JP6095787B2 - 高周波電力増幅器 - Google Patents

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Description

この発明は、主として、VHF帯、UHF帯、マイクロ波帯、およびミリ波帯で使用される高周波電力増幅器に関するものである。
以下の特許文献1には、入力信号を2つに分配して、2つの分配信号を出力する分配線路と、分配線路から出力された一方の分配信号を増幅する第1のFETと、分配線路から出力された他方の分配信号を増幅する第2のFETと、第1のFETにより増幅された分配信号と第2のFETにより増幅された分配信号とを合成し、2つの分配信号の合成信号を出力する合成線路とから構成されている高周波電力増幅器が開示されている。
この高周波電力増幅器では、2つのFETの平衡動作を実現するために、コンデンサと抵抗が並列に接続されている並列回路が、第1のFETの入力端子と第2のFETの入力端子との間と、第1のFETの出力端子と第2のFETの出力端子との間にそれぞれ接続されている。
特開平6-334054号公報(段落番号[0006]、図1)
従来の高周波電力増幅器は以上のように構成されているので、動作周波数が高い場合、コンデンサの良好な特性を得ることが困難であり、2つのFETの平衡動作を実現することができないことがある。一方、動作周波数が低い場合、静電容量が大きなコンデンサを実装する必要がある課題があった。また、コンデンサを実装するため、実装コストの増加等も生じる課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、良好な特性を有するコンデンサや、静電容量が大きなコンデンサを実装することなく、2つの増幅素子の特性差に伴って発生する不均一な電圧分布を解消することができる高周波電力増幅器を得ることを目的とする。
この発明に係る高周波電力増幅器は、入力端子から入力された信号を2つに分配して、第1の分配端子から一方の分配信号を出力するとともに、第2の分配端子から他方の分配信号を出力する分配線路と、分配線路の第1の分配端子から出力された分配信号を増幅する第1の増幅素子と、分配線路の第2の分配端子から出力された分配信号を増幅する第2の増幅素子と、第1の増幅素子により増幅された分配信号と第2の増幅素子により増幅された分配信号とを合成し、2つの分配信号の合成信号を出力端子に出力する合成線路とを設け、分配線路における第1及び第2の分配端子間、第1及び第2の増幅素子により増幅された分配信号を入力する合成線路における第1及び第2の合成端子間のうち、少なくとも一方の端子間に接続され、当該端子間に生じている不均一な電圧分布を解消する同調線路とを備え、同調線路は、入力端子から入力された信号の基本波でn波長(nは自然数)の長さを有する線路で構成されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、分配線路における第1及び第2の分配端子間、合成線路における第1及び第2の合成端子間のうち、少なくとも一方の端子間に、当該端子間に生じている不均一な電圧分布を解消する同調線路を接続するように構成したので、良好な特性を有するコンデンサや、静電容量が大きなコンデンサを実装することなく、2つの増幅素子の特性差に伴って発生する不均一な電圧分布を解消することができる効果がある。
この発明の実施の形態1による高周波電力増幅器を示す構成図である。 この発明の実施の形態1による高周波電力増幅器の一例を示す模式図である。 図1の高周波電力増幅器を誘電体基板上に金属パターンのマイクロストリップラインで実現した場合の回路パターンを示す模式図である。 この発明の実施の形態1による高周波電力増幅器の増幅素子6,8を示す構成図である。 1つの増幅素子の製作誤差xに対する出力電力及び電力付加効率の特性を示す説明図である。 この発明の実施の形態2による高周波電力増幅器を示す構成図である。 図6の高周波電力増幅器を誘電体基板上に金属パターンのマイクロストリップラインで実現した場合の回路パターンを示す模式図である。 1つの増幅素子の製作誤差xに対する出力電力及び電力付加効率の特性を示す説明図である。 この発明の実施の形態3による高周波電力増幅器を示す構成図である。 図9の高周波電力増幅器を誘電体基板上に金属パターンのマイクロストリップラインで実現した場合の回路パターンを示す模式図である。 この発明の実施の形態4による高周波電力増幅器を示す構成図である。 1/2倍波同相モードにおける1つの増幅素子の周辺の等価回路である。 1/2倍波逆相モードにおける1つの増幅素子の周辺の等価回路である。 基本波逆相モードにおける1つの増幅素子の周辺の等価回路である。 基本波同相モードにおける1つの増幅素子の周辺の等価回路である。 図15の高周波電力増幅器の伝送線路の部分を誘電体基板上に金属パターンによって形成し、発振抑制用抵抗を誘電体基板上の薄膜抵抗によって実現した場合の回路パターンを示す模式図である。 1つの増幅素子の製作誤差xに対する出力電力及び電力付加効率の特性を示す説明図である。 この発明の実施の形態1,4における小信号利得の周波数特性を示す説明図である。 この発明の実施の形態4による簡易型の高周波電力増幅器を示す構成図である。 この発明の実施の形態4による他の高周波電力増幅器を示す構成図である。 この発明の実施の形態5による高周波電力増幅器を示す構成図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による高周波電力増幅器を示す構成図である。
図1において、入力端子1は増幅対象の信号を入力する端子である。
