JP6100123B2 - 多段式散気装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ダム湖等の水中に多段で散気する多段式散気装置に関する。
一般に、散気装置は、ダム湖等の水中に設置されて、水中のある深さで気泡を連続的に発生させ、その気泡の上昇力で周囲の水を連行することによって、上部水域を循環曝気攪拌するものである。特にダム湖等の閉鎖水域に異常発生するアオコのような藻類を抑制するために用いられている。
すなわち、上部水域を循環曝気攪拌することで、表層で増殖した藻類を中層に送り込むこと、水温躍層を下げて流入栄養塩類を表層に供給しないことで、藻類の発生を抑制するものである。
前記のような散気装置としては、図17(a)〜(c)に概念図を示すように、水底に設置されるシンカー1と、水中においてほぼ垂直状態で自立可能な浮子型の散気本体2とを備えている。また、散気本体2とシンカー1とを連結する係留用のフレキシブルなチェーン等(係留具)3を備えている。
散気本体2は、浮力を有してチェーン等3で係止される筒状体4と、複数本のノズルホース5a,5b,5cと、上下方向に多段となるように筒状体4を貫通して外部に臨まされた散気ノズル6a,6b,6cとでなる。そして、選択された段〔図17(a)は上段、図17(b)は中段、図17(c)は下段〕の各ノズルホース5a,5b,5cにエアが供給されることにより、その段の散気ノズル6a,6b,6cから散気されるようになる。
かかる多段式(浮木式)散気装置では、据付け作業が短時間で安価に行えるとともに、浮遊物の衝突で破損しにくく、循環効率も低下しないという効果を奏することができる。
ところで、特許文献1の散気装置では、陸上設置のコンプレッサ7に一端部をそれぞれ接続した複数本(本例では3本)のエアホース8a,8b,8cの他端部を各ノズルホース5a,5b,5cにそれぞれ接続している。
これにより、陸上設置の電磁切替弁の切り替えで、選択した段のエアホース〔図17(a)では8a、図17(b)は8b、図17(c)は8c〕から、その段のノズルホース5a〜5cを介して、その段の散気ノズル6a〜6cから散気されるようになる。
特開2005−40705号公報
しかしながら、複数本のエアホース8a,8b,8cは、鋼を巻き付けて浮き上がらないようにした自沈タイプが必要となる。例えば、1本当たり100m〜1000mを必要とし、1m当たりの価格が数万円とすれば、100mでも数百万円、それが3本必要となると、数千万円にもなる高価なものである。
また、複数本のエアホース8a,8b,8c同士が絡みつくというトラブルが生じやすいので、その修復メンテナンスも必要となる。
そのため、エアホース8a,8b,8cの本数を極力減らして、装置コストおよびその施工コストやメンテナンスのコストを削減できるようにしたいという要望がある。
本発明は、前記要望に応えるためになされたもので、エアホースを1本に減らすことで、装置コストおよびその施工コスト等の大幅な削減を可能にした多段式散気装置を提供することを課題とするものである。
前記課題を解決するために、本発明は、水中で上下方向に多段となる散気ノズルが支持部材で支持されて、陸上のコンプレッサのエアホースで送気されるエアを各段の散気ノズルに切り替えて送気する多段式散気装置である。前記エアホースは1本であり、前記支持部材若しくはその近傍に、前記エアホースから送気されるエアを、各段の散気ノズルに切り替えて送気する間欠回転切替機構が設けられている。前記間欠回転切替機構は、前記各段の散気ノズル側の各サブポートが一方向回りに略等角度間隔で配列されたサブポート部材を備えている。また、前記エアホース側のメインポートが前記各段の散気ノズル側の各サブポートに順次合致するように間欠回転されるメインポート部材を備えている。前記エアホースからの送気開始のエア圧で前記メインポート部材を間欠回転させて、前記メインポートを前記サブポートの1つに順次に合致させてエアを送気する。また、前記エアホースからの送気を停止することで、その段の散気ノズルからエアが散気されなくなるようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、支持部材の上下方向に多段の散気ノズルに、陸上から1本のエアホースで順次に切り替えてエアを送気するための間欠回転切替機構を備えている。
この間欠回転切替機構は、各段の散気ノズル側の各サブポートを一方向回りに略等角度間隔で配列したサブポート部材と、エアホース側のメインポートを各段の散気ノズル側の各サブポートに順次合致するように間欠回転するメインポート部材とで構成している。
これにより、メインポート部材のメインポートと合致したサブポート部材の1つのサブポートにエアが送気されることで、合致した段の散気ノズルからエアが散気されるようになる。
そして、エアホースからの送気を停止すると、その段の散気ノズルからエアが散気されなくなる。
再び、エアホースからの送気開始のエア圧で、メインポート部材が間欠回転されると、メインポート部材のメインポートが次の段のサブポート部材のサブポートに合致する。これにより、メインポート部材のメインポートと合致したサブポート部材の次の段のサブポートにエアが送気されることで、合致した次の段の散気ノズルからエアが散気されるようになる。
このようにして、1本のエアホースによる送気開始と送気停止とを繰り返す制御をするだけで、各段の散気ノズルに順次に切り替えられて、各段の散気ノズルから順次にエアを散気させることができる。
このように、散気ノズルが上下方向に多段であっても、エアホースは1本でよいから、装置コストおよびその施工コスト等の大幅な削減が可能となる。また、複数本のエアホース同士が絡みつくというトラブルが生じないので、その修復のためのメンテナンスコストも不要となる。
さらに、間欠回転切替機構は、水中にある支持部材の近傍に設けるものである。そのため、仮に電磁切り替え弁等を用いると、電源線や制御線を必要とするが、1本のエアホースによる送気開始と送気停止とを繰り返す制御をするだけ、いわば無電力で切り替えができるので、高価な防水型の電磁切り替え弁や水中専用の電源線等も不要となる。
前記サブポート部材は、シリンダ状に構成されて、側面に前記各サブポートが形成され、前記エアホースは上開口を塞ぐ上プラグのエア給排口に接続され、下開口を塞ぐ下プラグに水出入口が形成されてなる。前記メインポート部材は、ピストン状に構成されて、前記サブポート部材に往復動自在、かつ回転自在に嵌合され、側面に前記メインポートが形成され、このメインポートに連通する上ポートが上面に形成されてなる。前記上プラグの下面と前記メインポート部材の上面には、前記各サブポートと略同角度間隔で、回転方向に傾斜した固定上カムと移動上カムとがそれぞれ形成されている。前記下プラグの上面と前記メインポート部材の下面には、前記各サブポートと略同角度間隔で、回転方向に傾斜した固定下カムと移動下カムとがそれぞれ形成されている。前記サブポート部材側の固定上カムおよび固定下カムと、前記メインポート部材側の移動上カムと移動下カムとは、一方が同位相に設定され、他方が半ピッチずれの位相に設定されている。前記エアホースからの送気開始のエア圧および前記メインポート部材の重量で、前記下プラグとの間の水を前記水出入口から外部に排出しつつ、前記メインポート部材を往動させながら前記固定下カムと移動下カムの係合で前記メインポート部材を間欠半回転させることで、前記メインポートを各サブポートの1つに合致させてエアを送気する。また、前記エアホースからの送気停止で、前記メインポート部材を前記水出入口からの水圧と浮力で復動させながら前記固定上カムと移動上カムの係合で前記メインポート部材を間欠半回転させる構成とすることができる。
この構成によれば、間欠回転切替機構は、シリンダ状のサブポート部材、上プラグ、下プラグ、およびピストン状のメインポート部材の機械的な部品で構成できるから、耐久性や作動信頼性が高くなる。また、送気停止時にメインポート部材が水圧と浮力で往動するから、往動用のスプリング等が不要になる。
なお、上下の向きは相対的なものであり、上下逆向きに設置すれば、上が下、下が上となることに留意されたい。
前記メインポートは、前記メインポート部材の対称位置に形成され、前記サブポートは前記サブポート部材の対称位置に形成されている構成とすることができる。
