JP6097691B2 - 新規フコシルトランスフェラーゼおよびそれらの適用 - Google Patents

新規フコシルトランスフェラーゼおよびそれらの適用 Download PDF

Info

Publication number
JP6097691B2
JP6097691B2 JP2013532217A JP2013532217A JP6097691B2 JP 6097691 B2 JP6097691 B2 JP 6097691B2 JP 2013532217 A JP2013532217 A JP 2013532217A JP 2013532217 A JP2013532217 A JP 2013532217A JP 6097691 B2 JP6097691 B2 JP 6097691B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
host cell
polypeptide
acid sequence
amino acid
fucosyltransferase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013532217A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013541952A (ja
Inventor
ユリア パルコット
ユリア パルコット
エリック ヒュフナー
エリック ヒュフナー
シュテファン イェンネヴァイン
シュテファン イェンネヴァイン
Original Assignee
イェネヴァイン ビオテヒノロギー ゲーエムベーハー
イェネヴァイン ビオテヒノロギー ゲーエムベーハー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by イェネヴァイン ビオテヒノロギー ゲーエムベーハー, イェネヴァイン ビオテヒノロギー ゲーエムベーハー filed Critical イェネヴァイン ビオテヒノロギー ゲーエムベーハー
Publication of JP2013541952A publication Critical patent/JP2013541952A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6097691B2 publication Critical patent/JP6097691B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/10Transferases (2.)
    • C12N9/1048Glycosyltransferases (2.4)
    • C12N9/1051Hexosyltransferases (2.4.1)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P19/00Preparation of compounds containing saccharide radicals
    • C12P19/18Preparation of compounds containing saccharide radicals produced by the action of a glycosyl transferase, e.g. alpha-, beta- or gamma-cyclodextrins
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P19/00Preparation of compounds containing saccharide radicals
    • C12P19/44Preparation of O-glycosides, e.g. glucosides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P21/00Preparation of peptides or proteins
    • C12P21/005Glycopeptides, glycoproteins
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12YENZYMES
    • C12Y204/00Glycosyltransferases (2.4)
    • C12Y204/01Hexosyltransferases (2.4.1)
    • C12Y204/01214Glycoprotein 3-alpha-L-fucosyltransferase (2.4.1.214)
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