分配線路2は一端が入力端子1と接続され、他端が分配端子3(第1の分配端子)と接続されている線路であり、分配線路2はインピーダンスがZ0iで、入力端子1から入力された信号の基本波で4分の1波長(=λ/4)の長さを有している。
分配線路4は一端が入力端子1と接続され、他端が分配端子5(第2の分配端子)と接続されている線路であり、分配線路4はインピーダンスがZ0iで、入力端子1から入力された信号の基本波で4分の1波長(=λ/4)の長さを有している。
なお、分配線路2と分配線路4のインピーダンスはZ0iで同一であるため、入力端子1から入力された信号は、2つに均等に分配され、一方の分配信号は分配端子3に出力され、他方の分配信号は分配端子3に出力される。
図1の例では、分配線路2と分配線路4が別々に設けられているが、1本の線路で分配線路2,4が形成され、1本の線路の中間点に入力端子1が接続されていてもよい。
増幅素子6は例えばFETなどから構成されており、分配線路2から分配端子3に出力された信号(分配信号)を入力し、その分配信号を増幅して、増幅後の分配信号を合成端子7(第1の合成端子)に出力する。なお、増幅素子6は第1の増幅素子を構成している。
増幅素子8は例えばFETなどから構成されており、分配線路4から分配端子5に出力された信号(分配信号)を入力し、その分配信号を増幅して、増幅後の分配信号を合成端子9(第2の合成端子)に出力する。なお、増幅素子8は第2の増幅素子を構成している。
合成線路10は一端が合成端子7と接続され、他端が出力端子12と接続されている線路であり、合成線路10はインピーダンスがZ0oで、入力端子1から入力された信号の基本波で4分の1波長(=λ/4)の長さを有している。
合成線路11は一端が合成端子9と接続され、他端が出力端子12と接続されている線路であり、合成線路11はインピーダンスがZ0oで、入力端子1から入力された信号の基本波で4分の1波長(=λ/4)の長さを有している。
出力端子12は合成線路10から出力された信号と合成線路11から出力された信号との合成信号を出力する端子である。
図1の例では、合成線路10と合成線路11が別々に設けられているが、1本の線路で合成線路10,11が形成され、1本の線路の中間点に出力端子12が接続されていてもよい。
同調線路13は分配端子3と分配端子5の間に接続されており、同調線路13はインピーダンスがZ0isで、入力端子1から入力された信号の基本波で1波長(=λ)の長さを有している。ここでは、同調線路13が1波長(=λ)の長さを有している例を説明するが、同調線路13の長さは1波長に限るものではなく、n波長(nは自然数)であればよい。
同調線路14は合成端子7と合成端子9の間に接続されており、同調線路14はインピーダンスがZ0osで、入力端子1から入力された信号の基本波で1波長(=λ)の長さを有している。ここでは、同調線路14が1波長(=λ)の長さを有している例を説明するが、同調線路14の長さは1波長に限るものではなく、n波長(nは自然数)であればよい。
図1の例では、同調線路13と同調線路14の双方を実装しているが、同調線路13又は同調線路14の少なくとも一方が実装されていればよく、増幅素子6と増幅素子8の特性差に伴って発生する不均一な電圧分布を解消することができる。
図2はこの発明の実施の形態1による高周波電力増幅器の一例を示す模式図である。
図2の例では、入力端子1、分配線路2,4、分配端子3,5及び同調線路13が誘電体基板上に金属パターンによって実現されており、入力端子1、分配線路2,4、分配端子3,5及び同調線路13を実装している分配器用誘電体基板21が示されている。
また、合成端子7,9、合成線路10,11、出力端子12及び同調線路14が誘電体基板上に金属パターンによって実現されており、合成端子7,9、合成線路10,11、出力端子12及び同調線路14を実装している合成器用誘電体基板22が示されている。
また、分配器用誘電体基板21と増幅素子6,8の間は金属ワイヤ23,24で接続され、増幅素子6,8と合成器用誘電体基板22の間は金属ワイヤ25,26で接続されている。
図2の例では、分配線路2と分配線路4が1本の線路で形成されており、1本の線路の中間点に入力端子1が接続されている。
また、図2の例では、合成線路10と合成線路11が1本の線路で形成されており、1本の線路の中間点に出力端子12が接続されている。
なお、図2では、同調線路13,14が誘電体基板上に金属パターンで実現されている例を示しているが、同調線路13,14の一部が金属ワイヤ等で実現されていてもよい。
図3は図1の高周波電力増幅器を誘電体基板上に金属パターンのマイクロストリップラインで実現した場合の回路パターンを示す模式図である。
図3に示すように、回路規模の制約上、入力端子1に対して、分配線路2,4や合成線路10,11の一部が、信号の進行方向に対して、垂直になるように配置されることがある。
上記の特許文献1に開示されている高周波電力増幅器では、2つのFETの平衡動作を実現するために、コンデンサと抵抗が並列に接続されている並列回路を接続するが、入力端子1に対して、分配線路2,4や合成線路10,11の一部が、信号の進行方向に対して、垂直になるように配置される場合、その並列回路の2つの接続点は、空間的な距離が大きくなるため、その並列回路を接続することが困難な場合がある。
しかし、この実施の形態1では、1波長(=λ/4)の長さを有する同調線路13,14を接続するものであるため、2つの分配端子3,5間や、2つの合成端子7,9間が空間的に離れていても、容易に接続することができる。
図4はこの発明の実施の形態1による高周波電力増幅器の増幅素子6,8を示す構成図である。
図4では、1/4波長線路分配合成器を2段にして電界効果トランジスタを4合成している例を示している。
ただし、増幅素子6や増幅素子8は、図4の構成の増幅素子に限るものではなく、基本的に増幅作用を有す回路であればよい。
