JP6098635B2 - ポジ型感光性樹脂組成物、隔壁及び光学素子 - Google Patents

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Description

本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物、これを用いて形成される隔壁、及び該隔壁を有する光学素子に関する。
光学素子である、カラーフィルタや有機EL(Electro−Luminescence)素子の画素部に用いられる隔壁は、感光性樹脂組成物を基板に塗布して、フォトリソグラフィ技術により形成する方法が知られている。
近年、カラーフィルタや有機EL素子の画素部の製造方法として、インクジェット法を利用した低コスト化プロセスが提案されている。
例えば、カラーフィルタの製造においては、隔壁をフォトリソグラフィにより形成した後に、隔壁で囲まれた開口部(ドット)にR(レッド)、G(グリーン)、及びB(ブルー)のインクをインクジェット法により噴射し、塗布して、画素を形成する。
インクジェット法では、隣り合う画素間におけるインクの混色を防ぐ必要がある。したがって、隔壁には、インクジェットの吐出液である水や有機溶剤を含むインクをはじく性質、いわゆる撥インク性が要求される。一方、インクジェット法で画素に形成されるインク層には、優れた膜厚均一性が必要である。そのため、隔壁で囲まれたドット(dot)は、吐出液に対して良好な濡れ性、いわゆる親インク性を有することが要求される。
隔壁の表面を撥インク性にするためには、隔壁形成に用いる感光性樹脂組成物に撥インク剤を添加する技術が開発されている。
ポジ型感光性樹脂は、現像後の残渣(以下、「現像残渣」ともいう。)が少ない点で、ネガ型感光性樹脂より優れ、好ましく用いられることがある。例えば特許文献1には、表面自由エネルギーが小さい撥インク剤を含むポジ型感光性樹脂組成物を用いて、隔壁表面に撥インク性を付与する技術が記載されている。
日本特開2009−251327号公報
しかし、特許文献1に記載のポジ型感光性樹脂組成物では、撥インク剤の表面移行性が充分でなく、撥インク剤が隔壁内部に残留して隔壁側面の親インク性が不良になる問題があった。現像後のドットに撥インク剤が残留して、インクが均一に塗布出来ない、インクの白抜けが発生する問題もあった。ドットを洗浄するためには、紫外線/オゾン照射処理等が用いられるが、特許文献1に記載の撥インク剤では耐性が充分でなく、隔壁の撥インク性が大幅に低下してしまうという問題もあった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、撥インク性に優れ、紫外線/オゾン照射処理を経ても撥インク性に優れ、かつ、ドットに残留物が少ない隔壁を形成することができ、貯蔵安定性にも優れるポジ型感光性樹脂組成物の提供を目的とする。
また、本発明は、撥インク性に優れ、紫外線/オゾン照射処理を経ても撥インク性に優れる隔壁を有する光学素子の提供を目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[1]の構成を有するポジ型感光性樹脂組成物、隔壁、及び光学素子を提供する。
[1]アルカリ可溶性樹脂(A)、感光剤(B)及び撥インク剤(C)を含むポジ型感光性樹脂組成物であって、
前記アルカリ可溶性樹脂(A)がノボラック型フェノール樹脂からなり、
前記撥インク剤(C)が下式(c−1)で表される加水分解性シラン化合物と、下式(c−2)で表される加水分解性シラン化合物とを含む混合物の部分加水分解縮合物からなり、前記撥インク剤(C)におけるフッ素原子含有率が10〜55質量%であるポジ型感光性樹脂組成物。
Figure 0006098635
(式(c−1)及び(c−2)中の記号は、以下の通りである。
:炭素原子数1〜6のペルフルオロアルキル基、又はRf1ORf2−で表される炭素原子数2〜40の1価の基(なお、Rf1は、炭素原子数1〜6のペルフルオロアルキル基であり、Rf2は炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有してもよいペルフルオロアルキレン基である。)、
:炭素原子数1〜10のフッ素原子を含まない2価の有機基、
H1:炭素原子数1〜6の1価の炭化水素基、
、及びX:加水分解性基、
p:0、1又は2。
ただし、式(c−1)中の3個のX、式(c−2)中の(4−p)個のX、及びp個のRH1は、それぞれ互いに異なっていても同一であってもよい。)
[2]ポジ型感光性樹脂組成物における全固形分中の前記アルカリ可溶性樹脂(A)の含有量が、10〜90質量%である上記[1]に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[3]ポジ型感光性樹脂組成物における全固形分中の前記感光剤(B)の含有量が、0.1〜50質量%である上記[1]又は[2]に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[4]ポジ型感光性樹脂組成物における全固形分中の前記撥インク剤(C)の含有量が、0.01〜10質量%である上記[1]〜[3]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[5]前記撥インク剤(C)の数平均分子量(Mn)が、500以上1,000,000未満である上記[1]〜[4]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[6]前記感光剤(B)がキノンジアジド基を有する化合物である、上記[1]〜[]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
]前記混合物がさらに下式(c−3)で表される加水分解性シラン化合物を含む、上記[1]〜[]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
Figure 0006098635
(式(c−3)中の記号は、以下の通りである。
Y:水素原子が、ハロゲン原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数2〜3のアルケニル基又はニトロ基で置換されていてもよいフェニル基、
:単結合又は2価の有機基、
H2:炭素原子数1〜6の1価の炭化水素基、
:加水分解性基、
q:1又は2、
r:0又は1であり、q+rが1又は2となる数。
ただし、q個のY、Q、及びY−Q、並びに(4−q−r)個のXは、それぞれ互いに異なっていても同一であってもよい。)
]溶媒(D)をさらに含む、上記[1]〜[]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
]熱硬化剤(E)をさらに含む、上記[1]〜[]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[1]熱硬化促進剤(F)をさらに含む、上記[]に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[1]着色剤(G)をさらに含む、上記[1]〜[1]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[1]基板表面を画素形成用の複数の区画に仕切る形に形成された隔壁であって、上記[1]〜[1]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜からなる隔壁。
[1]基板表面に複数の画素と隣接する画素間に位置する隔壁とを有する光学素子であって、前記隔壁が上記[1]に記載の隔壁で形成されている光学素子。
[1]前記光学素子がカラーフィルタ、TFT(Thin Film Transistor)アレイ又は有機EL素子である上記[1]に記載の光学素子。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、撥インク性に優れ、紫外線/オゾン照射処理を経ても撥インク性に優れる隔壁を形成することができ、貯蔵安定性にも優れる。
本発明の光学素子は、撥インク性に優れ、紫外線/オゾン照射処理を経ても撥インク性に優れる隔壁を有することにより、白抜け現象等の発生が抑制され、外観が良好である。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いた光学素子用隔壁の製造例を模式的に示す断面図である。
本明細書においては、式(c−1)で表される化合物を、「化合物(c−1)」という。他の化合物も同様である。
本明細書における「全固形分」とは、ポジ型感光性樹脂組成物が含有する成分のうち、隔壁形成成分であり、溶媒(D)等の隔壁形成過程における、加熱等により揮発する揮発性成分以外の全成分を示す。ポジ型感光性樹脂組成物を140℃で24時間加熱して溶媒を除去した、残存物として測定される。また、全固形分は各成分の仕込み量からも計算できる。
本明細書においては、ポジ型感光性樹脂組成物を塗布した膜を「塗膜」、それを乾燥させた状態を「膜」、さらに、それを硬化させて得られる膜を「硬化膜」という。
本明細書において、隔壁の「表面」は、隔壁の上面のみを示す用語として用いる。したがって、隔壁の「表面」には、隔壁の側面は含まれない。
本明細書における「インク」とは、乾燥硬化した後に、例えば光学的、電気的に機能を有する液体を総称するものであり、従来から用いられている着色材料に限定されるものではない。また、上記インクを注入して形成される「画素」についても同様に、隔壁で仕切られた、光学的、電気的な機能を有する区分を表すものとして用いられる。
本明細書における「撥インク性」とは、上記インクをはじくために、撥水性と撥油性の両方を適度に有する性質をいい、例えば、後述の方法で評価できる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に説明のない場合、%は質量%を表す。
[アルカリ可溶性樹脂(A)]
本発明のポジ型感光性樹脂組成物におけるアルカリ可溶性樹脂(A)としては、ポジ型感光性樹脂組成物に用いる公知のアルカリ可溶性樹脂が用いられる。
アルカリ可溶性樹脂(A)は、後述の感光剤(B)と共に用いることで、ポジ型感光性樹脂組成物として機能する。すなわち、ポジ型感光性樹脂組成物においては、フォトリソグラフィ等の露光に際して、露光部では感光剤(B)が活性化し、現像液に対する溶解性を増大させる。該露光部は、現像時に現像液(通常はアルカリ現像液)に溶解して除去される。光照射がされない部分(未露光部分)は隔壁となる。なお、アルカリ可溶性樹脂(A)は、露光前に感光剤(B)と組み合わせることにより、現像液に対して不溶化する樹脂もある。
アルカリ可溶性樹脂(A)としては、フェノール類とアルデヒド類、さらに必要に応じて各種変性剤を加えて重縮合することによって製造される未変性又は変性のノボラック型フェノール樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリハロゲン化ヒドロキシスチレン、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミドの共重合体、ハイドロキノンモノメタクリレート共重合体が挙げられる。また、スルホニルイミド系ポリマー、カルボキシル基含有ポリマー、フェノール性水酸基を含有するアクリル系樹脂、スルホンアミド基を有するアクリル系樹脂、ウレタン系の樹脂等の、種々のアルカリ可溶性の高分子化合物も用いることができる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物におけるアルカリ可溶性樹脂(A)としては、ノボラック型フェノール樹脂が好ましい。
