JP6100021B2 - トリアジン環含有線状ポリマーからなる高屈折率材料 - Google Patents

トリアジン環含有線状ポリマーからなる高屈折率材料 Download PDF

Info

Publication number
JP6100021B2
JP6100021B2 JP2013033814A JP2013033814A JP6100021B2 JP 6100021 B2 JP6100021 B2 JP 6100021B2 JP 2013033814 A JP2013033814 A JP 2013033814A JP 2013033814 A JP2013033814 A JP 2013033814A JP 6100021 B2 JP6100021 B2 JP 6100021B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refractive index
group
polymer
high refractive
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013033814A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014162829A (ja
Inventor
宏寿 石井
宏寿 石井
勇介 井関
勇介 井関
好行 大石
好行 大石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Iwate University
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Iwate University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd, Iwate University filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP2013033814A priority Critical patent/JP6100021B2/ja
Publication of JP2014162829A publication Critical patent/JP2014162829A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6100021B2 publication Critical patent/JP6100021B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Polyethers (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Polyamides (AREA)

Description

本発明は、高屈折率材料、それを含む高屈折率組成物、それを含む薄膜、フィルム、透明板又はレンズ、及び電子デバイス、発光デバイス又は光学デバイスに関する。
ポリメタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル系樹脂や、ポリカーボネート樹脂、透明エポキシ樹脂、透明シリコーン樹脂等の透明樹脂は、ガラスに比較して軽量で、かつ、加工性に優れ、航空機等の風防樹脂、透明容器、透明コーティング剤等に広く用いられるようになりつつある。
また、近年では、眼鏡等の光学部品の分野でも透明樹脂レンズ等の樹脂製品が多用されている。
さらに、電子材料の分野でも、液晶ディスプレイの反射防止コーティング剤、太陽電池用透明コーティング剤、発光ダイオード、CCDやCMOSセンサーの受光部等の光学電子材料の用途に上述の透明樹脂が多用されている。このような光学電子材料の用途では、透明性ばかりでなく、光取り出し効率の向上や集光性の向上のために高い屈折率が要求される場合が多い。
従来の透明樹脂では、架橋等の手法によって、機械的物性を制御することはある程度可能であるものの、光学特性、特に屈折率に関しては、それを高めるために特殊な技術を必要としていた。
特許文献1及び2では、臭素や硫黄等の重原子を有機樹脂に多量に結合させてその屈折率を向上させる手法が提案されている。また、特許文献3及び4では、高屈折率の無機酸化物微粒子を有機樹脂に分散してその屈折率を向上させる手法が提案されている。近年、新たな高屈折率材料として、線状トリアジン環重合体が報告され(特許文献5)、さらに、重合性トリアジン系樹脂組成物からなる高屈折率材料も知られている(特許文献6)。特許文献7ではフルオレン環を含有する線状トリアジン環重合体、又はトリアジン環含有ハイパーブランチポリマーが知られている。
特許文献1及び2の手法では、一般に、得られた有機樹脂が熱や光に対して不安定であるため、長期使用時に変色等の劣化を起こしやすいという問題があるうえ、当該樹脂を電子材料部品用途に使用する場合は、電極の腐食等が懸念される。
特許文献3及び4の手法でも、得られた微粒子分散樹脂の長期保存安定性等に問題があり、また、無機酸化物微粒子の樹脂中での分散安定性を改善するために多量の分散安定剤を必要とするため、屈折率と分散安定性のバランスをとるのが困難となる。
また、特許文献5の手法では、樹脂構造中のトリアジン環に由来して比較的高屈折率であるが、具体的に例示されているポリマーの屈折率は1.64〜1.70と十分高いものとは言えない。
特許文献6の手法では、化合物は高耐熱性を具備するものの、十分に高屈折率化せず、さらには硬化に寄与する不飽和結合部位が一部反応せず残留するため、長期使用時に変色、変形等の劣化を起こしやすいといった課題があった。
特許文献7に関して、具体的に記載されている重合体の633nmの屈折率は1.70〜1.72であり、十分には高屈折率とは言えない。
特開平5−164901号公報 特開2005−350531号公報 特開2007−270099号公報 特開2007−308631号公報 特開2009−001658号公報 特開2011−038015号公報 国際公開第2010/128661号パンフレット
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、熱や光に対する不安定性、電極腐食といった問題が内在する重原子を含んでなる樹脂や、長期保存安定性や屈折率の分散安定性のバランスに問題のある無機酸化物微粒子分散樹脂を使用しなくとも屈折率が高く、従来公知の高屈折率材料に比べてさらに高い屈折率を与える材料、組成物及び薄膜等を提供することを目的とする。
本発明によれば、以下の組成物等が提供される。
1.下記式(1)で表される繰り返し構造を含むトリアジン環含有ポリマーを含む高屈折率材料。
Figure 0006100021
(式中、Aは、−NH−、−N(R'')−又は−S−である。
