JP6097914B2 - 接着剤及び樹脂接合方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高周波誘電加熱方式による熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂等の樹脂同士の接合に用いられる接着剤及び樹脂接合方法に関する。
近年、ポリオレフィン系樹脂等、溶剤や接着剤を用いて接着できない樹脂材料の接合方法として、例えば、誘電加熱溶着、誘導加熱溶着、超音波溶着、レーザー溶着等による各種の溶着接合方法がとられている。
高周波電界を用いた誘電加熱溶着による接合方式としては、特許文献1又は2に開示されているように、接着剤にカーボンブラック(CB)や炭化ケイ素(SiC)等を混合した、周波数28又は40MHzの高周波誘電加熱により硬化する接着剤を用いて、誘電加熱若しくはマイクロ波加熱により被着体同士を接合する技術が存在する。
また、誘電加熱溶着による他の接合方式としては、特許文献3及び特許文献4に開示されているように、ポリオレフィン系樹脂に、強誘電体と炭素化合物、或いは導電物質等を混合した、周波数40MHzの高周波誘電加熱により硬化する、誘電正接(tanδ)が0.03以上の樹脂組成物による接着剤を用いて、被着体同士を接合する技術等が存在する。
特開2010−6908号公報 特開2008−156510号公報 特開2003−238745号公報 特開2003−193009号公報
しかしながら、特許文献1又は特許文献2に開示されている高周波誘電加熱方式による樹脂同士の接合において、上記したカーボンブラック(CB)のような導電性材料を接着剤に充填した場合には、絶縁破壊を起こし、接合部及び被着体の炭化及び破損の虞が生じ、それらを使用することは好ましいことではなかった。
特許文献3又は特許文献4に開示されている高周波誘電加熱方式による樹脂同士の接合において、誘電加熱接着用樹脂組成物に金属や炭化化合物等の導電物質を添加した場合、同じく絶縁破壊を起こし、接合部及び被着体の炭化及び破損の虞が生じ、それらを使用することは好ましいことではなかった。
また、例えば、ポリ塩化ビニルのような損失係数(比誘電率(ε´)と誘電正接(tanδ)との積である誘電損失率{(ε´)×(tanδ)}が高い樹脂同士の接合は高周波による樹脂自体の発熱により可能であるが、例えば、ポリプロピレン等のようなそれ自身の損失係数が低くて高周波により発熱しない樹脂の接合には適用できなかった。また、誘導加熱はコイルの近傍部分で加熱されるので、樹脂同士の接合部分全体を溶着する場合は、加熱領域が複雑な動きになり、その結果、加熱ムラが生じやすく、強固な接合が得られにくい欠点があった。
また、超音波溶着による樹脂同士の接合においては、被着体である両母材の小さいサイズしか溶着できず、樹脂同士の接合部分の局所的なスポット溶着に限定されてしまうことから、これもまた強固な接合が得られにくい欠点があった。
更に、レーザー溶着による樹脂同士の接合においては、高いレーザー光透過率を維持するため、接着しようとする樹脂に無機充填材等を配合できないため、溶着用途が限定されてしまう欠点があった。
そこで、本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、炭化水素を主体とする無極性の熱可塑性樹脂である例えば、ポリオレフィン系樹脂等、溶剤や接着剤を用いて接着できない樹脂材料において、誘電加熱接着用接着層組成物の絶縁破壊を防止しつつ、高周波誘電加熱により短時間で強固な接合を実現することができる接着剤及び樹脂接合方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明にあっては、接着しようとするポリプロピレンよりなる母材と親和性を有する材質の接着基剤に、誘電加熱性を有する非導電性の誘電加熱媒体を充填してなる接着剤であって、前記接着剤は、比誘電率をε´、誘電正接をtanδとし、接着しようとする前記母材の合計厚をd(mm)としたとき、係数Cを80.2〜81.5の範囲として、C×{(tanδ)/ε´}1/2≧dを満たすような接着層組成物としたことを特徴とする。
前記誘電加熱媒体は、炭化ケイ素、酸化亜鉛、アナターゼ型酸化チタンであることを特徴とする。