ノボラック型フェノール樹脂を製造するために用いられるフェノール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、p−クレゾール、m−クレゾール等のクレゾール類;3,5−キシレノール、2,5−キシレノール、2,3−キシレノール、3,4−キシレノール等のキシレノール類;2,3,4−トリメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,4,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール等のトリメチルフェノール類;2−t−ブチルフェノール、3−t−ブチルフェノール、4−t−ブチルフェノール等のt−ブチルフェノール類;2−メトキシフェノール、3−メトキシフェノール、4−メトキシフェノール、2,3−ジメトキシフェノール、2,5−ジメトキシフェノール、3,5−ジメトキシフェノール等のメトキシフェノール類;2−エチルフェノール、3−エチルフェノール、4−エチルフェノール、2,3−ジエチルフェノール、3,5−ジエチルフェノール、2,3,5−トリエチルフェノール、3,4,5−トリエチルフェノール等のエチルフェノール類;o−クロロフェノール、m−クロロフェノール,p−クロロフェノール,2,3−ジクロロフェノール等のクロロフェノール類;レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール等のレゾルシノール類;5−メチルカテコール等のカテコール類;5−メチルピロガロール等のピロガロール類;ビスフェノールA、B、C、D、E、F等のビスフェノール類;2,6−ジメチロール−p−クレゾール等のメチロール化クレゾール類;α−ナフトール、β−ナフトール等のナフトール類;等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ノボラック型フェノール樹脂を製造するために用いられるアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記ノボラック型フェノール樹脂のなかでも、入手容易性、金属不純物の少なさ等の点から、フェノール類としてクレゾール類、キシレノール類等を用いたノボラック型フェノール樹脂等が好ましく、クレゾール類を用いたノボラック型フェノール樹脂(以下、「クレゾールノボラック樹脂」ともいう。)が特に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(A)の質量平均分子量(Mw)は、0.5×10〜20×10が好ましく、2×10〜15×10が特に好ましい。質量平均分子量(Mw)が上記範囲であると、露光後の現像液に対する溶解性に優れる。
なお、本明細書において質量平均分子量(Mw)とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によりテトラヒドロフランを移動相として測定される、標準ポリスチレンを基準として換算した質量平均分子量を意味する。また、数平均分子量(Mn)とは、同様のGPCで測定した数平均分子量を意味する。
アルカリ可溶性樹脂(A)は、アルカリ現像液に対する溶解性に優れることが好ましい。例えば、ポジ型感光性樹脂組成物のアルカリ現像液として、一般的な2.38質量%TMAH(テトラメチル水酸化アンモニウム)水溶液に対する溶解速度(オングストローム/秒、以下、単に「溶解速度」という。)を指標とすれば、50〜400オングストローム/秒が好ましく、100〜200オングストローム/秒が特に好ましい。溶解速度が上記範囲であると、ポジ型感光性樹脂組成物の現像性が良好になる。
アルカリ可溶性樹脂(A)は、市販品を使用することもできる。市販品としては、いずれも旭有機材工業社製の商品名で、EP4020G(Mw:9,000〜14,000、溶解速度:160〜250オングストローム/秒)、EPR5010G(Mw:7,000〜12,500、溶解速度:50〜150オングストローム/秒)(いずれもクレゾールノボラック樹脂)等が挙げられる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物におけるアルカリ可溶性樹脂(A)は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ポジ型感光性樹脂組成物における全固形分中のアルカリ可溶性樹脂(A)の含有量は、10〜90質量%が好ましく、30〜80質量%が特に好ましい。含有量が上記範囲であると、ポジ型感光性樹脂組成物の現像性が良好になる。
[感光剤(B)]
本発明のポジ型感光性樹脂組成物における感光剤(B)としては、ポジ型感光性樹脂組成物に用いる公知の感光剤が用いられる。
感光剤(B)としては、キノンジアジド基を有する化合物が好ましい。キノンジアジド基を有する化合物としては、ノボラック型フェノール樹脂と組み合わせて用いられる、公知のキノンジアジド基を有する化合物が用いられる。
感光剤(B)としては、互いに縮合可能な、後述するキノンジアジド基を有する化合物αと化合物βとの完全縮合物や部分縮合物が挙げられる。
化合物αは、縮合反応可能な官能基を有する。該縮合反応可能な官能基としては、スルホ基、クロロスルホ基等が挙げられる。化合物αとしては、ベンゾキノンジアジドスルホン酸、ナフトキノンジアジドスルホン酸、アントラキノンジアジドスルホン酸等のスルホン酸、これらのスルホン酸クロリドが挙げられる。スルホン酸クロリドとしては、具体的には、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリド、1,2‐ベンゾキノンジアジド−4‐スルホン酸クロリド等が挙げられる。
化合物βは、化合物αと縮合反応可能な官能基を有する。該縮合反応可能な官能基としては、水酸基、アミノ基等が挙げられ、水酸基が好ましい。
化合物βとしては、得られる隔壁が耐熱性に優れる点で、芳香環を有する化合物が好ましい。該芳香族化合物における芳香環の数は、耐熱性及び水酸基を多く導入できる点で、1〜6個が好ましく、2〜4個が特に好ましい。
化合物βとしては、芳香環に結合する水素原子の少なくとも1個が水酸基に置換された芳香族化合物が特に好ましい。1分子中の水酸基の数は、1〜10個が好ましく、2〜4個が特に好ましい。
化合物βの具体例としては、
フェノール、4‐メチルフェノール等のフェノール類;
2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン等のポリヒドロキシベンゾフェノン類;
トリス(4−ヒドロシキフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[α,α−ジメチル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)ベンジル]エタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、1,3,5−トリス(4-ヒドロキシフェニルジメチルベンジル)ベンゼン等のトリスフェノール型化合物;
2,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−5−ヒドロキシフェノール、2,6−ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール等のリニア型3核体フェノール化合物;
1,1−ビス〔3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル〕イソプロパン、ビス[2,5−ジメチル−3−(4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシフェニル]メタン、ビス[2,5−ジメチル−3−(4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−エチルフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−エチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、ビス[2,5−ジメチル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシフェニル]メタン等のリニア型又は環状型4核体フェノール化合物;
2,4−ビス[2−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルベンジル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,4−ビス[4−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルベンジル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,6−ビス[2,5−ジメチル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシベンジル]−4−メチルフェノール等のリニア型又は環状型5核体フェノール化合物等の、リニア型又は環状型ポリフェノール化合物;
ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、2,3,4−トリヒドロキシフェニル−4′−ヒドロキシフェニルメタン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2′,3′,4′−トリヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(2′,4′−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(3′,4′−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4′−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−(3′−フルオロ−4′−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(4′−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(4′−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジメチルフェニル)プロパン等のビスフェノール型化合物;
1−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−[1′,1′−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1−[1−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン等の多核枝分かれ型化合物;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2−ビス[1,1‐ビス(4‐ヒドロキシフェニルシクロヘキシル)]−2−ビス[1′,1′‐ビス(4′‐ヒドロキシフェニルシクロヘキシル)]プロパン等の縮合型フェノール化合物;
1,1′−スピロビ[1H−インデン]−5,5′,6,6′−テトラオール、2,4,4−トリメチル−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−7−ヒドロキシクロマン、ペンタシクロ[19,3,1,13,7,19,13,115,19]オクタコサ−1,3,5,7,9,11,13,15,17,19,21,23−ドデカエン−4,6,10,12,16,18,22,24−オクタオール等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
感光剤(B)としては、以下の化合物αと化合物βとの完全縮合物又は部分縮合物がより好ましい。
化合物α:1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリド、1,2‐ベンゾキノンジアジド−4‐スルホン酸クロリド等、
化合物β:フェノール類としてフェノール、4‐メチルフェノール;
ポリヒドロキシベンゾフェノン類として、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン;