Rは、2価の脂肪族炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基、又は2価の脂肪族炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基から選択される1以上と、単結合、−S−、−S(=O)−、−O−、−NH−、−NR’−、−(C=O)−、−(C=O)−O−、−O−(C=O)−O−及び−NH−(C=O)−NH−から選択される1以上が組み合わさってなる2価の基を表す。ただし、フルオレン骨格を含有する2価の基を除く。Rはさらに置換基によって置換されていてもよい。
R’は、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。
R''は、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基又は置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基を表す。
nは繰り返し構造の繰り返し数を表し、5以上2000以下の整数である。)
2.Rが下記式(2)〜(10)のいずれかで表される1に記載の高屈折率材料。
Figure 0006100021
3.Rが前記式(5)及び(8)〜(10)のいずれかで表される2に記載の高屈折率材料。
4.下記式(11)〜(21)のいずれかで表される繰り返し構造を含むトリアジン環含有ポリマーからなる高屈折率材料。
Figure 0006100021
(式中、nは繰り返し構造の繰り返し数を表し、5以上2000以下の整数である。)
5.1〜4のいずれかに記載の高屈折率材料を含む高屈折率組成物。
6.1〜4のいずれかに記載の高屈折率材料又は5に記載の高屈折率組成物から得られる薄膜、フィルム、透明板又はレンズ。
7.6に記載の薄膜、フィルム、透明板又はレンズを含む電子デバイス、発光デバイス又は光学デバイス。
本発明によれば、屈折率の高い材料が提供できる。
実施例1のポリマーのH−NMRの結果を示す図である。 実施例2のポリマーのH−NMRの結果を示す図である。 実施例3のポリマーのH−NMRの結果を示す図である。 実施例4のポリマーのH−NMRの結果を示す図である。 実施例7のポリマーのH−NMRの結果を示す図である。 評価例1における屈折率の結果を示す図である。 評価例2における屈折率の結果を示す図である。 評価例3における屈折率の結果を示す図である。 評価例4における屈折率の結果を示す図である。 評価例5における屈折率の結果を示す図である。 評価例6における屈折率の結果を示す図である。 評価例7における屈折率の結果を示す図である。 評価例8における屈折率の結果を示す図である。 評価例9における屈折率の結果を示す図である。 評価例10における屈折率の結果を示す図である。 評価例11における屈折率の結果を示す図である。 評価例12における屈折率の結果を示す図である。
本発明の高屈折率材料は、下記式(1)で表される繰り返し構造が線状に連なった構造を含むトリアジン環含有ポリマーを含む。
Figure 0006100021
(式中、Aは、−NH−、−N(R'')−又は−S−である。
Rは、2価の脂肪族炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基、又は2価の脂肪族炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基から選択される1以上と、単結合、−S−、−S(=O)−、−O−、−NH−、−NR’−、−(C=O)−、−(C=O)−O−、−O−(C=O)−O−及び−NH−(C=O)−NH−から選択される1以上が組み合わさってなる2価の基を表す。ただし、フルオレン骨格を含有する2価の基を除く。Rはさらに置換基によって置換されていてもよい。
R’は、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。
R''は、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基又は置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基を表す。
nは繰り返し構造の繰り返し数を表し、5以上2000以下の整数である。)
本発明の材料は屈折率が高く、通常、n(D線(589.3nm)の屈折率)は1.730以上である。屈折率は、基板上にトリアジン環含有ポリマーからなる薄膜を形成し、この薄膜について分光エリプソメトリー装置で測定することで求めることができる。具体的には、後述する評価例に記載の方法で測定する。
Aが−NH−又は−S−であると、より屈折率が高いため好ましい。
Rの2価の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等から水素原子を1つ除いた基が挙げられる。
Rの2価の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、ナフタセニル基、クリセニル基、ベンゾ[c]フェナントリル基、ベンゾ[g]クリセニル基、トリフェニレニル基、1−フルオレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、4−フルオレニル基、9−フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、ターフェニル基、フルオランテニル基等から水素原子を1つ除いた基が挙げられる。
上記置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、エステル結合含有基、炭素数1〜10の分岐構造を有していてもよいアルキル基、炭素数1〜10の分岐構造を有していてもよいアルコキシル基及びスルホン基等が挙げられる。
アルキル基としては、上記の一価の脂肪族炭化水素基が挙げられる。
アルコキシル基としては、上記の一価の脂肪族炭化水素基と−O−からなる基が挙げられる。
Rとしては、具体的に、p−フェニレン基、m−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基及び下記式(2)〜(10)で表される2価の基が好ましい。
Figure 0006100021
一般的に、トリアジン環含有線状ポリマーは、NMP等の高極性高沸点のアミド系溶媒にしか溶解しないが、式(2)〜(10)で表される2価の基であると、高屈折率を維持したまま、他の2価の基に対して有機溶媒への溶解性が向上し、例えば、1,1,2,2−テトラクロロエタン等の比較的低極性な極性有機溶媒に溶解するため好ましい。
Rは、上記式(5)及び(8)〜(10)のいずれかで表される構造であると、分子間相互作用がより促進され高屈折率を示し、より好ましい。
一方、Rがフルオレン骨格を有する基であると、各ポリマー分子鎖が相互作用する際に、フルオレン骨格が立体的に大きく、かつ、相互作用が弱いため、分子間空隙が増加し、結果的に高屈折率になることを阻害するため好ましくない。
R’の芳香族炭化水素基としては、上記の1価の芳香族炭化水素基が挙げられ、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。また、置換基を有する場合の置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、エステル結合含有基、炭素数1〜10の分岐構造を有していてもよいアルキル基、炭素数1〜10の分岐構造を有していてもよいアルコキシル基及びスルホン基等の基が例示される。
