JP6094875B2 - 現像剤製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真用現像剤の構成材料であるトナー等の粉体とキャリアとを混合し、現像装置で使用する現像剤を現像装置外で製造する現像剤製造方法に関するものである
複写機、プリンタ、ファクシミリ等に用いられる電子写真方式の画像形成装置において、現像剤は最終的に画像を可視化するという重要な役割を担っている。現在主流となっている乾式の二成分現像剤は、キャリアと呼ばれる磁性粒子とトナーと呼ばれる着色剤を含有する樹脂微粒子とを含んで構成される。
このような二成分現像剤は、現像剤中に含まれるトナーの割合であるトナー濃度が均一であることが望まれる。このため、使用前の現像装置に収容される現像剤(以下、「初期剤」という)を製造する現像剤製造工程では、トナーとキャリアとを混合する混合工程で、トナーとキャリアとを均一に混合する必要がある。
特許文献1及び2には、トナーとキャリアとが供給された混合容器を回転させる混合装置を使用する混合工程が記載されている。また、特許文献3には、トナーとキャリアとが供給された混合容器内に配置された攪拌羽根を回転させる混合装置を使用する混合工程が記載されている。
特許文献1乃至3に記載の混合工程で用いる混合装置では、トナーとキャリアとをより均一に混合しようとすると、回転する収容部や攪拌羽根の回転数を多くしたり、回転時間を長くしたりする必要がある。回転数を多くしたり、回転時間を長くしたりすることは、回転を行う駆動源の出力を上げたり、駆動時間を長くしたりする必要があり、駆動源での消費エネルギーの上昇に繋がり、現像剤の製造に要するエネルギーの上昇に繋がる。
なお、現像剤を製造するときに、キャリアと混合する粉体は、トナーに限るものではない。トナーと混合する前のキャリアに対して無機酸化微粒子等のトナー以外の粉体を混合させるものであれば、その粉体とキャリアとを均一に混合しようとすると、同様の問題が生じ得る。
また、上述した説明では、製造する現像剤が初期剤である場合について説明したが、現像装置で使用する現像剤を現像装置外で製造するものであれば同様の問題が生じ得る。例えば、現像剤中のトナーの割合が初期剤よりも多く、現像装置に供給することで装置内の現像剤のトナー濃度を上昇させる共に、現像装置内に新たなキャリアを供給する「プレミックストナー」と呼ばれる補給用現像剤であっても同様の問題が生じ得る。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、粉体とキャリアとの混合工程で混合に要するエネルギーを抑制することが可能な現像剤製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、少なくとも、キャリアと粉体とを混合する混合工程を含む現像剤製造方法において、上記混合工程が、上記キャリアと上記粉体とを自重で落下させながら混合する自重落下混合工程を含み、自重落下混合工程では、上記キャリアと上記粉体とを共に管路内を通過させ、上記管路の内側と外側とを連通する連通開口部を設け、上記管路内に、上記キャリア及び上記粉体の移動方向を制御する方向制御手段を配置し、該方向制御手段として、一つの方向制御部材、または、複数の方向制御部材の特定の組み合わせ、を一単位とし、該一単位を複数個備え、上記連通開口部を、該一単位毎に配置することを特徴とするものである。
従来の現像剤製造方法の混合工程では、キャリアと粉体とのうちの一方を混合物が収容される容器に投入した後に他方を投入し、その後、この容器や攪拌羽根を回転させる混合動作を行っていた。この場合、キャリアと粉体とを容器に入れた状態では、キャリア粒子同士及び粉体粒子同士が隣接した状態となり、粉体とキャリアとの混合はなされていない。
本発明においては、自重落下混合工程では、上記キャリアと上記粉体とを落下経路を落下させながら混合し、自重落下混合工程を通過したあとの粉体とキャリアとはある程度混合された状態となる。また、落下しながら混合する際の粉体とキャリアとの移動は、自重落下による移動であるため、混合のためにエネルギーを必要としない。混合工程が、エネルギーを消費せずにキャリアと粉体との混合を行う自重落下混合工程を含むため、粉体とキャリアとの混合工程で混合に要するエネルギーを抑制することが可能となる。
本発明によれば、現像剤製造方法の粉体とキャリアとの混合工程で、自重落下混合工程を含むことにより、混合に要するエネルギーを抑制することが可能となる、という優れた効果がある。
参考形態1の自重落下混合装置の概略説明図。 本実施形態に係る複写機の構成を説明する概略構成図。 プロセスユニットの一例を示す概略構成図。 リボン型方向制御部材の拡大説明図。 複数分割型方向制御部材の説明図、(a)は側面図、(b)は側方断面図、(c)は上方断面図。 篩型方向制御部材の説明図、(a)は斜視図、(b)は側方断面図。 レデューサー型方向制御部材の説明図、(a)は斜視図、(b)は側方断面図。 参考例1の自重落下混合装置の概略説明図。 参考形態2に係る一つ目の自重落下混合装置の概略説明図。 参考形態2に係る二つ目の自重落下混合装置の概略説明図。 せん断混合装置の他の例の説明図、(a)は斜視図、(b)は側方断面図。 せん断混合装置の二つ目の他の例の説明図。 参考形態3に係る自重落下混合装置の落下経路の概略説明図。 実施形態に係る自重落下混合装置で用いる混合配管の一部の説明図落下経路の概略説明図。 実施形態の自重落下混合装置で用いる混合配管の下方に、せん断混合装置を追加した構成の説明図。 実施例7のせん断混合装置の説明図。 参考4の自重落下混合装置で用いる混合配管とせん断混合装置との説明図。 参考例27のせん断混合装置が備えるせん断混合搬送路の説明図。 参考例28のせん断混合装置が備えるせん断混合搬送路の説明図。 参考例29のせん断混合装置が備えるせん断混合搬送路の説明図。 参考例33のせん断混合装置が備えるせん断混合搬送路の説明図。 参考例34のせん断混合装置が備えるせん断混合搬送路の説明図。 参考例35のせん断混合装置が備えるせん断混合搬送路の説明図。 実施例のせん断混合装置が備えるせん断混合搬送路の説明図。
以下、本発明を、電子写真方式の複写機(以下、単に複写機500という)に適用した実施形態について説明する。まず、本実施形態に係る複写機500の基本的な構成について説明する。
図2は、複写機500の構成を説明する概略構成図である。
図2に示すように、複写機500は、自動原稿搬送装置(ADF101)と、スキャナ部102と、画像形成部103と、給紙部104とを備えている。ADF101は、原稿を搬送するものであり、スキャナ部102は原稿の画像を読み取るものである。画像形成部103は、スキャナ部102で取得された画像データを基に画像形成を行うものであり、給紙部104は画像形成部103に記録媒体たる転写紙を給紙するものである。
図2に示すように、画像形成部103は、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの各色のトナー像を形成する四つのプロセスユニット110(K,M,C,Y)を備えている。図中の符号の添字K,M,C,Yはブラック、マゼンタ、シアン、イエローの各色をそれぞれ示す。
図3は、四つのプロセスユニット110(K,M,C,Y)のうちの一つの説明図であり、四つのプロセスユニット110(K,M,C,Y)は、使用するトナーの色が異なる点以外は、略同一の構成であるため、図3では、各色を示す添字は省略している。また、以下の説明においても、各色を示す添字は適宜省略して説明する。
四つのプロセスユニット110は、それぞれ各色のトナー像を担持する感光体11を備えている。これら各感光体11の周囲には、帯電装置12や、現像装置13、感光体クリーニング装置14等を備えている。帯電装置12は、各感光体11表面を一様に帯電し、現像装置13は、各感光体11表面に形成される静電潜像を現像する。感光体クリーニング装置14は、トナー像転写後の各感光体11表面をクリーニングする。
プロセスユニット110は、図3に示すように、感光体11の周囲に配設される各種装置(12、13、14等)とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するプロセスカートリッジである。そして、プロセスユニット110は、画像形成部103本体に対して、感光体11と各種装置とを一体的に着脱可能になっている。
また、画像形成部103は、帯電装置12によって一様に帯電された各感光体11の表面に、画像情報に応じたレーザ光を照射して静電潜像を形成する光書込装置30を備えている。光書込装置30は、レーザ光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を備え、所定の露光位置において画像データに基づき回転駆動されている各感光体11の表面にレーザ光を主走査方向に走査しながら照射する。
また、画像形成部103は、各感光体11の表面上に形成されたトナー画像を転写紙に転写する転写ユニット20、転写紙上のトナー像を定着せしめる定着装置150等を備えている。
