面に第2導電型の不純物拡散成分(A)を拡散させて、前記半導体基板の他方の表面に前記第2導電型の不純物拡散層を形成する工程と、前記半導体基板の前記一方の表面側に第1電極を設け、当該第1電極を前記第1導電型の不純物拡散層と電気的に接続する工程と、前記半導体基板の前記他方の表面側に第2電極を設け、当該第2電極を前記第2導電型の不純物拡散層と電気的に接続する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、半導体製造における低コスト化を図るとともに、アウトディフュージョンの発生を抑制することができる技術を提供することができる。
図1(A)〜図1(E)は、実施の形態に係る不純物拡散成分の拡散方法、及び太陽電池の製造方法の工程図である。 図2(A)〜図2(E)は、実施の形態に係る不純物拡散成分の拡散方法、及び太陽電池の製造方法の工程図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一又は同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1(A)〜図1(E)、及び図2(A)〜図2(E)を参照して実施の形態に係る不純物拡散成分の拡散方法と、太陽電池の製造方法について説明する。図1(A)〜図1(E)、及び図2(A)〜図2(E)は、実施の形態に係る不純物拡散成分の拡散方法、及び太陽電池の製造方法の工程図である。
<拡散剤組成物の調製>
本実施の形態に係る不純物拡散成分の拡散方法に用いられる拡散剤組成物は、不純物拡散成分(A)、アルコール性水酸基含有高分子化合物(B)、及び、有機溶剤(C)を含む。
(不純物拡散成分(A))
不純物拡散成分(A)は、一般にドーパントとして太陽電池の製造に用いられる化合物である。不純物拡散成分(A)は、III族(13族)元素の化合物を含むP型(第1導電型)の不純物拡散成分、又はV族(15族)元素の化合物を含むN型(第2導電型)の不純物拡散成分である。P型の不純物拡散成分は、太陽電池における電極を形成する工程において、N型の半導体基板内にP型の不純物拡散層を形成することができ、P型の半導体基板内にP型(高濃度P型)の不純物拡散層を形成することができる。また、N型の不純物拡散成分は、太陽電池における電極を形成する工程において、P型の半導体基板内にN型の不純物拡散層(不純物拡散領域)を形成することができ、N型の半導体基板内にN型(高濃度N型)の不純物拡散層を形成することができる。
III族元素の化合物としては、例えば、B、ホウ素トリオクチル等のホウ酸エステル類、Al、三塩化ガリウム等が挙げられ、不純物拡散成分(A)にはこれらの化合物が1種類以上含まれる。V族元素の化合物としては、例えば、P、Bi、Sb(OCHCH、SbCl、As(OC、リン酸モノメチル、リン酸ジメチル、リン酸モノエチル、リン酸ジエチル、リン酸トリエチル、リン酸モノプロピル、リン酸ジプロピル、リン酸モノブチル、リン酸ジブチル、リン酸トリブチル等を含むリン酸エステル等が挙げられ、不純物拡散成分(A)にはこれらの化合物が1種類以上含まれる。拡散剤組成物における不純物拡散成分(A)の含有量は、半導体基板に形成される不純物拡散層の層厚等に応じて適宜調整される。また、不純物拡散成分(A)の含有量は、拡散剤組成物の固形成分の全質量に対して(固形成分を100とした場合に)、好ましくは5〜60質量%であり、より好ましくは10〜40質量%であり、さらに好ましくは15〜30質量%である。
(アルコール性水酸基含有高分子化合物(B))
アルコール性水酸基含有高分子化合物(B)は、酸素雰囲気下、600℃、30分の加熱により熱分解して消失する化合物である。アルコール性水酸基含有高分子化合物(B)がこのような特性を有することで、不純物拡散成分(A)の熱拡散時に半導体基板表面にカーボンが残らないようにすることができる。そのため、より抵抗値のばらつきの小さい不純物拡散層を形成することができる。また、不純物拡散成分(A)の熱拡散とともにカーボンが半導体基板内に拡散して所望の抵抗値が得られなくなる事態を回避することができる。また、拡散剤組成物の拡散性を向上させることができるため、後述する第1半導体基板上の拡散剤層に貼り合わせられる第2半導体基板に対しても不純物拡散成分(A)を十分に拡散させることができ、第2半導体基板に良好な不純物拡散層を形成することができる。