アルキル基、アルコキシル基としては、上記と同様のものが挙げられる。
R''の芳香族炭化水素基としては、上記の1価の芳香族炭化水素基が挙げられ、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
また、置換基を有する場合の置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、エステル結合含有基、炭素数1〜10の分岐構造を有していてもよいアルキル基、炭素数1〜10の分岐構造を有していてもよいアルコキシル基及びスルホン基等の基が例示される。
アルキル基、アルコキシル基としては、上記と同様のものが挙げられる。
R''の脂肪族炭化水素基としては、上記の1価の脂肪族炭化水素基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が例示される。
また、置換基を有する場合の置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、エステル結合含有基、炭素数1〜10の分岐構造を有していてもよいアルキル基、炭素数1〜10の分岐構造を有していてもよいアルコキシル基及びスルホン基等が例示される。
アルキル基、アルコキシル基としては、上記と同様のものが挙げられる。
式(1)で表される繰り返し構造中の側鎖(−NHR’)が本発明における構造でない場合(例えば、−O−R’、−S−R’、−NR’等の場合)、側鎖同士や、側鎖と主鎖との相互作用が十分でないため高屈折率とはならず、また、側鎖が−NHの場合、トリアジン環に対する電子供与性が過剰になり、ポリマー製造の際の重合反応が阻害される、又は、−NH間の相互作用が過剰に強固になり溶媒に溶解しにくい、成型が困難なる等の実用上の問題が発生するおそれがあるため好ましくない。
nは、5以上2000以下の整数である。nが5未満であると、ポリマーとしての強度が保てずにフィルム又は薄膜が形成できないおそれがあり、nが2000を超えると、溶剤に溶解しにくい、成型が困難となる等の実用上の問題が発生するおそれがある。
また、上記のトリアジン環含有ポリマーにおいて、式(1)で表される繰り返し構造中の部分構造である、−R−、−NHR’、−A−及びトリアジン環のいずれかの間、又は同じ置換基間の水素結合等の分子間相互作用や、線状高分子間の絡み合いによる分子間相互作用を発現して各ポリマー分子鎖が密集して分子間空隙が減少する場合、さらに高屈折率を発現するため特に好ましい。
具体的に、Rが、アミド基(−NH−CO−)、エステル基(−COO−)、スルフィド基(−S−)、カルボニル基(−CO−)、エーテル基(−O−)及びスルホン基(−SO−)から選択される2価の基が2つの2価のフェニレン基に挟まれてなる2価の基、ビフェニレン基等の2価の芳香族基、及びフェニレン基が2つのメチレン基に挟まれてなる2価の基のいずれかであり、R’がフェニル基であり、Aが−NH−及び−S−のいずれかである場合、特に高屈折率となり特に好ましい。
さらに具体的に、上記のトリアジン環含有ポリマーは下記式(11)〜(21)で表される繰り返し構造を有するものが特に好ましい。
Figure 0006100021
(式中、nは繰り返し構造の繰り返し数を表し、5以上2000以下の整数である。)
本発明の高屈折率組成物は、上記の高屈折率材料を含み、他に、通常、薄膜等を形成するための塗液として使用するために有機溶剤を含む。
有機溶剤としては、上記の高屈折率材料が溶解する範囲において、いかなるものも使用できるが、具体的には、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶剤、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶剤、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル等のエステル系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤等が挙げられる。
有機溶剤の含量は、用いる高屈折率材料種、溶剤種、あるいは高屈折率組成物の用途、使用条件等により一概に定義できないが、通常、組成物全体に対して、50〜99.9重量%である。
また、本発明の目的を逸脱しない範囲において他の成分を添加してもよい。
他の成分としては、ジルコニア、チタニア等の無機酸化物微粒子に代表される屈折率調整材料、紫外線吸収剤や柔軟化剤等の従来公知の樹脂添加剤、透明樹脂等が挙げられる。
透明樹脂として具体的には、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)、ポリスチレン、ポリヒドロキスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリオルガノシロキサン等が挙げられる。
これらの成分の使用量は、それら成分の種類、目的等により一概に定義できないが、通常、高屈折率材料に対して1ppm〜50wt%である。
上記の高屈折率材料又は高屈折率組成物を用いて、薄膜、フィルム、透明板又はレンズ(薄膜等)が得ることができる。これらの形態や特性は、用いる組成物の種類や製造方法によって適宜調整できる。本発明の薄膜等は高屈折率である。
これらは、公知の方法によって製造でき、具体的にはスピンコート、フローコート、キャスト、延伸、プレス、射出等により製造できる。
また、これら部材は電子デバイス、発光デバイス、光学デバイス等に用いることができ、これらデバイスとしては、例えば、LEDデバイス、有機ELデバイス等からなる照明器具、ディスプレイの他、光学情報処理装置、が例示される。
実施例1
塩化カルシウム乾燥管、温度計、滴下ロートを備えた三口フラスコ(500ミリリットル)に、塩化シアヌル(55.5グラム、0.301モル)とテトラヒドロフラン(200ミリリットル)を入れ、氷浴で0〜5℃に冷却した。側鎖構造前駆体であるアニリン(28.3グラム、0.303モル)をテトラヒドロフラン(100ミリリットル)に溶解させた溶液を滴下ロートに移し、反応温度を0〜5℃に保ちながらゆっくりと滴下した。その後、0〜5℃で2時間撹拌した。炭酸ナトリウム(16.5グラム、0.155モル)を蒸留水(90ミリリットル)に溶解させた水溶液を滴下ロートに移し、反応温度を0〜5℃に保ちながらゆっくりと滴下した。その後、0〜5℃で2時間撹拌した。反応溶液を分液ロートに移し飽和食塩水で洗浄後、テトラヒドロフラン層を取り出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。エバポレーターでテトラヒドロフランを留去し、粗生成物を得た。
この粗生成物をトルエン/ヘキサンの混合溶媒で再結晶を行い、次に昇華精製(120℃/0.8トール)を行うことにより、目的中間体である2−アニリノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジクロリド(式(A−1))が無色粉末状結晶として得られた。収量は60.1グラム(収率83%)であり、融点は133〜134℃であった。