トリスフェノール型化合物として、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[α,α−ジメチル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)ベンジル]エタン、1,3,5−トリス(4-ヒドロキシフェニルジメチルベンジル)ベンゼン;
ビスフェノール型化合物として、2,3,4−トリヒドロキシフェニル−4′−ヒドロキシフェニルメタン、2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(3′,4′−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(2′,4′−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(4′−ヒドロキシフェニル)プロパン;
多核枝分かれ型化合物として、1−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−[1′,1′−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン;
縮合型フェノール化合物として、2−ビス[1,1‐ビス(4‐ヒドロキシフェニルシクロヘキシル)]−2−ビス[1′,1′‐ビス(4′‐ヒドロキシフェニルシクロヘキシル)]プロパン;
1,1′−スピロビ[1H−インデン]−5,5′,6,6′−テトラオール、2,4,4−トリメチル−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−7−ヒドロキシクロマン、ペンタシクロ[19,3,1,13,7,19,13,115,19]オクタコサ−1,3,5,7,9,11,13,15,17,19,21,23−ドデカエン−4,6,10,12,16,18,22,24−オクタオール。
感光剤(B)としては、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド又は1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリドと、2,3,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノンとの縮合反応物である、式(b−1)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 0006098635

(式(b−1)中、Dは水素原子又は下式(b−2)で表される基を示す。ただし、Dの少なくとも1個は式(b−2)で表される基である。)
Figure 0006098635
本発明のポジ型感光性樹脂組成物における感光剤(B)は、1分子中のキノンジアジド基数の異なった化合物の混合物であってもよく、キノンジアジド基を感光剤(B)全体の平均値として、1分子中に1〜4個有する化合物が好ましく、2.5〜3個有する化合物が特に好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物における全固形分中の感光剤(B)の含有量は、0.1〜50質量%が好ましく、1.0〜30質量%が特に好ましい。上記範囲であると、ポジ型感光性樹脂組成物の現像性に優れる。下限値未満であると、感光性樹組成物として充分な感度が得られないことがあり、上限値を超えると成分が析出するおそれがある。
[撥インク剤(C)]
本発明のポジ型感光性樹脂組成物における撥インク剤(C)は、下式(c−1)で表される加水分解性シラン化合物(以下、化合物(c−1)ともいう)、下式(c−2)で表される加水分解性シラン化合物(以下、化合物(c−2)ともいう)を含む混合物(以下、「加水分解性シラン化合物混合物」ともいう。)の部分加水分解縮合物からなり、前記撥インク剤(C)におけるフッ素原子含有率は10〜55質量%である。
Figure 0006098635

(式(c−1)及び(c−2)中の記号は、以下の通りである。
:炭素原子数1〜6のペルフルオロアルキル基、又はRf1ORf2−で表される炭素原子数2〜40の1価の基(Rf1は、炭素原子数1〜6のペルフルオロアルキル基であり、Rf2は炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有してもよいペルフルオロアルキレン基である。)、
:炭素原子数1〜10のフッ素原子を含まない2価の有機基、
H1:炭素原子数1〜6の炭化水素基、
、及びX:加水分解性基、
p:0、1又は2。
ただし、X、X、及びRH1が、式(c−1)又は式(c−2)内に複数個存在する場合は、これらは互いに異なっていても同一であってもよい。)
撥インク剤(C)は、化合物(c−1)由来のペルフルオロアルキル基を含有することにより、ポジ型感光性樹脂組成物を用いて形成される隔壁に、優れた撥インク性を付与できる。ポジ型感光性樹脂組成物を基板に塗布した際に、加水分解性シラン化合物(c−1)由来のRは、基板と反対側(すなわち空気側)に留まりやすくなる。すなわち、撥インク剤(C)が基板と反対側に留まりやすくなる。また、化合物(c−1)は、Rとケイ素原子とを有するため、隔壁は撥インク性の耐紫外線/オゾン性に優れる。
撥インク剤(C)は、化合物(c−2)に由来する単位を含有することにより、撥インク剤(C)の炭化水素系溶媒への溶解性、造膜性に優れる。また、撥インク剤(C)のフッ素原子含有率の調整ができる。
撥インク剤(C)のフッ素原子含有率は10〜55質量%であり、12〜40質量%が好ましく、15〜30質量%が特に好ましい。フッ素原子含有率が上記範囲であると、ポジ型感光性樹脂組物を用いて形成される隔壁に、紫外線またはオゾン照射に耐性のある撥インク性を付与できる。
撥インク剤(C)は、シラノール基を有することが好ましい。シラノール基の数としては、ケイ素原子1個当たり、0.2〜3.5個が好ましく、0.2〜2個がより好ましく、0.5〜1.5個が特に好ましい。上記範囲の下限値以上であると、ポジ型感光性樹脂組成物を用いて隔壁を形成する際に、基板表面からの撥インク剤(C)の脱離を防止できる。上記範囲の上限値以下であると、撥インク剤(C)が、ポジ型感光性樹脂組成物中で溶媒や他の成分との相溶性に優れる。
なお、撥インク剤(C)中のシラノール基数は、29Si−NMRにより測定されるシラノール基を有するSi基と、シラノール基を有しないSi基とのピーク面積の比により算出される。
本発明の加水分解性シラン化合物混合物は、化合物(c−1)及び化合物(c−2)を含む。さらに、化合物(c−1)及び化合物(c−2)以外の加水分解性シラン化合物を1種又は2種以上含んでいてもよい。
前記化合物(c−1)及び化合物(c−2)以外の加水分解性シラン化合物としては、フェニル基含有の有機基を有する加水分解性シラン化合物(上記加水分解性シラン化合物(c−1)、及び(c−2)を除く。)が挙げられる。例えば、ケイ素原子に、1又は2個のフェニル基を末端に有する有機基と、0又は1個の炭化水素基と、1〜3個の加水分解性基が結合した加水分解性シラン化合物であり、後述する化合物(c−3)が好ましい。
(加水分解性シラン化合物(c−1))
加水分解性シラン化合物(c−1)は、上記式(c−1)で表されるシラン化合物である。
式(c−1)中、Rは、炭素原子数1〜6のペルフルオロアルキル基、又はエーテル性酸素原子を含む炭素原子数4〜9のペルフルオロアルキル基が好ましく、炭素原子数6のペルフルオロアルキル基が特に好ましい。Rが上記範囲であると、ポジ型感光性樹脂組成物を用いて形成される隔壁が、撥インク性に優れ、特に耐紫外線/オゾン性のある撥インク性に優れ、さらに、汎用の溶媒への溶解性に優れる。
の構造は、直鎖構造、分岐構造、環構造、又は部分的に環を有する構造が挙げられるが、直鎖構造が好ましい。
の具体例としては、以下の基が挙げられる。
F(CF−、F(CF−。
CFCFOCFCFOCF−、CFCFOCFCFOCFCF−、CFCFOCFCFOCFCFOCFCFOCF−、CFCFOCFCFOCFCFOCFCFOCFCF−。
CFCFCFOCF−、CFCFCFOCFCF−、CFCFCFOCF(CF)−、CFCFCFOCF(CF)CF−、CFCFCFOCF(CF)CFOCFCF−、CFCFCFOCF(CF)CFOCF(CF)−、CFCFCFOCF(CF)CFOCF(CF)CF−、CFOCF(CF)CFOCF(CF)−、CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)−。
式(c−1)中、Qは、右側の結合手にSiが、左側の結合手にRがそれぞれ結合するとして表示した場合に、具体的には、−(CHi1−(i1は1〜5の整数。)、−CHO(CHi2−(i2は1〜4の整数。)、−SONR−(CHi3−(Rは水素原子、メチル基、又はエチル基であり、i3は1以上であり、Rの炭素原子数との合計で4以下の整数。)、−(C=O)−NR−(CHi4−(Rは前記と同様であり、i4は1以上であり、Rの炭素原子数との合計で4以下の整数。)で表される基が好ましい。Qとしては、i1が2又は3である−(CHi1−がより好ましく、−(CH−が特に好ましい。
が炭素原子数1〜6のペルフルオロアルキル基である場合、上記Qとしては、−(CHi1−(i1は上記と同様)で表される基が好ましい。i1は2〜4の整数が好ましく、−(CH−が特に好ましい。
がエーテル性酸素原子を含む炭素原子数4〜9のペルフルオロアルキル基である場合、上記Qとしては、−(CHi1−、−CHO(CHi2−、−SONR−(CHi3−、−(C=O)−NR−(CHi4−で表される基(i1〜i4及びRは上記と同様)が好ましい。この場合においても、−(CH−が特に好ましい。
式(c−1)中、Xとしては、アルコキシ基、ハロゲン原子、アシル基、イソシアナート基、アミノ基、又はアミノ基の水素原子がアルキル基で置換された基が挙げられる。なかでも、炭素原子数1〜4のアルコキシ基又はハロゲン原子が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、塩素原子が特に好ましい。これらの基は、加水分解反応により水酸基(シラノール基)となり、さらに分子間で縮合反応して、Si−O−Si結合を形成する反応が円滑に進みやすい。
化合物(c−1)の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
F(CFCHCHSi(OCH、F(CFCHCHSi(OCHCH、F(CFCHCHSiCl、F(CFCHCHSi(OCH、F(CFCHCHSi(OCHCH、F(CFCHCHSiCl
CFOCFCFCFCHCHSi(OCH、F(CFOCFCFOCFCFOCFCFOCFCHCHSi(OCHCH、CFOCF(CF)CFCHCHCHSi(OCH
F(CFOCFCFOCFCHCHCHSi(OCH、F(CFO(CFO(CFCHCHSi(OCH
F(CFOCFCFCHCHSiCl、F(CFOCF(CF)CFO(CFCHCHSi(OCH
化合物(c−1)としては、なかでも、F(CFCHCHSi(OCH、F(CFCHCHSi(OCHCH、F(CFCHCHSiCl、F(CFOCF(CF)CFO(CFCHCHSi(OCH等が特に好ましい。
加水分解性シラン化合物混合物中に含まれる化合物(c−1)は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(加水分解性シラン化合物(c−2))
加水分解性シラン化合物(c−2)は、上記式(c−2)で表されるシラン化合物である。
式(c−2)中、RH1は炭素原子数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
は加水分解性基であり、上式(c−1)中のXと好ましい態様を含めて同様である。
pは0、1又は2であるが、pが2の場合は、2個のRH1、及び(4−p)個のXは、それぞれ互いに異なっていても同一であってもよい。
pは0又は1が好ましい。