本発明は、新規フコシルトランスフェラーゼおよびそれらの適用に関する。
多くの(糖)タンパク質、(糖)脂質またはオリゴ糖は、特定の生物学的活性を示すために、特定のフコシル化構造の存在を必要とする。例えば、多くの細胞間認識機構は、フコシル化オリゴ糖を必要とし、例えば、L−セレクチンなど、細胞接着分子を結合させるために、特異的な細胞構造にはフコシル化炭水化物が含まれねばならない。生物学的機能を有するフコシル化構造に対する別の例は、ABO血液型系を形成する構造である。さらに、治療用(糖)タンパク質は、薬物動態学的特性および安定性がそれらのグリカンに帰する、最も急速に成長しているクラスの医薬的試薬に相当する。
それらの複雑な性質および固有の化学的特性ゆえに、複合糖質の化学合成は大きな課題であり、相当な困難が伴う。自動合成装置が市販されているタンパク質および核酸とは異なり、一般的な市販の系を用いて、複合糖質は言うまでもなく、グリカンを合成することは(まだ)できない。立体化学を制御する必要以外に、特異的な結合の形成は未だに困難である。
複合糖質の化学的または複合的な酵素的/化学的合成に伴う複雑性を考慮し、最近のアプローチは、オリゴ糖残基を含む(糖)タンパク質および(糖)脂質を酵素的に合成するために、グリコシルトランスフェラーゼを使用してきた。
グリコシルトランスフェラーゼの酵素ファミリーに属するフコシルトランスフェラーゼは、脊椎動物、無脊椎動物、植物および細菌において広く発現されている。これらは、ドナー、通常はグアノシン−ジホスフェートフコース(GDP−フコース)から、オリゴ糖、(糖)タンパク質および(糖)脂質を含むアクセプターへの、フコース残基の転移を触媒する。したがって、フコシル化アクセプター基質は、様々な生物学的および病理学的プロセスに関与する。
いくつかのフコシルトランスフェラーゼが、例えば、細菌、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、大腸菌(Escherichia coli)、サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)において、哺乳動物、カエノラブディティス・エレガンス(Caenorhabditis elegans)およびシストソマ・マンソニ(Schistosoma mansoni)において、ならびに植物において同定されており、フコース付加の部位に基づき、フコシルトランスフェラーゼはα1,2、α1,3/4およびO−フコシルトランスフェラーゼに分類される。
哺乳動物において、デノボ合成およびサルベージ経路を通じて細胞質においてGDP−フコースが合成される。デノボ合成により、2種類の酵素を介してGDP−マンノースがGDP−フコースに変換され、一方でサルベージ経路は、遊離細胞質フコースを基質として利用する。細胞において、GDP−フコースは、小胞において濃縮され、ドナー基質としてフコシルトランスフェラーゼにより認識される。
多くの商業的に重要なオリゴ糖、(糖)タンパク質および(糖)脂質の生物学的活性は、特定のフコース残基の有無に依存するので、最先端において、所望のオリゴ糖残基を有する複合糖質を効率的に合成または作製することが必要とされている。
したがって、本発明の目的は、大量の所望の基質を生成させる、効率的で時間および費用が削減される方法でフコシル化基質が作製され得るツールおよび方法を提供することである。
本発明によると、とりわけ、α−1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードし、次のものからなる群から選択される配列を含むかまたはそれらの配列からなる単離ポリヌクレオチドの提供によって、この目的が解決される:
a)添付の配列リストの配列番号1、3または5;
b)配列番号1、3または5に相補的な核酸配列;
c)a)およびb)で定められる核酸配列またはそれらの相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリッド形成する、核酸配列。
本発明によるポリヌクレオチドは、種アッケルマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphila)およびバクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)のフコシルトランスフェラーゼに相当し、配列番号1は、アッケルマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphila)の新たに同定されたフコシルトランスフェラーゼのポリヌクレオチド配列を示し、配列番号3および5は、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)の2種類の新たに同定されたフコシルトランスフェラーゼのポリヌクレオチド配列を示す。
新規に同定されたフコシルトランスフェラーゼは、それらを使用することによって天然ではない反応が行われ得るので、驚くべき効果を有する:本発明の範囲内で、上記の同定されたα−1,3フコシルトランスフェラーゼが、基質としてラクトースを使用することができ、特定の3−フコシルラクトースにおいてフコシル化オリゴ糖を生成させることができることが分かった。現在、細菌から単離された既知のα−1,3フコシルトランスフェラーゼの中で、フコシルラクトースの生成のために天然基質としてラクトースを使用することが示されているものはない。したがって、フコシル化オリゴ糖を生成させるために使用しようとする新規に同定されたフコシルトランスフェラーゼの適合性は非常に驚くべきものであり、したがってそれらの使用は、容易に、効率的に、かつ費用を削減して、例えばヒト乳オリゴ糖(HMO)、例えばフコシルラクトースを生成させるための優れたツールとなる。今日、HMOに属する80種類を超える化合物の構造の特徴が分かっており、これらは、プレバイオティクスとして機能する複合オリゴ糖のクラスに相当する。さらに、上皮エピトープに対するHMOの構造的相同性から、細菌病原体に対する予防特性が説明される。小児消化管内で、HMOは、選択された細菌株の増殖を選択的に促進し、したがって、母乳栄養児において特有の腸内微生物叢の発達を刺激する。
現在まで、これらのオリゴ糖の構造の複雑性ゆえに、それらの合成による生成が妨げられてきたため、HMOに対する主要な供給源は依然としてヒト乳である。したがって、簡単におよび容易に入手可能なHMOが必要とされており、これは、本明細書中で与えられる驚くべきことに適切なフコシルトランスフェラーゼを使用することによって提供され得る。
本発明によると、「ポリヌクレオチド」という用語は、一般的には、何らかのポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドを指し、これらは、未修飾RNAもしくはDNAまたは修飾RNAもしくはDNAであり得る。「ポリヌクレオチド」としては、1本鎖および2本鎖DNA、1本鎖および2本鎖領域または1本鎖、2本鎖および3本鎖領域の混合物であるDNA、1本鎖および2本鎖RNA、および1本鎖および2本鎖領域の混合物であるRNA、1本鎖または、より一般的には2本鎖もしくは3本鎖領域または1本鎖および2本鎖領域の混合物であり得る、DNAおよびRNAを含むハイブリッド分子が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、「ポリヌクレオチド」は、本明細書中で使用される場合、RNAもしくはDNAまたはRNAおよびDNAの両方を含む3本鎖領域を指す。このような領域における鎖は、同じ分子からまたは異なる分子からのものであり得る。
この領域は、分子の1以上の全てを含み得るが、より一般的にはいくつかの分子のある領域のみを含む。三重らせん領域の分子の1つは、オリゴヌクレオチドであることが多い。本明細書中で使用される場合、「ポリヌクレオチド」という用語はまた、1以上の修飾された塩基を含有する上述のようなDNAまたはRNAも含む。したがって、安定するようにまたは他の理由のために修飾された骨格を有するDNAまたはRNAは、その用語が本明細書中で意図されるとおりの、「ポリヌクレオチド」である。さらに、通常のものではない塩基、例えばイノシン、または修飾された塩基、例えばトリチル化塩基(2例のみ挙げる。)を含むDNAまたはRNAは、その用語が本明細書中で使用される場合、ポリヌクレオチドである。当然のことながら、当業者にとって公知の多くの有用な目的を果たすDNAおよびRNAに対して、非常に多岐にわたる修飾が行われてきた。「ポリヌクレオチド」という用語は、本明細書中で使用される場合、このような化学的に、酵素的にまたは代謝的に修飾された形態のポリヌクレオチド、ならびに、例えば単純および複雑型細胞を含む、ウイルスおよび細胞の特徴となるDNAおよびRNAの化学的形態を包含する。また、「ポリヌクレオチド」は、しばしばオリゴヌクレオチドと呼ばれる短いポリヌクレオチドも包含する。