前記誘電加熱媒体は、チタン酸バリウム・チタン酸ジルコン酸バリウム・チタン酸鉛・ニオブ酸カリウム等の強誘電体物質やルチル型酸化チタン、若しくは水和ケイ酸アルミニウム・アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水和アルミノケイ酸塩等の結晶水を有する無機物質、ロッシェル塩(酒石酸カリウムナトリウム)や重水素ロッシェル塩等のロッシェル塩・リン酸二水素カリウム等のリン酸二水素アルカリ類・硫酸グアニジンアルミニウム等のグアニジン類・硫酸トリグリシン等のグリシン類等、更にはポリフッ化ビニリデン(PVDF)とその共重合体である強誘電ポリマーであることを特徴とする。
また、本発明に係る樹脂接合方法にあっては、前記接着層組成物を被着体である両母材間に挟持させ、前記接着層組成物の誘電加熱媒体を高周波誘電加熱方式により誘電加熱させることで接着基剤を加熱溶融させて母材同士を接合させることを特徴とする。
以上のように構成された本発明に係る接着剤を使った樹脂接合方法にあって、被着体である両母材間に挟持させた接着層組成物は、当該接着層組成物に含有されている誘電加熱媒体を高周波による誘電加熱により自己発熱させ、接着基剤を加熱溶融させることで両母材を接合させる。このとき、被着体である両母材の任意の合計厚d(mm)が、例えば、(80〜81.5)×(tanδ/ε´)1/2≧dとなるような接着層組成物の誘電特性によって接合の良否が決定される。
本発明によれば、炭化水素を主体とする無極性の熱可塑性樹脂である例えばポリオレフィン系樹脂等、溶剤や接着剤を用いて接着できない樹脂材料において高周波誘電加熱により短時間で強固な接合を実現することができる。特に、外部から接合部のみを加熱溶融でき、立体部材同士を接合可能にすることから、これにより、大型部品や複雑構造部品の製造における接合技術として活用できる。また、軽量化の進む航空機や自動車分野における繊維強化プラスチック(FRP)材料の接合、小型化・複雑構造化の進む電子機器、医療用機器の分野における接合技術としての活用も期待される。
本発明に係る樹脂接合方法の一実施形態を示し、(a)は高周波誘電加熱方法による誘電加熱溶融工程の一例を示す断面図、(b)はプレス工程の一例を示す断面図である。 接着しようとする母材の合計厚と、接着層組成物との関係を示す断面図である。 接着しようとする母材の合計厚と、接着層組成物との相関をグラフで示す説明図である。 接着しようとする母材の合計厚と、接着層組成物の誘電体の比誘電率及び誘電正接との関係に基づく評価結果を表で示す説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本実施例における接着剤1は、図1に示すように、接合しようとする母材5,6と親和性の高い溶融接合可能な接着基剤2に、例えば、炭化ケイ素(SiC)等、誘電加熱性を有する微粉末状の誘電加熱媒体3を混合させて成る接着層組成物としている。
この場合の接着基剤2は、接着しようとする例えば熱可塑性樹脂若しくは熱硬化性樹脂等の素材からなる両母材5,6と親和性を有する熱可塑性樹脂若しくは熱硬化性樹脂等の樹脂材質が使用される。特に、両母材5,6と同一材料による接着基剤2が最適である。
上記した誘電加熱媒体3は、例えば周波数28MHz又は40MHz等の高周波の印加により発熱可能な高誘電損率を有する所謂高周波吸収性充填剤を使用したものであり、上記した炭化ケイ素(SiC)、酸化亜鉛、アナターゼ型酸化チタンの他に以下のものが使用できる。
すなわち、チタン酸バリウム・チタン酸ジルコン酸バリウム・チタン酸鉛・ニオブ酸カリウム等の強誘電体物質やルチル型酸化チタン、水和ケイ酸アルミニウム・アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水和アルミノケイ酸塩等の結晶水を有する無機物質等が使用できる。
この他、例えば、ロッシェル塩(酒石酸カリウムナトリウム)や重水素ロッシェル塩等のロッシェル塩・リン酸二水素カリウム等のリン酸二水素アルカリ類・硫酸グアニジンアルミニウム等のグアニジン類・硫酸トリグリシン等のグリシン類等、更にはポリフッ化ビニリデン(PVDF)とその共重合体である強誘電ポリマーも使用可能である。