撥インク剤(C)において、化合物(c−1)由来のRf1及び化合物(c−2)由来のRH1によって撥水性が発現され、主にRによって撥油性が発現される。また、撥インク剤(C)の硬化物が充分な撥油性を発現するには、撥インク剤(C)中のRとRH1との合計に対して、Rの割合が高いことが好ましい。pが0の場合、撥インク剤(C)におけるRの割合が高くなり撥油性が向上し、また造膜性に優れる。pが1又は2の場合、RH1がある程度存在することにより、撥インク剤(C)は炭化水素系の溶媒に溶解しやすくなり、基板の表面にポジ型感光性樹脂組成物の塗膜を形成する際に、比較的安価な溶媒を選択できる。
化合物(c−2)としては、以下の化合物が好ましい。必要に応じて、その複数個を予め部分加水分解縮合して得た部分加水分解縮合物を用いてもよい。なお、他の加水分解性シラン化合物についても同様である。
Si(OCH、Si(OCHCH、CHSi(OCH
CHSi(OCHCH、CHCHSi(OCH
CHCHSi(OCHCH、(CHSi(OCH
(CHSi(OCHCH
Si(OCHを加水分解縮合した化合物(例えば、コルコート社製のメチルシリケート51(商品名))、
Si(OCHCHを加水分解縮合した化合物(例えば、コルコート社製のエチルシリケート40、エチルシリケート48(いずれも商品名))。
本発明の加水分解性シラン化合物混合物に含まれる化合物(c−2)は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、4官能性化合物及び/又は3官能性化合物と共に2官能性化合物を併用することもできる。
加水分解性シラン化合物混合物中の化合物(c−2)の含有量は、化合物(c−1)の1モルに対して化合物(c−2)の0.1〜9モルが好ましく、0.5〜9モルが特に好ましい。
(加水分解性シラン化合物(c−3))
加水分解性シラン化合物(c−3)は、下式(c−3)で表される加水分解性シラン化合物である(以下、「化合物(c−3)」ともいう。)。
Figure 0006098635

式(c−3)において、加水分解性基を示すXは、上記式(c−1)中のXと好ましい態様を含めて同様である。
また、RH2は上記式(c−2)中のRH1と好ましい態様を含めて同様である。
式(c−3)中、Yは水素原子がハロゲン原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数2〜3のアルケニル基又はニトロ基に置換されていてもよいフェニル基を表す。
はケイ素原子とフェニル基を連結する基であり、単結合又は2価の有機基である。
qは1又は2であり、rは0又は1であり、q+rは1又は2である。
なお、式(c−3)において、qが2の場合、2個のQは互いに異なっていても同一であってもよく、q+rが1の場合、3個のXは互いに異なっていても同一であってもよく、q+rが2の場合、2個のXは互いに異なっていても同一であってもよい。
式(c−3)中、qが1で、rが1である、又はqが1で、rが0であることが好ましい。
式(c−3)中、Yとしては、フェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基等が挙げられ、フェニル基が特に好ましい。このような化合物(c−3)を用いることにより、高い解像度と、ドット部に残渣の少ない隔壁が得られる。これは、撥インク剤(C)がポジ型感光性樹脂組成物の膜表面に移行した後、化合物(c−3)に由来するフェニル基が、現像液中で感光剤(B)のジアジド基とアゾカップリング反応することで、撥インク剤(C)をポジ型感光性樹脂組成物の膜表面に留まりやすくするためと推測される。これにより、現像、ポストベーク等を経た後においても、得られる隔壁の表面を撥インク性に、側面を親インク性に保てる。
式(c−3)中、Qが2価の有機基である場合には、−(CH−(jは1〜6の整数)、−NH−、−NH−(C2k)−(kは1〜6の整数)、−N(C2g+1)−(gは1〜6の整数)が電子供与性基であり、かつ入手容易性の点で好ましい。Qとしては、単結合又は−NH−が特に好ましい。
化合物(c−3)の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
(C6)Si(OC
(C6)NH(CHSi(OCH
本発明の加水分解性シラン化合物混合物中に含まれる化合物(c−3)は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明の加水分解性シラン化合物混合物中の化合物(c−3)の配合量は、加水分解性シラン化合物(c−1)及び(c−2)の合計量の1モルに対して5モル以下が好ましく、4モル以下が特に好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物に用いる撥インク剤(C)は、上記原料の加水分解性シラン化合物混合物の部分加水分解縮合物であり、通常、重合度等の異なる複数の縮合物で構成される混合物である。
すなわち、撥インク剤(C)は、加水分解性シラン化合物(c−1)及び化合物(c−2)を必須成分として用い、任意に化合物(c−3)を用いて製造された場合は、下式(1)で表される平均組成式の構造を有するものとなる。ただし、実際は加水分解性基又はシラノール基が残存した生成物(部分加水分解縮合物)であるので、この生成物を化学式で表すことは困難である。
式(1)で表される平均組成式は、上記のように製造された部分加水分解縮合物において、加水分解性基又はシラノール基の全てが完全に加水分解し、縮合してシロキサン結合となった場合の化学式である。
Figure 0006098635

式(1)中、R、RH1、RH2、Y、Q、Q、p、q、及びrの好ましい範囲は、上述したものと同様である。s、t、及びuは、重合度の異なる複数の含フッ素シラン化合物混合物における各単位の平均存在モル数である。
式(1)で表される平均組成式の構造を有する部分加水分解縮合物においては、化合物(c−1)、化合物(c−2)及び化合物(c−3)にそれぞれ由来する単位は、ランダムに配列していると推測される。
なお、化合物(c−1)及び化合物(c−2)を用いた場合の下記平均組成式(2)におけるs/t(モル比)は、撥インク剤(C)全体の平均値として、加水分解性シラン化合物混合物における化合物(c−1)に対する化合物(c−2)の含有量として上述した範囲、すなわち10/1〜90(モル比)が好ましく、10/5〜90(モル比)が特に好ましい。
Figure 0006098635
式(2)中、R、RH1、Q及びpの好ましい範囲は、上述したものと同様である。s、及びtは、重合度の異なる複数の含フッ素シラン化合物混合物における各単位の平均存在モル数である。
撥インク剤(C)を加水分解性シラン化合物(c−1)、加水分解性シラン化合物(c−2)及び加水分解性シラン化合物(c−3)を用いて製造した場合には、式(2)に式(1)の化合物(c−3)に由来する単位がさらに共縮合された平均組成式の構造を有するものとなる。
式(1)中、撥インク剤(C)全体の平均値として、(s+t)の1に対して、uは上述の範囲、すなわち5以下(モル比)が好ましく、4以下(モル比)が特に好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物における撥インク剤(C)は、露光、硬化等の過程においては、含まれるシラノール基がさらに縮合し、紫外線/オゾン照射をしても優れた撥インク性を示す隔壁を形成するものと考えられる、
本発明のポジ型感光性樹脂組成物における撥インク剤(C)の数平均分子量(Mn)は、500以上が好ましく、1,000,000未満が好ましく、10,000未満が特に好ましい。数平均分子量(Mn)が上記範囲の下限値以上であると、ポジ型感光性樹脂組成物を用いて隔壁を形成する際に、基板表面からの脱離を防止できる。数平均分子量(Mn)が上記範囲の上限値未満であると、溶媒への溶解性が良好で、作業性に優れる。撥インク剤(C)の数平均分子量(Mn)は反応条件等を選択することにより調節できる。
(撥インク剤(C)の製造)
本発明のポジ型感光性樹脂組成物における撥インク剤(C)は、上述した加水分解性シラン化合物混合物を加水分解し、部分縮合させる(以下、「反応工程」ともいう。)ことで製造できる。加水分解及び部分縮合は、上述の通り、加水分解性基の加水分解反応によるシラノール基の生成と、シラノール基同士の脱水縮合反応によるシロキサン結合を生成する反応である。反応工程には、加水分解性シラン化合物を加水分解縮合させる反応に通常用いる反応条件を、特に制限なく適用することができ、例えば、水、触媒、有機溶媒等を用いることができる。
反応工程において水を用いる場合、その量は、加水分解性シラン化合物混合物の100質量部に対して、25〜9,900質量部が好ましく、100〜1,900質量部が特に好ましい。水の量を上記範囲とすることで、加水分解及び縮合反応の制御がし易くなる。
反応工程に用いる触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、酢酸、シュウ酸、マレイン酸等の有機酸を用いることが好ましい。用いる触媒の量は、加水分解性シラン化合物混合物の100質量に対して0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜1質量部が特に好ましい。
上記反応工程には有機溶媒を用いてもよい。該有機溶媒としては、加水分解性シラン化合物を加水分解、縮合反応する際に、通常、用いる有機溶媒、具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、2−メチル−2−プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール等のアルコール類;アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等のセルソルブ類;2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール等のカルビトール類;メチルアセテート、エチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、4−ブチロラクトン、ブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールのモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のグリコールのジアルキルエーテル類が挙げられる。その他には、ベンジルアルコール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。有機溶媒は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
反応工程において、有機溶媒の量は、加水分解性シラン化合物混合物の100質量部に対して、25〜9,900質量部が好ましく、100〜1,900質量部が特に好ましい。
得られる部分加水分解縮合物は、反応工程で用いた溶媒と共に、ポジ型感光性樹脂組成物に配合される。したがって、反応工程に用いる溶媒としては、撥インク剤(C)中のシラノール基を安定化する溶媒を用いることが好ましい。シラノール基を安定化する溶媒としては、水酸基を有し、25℃における比誘電率(ε)が5〜20、好ましくは8〜15の範囲の化合物が挙げられる。
具体的には、炭素原子数2〜8個のグリコール系のモノアルキルエーテルアセテート溶媒、グリコール系のモノアルキルエーテル溶媒、グライム系溶媒、炭素原子数2〜4個の炭化水素系アルコール等が挙げられる。
より具体的には、グリコール系のモノアルキルエーテルアセテート溶媒として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(ε:8.3)、グリコール系のモノアルキルエーテル溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(ε:12.3)、炭化水素系アルコールとして、2−プロパノール(ε:19.92)等が挙げられる。プロピレングリコールモノメチルエーテルは、シラノール基の安定化効果が高い点で特に好ましい。
反応工程は、室温から溶媒の沸点までの温度で、適当な撹拌条件の下で実施することが好ましい。
反応時間は、用いる原料成分の量、反応温度、撹拌条件等にもよるが、概ね0.5〜24時間、好ましくは1〜10時間を挙げることができる。