ここで、前記「熱分解して消失する」とは、例えば、アルコール性水酸基含有高分子化合物(B)が、アルコール性水酸基含有高分子化合物(B)の全質量の約95%、好ましくは約99%、さらに好ましくは100%消失することをいう。
このようなアルコール性水酸基含有高分子化合物(B)としては、ポリエチレンオキシド、ポリヒドロキシメチルアクリレート、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリヒドロキシプロピルアクリレート又はこれに相当するメタクリレート等のポリヒドロキシアルキルアクリレート又はメタクリレート類、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。アルコール性水酸基含有高分子化合物(B)の含有量は、拡散剤組成物の固形成分の全質量に対して、好ましくは40〜95質量%であり、より好ましくは60〜90質量%であり、さらに好ましくは70〜85質量%である。
(有機溶剤(C))
有機溶剤(C)は、不純物拡散成分(A)及びアルコール性水酸基含有高分子化合物(B)を溶解できるものであればよい。有機溶剤(C)の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のモノエーテル系グリコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエーテル系エステル類が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。有機溶剤(C)の含有量は、拡散剤組成物の全質量に対して、好ましくは50〜97質量%であり、より好ましくは75〜97質量%である。
拡散剤組成物は、不純物拡散成分(A)、アルコール性水酸基含有高分子化合物(B)及び有機溶剤(C)が均一に混合され、メンブレンフィルター等で濾過されて調製される。
<P型拡散剤層の形成>
図1(A)に示すように、第1半導体基板1として、例えば、N型シリコンウエハを用意する。ここで、第1半導体基板1は、一方の表面S1にテクスチャ構造(図示せず)を有する太陽電池用基板である。なお、第1半導体基板1の他方の表面S2(図1(E)参照)については、テクスチャ構造を有していても、有していなくてもよい。ここで、前記「テクスチャ構造」とは、凹凸が連続的に並ぶ構造をいい、ピッチや高さが同程度の凹凸が規則性を持って並んでいるものや、ピッチや高さが様々な凹凸がランダムに並んでいるもの等が含まれる。凹凸のピッチ(凸部の頂点かる凹部の最深部までの面方向の距離)は、例えば1〜10μmである。凹凸の高さ(凹部の最深部から凸部の頂点までの高さ)は、例えば1〜10μmである。テクスチャ構造により、第1半導体基板1の表面における光の反射を防止することができる。テクスチャ構造は、周知のウェットエッチング法等を用いて形成することができる。
そして、第1半導体基板1の一方の表面S1(テクスチャ構造を有する側の表面)に、P型の不純物拡散成分(A)を含有するP型拡散剤組成物を塗布し、P型拡散剤層2を形成する。第1半導体基板1へのP型拡散剤組成物の塗布は、例えばスピンコート法により実施される。第1半導体基板1へのP型拡散剤組成物の塗布後、P型拡散剤層2に乾燥処理が施される。P型拡散剤組成物の第1半導体基板表面への塗布量は、拡散剤層が露出した状態で不純物拡散成分を熱拡散させる従来の方法において、1枚の半導体基板への不純物拡散成分の拡散に必要とされる量と同量である。
<積層体の形成>
次に、図1(B)に示すように、第2半導体基板3として、例えば、N型シリコンウエハを用意する。ここで、第2半導体基板3は、一方の表面S1にテクスチャ構造を有する太陽電池用基板である。なお、第2半導体基板3の他方の表面S2(図2(A)参照)については、テクスチャ構造を有していても、有していなくてもよい。そして、P型拡散剤組成物を未塗布の第2半導体基板3の一方の表面S1(テクスチャ構造を有する側の表面)を、第1半導体基板1の表面上に形成したP型拡散剤層2に貼り合わせる。これにより、第1半導体基板1、P型拡散剤層2及び第2半導体基板3がこの順に積層された積層体4が形成される。
<P型の不純物拡散成分(A)の拡散>
次に、図1(C)に示すように、積層体4を拡散炉200に投入する。拡散炉200は、例えば従来公知の縦型拡散炉であり、ベース部201と、外筒202と、載置台204と、支持部材206と、ガス供給路208と、ガス排出路210と、ヒータ212とを備える。