転写ユニット20は、複数の張架ローラ(211、212、213)により張架されて図2中矢印方向に回転駆動する中間転写ベルト21を備えている。転写ユニット20は、四つの感光体11と、所定の電圧が印加される四つの一次転写ローラ23との間に中間転写ベルト21を挟み込んで一次転写ニップを形成する。また、転写ユニット20は二次転写バックアップローラ211と所定の電圧が印加される二次転写ローラ25の間に中間転写ベルト21を挟み込んで二次転写ニップを形成している。さらに、転写ユニット20は、中間転写ベルト21上に残留する転写残トナーを除去するベルトクリーニング装置22等も備えている。
四つのプロセスユニット110に組み込まれた四つの現像装置13には、異なる色のトナーがそれぞれ負帯電状態でキャリアと共に二成分現像剤として収容されている。現像装置13には、感光体11と対向し、その内部に配置された磁界発生手段によって表面に現像剤を担持する現像スリーブ132が配置されている。また、現像装置13には、内部に収容する二成分現像剤と、不図示のトナーボトルから投入されるトナーとを混合し、撹拌しながら搬送する二つのスクリュ部材(133、134)を備える。現像スリーブ132は、感光体11と対向する位置で同方向に表面移動するように回転しながら、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤をその表面に汲み上げ、担持搬送して、感光体11の表面上の潜像にトナーを供給し、トナー像を形成する。
感光体11上に形成された各色トナー像は、一次転写ニップで中間転写ベルト21に順次重ね合わされて転写される。各色トナー像が重ね合わせて転写されることで中間転写ベルト21上に形成された四色トナー像は、二次転写ニップで転写紙に一括転写されることになる。二次転写ニップを通過後に中間転写ベルト21上に残留する転写残トナーは、ベルトクリーニング装置22により除去される。
転写ユニット20の図2中下方には、定着装置150、紙搬送ユニット24、レジストローラ対144等を備えている。紙搬送ユニット24は、二次転写ローラ25と定着装置150との間に無端状の紙搬送ベルトを掛け渡して無端移動させる。レジストローラ対144は、後述する給紙部104により供給された転写紙をローラ間に挟み込み、中間転写ベルト21上の四色トナー像に同期させ得るタイミングで転写紙を二次転写ニップに送り出す。二次転写ニップを通過してフルカラー画像が転写された転写紙は、中間転写ベルト21から離間して、紙搬送ユニット24により定着装置150へと搬送される。定着装置150に搬送された転写紙は、定着装置150内における加圧や加熱によってフルカラー画像が定着させしめられた後、定着装置150から排紙ローラ対147に送られた後、排紙トレイ148へと排出される。
画像形成部103の図2中下方には、両面搬送部32を備えている。両面搬送部32は、片面に対する画像定着処理を終えた転写紙を、切換爪で転写紙の進路を転写紙反転装置側に切り換えて反転させ、再び二次転写ニップに進入させる。
給紙部104は、転写紙を複数枚重ねた紙束の状態で収容する給紙カセット40を多段備え、各給紙カセット40内の一番上の転写紙に給紙ローラ142を押し当てている。選択された給紙ローラ142が回転駆動せしめられると、一番上の転写紙が分離ローラで分離されて1枚ずつ給紙路141に向けて送り出される。この給紙路141に送り出された転写紙は、複数の搬送ローラ対143を経て画像形成部103内の給紙路に導かれ、レジストローラ対144のローラ間に挟み込まれる。
このように構成される画像形成部103において、次のように画像形成が行われる。
例えばブラック用のプロセスユニット110Kでは、帯電装置12Kにより一様に帯電された感光体11Kの表面に、光書込装置30で変調及び偏向されたレーザ光が走査されながら照射されて静電潜像が形成される。感光体11K上の静電潜像は、現像装置13Kで現像されてブラック色のトナー画像となる。感光体11Kが中間転写ベルト21を挟んで一次転写ローラ23Kに対向する一次転写ニップでは、感光体11K上のトナー像が中間転写ベルト21に転写される。トナー像が転写された後の感光体11Kの表面は、感光体クリーニング装置14Kでクリーニングされ、次の静電潜像の形成に備えられる。
他のプロセスユニット110(M,C,Y)についても、上述した画像形成行程が中間転写ベルト21の移動に同期して実行される。一方、給紙カセット40から給送された転写紙は、レジストローラ対144により所定のタイミングで送り出されて二次転写ニップに搬送される。また、画像形成部103の側面に設置された手差しトレイ145に転写紙が載置れている場合は、手差しトレイ145から給紙された転写紙が、給紙ローラによって手差し給紙路内に繰り出される。そして、手差しレジストローラ対146により所定のタイミングで送り出されて二次転写ニップに搬送される。
二次転写ニップに搬送され、二次転写ニップでフルカラー画像が一括転写された転写紙は、紙搬送ユニット24によって搬送されて定着装置150でトナー像が定着される。
転写紙の第一面だけに画像を形成する片面プリントモードの場合には、排紙ローラ対147のローラ間の排紙ニップに挟み込まれた転写紙がそのまま機外に排出されて排紙トレイ148上にスタックされる。転写紙の両面に画像を形成する両面プリントモードの場合には、排紙ローラ対147に挟み込まれた転写紙が逆方向に戻されて、両面搬送部32に進入する。そして、両面搬送部32内で上下反転せしめられた後、再び二次転写ニップに送られて、もう片面にも画像の二次転写処理と定着処理とが施された後、排紙ローラ対147により排紙トレイ148上に排出される。トナー像転写後の中間転写ベルト21は、ベルトクリーニング装置22により残留トナーが除去され、プロセスユニット110による再度の画像形成に備える。
上述した作像動作は、四色重ね合わせのフルカラーモードの場合の動作である。一方、白黒画像形成モードの場合には、中間転写ベルト21の張架ローラのうち、二次転写バックアップローラ211以外の一つの張架ローラ(212または213)を移動させる。そして、感光体11(Y,M,C)を中間転写ベルト21から離間させ、中間転写ベルト21にKトナー像の形成のみを行う。
次に本実施形態の複写機500で用いる二成分現像剤の製造方法について説明する。
本実施形態の現像剤製造方法は、粉体であるトナーとキャリアとからなる電子写真用現像剤の製造方法であって、少なくともトナーとキャリアとを混合する工程が、自重落下による混合を含む工程となっている。
参考形態1〕
以下、現像剤製造方法の一つ目に参考形態(以下、「参考形態1」と呼ぶ)について説明する。
図1は、参考形態1の現像剤製造方法において、トナーとキャリアとを自重落下によって混合させる自重落下混合工程を行う自重落下混合装置100の概略説明図である。
図1中の矢印A1はキャリアの流れ、矢印A2はトナーの流れ、矢印Aはキャリアとトナーとからなる現像剤の流れを示している。
図1に示すように参考形態1の自重落下混合装置100は、キャリア供給部1、トナー供給部2、混合配管3及び現像剤収容容器5を備える。また、混合配管3内には、ひねり形状型部材であるリボン型方向制御部材4を備える。
キャリア供給部1は、磁性粒子であるキャリアを混合配管3に供給し、トナー供給部2はトナーを混合配管3に供給する。混合配管3では、供給されたキャリア及びトナーが、自重落下する間に混合され、混合されたキャリアとトナーとからなる現像剤が混合配管3から現像剤収容容器5に供給される。
自重落下混合装置100は、キャリア粒子とトナー粒子とが重力によって落下する力を利用し、混合させる装置である。この装置の場合、キャリアとトナーとを混合部である混合配管3へ供給させることにより、それぞれの粒子の自重(重力)落下の動きにより、それぞれの粒子が混ざり合わさるものである。
更に、通過経路である混合配管3内にリボン型方向制御部材4等の方向制御手段を配置することにより、混合効果がより顕著となる。これは、自重落下する経路に方向制御手段を配置させることで、トナー粒子とキャリア粒子との動きを自在に制御することが可能となる。これにより、落下する粉体の塊を分割させたり、粒子の動きの向きを方向転換させたり、減速させたりすることが可能となり、複雑化した粒子の動きにより、混合が促進される。
また、図1に示す自重落下混合装置100では、方向制御手段としては、ひねり形状型部材、複数分割型部材、篩型部材、絞り形状型部材の何れか、またはこれらの組み合わせであることで、混合効果が顕著となる。これは、上述したように、通過経路である混合配管3内に方向制御手段を有することで、キャリア粒子とトナー粒子との動きを自在に制御し、複雑化させた粒子の動きにより混合を促進させるものである。そして、上記4タイプの方向制御部材を単独或いは組み合わせて用いることで、効率良く混合することが出来る。また、この4タイプの方向制御部材は、それぞれ混ざり方が異なるため、混合する粉体の特性や目的の混合強度等に合わせて、組み合わせパターンや数を適宜選択することができる。
図4は、上記4タイプの方向制御部材のうちの一つである、ひねり形状型部材であるリボン型方向制御部材4の拡大説明図である。
リボン型方向制御部材4は、帯状の板にひねりを入れた形状のものである。リボン型方向制御部材4は、例えばひねりの回転方向を左右入れ替え、数量、ひねりのアスペクト比の変更などにより、混合強度を調整することが可能である。また、帯状の板のひねり具合は、処理物により適正範囲が様々であるため適宜決めれば良いが、180[°]にひねりを入れた形状(これを1セグメントと呼ぶ)のものが好ましい。