「ポリペプチド」は、ペプチド結合または修飾ペプチド結合により互いに連結される2以上のアミノ酸を含む何らかのペプチドまたはタンパク質を指す。「ポリペプチド」は、一般にペプチド、オリゴペプチドおよびオリゴマーと呼ばれる短い鎖、および通常はタンパク質と呼ばれるより長い鎖の両方を指す。ポリペプチドは、20種類の遺伝子にコードされるアミノ酸以外のアミノ酸を含有し得る。「ポリペプチド」は、天然プロセス、例えばプロセシングおよび他の翻訳後修飾、また化学的修飾技術の何れかにより修飾されたものを含む。このような修飾は、基礎的な教科書に、およびより詳細な専門書においてならびに大部の研究文献においてよく記載されており、これらは、当業者にとって周知である。当然のことながら、同じタイプの修飾が、あるポリペプチドのいくつかの部位において、同じまたは様々な程度、存在し得る。また、あるポリペプチドは、多くのタイプの修飾を含有し得る。修飾は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖およびアミノまたはカルボキシル末端を含め、ポリペプチドの何れの位置でも起こり得る。修飾には、例えば、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスホチジルイノシトールの共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有架橋の形成、ピログルタメートの形成、ホルミル化、ガンマ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨード化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解処理、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、、脂質結合、硫酸化、グルタミン酸残基のガンマ−カルボキシル化、ヒドロキシル化およびADP−リボシル化、セレノイル化、トランスファーRNAが介在するタンパク質へのアミノ酸の付加、例えばアルギニン化およびユビキチン化が含まれる。ポリペプチドは、分岐状または、分岐があるかもしくはない環状であり得る。環状、分岐状および分岐型環状ポリペプチドは、翻訳後の天然プロセスの結果生じ得、完全に合成法によっても生成され得る。
「単離」とは、その天然の状態から「人間の手により」変化させられること、すなわち、それが天然のものである場合、その元の環境から変化させられているかまたは取り除かれているかまたはその両方であることを意味する。例えば、生物において天然に存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは「単離」されていないが、その天然状態の共存物質から分離されている同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、本明細書中で単離という用語が使用されるとおり、「単離」されている。同様に、「合成」配列は、その用語が本明細書中で使用される場合、合成により作製され、天然供給源から直接単離されていない、何らかの配列を意味する。「組み換え」とは、ある種からの遺伝子を異種の宿主生物の細胞に移植またはスプライシングすることにより調製された、遺伝子改変DNAを意味する。このようなDNAは、宿主の遺伝子構造の一部となり、複製される。
「ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド」という用語は、本明細書中で使用される場合、本発明のポリペプチド、特に配列番号2、4および6に記載のようなアミノ酸配列を有するα−1,3−フコシルトランスフェラーゼをコードする配列を含むポリヌクレオチドを包含する。この用語はまた、コードおよび/または非コード配列も含有し得るさらなる領域と一緒に、ポリペプチドをコードする1つの連続領域または非連続領域(例えば、統合されたファージまたは挿入配列またはエディティングが割り込む。)を含むポリヌクレオチドも包含する。
「変異体」は、その用語が本明細書中で使用される場合、それぞれ参照ポリヌクレオチドまたはポリペプチドとは異なるが、基本的な特性を保持する、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドである。ポリヌクレオチドの典型的な変異体は、ヌクレオチド配列が別の参照ポリヌクレオチドとは異なる。変異体のヌクレオチド配列の変化は、参照ポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を変化させてもよいし、または変化させなくてもよい。ヌクレオチドの変化の結果、下記に記載のように、参照配列によりコードされるポリペプチドにおける、アミノ酸置換、付加、欠失、融合および短縮が起こり得る。ポリペプチドの典型的な変異体は、アミノ酸配列が、別の参照ポリペプチドとは異なる。一般に、参照ポリペプチドおよび変異体の配列が全体的に近似しており、多くの領域において同一であるように相違が限定される。変異体および参照ポリペプチドは、あらゆる組み合わせの1以上の置換、付加、欠失によってアミノ酸配列が異なり得る。置換されるまたは挿入されるアミノ酸残基は、遺伝子コードによりコードされるものであってよいし、そうでなくてもよい。ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの変異体は、対立遺伝子変異体など、天然であってもよいし、または天然で知られていない変異体であってもよい。ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの非天然の変異体は、突然変異誘発技術により、直接的合成により、および当業者にとって公知の他の組み換え法により、作製され得る。
「α−1,3−フコシルトランスフェラーゼまたはフコシルトランスフェラーゼ」または「α−1,3−フコシルトランスフェラーゼまたはフコシルトランスフェラーゼ」をコードする核酸/ポリヌクレオチドという用語は、ドナー基質からのフコースの転移、例えば、GDP−フコースから、α−1,3−結合のアクセプター分子への転移を触媒するグリコシルトランスフェラーゼを指す。アクセプター分子は、炭水化物、オリゴ糖、タンパク質もしくは(糖)タンパク質または脂質もしくは(糖)脂質であり得、例えばN−アセチルグルコサミン、N−アセチルラクトサミン、ガラクトース、フコース、シアル酸、グルコース、ラクトースまたはそれらの何らかの組み合わせであり得る。本発明の範囲内で、配列番号1、3または5から選択される核酸によりコードされるポリペプチドまたは配列番号2、4または6から選択されるアミノ酸配列に対して、好ましくは少なくとも約25、50、100、200、500、1000以上のアミノ酸の領域にわたり、約60%を超えるアミノ酸配列同一性、65%、70%、75%、80%、85%、90%、好ましくは91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%以上のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を有する、核酸/ポリヌクレオチドおよびポリペプチド多型変異体、対立遺伝子、突然変異体および種間ホモローグも、これらの用語に含まれる。
さらに、α−1,3−フコシルトランスフェラーゼポリペプチドは、その活性を改変するために、ペプチド配列の付加または欠失により変更され得る。例えば、さらなる酵素活性をもたらすために、α−1,3−フコシルトランスフェラーゼポリペプチドにポリペプチド配列を融合させ得る。あるいは、タンパク質の活性を除去または改変するために、アミノ酸を欠失させ得る。α−1,3−フコシルトランスフェラーゼ酵素活性を欠くが、その構造的三次元構造を保持するように、タンパク質を修飾し得る。このような修飾は、α−1,3−フコシルトランスフェラーゼポリペプチドに対する抗体の開発において有用である。
さらに、α−1,3−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子産物は、機能的に同等な遺伝子産物に相当するタンパク質またはポリペプチドを含み得る。このような同等のα−1,3−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子産物は、上述のα−1,3−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子配列によりコードされるアミノ酸配列内のアミノ酸残基の欠失、付加または置換を含有し得るが、その結果、サイレントな変化が起こり、したがって機能的に同等なα−1,3−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子産物が生成される。含まれる残基の、極性、電荷、溶解性、疎水性、親水性および/または両親媒性が同様であることに基づき、アミノ酸置換が為され得る。例えば、非極性(疎水性)アミノ酸としては、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびメチオニンが挙げられ;平面型中性アミノ酸としては、グリシン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギンおよびグルタミンが挙げられ;正電荷(塩基性)アミノ酸としては、アルギニン、リジンおよびヒスチジンが挙げられ;負電荷(酸性)アミノ酸としては、アスパラギン酸およびグルタミン酸が挙げられる。本発明の内容の中において、「機能的に同等」とは、本明細書中で使用される場合、抗原性、すなわち抗α−1,3−フコシルトランスフェラーゼ抗体への結合能、免疫原性、すなわちα−1,3−フコシルトランスフェラーゼタンパク質またはポリペプチドに結合可能な抗体を産生させる能力ならびに酵素活性を含むが限定されない多くの基準の何れかにより判定した場合、ポリペプチドが、上述のα−1,3−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子配列によりコードされる内因性α−1,3−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子産物と実質的に同様のインビボ活性を示すことが可能であることを指す。
翻訳中または翻訳後に異なって修飾されるα−1,3−フコシルトランスフェラーゼタンパク質、ポリペプチドおよび誘導体(断片を含む。)は本発明の範囲内に含まれる。さらに、α−1,3−フコシルトランスフェラーゼポリペプチド配列への置換または付加として、非古典的アミノ酸または化学的アミノ酸類似体を導入することができる。