次いで、窒素導入管と撹拌棒を備えた三口フラスコ(100ミリリットル)に、主鎖骨格前駆体である3,3’−ジアミノベンゾフェノン(0.531グラム、2.50ミリモル)とN−メチル−2−ピロリドン(NMP、3ミリリットル)を加え、撹拌して溶解させた。この溶液に、上記の2−アニリノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジクロリド(式(A−1))(0.603グラム、2.50ミリモル)を室温で加えて溶解させた後に、反応温度を100℃にして24時間撹拌した。得られた重合液をメタノール(300ミリリットル)に注ぎポリマーを沈殿させ、希アンモニア水で中和した。ポリマーを吸引ろ過により回収した後、メタノールで洗浄し、室温で減圧乾燥した。ポリマーをNMPに溶解させ、ひだ折りろ紙を通してメタノール中に注ぎ再沈殿させた。沈殿したポリマーを回収し、室温で減圧乾燥してポリマー(式(B−1))を得た。
ポリマー(式(B−1))の収量は0.65グラム(収率69%)であった。ポリマー溶液の対数粘度(ηinh)は0.40デシリットル/グラム(0.5グラム/デシリットルのNMP溶液を用い30℃で測定)であった。GPCにて測定した数平均分子量(M)は17,000で、分子量分布(M/M)は2.5であった。また、H−NMRより当該ポリマーは所望の構造であることを確認した。H−NMRの結果を図1に示す。
Figure 0006100021
実施例2
窒素導入管と撹拌棒を備えた三口フラスコ(100ミリリットル)に、主鎖骨格前駆体である4,4’−オキシジアニリン(0.500グラム、2.50ミリモル)とN−メチル−2−ピロリドン(NMP、5ミリリットル)を加え、撹拌して溶解させた。この溶液に、2−アニリノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジクロリド(式(A−1))(0.603グラム、2.5ミリモル)を室温で加えて溶解させた後に、反応温度を100℃にして24時間撹拌した。得られた重合液をメタノール(300ミリリットル)に注ぎポリマーを沈殿させ、希アンモニア水で中和した。ポリマーを吸引ろ過により回収した後、メタノールで洗浄し、室温で減圧乾燥した。ポリマーをNMPに溶解させ、ひだ折りろ紙を通してメタノール中に注ぎ再沈殿させた。沈殿したポリマーを回収し、室温で減圧乾燥してポリマー(式(B−2))を得た。
ポリマー(式(B−2))の収量は0.66グラム(収率71%)であった。ポリマー溶液の対数粘度(ηinh)は0.61デシリットル/グラム(0.5グラム/デシリットルのNMP溶液を用い30℃で測定)であった。GPCにて測定した数平均分子量(M)は28,000で、分子量分布(M/M)は2.8であった。また、H−NMRより当該ポリマーは所望の構造であることを確認した。H−NMRの結果を図2に示す。
Figure 0006100021
実施例3
窒素導入管と撹拌棒を備えた三口フラスコ(100ミリリットル)に、主鎖骨格前駆体である4,4’−チオジアニリン(0.540グラム、2.50ミリモル)とN−メチル−2−ピロリドン(NMP、5ミリリットル)を加え、撹拌して溶解させた。この溶液に、2−アニリノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジクロリド(式(A−1))(0.605グラム、2.50ミリモル)を室温で加えて撹拌した後に、反応温度を100℃にして24時間撹拌した。得られた重合液をメタノール(300ミリリットル)に注ぎポリマーを沈殿させ、希アンモニア水で中和した。ポリマーを吸引ろ過により回収した後、メタノールで洗浄し、室温で減圧乾燥した。ポリマーをNMPに溶解させ、ひだ折りろ紙を通してメタノール中に注ぎ再沈殿させた。沈殿したポリマーを回収し、室温で減圧乾燥してポリマー(式(B−3))を得た。
ポリマー(式(B−3))の収量は0.64グラム(収率66%)であった。ポリマー溶液の対数粘度(ηinh)は0.53デシリットル/グラム(0.5グラム/デシリットルのNMP溶液を用い30℃で測定)であった。GPCにて測定した数平均分子量(M)は26,000で、分子量分布(M/M)は2.9であった。また、H−NMRより当該ポリマーは所望の構造であることを確認した。H−NMRの結果を図3に示す。
Figure 0006100021
実施例4
窒素導入管と撹拌棒を備えた三口フラスコ(100ミリリットル)に、主鎖骨格前駆体である3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(0.621グラム、2.50ミリモル)とN−メチル−2−ピロリドン(NMP、3ミリリットル)を加え、撹拌して溶解させた。この溶液に、2−アニリノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジクロリド(式(A−1))(0.603グラム、2.50ミリモル)を室温で加えて溶解させた後に、反応温度を100℃にして24時間撹拌した。得られた重合液をメタノール(300ミリリットル)に注ぎポリマーを沈殿させ、希アンモニア水で中和した。ポリマーを吸引ろ過により回収した後、メタノールで洗浄し、室温で減圧乾燥した。ポリマーをNMPに溶解させ、ひだ折りろ紙を通してメタノール中に注ぎ再沈殿させた。沈殿したポリマーを回収し、室温で減圧乾燥してポリマー(式(B−4))を得た。
ポリマー(式(B−4))の収量は0.70グラム(収率67%)であった。ポリマー溶液の対数粘度(ηinh)は0.37デシリットル/グラム(0.5グラム/デシリットルのNMP溶液を用い30℃で測定)であった。数平均分子量は20,000で、分子量分布(M/M)は2.4であった。H−NMRより当該ポリマーは所望の構造であることを確認した。H−NMRの結果を図4に示す。
Figure 0006100021
実施例5
マグネット撹拌子、窒素導入管、冷却管、及び滴下ロートを取り付けたフラスコに、1,4‐ジオキサン(65ミリリットル)、炭酸ナトリウム(8.9グラム、84ミリモル)及びp‐フェニレンジアミン(34.6グラム、0.32モル)を加え、還流温度で撹拌し溶解させた。そこに、2−アニリノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジクロリド(式(A−1))(10.1グラム、42ミリモル)を1,4−ジオキサン(80ミリリットル)に溶かした溶液をゆっくりと滴下した。その後、還流温度のまま12時間撹拌した。反応混合物を熱水(500ミリリットル)に投入し、生成物を沈殿させた。
これを熱水で4回、蒸留水で1回洗浄した。ろ過により回収した沈殿物をアセトンに溶解し、活性炭で処理した。ろ液からアセトンを留去することにより、2−アニリノ−4,6−ビス(4−アミノアニリノ)−1,3,5−トリアジン(式(A−2))の粗生成物を得た。この粗生成物を1,4−ジオキサン/n−ヘキサンの混合溶媒により2回再結晶を行い、190℃で6時間減圧乾燥し、薄黄色の粉末状結晶を得た(収率58%)。融点は224〜225℃であった。