この構成によれば、対称位置のメインポートがサブポート部材で塞がれている状態でエアが送気されても、各メインポートから噴出しようとするエア圧の反力でメインポート部材がサブポート部材の内部でバランスを保つようになる。したがって、片側に押し付けられることがなくなる結果、メインポート部材が往動しやすくなる。
前記下プラグに水出入口に、除塵用フィルタが取付けられている構成とすることができる。
この構成によれば、除塵用フィルタによって、水中に浮遊する小砂等の塵埃がサブポート部材内に侵入しなくなる。また、除塵用フィルタの外面側に目詰まりした小砂やビニールシート等の塵芥は、メインポート部材の下降に伴う水の排出時に、この水圧で剥離されるので、除塵用フィルタを自動で逆洗浄することが可能になる。
前記サブポート部材は、上下に分割されたシリンダ状に構成されて、上部サブポート部材の側面に前記各サブポートが形成され、前記エアホースは下部サブポート部材の下開口を塞ぐ下蓋部材のエア給排口に接続されてなる。前記メインポート部材は、ピストン状に構成されて、前記上部サブポート部材と下部サブポート部材とに跨って往復動自在、かつ回転自在に嵌合され、側面に前記メインポートが形成されている。このメインポートに連通する下ポートが下面に形成され、前記上部サブポート部材と下部サブポート部材との間の隙間に入り込む大径部が形成され、下方にスプリング力で付勢されてなる。前記上部サブポート部材の下面と前記メインポート部材の大径部の上面には、前記各サブポートと略同角度間隔で、回転方向に傾斜した固定上カムと移動上カムとがそれぞれ形成されている。前記下部サブポート部材の上面と前記メインポート部材の大径部の下面には、前記各サブポートと略同角度間隔で、回転方向に傾斜した固定下カムと移動下カムとがそれぞれ形成されている。前記サブポート部材側の固定上カムおよび固定下カムと、前記メインポート部材側の移動上カムおよび移動下カムとは、一方が同位相に設定され、他方が半ピッチずれの位相に設定されている。前記エアホースからの送気開始のエア圧で、前記メインポート部材を前記スプリング力に抗して往動させながら前記固定上カムと移動上カムの係合で前記メインポート部材を間欠半回転させることで、前記メインポートを各サブポートの1つに合致させてエアを送気する。また、前記エアホースからの送気停止で、前記メインポート部材を前記スプリング力で復動させながら前記固定下カムと移動下カムの係合で前記メインポート部材を間欠半回転させる構成とすることができる。
この構成によれば、間欠回転切替機構は、シリンダ状の上部サブポート部材と下部サブポート部材、ピストン状のメインポート部材、およびスプリングの機械的な部品で構成できるから、耐久性や作動信頼性が高くなる。また、メインポート部材をスプリング力に抗して往動させるから、送気停止時にスプリング力でメインポート部材が復動するから、メインポート部材の復動が確実になる。
なお、上下の向きは相対的なものであり、上下逆向きに設置すれば、上が下、下が上となることに留意されたい。
前記サブポート部材は、固定の円板状体に前記各サブポートが形成されてなり、前記メインポート部材は、回転可能な円板状体に前記メインポートが形成されてなる。送気開始のエア圧でスプリング力に抗して往動され、エア圧の送気停止でスプリング力により復動されるエアシリンダを備えている。前記エアシリンダのラックで往復回転されるピニオンと、前記ピニオンのラチェット爪で一方向回りに回転され、前記メインポート部材に固定されるラチェットホイールを備えている。前記エアホースからの送気開始のエア圧で、前記エアシリンダをスプリング力に抗して往動させることで、前記ラックを介して前記ピニオンを回転させ、前記ピニオンのラチェット爪で前記ラチェットホイールを回転させる。前記ラチェットホイールで前記メインポート部材を間欠回転させることで、前記メインポートを各サブポートの1つに合致させてエアを送気する。また、前記エアホースからの送気停止で、前記エアシリンダをスプリング力で復動させる構成とすることができる。
この構成によれば、間欠回転切替機構は、円板状体のサブポート部材とメインポート部材、エアシリンダ、ラック・ピニオン、ラチェット爪・ラチェットホイールの機械的な部品で構成できるから、耐久性や作動信頼性が高くなる。また、エアシリンダのピストンロッドをスプリング力に抗して往動させるから、送気停止時にスプリング力でピストンロッドが復動するから、ピストンロッドの復動が確実になる。
前記コンプレッサから前記エアホースを介して、前記各段の散気ノズルから略同量のエアを散気するために必要な送気エア圧を予め設定した設定値と、前記エアホースに供給されるエア風量とエア圧の実測値とを比較することで、前記各散気ノズルの散気位置を陸上で把握する散気位置把握手段を有する構成とすることができる。
この構成によれば、エアホースに送られるエア風量とエア圧を、散気位置把握手段である風量計と圧力計で実測して、設定値と比較することで、略同量であるエア風量の時のエア圧を知ることにより、エア圧が高いほど水深の深い散気ノズルから散気しているから、現時点で散気している散気ノズルの段位置を陸上の操作室等で把握することができる。実際には、水深の変動とエア圧の実測値とから、コンピュータ等で散気ノズルの段位置を演算し、その段位置を、例えば「上段散気」、「中段散気」、「下段散気」のようにディスプレィで表示することで、散気位置を把握することができる。
本発明によれば、エアホースを1本に減らすことで、装置コストおよびその施工コスト等の大幅な削減が可能になる。
本発明に係る第1実施形態の間欠回転切替機構であり、(a)は斜視図、(b)はサブポート部材を透過した斜視図である。 図1の間欠回転切替機構であり、(a)は平面図、(b)は模式的断面図である。 図1の間欠回転切替機構であり、(a)は往動位置の斜視図、(b)(c)は復動途中の斜視図、(d)は復動位置の斜視図である。 図1の間欠回転切替機構であり、(a)(b)は往動途中の斜視図、(c)は往動位置の斜視図である。 (a)は送気開始と送気停止のサイクルを示す図、(b)〜(e)は水深と送気エア圧との関係を示すグラフである。 (a)〜(f)は、サブポート部材側の固定上カムと固定下カムを半ピッチずれの位相に設定した作動図である。 (a)〜(f)は、メインポート部材のメインポートとサブポート部材のサブポート部材を2箇所の対称位置に形成した作動図である。 メインポート部材のメインポートとサブポート部材のサブポート部材を3箇所の対称位置に形成した作動図である。 本発明に係る第2実施形態の間欠回転切替機構であり、(a)は平面図、(b)はメインポート部材が往動位置の縦断面図である。 図9の間欠回転切替機構であり、(a)はメインポート部材が復動位置の縦断面図、(b)は(a)のC−C線断面図である。 図9の固定上カムと固定下カムと移動上カムと移動下カムの展開作動図である。 本発明に係る第3実施形態の間欠回転切替機構の正面断面図である。 図12のD−D線断面に相当し、(a)はピストンロッドが復動位置の断面図、(b)はピストンロッドが往動途中の断面図、(c)はピストンロッドが往動位置の断面図である。 (a)は図12のG−G線断面図、(b)は図12のF−F線断面図、(c)は図12のE−E線断面図である。 (a)〜(c)は、本発明に係る多段式(浮木式)散気装置の散気状態の概念図である。 本発明に係る多段式散気装置であり、(a)は湖底設置固定式散気装置の概念図、(b)は吊り下げ型浮子式散気装置の概念図である。 (a)〜(c)は、背景技術の多段式散気装置の散気状態の概念図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、背景技術と同一構成・作用の箇所は、同一番号を付して詳細な説明を省略する。
図15(a)〜(c)は、多段式(浮子式)散気装置の散気状態の概念図である。
水中においてほぼ垂直状態で自立可能な浮子型の散気本体2と、水底に設置されるシンカー1とが、係留用のチェーン等(係留具)3で連結されている。散気本体2は、浮力を有してチェーン等3で係止される筒状体(支持部材)4と、上下方向に多段(本例では、上・中・下の3段)となるように筒状体4の外部に臨まされた散気ノズル6a〜6cとを有している。各段の散気ノズル6a〜6cには、陸上のコンプレッサ7からエアホース8で送気されるエアが切り替えて送気されるようになる。