次に動作について説明する。
入力端子1から入力された信号は、分配線路2,4によって2分配され、一方の分配信号は増幅素子6に出力され、他方の分配信号は増幅素子8に出力される。
増幅素子6は、分配線路2から出力された分配信号を入力すると、その分配信号を増幅して、増幅後の分配信号を合成線路10に出力する。
また、増幅素子8は、分配線路4から出力された分配信号を入力すると、その分配信号を増幅して、増幅後の分配信号を合成線路11に出力する。
これにより、増幅素子6による増幅後の分配信号と増幅素子8による増幅後の分配信号が合成線路10,11で合成され、その合成信号が出力端子12に出力される。
ただし、増幅素子6と増幅素子8の間に特性差がある場合、増幅素子6と増幅素子8の間で入・出力電圧に不均一が生じ、増幅素子6,8が本来有している性能を発揮することができなくなる。
この不均一な電圧分布は、逆相モード電圧と呼ばれる成分によるものであり、逆相モード電圧を打ち消すことができれば、この不均一性を改善して、増幅素子6,8が本来有している性能を発揮することができるようになる。
高周波電力増幅器は、分配線路や合成線路を含む全体が、入力端子1及び出力端子12を中心として対象になるように設計されているので、逆相モード電圧は、高周波電力増幅器全体の中心線上にある分岐点・合成点を節とする定在波を形成する。
節・腹は、定在波の性質より、1/4波長離れる毎に交互に現れるので、分岐点・合成点から1/4波長離れている点は、逆相モード電圧の定在波の腹となる。
また、2つの分配線路2,4(または、合成線路10,11)に沿って、分岐点(または合成点)から1/4波長離れた2点間は、合計1/2波長離れた2点となるため、逆相モード電圧の定在波の逆相となる2点である。したがって、この2点間の電位差が最も逆相モード電圧の定在波を反映した電圧となる。
一方、1波長の長さを有する線路は、線路の両端で、電圧が同じになる特徴を有している。n波長の長さを有する線路についても、1波長の長さを有する線路と同様に、線路の両端で、電圧が同じになる特徴を有している。
この実施の形態1では、1波長の長さを有する線路で同調線路13,14を構成し、2つの分配端子3,5の間に同調線路13を接続して、2つの合成端子7,9の間に同調線路14を接続すると、同調線路13,14が、2つの分配端子3,5の間や、2つの合成端子7,9の間に生じている逆相モード電圧の定在波による電位差を無くすように動作して、逆相モード電圧が存在できなくなる。
この結果、増幅素子6と増幅素子8の間に特性差があっても、高周波電力増幅器の全体として、増幅素子6,8の固有の性能を発揮することができるようになる。
ここで、図5は1つの増幅素子の製作誤差xに対する出力電力及び電力付加効率の特性を示す説明図である。
特に、図5(a)は製作誤差xに対する出力電力の変動を表しており、図5(b)は製作誤差xに対する電力付加効率の変動を表している。
図5において、実線は同調線路13,14が有る場合の特性を示し、破線は同調線路13,14が無い場合の特性を示している。
同調線路13,14が無い場合、1つの増幅素子の製作誤差xに対して、特性が急峻に変化しているが、同調線路13,14が有る場合、多少の製作誤差xがあっても、特性の低下が小さくなっている。
これにより、増幅素子の製作誤差xが、ある確率分布を持って発生するとしても、増幅素子の歩留まりを高めることができる。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、分配線路2,4における分配端子3と分配端子5の間に同調線路13を接続するとともに、合成線路10,11における合成端子7と合成端子9の間に同調線路14を接続するように構成したので、良好な特性を有するコンデンサや、静電容量が大きなコンデンサを実装することなく、2つの増幅素子6,8の特性差に伴って発生する不均一な電圧分布を解消することができる効果を奏する。
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2による高周波電力増幅器を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
同調線路31は分配端子3と分配端子5の間に接続されており、1/2波長未満線路32及び同調コンデンサ33,34が直列に接続されている直列回路で構成されている。
1/2波長未満線路32はインピーダンスがZ0isで、線路長が入力端子1から入力された信号の基本波で2分の1波長(=λ/2)より短い長さである。
同調線路35は合成端子7と合成端子9の間に接続されており、1/2波長未満線路36及び同調コンデンサ37,38が直列に接続されている直列回路で構成されている。
1/2波長未満線路36はインピーダンスがZ0osで、線路長が入力端子1から入力された信号の基本波で2分の1波長(=λ/2)より短い長さである。
図6の例では、同調線路31と同調線路35の双方を実装しているが、同調線路31又は同調線路35の少なくとも一方が実装されていればよく、増幅素子6と増幅素子8の特性差に伴って発生する不均一な電圧分布を解消することができる。
上記実施の形態1では、基本波で1波長(=λ)の長さを有している同調線路13,14を端子間に接続しているものを示したが、同調線路13,14の代わりに、1/2波長未満線路32及び同調コンデンサ33,34が直列に接続されている同調線路31と、1/2波長未満線路36及び同調コンデンサ37,38が直列に接続されている同調線路35とを端子間に接続するようにしてもよい。
なお、1/2波長未満線路32(1/2波長未満線路36)と同調コンデンサ33,34(同調コンデンサ37,38)を直列に接続している直列回路は、基本波で共振するように選択すると最も効果的である。
