JP2006351995A - 光電変換素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
塗布液を基板面内に均一塗布することができ、高い歩留まりで従来と同等以上の光電変換効率の光電変換素子を作製することができる光電変換素子の製造方法を提供する。
【解決手段】
第一導電型の基板の表面と塗布液との濡れ性が向上するように基板表面処理する工程と、前記基板表面処理を施した前記基板の表面に加圧式エアレススプレー方式を用いて前記塗付液を塗付する塗付工程とを有する光電変換素子の製造方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は光電変換素子の製造方法に関するものである。
光電変換素子としてシリコン結晶基板が用いられている太陽電池を一例として、その表面にドーパント拡散源を塗付液として塗付する方法について述べる。
特許文献1に開示されているように、従来のシリコン結晶太陽電池の接合を形成する方法として、スピン塗布法がある。具体的には、p型シリコン基板表面を数μm程度の高さの凹凸を有するように水酸化ナトリウム水溶液等で異方性エッチング(テクスチャ加工)した後、シリコン基板をステージに吸着保持させ、有機Si化合物にリン化合物を含ませたPSG(Phosphoric Silicate Glass)液または有機Ti化合物にリン化合物を含ませたPTG(Phosphoric Titanate Glass)液などの塗布液を高速回転させたシリコン基板表面に常温で塗布する。その後、塗付膜がコーティングされた基板を乾燥し、拡散炉中で熱処理することによって、シリコン基板表面にn層が形成される。
また、特許文献2には、スプレー塗布法が開示されている。具体的には、シリコン基板表面をテクスチャ加工した後、コンベアベルト上に載置されたシリコン基板の表面付近に対向するように設けたスプレーノズルから、高圧のガスを用いて霧状にしたドーパント溶液が基板表面に吹き付けられる。
さらに、特許文献3には、インクジェット塗付法が開示されている。具体的には、シリコン基板表面をテクスチャ加工した後、シリコン基板を基板チャックに保持させ、半導体基板形状測定装置を用いてシリコン基板の外形を測定し、シリコン基板の上方に設けたインクジェットヘッドノズルからこの外形寸法の内側の領域に塗布液を吐出することでシリコン基板表面に塗布液を塗付する。
特開平7−135333号公報 特開平7−131043号公報 特開2005−38997号公報
しかし、スピン塗布法は枚葉処理であり、基板1枚ごとに回転加減速が必要であり、時間を要するという問題があった。また、ステージへの基板の吸着保持時あるいは回転時に基板へ応力が印加されるため、基板割れが生じることがあり、歩留りが低下する問題もあった。加えて、スピン塗布法を用いた場合には塗布液が無駄になる割合が多いという問題もあった。
一方、スプレー塗付法では、塗付膜が光学的な干渉色を示さず、塗付厚が面内不均一となることを見出した。そのため光電変換素子のn層が面内不均一となって光電変換効率が低くなる問題があった。また、高圧ガスによって霧状にされた塗布液が基板のみならず周囲に飛散し、塗付装置のドラフト内壁へ大量の塗布液が付着し、多くの塗布液が無駄になるという問題があった。
インクジェット塗付法は枚葉処理であり、基板1枚ごとに基板外形の形状測定を必要とするため、時間を要するという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、塗布液を基板面内に均一塗布することができ、高い歩留まりで従来と同等以上の光電変換効率の光電変換素子を作製することができる光電変換素子の製造方法を提供するものである。
すなわち、本発明は、第一導電型の基板の表面と塗布液との濡れ性が向上するように基板表面処理する工程と、前記基板表面処理を施した前記基板の表面に加圧式エアレススプレー方式を用いて前記塗付液を塗付する塗付工程とを有する光電変換素子の製造方法に関する。