温度計、窒素導入管、撹拌子を備えた三口フラスコ(100ミリリットル)に、2−アニリノ−4,6−ビス(4−アミノアニリノ)−1,3,5−トリアジン(式(A−2))(0.384グラム、1.00ミリモル)とNMP(2ミリリットル)を入れ、撹拌して溶解した。これに、ビス(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)イソフタレート(0.444グラム、1.00ミリモル)を加え、室温で6時間反応させた。反応溶液をメタノール(200ミリリットル)に注ぎ沈殿したポリマーを濾別し、メタノールで洗浄後、室温で減圧乾燥させてポリマー(式(B−5))を得た。
ポリマー(式(B−5))の収率は97%であった。ポリマー溶液の対数粘度(ηinh)は0.63デシリットル/グラム(0.5グラム/デシリットルのNMP溶液を用い30℃で測定)であった。GPCにて測定した数平均分子量は40,000で、分子量分布(M/M)は2.1であった。
Figure 0006100021
実施例6
マグネット撹拌子、窒素導入管、冷却管、及び滴下ロートを取り付けたフラスコに、1,4‐ジオキサン(75ミリリットル)、炭酸ナトリウム(0.98グラム、9.2ミリモル)及びp−フェニレンジアミン(12.1グラム、0.112モル)を加え、還流温度で撹拌し溶解させた。そこに、2−(p−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン−4,6−ジクロリド(2.4グラム、9.2ミリモル)を1,4‐ジオキサン(50ミリリットル)に溶かした溶液をゆっくりと滴下した。その後、還流温度のまま12時間撹拌した。反応混合物を熱水(600ミリリットル)に投入し、生成物を沈殿させた。
これを熱水で4回、蒸留水で1回洗浄した。ろ過により回収した沈殿物をアセトンに溶解し、活性炭で処理した。ろ液からアセトンを留去することにより、2−(4−ヒドロキシアニリノ)−4,6−ビス(4−アミノアニリノ)−1,3,5−トリアジン(式(A−3))の粗生成物を得た。
この粗生成物を、1,4‐ジオキサンにより2回再結晶を行い、200℃で8時間減圧乾燥し、淡黄色の粉末状結晶を得た(収率47%)。融点は273〜274℃であった。
温度計、窒素導入管、撹拌子を備えた三口フラスコ(100ミリリットル)に、2−(4−ヒドロキシアニリノ)−4,6−ビス(4−アミノアニリノ)−1,3,5−トリアジン(式(A−3))(0.400グラム、1.00ミリモル))とNMP(2ミリリットル)を入れ、撹拌して溶解した。これに、ビス(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)イソフタレート(0.444グラム、1.00ミリモル)を加え、室温で6時間反応させた。反応溶液をメタノール(200ミリリットル)に注ぎ沈殿したポリマーを濾別し、メタノールで洗浄後、室温で減圧乾燥させてポリマー(式(B−6))を得た。
ポリマー(式(B−6))の収率は98%であった。ポリマー溶液の対数粘度(ηinh)は0.89デシリットル/グラム(0.5グラム/デシリットルのNMP溶液を用い30℃で測定)であった。GPCにて測定した数平均分子量は63,000で、分子量分布(M/M)は2.8であった。
Figure 0006100021
実施例7
窒素導入管と撹拌棒を備えた三口フラスコ(100ミリリットル)に、主鎖骨格前駆体である4−アミノ安息香酸4−アミノフェニル(2.30グラム、10.0ミリモル)とN−メチル−2−ピロリドン(NMP、13ミリリットル)を加え、撹拌して溶解させた。この溶液に、2−アニリノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジクロリド(式(A−1))(2.41グラム、10.0ミリモル)を室温で加えて溶解させた後に、反応温度を100℃にして24時間撹拌した。得られた重合液をメタノール(400ミリリットル)に注ぎポリマーを沈殿させ、希アンモニア水で中和した。ポリマーを吸引ろ過により回収した後、メタノールで洗浄し、室温で減圧乾燥した。ポリマーをNMP又は1,3−ジメチル−2−イミダゾリドンに溶解させ、ひだ折りろ紙を通してメタノール中に注ぎ再沈殿させた。沈殿したポリマーを回収し、室温で減圧乾燥してポリマー(式(B−7))を得た。
ポリマー(式(B−7))の収量は2.8グラム(収率70%)であった。ポリマー溶液の対数粘度(ηinh)は0.54デシリットル/グラム(0.5グラム/デシリットルのNMP溶液を用い30℃で測定)であった。GPCにて測定した数平均分子量は19,000で、分子量分布(M/M)は2.3であった。H−NMRより当該ポリマーは所望の構造であることを確認した。H−NMRの結果を図5に示す。
Figure 0006100021
実施例8
冷却管、窒素導入管、撹拌子を備えた三口フラスコ(500ミリリットル)に、2−アニリノ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン(式(A−1))(5.00グラム、20.8ミリモル)と1,4−ジオキサン(150ミリリットル)を入れ、窒素気流下で撹拌し溶解させた。その後、4−アミノフェノール(4.53グラム、41.5ミリモル)を加え、100℃で24時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、反応溶液を蒸留水(2リットル)に注ぎ炭酸水素ナトリウムを加えて中和した。沈殿物を吸引ろ過でろ別して、2−アニリノ−4,6−ビス(4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン(式(A−4))の粗生成物を得た。粗生成物をメタノールに溶解させ活性炭で脱色をした。メタノール/蒸留水で再結晶して、淡桃色の粉末状結晶を得た。収量は5.22グラム(収率65%)であり、融点は220〜221℃であった。
窒素導入管、撹拌棒、冷却管、ディーン・スターク・トラップを備えた三口フラスコ(100ミリリットル)に、2−アニリノ−4,6−ビス(4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン(式(A−4))(2.5ミリモル)、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(2.5ミリモル)、N,N−ジメチアセトアミド(5ミリリットル)を加えて溶解させた。この溶液に炭酸カリウム(3.3ミリモル)とトルエン(5ミリリットル)を加え、140℃に加熱して6時間撹拌し、生成する水をトルエンとの共沸により除去した。次に,170℃で12時間反応させた。
反応後、重合溶液を室温まで冷却し、少量の酢酸を含むメタノール/水(60ミリリットル/240ミリリットル)の混合溶媒に注ぎ、ポリマーを沈殿させてポリマー(式(B−8))を得た。
ポリマー(式(B−8))の収率86%であった。ポリマー溶液の対数粘度(ηinh)は0.65デシリットル/グラム(0.5グラム/デシリットルのNMP溶液を用い30℃で測定)であった。GPCにて測定した数平均分子量は74,000で、分子量分布(M/M)は2.1であった。