図7は図6の高周波電力増幅器を誘電体基板上に金属パターンのマイクロストリップラインで実現した場合の回路パターンを示す模式図である。
図7では、同調コンデンサ33,34,37,38を金属パターンによるインターディジタルキャパシタによって実現しているが、モノリシックマイクロ波集積回路でよく用いられるメタル・インシュレータ・メタルコンデンサ (以下、「MIMコンデンサ」と称する)や、チップコンデンサなどによって実現してもよい。
次に動作について説明する。
1/2波長未満の線路は、逆相モードを考えると、中心点で電圧定在波の節となり、仮想接地点と考えることができる。
中心点が仮想接地点になると、コンデンサが接続される点までは1/4波長以下であるから、コンデンサが接続される点から見たインピーダンスは、誘導性のリアクタンスになる。
この実施の形態2では、この誘導性リアクタンスと直列に、同調コンデンサ33,34,37,38の容量性リアクタンスを挿入しているので、同調線路31,35は直列共振を起こすようになる。このため、同調線路31,35は、上記実施の形態1における1波長線路の同調線路13,14と同様の作用をもたらすようになる。
ここで、図8は1つの増幅素子の製作誤差xに対する出力電力及び電力付加効率の特性を示す説明図である。
特に、図8(a)は製作誤差xに対する出力電力の変動を表しており、図8(b)は製作誤差xに対する電力付加効率の変動を表している。
図8において、実線は同調線路31,35が有る場合の特性を示し、破線は同調線路31,35が無い場合の特性を示している。
同調線路31,35が無い場合、1つの増幅素子の製作誤差xに対して、特性が急峻に変化しているが、同調線路31,35が有る場合、多少の製作誤差xがあっても、特性の低下が小さくなっている。
これにより、増幅素子の製作誤差xが、ある確率分布を持って発生するとしても、増幅素子の歩留まりを高めることができる。
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、分配端子3と分配端子5の間に接続する同調線路31として、基本波で2分の1波長(=λ/2)より短い長さの線路である1/2波長未満線路32と同調コンデンサ33,34の直列回路で構成し、合成端子7と合成端子9の間に接続する同調線路35として、基本波で2分の1波長(=λ/2)より短い長さの線路である1/2波長未満線路36と同調コンデンサ37,38の直列回路で構成しているので、上記実施の形態1と同様に、2つの増幅素子6,8の特性差に伴って発生する不均一な電圧分布を解消することができるほか、同調線路31,35の線路長を1波長より短くすることができるため、上記実施の形態1よりも、同調線路31,35が占める回路面積を削減することができる効果を奏する。
実施の形態3.
図9はこの発明の実施の形態3による高周波電力増幅器を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
同調線路41は分配端子3と分配端子5の間に接続されており、同調コイル42と同調コンデンサ43が直列に接続されている直列回路で構成されている。同調コイル42と同調コンデンサ43は基本波において直列共振が生じるよう選択されると最も効果的である。
同調線路44は合成端子7と合成端子9の間に接続されており、同調コイル45と同調コンデンサ46が直列に接続されている直列回路で構成されている。同調コイル45と同調コンデンサ46は基本波において直列共振が生じるよう選択されると最も効果的である。
図9の例では、同調線路41と同調線路44の双方を実装しているが、同調線路41又は同調線路44の少なくとも一方が実装されていればよく、増幅素子6と増幅素子8の特性差に伴って発生する不均一な電圧分布を解消することができる。
図10は図9の高周波電力増幅器を誘電体基板上に金属パターンのマイクロストリップラインで実現した場合の回路パターンを示す模式図である。
図10では、同調コンデンサ43,46を金属パターンによるインターディジタルキャパシタによって実現しているが、モノリシックマイクロ波集積回路でよく用いられるMIMコンデンサや、チップコンデンサなどによって実現してもよい。
図10では、同調コイル42,45をスパイラルインダクタと取り出しワイヤによって実現しているが、ワイヤのみや、チップインダクタで実現してもよい。
上記実施の形態1では、基本波で1波長(=λ)の長さを有している同調線路13,14を端子間に接続しているものを示したが、同調線路13,14の代わりに、同調コイル42と同調コンデンサ43が直列に接続されている同調線路41と、同調コイル45と同調コンデンサ46が直列に接続されている同調線路44とを端子間に接続するようにしてもよい。
この場合、同調線路41における同調コイル42と同調コンデンサ43が直列共振を起こし、同調線路44における同調コイル45と同調コンデンサ46が直列共振を起こすため、同調線路41,44は、上記実施の形態1における1波長線路の同調線路13,14と同様の作用をもたらすようになる。
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、分配端子3と分配端子5の間に接続する同調線路41として、同調コイル42と同調コンデンサ43の直列回路で構成し、合成端子7と合成端子9の間に接続する同調線路44として、同調コイル45と同調コンデンサ46の直列回路で構成しているので、上記実施の形態1と同様に、2つの増幅素子6,8の特性差に伴って発生する不均一な電圧分布を解消することができるほか、1波長の線路長を接続する必要がないため、上記実施の形態1よりも、同調線路41,44が占める回路面積を削減することができる効果を奏する。
実施の形態4.