本発明の方法により、スプレー塗布法に比べて塗布液を均一に塗布でき、スピン塗布法に比べて高い歩留まりで従来技術と同等以上の変換効率の光電変換素子を作製することができる。さらに、スプレー塗布法およびスピン塗布法に比べて塗付液を無駄にする割合を減じることが可能となる。これらはいずれも光電変換素子のコストを低くすることができる。特に、本発明は、板厚200μm以下の割れやすい基板であっても塗布工程時に基板の吸着保持を必要としないため高い歩留まりが可能となる。また、本発明は数十μm程度以上の大きな凹凸を有するために吸着保持が困難な基板を用いた光電変換素子の作製にも適用できる。
(噴霧塗布装置および噴霧塗布方法)
本発明の光電変換素子の製造方法で用いる塗布液の塗付のための噴霧塗布装置を図1に例示する。この噴霧塗布装置は、スプレーノズル1、液体加圧ポンプ(不図示)、液体加圧ポンプからスプレーノズル1へ塗布液を供給するための配管2、スプレーノズル1の下に位置する基板搬送装置3を有する。さらに、スプレーノズル1から塗布液が噴霧される領域はドラフト(不図示)によって囲むように構成することが好ましい。
この噴霧塗布装置は加圧式エアレススプレー方式のものである。すなわち、塗付液の加圧には高圧ガスを用いない。液体加圧ポンプによって加圧された塗布液は配管2を通ってスプレーノズル1の先端に開けられた小さなオリフィスから高速で押し出される。押し出された塗布液は非常に小さな液滴が無数に集まった霧状となる。
高圧ガスを利用するスプレー塗布法では塗付膜厚の面内均一性が良くない。これは塗付液の液滴が比較的大きく、液滴の飛散速度が大きすぎるために、基板面上にいったん塗付した膜にさらに液滴が激しく衝突することが原因であると考えられる。これに対して、加圧式エアレススプレー方式で得られる塗布液の液滴はスプレー塗付法で得られる塗付液の液滴と比べると小さく、また、液滴は比較的小さな飛散速度で基板面に進む。その結果、スプレー塗付法に比べて加圧式エアレススプレー方式の方がより薄い塗付厚でも面内均一な塗付膜を得ることが可能となる。
塗布液を加圧する圧力の好適な範囲は塗布液の特性や基板面の材質などの様々な要因に影響されると考えられるが、たとえば、表面を酸化したシリコン基板にPSF液(東京応用化学株式会社製、型番P−48316−SG)を塗付する場合、この圧力は20〜60kg/cm2の範囲が好ましいことを見出した。圧力が20kg/cm2以上であれば塗布工程の安定性を維持することができ、塗布したPSF液の膜厚が均一であることを見出したためである。また圧力が60kg/cm2以下であれば、一旦塗布した部分のPSF液膜に高圧で更にPSF液滴が衝突することによって塗布膜厚がかえって不均一になることを抑制できるためである。
スプレーノズル1を基板表面に平行な方向にスキャンすることができるように噴霧塗布装置を構成してもよい。この場合、面積の大きな基板にも対応可能となる。また、基板搬送装置3を用いての基板搬送方向に垂直な方向に並列した複数の基板を順次スキャンして塗付することが可能となる。
スプレーノズル1からは放射ストリップ形状の塗布液の霧を吐出できるように、スプレーノズル1の先端には複数の小さなオリフィスが横並びに開けられたものを用いても良い。このようなスプレーノズルを用いることで、より大きな面積の基板への塗付工程をより短持間で行うことが可能となる。
基板搬送装置3は基板5を搬送できるものであれば特に限定されないが、たとえばロボットアーム、コンベアベルトなどを用いることができる。これらはいずれも基板5を吸着保持することがないため基板に余計な応力がかかって割れるといった不良を抑制できる。コンベアベルトの幅を大きくすれば、スプレーノズル1を上述のようにスキャンすることで、複数の基板への塗付が短時間で可能となり、バッチ処理のスピン塗布法および吐出面積が小さいインクジェット塗布法に比べて短時間での処理を可能とすることができる。塗布液に侵されることがなく長期間の運転にも耐えることから、ステンレス製の網状のベルトを用いることが特に好ましい。