外筒202は、軸方向が鉛直方向に平行となるようにベース部201に組み付けられており、ベース部201と外筒202とで炉室203が形成されている。載置台204は、平面視円形であり、炉室203の中央に配置されている。支持部材206は、柱状であり、載置台204の外縁部に周方向に間隔をあけて複数立設されている。隣接する2つの支持部材206の間隔は、所定の1箇所が、積層体4が載置台204に対して平行な状態で2つの支持部材206の間を通過可能に設定されている。各支持部材206の側面には軸方向に間隔をあけて複数の溝が設けられている。積層体4は、外縁部が支持部材206の溝に係合することで、支持部材206によって支持される。これにより、複数の積層体4が互いに間隔をあけて、互いに平行な状態で鉛直方向に配列される。
ガス供給路208は、炉室203に雰囲気ガスを供給するための管路であり、一端が雰囲気ガスタンク(図示せず)に、他端が外筒202の開口202aに連結されている。ガス排出路210は、炉室203内のガスを排出するための管路であり、一端が外筒202の開口202bに連結されている。ヒータ212は、外筒202の外周に設けられ、炉室203内を加熱可能に構成されている。
複数の積層体4を炉室203内に配列した状態で、ガス供給路208から炉室203内に、雰囲気ガスとして例えば窒素(N)ガスを供給する。そして、Nガス雰囲気下で積層体4を加熱して、第1半導体基板1及び第2半導体基板3にP型の不純物拡散成分(A)を拡散させる。積層体4の加熱温度、すなわち熱拡散温度は、好ましくは800〜1000℃であり、より好ましくは850〜1000℃である。熱拡散温度を800℃以上とすることで、不純物拡散成分(A)をより確実に熱拡散させることができる。また、熱拡散温度を1000℃以下とすることで、所望の拡散領域を越えて不純物拡散成分(A)が半導体基板内に拡散してしまうこと、及び半導体基板が熱によりダメージを受けることをより確実に防ぐことができる。
積層体4の加熱により、P型拡散剤層2に含まれるアルコール性水酸基含有高分子化合物(B)が熱分解して消失する。これにより、P型拡散剤層2は、高濃度の不純物拡散成分(A)の被膜で構成される層となる。そして、この被膜からなるP型拡散剤層2から、不純物拡散成分(A)が第1半導体基板1及び第2半導体基板3に拡散する。そのため、より抵抗値のばらつきが小さく、所望の抵抗値を有する不純物拡散層を、両側の半導体基板に形成することができる。
また、本実施の形態では、積層体4の状態で、すなわち第1半導体基板1の表面に形成されたP型拡散剤層2が第2半導体基板3で被覆された状態で、不純物拡散成分(A)の熱拡散を実施している。そのため、P型拡散剤層2から炉室203のガス雰囲気中への不純物拡散成分(A)の放出を、第2半導体基板3により防ぐことができる。第2半導体基板3を基準とすれば、P型拡散剤層2からの不純物拡散成分(A)の放出を、第1半導体基板1により防ぐことができる。これにより、不純物拡散成分(A)の拡散を予定していない領域に不純物拡散成分(A)が拡散すること、すなわちアウトディフュージョンの発生を抑制することができる。
アウトディフュージョンを防ぐ方法としては、拡散炉内に配列するシリコン基板間の距離を拡げて、一方のシリコン基板のホウ素被膜から放出されたホウ素が、隣接するシリコン基板に到達することを防ぐ方法が考えられる。しかしながら、この方法では、拡散炉内に一度に載置できるシリコン基板の枚数が減ってしまい、高スループット化の妨げとなり得る。また、自身の裏面側におけるアウトディフュージョンの防止は困難である。また、ホウ素拡散を予定していない領域にアウトディフュージョン防止用のマスクを被覆する方法も考えられるが、この方法では製造工程数が増大するため、高スループット化の妨げとなり得る。これに対し、本実施の形態では、第1半導体基板1及び第2半導体基板3でP型拡散剤層2を挟み込むことでアウトディフュージョンを抑制している。そのため、隣接する積層体4間の距離をより近づけることが可能となり、一度に熱拡散処理を施すことができる半導体基板の枚数を増やすことができる。また、アウトディフュージョン防止用のマスクを半導体基板に被覆する必要もない。よって、半導体製造の高スループット化を妨げることなく、アウトディフュージョンの発生を抑制することができる。