ここで、背景技術では、図17のように、陸上設置のコンプレッサ7に一端部をそれぞれ接続した複数本(本例では3本)のエアホース8a,8b,8cの他端部を各ノズルホース5a,5b,5cにそれぞれ直接接続している。
これに対して、本実施形態では、エアホース8は1本であり、このエアホース8から送気されるエアを、各段の散気ノズル6a〜6cに切り替えて送気する間欠回転切替機構10(A〜C)が筒状体4の上部に設けられている点で、背景技術と相違する。
シンカー1はコンクリート製であり、浮子型の散気本体2の筒状体4の浮力に打ち勝って水底から浮き上がらない重さに設定されている重量物である。
散気本体2の筒状体4は、中空円筒状で上下方向に長く延在され、上部が閉じられたFRP等の硬質合成樹脂製である。なお、必ずしも合成樹脂に限られるものではない。
そして、筒状体4の下端部は、円周上略等角度間隔の複数本のチェーン等3でシンカー1に係止されている。筒状体4の内部にはウレタン材等の発泡材(不図示)が充填され、これにより、筒状体4は浮力を有するから、浮力でチェーン等3を連結長さだけ引っ張り上げた状態で、水中においてほぼ垂直状態で自立するようになる。なお、筒状体4は、浮力を有するエアホース8のガイド部材の役割を有するものであり、必ずしも筒状に限られるものではなく、浮力を有するガイド部材であればよい。例えば、浮力を有する合成樹脂のような材質製の棒状体で構成し、あるいはフロートを取付けた形鋼で構成することもできる。
筒状体4の外部には、上下方向に3段となるように3個の散気ノズル6a〜6cが臨まされるとともに、筒状体4の内部には3本のノズルホース5a〜5cが収納されている。なお、図15では、各散気ノズル6a〜6cは、円周上略2等分の角度間隔で配置しているが、円周上略3等分や略4等分以上であってもよい。
また、上下方向に3段の散気ノズル6a〜6cは、所定の角度ずつ円周回りにずらして、散気位置が上下方向で重ならないようにしている。なお、散気ノズル6a〜6cは、上下方向に2段、あるいは4段以上であってもよい。
ノズルホース5aは上段の散気ノズル6aに接続され、ノズルホース5bは中段の散気ノズル6bに接続され、ノズルホース5cは下段の散気ノズル6cに接続されている。
ダム湖等の湖岸(陸上…水面に浮上する台船も含む。)にはコンプレッサ7が設置されている。このコンプレッサ7に接続された1本のエアホース8から送気されるエアを、筒状体4の各段の散気ノズル6a〜6cに切り替えて送気する間欠回転切替機構10(A〜C)が筒状体4の上部に設けられている。なお、間欠回転切替機構10(A〜C)は、必ずしも筒状体4の上部に設ける必要は無く、筒状体4の近傍、例えばシンカー1の上部に設けることもできる。
この間欠回転切替機構10(A〜C)は、図2を参照すれば、基本的には、各段の散気ノズル6a〜6c側の各サブポート11a〜11cが一方向回りに略等角度間隔で配列されたサブポート部材11を備えている。また、エアホース8側のメインポート12aが各段の散気ノズル6a〜6c側の各サブポート11a〜11cに順次合致するように間欠回転(矢印a参照)されるメインポート部材12を備えている。
そして、エアホース8からの送気開始のエア圧でメインポート部材12を間欠回転させて、メインポート12aをサブポート11a〜11cの1つに順次に合致させてエアを送気することで、合致した段の散気ノズル6a〜6cからエアが散気されるようになる。
また、エアホース8からの送気を停止することで、その段の散気ノズルからエアが散気されなくなる。
先ず、図1〜図4に基づいて、第1実施形態の間欠回転切替機構10(A)を具体的に説明する。
図1は間欠回転切替機構10(A)であり、(a)は斜視図、(b)はサブポート部材を透過した斜視図である。図2は間欠回転切替機構10(A)であり、(a)は平面図、(b)は模式的断面図である。図3は間欠回転切替機構10(A)であり、(a)は往動位置の斜視図、(b)(c)は復動途中の斜視図、(d)は復動位置の斜視図である。図4は間欠回転切替機構10(A)であり、(a)(b)は往動途中の斜視図、(c)は往動位置の斜視図である。
図1および図2のように、サブポート部材11は、シリンダ(円筒形)状に構成されて、周面(側面)には、円周上略等角度間隔(本例では120度)で3個のサブポート11a〜11cが形成されている。
そして、サブポート部材11のサブポート11aには上段の散気ノズル6aのノズルホース5a、サブポート11bには中段の散気ノズル6bのノズルホース5b、サブポート11cには下段の散気ノズル6cのノズルホース5cがそれぞれ接続されている。
サブポート部材11の上開口は上プラグ13で塞がれ、下開口は下プラグ14で塞がれている。
上プラグ13には、エアホース8を接続するエア給排口13aが形成され、下プラグ14には、水出入口14aが形成されている。なお、エア給排口13aと水出入口14aは、各プラグ13,14の中心位置である必要はなく、また、水出入口14aは1個である必要はない。下プラグ14の水出入口14aには除塵用フィルタ15〔図2(b)参照〕が取付けられている。
メインポート部材12は、ピストン(円形)状に構成されて、サブポート部材11に往復動自在、かつ回転自在に嵌合されている。メインポート部材12の周面(側面)には、1個のメインポート12aが形成され、このメインポート12aに連通する上ポート12b〔図2(b)参照〕が上面に形成されている。すなわち、メインポート12aと上ポート12bは、L字状の通路で連通されている。なお、上ポート12bは、メインポート部材12の中心位置である必要はない。メインポート部材12は、浮力を有する材質(例えばポリプロピレン製)であることが好ましい。
上プラグ13の下面とメインポート部材12の上面との間の空間S1にはエアが給排され、下プラグ14の上面とメインポート部材12の下面との間の空間S2には水が給排されることになる。
上プラグ13の下面とメインポート部材12の上面には、各サブポート11a〜11cと略同角度間隔で、メインポート部材12の回転方向aに傾斜した固定上カム13cと移動上カム12cとがそれぞれ形成されている。
下プラグ14の上面とメインポート部材12の下面には、各サブポート11a〜11cと略同角度間隔で、メインポート部材12の回転方向aに傾斜した固定下カム14cと移動下カム12dとがそれぞれ形成されている。
上プラグ13の固定上カム13cとメインポート部材12の移動上カム12cは、垂直状立ち下がり部と、この垂直状立ち下がり部の先端から回転方向に緩やかな円弧で立ち上がる円弧状立ち上がり部とでなっている(鋸歯状カム)。
下プラグ14の固定下カム14cとメインポート部材12の移動下カム12dは、垂直状立ち上がり部と、この垂直状立ち上がり部の先端から回転方向に緩やかな円弧で立ち下がる円弧状立ち下がり部とでなっている(鋸歯状カム)。
なお、メインポート部材12がエア圧や水圧でふらついて、サブポート部材11との間でこじれるのを防止するために、メインポート部材12の中心穴を貫通するガイド軸を上プラグ13と下プラグ14との間に取付けてもよい。この場合には、上プラグ13のエア給排口13a、メインポート部材12の上ポート12b、下プラグ14の水出入口14aは、中心のガイド軸からオフセットさせた位置に形成すればよい。
サブポート部材11側の固定上カム13cおよび固定下カム14cと、メインポート部材12側の移動上カム12cと移動下カム12dとは、一方が同位相に設定され、他方が半ピッチずれの位相に設定されている。本例では、サブポート部材11側の固定上カム13cおよび固定下カム14cを同位相に設定し、メインポート部材12側の移動上カム12cと移動下カム12dを半ピッチ(1/2P)ずれの位相に設定している〔図1(b)参照〕。
なお、図6(a)〜(f)のように、メインポート部材12側の移動上カム12cおよび移動下カム12dを同位相に設定し、サブポート部材11側の固定上カム13cと固定下カム14cを半ピッチ(1/2P)ずれの位相に設定してもよい。
上プラグ13の固定上カム13cとメインポート部材12の移動上カム12c、下プラグ14の固定下カム14cとメインポート部材12の移動下カム12dは、間欠回転切替機構の主要な構成要素となる。