当技術分野で周知の技術を使用した組み換えDNA技術によって、α−1,3−フコシルトランスフェラーゼポリペプチドを生成させ得る。α−1,3−フコシルトランスフェラーゼコード配列および適切な転写翻訳調節シグナルを含有する発現ベクターを構築するために、当業者にとって周知の方法を使用することができる。これらの方法には、例えば、インビトロ組み換えDNA技術、合成技術およびインビボ遺伝子組み換えが含まれる。例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989)に記載の技術を参照。
「オリゴ糖」は、その用語が本明細書中で使用される場合、および最先端において通常理解されるとおり、少数、一般に3から10の単純な糖、すなわち単糖を含有する糖ポリマーを指す。
本発明の別の態様によると、上記で与えられるように、α−1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性があるポリペプチドをコードする核酸配列を含有するベクターが提供され、この核酸配列は、そのベクターで形質転換された宿主細胞により認識される調節配列に操作可能に連結される。特定の好ましい実施形態において、本ベクターは発現ベクターであり、本発明の別の態様によると、本ベクターは、プラスミド、コスミド、ファージ、リポソームまたはウイルスの形態で存在し得る。
組み換え産生の場合、発現系もしくはその一部または本発明のポリヌクレオチドを組み込むために、宿主細胞を遺伝子改変することができる。Davis et al.,Basic Methods in Molecular Biology,(1986)およびSambrook et al.,1989、上出などの多くの標準的な実験マニュアルに記載の方法によって、宿主細胞へのポリヌクレオチドの導入を達成し得る。
したがって、本方法によるポリヌクレオチドは、例えば、宿主細胞に安定的に形質転換/形質移入しようとするベクターに含まれ得る。ベクターにおいて、本方法のポリヌクレオチドは、遺伝子/ポリヌクレオチドの発現を特異的に標的とし得るように、および必要に応じて遺伝子をそのようにして過剰発現させ得るように、例えば誘導性プロモーターの調節下にある。
本発明のポリペプチドを生成させるために、多種多様の発現系を使用することができる。このようなベクターとしては、とりわけ、染色体性、エピソーム性およびウイルス由来ベクター、例えば細菌プラスミド由来、バクテリオファージ由来、トランスポゾン由来、酵母エピソーム由来、挿入エレメント由来、酵母染色体エレメント由来、ウイルス由来のベクター、およびその組み合わせ由来のベクター、例えばプラスミドおよびバクテリオファージ遺伝子エレメント由来のものなど、例えばコスミドおよびファージミドなどが挙げられる。発現系コンストラクトは、発現を制御し、生じさせる調節領域を含有し得る。通常、この点で、発現のために、ポリヌクレオチドを維持するか、拡大させるかまたは発現させるおよび/または宿主においてポリペプチドを発現させるために適切な、何らかの系またはベクターを使用し得る。様々な周知のおよび日常的な技術の何れか、例えば、Sambrook et al.,上記参照で示されるものなどによって、適切なDNA配列を発現系に挿入し得る。
したがって、本発明はまた、次のものからなる群から選択されるアミノ酸配列からなるα−1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する単離ポリペプチドにも関する:
(a)配列番号2、4または6で示されるアミノ酸配列;
b)配列番号1、3または5で示される核酸分子の逆鎖に対してストリンジェントな条件下でハイブリッド形成する核酸分子によりコードされる、配列番号2、4または6で示されるアミノ酸配列の対立遺伝子変異体の、アミノ酸配列;
c)配列番号1、3または5で示される核酸分子の逆鎖にストリンジェントな条件下でハイブリッド形成する核酸分子によりコードされる、配列番号2、4または6で示されるアミノ酸配列のオルソログの、アミノ酸配列;および
(d)少なくとも10連続アミノ酸を含み、α−1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する、配列番号2、4または6で示されるアミノ酸配列の断片。
「ストリンジェントな条件」という用語は、プローブがその標的配列とハイブリッド形成するが、他の配列とはハイブリッド形成しない条件を指す。ストリンジェントな条件は、配列依存的であり、状況によって異なる。長い配列ほど、高い温度で特異的にハイブリッド形成する。一般的に、ストリンジェントな条件は、定められたイオン強度およびpHでの特異的な配列に対する熱融解点(Tm)よりも約15℃低くなるように選択される。Tmは、平衡状態で標的配列と相補的なプローブの50%が標的配列と(定められたイオン強度、pHおよび核酸濃度下で)ハイブリッド形成する温度である。代表的なストリンジェントなハイブリッド形成条件は、次のとおりであり得る:50%ホルムアミド、5xSSCおよび1%SDS、42℃で温置、または5xSSC、1%SDS、65℃で温置し、65℃で0.2xSSCおよび0.1%SDSで洗浄。
また、本発明は、上記で定められるようなベクターを含有する宿主細胞および特に酵母を含む真菌、細菌、昆虫、動物および植物細胞からなる群から選択される宿主細胞を指す。宿主細胞が大腸菌(Escherichia coli)細胞であれば特に好ましい。
本明細書中で使用される場合、「宿主細胞」という用語は、現在、外来のポリヌクレオチド配列により、形質転換もしくは形質移入されているか、または形質転換もしくは形質移入可能な細胞として定義される。
本発明のα−1,3−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子コード配列を発現させるために、様々な宿主発現ベクター系を利用し得る。このような宿主発現系は、関心のあるコード配列が産生され得、続いて精製され得る媒体を意味し、さらにまた、適切なヌクレオチドコード配列で形質転換または形質移入された場合にインシトゥで本発明のα−1,3−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子産物を示す細胞をも意味する。
例えばヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)から単離されるフコシルトランスフェラーゼを論じるWO98/55630(この公表物は本明細書で明らかに参照される。)において、多くの適切な発現系および宿主を見出すことができる。
本発明の別の態様によると、α−1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を、個々の細胞のコドン利用に適応させる。
本発明は、次の段階を含む、フコシル化オリゴ糖、(糖)タンパク質および(糖)脂質を生成させるための方法に関する:
a.本発明によるα−1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性があるポリペプチドを提供し、
b.このポリペプチドがドナー基質からアクセプター基質へのフコース残基の転移を触媒し、それによりフコシル化オリゴ糖、(糖)タンパク質または(糖)脂質が生成する条件下で、フコース残基を含むドナー基質と、単糖またはオリゴ糖、(糖)タンパク質または(糖)脂質を含むアクセプター基質と、を含む混合物と、段階aのα−1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性のあるポリペプチドを接触させる、段階。
本発明によると、細胞不含の系または細胞を含有する系において、フコシル化オリゴ糖を生成させるための方法を行い得る。酵素産物の形成を可能とするのに十分な時間にわたり、十分な条件下で、α−1,3−フコシルトランスフェラーゼポリペプチドと基質を反応させるようにする。これらの条件が、基質および酵素の量および純度、その系が細胞不含であるかまたは細胞を利用した系であるかに依存して変動することを理解されたい。これらの可変因子は、当業者により容易に調整される。
細胞不含の系において、水性反応液中での混合によって、本発明によるポリペプチド、アクセプター基質、ドナー基質および、場合によっては、他のグリコシルトランスフェラーゼおよび補助的酵素を含む他の反応混合物成分を合わせる。溶液中で酵素を遊離状態で利用し得るか、またはこれらをポリマーなどの支持体に結合もしくは固定化させることができ、基質を支持体に添加し得る。支持体を例えばカラムに充填し得る。
フコシル化オリゴ糖の合成のための細胞含有系は、組み換えにより修飾を受けた宿主細胞を含み得る。
したがって、本発明はまた、次の段階を含む、フコシル化オリゴ糖、(糖)タンパク質および(糖)脂質を生成させる方法にも関連する:
a.フコシルオリゴ糖、(糖)タンパク質および/または(糖)脂質の生成が可能な、およびα−1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドの発現が可能な適切な栄養条件下で、上述のような宿主細胞を培養し;
b.段階aと同時にまたはこれと連続して、フコース残基を含むドナー基質と、オリゴ糖、(糖)タンパク質または(糖)脂質を含むアクセプター基質と、を提供して、前記宿主細胞において発現されるα−1,3−フコシルトランスフェラーゼがドナー基質からアクセプター基質へのフコース残基の転移を触媒し、それにより、フコシル化オリゴ糖、(糖)タンパク質または(糖)脂質を生成させるようにし;
c.宿主細胞またはその増殖培地から、前記フコシル化オリゴ糖、(糖)タンパク質および/または(糖)脂質を単離する、段階。
本発明による方法において、ドナー基質はGDP−フコースであり得る。ドナー基質がGDP−フコースである場合、特に好ましい。
本発明のある態様によると、アクセプター基質は、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルラクトサミン、ガラクトース、フコース、シアル酸、グルコース、ラクトースまたはそれらの何らかの組み合わせから選択される。特に、ラクトースはアクセプター基質として好ましい。