また、従来は、1枚の半導体基板の表面に拡散剤層を形成し、拡散剤層が露出した状態で不純物拡散成分の熱拡散処理を実施していた。このような従来の方法では、ガス雰囲気中への不純物拡散成分の放出を考慮して、1枚の半導体基板への不純物拡散層の形成に必要な量以上の不純物拡散成分を含むように拡散剤層を形成していた。これに対し、本実施の形態では、第2半導体基板3によって不純物拡散成分(A)のガス雰囲気中への拡散を防ぐと同時に、第2半導体基板3の被覆がなければガス雰囲気中に放出されていたであろう不純物拡散成分(A)を、第2半導体基板3への不純物拡散層の形成に利用している。そのため、従来の方法において1枚の半導体基板への不純物拡散層の形成に必要とされる量と同量で、2枚の半導体基板へ不純物拡散層を形成することができる。そのため、半導体基板1枚あたりの拡散剤組成物の使用量を半分に減らすことができるため、半導体製造における低コスト化を図ることができる。
また、第2半導体基板3へP型拡散剤組成物を塗布する工程を省略することができるため、半導体の製造工程数及び製造時間の削減を図ることができる。そのため、半導体製造の高スループット化を図ることができる。
なお、不純物拡散成分(A)を拡散させる工程の前に、P型拡散剤層2を、酸素雰囲気下、600℃以上で加熱して焼成することが好ましい。この焼成工程を行うことで、P型拡散剤層2に含まれるアルコール性水酸基含有高分子化合物(B)を熱分解して消失させることができる。これにより、不純物拡散成分(A)の熱拡散を行う前に、P型拡散剤層2を高濃度の不純物拡散成分(A)の被膜からなる層とすることができる。そのため、熱拡散工程において不純物拡散成分(A)の熱拡散をスムーズに進行させることができ、第1半導体基板1及び第2半導体基板3に対してより高精度に不純物拡散層を形成することができる。具体的に、例えば、複数の積層体4を炉室203内に配列した状態で、酸素雰囲気下、600℃〜800℃の範囲で10〜60分程度の焼成工程を行い、その後、上記のとおり炉室203内をNガス雰囲気下としてから、800~1000℃の熱拡散温度へ引き上げ熱拡散処理を行う。各工程は、処理温度及び処理雰囲気を切り替えながら、炉室203内で連続的に行うことが好ましい。
<積層体の解体>
熱拡散工程の後、P型拡散剤層2から第2半導体基板3を剥離する。第2半導体基板3は、テクスチャ構造を有する一方の表面S1がP型拡散剤層2に張り合わされている。そのため、第2半導体基板3を、P型拡散剤層2から容易に引き剥がすことができる。第2半導体基板3を引き剥がした状態で、P型拡散剤層2は略全てが第1半導体基板1の一方の表面S1に付着したままである。また、第2半導体基板3にもホウ素とケイ素による酸化膜が熱により形成されている。そのため、第2半導体基板3をP型拡散剤層2から剥離した後、フッ酸等の剥離液を用いて第1半導体基板1及び第2半導体基板3を洗浄する。以上の工程により、図1(D)に示すように、P型の不純物拡散成分(A)が拡散して形成されたP型不純物拡散層5を、一方の表面S1側に備える第1半導体基板1が得られる。同様に、P型の不純物拡散成分(A)が拡散して形成されたP型不純物拡散層5を、一方の表面S1側に備える第2半導体基板3が得られる。
本実施の形態では、第2半導体基板3をP型拡散剤層2から剥離した後に、第1半導体基板1及び第2半導体基板3の洗浄工程(P型拡散剤層2及び酸化膜の剥離)を実施している。そのため、積層体4を剥離液に浸漬してP型拡散剤層2から第1半導体基板1及び第2半導体基板3を剥離し洗浄する場合に比べて、剥離液(もしくは洗浄液)との接触面積を稼ぐことができるという点で、処理効率の向上を図ることができる。また、上述のようにアウトディフュージョンの発生を抑制できるため、第1半導体基板1及び第2半導体基板3の裏面への不要な拡散が起こらない。よって、P型不純物拡散層5の形成後に、不要な拡散層を除去するための別途のエッチング処理を行う必要がないため、高スループット化を図ることができる。
<N型拡散剤層の形成>
次に、図1(E)に示すように、第1半導体基板1の他方の表面S2に、N型の不純物拡散成分(A)を含有するN型拡散剤組成物を塗布し、N型拡散剤層6を形成する。第1半導体基板1へのN型拡散剤組成物の塗布は、例えばスピンコート法により実施される。第1半導体基板1へのN型拡散剤組成物の塗布後、N型拡散剤層6に乾燥処理が施される。N型拡散剤組成物の第1半導体基板表面への塗布量は、従来の方法において1枚の半導体基板への不純物拡散成分の拡散に必要とされる量と同量である。
<積層体の形成>