第1実施形態の間欠回転切替機構10(A)であれば、今、陸上のコンプレッサ7に接続された1本のエアホース8からエアが送気されているものとし、そのエア圧によって、メインポート部材12が往動位置A〔図3(a)、図6(a)参照〕であるとする。また、メインポート部材12のメインポート12aは、サブポート部材11の上段の散気ノズル6aのノズルホース5aが接続されたサブポート11aに合致しているものとする。このとき、メインポート部材12の移動下カム12dは、下プラグ14の固定下カム14cに係合している。
この状態では、エアホース8から送気されたエアは、上プラグ13のエア給排口13a、メインポート部材12の上ポート12b、メインポート12aからサブポート11aを経てノズルホース5aを通る。そして、図15(a)のように、上段の散気ノズル6aから散気されるようになる。
その後、上段の散気ノズル6aからの散気を停止させて、中段の散気ノズル6bからの散気を開始させるには、コンプレッサ7によるエアの送気を停止することで、上段の散気ノズル6aからの散気が停止する。このとき、上段の散気ノズル6aとコンプレッサ7との間の残留エアは、コンプレッサ7側にフリーで排出される、コンプレッサフリーの状態となる。
すると、図3(b)のように、ダム湖等の水が下プラグ14の水出入口14aからサブポート部材11の空間S2に流入すると、メインポート部材12は、流入した水の水圧と浮力により復動しながら(矢印c参照)、空間S1のエアがコンプレッサ7側に排出されるようになる。これにより、サブポート部材11の内壁面でメインポート部材12のメインポート12aが閉じられる。
このメインポート部材12の復動の途中で、図3(b)のように、メインポート部材12の移動上カム12cが上プラグ13の固定上カム13cに接触する。ついで、さらにメインポート部材12が復動すると、移動上カム12cが固定上カム13cでガイドされることで、図3(c)(d)、図6(b)のように、メインポート部材12は復動しながら60度〔半ピッチ(1/2P)〕で間欠回転されて(矢印b参照)、復動位置Bに復動するようになる。このとき、上段の散気ノズル6aからノズルホース5aを介してサブポート部材11内に水が入ることがあるが支障はない。
ついで、コンプレッサ7によるエアの送気を開始すると、空間S1に供給されたエア圧およびメインポート部材12の重量によって、メインポート部材12が往動位置〔図4(a)参照〕Aに往動されながら、下プラグ14との間の空間S2の水が水出入口14aから外部に排出されるようになる。
このメインポート部材12の往動の途中で、図4(a)のように、メインポート部材12の移動下カム12dが下プラグ14の固定下カム14cに接触する。ついで、さらにメインポート部材12が往動すると、移動下カム12dが固定下カム14cでガイドされることで、図4(b)(c)、図6(c)のように、メインポート部材12は往動しながら60度〔半ピッチ(1/2P)〕で間欠回転されて、往動位置Aに往動するようになる。すなわち、メインポート部材12は、復動と往動とで、計120度〔1ピッチ(P)〕で間欠回転されることになる。
このメインポート部材12の間欠回転で、メインポート部材12のメインポート12aがサブポート部材11の中段の散気ノズル6bのノズルホース5bが接続されたサブポート11bに合致するようになる。
この状態では、エアホース8から送気されたエアは、上プラグ13のエア給排口13a、メインポート部材12の上ポート12b、メインポート12aからサブポート11bを経てノズルホース5bを通る。そして、図15(b)のように、中段の散気ノズル6bから散気されるようになる。
以下、中段の散気ノズル6bからの散気を停止させて〔図6(d)参照〕、下段の散気ノズル6cからの散気を開始させる場合〔図6(e)参照〕、その後、下段の散気ノズル6cからの散気を停止させ〔図6(f)参照〕て、再び上段の散気ノズル6aからの散気を開始させる場合〔図6(a)参照〕も同様である。すなわち、エアホース8からの送気停止、送気開始を繰り返す制御をすればよい。
このようにして、図5(a)のように、1本のエアホース8による送気開始と送気停止を繰り返す制御をするだけで、各段の散気ノズル6a→6b→6cに順次に切り替えて、各段の散気ノズル6a〜6cから順次にエアを散気させることができる。
したがって、エアホース8は1本でよいから、装置コストおよびその施工コスト等の大幅な削減が可能となる等の効果を奏することができる。
また、間欠回転切替機構10(A)は、シリンダ状のサブポート部材11、上プラグ13、下プラグ14、およびピストン状のメインポート部材12の機械的な部品で構成できるから、耐久性や作動信頼性が高くなる。また、送気停止時にメインポート部材12が水圧と浮力で往動するから、往動用のスプリング等が不要になる。
さらに、下プラグ14に水出入口14aに取付けられた除塵用フィルタ15によって、水中に浮遊する小砂等の塵埃がサブポート部材11内に侵入しなくなる。また、除塵用フィルタ15の外面側に目詰まりした小砂やビニールシート等の塵芥は、メインポート部材12の下降に伴う水の排出時に、この水圧で剥離されるので、除塵用フィルタ15を自動で逆洗浄することが可能になる。
第1実施形態では、メインポート部材12の1個のメインポート12aを、サブポート部材11の3個のサブポート11a〜11cの1つに順次合致させる構成である。この場合、メインポート12aがサブポート部材11で塞がれている状態でエアが送気されると、メインポート12aから噴出しようとするエア圧の反力でメインポート部材12がサブポート部材11の反対側に押し付けられる。その結果、メインポート部材12が往動しにくくなるおそれがある。
そこで、図7(a)〜(f)のように、メインポート部材12の周面(側面)の対称位置(180度)に計2個のメインポート12aを形成し、メインポート12aと上ポート12bとを逆T字状の通路で連通する。
また、サブポート部材11の周面(側面)の対称位置(180度)に、円周上略等角度間隔(本例では120度)で計6個のサブポート11a〜11cを形成する。
そして、2個のサブポート11aには上段の散気ノズル6aのノズルホース5a、2個のサブポート11bには中段の散気ノズル6bのノズルホース5b、2個のサブポート11cには下段の散気ノズル6cのノズルホース5cを介してそれぞれ接続する。
図7(a)はメインポート部材12が往動位置Aで、2個のメインポート12aが2個のサブポート11aに合致している状態、同(b)はメインポート部材12が復動位置Bで、2個のメインポート12aがサブポート部材11で塞がれている状態である。
また、図7(c)はメインポート部材12が往動位置Aで、2個のメインポート12aが2個のサブポート11bに合致している状態、同(d)はメインポート部材12が復動位置Bで、2個のメインポート12aがサブポート部材11で塞がれている状態である。
さらに、図7(e)はメインポート部材12が往動位置Aで、2個のメインポート12aが2個のサブポート11cに合致している状態、同(f)はメインポート部材12が復動位置Bで、2個のメインポート12aがサブポート部材11で塞がれている状態である。
このように、2個のメインポート12aがサブポート部材11で塞がれている状態でエアが送気されても、2個のメインポート12aから噴出しようとするエア圧の反力でメインポート部材12がサブポート部材11の内部でバランスを保つようになる。したがって、片側に押し付けられることがなくなる結果、メインポート部材12が往動しやすくなる。
図8はメインポート部材12のメインポート12aとサブポート部材11のサブポート11a〜11cを3箇所の対称位置に形成した例である。今、メインポート12aがp,s,v位置に位置して、サブポート11aと合致しているとした場合、メインポート部材12が左回りに80度回転すると、r,u,xの位置でサブポート11bと合致する。さらに、メインポート部材12が左回りに80度回転すると、t,w,qの位置でサブポート11cと合致する。