「基質」という用語は、本明細書中で使用される場合、フコシル化オリゴ糖、(糖)タンパク質または(糖)脂質を生じさせるために本発明のポリペプチドが作用し得る、何らかの物質または様々な物質の組み合わせを意味する。
酵素産物の形成を可能とするのに十分な時間にわたり、十分な条件下で、基質をα−1,3−フコシルトランスフェラーゼポリペプチドと反応させる。これらの条件は、基質および酵素の量および純度、その系が、細胞不含であるかまたは細胞を利用した系であるかに依存して変動する。これらの可変因子は、当業者により容易に調整される。
本発明による方法のある態様によると、ドナー基質を宿主細胞内で生成させることによって、ドナー基質が段階bで提供される。そうすることにおいて、宿主細胞に添加しようとする、例えばフコースをGDP−フコースに変換する酵素を、宿主細胞において同時に発現させる。この酵素は、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)由来のFkpのような、例えば二機能性フコースキナーゼ/フコース−1−ホスフェートグアニリルトランスフェラーゼまたは、ある個別のフコース−1−ホスフェートグアニリルトランスフェラーゼとある個別のフコースキナーゼの組み合わせ(ホモサピエンス、イノシシ(Sus scrofa)およびドブネズミ(Rattus norvegicus)を含むいくつかの種からこれらが知られるように。)であり得る。
あるいは、段階bにおいて、培地/宿主細胞にドナー基質を添加してもよいし、または細胞自身の代謝によって生成させてもよい。
またさらなる実施形態において、本発明は、次の段階を含む方法に関する:
a)i)同封の配列表からの配列番号1、3または5、ii)配列番号1、3または5に相補的な核酸配列およびiii)適切な栄養条件下で、i)およびii)またはそれらの相補鎖で定められる核酸配列にストリンジェントな条件下でハイブリッド形成する核酸配列から選択される核酸配列を含むように形質転換または形質移入された宿主細胞を培養して、α−1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を有するペプチドとして、i)、ii)およびiii)から選択される核酸配列が発現されているようにし;
b)段階aと同時にまたはこれと連続して、フコース残基を含むドナー基質と、オリゴ糖、(糖)タンパク質または(糖)脂質を含むアクセプター基質と、を提供して、前記宿主細胞において発現されるα−1,3−フコシルトランスフェラーゼがドナー基質からアクセプター基質へのフコース残基の転移を触媒し、それにより、フコシル化オリゴ糖、(糖)タンパク質または(糖)脂質を生成させるようにし;
c)宿主細胞またはその増殖培地から、前記フコシル化オリゴ糖、(糖)タンパク質および/または(糖)脂質を単離する、段階。
本発明による方法において、宿主細胞において発現されるペプチドは、α−1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を示し、したがって、ドナー、例えばグアノシン−ジホスフェートフコース(GDP−フコース)から、オリゴ糖、(糖)タンパク質および(糖)脂質を含むアクセプターへ、フコース残基を転移させる。したがって、そのように、ベビーフードの補給のための食品添加物として、または治療的もしくは薬学的に活性のある化合物として、フコシル化アクセプター基質を使用し得る。この新規の方法によって、複雑で時間および費用がかかる合成プロセスを必要とせずに、フコシル化産物を容易にかつ効率的に提供することができる。
本明細書中で使用される場合、「単離する」という用語は、本発明によるα−1,3−フコシルトランスフェラーゼにより生成された産物を遺伝子発現系から採取、回収または分離することを意味する。
したがって、本発明はまた、本発明による方法により得られるフコシル化オリゴ糖、(糖)タンパク質および/または(糖)脂質ならびに、フコシル化オリゴ糖、(糖)タンパク質および/または(糖)脂質の生成のための上述のようなポリヌクレオチド、ベクターまたはポリペプチドの使用にも関する。
さらに別の実施形態によると、前記フコシル化オリゴ糖、(糖)タンパク質および/または(糖)脂質の生成は、α−1,3フコシルトランスフェラーゼをコードするポリヌクレオチドの異種または同種(過剰)発現により行われる。
別段の定めがない限り、本明細書中で使用される全ての技術および科学用語は、一般的に、本発明が属する技術分野の通常の技術者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般に、本明細書中で使用される用語体系および、細胞培養、分子遺伝学、有機化学および核酸化学および上記および下記のハイブリッド形成における実験法は、当技術分野で周知であり、一般に使用されるものである。核酸およびペプチド合成に対して標準的技術を使用する。通常、製造者の仕様書に従い、酵素反応および精製段階を行う。
本発明はまた、本明細書中で開示されるポリヌクレオチド配列の断片も包含する。
さらなる長所は、実施形態の記載および添付の図面から得られる。
言うまでもないが、本発明の範囲から逸脱することなく、上述の特性および下記でまだ説明すべき特性を、それぞれ特定の組み合わせだけではなく、他の組み合わせで、またはそれらのみで使用することもできる。
図面において本発明のいくつかの実施形態を例示し、次の記述においてさらに詳細に説明する。
図1は、大腸菌(Escherichia coli)JM109(DE3)でのpDEST14−amuc0760coからのAmuc0760coの発現を示しており;粗製抽出物からの15μgの可溶性タンパク質を15%SDS−PAGEで分離し、クーマシー・ブリリアント・ブルーで染色した。
図2は、ウエスタンブロットを介したHis−タグ付加Amuc0760coの検出を示す。
図3は、pDEST14−amuc0760co、すなわち、Gateway−reactionによってpDEST14(Invitrogen)にクローニングされた新しいα−1,3−フコシルトランスフェラーゼAmuc0760coをコードするコドン最適化遺伝子amuc0760coのベクターマップ(A);pDEST14−fucT6、すなわち、Gateway−reactionおよび(B)によって、pDEST14(Invitrogen、Germany)にクローニングされた新しいα−1,3−フコシルトランスフェラーゼFucT6をコードする、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)からの遺伝子fucT6のベクターマップ;およびpDEST14−fucT7、すなわち、Gateway−reactionによってpDEST14(Invitrogen、Germany)にクローニングされた、新しいα−1,3−フコシルトランスフェラーゼFucT7をコードする、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)からの遺伝子fucT7のベクターマップ(C)を示す。
図4は、pACYC−amuc0760co、すなわち、pACYCDuet−1(Novagen、NcoI/PstIを介して)にクローニングされた新しいα−1,3−フコシルトランスフェラーゼAmuc0760coをコードするコドン最適化遺伝子amuc0760coのベクターマップ(A);pACYC−fucT6、すなわち、NcoI/BamHIを介してpACYCDuet−1(Novagen、UK)にクローニングされた新しいα−1,3−フコシルトランスフェラーゼFucT6をコードするバクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)からのコドン最適化遺伝子fucT6のベクターマップ(B);およびpACYC−fucT7、すなわち、NcoI/EcoRIを介してpACYCDuet−1(Novagen、UK)にクローニングされた新しいα−1,3−フコシルトランスフェラーゼFucT7をコードするバクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)からのコドン最適化遺伝子fucT7のベクターマップ(C)を示す。
図5は、遺伝子amuc0760coおよびタンパク質Amuc0760coのDNA配列およびアミノ酸配列を示す。
図6は、遺伝子fucT6およびタンパク質FucT6のDNA配列およびアミノ酸配列を示す。
図7は、遺伝子fucT7およびタンパク質FucT7のDNA配列およびアミノ酸配列を示す。
図8は、移動相ブタノール/アセトン/酢酸/水(35/35/7/23)およびジフェニル−アミンアニリン染色溶液(メタノール中、2%ジフェニルアミン、2%アニリン、10%リン酸)による薄層クロマトグラフィーを用いたBioGel P−2ゲル浸透クロマトグラフィーを介した3−フコシルラクトース精製の分析を示す。
図9は、HPLCクロマトグラム;溶出液として水を用いたPhenomenex Rezex RCM Ca2+カラムによる分離(80℃で30分間、0.6mL/分)および屈折率検出器(Shimadzu、Germany)による検出(A);およびHPLCクロマトグラム;溶出液として50mM NaOHを用いたDionex CarboPac PA1カラムによる分離(30℃で30分間、1ml/分)および電気化学検出器DECADE II(Antec Leyden、Netherlands)による検出(B)を示す。
(実施例)
遺伝子のクローニング