図11はこの発明の実施の形態4による高周波電力増幅器を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
同調線路51は分配端子3と分配端子5の間に接続されており、同調線路51は1/2波長線路52,53及び発振抑制用抵抗54,55,56が直列に接続されて構成されている。
ここでは、同調線路51が1波長(=λ)の長さを有している例を説明するが、同調線路51の長さは1波長に限るものではなく、n波長(nは自然数)であればよい。
1/2波長線路52,53はインピーダンスがZ0isで、線路長が入力端子1から入力された信号の基本波で2分の1波長(=λ/2)の長さである。
発振抑制用抵抗54は発振を抑制する目的で、同調線路51に装荷されている抵抗値Ri,1の抵抗である。
発振抑制用抵抗55は発振を抑制する目的で、同調線路51に装荷されている抵抗値Ri,2の抵抗である。
発振抑制用抵抗56は発振を抑制する目的で、同調線路51に装荷されている抵抗値Ri,1の抵抗である。
同調線路61は合成端子7と合成端子9の間に接続されており、同調線路61は1/2波長線路62,63及び発振抑制用抵抗64,65,66が直列に接続されて構成されている。
ここでは、同調線路61が1波長(=λ)の長さを有している例を説明するが、同調線路61の長さは1波長に限るものではなく、n波長(nは自然数)であればよい。
1/2波長線路62,63はインピーダンスがZ0osで、線路長が入力端子1から入力された信号の基本波で2分の1波長(=λ/2)の長さである。
発振抑制用抵抗64は発振を抑制する目的で、同調線路61に装荷されている抵抗値Ro,1の抵抗である。
発振抑制用抵抗65は発振を抑制する目的で、同調線路61に装荷されている抵抗値Ro,2の抵抗である。
発振抑制用抵抗66は発振を抑制する目的で、同調線路61に装荷されている抵抗値Ro,1の抵抗である。
上記実施の形態1では、基本波で1波長(=λ)の長さを有している同調線路13,14を端子間に接続しているものを示したが、同調線路13,14において、低周波領域の発振を起こす可能性がある。
この実施の形態4では、基本波で1波長(=λ)の長さを有している同調線路を二等分し、2つの1/2波長線路52,53(1/2波長線路62,63)と直列に発振抑制用抵抗54,55,56(発振抑制用抵抗64,65,66)を装荷することで、低周波領域の発振の可能性を低減できるようにしている。
最初に、図1の同調線路13,14で起こる可能性がある1/2倍波発振について説明する。
同調線路13,14は、同相モードで励振されると、周波数に依らず、対称性から中心で電圧定在波の腹となる。
このとき、周波数が基本波の半分(以下、1/2倍波)の波を考えると、同調線路13,14の中心で定在波の腹となるから、同調線路13,14の両端を考えると、1/2倍波では、1/4波長位置が異なるので、腹と節の関係が逆転して節となる。電圧定在波の節は、仮想的な接地点と考えることができるため、分配端子3,5及び合成端子7,9が仮想接地点となる。
分配端子3,5及び合成端子7,9が仮想接地されると、分配端子3,5及び合成端子7,9で電磁波が強い反射を起こすようになる。分配端子3,5及び合成端子7,9で強い反射が生じると、増幅素子6,8から回路側を見たときの反射係数が大きくなり、最悪の場合、発振してしまう可能性がある。
次に、発振抑制用抵抗54,55,56(発振抑制用抵抗64,65,66)を装荷することで、1/2倍波発振が起こる可能性が低減される理由について説明する。
1/2倍波の同相モードにおいて、同調線路51,61の両端が仮想接地点となることは、上記実施の形態1の場合と同様である。
しかし、この実施の形態4では、同調線路51(同調線路61)の両端に、発振抑制用抵抗54,56(発振抑制用抵抗64,66)を装荷するとともに、1/2波長線路52と1/2波長線路53の間(1/2波長線路62と1/2波長線路63の間)に、発振抑制用抵抗55(発振抑制用抵抗65)を装荷しているため、分配線路2,4と同調線路51の接続点である分配端子3,5が仮想接地点とはならず、また、合成線路10,11と同調線路61の接続点である合成端子7,9が仮想接地点とはならない。
分配端子3,5では、発振抑制用抵抗54,56が主線路に対して並列に接続されたように動作し、合成端子7,9では、発振抑制用抵抗64,66が主線路に対して並列に接続されたように動作する。
ここで、図12は1つの増幅素子の周辺の等価回路である。
1/2倍波同相モードの電磁波は、発振抑制用抵抗54,56の抵抗値Ri,1及び発振抑制用抵抗64,66の抵抗値Ro,1を適切に選べば、発振抑制用抵抗54,56,64,66によって消費される。
したがって、分配端子3,5及び合成端子7,9で強い反射が生じずに、反射係数が小さくなるため、1/2倍波の同相モードでの発振の可能性が減少する。
一方、1/2倍波の逆相モードの場合を考えると、発振抑制用抵抗55(発振抑制用抵抗65)の中心点が電圧定在波の節となる。