この場合でも、メインポート部材12の復動位置Bで、3個のメインポート12aがサブポート部材11で塞がれている状態でエアが送気されても、3個のメインポート12aから噴出しようとするエア圧の反力でメインポート部材12がサブポート部材11の内部でバランスを保つようになる。したがって、片側に押し付けられることがなくなる結果、メインポート部材12が往動しやすくなる。なお、4箇所以上の対称位置に形成することも可能である。
次に、図9〜図11に基づいて、第2実施形態の間欠回転切替機構10(B)を具体的に説明する。
図9は間欠回転切替機構10(B)であり、(a)は平面図、(b)はメインポート部材21が往動位置Aの縦断面図である。図10は間欠回転切替機構10(B)であり、(a)はメインポート部材21が復動位置Bの縦断面図、(b)は(a)のC−C線断面図である。図11は固定上カム20eと固定下カム20fと移動上カム21eと移動下カム21fの展開作動図である。
間欠回転切替機構10(B)は、図9(a)(b)のように、シリンダ(円筒形)状のサブポート部材20の下フランジ部20gが基台19に固定されている。
下フランジ部20gの底部には、エアホース8の出口部を接続する接続口20hが形成されている。
サブポート部材20は、基台19に固定される下サブポート部20Aと、この下サブポート部20Aと所定の隙間を隔てるように、複数本(本例では3本)のタイロッド18で支持された上サブポート部20Bとで構成されている。
上サブポート部20Bの周面(側面)には、円周上略等角度間隔(本例では120度)で3個のサブポート20a〜20cが形成されている。
そして、上サブポート部20Bのサブポート20aには上段の散気ノズル6aのノズルホース5aの入口部分が接続されている。同様に、サブポート20bには中段の散気ノズル6bのノズルホース5b、サブポート20cには下段の散気ノズル6cのノズルホース5cのそれぞれ入口部分が接続されている。
メインポート部材21は、上部が閉じられた円筒状に構成されて、下サブポート部20Aと上サブポート部20Bとに跨って、往復動自在に、かつ回転自在に嵌合されている。メインポート部材21には、下サブポート部20Aの上端と上サブポート部20Bの下端との間の隙間に入り込む膨出部21cが形成されている。メインポート部材21は、浮力を有する材質(例えばポリプロピレン製)であることが好ましい。
メインポート部材21の周面(側面)には、1個のメインポート21aが形成され、このメインポート21aは、下端開口21bに連通されている。
メインポート部材21は、図9(b)の往動時に、往動位置Aで上サブポート部20Bの段部20dで当て止められることで、メインポート21aがサブポート20a〜20cの1つの合致するようになる。メインポート21aは、図10(a)の復動時に、下サブポート部20Aの底部で当て止められた位置では、サブポート20a〜20cのいずれにも合致しないようになる。
上サブポート部20Bの下端とメインポート部材21の膨出部21cの上端には、各サブポート20a〜20cと略同角度間隔で、メインポート部材21の回転方向(矢印a参照)に傾斜した固定上カム20eと移動上カム21eとがそれぞれ形成されている。
下サブポート部20Aの上端とメインポート部材21の膨出部21cの下端には、各サブポート20a〜20cと略同角度間隔で、メインポート部材21の回転方向に傾斜した固定下カム20fと移動下カム21fとがそれぞれ形成されている。
上サブポート部20Bの固定上カム20eとメインポート部材21の膨出部21cの移動上カム21eは、垂直状立ち下がり部と、この垂直状立ち下がり部の基端から回転方向に立ち上がる傾斜状立ち上がり部とでなっている(鋸歯状カム)。
下サブポート部20Aの固定下カム20fとメインポート部材12の膨出部21cに移動下カム21fは、垂直状立ち上がり部と、この垂直状立ち上がり部の基端から回転方向に立ち上がる傾斜状立ち上がり部とでなっている(鋸歯状カム)。
サブポート部材20側の固定上カム20eおよび固定下カム20fと、メインポート部材21側の移動上カム21eと移動下カム21fとは、一方が同位相に設定され、他方が半ピッチずれの位相に設定されている。本例では、図11(a)のように、メインポート部材21側の移動上カム21eおよび移動下カム21fを同位相に設定し、サブポート部材20側の固定上カム20eおよび固定下カム20fを半ピッチ(1/2P)ずれの位相に設定している。
上サブポート部20Bの上部にはプラグ22がねじ込まれ、このプラグ22とメインポート部材21の上部との間にコイルスプリング23が縮装されて、メインポート部材21を復動方向に付勢している。コイルスプリング23の付勢力は、プラグ22を軸方向に移動操作することで調整可能である。
サブポート部材20の固定上カム20eとメインポート部材21の移動上カム21e、サブポート部材20の固定下カム20fとメインポート部材21の移動下カム21fは、間欠回転切替機構の主要な構成要素となる。
第2実施形態の間欠回転切替機構10(B)であれば、今、陸上のコンプレッサ7に接続された1本のエアホース8からエアが送気されているものとし、そのエア圧によって、メインポート部材21が最大往動された位置〔図9(b)参照〕であるとする。また、メインポート部材21のメインポート21aは、上サブポート部20Bの上段の散気ノズル6aのノズルホース5aが接続されたサブポート20aに合致しているものとする。このとき、図11(a)のように、メインポート部材21の移動上カム21eは、上サブポート部20Bの固定上カム20eに係合している。
この状態では、エアホース8から送気されたエアは、図9(b)のように、下サブポート部20Aとメインポート部材21からメインポート21aとサブポート20aを経てノズルホース5aを通る。そして、図15(a)のように、上段の散気ノズル6aから散気されるようになる。
その後、上段の散気ノズル6aからの散気を停止させて、中段の散気ノズル6bからの散気を開始させるには、コンプレッサ7によるエアの送気を停止することで、上段の散気ノズル6aからの散気が停止する。
すると、コイルスプリング23の付勢力でメインポート部材21が図10(a)のように復動されるので、上サブポート部20Bでメインポート部材21のメインポート21aが閉じられる。
このメインポート部材21の復動の途中で、図11(b)のように、メインポート部材21の移動下カム21fが下サブポート部20Aの固定下カム20fに接触する。ついで、さらにメインポート部材21が復動すると、移動下カム21fが固定下カム20fでガイドされることで、図11(c)のように、メインポート部材21は復動しながら60度〔半ピッチ(1/2P)〕で間欠回転されるようになる。
ついで、コンプレッサ7によるエアの送気を開始すると、そのエア圧によって、メインポート部材21が往動位置〔図9(b)参照〕Aに往動される。
このメインポート部材21の往動の途中で、図11(d)のように、メインポート部材21の移動上カム21eが上サブポート部20Bの固定上カム20eに接触する。ついで、さらにメインポート部材21が往動すると、移動上カム21eが固定上カム20eでガイドされることで、図11(a)のように、メインポート部材21は往動しながら60度〔半ピッチ(1/2P)〕で間欠回転されるようになる。すなわち、メインポート部材21は、復動と往動とで、計120度〔1ピッチ(P)〕で間欠回転されることになる。
このメインポート部材21の間欠回転で、メインポート部材21のメインポート21aが上サブポート部20Bの中段の散気ノズル6bのノズルホース5bが接続されたサブポート20bに合致するようになる。
この状態では、エアホース8から送気されたエアは、下サブポート部20Aとメインポート部材21からメインポート21aとサブポート20bを経てノズルホース5bを通り、中段の散気ノズル6bから散気されるようになる。
以下、中段の散気ノズル6bからの散気を停止させて、下段の散気ノズル6cからの散気を開始させる場合、その後、下段の散気ノズル6cからの散気を停止させて、再び上段の散気ノズル6aからの散気を開始させる場合も同様である。すなわち、エアホース8からの送気停止、送気開始を繰り返す制御をすればよい。
このようにして、1本のエアホース8による送気開始と送気停止を繰り返す制御をするだけで、各段の散気ノズル6a→6b→6cに順次に切り替えて、各段の散気ノズル6a〜6cから順次にエアを散気させることができる。