図4のリボン型方向制御部材4は、上部を右セグメント401とし、下部を左セグメント402とした例である。
このセグメントの積み重ね方についても、処理物により適正範囲が様々であるため適宜決めれば良いが、ひねり方向を左右交互に重ねることが好ましく、各セグメントの重ねる向きは、90[°]ずらして積み重ねることが好ましい。これにより、上側のセグメントが下側のセグメントへ移る度に、半分に分割されるので、処理物は「2」の「セグメントの積み重ね数乗」分割されることになる。仮に、12段積み重ねた場合には「2」の12乗となるため、4096分割されることになる。さらに、各セグメントはひねりが加えられているため、処理物の動きは複雑化し、転換・反転しながら混合が促進される。但し、ここで記したものはあくまでも例示に過ぎず、これらに限定するものではない。
図5は、上記4タイプの方向制御部材のうちの一つである複数分割型方向制御部材6の説明図である。図5(a)は、複数分割型方向制御部材6の側面図であり、図5(b)は、図5(a)に示す複数分割型方向制御部材6の側方断面図であり、図5(c)は、図5(a)に示す複数分割型方向制御部材6の上方断面図である。
複数分割型方向制御部材6は、例えば、複数の方向制御板より構成され、通過経路内を複数の経路へ分割するものである。図5に示すものは、平板状の方向制御板を複数配置した構成であり、図5(b)及び図5(c)中の各升目は、方向制御板であって、白から濃いグレーへのグラデーションで示しているが、白で示す手前側から濃いグレーで示す奥側へと傾斜した形状となっている。
図5に示すように、複数分割型方向制御部材6の上方から供給されたトナー粒子Tやキャリア粒子Cは、複数分割型方向制御部材6が備える方向制御板によって落下方向が制御される。そして、落下する過程で、搬送経路の分割及び合流を繰り返すことによって、トナーとキャリアとの混合を促進するものである。
複数分割型方向制御部材6は、複数の制御部材による分割数を横方向に増やしたり、垂直方向に幾重にも重ねたりすることなどにより、混合強度を調整することが可能であるが、これらに限定するものではない。
図6は、上記4タイプの方向制御部材のうちの一つである篩型方向制御部材7の説明図である。図6(a)は、篩型方向制御部材7の斜視図であり、図6(b)は、混合配管3内に六個の篩型方向制御部材7を配置した状態の側方断面図である。
篩型方向制御部材7は、例えば、篩の目開き、篩設置間隔、篩設置段数、篩設置角度等により、混合強度を調整することが可能である。また、篩の目開きについては、単一の物を複数段組み合わせることも可能だが、目開きの異なる篩を組み合わせることで、混合効率が大幅に改善させる場合がある。しかし、篩の組み合わせは、これらに限定するものではない。
図7は、上記4タイプの方向制御部材のうちの一つである絞り形状型部材であるレデューサー型方向制御部材8の説明図である。図7(a)は、レデューサー型方向制御部材8の斜視図であり、図7(b)は、混合配管3内にレデューサー型方向制御部材8を配置した状態の側方断面図である。
レデューサー型方向制御部材8とは、トナーとキャリアとが共に通過する通過経路(混合配管3)を狭い方向に絞り込む形状のものである。例えば、レデューサー入口面積に対する出口面積を減少させることや、絞り込み長さ、絞り込み部内面形状等により、混合強度を調整することが可能であるが、これらに限定するものではない。
また、図1に示す自重落下混合装置100のように、現像剤を管路(混合配管3)内に通過させることで、混合効果が顕著となる。これは、以下の理由による。すなわち、トナーとキャリアとが共に通過する通過経路が開放経路である場合、混合させる物が粉体であるため、どうしても経路外への舞い上がりや飛散が発生する。さらに、開放経路である場合は、混合部での物の流れが疎状態で流れ易いため、混合させたい粉体が接する機会が少なくなってしまう。
一方、混合配管3のように、トナーとキャリアとが共に通過する通過経路を管路にすることで、経路外への舞い上がりや飛散が防止出来る。さらに、混合部での物の流れが密状態で流れるため、混合させたい粉体が接する機会が非常に多くなると共に、物の流れが複雑化するので、混合が促進される。
また、キャリアと混合する粉体がトナーであることで、混合効果が顕著であることが判った。これは、通常キャリアと混合させるものとしては、トナーや無機酸化微粒子、更に無機酸化微粒子の表面を疎水化、低抵抗化処理した物等が挙げられるが、これら中でもトナーと混合させることが最も良い組み合わせである。これは以下の理由による。
すなわち、トナーは無機酸化微粒子や無機酸化微粒子の表面を疎水化、低抵抗化処理した物等に比べ粒径が大きい。このため、ファンデルワールス力などによる凝集力が、無機酸化微粒子や無機酸化微粒子の表面を疎水化、低抵抗化処理した物等に比べ大幅に小さいため、効率良くキャリアと混ざっていく。
さらに、トナーは無機酸化微粒子や無機酸化微粒子の表面を疎水化、低抵抗化処理した物等に比べ帯電量が大きいので、キャリアと混合した場合に帯電したキャリア表面と効率良く引き付け合う。これにより、トナー粒子は次から次へとキャリア表面にトナーが取り込まれる。
一方、無機酸化微粒子や無機酸化微粒子の表面を疎水化、低抵抗化処理した物等は、粒径が小さく凝集力が大きい上、帯電量が低いので、トナーに比べると、混合の効率は悪くなってしまう。
また、本発明を適用した製造方法によって製造された現像剤を複写機500等の画像形成装置に用いることで、高精細な画像を長期に渡って安定した品質が得られる。これは、製造された現像剤のキャリアとトナーとが均一に混合されているためである。
また、製造する現像剤としては、キャリアを1[質量部]に対して、トナーを2〜50[質量部]の配合割合で含有する補給用現像剤(「プレミックストナー」ともいう)として用いる現像剤であってもよい。
二成分現像剤を用いる現像装置では、現像剤中のトナーによって感光体等の潜像担持体表面の潜像を現像するため、トナーが消費され、現像剤中のトナー濃度が低下する。このため、経時で安定した現像を行うために、トナー濃度を一定に保つために現像装置内の現像剤にトナーが補給されることがなされている。
現像によってトナーは消費されるが、キャリアは消費されないため、現像剤中のトナー濃度を維持するためにはキャリアの補給は必要ではない。しかし、同じキャリアを交換せずに使用し続けると、キャリアの劣化に起因する帯電性の低下による画像不良が発生する。これを防止するために、トナーを供給する代わりに、初期現像剤よりもトナー濃度が高い、すなわち、キャリアの含有率が低い補給用現像剤を補給する構成が知られている。この補給用現像剤を補給する構成の現像装置は、現像剤の排出口を備え、補給用現像剤を供給することで、新たなキャリアを現像装置内に補給するとともに、古いキャリアを含んだ現像剤を排出口から少しずつ外部に排出することができる。これにより、現像で消費されないキャリアの入れ替えを行うことができる。
このような補給用現像剤を、本発明を適用した現像剤製造方法で製造することにより、現像装置内の余剰の現像剤を排出しながら画像形成を行う画像形成装置で、長期に渡って安定した画像品質が得られるためである。また、補給用現像剤の混合比率は、キャリアを1[質量部]に対してトナーを2〜50[質量部]の配合割合とすることが好ましい。トナーが2[質量部]未満の場合には、キャリアが多過ぎるために、現像剤の帯電量が増加し易く、画像濃度の変化が生じるようになる。また、トナーが50[質量部]を超えると、キャリア量が極端に少なくなり実質的なキャリア補給効果が得られなくなるので好ましくない。
また、上述した複写機500に対して着脱可能なプロセスカートリッジであるプロセスユニット110が備える現像装置13は、本発明を適用した現像剤製造方法で製造した現像剤を収容する。
本発明を適用した現像剤製造方法で製造した現像剤を収容する現像装置13をプロセスユニット110の一部とする構成により、次のような利点がある。
すなわち、長期使用により劣化した現像剤を取り替える際に、わざわざ現像ユニット(現像装置13)を分解し劣化剤を取り出し洗浄を行った後、新しい現像剤を投入し組み立てる作業をしなくてもよい。これは、プロセスユニット110全体を取り替えることで、特別な知識や技術、環境がなくても、劣化した現像剤を収容する現像装置13を誰でも簡単に交換が出来るためである。
本発明を適用するプロセスカートリッジは、潜像担持体、帯電手段、露光手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、現像手段と、を有し、画像形成装置本体に着脱可能なものである。
本発明を適用した現像剤製造方法に用いるキャリアの被覆層を形成する樹脂は、一般的にキャリアに用いられるものであれば特に限定はない。例えば、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等が挙げられるが、特にこれらに限定するものではない。また、被覆樹脂は、一種類を単独で用いても、複数で用いても良いし、変性タイプにして使用しても良い。