フコシルトランスフェラーゼAmuc0760をコードする遺伝子は、最適化されたコドンであり、GenScript,Piscataway,New Jersey(USA)により合成された。Gateway−Cloning(5’−配列:GGGGACAAGTTTGTACAAAAAAGCAGGCTTCGAAGGAGATAGAACC(配列番号7)、3’−配列:TAGGACCCAGCTTTCTTGTACAAAGTGGTCCCC(配列番号8))に対するattB−部位をコードする2つのフランキング配列を用いて、GenScriptによってこれをpUC57にクローニングした。供給者(Invitrogen GmbH、Germany)により提供される説明書に従い、ベクター、pDEST14(Invitrogen GmbH、Germany)へのGateway−転移(図3A参照)を行った。プライマー、GGGGACAAGTTTGTACAAAAAAGCAGGCTTCGAAGGAGATACAACCATGGGCCATCACCATCATCACCACAAAACGCTGAAAATTAGCTTTC(配列番号9)およびGGGGACCACTTTGTACAAGAAAGCTGGGTC(配列番号10)を用いて、pUC57−amuc0760coから、N末端Hisタグ付加Amuc0760coをコードするポリヌクレオチドを増幅させた。プライマー、GGGGACAAGTTTGTACAAAAAAGCAGGCTTC(配列番号11)およびGGGGACCACTTTGTACAAGAAAGCTGGGTC(配列番号12)を使用して、C末端Hisタグ付加amuc0760coをコードするポリヌクレオチドをpUC57−amuc0760coから増幅させた。
プライマー、GGGGACAAGTTTGTACAAAAAAGCAGGCTTCGAAGGAGATACAACCATGTGTGATTGCTTGTCTATCATATTG(配列番号13)/GGGGACCACTTTGTACAAGAAAGCTGGGTCTTATTTTCTATCAAACAATTGAGAATAATATTC(配列番号14)およびGGGGACAAGTTTGTACAAAAAAGCAGGCTTCGAAGGAGATACAACCATGGATATATTGATTCTTTTTTATAATACGATG(配列番号15)/GGGGACCACTTTGTACAAGAAAGCTGGGTCCATATCCCTCCCAATTTTAGTTCG(配列番号16)をそれぞれ用いてバクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)NCTC9343のゲノムDNAから、フコシルトランスフェラーゼFucT6およびFucT7をコードする遺伝子を増幅させ、またGateway技術(Invitrogen GmbH、Germany)を用いてpDEST14にクローニングした(図3Bおよび3C参照)。
フコシルトランスフェラーゼの発現
発現ベクター、pACYCDuet−1(Novagen、UK)に、遺伝子amuc0760co、fucT6およびfucT7をさらにクローニングした。NcoI/PstIでの制限消化と続くライゲーションを介したamuc0760coのクローニングの場合、プライマー、AGCTAGCCATGGGCAAAACGCTGAAAATTAGCTTTCTG(配列番号17)およびAGCTAGCTGCAGTTAGCGACGCAGGCGATTTTTC(配列番号18)を使用し(制限部位に下線を付す。)、得られた産物をpACYC−amuc0760coと呼んだ(図4A参照)。プライマー、GATCACCATGGGCTGTGATTGCTTGTCTATCATATTG(配列番号19)およびGATCAGGATCCTTATTTTCTATCAAACAATTGAGAATAATATTC(配列番号20)(制限部位に下線を付す。)を用いてNcoI/BamHIを介してfucT6をクローニングし、pACYC−fucT6を得て(図4B参照)、プライマー、GATCACCATGGATATATTGATTCTTTTTTATAATACGATGTGG(配列番号21)およびGATCAGAATTCTCATATCCCTCCCAATTTTAGTTCGTG(配列番号22)(制限部位に下線を付す。)を用いて、NcoI/EcoRIを介してfucT7をクローニングし、pACYC−fucT7を得た(図4C参照)。
上述の適切なプラスミドを用いて、E.コリ(E.coli)株JM109(DE3)またはBL21(DE3)ΔlacZを形質転換した。接種用ループにより5mLの2YT培地に接種し、37℃で180rpmにて一晩培養した。一晩培養物から400mLの2YTに4mLを接種し、37℃および180rpmでOD660が0.5に到達するまで培養した。0.1mM IPTGの添加によって発現を誘発し、28℃で180rpmにて一晩培養を継続した。細胞を回収し、4v/wの、50mM Tris−HCl pH7.5+5mM MgCl2または、Ni Sepharose FFカラム(HisPrep FF 16/10、GE Healthcare、Sweden)を介した精製に対して使用する場合は4v/w 20mM Tris−HCl pH7.5+500mM NaCl+30mMイミダゾールの何れかにおいて再懸濁した。細胞ペレットの重量の最大6倍までガラスビーズを添加し、途中で細胞懸濁液を氷上に5分間置きながら、細胞懸濁液を5分間、2回、ボルテックス処理した。破砕後、15000xgで10分間遠心することによって細胞残屑を除去した。得られた上清は、SDS−PAGEでの分析またはNi Sepharose FFを介した精製に使用した。
ウエスタンブロットを介した検出
上述のように、Hisタグ付加Amuc0760coを発現させた。粗製細胞抽出物から、10%SDSゲル上で10mgのタンパク質を分離した。製造者により与えられる説明書に従い、Mini Trans−Blotタンク(Bio−Rad、Germany)を用いてPVDF膜上にタンパク質をブロットした。販売者により提供される説明書に従い、His−Tag Antibody HRP Conjugate Kit(Novagen、UK)を用いて、ブロット上でHisタグ付加Amuc0760coを検出した(図2参照)。
フコシル化化合物の生成
適切なフコシルトランスフェラーゼ遺伝子を保有するpACYCを用いて、細胞E.コリ(E.coli)BL21(DE3)lacZ pDEST14−fkp pCOLA−lacY−fucPを形質転換した。適切な抗生物質を用いて2YTプレート上でコロニーを培養した。各株5mLで一晩培養(抗生物質入りの2YT)を行い、この培養物から、それぞれ30mL無機培地に1%になるように接種した。炭素源としてグリセロールを用いて細胞を培養し、OD600=0.2で0.1mM IPTGにより誘導し、20mMラクトースおよび20mMフコースを添加した。TLCおよびHPLC分析によって3−フコシルラクトースの生成を監視した。アッケルマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphila)からのAmuc0760coならびにバクテロイド・フラジリス(Bacteroides fragilis)からのFucT6およびFucT7の発現に対する、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)からのFutAの発現によって生成される3−フコシルラクトース(3−FL)の量の比較を次の表1で示す。
表1から見ることができるように、フコシル化産物3−フコシルラクトースの量は、本発明によるα−1,3−フコシルトランスフェラーゼ、すなわちアッケルマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphila)からのAmuc0760coおよびバクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)からのFucT6およびFucT7を用いた場合、従来技術であるヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)からのα−1,3−フコシルトランスフェラーゼFutAと比較して、顕著に多かった。
フコシル化生成物の精製
いくつかの段階で、上述のように生成させた3−フコシルラクトースを精製した。最初の段階は、活性炭上での吸着による精製であった。生成段階からの培養上清を活性炭ベッドに載せた。フロースルーを回収し、分析したが、3−フコシルラクトースの残存は検出されなかった。例えば塩およびアミノ酸などの非特異的結合中間化合物の除去のために、蒸留水でベッドを洗浄した(フロースルー中に3−FLなし)。次いで、3−FLおよび残存ラクトースおよびフコースを96%エタノールで溶出させた。続いて、ロータリーエバポレーター中でエタノールを蒸発させ、10kDaクロスフロー型モジュール(Microdyn Nadir、Germany)を介して残渣をろ過した。電気透析により残存塩を除去し、その後、クロスフロー型モジュール(Pall、Germany)を用いてろ過によってエンドトキシンを除去した。次に、フリット付きの520mmx428mmガラスカラムに充填されたゲル浸透クロマトグラフィー材料Biogel P−2(BioRad、Germany)を用いて、グラムスケールでラクトースおよびフコースから3−FLを分離した。薄層クロマトグラフィーによって3−FLの精製を監視した(図8参照)。3−フコシルラクトースのみを含有する分画をプールし、凍結乾燥させた。
生成物の特性確認
1H−NMRおよび質量分析によって、本発明で与えられるフコシルトランスフェラーゼを用いて生成させた精製3−フコシルラクトースを分析した。得られたスペクトルは、3−FLに対して予想されるスペクトルと一致した。それに加えて、得られた3−FLの特性を検証するために、異なるHPLC法を適用した。一方の方法は、溶出液として水を用いたPhenomenex Rezex RCM Ca2+カラムを使用した分離(80℃にて30分間、0.6mL/分)および屈折率検出器(Shimadzu、Germany)による検出であった(図9A参照)。他方の方法は、溶出液として50mM NaOHを用いたDionex CarboPac PA1カラムを介した分離(30℃で35分間、1mL/分)および電気化学検出器DECADE II(Antec Leyden、Netherlands)による検出であった(図9B参照)。