Figure 0006100021
実施例9
冷却管、窒素導入管、撹拌子を備えた三口ナスフラスコ(100ミリリットル)に、2−アニリノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール(式(A−5))(0.591グラム、2.50ミリモル)と1モル濃度水酸化ナトリウム水溶液(5.1ミリリットル、5.1ミリモル)を加え、室温で溶解させた。これに、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(0.36グラム、40モル%)を加えた。サンプルビンに、α,α’−ジブロモ−p−キシレン(0.660グラム、2.50ミリモル)とニトロベンゼン(5.0ミリリットル)を加え、加熱して溶解させた。このニトロベンゼン溶液を上記の三口ナスフラスコに入れ、70℃で24時間激しく撹拌を行った。反応溶液を少量の酢酸を含むメタノール(300ミリリットル)に注ぎ、ポリマーを沈殿させた。ポリマーを吸引ろ過で回収し、NMPに溶解させ、ひだ折りろ紙を通してメタノールに注ぎ、ポリマーを再沈殿させた。ポリマーを吸引ろ過によってろ別し、60℃で6時間減圧乾燥を行ってポリマー(式(B−9))を得た。
ポリマー(式(B−9))の収率は80%であった。ポリマー溶液の対数粘度(ηinh)は0.93デシリットル/グラム(0.5グラム/デシリットルのNMP溶液を用い30℃で測定)であった。GPCにて測定した数平均分子量は(M)は162,000で、分子量分布(M/M)は1.9であった。
Figure 0006100021
実施例10
冷却管、窒素導入管、撹拌子を備えた三口ナスフラスコ(100ミリリットル)に、2−アニリノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール(式(A−5))(0.591グラム、2.50ミリモル)と1モル濃度水酸化ナトリウム水溶液(5.1ミリリットル、5.1ミリモル)を加え、室温で溶解させた。これに、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(0.36グラム、40モル%)を加えた。サンプルビンに、α,α’−ジブロモ−m−キシレン(0.660グラム、2.50ミリモル)とニトロベンゼン(5.0ミリリットル)を加え、加熱して溶解させた。このニトロベンゼン溶液を上記の三口ナスフラスコに入れ、70℃で24時間激しく撹拌を行った。反応溶液を少量の酢酸を含むメタノール(300ミリリットル)に注ぎ、ポリマーを沈殿させた。ポリマーを吸引ろ過で回収し、NMPに溶解させ、ひだ折りろ紙を通してメタノールに注ぎ、ポリマーを再沈殿させた。ポリマーを吸引ろ過によってろ別し、60℃で6時間減圧乾燥を行ってポリマー(式(B−10))を得た。
ポリマー(式(B−10))の収率は76%であった。ポリマー溶液の対数粘度(ηinh)は0.82デシリットル/グラム(0.5グラム/デシリットルのNMP溶液を用い30℃で測定)であった。
Figure 0006100021
実施例11
冷却管、窒素導入管、撹拌子を備えた三口ナスフラスコ(100ミリリットル)に、2−アニリノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール(式(A−5))(0.591グラム、2.50ミリモル)と1モル濃度水酸化ナトリウム水溶液(5.1ミリリットル、5.1ミリモル)を加え、室温で溶解させた。これに、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(0.36グラム、40モル%)を加えた。サンプルビンに、4,4’−ビス(ブロモメチル)ビフェニル(0.838グラム、2.50ミリモル)とニトロベンゼン(9.0ミリリットル)を加え、加熱して溶解させた。このニトロベンゼン溶液を上記の三口ナスフラスコに入れ、室温で24時間激しく撹拌を行った。反応溶液を少量の酢酸を含むメタノール(300ミリリットル)に注ぎ、ポリマーを沈殿させた。ポリマーを吸引ろ過で回収し、NMPに溶解させ、ひだ折りろ紙を通してメタノールに注ぎ、ポリマーを再沈殿させた。ポリマーを吸引ろ過によってろ別し、60℃で6時間減圧乾燥を行ってポリマー(式(B−11))を得た。
ポリマー(式(B−11))の収率は89%であった。ポリマー溶液の対数粘度(ηinh)は1.43デシリットル/グラム(0.5グラム/デシリットルのNMP溶液を用い30℃で測定)であった。
Figure 0006100021
比較例1
空気下、200mLの四口フラスコに9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(6.48g、18ミリモル)を加え、N,N−ジメチルアセトアミド80mLに溶解し、オイルバスで100℃に加熱した。その後DMAc20ミリリットルに溶解した2−フェニルアミノ−4,6−ジクロロトリアジン(6.48g、18ミリモル)を加えて重合を開始した。5分後アニリン(5.64g、60ミリモル)を加え、10分間撹拌して重合を停止した。室温まで放冷後、炭酸カリウム(15g、110ミリモル)を水1Lに溶解した水溶液中に再沈殿させた。沈殿物をろ過し、THF50ミリリットルに再溶解させ、ヘキサン540ミリリットルとエタノール60ミリリットルに再沈殿した。得られた沈殿物をろ過し、減圧乾燥機で40℃、6時間乾燥し、目的とする線状高分子(B−12)10.8gを得た。
Figure 0006100021
評価例1〜12
塗布溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)又は1,1,2,2−テトラクロロエタン(TCE)、及び固形分として表1に記載のトリアジン環含有ポリマーを用い、固形物含量が2.5重量パーセントとなるように塗布液を作成した。
スピンコーターに2cm×2cm、厚さ1mmの合成石英基板又は2cm×2cm、厚さ0.5mmのシリコン基板を固定し、基板上に上記塗布液を滴下し、2000rpmで60秒回転して基板上に均一に塗布した後、予め100℃に設定したホットプレート上に基板を置いて30分加熱乾燥させることにより溶媒を蒸発し、基板上にトリアジン環含有ポリマーからなる薄膜を形成した。
この薄膜を分光エリプソメトリー装置にて測定し、一般分散式化モデルにて解析して、190〜1700nmの波長範囲における屈折率を求めた。結果を図6〜図17に示す。また、図6〜図17より求めたn、アッベ数を表1に示す。
尚、アッベ数は屈折率の波長分散を表す数値であり、(n−1)/(n−n)により算出した。n、n、nは下記の通りである。
:D線(589.3nm)の屈折率
:F線(486.1nm)の屈折率
:C線(656.3nm)の屈折率
これらの結果より、本発明のトリアジン環含有ポリマーは高屈折率であり、N−メチル−2−ピロリドン又は1,1,2,2−テトラクロロエタンに可溶であることが分かる。
Figure 0006100021
本発明の材料から得られる薄膜は、電子デバイス、発光デバイス、光学デバイス等に使用できる。