次に、図2(A)に示すように、P型不純物拡散層5が一方の表面S1側に形成され、且つN型拡散剤組成物を未塗布の第2半導体基板3の他方の表面S2を、N型拡散剤層6に貼り合わせる。これにより、第1半導体基板1、N型拡散剤層6及び第2半導体基板3がこの順に積層された積層体7が形成される。
<N型の不純物拡散成分(A)の拡散>
次に、図2(B)に示すように、積層体7を拡散炉200に投入する。拡散炉200内で、複数の積層体7が互いに間隔をあけて、互いに平行な状態で鉛直方向に配列される。この状態で、ガス供給路208から炉室203内に、雰囲気ガスとして例えば窒素(N)ガスを供給する。そして、Nガス雰囲気下で積層体7を加熱して、第1半導体基板1及び第2半導体基板3にN型の不純物拡散成分(A)を拡散させる。積層体7の加熱温度は、好ましくは800〜1000℃である。積層体7の加熱により、N型拡散剤層6に含まれるアルコール性水酸基含有高分子化合物(B)が熱分解して消失し、N型拡散剤層6は高濃度の不純物拡散成分(A)の被膜で構成される層となる。そして、この被膜からなるN型拡散剤層6から、不純物拡散成分(A)が第1半導体基板1及び第2半導体基板3に拡散する。そのため、より抵抗値のばらつきが小さく、所望の抵抗値を有する不純物拡散層を、両側の半導体基板に形成することができる。
また、本実施の形態では、炉室203のガス雰囲気中へのN型の不純物拡散成分(A)の放出を、第2半導体基板3により防ぐことができる。これにより、半導体製造の高スループット化を妨げることなく、アウトディフュージョンの発生を抑制することができる。また、半導体基板1枚あたりの拡散剤組成物の使用量を従来に比べて減らすことができるため、半導体製造における低コスト化を図ることができる。また、第2半導体基板3へN型拡散剤組成物を塗布する工程を省略できるため、半導体製造の高スループット化を図ることができる。なお、不純物拡散成分(A)を拡散させる工程の前に、N型拡散剤層6を、酸素雰囲気下、600℃以上で加熱して焼成することが好ましい。この焼成工程を行うことで、第1半導体基板1及び第2半導体基板3に対してより高精度に不純物拡散層を形成することができる。なお、上述のように、焼成工程と熱拡散工程とは、炉室203内で連続的に行うことができる。
<積層体の解体>
熱拡散工程の後、第1半導体基板1及び第2半導体基板3をN型拡散剤層6から剥離して洗浄する。N型拡散剤層6に張り合わされている第2半導体基板3の他方の表面S2がテクスチャ構造を持たない場合は、第2半導体基板3をN型拡散剤層6から引き剥がすことが比較的困難である。そのため、積層体7のままフッ酸等の剥離液に浸漬することが好ましい。なお、他方の表面S2にもテクスチャ構造が形成されている場合には、上述した積層体4の解体と同様の手順で積層体7を解体してもよい。以上の工程により、図2(C)に示すように、N型の不純物拡散成分(A)が拡散して形成されたN型不純物拡散層8を、他方の表面S2側に備える第1半導体基板1が得られる。同様に、N型の不純物拡散成分(A)が拡散して形成されたN型不純物拡散層8を、他方の表面S2側に備える第2半導体基板3が得られる。
<太陽電池の形成>
次に、図2(D)に示すように、周知の化学気相成長法(CVD法)、例えばプラズマCVD法等を用いて、第1半導体基板1及び第2半導体基板3のP型不純物拡散層5が形成された側の表面(一方の表面S1)に、シリコン窒化膜(SiN膜)からなるパッシベーション層9を形成する。このパッシベーション層9は、反射防止膜としても機能する。
次に、図2(E)に示すように、周知のフォトリソグラフィ法及びエッチング法によりパッシベーション層9を選択的に除去して、P型不純物拡散層5の所定領域が露出するようにコンタクトホール9aを形成する。そして、電解めっき法及び無電解めっき法や、Agペーストを用いたスクリーン印刷等により、コンタクトホール9aに銀(Ag)等の金属を充填して、第1半導体基板1及び第2半導体基板3の一方の表面S1側に、P型不純物拡散層5と電気的に接続された表面電極10(第1電極)を形成する。表面電極10は、太陽電池の効率を高めるためにくし形パターンに形成される。また、例えばアルミニウム(Al)ペーストを、第1半導体基板1及び第2半導体基板3のN型不純物拡散層8が形成された側の表面(他方の表面S2)にスクリーン印刷することにより、第1半導体基板1及び第2半導体基板3の他方の表面S2側に、N型不純物拡散層8と電気的に接続された裏面電極11(第2電極)を形成する。