Claims (12)

  1. フコシル化オリゴ糖の生成に使用する宿主細胞であって、前記宿主細胞は外来のポリヌクレオチド配列により形質転換または形質移入されており、
    前記ポリヌクレオチド配列はベクターに含まれ、
    前記ポリヌクレオチド配列が、a)添付の配列リストの配列番号1;b)a)で定められる核酸配列またはその相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリッド形成する核酸配列、からなる群より選択され、
    前記ポリヌクレオチド配列は、ベクターで形質転換された宿主細胞により認識される配列を制御するために操作可能に連結されており、前記ポリヌクレオチド配列は、α−1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードしており、
    前記宿主細胞は、酵母を含む真菌、及び細菌からなる群より選択される、宿主細胞。
  2. 宿主細胞が、大腸菌(Escherichia coli)細胞であることを特徴とする、請求項1に記載の宿主細胞。
  3. α−1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸が、個々の細胞のコドン使用に適応させられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の宿主細胞。
  4. α−1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードし、且つa)添付の配列リストの配列番号1;b)a)で定められる核酸配列またはその相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリッド形成する核酸配列からなる群から選択される配列を含むポリヌクレオチドの、又は(a)配列番号2で示されるアミノ酸配列;b)配列番号2で示されるアミノ酸配列に対して95%以上のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列、からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるα−1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドの、フコシル化オリゴ糖の生成のための使用。
  5. 前記フコシル化オリゴ糖の生成が、α−1,3−フコシルトランスフェラーゼをコードするポリヌクレオチドの異種または同種発現により行われることを特徴とする、請求項4に記載の使用。
  6. 生成されるフコシル化オリゴ糖が3−フコシルラクトースであることを特徴とする、請求項4または5に記載の使用。
  7. a.(a)配列番号2で示されるアミノ酸配列;及び、b)配列番号2で示されるアミノ酸配列に対して95%以上のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列、からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる、α−1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性があるポリペプチドを提供し、
    b.該ポリペプチドが、ドナー基質からアクセプター基質へのフコース残基の転移を触媒し、それによりフコシル化オリゴ糖が生成する条件下で、フコース残基を含むドナー基質と、単糖またはオリゴ糖を含むアクセプター基質と、を含む混合物と、段階aのα−1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性があるポリペプチドを接触させる段階を含む、フコシル化オリゴ糖を生成させるための方法。
  8. a.フコシル化オリゴ糖の生成可能なおよびα−1,3−フコシルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドを発現可能な適切な栄養条件下で、請求項1から3のいずれかに記載の宿主細胞を培養し;
    b.段階aと同時にまたは連続して、フコース残基を含むドナー基質と、単糖もしくはオリゴ糖を含むアクセプター基質と、を提供して、該α−1,3−フコシルトランスフェラーゼポリペプチドが該ドナー基質から該アクセプター基質へのフコース残基の転移を触媒し、それにより、フコシル化オリゴ糖を生成させるようにし;
    c.該宿主細胞またはその増殖培地から、前記フコシル化オリゴ糖を単離する段階を含む、フコシル化オリゴ糖を生成させるための方法。
  9. ドナー基質がGDP−フコースであることを特徴とする、請求項7または8に記載の方法。
  10. 該GDP−フコースが、該宿主細胞で同時発現される酵素によるかまたは該宿主細胞の代謝により提供されることを特徴とする、請求項7から9のいずれかに記載の方法。
  11. 該アクセプター基質が、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルラクトサミン、ガラクトース、フコース、シアル酸、グルコース、ラクトース又はこれらのあらゆる組み合わせであることを特徴とする、請求項7から10のいずれかに記載の方法。
  12. 生成されるフコシル化オリゴ糖がヒト乳オリゴ糖(HMO)である、請求項4または5に記載の使用、または請求項7から11のいずれかに記載の方法。
JP2013532217A 2010-10-11 2011-10-07 新規フコシルトランスフェラーゼおよびそれらの適用 Active JP6097691B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP10187167.1A EP2439264B1 (en) 2010-10-11 2010-10-11 Novel fucosyltransferases and their applications
EP10187167.1 2010-10-11
PCT/EP2011/067538 WO2012049083A2 (en) 2010-10-11 2011-10-07 Novel fucosyltransferases and their applications