反応終了後、得られた撥インク剤(C)を、有機溶媒を除去することなく、本発明のポジ型感光性樹脂組成物中に添加することもできる。通常の方法により有機溶媒を除去してから撥インク剤(C)を単離した後、ポジ型感光性樹脂組成物中に添加してもよい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物における全固形分中の撥インク剤(C)の含有量は、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜6質量%がより好ましく、0.2〜3質量%が特に好ましい。撥インク剤(C)の含有量が上記範囲であると、ポジ型感光性樹脂組成物の貯蔵安定性に優れ、また該ポジ型感光性樹脂組成物を用いて形成される光学素子の隔壁は、撥インク性に優れ、滑らかな表面を有する。
[溶媒(D)]
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、溶媒(D)を含有してもよい。
溶媒(D)を含有することで、該組成物の基板への塗工性、基板表面との密着性がより優れる。また、溶媒(D)を含有することで、該組成物中で、撥インク剤(C)を安定して存在させることができる。
溶媒(D)は、ポジ型感光性樹脂組成物が必須成分として含有するアルカリ可溶性樹脂(A)、感光剤(B)、撥インク剤(C)、任意成分として含有する熱硬化剤(E)、熱硬化促進剤(F)及びその他の添加剤を、均一に溶解又は分散させ、ポジ型感光性樹脂組成物に含まれる各成分と反応性を有しないものであれば、特に制限されない。
溶媒(D)の具体例としては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、エチレングリコール等のアルコール類;アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール等のセルソルブ類;2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール等のカルビトール類;メチルアセテート、エチルアセテート、n−ブチルアセテート、エチルラクテート、n−ブチルラクテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、シクロヘキサノールアセテート、乳酸ブチル、γ−ブチロラクトン、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、グリセリントリアセテート等のエステル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等が挙げられる。その他には、n−ブタン、n−ヘキサン等の鎖式炭化水素;シクロヘキサン等の環式飽和炭化水素;トルエン、キシレン、ベンジルアルコール等の芳香族炭化水素;等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物の溶媒(D)の含有量は、ポジ型感光性樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、5〜2,000質量%が好ましく、100〜500質量%がより好ましい。
[熱硬化剤(E)]
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、熱硬化を促進する任意成分として、熱硬化剤(E)を含んでもよい。
熱硬化剤(E)としては、アミノ樹脂、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、ポリイソシアネート化合物、及びポリカルボジイミド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
アミノ樹脂としては、メラミン系化合物、グアナミン系化合物、尿素系化合物等のアミノ基の一部又は全てをヒドロキシメチル化した化合物、又は該ヒドロキシメチル化した化合物の水酸基の一部又は全てをメタノール、エタノール、n−ブチルアルコール、2−メチル−1−プロパノール等でエーテル化した化合物、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン等が挙げられる。
エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル類;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル等の脂環式エポキシ樹脂;ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート、ジグリシジルフタレート等のグリシジルエステル類;テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルパラアミノフェノール等のグリシジルアミン類;トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環式エポキシ樹脂;等が挙げられる。
オキサゾリン化合物としては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン等の重合性単量体の共重合体等が挙げられる。
これらの化合物は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
熱硬化剤(E)としては、特に1分子中に2つ以上のエポキシ基を有する化合物が好ましい。ポジ型感光性樹脂組成物が熱硬化剤(E)を含むことにより、露光時におけるポジ型感光性樹脂組成物の硬化性がより優れ、熱硬化後の形状の安定化した隔壁を形成することができる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物における全固形分中の熱硬化剤(E)の含有量は、5〜20質量%が好ましく、10〜15質量%が特に好ましい。上記範囲であると、ポジ型感光性樹脂組成物を用いて隔壁を有する硬化膜を形成させた際に、隔壁表面以外(ドット)のインクの濡れ性がより優れる。
[熱硬化促進剤(F)]
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、熱硬化を促進する任意成分として、熱硬化促進剤(F)を含んでもよい。
熱硬化促進剤(F)とは、加熱によりポジ型感光性樹脂組成物中に架橋構造を形成する作用を有する化合物である。
熱硬化促進剤(F)としては、例えば、それ自体が熱硬化剤(E)と反応し、架橋して架橋構造を形成する化合物や、それ自体は架橋せず、熱硬化剤(E)に対して触媒作用を有する化合物が挙げられる。
熱硬化剤(E)としてエポキシ化合物を用いる場合、架橋構造を形成する熱硬化促進剤(F)としては、ポリアミン類、ポリチオール類、ポリカルボン酸無水物が挙げられる。より具体的には、ポリアミン類として、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン、ポリオキシアルキレンポリアミン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンが挙げられる。ポリチオール類として、ポリエーテルポリチオール、ポリカルボン酸無水物として、水コハク酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
触媒作用を有するものとしては、3級アミン類、イミダゾール類、ルイス酸類、オニウム塩類、ジシアンジアミド類、有機酸ジヒドラジド類、ホスフィン類等の硬化触媒が挙げられる。より具体的には、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、三フッ化ホウ素−アミン錯体、ジシアンジアミド、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
熱硬化促進剤(F)は、これらの1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
熱硬化剤(E)が1分子中に2つ以上のエポキシ基を有する化合物である場合には、熱硬化促進剤(F)としては2−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾールが特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物における全固形分中の熱硬化促進剤(F)の含有量は、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜3質量%が特に好ましい。
[着色剤(G)]
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を、液晶表示素子のカラーフィルタのR、G、及びBの三色の画素を囲む格子状の黒色部分であるブラックマトリックス形成のために用いる場合、着色剤(G)を含むことが好ましい。
着色剤(G)は、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、アントラキノン系黒色顔料、ペリレン系黒色顔料、具体的には、C.I.ピグメントブラック1、6、7、12、20、31等が挙げられる。着色剤(G)としては、赤色顔料、青色顔料、緑色顔料等の有機顔料や無機顔料の混合物を用いることもできる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物に着色剤(G)を含有させ、ブラックマトリックス形成等に用いる場合、該ポジ型感光性樹脂組成物における全固形分中の着色剤(G)の含有量は、15〜65質量%が好ましく、20〜50質量%が特に好ましい。上記範囲であると、ポジ型感光性樹脂組成物は感度に優れ、また、形成される隔壁は遮光性に優れる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、上記着色剤(G)等の分散性材料を含有する場合には、その分散性を向上させるために、さらに、高分子分散剤、分散助剤等を含有してもよい。これらは、本発明の効果を損なわない範囲の含有量でポジ型感光性樹脂組成物に含有できる。
[シランカップリング剤(H)]
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、必要に応じて、シランカップリング剤(H)を含んでもよい。シランカップリング剤(H)を含有することにより、形成される硬化膜の基板密着性がより優れる。
シランカップリング剤(H)としては、テトラエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、へプタデカフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、ポリオキシアルキレン鎖含有トリエトキシシラン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物における全固形分中のシランカップリング剤(H)の含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。上記範囲の下限値以上であると、ポジ型感光性樹脂組成物から形成される硬化膜の基板密着性がより優れ、上記範囲の上限値以下であると、硬化膜の撥インク性が良好である。
[微粒子(I)]
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、必要に応じて、微粒子(I)を含んでもよい。微粒子(I)を含有することにより、ポジ型感光性樹脂組成物を用いて形成される隔壁の熱垂れを防止できる。
微粒子(I)としては、特に限定されず、シリカ、ジルコニア、フッ化マグネシウム、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)等の無機系微粒子;ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等の有機系微粒子等が挙げられる。耐熱性の点からは、無機系微粒子が好ましく、入手容易性や分散安定性の点からは、シリカ又はジルコニアが特に好ましい。