上記キャリアのキャリア用芯材粒子としては、電子写真用二成分キャリアとして公知のものを用いることができる。例えば、鉄、フェライト、マグネタイト、ヘマタイト、コバルト、鉄系、マグネタイト系、Mn−Mg−Sr系フェライト、Mn系フェライト、Mn−Mgフェライト、Li系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Ba系フェライト、等キャリアの用途、使用目的に合わせて適宜選択して用いればよい。また、上記例に限るものではない。
次に本発明の電子写真用現像剤の製造方法の一例を述べる。
以下に記載する方法は数ある現像剤の製造方法の一例に過ぎず、本発明の現像剤製造方法に使用するキャリアの製造方法は以下の例示された方法に限定されるものではない。
まずは、キャリアの製造方法の大きな流れは、以下に記す通りである。
「原材料計量」⇒「被覆液分散」⇒「被覆層コーティング」⇒「焼成」⇒「解砕」⇒「現像剤混合」
「原材料計量」の工程で所望の割合に原材料を計量したものを、「被覆液分散」の工程で分散機により分散処理を行う。ここで用いる分散機としては、一般に用いられる分散機であれば何でも良い。例えばホモミキサー、羽根回転型分散機(エバラマイルダー、キャビトロン、等)、ビーズミル等が挙げられ、原材料処方に適した分散機を適宜用いれば良い。
こうして得た分散液を、「被覆層コーティング」の工程で、芯材表面へコーティング装置により被覆を行う。ここで用いるコーティング装置としては、一般に用いられるコーティング装置であれば何でも良く、例えばスプレーを用いた転動流動層や、分散液中に芯材を浸漬させ溶媒を乾燥させる方法などが挙げられる。
そして、このコーティングがされた粒子の被覆層を、乾燥や架橋反応を進めるため、「焼成」工程で焼成を行う。ここで用いる焼成装置としては、一般に用いられる装置であれば何でも良く、例えば電気炉、ロータリーキルン等が挙げられる。また、高周波誘導加熱を用いた焼成装置であると好ましい。
次に、焼成により凝集した粒子を解すため、「解砕」工程で解砕を行う。ここで用いる解砕装置としては、粒子が1粒に解れればどのようなものでも良いが、一般的には篩装置を用いることが多く、例えば、振動篩や超音波振動篩等が挙げられる。
このように篩装置を用いて解砕を行う場合は、粒子の凝集を解すだけではなく、粗大粒子の除去や異物の除去も同時に行うことも可能となるため、非常に効率が良い。
最後に、こうして得られたキャリアとトナーとを、適正な混合比率で混合を行い、電子写真用の現像剤または補給用現像剤を製作する。
このようにして得られた混合物が、本発明での現像剤であるが、ここではその製造方法の1つを例示しただけであり、ここに記した内容に限定するものではない。
本発明の現像剤製造方法に用いるトナーとして、上述したフルカラーの複写機500の各色の現像装置13に対応した各色のカラー用トナーを用いることができる。ここで、カラー用トナーとは、一般的にカラー単色で用いられるカラートナーだけではなく、フルカラー用として用いられるイエロー、マゼンダ、シアン、レッド、グリーン、ブルーなどに加え、ブラックトナーも含まれる。
また、本発明の現像剤製造方法に用いるトナーとして、モノクロ用トナー、カラー用トナー、フルカラー用トナーを問わず、一般的にいうトナーを用いることができる。例えば、従来より用いられている混練粉砕型のトナーや、近年用いられるようになってきた多種の重合トナーなどが挙げられる。
さらに、離型剤を含有するトナー、いわゆるオイルレストナーも用いることができる。一般的に、オイルレストナーは離型剤を含有するため、この離型剤がキャリア表面に移行するいわゆるスペントが生じやすい。しかし、耐スペント性が優れたキャリアを用いることで、長期にわたり良好な品質を維持できる。特にオイルレスフルカラートナーにおいては、結着樹脂が軟らかいため一般的にスペントし易いと言われるが、耐スペント性が優れたキャリアを用いることで、解消が可能である。
本発明の現像剤製造方法に用いるトナーの原材料の結着樹脂としては、公知のものが使用できる。例えばポリスチレン、ポリ−p−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合隊体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプロピル共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリチメルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが単独であるいは混合して使用できる。
さらに、トナーの原材料の圧力定着用結着樹脂としては、公知のものを混合して使用できる。例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂等のオレフィン共重合体、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸、マレイン酸変性フェノール樹脂、フェノール変性テルペン樹脂などが単独あるいは混合して使用でき、これらに限られるものではない。
また、本発明の現像剤製造方法に用いるトナーには、上記結着樹脂、着色剤、帯電制御剤の他に、定着助剤を含有することもできる。これにより、定着ロールにトナー固着防止用オイルを塗布しない定着システム、いわゆるオイルレスシステムにおいても使用できる。定着助剤としては、公知のものが使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、パラフィンワックス、アミド系ワックス、多価アルコールワックス、シリコーンワニス、カルナウバワックス、エステルワックス等が使用でき、これらに限られるものではない。
本発明の現像剤製造方法に用いるトナーとして、カラー用トナー等のトナーに用いられる着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得ることが可能な公知の顔料や染料が使用でき、ここで挙げるものに限らない。
例えば、黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキが挙げられる。
橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKが挙げられる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げられる。
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが挙げられる。
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、等がある。
黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。
また、これら着色剤は1種または2種以上を使用することができる。
本発明の現像剤製造方法に用いるトナーとしては、必要に応じ帯電制御剤をトナー中に含有させることができる。例えば、ニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基を含むアジン系染料(特公昭42−1627号公報参照)、塩基性染料(例えばC.I.Basic Yello 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yello 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.BasicRed 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Basic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue 3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)など、これらの塩基性染料のレーキ顔料、C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルクロライド、等の4級アンモニウム塩、或いはジブチル又はジオクチルなどのジアルキルスズ化合物、ジアルキルスズボレート化合物、グアニジン誘導体、アミノ基を含有するビニル系ポリマー、アミノ基を含有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂、特公昭41−20153号公報、特公昭43−27596号公報、特公昭44−6397号公報、特公昭45−26478号公報に記載されているモノアゾ染料の金属錯塩、特公昭55−42752号公報、特公昭59−7385号公報に記載されているサルチル酸、ジアルキルサルチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料、有機ホウ素塩類、含フッ素四級アンモニウム塩、カリックスアレン系化合物等が挙げられる。ブラック以外のカラートナーは、当然目的の色を損なう荷電制御剤の使用は避けるべきであり、白色のサリチル酸誘導体の金属塩等が好適に使用される。