以上の工程により、本実施形態に係る太陽電池100を製造することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る不純物拡散成分の拡散方法では、第1半導体基板1の表面に拡散剤組成物を塗布して拡散剤層を形成した後、拡散剤組成物を未塗布の第2半導体基板3を拡散剤層に貼り合わせて積層体を形成する。そして、この積層体を加熱して、第1半導体基板1及び第2半導体基板3に不純物拡散成分(A)を拡散させる。これにより、拡散剤組成物の塗布量を従来に比べて減らすことができるため、半導体製造の低コスト化を図ることができる。また、第1半導体基板1に形成された拡散剤層から雰囲気中への不純物拡散成分(A)の放出を、第2半導体基板3により抑制することができ、そのためアウトディフュージョンの発生を抑制することができる。また、この不純物拡散成分の拡散方法を用いて太陽電池を製造することで、太陽電池製造の低コスト化及び太陽電池の性能向上を図ることができる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更などの変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれるものである。上述の実施の形態と以下の変形例との組合せによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態及び変形例それぞれの効果をあわせもつ。
上述の実施の形態では、P型の不純物拡散成分(A)の拡散と、N型の不純物拡散成分(A)の拡散の両方で、本実施の形態に係る不純物拡散成分の拡散方法を採用しているが、いずれか一方の型の不純物拡散成分(A)の拡散のみに本実施の形態に係る拡散方法を採用してもよい。この場合であっても、少なくともこの一方の型の不純物拡散成分(A)の拡散において、拡散剤使用量の低減とアウトディフュージョンの抑制とが可能である。本実施の形態では、P型を第1導電型、N型を第2導電型としているが、N型を第1導電型、P型を第2導電型としてもよい。
また、上述の実施の形態では、N型シリコンウエハに不純物拡散層を形成したが、P型シリコンウエハに不純物拡散層を形成してもよい。また、上述の実施の形態では、拡散炉200は縦型拡散炉であったが、従来公知の横型拡散炉であってもよい。
以下、本発明の実施例を説明するが、これら実施例は、本発明を好適に説明するための例示に過ぎず、なんら本発明を限定するものではない。
<P型拡散材組成物の調製>
表1に示す成分組成及び含有量にしたがって、各成分を均一に混合し、0.45μmのメンブレンフィルターで濾過して、P型の拡散剤1及び拡散剤2を調製した。拡散剤1,2では、P型の不純物拡散成分(A)としてBを用いた。また、拡散剤1では、アルコール性水酸基含有高分子化合物(B)としてポリビニルアルコールを用いた。拡散剤2では、アルコール性水酸基含有高分子化合物(B)の代わりに、テトラエトキシシランを出発原料とする縮合生成物(SiO)を用いた。拡散剤1では、有機溶剤(C)としてのプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)を溶剤の一成分として用いた。表1に示す不純物拡散成分(A)、アルコール性水酸基含有高分子化合物(B)、SiO、溶剤の含有量(wt%)は、拡散材組成物の全質量に対する含有量であり、溶剤組成の各成分の含有量(wt%)は、溶剤の全質量に対する含有量である。
Figure 0006100471
<P型拡散剤層の形成>
鏡面処理が施されたN型ミラーシリコンウェハを複数枚用意し、一部のウェハの片面に、スピンコーター(ミカサ株式会社製)を用いて拡散剤1又は拡散剤2を塗布した。そして、これらの塗布ウェハをホットプレートに載置して、塗布された拡散剤組成物を150℃で3分間乾燥させて、P型拡散剤層を形成した。P型拡散剤層の膜厚は2410Åであった。次に、拡散剤を塗布していないウェハをP型拡散剤層に貼り合わせて、積層体を形成した。以下では適宜、拡散剤1を塗布したウェハを「実施例1の塗布ウェハ」と称し、拡散剤2を塗布したウェハを「比較例1の塗布ウェハ」と称する。また、拡散剤を塗布していないウェハを「対向ウェハ」と称する。
<不純物拡散成分の熱拡散>