配管2は、塗布液に侵されず塗布液を汚すこともなく、液体加圧ポンプによって加圧された塗布液の圧力に耐えることができるものであれば特に限定されないが、テフロン(登録商標)を用いた配管が好ましい。
吐出されなかった塗布液を循環用配管4を通って、液体加圧ポンプに送出し、再利用するように噴霧塗布装置を構成しても良い。この循環用配管4の材質も配管2と同様に特に限定されないが、テフロン(登録商標)を用いることが好ましい。
噴霧塗布の工程の後、塗付膜を乾燥処理する。乾燥は100℃程度に加熱して行う。乾燥を行うための乾燥装置は噴霧塗布装置と別の装置としても良いし、図1に示すように噴霧塗布装置の基板搬送装置の後段部分に赤外線ヒーターからなる乾燥装置6を設けて噴霧塗布装置と一体化しても良い。
第一導電型の基板上に第二導電型のドーパントとなる元素を含有する塗付液を上述の噴霧塗布装置を用いて塗布し、光電変換素子のpn接合を形成する場合、塗付液中のドーパント濃度や塗付膜厚などを制御することで所定のシート抵抗の第二導電型層を作製できる。p型シリコン基板にn型のドーパント元素を含有する塗布液を塗付してpn接合を形成する場合、光電変換素子の光電変換効率が良好な範囲として、n層のシート抵抗は40〜100Ω/□の範囲が好ましい。
(基板表面処理)
従来技術では塗布液が塗付される基板表面は基板バルクと同じ材質であったのに対し、本発明では、塗布液の濡れ性が良くなるように基板表面を処理する。均一に塗布液を塗布するためである。塗付液の材質に適した基板表面処理を行うが、たとえば塗付液としてアルコールが主成分であるPSF液(東京応用化学株式会社製、型番P−48316−SG)をp型シリコン基板に塗付する場合、シリコン基板の表面を酸化することが好ましい。シリコン基板の表面酸化処理によって得られる酸化シリコン膜の厚さは0.5nm〜5nmの範囲であることが好ましい。酸化シリコン膜の厚さが0.5nm以上であれば基板表面の塗布液の濡れ性は十分となり、酸化シリコン膜の厚さが5nm以下であればシリコン基板の表面酸化処理時間が短く、酸化シリコン膜がドーパントの拡散に対する障壁として働くことを抑制できるためである。酸化シリコン膜の膜厚は公知の分光エリプソ装置を用いて測定することができる。
この酸化シリコン膜の形成方法は、たとえば、硫酸、硝酸、もしくは塩酸への浸漬、または、沸騰水への浸漬、酸素雰囲気での加熱などの方法がある。簡易、短時間、バッチ処理できるなどの利点から、硝酸浸漬が好ましい。
(基板)
本発明に用いられる基板は光電変換素子に用いることができるものであれば特に限定されないが、半導体基板が好ましく、単結晶シリコン基板または多結晶シリコン基板が特に好ましい。多結晶シリコン基板としては公知のものを用いることができ、たとえばキャスト基板、シリコンリボン基板、シリコンシート基板などを用いることができる。
ここでシリコンシート基板とは、特開2001−223172号公報等に開示されたものをいう。シリコンシート基板の表面には数十μm程度以上の大きな凹凸があり、吸着保持がうまくいかないことがある。しかし、上述のように、本発明で用いる噴霧塗布装置の基板搬送装置は吸着保持が不要なコンベアベルトなどの方式を採用できるため、シリコンシート基板であっても本発明を適用できる。
また、数十μm程度の高さの大きな凹凸を表面に有する基板に対してインクジェット塗付法を適用するとなれば、基板チャックへの保持の歩留まりは良好ではなく、インクジェットヘッドノズルと基板表面との距離が基板面内で大きく変化するため塗布液を面内均一に塗付することは原理的に困難である。これに対して、本発明に用いる噴霧塗布装置では上述のようなインクジェット塗布法と異なり、シリコンシート基板にも容易に適用できる。
(塗布液)