トナーの外添剤については、シリカや酸化チタン、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素等の無機微粒子や樹脂微粒子を母体トナー粒子に外添することにより転写性、耐久性をさらに向上させている。転写性や耐久性を低下させるワックスをこれらの外添剤で覆い隠すことと、トナー表面が微粒子で覆われることと、による接触面積が低下することによりこの効果が得られる。これらの無機微粒子はその表面が疎水化処理されていることが好ましく、疎水化処理されたシリカや酸化チタン、といった金属酸化物微粒子が好適に用いられる。樹脂微粒子としては、ソープフリー乳化重合法により得られた平均粒径0.05〜1[μm]程度のポリメチルメタクリレートやポリスチレン微粒子が好適に用いられる。
さらに、疎水化処理されたシリカ及び疎水化処理された酸化チタンを併用し、疎水化処理されたシリカの外添量より疎水化処理された酸化チタンの外添量を多くすることにより湿度に対する帯電の安定性にも優れたトナーとすることができる。上記の無機微粒子と併用して、比表面積20〜50[m/g]のシリカや平均粒径がトナーの平均粒径の1/100〜1/8である樹脂微粒子のように従来用いられていた外添剤より大きな粒径の外添剤をトナーに外添する。これにより耐久性を向上させることができる。
これは、以下の理由による。
すなわち、トナーが現像装置内でキャリアと混合・攪拌され帯電し現像に供される過程でトナーに外添された金属酸化物微粒子は母体トナー粒子に埋め込まれていく傾向にある。これらの金属酸化物微粒子より大きな粒径の外添剤をトナーに外添することにより金属酸化物微粒子が埋め込まれることを抑制することができる。これにより、現像剤の耐久性を向上させることが出来る。
上述した無機微粒子や樹脂微粒子はトナー中に含有(内添)させることにより外添した場合より効果は減少するが、転写性や耐久性を向上させる効果が得られるとともにトナーの粉砕性を向上させることができる。また、外添と内添を併用することにより外添した微粒子が埋め込まれることを抑制することができるため優れた転写性が安定して得られるとともに耐久性も向上する。
なお、ここで用いる疎水化処理剤の代表例としては以下のものが挙げられる。ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルジクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、p−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、クロルメチルトリクロルシラン、p−クロルフェニルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルジクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン、オクチル−トリクロルシラン、デシル−トリクロルシラン、ノニル−トリクロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−トリクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−トリクロルシラン、ジベンチル−ジクロルシラン、ジヘキシル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジノニル−ジクロルシラン、ジデシル−ジクロルシラン、ジドデシル−ジクロルシラン、ジヘキサデシル−ジクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−オクチル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジデセニル−ジクロルシラン、ジノネニル−ジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシル−ジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルベンチル−ジクロルシラン、トリヘキシル−クロルシラン、トリオクチル−クロルシラン、トリデシル−クロルシラン、ジオクチル−メチル−クロルシラン、オクチル−ジメチル−クロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−ジエチル−クロルシラン、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ジエチルテトラメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジシラザン等。この他チタネート系カップリング剤、アルミニューム系カップリング剤も使用可能である。この他、クリーニング性の向上等を目的とした外添剤として、脂肪酸金属塩やポリフッ化ビニリデンの微粒子等の滑剤等も併用可能である。
本発明の現像剤製造方法に用いるトナーの製造には粉砕法、重合法など従来公知の方法が適用できる。例えば粉砕法の場合、トナーを混練する装置としては、バッチ式の二本ロール、バンバリーミキサーや連続式の二軸押出し機や連続式の一軸混練機を用いることができる。連続式の二軸押出し機としては、例えば、神戸製鋼所社製KTK型二軸押出し機、東芝機械社製TEM型二軸押出し機、KCK社製二軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型二軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型二軸押出し機を挙げることができる。また、連続式の一軸混練機としては、例えば、ブッス社製コ・ニーダを挙げることができる。
以上により得られた溶融混練物は冷却した後粉砕されるが、粉砕は、例えば、ハンマーミルやロートプレックス等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式の微粉砕機などを使用することができる。粉砕は、平均粒径が3〜15[μm]になるように行うのが望ましい。さらに、粉砕物は風力式分級機等により、5〜20[μm]に粒度調整されることが好ましい。
次いで、外添剤の母体トナーへ外添が行われるが、母体トナーと外添剤を、ミキサー類を用い混合・攪拌することにより外添剤が解砕されながらトナー表面に被覆される。この時、無機微粒子や樹脂微粒子等の外添剤が均一にかつ強固に母体トナーに付着させることが耐久性の点で重要である。以上はあくまでも例でありこれに限るものではない。
ここで、従来の現像剤について説明する。
電子写真方式による画像形成では、光導電性物質等の像担持体上に静電荷による静電潜像を形成し、この静電潜像に対して、帯電したトナー粒子を付着させて可視像を形成する。その後、トナー像を紙等の記録媒体に転写し、トナー像を定着することにより出力画像が形成される。近年、電子写真方式を用いたコピアやプリンタの技術は、モノクロからフルカラーへの展開が急速になりつつあり、フルカラーの市場は拡大する傾向にある。
フルカラー電子写真法によるカラー画像形成は一般に三原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナーまたは、それに黒色を加えた4色のカラー用トナーを積層させて全ての色の再現を行なうものである。従って、色再現性に優れ、鮮明なフルカラー画像を得るためには、定着されたトナー画像表面をある程度平滑にして光散乱を減少させる必要がある。このような理由から従来のフルカラー複写機等の画像光沢は10〜50[%]の中〜高光沢のものが多かった。
一般に、乾式のトナー像を記録媒体に定着する方法としては、平滑な表面を持ったローラーやベルトを加熱し、トナーと圧着する接触加熱定着方法が多用されている。この方法は熱効率が高く高速定着が可能であり、カラートナーに光沢や透明性を与えることが可能であるという利点がある。しかし、その反面、加熱定着部材表面と溶融状態のトナーとを加圧下で接触させた後、加熱定着部材表面から記録媒体を剥離するために、トナー像の一部が加熱定着部材表面に付着して別の画像上に転移する、いわゆるオフセット現象が生じる。
このオフセット現象を防止することを目的として、離型性に優れたシリコーンゴムやフッ素樹脂で加熱定着部材表面を形成し、さらにその加熱定着部材表面にシリコーンオイル等の離型オイルを塗布する方法が一般に採用されていた。しかしこの方法は、トナーのオフセットを防止する点では極めて有効であるが、離型オイルを供給するための装置が必要であり、定着装置が大型化しマシンの小型化に不向きである。このためモノクロトナーでは、溶融したトナーが内部破断しないように結着樹脂の分子量分布の調整等でトナーの溶融時の粘弾性を高め、さらにトナー中にワックス等の離型剤を含有させている。これにより、定着ローラに離型オイルを塗布しない(オイルレス化)、或いはオイル塗布量をごく微量とする方法が採用される傾向にある。
一方、カラー用トナーにおいても、カラー仕様のマシンにおけるモノクロ使用のマシンと同様に、マシンの小型化、構成の簡素化の目的でオイルレス化の傾向が見られている。しかし、前述したようにカラー用トナーでは色再現性を向上させるために定着画像の表面を平滑にする必要があるため溶融時の粘弾性を低下させねばならない。このため、光沢のないモノクロトナーよりオフセットし易く、定着装置のオイルレス化や微量塗布化がより困難となる。