実施例1の積層体、及び比較例1の積層体をそれぞれ拡散炉内に配列した。そして、これらの積層体を950℃で30分間加熱して、P型拡散剤層内の不純物拡散成分(A)を熱拡散させて、各ウェハ内にP型不純物拡散層を形成した。その後、各積層体のP型拡散剤層をフッ酸で除去した。
<抵抗値測定>
実施例1及び比較例1の塗布ウェハ及び対向ウェハについて、P型拡散剤層と向かい合う面(すなわち、各ウェハに形成されたP型不純物拡散層)のシート抵抗値を、シート抵抗測定器(VR−70:国際電気株式会社製)を用いて四探針法により測定した。シート抵抗値の測定は、各ウェハにおける、塗布ウェハと対向ウェハの積層方向で見てP型拡散剤層と重なる領域の25点について行った。また、得られたシート抵抗値の標準偏差を算出した。結果を表2に示す。
<P/N判定>
熱拡散処理後の実施例1及び比較例1の塗布ウェハについて、P型拡散剤層が形成された側とは反対側の表面(以下では適宜、この表面を「裏面」と称する)の導電型を、P/N判定機(PN/12α:ナプソン株式会社製)を用いて判定した。結果を表2に示す。
<拡散剤層−ウェハ間距離の評価>
上述した実施例1の対向ウェハは、P型拡散剤層に貼り合わされているため、P型拡散剤層との距離は実質0mmである。これに対し、拡散剤1を上述のように塗布した塗布ウェハと対向ウェハとを、P型拡散剤層と対向ウェハとの距離が2.4mmとなるように間隔をあけて拡散炉内に配列し、上述の熱拡散処理を実施した。以下では、この塗布ウェハ及び対向ウェハを比較例2の塗布ウェハ及び対向ウェハと称する。そして、比較例2の塗布ウェハと対向ウェハについて、上述の抵抗値測定とP/N判定とを実施した。結果を表2に示す。
また、拡散剤1を上述のように塗布した塗布ウェハと対向ウェハとを、P型拡散剤層と対向ウェハとの距離が4.2mmとなるように間隔をあけて拡散炉内に配列し、上述の熱拡散処理を実施した。以下では、この塗布ウェハ及び対向ウェハを比較例3の塗布ウェハ及び対向ウェハと称する。そして、比較例3の塗布ウェハと対向ウェハについて、上述の抵抗値測定とP/N判定とを実施した。結果を表2に示す。
Figure 0006100471
表2に示すように、実施例1では、塗布ウェハ及び対向ウェハの両方が、同程度に小さいシート抵抗値(Ω/sq)と標準偏差を示した。また、塗布ウェハの裏面の導電型は反転していなかった。これに対し、比較例1では、塗布ウェハの標準偏差が大きく、また対向ウェハのシート抵抗値及び標準偏差が大きかった。比較例2では、塗布ウェハのシート抵抗値と標準偏差、及び対向ウェハのシート抵抗値は小さいが、対向ウェハの標準偏差が大きかった。また、塗布ウェハの裏面の導電型が反転していた。比較例3では、塗布ウェハのシート抵抗値と標準偏差は小さかったが、対向ウェハのシート抵抗値と標準偏差は大きかった。また、塗布ウェハの裏面の導電型が反転していた。
したがって、実施例1は、比較例1に比べて、塗布ウェハ及び対向ウェハの両方に対して良好な不純物拡散成分(A)の拡散性を有し、両方のウェハに抵抗値のばらつきの小さい良好な不純物拡散層を形成できることが確認された。また、実施例1は、比較例2,3に比べて、対向ウェハに対して良好な不純物拡散成分(A)の拡散性を有し、対向ウェハに抵抗値のばらつきの小さい良好な不純物拡散層を形成できることが確認された。また、実施例1によれば、アウトディフュージョンを抑制できることが確認された。
<塗布量の評価>
拡散剤1を上述のように塗布した塗布ウェハを拡散炉内に配置し、対向ウェハを設けることなく上述の熱拡散処理を実施した。以下では、この塗布ウェハを比較例4の塗布ウェハと称する。そして、比較例4の塗布ウェハについて、上述の抵抗値測定を実施し、実施例1の塗布ウェハ及び対向ウェハの測定結果と比較した。結果を表3に示す。
Figure 0006100471
表3に示すように、実施例1の塗布ウェハ及び対向ウェハは、比較例4と同程度に小さいシート抵抗値及び標準偏差を示した。したがって、実施例1によれば、拡散剤層が露出した状態で熱拡散処理を実施していた従来の方法における拡散剤の塗布量で、2倍のウェハに不純物拡散層を形成できることが確認された。
<太陽電池用ウェハでの評価>
<P型拡散材組成物の調製>
表4に示す成分組成及び含有量にしたがって、各成分を均一に混合し、0.45μmのメンブレンフィルターで濾過して、P型の拡散剤3及び拡散剤4を調製した。
Figure 0006100471
<P型拡散剤層の形成>