したがって、第1実施形態と同様に、エアホース8は1本でよいから、装置コストおよびその施工コスト等の大幅な削減が可能となる等の効果を奏することができる。
また、間欠回転切替機構10(B)は、上サブポート部20Bの固定上カム20eと、下サブポート部20Aの固定下カム20fと、メインポート部材21の移動上カム21eおよび移動下カム21f等の機械的な部品で構成できる。したがって、耐久性や作動信頼性が高くなる。さらに、送気停止時にスプリング力でメインポート部材21が復動するから、メインポート部材21の復動が確実になる。
最後に、図12〜図14に基づいて、第3実施形態の間欠回転切替機構10(C)を具体的に説明する。
図12は間欠回転切替機構10(C)の正面断面図である。図13は図12のD−D線断面に相当し、(a)はピストンロッド38bが復動位置Bの断面図、(b)はピストンロッド38bが往動途中の断面図、(c)はピストンロッド38bが往動位置Aの断面図である。
図14(a)は図12のG−G線断面図、図14(b)は図12のF−F線断面図、図14(c)は図12のE−E線断面図である。
間欠回転切替機構10(A)は、図12および図13(a)のように、水密ケース26でカバーされた基台27を備えている。基台27の第1支持台27aには、図14(a)にも示すように、円周上略等角度間隔(本例では120度)で3個のサブポート28a〜28cを有する円板状のサブポート部材28が固定されている。
各ノズルホース5a〜5cは、水密ケース26の側壁を水密に貫通している。そして、サブポート部材28の外面側のサブポート28aには上段の散気ノズル6aのノズルホース5aの入口部が接続されている。同様に、サブポート28bには中段の散気ノズル6bのノズルホース5b、サブポート28cには下段の散気ノズル6cのノズルホース5cのそれぞれ入口部が接続されている。
サブポート部材28と同軸にメインポート部材29が配置され、このメインポート部材29は、サブポート部材28の内面に隙間を隔てて対向する大径部29bと、後続する中径部29cと小径部29dとを有している。
大径部29bからサブポート部材28側に突出する軸部29eは、サブポート部材28の貫通穴28eに回転自在に嵌合されている。小径部29dの端部寄りの部分は、基台27の第2支持台27bの軸受30で回転自在に嵌合されている。これにより、メインポート部材29は、サブポート部材28と同軸に回転できるようになる。
大径部29bには、一方向回りの間欠回転〔図14(a)の矢印参照〕に伴って、サブポート部材28の内面のサブポート28a,28b,28cに順次に合致する1個のメインポート29aが形成されている。このメインポート29aからは、大径部29b内を中心まで略Z字状に折れ曲がり、中心を通って中径部29cから小径部29dの端部に貫通する貫通穴29fが形成されている。
大径部29bのメインポート29aには、サブポート部材28の内面に接触可能なリング状パッキン31が取付けられ、間欠回転に伴って合致したサブポート部材28の内面のサブポート28a〜28cとの間を順次にシールして、エア漏れを少なくしている。
小径部29dにはピニオン32が回転自在に嵌合され、このピニオン32には複数枚(本例では180度間隔で2枚)のラチェット爪33を有する円板34が固定されている。各ラチェット爪33は、図14(c)のように、円板34にピン33aで揺動可能に支持され、スプリング33bで一方向回りに付勢された状態で、ストッパーピン33cに当て止められている。中径部29cには、各ラチェット爪33が係合するラチェットホイール35が固定されている。
そして、ピニオン32が120度で間欠回転されると、円板34とともにラチェット爪33が120度で間欠旋回され、ラチェット爪33に係合したラチェットホイール35が120度で間欠回転される。このラチェットホイール35の間欠回転により、メインポート部材29が120度で間欠回転されるから、大径部29bのメインポート29aがサブポート部材28のサブポート28aに合致していたとすると、次のサブポート28bに合致するようになる。
図14(b)のように、大径部29bの外周には120度間隔で3つのクリック凹部29gが形成され、基台27には、クリック凹部29gの1つに係合するクリックボール36aがスプリング36bで係合方向に付勢して設けられている。これにより、メインポート部材29が120度で間欠回転された位置毎に、クリックボール36aで位置決めされるようになる。
ピニオン32の上部には、軸直交方向にエアシリンダ38が配置され、図13(b)のように、エアシリンダ38のシリンダ本体38aは、基台27の第3支持台27cに固定されている。
シリンダ本体38aには、ピストンロッド38bのピストン38cが往復動自在に嵌合され、ピストンロッド38bの中空穴には、ガイドロッド38dが摺動自在に嵌合されている。
ガイドロッド38dの先端部38eは、基台27の第4支持台27dに固定され、このガイドロッド38dにはコイルスプリング39が嵌め合わされている。コイルスプリング39は、ガイドロッド38dのダブルナット40とピストンロッド38bの凹部38fとの間に縮装されて、ピストンロッド38bを復動方向に付勢している。コイルスプリング39の付勢力は、ダブルナット40を軸方向に移動操作することで調整可能である。
ピストンロッド38bの下側面には、ピニオン32に噛み合うラック41が設けられ、ピストンロッド38bの上側面の上方には、ラック41がピニオン32から外れないように押さえるガイドローラ43が配置されている。
シリンダ本体38aの底部には、エアホース8の出口部を接続する接続口38gが形成されている。シリンダ本体38aの側部には、エアホース8からのエア圧によりピストン38cが最大往動された位置〔図13(c)参照〕で開かれる開口38hが形成されている。
この開口38hに接続されたホース38jの端部は、図12(a)のように、メインポート部材29の小径部29dの端部と突き合わされて、シール44aを有する回転継手44で気密に接続されている。
エアシリンダ38とラック・ピニオン41,32とラチェット爪33とラチェットホイール35は、間欠回転切替機構の主要な構成要素となる。
第3実施形態の間欠回転切替機構10(C)であれば、今、陸上のコンプレッサ7に接続された1本のエアホース8からエアが送気されているものとし、そのエア圧によって、ピストン38cが最大往動された位置〔図13(c)参照〕であるとする。また、メインポート部材29は、大径部29bのメインポート29aがサブポート部材28の上段の散気ノズル6aのノズルホース5aが接続されたサブポート28aに合致しているものとする。
この状態では、エアホース8から送気されたエアは、図13(c)のように、シリンダ本体38a内から開口38hを経てホース38jを通り、図12のように、メインポート部材29の貫通穴29fを通って、大径部29bのメインポート29aに至る。ついで、サブポート部材28のサブポート28aを経てノズルホース5aを通り、図15(a)のように、上段の散気ノズル6aから散気されるようになる。
その後、上段の散気ノズル6aからの散気を停止させて、中段の散気ノズル6bからの散気を開始させるには、コンプレッサ7によるエアの送気を停止することで、上段の散気ノズル6aからの散気が停止する。
すると、コイルスプリング39の付勢力でピストンロッド38bが図13(a)のように復動されるので、ピストン38cでシリンダ本体38aの開口38hが閉じられる。このとき、ピストンロッド38bのラック41でピニオン32が復動方向Rに回転されるが、円板34のラチェット爪33は、ラチェットホイール35の外周を空滑りするので、ラチェットホイール35は間欠回転されないままである。
ついで、コンプレッサ7によるエアの送気を開始すると、そのエア圧によって、ピストン38cが最大往動位置〔図13(c)参照〕に往動される。その途中で、図13(b)のように、ピストンロッド38bのラック41でピニオン32が往動方向Fに回転され、円板34のラチェット爪33は、ラチェットホイール35に係合するので、ラチェットホイール35は120度で間欠回転される。
このラチェットホイール35の間欠回転で、メインポート部材29は、大径部29bのメインポート29aが、サブポート部材28の中段の散気ノズル6bのノズルホース5bが接続されたサブポート28bに合致するようになる。