また、トナー中に離型剤を含有させると、トナーの付着性が高まり転写紙への転写性が低下し、さらにトナー中の離型剤がキャリア等の摩擦帯電部材を汚染し帯電性を低下させることにより耐久性が低下するという問題を生じる。さらに、環境面への配慮から、消費電力を抑えるために、トナーの低温定着化が進んでいる。そのため、外力に対する強度や、高温高湿度環境下における保存性の面で、従来に比べ低下の傾向が見られる。
一方、現像剤に関しては、画像形成をより速く、より美しくという要望は高まる一方で、近年のマシンの高速化に伴い、現像剤が受けるストレスも飛躍的に増大している。このため、従来の画像形成装置では長寿命とされた現像剤においても充分な寿命が得られ難くなる一方である。
また、近年、環境面や安全性面への意識は高まる一方である。このような状況のもと、現像剤の生産工程においても、その生産過程における環境改善について多種多様な対応が求められており、材料、成膜方法においては、様々な試みがなされている。その一方、現像剤の混合工程においては、環境へ与える影響の規模が材料や他の工程に比べて小さいことから、これまで改善の検討がなされてこなかった。しかしながら、高まり続ける近年の環境改善への対応をクリアするには、寄与の小さな現像剤の混合工程においても、他工程同様に改善を進めていく必要がある。
そして、改善項目の中でも一番重要視されている項目としてCO排出量の低減が挙げられ、これをクリアすることが大きな課題であり、必要不可欠な状況となってきている。
このような状況ではあるものの、これまで現像剤の混合工程においては、現像剤の帯電量が不十分となることを防ぐために、十分な混合度及び帯電量を得ようとする検討がなされているだけで、環境改善の検討が進められてきていない。例えば、特許文献1では、二回目の混合回転速度が一回目の混合回転速度よりも大きい、異なる二度の混合を繰り返す方法が検討されている。また、特許文献2には、先にキャリアの一部とトナーを予備混合し、次いで予備混合物と残りのキャリアとを混合する製造方法が検討されている。さらに、特許文献3では、予め所望よりも高いトナー濃度で海島状態が無くなるまで混合した後、所望のトナー濃度に調整する多段階で混合する現像剤の製造方法が検討されている。
これらの混合工法によって、十分な混合度及び帯電量を得ようとすると、混合エネルギーや攪拌時間、混合強度を増加させなければならない。そして、CO排出量がCO排出係数、エネルギー原単位及び処理量の積で表されることからすると、特許文献1〜3でなされている検討はCO排出量を増大させてしまうため、環境に対して不利であるといえる。
このように、現像剤の混合工程については、より均一に混合させるための様々な検討はなされているものの、その検討内容はCO排出量が増大する方向の内容であり、CO排出量の低減に関しては、これまで検討がされてきていない。
これに対して、本発明を適用した電子写真用の現像剤の製造方法であれば、自重落下混合工程では、キャリアとトナーとを落下経路である混合配管3を落下させながら混合する。このため、混合配管3を通過したあとのトナーとキャリアとはある程度混合された状態となる。
また、トナーとキャリアとが落下経路を移動している間は、自重落下による移動であるため、混合のためにエネルギーを必要としない。混合工程が、エネルギーを消費せずにキャリアとトナーとの混合を行う自重落下混合工程を含むため、トナーとキャリアとの混合工程で混合に要するエネルギーを抑制することが可能となる。このように、混合に要するエネルギーを抑制することが可能となるため、CO排出量の低減を図ることができる。
〔実験例1〕
次に、本発明を適用した電子写真用の現像剤の製造方法について、製造した現像剤の混合度とCO排出量とを確認した実験例1について説明する。
以下、実験例1における本発明を適用した製造方法の各参考例と、本発明を適用したものとは異なる製造方法の各比較例の条件について説明する。
参考例1〕
まず、参考例1の現像剤に用いる電子写真用キャリアの製造方法について以下に示す。
キャリアの製造に用いる被覆層形成用溶液の材料を以下に示す。
・アクリル樹脂溶液(固形分率:50[質量%]):70[質量部]
・グアナミン溶液(固形分率:70[質量%]):25[質量部]
・酸性触媒(固形分率:40[質量%]):1[質量部]
・シリコーン樹脂溶液(固形分率:20[質量%]):340[質量部]
・アミノシラン(固形分率:100[質量%]):10[質量部]
・導電処理酸化チタン粒子(表面:ITO処理、一次粒子径:50[nm]、体積固有抵抗:1.0×10[Ω・cm]):150[質量部]
・トルエン:500[質量部]
上記材料をホモミキサーで10分間分散して、被覆層形成用溶液を調製した。
キャリアに用いる芯材粒子としては、平均粒径が35[μm]の焼成フェライト粉(DFC−400M(Mnフェライト、DOWAIP クリエイション株式会社製))を用いた。この芯材粒子の表面に、上記被覆膜形成溶液を芯材粒子表面に膜厚0.3[μm]になるように、スピラコーター(岡田精工社製)によりコーター内温度70[℃]で塗布し乾燥した。
得られたコート上がりキャリアを、高周波誘導加熱により、品温160[℃]、保持時間10[分]の焼成を行った。
この高周波誘導加熱の条件については、高周波発振部が直径6[mm]の中空導線を10[巻]のコイル形状にしたもので、そのコイル内部にコート上がりキャリアを通過させることで、芯材を昇温させ焼成を行う。高周波の発振条件は、200[V]、4[kw]、300[kHz]の高周波誘導電流を該導線に流した。
なお、中空導線は肉厚が1[mm]で内径が4[mm]であり、導線内に流れる高周波誘導電流により導線が昇温するため、この熱を冷却させるために導線内部に冷却水を流した。また、高周波誘導電流の発信機には、AMBRELL社製のHOTSHOT 5(6[kw])型を用いた。こうして焼成を行ったキャリアを冷却後、目開き63[μm]の篩を用いて解砕し、帯電量が39[−μc/g]、体積固有抵抗が14.1[Log(Ω・cm)]の『キャリア1』を得た。
次に、参考例1の現像剤に用いるトナーの製造方法について以下に示す。
トナーの材料を以下に示す。
・結着樹脂(ポリエステル樹脂):100[質量部]
・離型剤(カルナウバワックス):5[質量部]
・帯電制御剤(E−84[オリエント化学工業社製]):1[質量部]
・着色剤(C.I.P.Y.180):8[質量部]
上記材料のうち、着色剤と結着樹脂及び純水を1:1:0.5の割合で、混合し、二本ロールにより混練した。混練を70[℃]で行い、その後ロール温度を120[℃]まで上げて、水を蒸発させマスターバッチを予め作成した。こうして得たマスターバッチを使用して、上記処方と同じになるように材料を計量し、ヘンシェルミキサーにより混合した。混合したものを二本ロールで120[℃]で40[分]溶融混練し、冷却後、ハンマーミルで粗粉砕後、エアージェット粉砕機で微粉砕し得られた微粉末を分級して重量平均粒径が5[μm]のトナー母体粒子を作った。
さらに、このトナー母体粒子を100[質量部]に対し、表面を疎水化処理したシリカを1[質量部]と、表面を疎水化処理した酸化チタンを1[質量部]と、を添加し、ヘンシェルミキサーで混合することでイエロートナーである『トナー1』を得た。
上述した製造方法によって得た『キャリア1』と『トナー1』とを、図8に示す自重落下混合装置100によって混合した。
図8に示す自重落下混合装置100は、キャリア供給部1、トナー供給部2、混合傾斜板9及び現像剤収容容器5を備える。また、混合傾斜板9の上面には、複数分割型方向制御部材6が配置されている。
図8に示す自重落下混合装置100の混合傾斜板9は、水平面Hに対する角度θ1が30[°]であり、複数分割型方向制御部材6は、1[mm]幅の方向制御板を複数配置した構成である。
このような複数分割型方向制御部材6を配置した混合傾斜板9の上端にアキュレートフィーダー(株式会社クマエンジニアリング製)からなるキャリア供給部1及びトナー供給部2を配置した。そして、キャリア供給部1及びトナー供給部2によって、キャリアとトナーとの供給比率として、『キャリア1』が93[質量部]、『トナー1』が7[質量部]となるように、それぞれ供給した。そして、重力によってキャリアとトナーとの全部が混合傾斜板9上の複数分割型方向制御部材6を通過するように斜面を落下させながら、その運動エネルギーによりキャリアとトナーとを混合する。これにより、トナー濃度が7[質量%]の『現像剤1』を作成した。
参考例2〕
参考例1における複数分割型方向制御部材6を、目開きが412[μm]の篩型方向制御部材7に変更したこと以外は参考例1と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤2』を得た。
参考例3〕
参考例1における図8に示す自重落下混合装置100を用いる工程を、図1に示す自重落下混合装置100を用いる工程に変更した以外は、参考例1と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤3』を得た。
参考例3の混合工程出用いる自重落下混合装置100のリボン型方向制御部材4は、1セグメントの帯状の板に180[°]ひねりを入れた形状である。そして、ひねり方向を左右交互に12セグメント重ねたものを用いた。また、各セグメントの重ねる向きは、90[°]ずらして設置し、上側のセグメントが下側のセグメントへ移る度に、半分に分割されるように設置した。このようなリボン型方向制御部材4を図4に示す2セグメントを1段として、12段配置している。