表面にテクスチャ構造を有するN型太陽電池用シリコンウェハを複数枚用意し、一部のウェハの片面に、スピンコーター(ミカサ株式会社製)を用いて拡散剤3又は拡散剤4を塗布した。そして、これらの塗布ウェハをホットプレートに載置して、塗布された拡散剤組成物を150℃で3分間乾燥させて、P型拡散剤層を形成した。P型拡散剤層の膜厚は2410Åであった。次に、対向ウェハをP型拡散剤層に貼り合わせて、積層体を形成した。以下では適宜、拡散剤3を塗布したウェハを「実施例2の塗布ウェハ」と称し、拡散剤4を塗布したウェハを「実施例3の塗布ウェハ」と称する。
<不純物拡散成分の熱拡散>
実施例2,3の積層体をそれぞれ拡散炉内に配列し、上述した方法で各ウェハ内にP型不純物拡散層を形成した。その後、各積層体のP型拡散剤層をフッ酸で除去した。
<抵抗値測定>
実施例2,3の塗布ウェハ及び対向ウェハについて、P型拡散剤層と向かい合う面のシート抵抗値を上述した方法で測定し、シート抵抗値の標準偏差を算出した。結果を表5に示す。
<P/N判定>
熱拡散処理後の実施例2,3の塗布ウェハについて、裏面の導電型を上述の方法で判定した。結果を表5に示す。
Figure 0006100471
表5に示すように、実施例2,3では、塗布ウェハ及び対向ウェハの両方が、同程度に小さいシート抵抗値と標準偏差を示した。したがって、テクスチャ構造を有する太陽電池用のシリコンウェハであっても、塗布ウェハ及び対向ウェハの両方に対して、抵抗値のばらつきの小さい良好な不純物拡散層を形成できることが確認された。また、アウトディフュージョンを抑制できることが確認された。
1 第1半導体基板、 2 P型拡散剤層、 3 第2半導体基板、 4 積層体、 5 P型不純物拡散層、 6 N型拡散剤層、 7 積層体、 8 N型不純物拡散層、 10 表面電極、 11 裏面電極、 100 太陽電池。

Claims (6)

  1. 不純物拡散成分(A)、
    酸素雰囲気下、600℃、30分の加熱により熱分解して消失するアルコール性水酸基含有高分子化合物(B)、及び、
    有機溶剤(C)
    を含む拡散剤組成物を、第1半導体基板の一方の表面に塗布し拡散剤層を形成する工程と、
    前記拡散剤組成物を未塗布の第2半導体基板の一方の表面を前記拡散剤層に貼り合わせて積層体を形成する工程と、
    前記積層体を加熱して、前記第1半導体基板及び前記第2半導体基板に前記不純物拡散成分(A)を拡散させる工程と、
    前記拡散剤層から前記第2半導体基板を剥離する工程と、
    前記第2半導体基板を剥離する工程の後に、剥離液を用いて前記第1半導体基板から前記拡散剤層を剥離する工程と、
    を含むことを特徴とする不純物拡散成分の拡散方法。
  2. 前記第1半導体基板及び前記第2半導体基板は、前記一方の表面にテクスチャ構造を有する太陽電池用基板である請求項1に記載の不純物拡散成分の拡散方法。
  3. 拡散剤層が露出した状態で不純物拡散成分を熱拡散させる方法において、1枚の半導体基板への不純物拡散成分の拡散に必要とされる量の前記拡散剤組成物を、前記第1半導体基板の前記一方の表面に塗布する請求項1又は2に記載の不純物拡散成分の拡散方法。
  4. 前記不純物拡散成分(A)を拡散させる工程における前記積層体の加熱温度が、800〜1000℃である請求項1乃至のいずれか1項に記載の不純物拡散成分の拡散方法。
  5. 前記不純物拡散成分(A)を拡散させる工程の前に、前記拡散剤層を600℃以上で加熱して焼成する工程をさらに含む請求項1乃至のいずれか1項に記載の不純物拡散成分の拡散方法。
  6. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の不純物拡散成分の拡散方法を用いて半導体基板に第1導電型の不純物拡散成分(A)を拡散させて、前記半導体基板の一方の表面に第1導電型の不純物拡散層を形成する工程と、
    前記半導体基板の他方の表面に第2導電型の不純物拡散成分(A)を拡散させて、前記半導体基板の他方の表面に前記第2導電型の不純物拡散層を形成する工程と、
    前記半導体基板の前記一方の表面側に第1電極を設け、当該第1電極を前記第1導電型の不純物拡散層と電気的に接続する工程と、
    前記半導体基板の前記他方の表面側に第2電極を設け、当該第2電極を前記第2導電型の不純物拡散層と電気的に接続する工程と、
    を含むことを特徴とする太陽電池の製造方法。
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