塗付液として、光電変換素子に用いる基板の表面にpn接合を形成するためのドーパント液は、基板の導電型とは逆の導電型のドーパント元素を含有する液状のものであって上記の噴霧塗布に用いることができるものであれば特に限定されない。たとえば、P型シリコン基板に対しては、エタノール、イソプロピルアルコールなどの溶媒中に、重量比数%の溶質である珪酸エチルなどの有機Si化合物と、五酸化二リン(P25)などのリン化合物とを含ませたPSG(Phosphoric Silicate Glass)液、有機Ti化合物にリン化合物を含ませたPTG(Phosphoric Titanate Glass)液、アルコール溶媒中に珪素化合物と五酸化二リンを含有するPSF液(東京応用化学株式会社製)などを使用できる。PTG液を用いた場合にはpn接合と反射防止膜の同時形成が可能となる。N型シリコン基板に対しては、たとえばホウ素化合物を含有するBSG(Boron Silicate Glass)液を用いることができる。
また、光電変換素子に用いる基板の表面に反射防止膜を形成するためにも本発明を適用することが可能である。この反射防止膜の原料の塗付液としては、たとえばTG(Titanate Glass)液を用いることができる。
さらに、光電変換素子に用いる基板の受光面に塗付するドーパント液が基板裏面に回り込んで裏面にpn接合が形成されることを抑止するマスクの形成にも本発明を適用することが可能である。このマスクの原料となる塗付液としては、たとえばアルコールを溶媒としたOCD液、TG液、TG液とSG(Silicate Glass)液との混合液などを用いることができる。
上述したように、これらの塗布液の主成分である溶媒との濡れ性が良いものとなるように、塗布液の塗付工程の前に基板表面を処理する。たとえば、PSG液の主成分であるエタノールはシリコンへの濡れ性は悪いが、酸化シリコンへの濡れ性は良い。したがって、P型シリコン基板にPSF液を塗付する場合、シリコン基板表面に薄い酸化シリコンを形成して濡れ性を向上することによって、膜厚が均一な塗付膜を得ることができる。
(実験例1)
本発明の効果を確認するために、以下の予備的な実験を行なった。
表面が鏡面である2枚のp型CZ単結晶シリコン基板の表面を希フッ酸処理して表面の自然酸化膜をエッチング除去し、超純水で洗浄した。次に、1枚は室温にて硝酸(キシダ化学株式会社製、濃度60%)に2分間浸漬して表面に酸化シリコン膜を形成した(基板A)。残る1枚はこの硝酸浸漬を行わなかった(基板B)。図1に示す噴霧塗布装置を用いて、前出のPSF液(東京応用化学株式会社製、型番P−48316−SG)を圧力40kg/cm2程度に加圧し、配管2を通じてスプレーノズル1(ノードソン株式会社製、型番714819)から霧状に吐出させて、上記の鏡面シリコン基板の表面にPSF液を塗布した。スプレーノズルと搬送ベルトとの距離を175mmに設定した。その後、鏡面シリコン基板を100℃程度で乾燥した。
図2に50μm×50μmの領域における基板表面の塗付膜を光学顕微鏡にて観察した結果を模式的に示す。図2(A)に示すように、基板Aでは面内に均一に塗付膜が形成されていた。これに対して、図2(B)に示すように、基板Bではほぼ円状の塗付膜が無数に観察された。これは、基板Bの表面はシリコンで構成されているためにPSF液の濡れ性が悪く、基板BにPSF液が接触した後、PSF液が基板表面方向に広がらなかったためであると考えられる。これに対し、基板Aの表面は酸化シリコンで構成されているためにPSF液の濡れ性が良く、その結果、面内均一な塗付膜を形成できたものと考えられる。
(実験例2)
さらに本発明がシリコンシート基板などの数十μm程度以上の大きな凹凸を有する基板に対しても適用可能であることを確認するために、以下の予備的な実験を行なった。
特開2001−223172号公報の実施例3と同様の方法により第一導電型の基板としてp型のシリコンシート基板を作製した。ただしシリコンを結晶成長させる凹凸基板の凸部のピッチを2mm、溝の深さを0.15mmとした。その結果、2mmのピッチで凸部と凹部との高低差が0.1mmの大きな凹凸を表面に有するシリコンシート基板が得られた。シリコンシート基板は5cm角の大きさである。
次に、実験例1と同様にシリコンシート基板の表面を希フッ酸処理し、超純水で洗浄し、硝酸浸漬にて酸化した。