尚、本実施例における接着剤1は、溶融接合可能な接着基剤2に、炭化ケイ素(SiC)による微粉末状の誘電加熱媒体3を充填させているが、これに限らず、同じ炭化ケイ素(SiC)による顆粒・繊維状の誘電加熱媒体(図示せず)を同時に充填させたものとしても良い。
また、本実施例の高周波誘電加熱接着装置は、樹脂材料からなる第1の母材5(第1被着体)と、任意の材料、好ましくは第1の母材5の樹脂材料と同一若しくは異なる樹脂材料からなる第2の母材6(第2被着体)とを高周波誘電加熱方式により、本発明の接着剤1の加熱溶融により接合するために用いられる。
具体的には、高周波誘電加熱接着装置は、図1(a)に示すように、第1の母材5に当接して使用される第1の高周波印加電極11と、第2の母材6に当接して使用されるものであって、第1の高周波印加電極11に対向している第2の高周波印加電極12と、第1の高周波印加電極11及び第2の高周波印加電極12のそれぞれに例えば、周波数28MHz又は40MHz程度の高周波を印加するための高周波電源13とを備えている。
そして、第1の母材5と第2の母材6との間に上記接着剤1による接着層組成物が配置され、上記両電極11,12間に高周波電界を印加すると、両母材5,6の重ね合わせ部分で、微粉末の誘電加熱媒体3が高周波エネルギーを吸収して発熱源として機能し、その熱によって、接着基剤2が溶融し、最終的には両母材5,6同士の接着接合を行うことができる。
また、図1(b)に示すように、高周波誘電加熱方式による接着剤1の加熱溶融後には、プレス装置の上部ダイ14と下部ダイ15とによる圧縮方向への加圧によって誘電加熱媒体4を介して両母材5,6同士を圧着させる。なお、本実施形態においては、上記した両電極11,12を、上部及び下部の両ダイ14,15に兼用させている。
次に、以上のように構成された形態についての樹脂接合方法の一例について説明する。
先ず、図1(a)に示すように、誘電加熱溶融工程において、接着剤1による接着層組成物を被着体である両母材5,6間に挟持させ、高周波誘電加熱接着装置の第1の高周波印加電極11を第1の母材5に当接し、第2の高周波印加電極12を第2の母材6に当接する。そして、高周波電源13でもって第1の高周波印加電極11及び第2の高周波印加電極12のそれぞれに例えば周波数28MHz又は40MHz程度の高周波を印加する。
このとき、前記接着層組成物に含まれている微粉末状の誘電加熱媒体3自体は、高周波により誘電加熱させられ、これにより接着基剤2が加熱溶融させられて母材5,6同士が接合接着される。
これと同時に、図1(b)に示すように、プレス工程において、上記両母材5,6を上部ダイ14と下部ダイ15とにより圧縮方向に加圧することによって、加熱溶融後の接着剤1に含まれる誘電加熱媒体3を介して両母材5,6同士を圧着させる。
次に、上記構成による接着層組成物の誘電加熱特性について説明する。
ここで誘電正接(tanδ)とは、複素誘電率の損失係数を指し、一般に熱可塑性樹脂の高周波電圧の印加による発熱効率は、比誘電率(ε´)、誘電正接(tanδ)及びこれらの積である誘電損失率{(ε´)×(tanδ)}が大きいほど優れていると考えられており、一般に誘電損失率が0.1以上の場合に誘電加熱が可能といわれている。そして、接着層組成物に含まれる炭化ケイ素(SiC)等の誘電加熱媒体3(高周波発熱性樹脂組成物)の40MHzの周波数における(tanδ)は0.03以上である必要があり、0.05以上あれば好ましいものとされている。
ところで、本件発明者は、誘電加熱特性の実験結果から、それ自身が高周波により発熱しない樹脂製の母材5,6の間に、高周波により発熱する上記接着層組成物を用いた誘電加熱接合においては、接着層組成物の{(tanδ)/ε´}の値が大きいほど加熱溶融され易く、強固な接合が可能であることを発見した。
また、本件発明者は、{(tanδ)/ε´}の値が同じ接着層組成物を用いても、接着しようとする母材5の厚さd1と母材6の厚さd2との合計厚d(mm)=d1+d2によって加熱溶融のされ易さ(溶融効率)、すなわち接着強度に違いがあることも解明している(図2及び図3参照)。一般的に合計厚d(mm)が大きくなると加熱溶融されにくくなる。