この状態では、エアホース8から送気されたエアは、図13(c)のように、シリンダ本体38a内から開口38hを経てホース38jを通り、図12のように、メインポート部材29の貫通穴29fを通って、大径部29bのメインポート29aに至る。ついで、サブポート部材28のサブポート28bを経てノズルホース5bを通り、図15(b)のように、中段の散気ノズル6bから散気されるようになる。
以下、中段の散気ノズル6bからの散気を停止させて、下段の散気ノズル6cからの散気を開始させる場合、その後、下段の散気ノズル6cからの散気を停止させて、再び上段の散気ノズル6aからの散気を開始させる場合も同様である。すなわち、エアホース8からの送気停止、送気開始を繰り返す制御をすればよい。
このようにして、1本のエアホース8による送気開始と送気停止を繰り返す制御をするだけで、各段の散気ノズル6a→6b→6cに順次に切り替えて、各段の散気ノズル6a〜6cから順次にエアを散気させることができる。
したがって、第1実施形態と同様に、エアホース8は1本でよいから、装置コストおよびその施工コスト等の大幅な削減が可能となる等の効果を奏することができる。
また、間欠回転切替機構10(C)は、エアシリンダ38とラック・ピニオン41,32とラチェット爪33とラチェットホイール35の機械的な部品で構成できるから、耐久性や作動信頼性が高くなる。さらに、エアシリンダ38のピストンロッド38bを復動方向のスプリング力に抗して往動させるから、送気停止時にスプリング力でピストンロッド38bが復動するから、ピストンロッド38bの復動が確実になる。
前記間欠回転切替機構10(A〜C)において、各散気ノズル6a〜6cは水中に位置するものである。したがって、いずれかの散気ノズル6a〜6cから散気していることは、陸上の操作室等から水上の泡立ち具合を目視または監視カメラの映像を見ることで把握できるが、散気している散気ノズル6a〜6cの段位置までは把握することができない。
そこで、散気している散気ノズル6a〜6cの段位置を陸上の操作室等で把握することができる手法を、図5(b)〜(e)を参照して説明する。図5(b)〜(e)における各記号は以下の意味であり、各数値は説明を理解し易くするための例示である。
h:満水時の水底から水面までの水深(50m…変動)
h’:深さhに送気するために必要な送気エア圧(50Mps…変動)
hs:満水時の水底から間欠回転切替機構10(A〜C)までの水深(40m…一定)
hs’:深さhs に送気するために必要な送気エア圧(40Mps…一定)
注:水底のシンカー1が設置された水底と位置が異なるのは、土砂等が堆積した後の現実の水底を表しているためである。
h0:満水時の水面から間欠回転切替機構10(A〜C)までの水深(10m…変動)
h0’:深さh0 に送気するために必要な送気エア圧(10Mps…変動)
注:h0’=h’−hs’
h1:満水時の水面から上段の散気ノズル6aまでの水深(15m…変動)
h1’:深さh1に送気するために必要な送気エア圧(15Mps…変動)
h2:満水時の水面から中段の散気ノズル6bまでの水深(20m…変動)
h2’:深さh2に送気するために必要な送気エア圧(20Mps…変動)
h3:満水時の水面から下段の散気ノズル6cまでの水深(25m…変動)
h3’:深さh3に送気するために必要な送気エア圧(25Mps…変動)
H1:h1’−h0’(5Mps…一定)(上段の散気ノズル6a)
H2:h2’−h0’(10Mps…一定)(中段の散気ノズル6b)
H3:h3’−h0’(15Mps…一定)(下段の散気ノズル6c)
注:「変動」とは、水深および送気エア圧が水位に応じて変動することであり、「一定」とは、水位に関係無く変動しないことである。
ここで、ダム湖等の水深が満水状態であれば、コンプレッサ7からエアホース8に送られる送気エア圧を圧力計9で実測すれば、現時点で散気している散気ノズル6a〜6cの段位置を陸上の操作室等で容易に把握することができる。
すなわち、送気エア圧が15Mpsであると上段の散気ノズル6aから散気され、送気エア圧が20Mpsであると中段の散気ノズル6bから散気され、送気エア圧が25Mpsであると下段の散気ノズル6cから散気されていることが分かる。
ところが、ダム湖等の水深は、満水から放流に切り変わった時等には、水深が著しく低下(変動)し、前述の各送気エア圧(15Mps、20Mps、25Mps)も低下(変動)する。したがって、それを圧力計9で実測したとしても、現時点で散気している散気ノズル6a〜6cの段位置を陸上の操作室等で正確に把握することができない。
すなわち、前記の例では、上段の散気ノズル6aまでの水深h1が15m→10mに変動した場合の必要な送気エア圧h1’は、15Mps→10Mpsとなる。中段の散気ノズル6bまでの深さh2が20m→15mに変動した場合の必要な送気エア圧h2’は、20Mps→15Mpsとなる。下段の散気ノズル6cまでの深さh3が25m→20mに変動した場合の必要な送気エア圧h3’は、25Mps→20Mpsとなる。したがって、圧力計9で例えば15Mpsが実測されても、上段の散気ノズル6aから散気されているのではなく、現実には中段の散気ノズル6bから散気されているからである。
そこで、コンプレッサ7からエアホース8を介して、各段の散気ノズル6a〜6cから略同量のエアを散気するために必要な送気エア圧を予め設定しておく。
ここで、
H1:h1’−h0’(5Mps…一定)(上段の散気ノズル6a)
H2:h2’−h0’(10Mps…一定)(中段の散気ノズル6b)
H3:h3’−h0’(15Mps…一定)(下段の散気ノズル6c)
の関係がある。すなわち、上段の散気ノズル6aと中段の散気ノズル6bとの送気エア圧の差、および中段の散気ノズル6bと下段の散気ノズル6cとの送気エア圧の差は、水深h1,h2,h3が変動しても一定である。
これらのことから、例えば、水深h1が15m→10mに変動した場合、エア風量を略同量とするために風量計で実測しながら、圧力計9で10Mpsが実測されれば、上段の散気ノズル6aから散気されていることが分かる。同様に、圧力計9で15Mpsが実測されれば、中段の散気ノズル6bから散気されていることが分かり、圧力計9で20Mpsが実測されれば、下段の散気ノズル6cから散気されていることが分かることになる。実際には、水深の変動とエア圧の実測値とから、コンピュータ等で散気ノズル6a〜6cの段位置を演算し、その段位置を、例えば「上段散気」、「中段散気」、「下段散気」のようにディスプレィで表示することで、散気位置を把握することができる。ここで、風量計と圧力計9、コンピュータ等とディスプレィは、散気位置把握手段を構成する。
なお、図5(b)〜(d)において、送気開始直後のエア圧が極端に高くなるのは、コンプレッサ7を最大送気エア圧(例えば70Mps)で回転させることで、送気停止時に散気ノズル6a〜6cから浸入した水を、送気開始直後に排出するためである。その排出までの所定時間が経過した後は、所定の送気エア圧に落ち着くことになる。圧力計9による実測は、この所定時間が経過した後となる。
前記実施形態では、多段式散気装置の1つである浮子式散気装置を例示したが、多段式散気装置として、図16(a)のような湖底設置固定式散気装置や図16(b)のような吊り下げ型浮子式散気装置等にも、本発明は適用できることは言うまでもない。
図16(a)の湖底設置固定式散気装置は、湖底に略垂直状態で設置したポール(支持部材)50に、上下方向に多段となる散気ノズル6a〜6cを支持している。そして、エアホース8は、ポール50の上部に設けた間欠回転切替機構10(A〜C)に接続し、ノズルホース5a〜5c(図15参照)を散気ノズル6a〜6cに接続するものである。
図16(b)の吊り下げ型浮子式散気装置は、フロート51で筒状体4を吊り下げて、フロート51を複数本のアンカーロープ52で湖底に固定、若しくは、筒状体(支持部材)4を複数本のアンカーロープ53で湖底に固定している。また、筒状体4の重量が垂直起立に不足する場合は、錘54を吊り下げることができる。そして、エアホース8は、それにより筒状体4の垂直起立バランスが崩れる場合、フロート55で浮かせた状態で、筒状体4の上部に設けた間欠回転切替機構10(A〜C)に接続し、ノズルホース5a〜5c(図15参照)を散気ノズル6a〜6cに接続するものである。なお、筒状体4は、浮力を有するエアホース8のガイド部材の役割を有するものであり、必ずしも筒状に限られるものではなく、浮力を有するガイド部材であればよい。例えば、浮力を有する合成樹脂のような材質製の棒状体で構成し、あるいはフロートを取付けた形鋼で構成することもできる。