Claims (10)

  1. 下記式(15)〜(17)及び(19)〜(21)のいずれかで表される繰り返し構造を含むトリアジン環含有ポリマーからなる高屈折率材料。
    Figure 0006100021
    (式中、nは繰り返し構造の繰り返し数を表し、5以上2000以下の整数である。)
  2. 前記式(15)、(16)、(19)及び(20)のいずれかで表される繰り返し構造を含むトリアジン環含有ポリマーからなる請求項1に記載の高屈折率材料。
  3. 請求項1又は2に記載の高屈折率材料を含む高屈折率組成物。
  4. 請求項1又は2に記載の高屈折率材料又は請求項に記載の高屈折率組成物から得られる薄膜
  5. 請求項1又は2に記載の高屈折率材料又は請求項に記載の高屈折率組成物から得られるフィルム
  6. 請求項1又は2に記載の高屈折率材料又は請求項に記載の高屈折率組成物から得られる透明板
  7. 請求項1又は2に記載の高屈折率材料又は請求項に記載の高屈折率組成物から得られるレンズ
  8. 請求項に記載の薄膜を含む電子デバイス
  9. 請求項に記載の薄膜を含む発光デバイス
  10. 請求項に記載の薄膜を含む光学デバイス
JP2013033814A 2013-02-22 2013-02-22 トリアジン環含有線状ポリマーからなる高屈折率材料 Active JP6100021B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013033814A JP6100021B2 (ja) 2013-02-22 2013-02-22 トリアジン環含有線状ポリマーからなる高屈折率材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013033814A JP6100021B2 (ja) 2013-02-22 2013-02-22 トリアジン環含有線状ポリマーからなる高屈折率材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014162829A JP2014162829A (ja) 2014-09-08
JP6100021B2 true JP6100021B2 (ja) 2017-03-22