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013541952A JP2013541952A (ja) 2013-11-21
JP6097691B2 true JP6097691B2 (ja) 2017-03-15

Family

ID=43244921

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013532217A Active JP6097691B2 (ja) 2010-10-11 2011-10-07 新規フコシルトランスフェラーゼおよびそれらの適用

Country Status (15)

Country Link
US (1) US9441211B2 (ja)
EP (2) EP2439264B1 (ja)
JP (1) JP6097691B2 (ja)
CN (1) CN103201380B (ja)
AU (1) AU2011315656B2 (ja)
BR (1) BR112013008822A8 (ja)
DK (2) DK2439264T3 (ja)
ES (1) ES2663627T3 (ja)
MX (1) MX344691B (ja)
MY (1) MY189569A (ja)
NZ (1) NZ609127A (ja)
PL (1) PL2944690T3 (ja)
RU (1) RU2642307C2 (ja)
SG (1) SG189300A1 (ja)
WO (1) WO2012049083A2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022168992A1 (ja) 2021-02-08 2022-08-11 協和発酵バイオ株式会社 1,3-フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質及びフコース含有糖質の製造法

Families Citing this family (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110201003A (zh) 2012-02-29 2019-09-06 伊西康内外科公司 微生物区系的组合物及与其相关的方法
EP3572521A1 (en) 2013-09-10 2019-11-27 Jennewein Biotechnologie GmbH Production of oligosaccharides
PL2896628T3 (pl) 2014-01-20 2019-03-29 Jennewein Biotechnologie Gmbh Sposób wydajnego oczyszczania obojętnych oligosacharydów ludzkiego mleka (HMO) z fermentacji mikrobiologicznej
ES2715010T3 (es) 2014-03-31 2019-05-31 Jennewein Biotechnologie Gmbh Fermentación total de oligosacáridos
KR101718681B1 (ko) 2014-06-23 2017-03-22 서울대학교산학협력단 가용성 단백질 발현량 및 활성이 증대된 헬리코박터 파일로리 유래 α-1,3 푸코실 전달효소의 유전자와 단백질 및 α-1,3 푸코실올리고당 생산에의 응용
JP6737788B2 (ja) * 2014-09-09 2020-08-12 グリコシン リミテッド ライアビリティー カンパニー フコシル化オリゴ糖の生産において使用するためのα(1,3)フコシルトランスフェラーゼ
US9616114B1 (en) 2014-09-18 2017-04-11 David Gordon Bermudes Modified bacteria having improved pharmacokinetics and tumor colonization enhancing antitumor activity
GB2551642B (en) 2014-10-31 2020-09-23 Pendulum Therapeutics Inc Methods and compositions relating to microbial treatment and diagnosis of disorders
EP3050973A1 (en) * 2015-01-30 2016-08-03 Jennewein Biotechnologie GmbH Fermentation process for producing monosaccharides in free form from nucleotide-activated sugars
KR101794971B1 (ko) * 2016-02-02 2017-11-08 서울대학교 산학협력단 α-1,3-푸코실락토오즈의 대량 생산 방법
CN105695537B (zh) * 2016-02-29 2019-11-19 福建农林大学 一种降血糖及调节肠道菌群的糖基化浒苔寡糖制备方法
PL3315610T3 (pl) 2016-10-29 2021-06-14 Jennewein Biotechnologie Gmbh Sposób wytwarzania fukozylowanych oligosacharydów
US11129906B1 (en) 2016-12-07 2021-09-28 David Gordon Bermudes Chimeric protein toxins for expression by therapeutic bacteria
US11180535B1 (en) 2016-12-07 2021-11-23 David Gordon Bermudes Saccharide binding, tumor penetration, and cytotoxic antitumor chimeric peptides from therapeutic bacteria
CN106434590A (zh) * 2016-12-13 2017-02-22 福建农林大学 一种岩藻糖基转移酶及其基因工程菌和应用
CN106434591A (zh) * 2016-12-13 2017-02-22 福建农林大学 一种岩藻糖基转移酶及其应用
KR101794972B1 (ko) * 2017-01-26 2017-11-08 서울대학교 산학협력단 α-1,3-푸코실락토오즈의 대량 생산 방법
EP3613858B1 (en) * 2017-04-21 2024-03-13 Seoul National University R&DB Foundation Method for producing 3'-fucosyllactose using corynebacterium glutamicum
EP3425052A1 (en) 2017-07-07 2019-01-09 Jennewein Biotechnologie GmbH Fucosyltransferases and their use in producing fucosylated oligosaccharides
WO2019046646A1 (en) 2017-08-30 2019-03-07 Whole Biome Inc. METHODS AND COMPOSITIONS FOR THE TREATMENT OF MICROBIOMA ASSOCIATED DISORDERS
KR20200091438A (ko) * 2017-11-30 2020-07-30 글리콤 에이/에스 미생물총 조절을 위한 인간 밀크 올리고당 및 그의 합성 조성물
KR20210107736A (ko) * 2018-12-18 2021-09-01 인바이오스 엔.브이. 3-푸코실락토스 및 락토스 전환 α-1,3-푸코실트란스퍼라제 효소를 제조하는 방법
EP3751003A1 (en) 2019-06-12 2020-12-16 Jennewein Biotechnologie GmbH Production of fucosylated oligosaccharides in bacillus
CN115058465A (zh) * 2022-06-30 2022-09-16 山东大学 一种岩藻糖基化软骨素及其制备方法和应用
CN117187206B (zh) * 2023-05-19 2024-06-18 无锡特殊食品与营养健康研究院有限公司 肠道微生物来源的岩藻糖基转移酶及其应用

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2125092C1 (ru) * 1991-10-15 1999-01-20 Дзе Скриппс Рисерч Инститьют Способ получения фукозилированного углевода, способ получения фукозилированной сиалилированной углеводной молекулы, реакционная система in vitro
EP0621337A1 (en) * 1993-01-25 1994-10-26 American Cyanamid Company Codon optimized DNA sequence for insect toxin AaIT
US5922577A (en) * 1995-04-11 1999-07-13 Cytel Corporation Enzymatic synthesis of glycosidic linkages
US5728554A (en) * 1995-04-11 1998-03-17 Cytel Corporation Enzymatic synthesis of glycosidic linkages
WO1998055630A2 (en) 1997-06-06 1998-12-10 The Governors Of The University Of Alberta Alpha-1,3-fucosyltransferase of helicobacter pylori
US6500661B1 (en) * 1998-01-15 2002-12-31 Neose Technologies, Inc. Enzymatic conversion of GDP-mannose to GDP-fucose
AT408446B (de) 1999-02-18 2001-11-26 Altmann Friedrich Dr Fucosyltransferase-gen
FI19992070A (fi) * 1999-09-28 2001-03-28 Jari Natunen Uudet fukosyloidut oligosakkaridit ja menetelmä niiden valmistamiseksi
TWI237527B (en) 2001-11-06 2005-08-01 Delta Optoelectronics Inc Driver apparatus for a flat-type lamp and driving method for the same
US7326770B2 (en) 2004-01-22 2008-02-05 Neose Technologies, Inc. H. pylori fucosyltransferases
CA2573113A1 (en) 2004-07-26 2006-02-09 Enzon Pharmaceuticals, Inc. Optimized interferon-beta gene
AU2007207785B2 (en) * 2006-01-13 2013-11-14 The Government Of The United States, As Represented By The Secretary Of The Department Of Health And Human Services, National Institutes Of Health Codon optimized IL- 15 and IL- 15R-alpha genes for expression in mammalian cells
AU2007353773A1 (en) 2006-12-22 2008-11-27 Dow Agrosciences Llc Plant-made West Nile virus (WNV) vaccines, vectors and plant codon optimized sequences
JP2009095264A (ja) * 2007-10-15 2009-05-07 Univ Of Ryukyus コドン最適化ロイヤリシン遺伝子
EP2379708B1 (en) * 2008-12-19 2016-04-27 Jennewein Biotechnologie GmbH Synthesis of fucosylated compounds

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022168992A1 (ja) 2021-02-08 2022-08-11 協和発酵バイオ株式会社 1,3-フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質及びフコース含有糖質の製造法

Also Published As

Publication number Publication date
US20130217068A1 (en) 2013-08-22
EP2439264B1 (en) 2015-06-03
AU2011315656B2 (en) 2016-01-21
CN103201380B (zh) 2018-07-24
PL2944690T3 (pl) 2018-05-30
AU2011315656A1 (en) 2013-05-02
MY189569A (en) 2022-02-17
DK2439264T3 (en) 2015-08-03
US9441211B2 (en) 2016-09-13
MX344691B (es) 2016-12-29
EP2944690A2 (en) 2015-11-18
DK2944690T3 (en) 2018-04-03
RU2013120902A (ru) 2014-11-20
CN103201380A (zh) 2013-07-10
BR112013008822A2 (pt) 2017-09-19
RU2642307C2 (ru) 2018-01-24
EP2439264A1 (en) 2012-04-11
ES2663627T3 (es) 2018-04-16
WO2012049083A3 (en) 2012-06-14
JP2013541952A (ja) 2013-11-21
NZ609127A (en) 2014-10-31
SG189300A1 (en) 2013-05-31
EP2944690A3 (en) 2016-03-09
WO2012049083A2 (en) 2012-04-19
MX2013004055A (es) 2013-06-05
EP2944690B1 (en) 2017-12-20
BR112013008822A8 (pt) 2023-01-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6097691B2 (ja) 新規フコシルトランスフェラーゼおよびそれらの適用
JP6155196B2 (ja) 新規フコシルトランスフェラーゼおよびそれらの用途
US20220002773A1 (en) Production of 3-fucosyllactose and lactose converting alpha-1,3-fucosyltransferase enzymes
US9109207B2 (en) Construction of new variants of dextransucrase DSR-S by genetic engineering
US20230348944A1 (en) Lactose converting alpha-1,2-fucosyltransferase enzymes
CN108103039B (zh) 一组岩藻糖基转移酶突变体及其筛选方法和应用
JP5951085B2 (ja) 改良型β−フルクトフラノシダーゼ
HU228010B1 (hu) Fruktozil-transzferáz aktivitású enzimeket kódoló nukleinsav-molekulák és alkalmazásuk

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140827

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140904

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20140827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150929

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20151224

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20160126

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20160225

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160329

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160705

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20160930

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20161202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170220

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6097691

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250