次に、実験例1と同一のPSF液を塗付液として選択し、表面が酸化された上記シリコンシート基板の表面上に実験例1と同一の条件を用いて噴霧塗布した(基板C)。基板搬送装置はステンレス製の搬送ベルトである。スプレーノズルは搬送ベルトの移動方向とは垂直な方向に水平移動することができる。スプレーノズルと搬送ベルトとの距離を175mm、PSF液の圧力を40kg/cm2、スプレーノズルの水平移動速度を300mm/秒、搬送ベルト上の基板の移動速度を50mm/秒に設定した。
一方、基板Cとは別途、表面が酸化された上記シリコンシート基板をスピンコーター(ミカサ株式会社製、型番1H-DX2)のステージに吸着保持した。スピン塗布に先立ち、基板を回転させても吸着保持が可能なシリコンシート基板を選り分けた。このシリコンシート基板の表面に、回転速度2000rpmにて基板を回転させながら、実験例1と同一のPSF液をスピン塗布した(基板D)。
基板C、Dを石英キャリアに移し、拡散炉(光洋サーモシステム株式会社製、型番206A―M300)の中で850℃、30分間の熱処理を行い、リンを基板受光面に熱拡散させてpn接合を形成した。n型接合層のシート抵抗の面内分布を四探針シート抵抗測定器(ナプソン株式会社製、型番TR−8A−8)を用いて17箇所で測定した。その結果、シート抵抗の平均値および面内分布(最大値と最小値との差)はそれぞれ、基板Cでは平均値50Ω/□、面内分布8Ω/□と面内均一な分布であった。これに対して、基板Dでは平均値51Ω/□、標準偏差26Ω/□と比較的不均一であった。
これは、図3(B)に概念的に示すように、凹凸の大きなシリコンシート基板表面にPSF液をスピン塗布すると、塗布液の塗布厚さが基板凹部で厚く、凸部で薄くなったために、塗布液中のドーパントが基板表面に拡散して形成されたn層のシート抵抗も基板面内で不均一になったためと考えられる。これに対して、図3(A)に概念的に示すように、本発明で用いる噴霧塗布法を用いた場合、シリコンシート基板表面の大きな凹凸の凹部にも凸部にもほぼ均一な厚みの塗付膜を得ることができたために面内均一なシート抵抗のn層を作製できたものと考えられる。
本発明を用いて光電変換素子として太陽電池を作製した。以下に詳細を説明する。
p型多結晶シリコン基板(CRYSTALOX製、抵抗率2Ω・cm、サイズ150mm×150mm×300μm)の表面に存在する基板スライス時の加工ダメージ層を除去するために水酸化ナトリウムを含む水溶液を用いてエッチングする。次に、水酸化ナトリウムを含む水溶液を用いて異方性エッチングすることにより数μm程度の高さの凹凸を表面に作製する(テクスチャ加工)。その後、塩酸(キシダ化学株式会社製、濃度35%):過酸化水素(三菱瓦斯化学株式会社製、濃度31%):純水=1:1:5の容積比の混液で基板を洗浄した。
次に、室温の硝酸液(キシダ化学株式会社製、濃度60%)に基板を2分間浸漬し、表面を酸化した。
この基板表面を分光エリプソ装置(J.A.Woollam社製、型番WVASE32)を用いて解析することで、1nm厚の酸化シリコン膜が形成されていることを確認した。
次に、アルコールを溶媒とするOCD液(東京応用化学株式会社製、型番Si−59000−SG)をマスク膜の原料の塗布液として、加圧式エアレススプレー方式の噴霧塗布装置を用いて基板裏面に塗付した。スプレーノズルはノードソン株式会社製の型番714819を用いた。基板搬送装置はステンレス製の搬送ベルトである。スプレーノズルは搬送ベルトの移動方向とは垂直な方向に水平移動することができる。スプレーノズルと搬送ベルトとの距離を175mm、OCD液の圧力を40kg/cm2、スプレーノズルの水平移動速度を300mm/秒、搬送ベルト上の基板の移動速度を50mm/秒に設定した。OCD液の塗付後、基板を100℃で5分間だけ加熱乾燥して塗付膜中の溶媒成分を揮発させた。