また、ポジ型感光性樹脂組成物が、着色剤(G)及び高分子分散剤を含有する場合には、該高分子分散剤の吸着能を考慮すれば、微粒子(I)は、負に帯電していることが好ましい。
さらに、ポジ型感光性樹脂組成物の露光感度を考慮すると、微粒子(I)は、露光時に照射される光を吸収しないことが好ましく、超高圧水銀灯の主発光波長であるi線(365nm)、h線(405nm)、及びg線(436nm)を吸収しないことが特に好ましい。
微粒子(I)の平均粒子径は、隔壁の表面平滑性が良好になる点から、平均粒子径が1μm以下が好ましく、200nm以下が特に好ましい。なかでも、平均粒子径としては、5〜100nmが最も好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物における全固形分中の微粒子(I)の含有量は、5〜35質量%が好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。含有量が上記範囲の下限値以上であると、撥インク性の低下抑制効果があり、上記範囲の上限値以下であると、ポジ型感光性樹脂組成物の貯蔵安定性に優れる。
[その他の添加剤]
本発明のポジ型感光性樹脂組成物には、その他添加剤として、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、増粘剤、可塑剤、消泡剤、レベリング剤、ハジキ防止剤及び紫外線吸収剤からなる群から選ばれる1種以上を配合してもよい。
[ポジ型感光性樹脂組成物の製造方法]
ポジ型感光性樹脂組成物を製造する方法として、アルカリ可溶性樹脂(A)、感光剤(B)、撥インク剤(C)、必要に応じて、溶媒(D)、熱硬化剤(E)、熱硬化促進剤(F)、着色剤(G)、シランカップリング剤(H)、微粒子(I)、及びその他の添加剤と混合する方法が好ましい。
混合は、攪拌機を用いて、温度が20℃〜25℃、時間を3hr〜6hrで行われ、得られた組成物は、そのまま使用される。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、通常のポジ型感光性樹脂組成物と同様に、フォトリソグラフィ等の材料として用いられ、得られた硬化膜は、通常のポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜が用いられる光学素子の部材として、使用できる。
[隔壁及びその製造方法]
本発明の隔壁は、基板上に区画を設けるために形成される隔壁であって、上記本発明のポジ型感光性樹脂組成物を塗布し、乾燥して、硬化させてなる硬化膜からなる。
本発明の隔壁は、光学素子の用途に好適に用いられ、上記ポジ型感光性樹脂組成物が着色剤(G)を含有する場合には、得られる隔壁はブラックマトリックスとしての適用が可能である。
本発明の隔壁は、例えば、基板上に複数の画素と隣接する画素間に位置する隔壁とを有する光学素子用の隔壁に適用される。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いて、光学素子用の隔壁を製造する方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布して塗膜を形成し(塗膜形成工程)、次いで、該塗膜を乾燥して膜とし(プリベーク工程)、次いで、該膜の隔壁とならない部分のみを露光し(露光工程)、その後、上記露光した部分の塗膜を除去して上記塗膜の未露光部分からなる隔壁を形成させる(現像工程)。次いで、必要に応じて上記形成された隔壁等を、さらに熱硬化させる(ポストベーク工程)ことにより、本発明の光学素子用の隔壁が製造できる。
基板の材質は特に限定されるものではないが、各種ガラス板;ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホン、ポリイミド、ポリメタクリル樹脂、アクリル樹脂等の熱可塑性プラスチックシート;エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂の硬化シート;等が使用できる。特に、耐熱性の点からガラス板、ポリイミド等の耐熱性プラスチックが好ましい。また、透明基板であることが好ましい。
基板の形状や隔壁が形成される表面については、特に制限されず、用途に応じて適宜選択される。基板が板状である場合には、平板でもよく、全面又は一部が曲率を有していてもよい。基板の厚さは隔壁の用途により適宜選択できるが、一般的には0.5〜10mmが好ましい。
本発明に用いる基板は、ポジ型感光性樹脂組成物を塗布する面を予めアルコール洗浄、紫外線/オゾン洗浄等で洗浄しておくことが好ましい。
図1は、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いた光学素子用隔壁の製造例を模式的に示す断面図である。
図1(I)は、基板1上に本発明のポジ型感光性樹脂組成物からなる塗膜2が形成された状態の断面を示す図である。
図1(II)は露光工程を模式的に示す図である。
図1(III)は、現像工程後の基板1と基板上に形成された隔壁6を示す断面図である。
以下、図1を用いて、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いた光学素子用隔壁の製造方法を具体的に説明する。
(塗膜形成工程)
図1(I)に断面を示すように、基板1上に上記本発明のポジ型感光性樹脂組成物を塗布して、ポジ型感光性樹脂組成物からなる塗膜2を形成する。
ポジ型感光性樹脂組成物の塗布方法としては、膜厚が均一な塗膜が形成される方法であれば特に制限されず、スピンコート法、スプレー法、スリットコート法、ロールコート法、回転塗布法、バー塗布法等、通常の塗膜形成に用いられる方法が挙げられる。
塗膜2の膜厚は最終的に得られる隔壁の高さを勘案して決められる。塗膜2の膜厚は、最終的に得られる隔壁の高さの100〜200%が好ましく、100〜130%が特に好ましい。塗膜2の膜厚は0.3〜325μmが好ましく、1.3〜65μmが特に好ましい。
(プリベーク工程)
上記塗膜形成工程で基板1上に形成された塗膜2を加熱し、膜2を得る。加熱によって、塗膜を構成するポジ型感光性樹脂組成物に含まれる溶媒を含む揮発成分が揮発、除去され、粘着性のない膜が得られる。また、撥インク剤(C)が膜表面近傍に移行する。
加熱の方法としては、基板1と共に塗膜2をホットプレート、オーブン等の加熱装置により、50〜120℃、好ましくは70〜110℃で、10〜2,000秒間、好ましくは30〜180秒間程度加熱処理する方法が挙げられる。
溶媒等の揮発成分を除去するために、加熱(乾燥)以外の真空乾燥等の乾燥工程を、プリベーク工程の前に別に設けてもよい。また、塗膜外観のムラを発生させず、効率よく乾燥させるために、上記プリベーク工程による乾燥を兼ねた加熱と、真空乾燥を併用することがより好ましい。真空乾燥の条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、500〜10Paで10〜300秒間程度の幅広い範囲で行うことができる。
(露光工程)
図1(II)に示すように、膜2に所定パターンのマスク4を介して光5を照射する。上記マスク4に切られた所定パターン部分のみを光5が透過し、基板1上の膜2に到達する。露光部のみがアルカリ可溶化するため、上記所定パターンは隔壁の形状に適合する形に設けられる。ポストベーク工程後に隔壁の幅の平均が、100μm以下となることが好ましく、20μm以下が特に好ましい。また、隣接する隔壁間の距離の平均が、300μm以下となることが好ましく、100μm以下が特に好ましい。マスク4としては、該範囲となるようにパターンを形成したものを用いることが好ましい。
図1(II)において、光が照射された膜の露光部分は、ポジ型感光性樹脂組成物の可溶化部分となり、一方、未露光部分3は、ポジ型感光性樹脂組成物の膜2そのものの状態である。
照射する光5としては、可視光;紫外線;遠紫外線;KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、Krエキシマレーザー、KrArエキシマレーザー、Arエキシマレーザー等のエキシマレーザー;X線;電子線等が挙げられる。また、照射光5としては、波長100〜600nmの電磁波が好ましく、300〜500nmの範囲に分布を有する光線がより好ましく、i線(365nm)、h線(405nm)及びg線(436nm)が特に好ましい。
照射装置(図示されていない)としては、公知の超高圧水銀灯やディープ(Deep)UVランプ等を用いることができる。露光量は、5〜1,000mJ/cmが好ましく、50〜400mJ/cmが特に好ましい。露光量が上記範囲の下限値以上であると、ポジ型感光性樹脂組成物の可溶化する部分の現像液に対する溶解性が充分となり、現像残渣がなくなる。上記範囲の上限値以下であると、高い解像度が得られる。
露光時間としては、露光量、感光組成物の組成、塗膜の厚さ等にもよるが、1〜60秒間が好ましく、5〜20秒間が特に好ましい。
(現像工程)
現像液を用いて現像を行い、図1(II)に示される基板1上の露光部分を除去する。これにより、図1(III)に断面図が示されるような、基板1と上記基板上にポジ型感光性樹脂組成物の膜により形成された隔壁6の構成が得られる。また、隔壁6と基板1で囲まれた部分は、インク注入等により画素が形成されるドット7と呼ばれる部分である。得られた基板10は、後述のポストベーク工程を経て、インクジェット方式での光学素子に用いることができる。
現像液としては、無機アルカリ類、アミン類、アルコールアミン類、第4級アンモニウム塩等のアルカリ類を含むアルカリ水溶液、好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアルカリ類を含むアルカリ水溶液を用いることができる。
また現像液には、溶解性の向上や残渣除去のために、界面活性剤やアルコール等の有機溶媒を添加することができる。
現像時間(現像液に接触させる時間)は、5〜180秒間が好ましく、10〜60秒間がより好ましい。
現像方法は液盛り法、ディッピング法、シャワー法等が挙げられる。現像後、高圧水洗や流水洗浄を行い、圧縮空気や圧縮窒素で風乾させることによって、基板1及び隔壁6上の水分を除去できる。
(ポストベーク工程)
ポストベーク工程として、基板1上の隔壁6を加熱する。加熱の方法としては、基板1と共に隔壁6をホットプレート、オーブン等の加熱装置により、150〜250℃で、5〜90分間加熱処理をする方法が挙げられる。
加熱により、基板1上のポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜からなる隔壁6がさらに硬化し、隔壁6と基板1で囲まれるドット7の形状もより固定化される。なお、上記加熱温度は180℃以上であることが特に好ましい。加熱温度が低すぎると隔壁6の硬化が不充分で、充分な耐薬品性が得られない。ドット7に後述するインク注入工程にてインクを注入した場合に、該インクに含まれる溶媒によっては、隔壁6が膨潤したり、インクが滲むおそれがある。一方、加熱温度が高すぎると、隔壁6の熱分解が生じるおそれがある。
形成する隔壁の幅の平均は、100μm以下が好ましく、20μm以下が特に好ましい。なかでも、5〜20μmが最も好ましい。
また、隣接する隔壁間の距離(ドットの幅)の平均は、300μm以下が好ましく、100μm以下が特に好ましい。なかでも、30〜80μmが最も好ましい。
また、隔壁の高さの平均は、0.05〜50μmが好ましく、0.2〜10μmが特に好ましい。
[光学素子の製造方法]
本発明の光学素子は、上記製造方法によって基板上に隔壁を形成した後、例えば、上記基板と上記隔壁で囲まれた領域内の露出した基板表面に、親インク化処理をし(親インク化処理工程)、次いで、上記領域にインクジェット法によりインクを注入して上記画素を形成する(インク注入工程)ことにより得られる。
(親インク化処理工程)
親インク化処理の方法としては、アルカリ水溶液による洗浄処理、紫外線洗浄処理、紫外線/オゾン洗浄処理、エキシマ洗浄処理、コロナ放電処理、酸素プラズマ処理等の方法が挙げられる。