したがって、仮想接地点は、発振抑制用抵抗55(発振抑制用抵抗65)の中心となる。このため、発振抑制用抵抗55(発振抑制用抵抗65)の半分の抵抗値Ri,2/2(Ro,2/2)に、1/4波長線路(基本波においては1/2波長線路)が接続されたのち、発振抑制用抵抗54,56(発振抑制用抵抗64,66)が接続された回路とみなすことができる。
この場合、主線路に対して、下記の式(1)が示す抵抗値Ri,odd,1/2f0,Ro,odd,1/2f0を有する抵抗が並列に接続されたように動作する。この場合、図13に示す等価回路で考えることができる。
Figure 0006095787
1/2倍波逆相モードの電磁波は、発振抑制用抵抗55,65の抵抗値Ri,2,Ro,2及び1/2波長線路52,53,62,63の特性インピーダンスを適切に選択すれば、
発振抑制用抵抗55,65によって消費される。
したがって、分配端子3,5及び合成端子7,9で強い反射が生じずに、反射係数が小さくなるため、1/2倍波の逆相モードでの発振の可能性が減少する。
この実施の形態4では、発振抑制用抵抗54,55,56(発振抑制用抵抗64,65,66)が同調線路51(同調線路61)に装荷されているが、発振抑制用抵抗54,55,56(発振抑制用抵抗64,65,66)が装荷されていることで、上記実施の形態1と少し異なる理由で、増幅素子の歩留まりを高めることができる。
同調線路51,61における基本波の逆相モードの電圧定在波を考えると、対称性から発振抑制用抵抗55,65の中心点が電圧定在波の節となる。
このため、発振抑制用抵抗55,65の中心が仮想接地点となり、発振抑制用抵抗55(発振抑制用抵抗65)の半分の抵抗値Ri,2/2(Ro,2/2)に、1/4波長線路(基本波においては1/2波長線路)が接続されたのち、発振抑制用抵抗54,56(発振抑制用抵抗64,66)が接続された回路とみなすことができる。
したがって、分配線路2,4及び合成線路10,11に対して、下記の式(2)が示す抵抗値Ri,odd,f0,Ro,odd,f0を有する抵抗が並列に接続されたように動作する。
Figure 0006095787
ここで、図14は基本波逆相モードにおける1つの増幅素子の周辺の等価回路である。
増幅素子6,8の周辺は、図14に示す等価回路で考えることができるので、基本波の逆相モードの電磁波は、発振抑制用抵抗54,55,56(発振抑制用抵抗64,65,66)の抵抗値Ri,1,Ri,2(Ro,1,Ro,2)を適切に選択すれば、発振抑制用抵抗54,55,56(発振抑制用抵抗64,65,66)によって消費される。
一方、基本波の同相モードの電圧定在波を考えると、発振抑制用抵抗55(発振抑制用抵抗65)の中心点が電圧定在波の腹となる。したがって、発振抑制用抵抗55(発振抑制用抵抗65)には全く同相モードの電流は流れない。このため、同調線路51,61の中心側の端子は仮想解放点とみなすことができる。
その仮想解放点から1/2波長線路52,53(1/2波長線路62,63)が接続されているが、1/2波長線路52,53(1/2波長線路62,63)は、定在波の腹と節の関係が二回反転するため、発振抑制用抵抗54,56(発振抑制用抵抗64,66)との接続点は腹となる。
したがって、1/2波長線路52,53(1/2波長線路62,63)の発振抑制用抵抗54,56(発振抑制用抵抗64,66)との接続点は仮想解放点とみなすことができる。このため、発振抑制用抵抗54,56(発振抑制用抵抗64,66)には電流が流れず、発振抑制用抵抗54,56(発振抑制用抵抗64,66)は接続されていないのと同様とみなすことができる(図15を参照)。
図15は基本波同相モードにおける1つの増幅素子の周辺の等価回路である。
以上のことから、増幅素子6と増幅素子8間の不平衡動作の原因である基本波逆相モードの電磁波を吸収する一方、増幅に必要な基本波同相モードの電磁波を吸収しないことが分かる。これによって、不均一動作を解消して、増幅素子6,8が持つ性能を十分に発揮させることができる。
ここで、図16は図15の高周波電力増幅器の伝送線路の部分を誘電体基板上に金属パターンによって形成し、発振抑制用抵抗を誘電体基板上の薄膜抵抗によって実現した場合の回路パターンを示す模式図である。
発振抑制用抵抗54,55,56(発振抑制用抵抗64,65,66)については薄膜抵抗のみに限らず、表面実装型等であってもよい。
図17は1つの増幅素子の製作誤差xに対する出力電力及び電力付加効率の特性を示す説明図である。
特に、図17(a)は製作誤差xに対する出力電力の変動を表しており、図17(b)は製作誤差xに対する電力付加効率の変動を表している。
図17において、実線は同調線路51,61が有る場合の特性を示し、破線は同調線路51,61が無い場合の特性を示している。
同調線路51,61が無い場合、1つの増幅素子の製作誤差xに対して、特性が急峻に変化しているが、同調線路51,61が有る場合、多少の製作誤差xがあっても、特性の低下が小さくなっている。