次に、ドーパント液として、溶媒のアルコールに五酸化二リンを含有させたPSF塗布液(東京応用化学株式会社製、型番P−48316−SG)を上記と同一の構成の噴霧塗布装置を用いて基板受光面に塗付した。スプレーノズルと搬送ベルトとの距離を175mm、実験例1と同一のPSF液の圧力を40kg/cm2、搬送ベルト上の基板の移動速度を50mm/秒に設定した。なお、スプレーノズルをスキャンしなかった場合にスプレーされる領域は基板搬送方向に約50mm、基板搬送方向に垂直な方向に約200mmである。PSF液の塗付後、基板を100℃で15分間だけ加熱乾燥して塗付膜中の溶媒成分を揮発させた。
次に、基板を石英キャリアに移し、拡散炉(光洋サーモシステム株式会社製、型番206A―M300)の中で850℃、30分間の熱処理を行い、リンを基板受光面に熱拡散させてpn接合を形成した。
次に、拡散炉から基板を取り出し、基板表面のリンガラス膜および基板裏面のマスク膜をフッ酸水溶液(森田化学工業株式会社製、濃度50%)に浸漬することでエッチング除去した。その後、基板を純水洗浄した。
次に、平行平板型RFプラズマCVD装置を用いて、基板受光面に膜厚75nmの水素化アモルファスシリコン窒化膜の反射防止膜を堆積した。
次に、基板裏面の四辺から1mm内側の領域にアルミペーストをスクリーン印刷した。次に、450℃で3分間乾燥した後、ベルト炉にて最高温度800℃で焼成した。この工程によって基板裏面にp+層、アルミニウムとシリコンとの合金層およびアルミニウム裏面電極を形成した。
次に、櫛型パターンのステンシルマスクを用いて基板受光面に銀ペーストをスクリーン印刷した。これを400℃で3分間乾燥した後、ベルト炉にて最高温度600℃で焼成した。この工程によって銀ペーストに含まれていた銀の微粒子が反射防止膜を貫通して基板受光面のn層と接触し、表面電極を形成した。
最後に基板をハンダディップして表面電極に錫(Sn)をコーティングして太陽電池を作製した。
次に、この太陽電池の光電変換効率を評価するために、エアマス(AM)1.5、光照射強度100mW/cm2の条件のソーラーシミュレータを用いて、温度25℃のもとで電流電圧特性を測定した。その電流電圧特性に基づいて短絡電流密度、開放電圧、曲線因子および光電変換効率をそれぞれ求めた。その結果、短絡電流密度は32.6mA/cm2、開放電圧は0.616V、曲線因子は0.775、光電変換効率は15.6%であった。
本発明の光電変換素子の製造方法に用いる噴霧塗布装置の概略図である。 (A)表面を酸化したシリコン基板上にPSF液を噴霧塗布した塗付膜の観察像の模式図である。(B)表面を酸化しなかったシリコン基板上にPSF液を噴霧塗布した塗布膜の観察像の模式図である。 (A)シリコンシート基板に噴霧塗布法を用いてPSF液を塗付した結果を示す概念図である。(B)シリコンシート基板に従来のスピン塗布法を用いてPSF液を塗付した結果を示す概念図である。
符号の説明
1:スプレーノズル、2:配管、3:基板搬送装置、4:循環用配管、5:基板、6:乾燥装置、31:第一導電型基板、32a,32b:塗付液膜、33a,33b:熱拡散処理後の塗付膜、34a,34b:第二導電型層

Claims (3)

  1. 第一導電型の基板の表面と塗布液との濡れ性が向上するように基板表面処理する工程と、前記基板表面処理を施した前記基板の表面に加圧式エアレススプレー方式を用いて前記塗付液を塗付する塗付工程とを有する光電変換素子の製造方法。
  2. 前記基板が結晶シリコン基板であり、前記塗付液がアルコールを主成分とし、前記基板処理工程が前記結晶シリコン基板の表面を酸化する工程であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
  3. 前記塗布液が前記第一導電型とは異なる第二導電型のドーパントとなる元素を含有することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の光電変換素子の製造方法。
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