アルカリ水溶液による洗浄処理は、アルカリ水溶液(水酸化カリウム、テトラメチル水酸化アンモニウム水溶液等)を用いて基板表面を洗浄する湿式処理である。
紫外線洗浄処理は、紫外線を用いて基板表面を洗浄する乾式処理である。
紫外線/オゾン洗浄処理は、185nmと254nmの光を発光する低圧水銀ランプを用いて、基板表面を洗浄する乾式処理である。
エキシマ洗浄処理は、172nmの光を発光するキセノンエキシマランプを用いて、基板表面を洗浄する乾式処理である。
コロナ放電処理は、高周波高電圧を利用し、空気中にコロナ放電を発生させ、基板表面を洗浄する乾式処理である。
酸素プラズマ処理は、主に真空中で、高周波電源等をトリガーとして酸素を励起させ、反応性の高い「プラズマ状態」にしたものを用いて、基板表面を洗浄する乾式処理である。
親インク化処理の方法としては、簡便である点で、紫外線/オゾン洗浄処理等の乾式処理法が好ましい。紫外線/オゾンは市販の装置を用いて発生させることができる。
紫外線/オゾン装置内部に隔壁が形成された基板を設置し、空気中、室温で、1〜10分程度、隔壁の撥油性を損なわない範囲で処理を行うことにより、親インク化処理を行うことができる。なお、処理時間については、個々の紫外線/オゾン装置にあわせて、隔壁の撥インク性を損なわない範囲となるよう調整すればよい。
親インク化処理により、上記隔壁の形成後に、ドットに残る現像残渣の除去等を充分に行うことで、ドットの親インク化を充分に計ることができ、得られる光学素子を用いたカラー表示装置等の白抜け現象を防止することが可能となる。また、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いて形成される隔壁を用いれば、上記紫外線洗浄処理等で、隔壁の撥インク性を低下させることなく、親インク化を行うことが可能である。
ここで、ポジ型感光性樹脂組成物から形成される硬化膜の撥インク性(撥水撥油性)は、水及びPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:インクの溶媒として多く使用されている有機溶媒。)の接触角で見積もることができる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いて形成された隔壁を有する基板を用いて光学素子を製造する場合、隔壁は上記親インク化処理後も、充分な撥インク性を有することが求められる。隔壁の水の接触角は90度以上が好ましく、95度以上が特に好ましい。また、隔壁のPGMEAの接触角は30度以上が好ましく、35度以上が特に好ましい。
一方、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いて形成された隔壁を有する基板を用いて光学素子を製造する場合、ドットについては、親インク性であることが求められ、その水の接触角は20度以下が好ましく、10度以下が特に好ましい。
(インク注入工程)
親インク化処理工程後のドットにインクジェット法によりインクを注入して画素を形成する工程である。
この工程は、インクジェット法において一般的に用いられるインクジェット装置を用いて、通常の方法と同様に行うことができる。このような画素の形成に用いられるインクジェット装置としては、特に限定されるものではないが、帯電したインクを連続的に噴射し磁場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、インクを加熱し、その発泡を利用して間欠的に噴射する方法等の、各種の方法を用いたインクジェット装置を用いることができる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いて製造する光学素子としては、カラーフィルタ、有機EL素子、有機TFTアレイ等が挙げられる。
[カラーフィルタの製造]
隔壁の形成、ドットの親インク化処理、インクジェット法によるインク注入は上述の通りである。
カラーフィルタにおいて、形成される画素の形状は、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の公知のいずれの配列とすることも可能である。
画素の形成に用いられるインクは、主に着色成分とバインダー樹脂成分と溶媒とを含んでいる。
着色成分としては、耐熱性、耐光性等に優れた顔料及び染料を用いることが好ましい。
バインダー樹脂成分としては、透明で耐熱性に優れた樹脂が好ましく、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
水性のインクは、溶媒として水及び必要に応じて水溶性有機溶媒を含み、バインダー樹脂成分として水溶性樹脂又は水分散性樹脂を含み、必要に応じて各種助剤を含む。
また、油性のインクは、溶媒として有機溶媒を含み、バインダー樹脂成分として有機溶媒に可溶な樹脂を含み、必要に応じて各種助剤を含む。
インクジェット法によりインクを注入した後は、必要により、乾燥、加熱硬化、及び/又は紫外線硬化を行うことが好ましい。
画素形成した後、必要に応じて、オーバーコート用塗布液を用いて保護膜層を形成する。
保護膜層は表面平坦性を上げる目的と隔壁や画素部のインクからの溶出物が液晶層に到達するのを遮断する目的で形成することが好ましい。
保護膜層を形成する場合は、事前に隔壁の撥インク性を除去することが好ましい。撥インク性を除去しない場合、オーバーコート用塗布液をはじき、均一な膜厚が得られないため好ましくない。
隔壁の撥インク性を除去する方法としては、プラズマアッシング(Plasma Ashing)処理や光アッシング処理等が挙げられる。
さらに必要に応じて、カラーフィルタを用いて製造される液晶パネルの高品位化のために、フォトスペーサを隔壁で構成されるブラックマトリックス上に形成することが好ましい。
[有機EL素子の製造]
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いて隔壁を形成する前に、ガラス等の透明基板にスズドープ酸化インジウム(ITO)等の透明電極をスパッタ法等によって製膜し、必要に応じて、所望のパターンに透明電極をエッチングする。次に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いて隔壁を形成し、ドットの親インク化処理をした後、インクジェット法を用いてドットに正孔輸送材料、発光材料の溶液を順次塗布し、乾燥して、正孔輸送層、及び発光層を形成する。その後、アルミニウム等の電極を蒸着法等によって形成することによって、有機EL素子の画素が得られる。
[有機TFTアレイの製造]
以下の(1)〜(3)の工程を経て、有機TFTアレイを製造することができる。
(1)ガラス等の透明基板に本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いて隔壁を形成する。次いで、ドットの親インク化処理をした後、インクジェット法を用いて、ドットにゲート電極材料の溶液を塗布し、ゲート電極を形成する。
(2)ゲート電極を形成させた後、その上にゲート絶縁膜を形成させる。次いで、ゲート絶縁膜上に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いて隔壁を形成し、ドットの親インク化処理をした後、インクジェット法を用いてドットにソース・ドレイン電極材料の溶液を塗布し、ソース・ドレイン電極を形成する。
(3)ソース・ドレイン電極を形成させた後、一対のソース・ドレイン電極を含む領域を囲むように、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いて隔壁を形成する。次いで、ドットの親インク化処理をした後、インクジェット法を用いて、ドットに有機半導体の溶液を塗布し、有機半導体層をソース・ドレイン電極間に形成させる。
なお、工程(1)〜(3)は、それぞれの1工程のみにおいて、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いた隔壁を形成し、利用してもよいし、2つ以上の工程において、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いた隔壁を形成し、利用してもよい。
以下に実施例を用いて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定して解釈されるものではない。
例1〜4が実施例であり、例5が比較例である。
各測定は以下の方法で行った。
[数平均分子量(Mn)]
分子量測定用の標準試料として市販されている重合度の異なる数種の単分散ポリスチレン重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を、市販のGPC測定装置(東ソー社製、装置名:HLC−8320GPC)を用いて測定し、ポリスチレンの分子量と保持時間(リテンションタイム)との関係をもとに検量線を作成した。
試料をテトラヒドロフランで1.0質量%に希釈し、0.5μmのフィルターに通過させた後、該試料についてのGPCを、前記GPC測定装置を用いて測定した。
前記検量線を用いて、試料のGPCスペクトルをコンピュータ解析することにより、該試料の数平均分子量(Mn)を求めた。
[水接触角]
静滴法により、JIS R3257「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」に準拠して、基板上の測定表面の3ヶ所に水滴を載せ、各水滴について測定した。液滴は2μL/滴であり、測定は20℃で行った。接触角は、3測定値の平均値(n=3)で示す。
[PGMEA接触角]
静滴法により、JIS R3257「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」に準拠して、基板上の測定表面の3ヶ所にPGMEA滴を載せ、各PGMEA滴について測定した。液滴は2μL/滴であり、測定は20℃で行った。接触角は、3測定値の平均値(n=3)で示す。
合成例1〜5及び例1〜5で用いた化合物の略語は以下の通りである。
(アルカリ可溶性樹脂(A))
EP4020G(商品名;EP4020G、旭有機材工業社製、クレゾールノボラック樹脂 (質量平均分子量(Mw):11,600、溶解速度:164(オングストローム/秒))。
(感光剤(B))
4NT−250(商品名;4NT−250、東洋合成社製(2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンと6−ジアゾ−5,6−ジヒドロ−5−オキソ−ナフタレン−1−スルホン酸との(モノ〜テトラ)エステル))。
(撥インク剤(C)の原料としての加水分解性シラン化合物)
加水分解性シラン化合物(c−1)に相当する、化合物(c−11):CF(CFCHCHSi(OCH(旭硝子社製)。
加水分解性シラン化合物(c−2)に相当する、化合物(c−21):Si(OC(コルコート社製)。
加水分解性シラン化合物(c−3)に相当する、化合物(c−31):CSi(OC(信越化学工業社製)。
加水分解性シラン化合物(c−3)に相当する、化合物(c−32):CNH(CHSi(OCH(信越化学工業社製)。
C6FMA:CH=C(CH)COOCHCH(CFF。
MEK:メチルエチルケトン。
MAA:メタクリル酸。
GMA:グリシジルメタクリレート。
MMA:メチルメタクリレート。
V−65:(商品名、和光化学工業社製(2,2’−アゾビス(2.4ジメチルバレロニトリル)(重合開始剤))。
(溶媒(D))
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート。
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル(東邦化学社製)。
(熱硬化剤(E))
TEP−G(商品名;TEP−G、旭有機材工業社製、エポキシ樹脂)。
(熱硬化促進剤(F))
2−MI(商品名、東京化成工業社製(2−メチルイミダゾール))。
[合成例1〜3:撥インク剤(CA1)〜(CA3)の合成及び(CA1−1)〜(CA3−1)液の調製]