1 シンカー
2 散気本体
3 チェーン等(係留具)
4 筒状体(支持部材)
5a〜5c ノズルホース
6a〜6c 散気ノズル
7 コンプレッサ
8 エアホース
9 圧力計(散気位置把握手段)
10A〜10C 間欠回転切替機構
11 サブポート部材
11a〜11c サブポート
12 メインポート部材
12a メインポート
12b 上ポート
12c 移動上カム
12d 移動下カム
13 上プラグ
13a エア給排口
13c 固定上カム
14 下プラグ
14a 水出入口
14c 固定下カム
15 除塵用フィルタ
20 サブポート部材
20A 上サブポート部
20B 下サブポート部
20a〜20c サブポート
20e 固定上カム
20f 固定下カム
21 メインポート部材
21a メインポート
21e 移動上カム
21f 移動下カム
23 コイルスプリング
28 サブポート部材
28a〜28c サブポート
29 メインポート部材
29a メインポート
32 ピニオン
33 ラチェット爪
35 ラチェットホイール
38 エアシリンダ
39 コイルスプリング
41 ラック
50 ポール(支持部材)

Claims (7)

  1. 水中で上下方向に多段となる散気ノズルが支持部材で支持されて、陸上のコンプレッサのエアホースで送気されるエアを各段の散気ノズルに切り替えて送気する多段式散気装置において、
    前記エアホースは1本であり、前記支持部材若しくはその近傍に、前記エアホースから送気されるエアを、各段の散気ノズルに切り替えて送気する間欠回転切替機構が設けられ、
    前記間欠回転切替機構は、前記各段の散気ノズル側の各サブポートが一方向回りに略等角度間隔で配列されたサブポート部材と、
    前記エアホース側のメインポートが前記各段の散気ノズル側の各サブポートに順次合致するように間欠回転されるメインポート部材とを備え、
    前記エアホースからの送気開始のエア圧で前記メインポート部材を間欠回転させて、前記メインポートを前記サブポートの1つに順次に合致させてエアを送気し、
    前記エアホースからの送気を停止することで、その段の散気ノズルからエアが散気されなくなるようにしたことを特徴とする多段式散気装置。
  2. 前記サブポート部材は、シリンダ状に構成されて、側面に前記各サブポートが形成され、前記エアホースは上開口を塞ぐ上プラグのエア給排口に接続され、下開口を塞ぐ下プラグに水出入口が形成されてなり、
    前記メインポート部材は、ピストン状に構成されて、前記サブポート部材に往復動自在、かつ回転自在に嵌合され、側面に前記メインポートが形成され、このメインポートに連通する上ポートが上面に形成されてなり、
    前記上プラグの下面と前記メインポート部材の上面には、前記各サブポートと略同角度間隔で、回転方向に傾斜した固定上カムと移動上カムとがそれぞれ形成され、
    前記下プラグの上面と前記メインポート部材の下面には、前記各サブポートと略同角度間隔で、回転方向に傾斜した固定下カムと移動下カムとがそれぞれ形成され、
    前記サブポート部材側の固定上カムおよび固定下カムと、前記メインポート部材側の移動上カムと移動下カムとは、一方が同位相に設定され、他方が半ピッチずれの位相に設定されて、
    前記エアホースからの送気開始のエア圧および前記メインポート部材の重量で、前記下プラグとの間の水を前記水出入口から外部に排出しつつ、前記メインポート部材を往動させながら前記固定下カムと移動下カムの係合で前記メインポート部材を間欠半回転させることで、前記メインポートを各サブポートの1つに合致させてエアを送気し、
    前記エアホースからの送気停止で、前記メインポート部材を前記水出入口からの水圧と浮力で復動させながら前記固定上カムと移動上カムの係合で前記メインポート部材を間欠半回転させることを特徴とする請求項1に記載の多段式散気装置。
  3. 前記メインポートは、前記メインポート部材の対称位置に形成され、前記サブポートは前記サブポート部材の対称位置に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の多段式散気装置。
  4. 前記下プラグに水出入口に、除塵用フィルタが取付けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の多段式散気装置。
  5. 前記サブポート部材は、上下に分割されたシリンダ状に構成されて、上部サブポート部材の側面に前記各サブポートが形成され、前記エアホースは下部サブポート部材の下開口を塞ぐ下蓋部材のエア給排口に接続されてなり、
    前記メインポート部材は、ピストン状に構成されて、前記上部サブポート部材と下部サブポート部材とに跨って往復動自在、かつ回転自在に嵌合され、側面に前記メインポートが形成され、このメインポートに連通する下ポートが下面に形成され、前記上部サブポート部材と下部サブポート部材との間の隙間に入り込む大径部が形成され、下方にスプリング力で付勢されてなり、
    前記上部サブポート部材の下面と前記メインポート部材の大径部の上面には、前記各サブポートと略同角度間隔で、回転方向に傾斜した固定上カムと移動上カムとがそれぞれ形成され、
    前記下部サブポート部材の上面と前記メインポート部材の大径部の下面には、前記各サブポートと略同角度間隔で、回転方向に傾斜した固定下カムと移動下カムとがそれぞれ形成されて、
    前記サブポート部材側の固定上カムおよび固定下カムと、前記メインポート部材側の移動上カムおよび移動下カムとは、一方が同位相に設定され、他方が半ピッチずれの位相に設定されて、
    前記エアホースからの送気開始のエア圧で、前記メインポート部材を前記スプリング力に抗して往動させながら前記固定上カムと移動上カムの係合で前記メインポート部材を間欠半回転させることで、前記メインポートを各サブポートの1つに合致させてエアを送気し、
    前記エアホースからの送気停止で、前記メインポート部材を前記スプリング力で復動させながら前記固定下カムと移動下カムの係合で前記メインポート部材を間欠半回転させることを特徴する請求項1に記載の多段式散気装置。
  6. 前記サブポート部材は、固定の円板状体に前記各サブポートが形成されてなり、
    前記メインポート部材は、回転可能な円板状体に前記メインポートが形成されてなり、
    送気開始のエア圧でスプリング力に抗して往動され、エア圧の送気停止でスプリング力により復動されるエアシリンダと、
    前記エアシリンダのラックで往復回転されるピニオンと、
    前記ピニオンのラチェット爪で一方向回りに回転され、前記メインポート部材に固定されるラチェットホイールを備えてなり、
    前記エアホースからの送気開始のエア圧で、前記エアシリンダをスプリング力に抗して往動させることで、前記ラックを介して前記ピニオンを回転させ、前記ピニオンのラチェット爪で前記ラチェットホイールを回転させ、前記ラチェットホイールで前記メインポート部材を間欠回転させることで、前記メインポートを各サブポートの1つに合致させてエアを送気し、
    前記エアホースからの送気停止で、前記エアシリンダをスプリング力で復動させることを特徴とする請求項1に記載の多段式散気装置。
  7. 前記コンプレッサから前記エアホースを介して、前記各段の散気ノズルから略同量のエアを散気するために必要な送気エア圧を予め設定した設定値と、前記エアホースに供給されるエア風量とエア圧の実測値とを比較することで、前記各散気ノズルの散気位置を陸上で把握する散気位置把握手段を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の多段式散気装置。
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