参考例4〕
参考例3で用いた図1に示す自重落下混合装置100におけるリボン型方向制御部材4の代わりに、方向制御手段として、1[mm]幅の複数の方向制御板により構成した複数分割型方向制御部材6に変更した。この変更点以外は、参考例3と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤4』を得た。
参考例5〕
参考例3で用いた図1に示す自重落下混合装置100におけるリボン型方向制御部材4の代わりに、方向制御手段として、断面積が1/5になるレデューサー型方向制御部材8に変更した。この変更点以外は、参考例3と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤5』を得た。
参考例6〕
参考例3で用いた図1に示す自重落下混合装置100におけるリボン型方向制御部材4の代わりに、方向制御手段として、目開き288[μm]の篩型方向制御部材7を50段重ねたものに変更した。この変更点以外は、参考例3と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤6』を得た。
参考例7〕
参考例3で用いた図1に示す自重落下混合装置100におけるリボン型方向制御部材4の代わりに、方向制御手段として、次のものを用いた。
すなわち、参考例3と同様に、リボン型方向制御部材4を図4に示す2セグメントを1段として、一段のリボン型方向制御部材4に対して目開きが288[μm]の篩型方向制御部材7を一つ組み合わせた。そして、この一段のリボン型方向制御部材4と一つの篩型方向制御部材7との組み合わせを12段積み重ねた。この変更点以外は、参考例3と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤7』を得た。
参考例8〕
参考例3で用いた図1に示す自重落下混合装置100におけるリボン型方向制御部材4の代わりに、方向制御手段として、次のものを用いた。
すなわち、参考例3と同様に、リボン型方向制御部材4を図4に示す2セグメントを一段とした。そして、一段のリボン型方向制御部材4に対して目開きが288[μm]の篩型方向制御部材7を一つと、断面積が1/5になるレデューサー型方向制御部材8を一つと、を組み合わせた。さらに、この一段のリボン型方向制御部材4、一つの篩型方向制御部材7及び一つのレデューサー型方向制御部材8の組み合わせを12段積み重ねた。この変更点以外は、参考例3と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤8』を得た。
参考例9〕
参考例8で用いた自重落下混合装置100の一段のリボン型方向制御部材4を、参考例4の複数分割型方向制御部材6に変更した。すなわち、一つの複数分割型方向制御部材6、一つの篩型方向制御部材7及び一つのレデューサー型方向制御部材8の組み合わせを12段積み重ねた。この変更点以外は、参考例8と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤9』を得た。
参考例10〕
参考例6に対して、キャリアとトナーとの混合割合、すなわち、キャリアとトナーとの供給比率を、『キャリア1』が1[質量部]に対して、『トナー1』が9[質量部]となるように変更した。この変更点以外は、参考例6と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤10』を得た。なお、参考例10で得た混合物(現像剤10)は、補給用現像剤として用いるものとなる。
〔比較例1〕
参考例1における図8に示す自重落下混合装置100を用いる混合工程を、V型混合機(株式会社寿工作所製、V−5型、電力量:100[kWh])を用いる混合工程に変更した。V型混合機を用いた混合工程としては、回転数を30[rpm]に設定し、17[分間]の混合を行った。この変更点以外は、参考例1と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤11』を得た。
〔比較例2〕
参考例1における図8に示す自重落下混合装置100を用いる混合工程を、ラボミキサー(株式会社ホソカワミクロン製、LV−1型、電力量:100[kWh])を用いる混合工程に変更した。ラボミキサーを用いた混合工程としては、回転数を180[rpm]に設定し、25[分間]の混合を行った。この変更点以外は、参考例1と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤12』を得た。
〔比較例3〕
参考例1における図8に示す自重落下混合装置100を用いる混合工程を、ターブラーミキサー(株式会社シンマルエンタープライゼス製、T2C型、電力量:180[kWh])を用いる混合工程に変更した。ターブラーミキサーを用いた混合工程としては、回転数を32[rpm]に設定し、7[分間]の混合を行った。この変更点以外は、参考例1と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤13』を得た。
上記参考例1〜10及び比較例1〜3の現像剤混合において、得られた現像剤の混合度(トナー濃度ばらつき)と、CO排出量の評価を実施した。
評価結果を表1に示す。
表1に示す、各参考例及び各比較例における現像剤混合の評価方法は下記方法に従った。
〔混合度評価方法〕
実験例1における混合度の評価方法は、混合実験により得られた現像剤全体から、満遍なくランダムに10点サンプリングを行い、一般的なブローオフ法([株式会社東芝ケミカル製、TB−200型]にてトナー濃度を得た。こうして得たトナー濃度10点に対し標準偏差を算出し、以下のとおりランク分けを行った。
「◎」 : 0.20以下
「○」 : 0.20を超え0.24未満
「×」 : 0.24以上
実験例1の混合度評価では、「◎」及び「○」を合格とし、「×」を不合格とした。
〔CO排出量評価方法〕
実験例1におけるCO排出量の評価方法は、混合に於ける電力消費量から算出され、この電力消費量に基準CO換算値を乗ずることで得ることが出来る。なお、ここで用いた基準CO換算値は、0.378[kg(CO)/kWh(電力量)]である。また、電力消費量は、電力量に混合時間を乗ずることで得られる。
表1に示すCO排出量はあくまでも混合に於けるものを対象としており、各参考例では混合時にキャリアとトナーとの供給を行っているため、実際には電力を消費しているが、これは対象としていない。一方、各比較例における混合では、混合時にはキャリアとトナーとの供給が無いため電力の消費は無い。しかし、実際には混合の事前にキャリアとトナーとをそれぞれ計量している。そして、この計量の際に電力の消費は発生しており、CO排出量の計算に入れていないという点では、各参考例の場合と同条件であり、平等に評価しているということができる。
表1で示す評価結果から、各参考例1〜10による現像剤混合は、比較例1〜3と比較して、混合度は同等以上の結果が得られており、COの排出が抑制(混合工程においては排出無し)されていることが明らかである。
参考形態2〕
以下、現像剤製造方法の二つ目に参考形態(以下、「参考形態2」と呼ぶ)について説明する。
図9は、参考形態2の現像剤製造方法において、トナーとキャリアとを自重落下によって混合させる自重落下混合工程を行う自重落下混合装置100の概略説明図である。
図9に示すように参考形態2の自重落下混合装置100は、キャリア供給部1、トナー供給部2、混合配管3及び現像剤収容容器5を備え、さらに、せん断混合装置10を備える。また、混合配管3内には、リボン型方向制御部材4及び篩型方向制御部材7を備える。
また、図9に示す自重落下混合装置100は、一つの篩型方向制御部材7を挟んで上下に位置する二つのリボン型方向制御部材4を、90[°]ずらして積み重ねて配置している。
従来の現像剤の混合には、例えば撹拌容器回転型では、水平円筒型、傾斜円筒型、V型、二重円すい型、正立方型、S字型、連続V型混合機等がある。また、容器固定型ではリボン型、スクリュー型、ロッド又はピン型、複軸パドル型、円すい型、スクリュー高速流動型、回転円盤型及びこれらの複合混合機等などが使用されている。
現像剤の混合分野では、より均一に混合させるための様々な検討はなされているが、混合工法によって、キャリアとトナーとを一定の混合比で撹拌混合した場合、混合エネルギー、撹拌混合時間によって現像剤の帯電量が変動する。一般的に高い帯電量を得るためには、撹拌混合時間を長くする必要がある。そのため、帯電量を高くするための検討は、使用電力が増大する方向の内容であり、環境面を考慮すると不利な検討であるといえる。
このような実情を改善する構成として、上記参考形態1の現像剤製造方法では、現像剤の混合工程に自重落下混合装置100を用いて、自重落下を利用した混合を行っている。これは、キャリアとトナーとが重力によって落下する力を利用し、混合させる混合方法である。この混合方法の場合、キャリアとトナーとを混合部へ供給させることにより、それぞれの粒子の自重(重力)落下の動きにより、それぞれの粒子が混ざり合わさるものである。このため、基本的には混合時に電力を消費することが無く、環境面に対して非常に有利な混合方法である。