これにより、増幅素子の製作誤差xが、ある確率分布を持って発生するとしても、増幅素子の歩留まりを高めることができる。
また、図18は実施の形態1,4における小信号利得の周波数特性を示す説明図である。
図18において、横軸は基本波の周波数で規格化した周波数を百分率で表示している。
基本波(規格化周波数:100%)においては、上記実施の形態1と実施の形態4の結果に大きな差異はないが、1/2倍波(規格化周波数:50%)付近では、大きな差異がある。
即ち、上記実施の形態1では、利得が急峻に変化して、異常に利得が高くなる点があるのに対して、この実施の形態4では、利得の変化が滑らかであり、異常に利得が高くなる点がない。これは1/2倍波の発振に対して安定化できていることを表している。
この実施の形態4では、発振抑制用抵抗54,55,56(発振抑制用抵抗64,65,66)が同調線路51(同調線路61)に装荷されているものを示したが、図19に示すように、発振抑制用抵抗54,56(発振抑制用抵抗64,66)については装荷せずに、発振抑制用抵抗55(発振抑制用抵抗65)だけが同調線路51(同調線路61)に装荷されていてもよい。
この場合でも、基本波の逆相モードが発振する可能性を低減することができる。
また、この実施の形態4では、発振抑制用抵抗54,55,56(発振抑制用抵抗64,65,66)が同調線路51(同調線路61)に装荷されているものを示したが、図20に示すように、さらに、同調コンデンサ57,58が同調線路51に装荷され、同調コンデンサ67,68が同調線路61に装荷されていてもよい。
実施の形態5.
図21はこの発明の実施の形態5による高周波電力増幅器を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
同調線路71は分配端子3と分配端子5の間に接続されており、同調線路71は1/4波長線路72,74と1/2波長線路73の直列回路と、抵抗とバイアスカット用コンデンサが直列に接続されている接地用の回路とから構成されている。
ここでは、同調線路71が1波長(=λ)の長さを有している例を説明するが、同調線路71の長さは1波長に限るものではなく、n波長(nは自然数)であればよい。
1/4波長線路72,74はインピーダンスがZ0isで、線路長が入力端子1から入力された信号の基本波で4分の1波長(=λ/4)の長さである。
1/2波長線路73はインピーダンスがZ0isで、線路長が入力端子1から入力された信号の基本波で2分の1波長(=λ/2)の長さである。
発振抑制用抵抗75は発振を抑制する目的で接続されている抵抗値Ri,1の抵抗であり、発振抑制用抵抗75の一端は1/4波長線路72と1/2波長線路73の間、即ち、同調線路71の中心から基本波で1/4波長離れている点に接続されている。
バイアスカット用コンデンサ76はバイアスをカットする目的で接続されているコンデンサである。
発振抑制用抵抗77は発振を抑制する目的で接続されている抵抗値Ri,1の抵抗であり、発振抑制用抵抗77の一端は1/4波長線路74と1/2波長線路73の間、即ち、同調線路71の中心から基本波で1/4波長離れている点に接続されている。
バイアスカット用コンデンサ78はバイアスをカットする目的で接続されているコンデンサである。
同調線路81は合成端子7と合成端子9の間に接続されており、同調線路81は1/4波長線路82,84と1/2波長線路83の直列回路と、抵抗とバイアスカット用コンデンサが直列に接続されている接地用の回路とから構成されている。
ここでは、同調線路81が1波長(=λ)の長さを有している例を説明するが、同調線路81の長さは1波長に限るものではなく、n波長(nは自然数)であればよい。
1/4波長線路82,84はインピーダンスがZ0osで、線路長が入力端子1から入力された信号の基本波で4分の1波長(=λ/4)の長さである。
1/2波長線路83はインピーダンスがZ0osで、線路長が入力端子1から入力された信号の基本波で2分の1波長(=λ/2)の長さである。
発振抑制用抵抗85は発振を抑制する目的で接続されている抵抗値Ro,1の抵抗であり、発振抑制用抵抗85の一端は1/4波長線路82と1/2波長線路83の間、即ち、同調線路81の中心から基本波で1/4波長離れている点に接続されている。
バイアスカット用コンデンサ86はバイアスをカットする目的で接続されているコンデンサである。
発振抑制用抵抗87は発振を抑制する目的で接続されている抵抗値Ro,1の抵抗であり、発振抑制用抵抗87の一端は1/4波長線路84と1/2波長線路83の間、即ち、同調線路81の中心から基本波で1/4波長離れている点に接続されている。
バイアスカット用コンデンサ88はバイアスをカットする目的で接続されているコンデンサである。
この実施の形態5における高周波電力増幅器の基本的な動作は、上記実施の形態1と同様であるが、同調線路71(同調線路81)には、発振抑制用抵抗75,77(発振抑制用抵抗85,87)が装荷されているので、上記実施の形態4と同様に、低周波領域の発振の可能性を低減することができる。