Family

ID=51613755

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013033814A Active JP6100021B2 (ja) 2013-02-22 2013-02-22 トリアジン環含有線状ポリマーからなる高屈折率材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6100021B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101968208B1 (ko) * 2018-07-26 2019-04-11 유한회사 선재테크 이동식 플랫폼 가설 발판
US11827750B2 (en) 2020-02-28 2023-11-28 Samsung Electronics Co., Ltd. Triazine ring-containing polymer, and thermoplastic resin, article, and optical part including same

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015087964A1 (ja) * 2013-12-13 2015-06-18 日産化学工業株式会社 ポリマーの精製方法
JP6758626B2 (ja) * 2015-06-30 2020-09-23 国立大学法人岩手大学 リン含有重合体
WO2017138547A1 (ja) * 2016-02-09 2017-08-17 日産化学工業株式会社 トリアジン環含有重合体およびそれを含む組成物
JP6765655B2 (ja) * 2016-09-16 2020-10-07 出光興産株式会社 自立フィルム、電子デバイス、発光デバイス及び光学デバイス
US20190367674A1 (en) 2016-11-22 2019-12-05 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Triazine-ring-containing polymer and composition in which same is used
JP6976694B2 (ja) * 2017-02-24 2021-12-08 三星電子株式会社Samsung Electronics Co., Ltd. 有機無機複合組成物、ならびにこれを含む成形品および光学部品
KR102490028B1 (ko) 2017-02-24 2023-01-18 삼성전자주식회사 유무기 복합 조성물, 및 이를 포함하는 성형품 및 광학부품
JP7191590B2 (ja) 2018-08-24 2022-12-19 三星電子株式会社 有機無機複合組成物、ならびにこれを含む成形品および光学部品
US11180612B2 (en) 2018-08-24 2021-11-23 Samsung Electronics Co., Ltd. Triazine ring-containing polymer, and thermoplastic article and optical component including the same
US11851529B2 (en) 2019-05-13 2023-12-26 Samsung Electronics Co., Ltd. Triazine ring-containing polymer, and thermoplastic article and optical part including same
JP7470340B2 (ja) * 2019-05-13 2024-04-18 三星電子株式会社 トリアジン環含有ポリマーならびにこれを含む熱可塑性成形品および光学部品
KR20200131755A (ko) 2019-05-13 2020-11-24 삼성전자주식회사 트리아진 고리를 함유하는 폴리머 및 이를 포함하는 열가소성 성형품 및 광학 부품
JP7486308B2 (ja) 2019-12-03 2024-05-17 三星電子株式会社 トリアジン環含有ポリマーならびにこれを含む熱可塑性成形品および光学部品
US11814482B2 (en) 2019-12-03 2023-11-14 Samsung Electronics Co., Ltd. Triazine ring-containing polymer, and thermoplastic article and optical part including same
JP7418244B2 (ja) 2020-02-28 2024-01-19 三星電子株式会社 トリアジン環含有ポリマーならびにこれを含む熱可塑性成形品、射出成形品および光学部品
CN117597398A (zh) * 2021-04-23 2024-02-23 日产化学株式会社 图案形成用组合物
JP2024021051A (ja) 2022-08-02 2024-02-15 東京応化工業株式会社 ポリマー、及びトリアジン化合物
JP2024059009A (ja) 2022-10-17 2024-04-30 東京応化工業株式会社 熱硬化性組成物
JP2024059076A (ja) 2022-10-17 2024-04-30 東京応化工業株式会社 熱硬化性組成物

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3538689B2 (ja) * 1995-09-19 2004-06-14 株式会社ネオス ポリアミン樹脂及びその製造方法
JP5598258B2 (ja) * 2010-10-28 2014-10-01 日産化学工業株式会社 トリアジン環含有重合体含有高屈折率膜を備える電子デバイス
US9243110B2 (en) * 2010-11-01 2016-01-26 Nissan Chemical Industries, Ltd. Triazine ring-containing polymer and film-forming composition containing same

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101968208B1 (ko) * 2018-07-26 2019-04-11 유한회사 선재테크 이동식 플랫폼 가설 발판
US11827750B2 (en) 2020-02-28 2023-11-28 Samsung Electronics Co., Ltd. Triazine ring-containing polymer, and thermoplastic resin, article, and optical part including same

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014162829A (ja) 2014-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6100021B2 (ja) トリアジン環含有線状ポリマーからなる高屈折率材料
JP6355890B2 (ja) トリアジン環を含有する重合体
JP6358358B2 (ja) ポリイミド材料およびその製造方法
Mohamed et al. Unexpected fluorescence from maleimide-containing polyhedral oligomeric silsesquioxanes: nanoparticle and sequence distribution analyses of polystyrene-based alternating copolymers
Wu et al. Multifunctional polyimides by direct silyl ether reaction of pendant hydroxy groups: Toward low dielectric constant, high optical transparency and fluorescence
Javadi et al. Synthesis and structure–property relationships of novel thiazole‐containing poly (amide imide) s with high refractive indices and low birefringences
Ji et al. A fluorescent supramolecular crosslinked polymer gel formed by crown ether based host-guest interactions and aggregation induced emission
JP6707741B2 (ja) イミド架橋型樹脂、透明フィルム及び表面保護フィルム
JP2022518986A (ja) ポリアミド樹脂フィルムおよびこれを利用した樹脂積層体
Amininasab et al. Preparation and characterization of novel thermostable polyamides bearing different photoactive pendent architectures with antibacterial properties
US11673998B2 (en) Triazine-ring-containing polymer and composition in which same is used
Kotaki et al. Synthesis of highly refractive and highly fluorescent rigid cyanuryl polyimines with polycyclic aromatic hydrocarbon pendants
Zhang et al. Synthesis of high refractive index polyamides containing thioether unit
Li et al. Atomic oxygen-resistant and transparent polyimide coatings from [3, 5-bis (3-aminophenoxy) phenyl] diphenylphosphine oxide and aromatic dianhydrides: Preparation and characterization
WO2019072202A1 (zh) 新颖三嗪类化合物、其组合物及其制备方法
Homocianu et al. Synthesis and characterization of new dual stimuli-responsive bisazobenzene derivatives
JP2009215447A (ja) ポリエーテル、及びその製造方法、並びに光学素子
JP6765655B2 (ja) 自立フィルム、電子デバイス、発光デバイス及び光学デバイス
Damaceanu et al. Fluorescence behavior of semicrystalline functionalized maleic acid copolymers containing 1, 3, 4-oxadiazole side chains
TW202317667A (zh) 光學聚合物、透鏡以及透鏡組合件
BR112019009658B1 (pt) Bis-alquenil difenil éteres assimetricamente substituídos, composição curável, processo para a fabricação de composições curáveis, pré-polímero curável, polímero reticulado e processo para a fabricação de um material compósito
IL299971A (en) A self-assembled thermoresponsive organic material as a photonic ink and its production process
JP2011126842A (ja) オキセタン化合物およびその製造法
Rhee et al. Soluble and Processable Poly (p‐phenylene) with Pendant Imide Groups
JP6774815B2 (ja) 重合体およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170123

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170214

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6100021

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250