具体的には、本実施例における接着剤1としては、比誘電率をε´、誘電正接をtanδとし、接着しようとする前記母材5,6の合計厚をd(mm)としたとき、係数CをC=80.2〜81.5の範囲として、任意のdに対してC×{(tanδ)/ε´}1/2≧dを満たすような接着層組成物を用いることにより、任意の厚さの母材5,6同士は、誘電加熱により強固な接合強度が得られることが鋭意研究により判明した。このようなC=80.2〜81.5の範囲は、被着体にポリプロピレンを用いた25回の実験条件において得られた結果から求めた概算値であり、係数Cがこの範囲から大きく外れる(Cが78以下又は85以上の場合)と、このような強固な接合強度が十分に得られないことが実験により判明している。ただし、融点が低いポリオレフィンである例えば、ポリエチレンを母材5,6としたときには、{(tanδ)/ε´}の値がより低い接着層組成物を用いても接合する。その場合、この係数Cの値は81.5の値よりも大きくなることが予想される。
すなわち、図3に示すように、接着層組成物の(80.2〜81.5)×{(tanδ)/ε´}1/2の値と、母材5,6の合計厚d(mm)との比が1よりも小さい場合(図3のグラフ中における45度傾斜の点線よりも下側の×印で示す実測点群)には、母材5,6と接着層組成物との接合部分に界面剥離が生じて、強固な接着が得られない。一方、この比が1よりも大きい場合(図3のグラフ中における45度傾斜の点線よりも上側の○印で示す実測点群)には、母材5,6での破壊が生じて、強固な接着が得られている。
図4には、広範囲の誘電セラミックスとしての例えば炭化ケイ素(SiC)や強誘電体であるチタン酸バリウム(BaTiO)、酸化亜鉛(ZnO)、アナターゼ型又はルチル型の無機化合物である二酸化チタン(TiO)等の各誘電体の一定の粒径(例えば0.54μm)による(80.2〜81.5)×{(tanδ)/ε´}1/2の値と評価結果(図3のグラフ中における○印及び×印)が表によって示されている。なお、上記以外の誘電体としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)とその共重合体である強誘電ポリマーも使用可能である。
このうち、例えば、表中3番目の炭化ケイ素(SiC)の場合、粒径0.54μm、添加量10vol%、母材5,6の合計厚d=2mm、(80.2〜81.5)×{(tanδ)/ε´}1/2=2.530となって、接着層組成物の(80.2〜81.5)×{(tanδ)/ε´}1/2の値と、母材5,6の合計厚d(mm)との比が1よりも大きいものとなり評価は○である。なお、表中4番、7番、8番、9番、10番、12番、13番、14番、15番、17番、18番の場合も上記と同様に評価は○である。
また、表中20番目の酸化亜鉛(ZnO)の場合、粒径0.96μm、添加量20vol%、母材5,6の合計厚d=3mm、(80.2〜81.5)×{(tanδ)/ε´}1/2=4.000となって、接着層組成物の(80.2〜81.5)×{(tanδ)/ε´}1/2の値と、母材5,6の合計厚d(mm)との比が1よりも大きいものとなり評価は○である。
また、表中21番目のアナターゼ型の二酸化チタン(TiO)の場合、粒径0.64μm、添加量20vol%、母材5,6の合計厚d=3mm、(80.2〜81.5)×{(tanδ)/ε´}1/2=3.752となって、接着層組成物の(80.2〜81.5)×{(tanδ)/ε´}1/2の値と、母材5,6の合計厚d(mm)との比が1よりも大きいものとなり評価は○である。
表中1番、2番、5番、6番、11番、16番、19番、22番、23番、24番、25番の場合では、接着層組成物の(80.2〜81.5)×{(tanδ)/ε´}1/2の値と、母材5,6の合計厚d(mm)との比が1よりも小さいものとなり評価は×である。例えば、表中1番目の炭化ケイ素(SiC)の場合、粒径0.54μm、添加量5vol%、母材5,6の合計厚d=2mm、(80〜81.5)×{(tanδ)/ε´}1/2=1.893となって、接着層組成物の(80〜81.5)×{(tanδ)/ε´}1/2と、母材5,6の合計厚d(mm)との比が1よりも小さくなり評価は×である。