なお、この実施の形態5では、バイアスカット用コンデンサ76,78(バイアスカット用コンデンサ86,88)を介して接地しているが、増幅素子6,8に対して、高周波電力増幅器の外側からバイアスを印加しない場合には、バイアスカット用コンデンサ76,78(バイアスカット用コンデンサ86,88)を実装する必要はない。
なお、上記説明では、説明の簡単化のため、主に、2合成増幅器を例に説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、他の合成数の場合でも適用することができる。
また、構成図において、同調線路が分配線路に接続されている形態を記載しているが、本発明はこれに限られるものではなく、同調線路と分配線路を分離しておき、必要に応じてワイヤ又はリボン等で接続する構成でもよい。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
この発明に係る高周波電力増幅器は、分配線路における第1及び第2の分配端子間、合成線路における第1及び第2の合成端子間のうち、少なくとも一方の端子間に同調線路を接続するようにしたので、2つの増幅素子の特性差に伴って発生する不均一な電圧分布を解消することができ、VHF帯、UHF帯、マイクロ波帯、およびミリ波帯で使用するのに好適なものである。
1 入力端子、2 分配線路、3 分配端子(第1の分配端子)、4 分配線路、5 分配端子(第2の分配端子)、6 増幅素子(第1の増幅素子)、7 合成端子(第1の合成端子)、8 増幅素子(第2の増幅素子)、9 合成端子(第2の合成端子)、10 合成線路、11 合成線路、12 出力端子、13 同調線路、14 同調線路、21 分配器用誘電体基板、22 合成器用誘電体基板、23,24,25,26 金属ワイヤ、31 同調線路、32 1/2波長未満線路、33,34 同調コンデンサ、35 同調線路、36 1/2波長未満線路、37,38 同調コンデンサ、41 同調線路、42 同調コイル、43 同調コンデンサ、44 同調線路、45 同調コイル、46 同調コンデンサ、51 同調線路、52,53 1/2波長線路、54,55,56 発振抑制用抵抗、57,58 同調コンデンサ、61 同調線路、62,63 1/2波長線路、64,65,66 発振抑制用抵抗、67,68 同調コンデンサ、71 同調線路、72,74 1/4波長線路、73 1/2波長線路、75,77 発振抑制用抵抗、76 バイアスカット用コンデンサ、81 同調線路、82,84 1/4波長線路、83 1/2波長線路、85,87 発振抑制用抵抗、86 バイアスカット用コンデンサ。

Claims (3)

  1. 入力端子から入力された信号を2つに分配して、第1の分配端子から一方の分配信号を出力するとともに、第2の分配端子から他方の分配信号を出力する分配線路と、
    前記分配線路の第1の分配端子から出力された分配信号を増幅する第1の増幅素子と、
    前記分配線路の第2の分配端子から出力された分配信号を増幅する第2の増幅素子と、
    前記第1の増幅素子により増幅された分配信号と前記第2の増幅素子により増幅された分配信号とを合成し、2つの分配信号の合成信号を出力端子に出力する合成線路と、
    前記分配線路における第1及び第2の分配端子間、前記第1及び第2の増幅素子により増幅された分配信号を入力する前記合成線路における第1及び第2の合成端子間のうち、少なくとも一方の端子間に接続され、当該端子間に生じている不均一な電圧分布を解消する同調線路とを備え、
    前記同調線路は、前記入力端子から入力された信号の基本波でn波長(nは自然数)の長さを有する線路で構成されていることを特徴とする高周波電力増幅器。
  2. 入力端子から入力された信号を2つに分配して、第1の分配端子から一方の分配信号を出力するとともに、第2の分配端子から他方の分配信号を出力する分配線路と、
    前記分配線路の第1の分配端子から出力された分配信号を増幅する第1の増幅素子と、
    前記分配線路の第2の分配端子から出力された分配信号を増幅する第2の増幅素子と、
    前記第1の増幅素子により増幅された分配信号と前記第2の増幅素子により増幅された分配信号とを合成し、2つの分配信号の合成信号を出力端子に出力する合成線路と、
    前記分配線路における第1及び第2の分配端子間、前記第1及び第2の増幅素子により増幅された分配信号を入力する前記合成線路における第1及び第2の合成端子間のうち、少なくとも一方の端子間に接続され、当該端子間に生じている不均一な電圧分布を解消する同調線路とを備え、
    前記同調線路は、前記入力端子から入力された信号の基本波で2分の1波長より短い長さを有する線路と、コンデンサとが直列に接続されている直列回路で構成されていることを特徴とする高周波電力増幅器。
  3. 前記同調線路には、抵抗が装荷されていることを特徴とする請求項1記載の高周波電力増幅器。
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