撹拌機を備えた50cmの三口フラスコに、上記化合物(c−11)の0.57g、上記化合物(c−21)の1.27g、及び上記化合物(c−31)の0.74gを入れて、撥インク剤(C1)の原料混合物を得た。次いで、該原料混合物にPGMEの9.85gを入れて、溶液(原料溶液)とした。
得られた原料溶液に、室温で、撹拌しながら、触媒として1.0質量%リン酸水溶液を1.33g滴下した。滴下終了後、さらに、5時間撹拌し、加水分解及び部分縮合反応を行い、撥インク剤(CA1)を10質量%で含有するPGME溶液である(CA1−1)液を得た。
触媒として1.0質量%リン酸水溶液の代わりに表1に示すものを1.33g使用する以外は、合成例1同様に実施し、撥インク剤(CA2)〜(CA3)を10質量%で含有するPGME溶液である(CA2−1)〜(CA3−1)液を得た。
[合成例4:撥インク剤(CA4)の合成及び(CA4−1)液の調製]
上記化合物(c−31)に代えて上記化合物(c−32)を用いる以外は、合成例1と同様に実施し、撥インク剤(CA4)の原料溶液を調製した。
得られた原料溶液に、室温で、撹拌しながら、1.0質量%硝酸水溶液を0.93g滴下した。滴下終了後、さらに、5時間撹拌し、加水分解及び部分縮合反応を行い、撥インク剤(CA4)を10質量%で含有するPGME溶液である(CA4−1)液を得た。
[合成例5:撥インク剤(CA5)及び(CA5−1)液の調製]
撹拌機を備えた内容積1000cmのオートクレーブに、MEKの420.0g、C6FMAの86.4g、MAAの18.0g、GMAの21.6g、MMAの54.0g及びV−65の0.8gを仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら、50℃で24時間重合反応させ、粗共重合体を合成した。得られた粗共重合体の溶液に、ヘキサンを加えて再沈し、精製した後、真空乾燥した。得られた固形物にPGMEAの14,643gを加えて撹拌し、撥インク剤(CA5)を10質量%で含有するPGMEA溶液である(CA5−1)液を得た。
上記合成例1〜5で調製して得た、撥インク剤を10質量%で含有する溶液(CA1−1)〜(CA5−1)の溶媒を除いた組成物、すなわち撥インク剤(CA1)〜(CA5)の含フッ素含有率(フッ素原子の質量%)と、数平均分子量(Mn)を表1に示す。
また撥インク剤 (CA1)〜(CA5)の仕込み量組成(モル%)も表1に示す。
Figure 0006098635
[例1]
(ポジ型感光性樹脂組成物1の製造)
(CA1−1)液の1g(固形分は0.1g、残りはPGME(溶媒))、EP4020Gの15.6g、4NT−250の5.4g、TEP−Gの3.1g、2−MIの0.8g、及びPGMEAの74.1gを500cmの撹拌用容器に入れ、30分間撹拌して、ポジ型感光性樹脂組成物1を調製した。
(硬化膜の製造)
10cm四方のガラス基板をエタノールで30秒間超音波洗浄し、次いで、5分間の紫外線/オゾン洗浄を行った。紫外線/オゾン洗浄には、紫外線/オゾン発生装置としてPL7−200(センエジニアリング社製)を使用した。なお、以下の全ての紫外線/オゾン処理についても、紫外線/オゾン発生装置として本装置を使用した。
上記洗浄後のガラス基板表面に、スピンナを用いて、ポジ型感光性樹脂組成物1を塗布した後、100℃で2分間ホットプレート上で乾燥させ、膜厚1.3μmの膜を形成した。得られた膜の表面に、膜側から、開孔パターン(2.5cm×5cm)を有するフォトマスク(該パターン部の領域に光照射がされるフォトマスク)を介して50μmの間隙をあけ、高圧水銀ランプの紫外線を25mW/cmで10秒間照射した。
次いで、露光処理がなされたガラス基板を2.38質量%テトラメチル水酸化アンモニウム水溶液に40秒間浸漬して現像し、露光部分の膜を水により洗い流し、乾燥させた。次いで、これをホットプレート上、230℃で20分間加熱することにより、上記開孔パターン部を除く領域にポジ型感光性樹脂組成物1の硬化膜が形成されたガラス基板1を得た。
(評価)
上記で得られたポジ型感光性樹脂組成物1及び硬化膜(隔壁)が形成されたガラス基板1について以下の評価を行った。
<撥インク性(隔壁)、親インク性(ドット)、及び現像残渣>
得られたガラス基板1の硬化膜、すなわち隔壁表面(未露光部分)のPGMEAに対する接触角と、現像により膜が除去された部分、すなわちドット部分(ガラス基板表面)の水に対する接触角を測定した。この時、ドット部分の水に対する接触角により現像残渣についての評価を行った。評価は以下のように行った。
○(良好):水の接触角が30度未満 。
×(不良):水の接触角が30度以上。
その後、ガラス基板1の硬化膜が形成された側の表面全体に、紫外線/オゾン照射を1分間行った。1分照射後の硬化膜表面のPGMEAに対する接触角及びガラス基板表面の水に対する接触角を測定した。測定方法は上述の通りである。評価結果を表2に示す。
<貯蔵安定性>
ポジ型用感光性組成物をガラス製スクリュー瓶にて23℃(室温)で一カ月保存した。一カ月保存後、例1と同様の方法で洗浄した10cm×10cmのガラス基板表面に、スピンナを用いて、ポジ型用感光性組成物を塗布し、塗膜を形成した。次いで、100℃で2分間ホットプレート上で乾燥させ、膜厚1μmの膜を形成した。膜の外観を目視にて観察し、以下のように評価した。
○(良好):膜上の異物が5個以下である。
×(不良):膜上の異物が6個以上で、ガラス基板の中心部から放射状の筋模様が観察された。
[例2〜5]
(CA1−1)液に代えて、表に示す(CA2−1)〜(CA5−1)液を用いた以外は、例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物2〜5及びポジ型感光性樹脂組成物2〜5の硬化膜が形成されたガラス基板2〜5を作製し、それらについて例1と同様にして評価した。
結果を、まとめて表2に示す。また、例1〜5で得られた組成物の組成も合わせて表2に示す。
Figure 0006098635
表2からわかるように、例1〜4で得られたポジ型感光性樹脂組成物は、貯蔵安定性に優れる。該組成物を用いることにより、現像残渣のない隔壁を得ることができる。例1〜4で得られた硬化膜は、本発明の撥インク剤を用いたため、撥インク性に優れ、紫外線/オゾン照射後も撥インク性に優れ、かつドット(ガラス基板表面)は良好な親インク性を有することがわかる。
一方、本発明によらない撥インク剤を用いた例5で得られた硬化膜は、紫外線/オゾン照射後の撥インク性が不充分であった。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、撥インク性に優れ、紫外線/オゾン照射を経ても撥インク性に優れ、かつ、ドットに残留物が少ない隔壁を製造することが可能であり、インクジェット記録技術法を利用したカラーフィルタの製造、有機EL素子の製造、有機TFTアレイの製造における隔壁の形成に好適に用いることができ、特に大面積の基板の隔壁の形成に好適に用いられる。
なお、2012年3月9日に出願された日本特許出願2012−053448号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
1…基板、2…ポジ型感光性樹脂組成物の塗膜、3…塗膜の未露光部分、4…マスク、5…光、6…隔壁、7…ドット、10…インクジェット方式に用いる光学素子用基板

Claims (14)

  1. アルカリ可溶性樹脂(A)、感光剤(B)及び撥インク剤(C)を含むポジ型感光性樹脂組成物であって、
    前記アルカリ可溶性樹脂(A)がノボラック型フェノール樹脂からなり、
    前記撥インク剤(C)が下式(c−1)で表される加水分解性シラン化合物と、下式(c−2)で表される加水分解性シラン化合物とを含む混合物の部分加水分解縮合物からなり、前記撥インク剤(C)におけるフッ素原子含有率が10〜55質量%であることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 0006098635
    (式(c−1)及び(c−2)中の記号は、以下の通りである。
    :炭素原子数1〜6のペルフルオロアルキル基、又はRf1ORf2−で表される炭素原子数2〜40の1価の基(なお、Rf1は、炭素原子数1〜6のペルフルオロアルキル基であり、Rf2は炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有してもよいペルフルオロアルキレン基である。)、
    :炭素原子数1〜10のフッ素原子を含まない2価の有機基、
    H1:炭素原子数1〜6の1価の炭化水素基、
    、及びX:加水分解性基、
    p:0、1又は2。
    ただし、式(c−1)中の3個のX、式(c−2)中の(4−p)個のX、及びp個のRH1は、それぞれ互いに異なっていても同一であってもよい。)
  2. ポジ型感光性樹脂組成物における全固形分中の前記アルカリ可溶性樹脂(A)の含有量が、10〜90質量%である請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  3. ポジ型感光性樹脂組成物における全固形分中の前記感光剤(B)の含有量が、0.1〜50質量%である請求項1又は2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  4. ポジ型感光性樹脂組成物における全固形分中の前記撥インク剤(C)の含有量が、0.01〜10質量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  5. 前記撥インク剤(C)の数平均分子量(Mn)が、500以上1,000,000未満である請求項1〜4のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  6. 前記感光剤(B)がキノンジアジド基を有する化合物である、請求項1〜のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  7. 前記混合物が、さらに下式(c−3)で表される加水分解性シラン化合物を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 0006098635
    (式(c−3)中の記号は、以下の通りである。
    Y:水素原子が、ハロゲン原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数2〜3のアルケニル基又はニトロ基で置換されていてもよいフェニル基、
    :単結合又は2価の有機基、
    H2:炭素原子数1〜6の1価の炭化水素基、
    :加水分解性基、
    q:1又は2、
    r:0又は1であり、q+rが1又は2となる数。
    ただし、q個のY、Q、及びY−Q、並びに(4−q−r)個のXは、それぞれ互いに異なっていても同一であってもよい。)
  8. 溶媒(D)をさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  9. 熱硬化剤(E)をさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  10. 熱硬化促進剤(F)をさらに含む、請求項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  11. 着色剤(G)をさらに含む、請求項1〜1のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  12. 基板表面を画素形成用の複数の区画に仕切る形に形成された隔壁であって、
    請求項1〜1のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜からなる隔壁。
  13. 基板表面に複数の画素と隣接する画素間に位置する隔壁とを有する光学素子であって、前記隔壁が請求項1に記載の隔壁で形成されている光学素子。
  14. 前記光学素子がカラーフィルタ、TFTアレイ又は有機EL素子である、請求項1に記載の光学素子。
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