以上のように、本実施形態においては、接着剤1に混入した誘電発熱性を有する炭化ケイ素(SiC)等の微粉末状の誘電加熱媒体3を誘電加熱し、接着基剤2を融解させ溶融接合させるだけでなく、接着層組成物の誘電特性に関わる(80〜81.5)×{(tanδ)/ε´}1/2の値と、母材5,6の合計厚d(mm)との比が1よりも大きいか小さいかを判定することによって接着の良否を決定する。このような接着層組成物を用いることにより、短時間で強力な接合効果を生むことができ、これらは同時に接合部の機械的強度を向上させる効果を有する。
また、本実施形態によれば、耐溶剤性のために通常の接着剤による接合が不可能なポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂等に対しても、ボルトやリベット等の機械的接合手段を用いずに安定で強固な接合が実現できる。この接合技術では、外部から接着部のみを加熱するため、厚物や複雑な立体構造を有する部材、高い寸法精度を求められる部材の接合に有効である。この接合部に含まれる炭化ケイ素(SiC)には当該接合部の強度を増す効果があり、接着部に高い補強効果を与えることができる。
また、本実施形態によれば、高周波は、被着体の接合部位に局所的に印加することができるので、接着接合が適用し難い大型で且つ複雑な立体構造体や積層構造体等の接合手段としても有効に適用することができる。特に、接着剤の使用が困難なポリオレフィン系樹脂に対して高強度な接合を可能とし、今後普及の拡大が予想される繊維強化プラスチック(FRP)をはじめとする高機能熱可塑性樹脂複合材に対しても応用可能である。
また、本実施形態の他の変形例として、本発明の接着剤1をホットメルト接着剤として製品化することも可能である。この具体的な接着基剤2としては、例えば、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、スチレン系の各種のホットメルト接着剤(スチレン系では例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体)を使用することができる。
1 接着剤
2 接着基剤(接着層組成物)
3 誘電加熱媒体(接着層組成物)
5 第1の母材(第1被着体)
6 第2の母材(第2被着体)
11 第1の高周波印加電極(高周波誘電加熱接着装置)
12 第2の高周波印加電極(高周波誘電加熱接着装置)
13 高周波電源(高周波誘電加熱接着装置)
14 上部ダイ(プレス装置)
15 下部ダイ(プレス装置)
C 係数
d 母材の合計厚(d1+d2)
ε´ 比誘電率
tanδ 誘電正接

Claims (4)

  1. 接着しようとするポリプロピレンよりなる母材と親和性を有する材質の接着基剤に、誘電加熱性を有する非導電性の誘電加熱媒体を充填してなる接着剤であって、前記接着剤は、比誘電率をε´、誘電正接をtanδとし、接着しようとする前記母材の合計厚をd(mm)としたとき、係数Cを80.2〜81.5の範囲として、C×{(tanδ)/ε´}1/2≧dを満たすような接着層組成物としたことを特徴とする接着剤。
  2. 前記誘電加熱媒体は、炭化ケイ素、酸化亜鉛、アナターゼ型酸化チタンであることを特徴とする請求項1記載の接着剤。
  3. 前記誘電加熱媒体は、チタン酸バリウム・チタン酸ジルコン酸バリウム・チタン酸鉛・ニオブ酸カリウム等の強誘電体物質やルチル型酸化チタン、若しくは水和ケイ酸アルミニウム・アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水和アルミノケイ酸塩等の結晶水を有する無機物質、ロッシェル塩(酒石酸カリウムナトリウム)や重水素ロッシェル塩等のロッシェル塩・リン酸二水素カリウム等のリン酸二水素アルカリ類・硫酸グアニジンアルミニウム等のグアニジン類・硫酸トリグリシン等のグリシン類等、更にはポリフッ化ビニリデン(PVDF)とその共重合体である強誘電ポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の接着剤。
  4. 請求項1乃至のいずれかに記載の接着剤による樹脂接合方法であって、前記接着層組成物を被着体である両母材間に挟持させ、前記接着層組成物の誘電加熱媒体を高周波誘電加熱方式により誘電加熱させることで接着基剤を加熱溶融させて母材同士を接合させることを特徴とした樹脂接合方法。
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