一方で、自重落下を利用した混合工程では、現像剤の製作時に初期帯電量を十分に得ることが難しいという課題がある。このような全く駆動部を有さない混合工程では、帯電量を得るための手段として、混合装置自体の規模を大きくする必要があるためである。これは以下の理由による。
すなわち、自重落下を利用した混合工程では、混合に使用される主なエネルギーが位置エネルギーであるため、より大きな力を得るためにはより高い位置から落下させる必要がある。このように高い位置から落下させるためには、混合装置自体の規模を大きくする必要がある。
キャリアとトナーとが十分に帯電していない現像剤を初期現像剤に使用した場合、現像装置13が備える現像ローラ上に現像剤が供給された際に、現像ローラの遠心力によって、現像ローラ表面に担持されたキャリアからトナーが離脱することがある。トナーがキャリアから離脱すると、感光体11上の非画像部へ付着してしまう不具合が発生し、これが地肌汚れ画像となってしまう。
さらに、キャリアとトナーとが十分に帯電していない場合には、帯電量の絶対値が低いので、帯電量分布の低い側が逆帯電となってしまう。これにより、感光体11上の非画像部にトナーが現像されてしまう不具合が発生し、これが地肌汚れ画像となってしまう。
このため、参考形態1ように、全く駆動部を有さない自重落下を利用した混合工程では、製造した現像剤が十分に帯電を保持することができず、画像の地肌部をトナーで汚してしまう問題が生じるおそれがある。
一方、参考形態2の現像剤製造方法では、トナーとキャリアとを混合する自重落下混合装置100が混合する対象物に、せん断力を付与するせん断混合装置10を備える。これにより、混合が良好に行われるとともに、初期帯電の不良が無く、画像品質において非画像部の地肌汚れが発生しない現像剤を製造することができる。
図9に示す自重落下混合装置100は、混合配管3における自重落下、及び、せん断混合装置10によるせん断力の付与、という二つの混合が組み合わされている。
自重落下による混合だけでは、キャリアとトナーとはお互いの粒子同士、もしくは落下経路に位置する物体との接触帯電のみしか発生せず、十分な帯電量を得ることができない場合がある。これに対して、参考形態2の自重落下混合装置100は、せん断力の付与によって、キャリアとトナーとがお互いの粒子同士、もしくは他の物体との摩擦帯電を起こすことができ、それによってキャリアとトナーとの帯電が促進される。せん断混合装置10では、管状部材内にスクリュ部材を配置した粉体搬送経路であるせん断混合搬送路10aで、搬送する粉体に対してせん断力を付与する。
参考形態2の自重落下による混合とは、キャリアとトナー等の粉体粒子が重力によって落下する力を利用し、混合させる方法である。この方法の場合、キャリアと粉体粒子とを混合部へ供給させることにより、それぞれの粒子の自重(重力)落下の動きにより、それぞれの粒子が混ざり合わさるものである。
また、参考形態2の自重落下による混合でも、その自重落下経路に上記参考形態1で説明した、4タイプの方向制御部材の何れか、または、これらを組み合わせて落下の経路に配置させることが望ましい。このような方向制御手段を配置させることで、落下する粉体の塊を分割させたり、粒子の動きの向きを方向転換させたり、減速させたりすることが可能となり、複雑化した粒子の動きにより、混合が促進される。
図10は、自重落下による混合の後に、せん断力の付与による混合を行う自重落下混合装置100の概略説明図である。
図9に示す自重落下混合装置100では、自重落下による混合の前に、せん断力の付与による混合を行っている。しかし、せん断力の付与による混合は、図10に示すように、自重落下による混合の後に行われることがより好ましい。これは以下の理由による。
図9に示す自重落下混合装置100のように、キャリア供給部1及びトナー供給部2が、せん断混合装置10に対して直接に粒子を供給する場合、せん断混合装置10内では、キャリア粒子同士及びトナー粒子同士が隣接した状態となる。この状態でせん断力が付与されると、キャリア粒子同士、トナー粒子同士が擦り合う状態となる。
一方、図10に示す自重落下混合装置100のように、せん断力の付与による混合が起こる前に、自重落下による混合がある程度行われることによって、キャリアとトナーとの位置が置換される。この置換によって、キャリア供給部1及びトナー供給部2が、せん断混合装置10に対して直接に粒子を供給する場合よりもキャリア粒子とトナー粒子という異種の粉体が隣接した位置に存在する状態となる。一般に摩擦帯電は、電気的性質が異なる物質間で摩擦が起こることにより発生する。このため、せん断力の付与による摩擦が、自重落下による混合で再配置されたキャリアとトナーとに対して行われることで、よりキャリアとトナーとに対する帯電が促進される。
また、図10に示す自重落下混合装置100は、一つの篩型方向制御部材7を挟んで上下に位置する二つのリボン型方向制御部材4を、90[°]ずらして積み重ねて配置している。
また、図9及び図10に示す自重落下混合装置100では、せん断力の付与による混合が、キャリアとトナーとが搬送される際に、搬送部材(スクリュ部材)と、通過経路(管状部材)の内壁との間で摩擦されることにより行われる。参考形態2では、キャリア及びトナーが、搬送部材によって押し出される。これにより、キャリア同士及びトナー同士のみならず、キャリア及びトナーと搬送部材との間、及び、キャリア及びトナーと通過経路の内壁との間などのように、摩擦によってせん断力を加えられる機会を多く得ることができる。このため、それに伴いキャリア及びトナーに効率良く帯電を起こさせることが可能である。
参考形態2では、搬送部材としてスクリュ部材を用いているが、棒形状やコイル形状など他の形状の搬送部材を用いることができる。そして、より効率的にせん断力を付与するために、搬送部材の表面にパターン溝が刻まれていることが好ましい。
また、通過経路の内壁とは、キャリア及びトナーが通過する管路の内側のことを指し、例えば円筒型及び錘型などが考えられる。そして、より効率的にせん断力を付与するために、内壁表面にパターン溝が刻まれていることが好ましい。
ここで記載したものはあくまでも例示に過ぎず、混合する粉体の特性や目的の混合強度等に合わせて、形状及び材質などは任意に選択すれば良い。
図11は、せん断混合装置10の他の例の説明図であり、図11(a)は斜視図、図11(b)は側方断面図である。
図11に示すせん断混合装置10は、上部板部材10bと下部板部材10cとの二つの円状板部材からなる。上部板部材10bと下部板部材10cとの間には、板部材隙間10eが形成され、上部板部材10bの中心部には板部材隙間10eに連通する投入口10dが形成されている。
図11のせん断混合装置10は、図11中矢印Bで示すように、上部板部材10bが下部板部材10cに対して回転移動する。
図11のせん断混合装置10は、投入口10dから投入されたキャリアとトナーとからなる現像剤は、移動する上部板部材10bと下部板部材10cとの間の板部材隙間10eを通過する際に、二つの円状板部材によってせん断力が付与される。図11のように、キャリア粒子及びトナー粒子に対する板状部材との摩擦によってせん断力の付与をすることによって、せん断力を付与する面積を広くすることが可能である。このため、キャリア粒子及びトナー粒子へ効率良く帯電を起こさせることが可能である。
図11のせん断混合装置10のように、二つの板状部材の隙間でせん断力を付与する構成の場合、向かい合う二つ面のどちらか、または、両方が移動する機構を有する構成となる。また、二つの板状部材が向かい合う二つ面には、キャリア粒子及びトナー粒子に対して、より大きなせん断力を加えるために、その表面に表面にパターン溝が刻まれていることが好ましい。
また、せん断力を加え続けるためには、キャリア粒子及びトナー粒子は常に移動を続けている必要がある。このため、二つの板状部材の板部材隙間10eを形成する部分は、石臼のように中心を頂点に、同心円状の緩やかな傾斜がついていることが好ましい。
ただし、ここで示したものはあくまでも例示に過ぎず、混合する粉体の特性や目的の混合強度等に合わせて、板状部材の数、形状及び材質などは任意に選択すれば良い。
図12は、せん断混合装置10の二つ目の他の例の説明図である。
図12に示すせん断混合装置10は、せん断力付与筒10gと、せん断力付与円柱10fとからなる。せん断力付与筒10gの内壁と、せん断力付与円柱10fとの間には、隙間が形成され、せん断力付与部10hとなっている。
せん断力付与円柱10fは、せん断力付与筒10gにおける現像剤の落下経路に配置されており、不図示の駆動手段によって、図12中の矢印Cで示すように、上下方向に揺動する。
図12のせん断混合装置10では、キャリアとトナーとからなる現像剤が、せん断力付与筒10gの上方から投入され、せん断力付与部10hを通過する。現像剤がせん断力付与部10hを通過する際に、駆動部材であるせん断力付与円柱10fと、せん断力付与筒10gの内壁との間で摩擦されることによりせん断力の付与による混合が行われる。
図12のせん断混合装置10では、キャリア粒子及びトナー粒子が落下する際に、落下経路に設置されているせん断力付与円柱10fと、せん断力付与筒10gの内壁とが擦り合わされている領域であるせん断力付与部10hに巻き込まれる。これにより、キャリア粒子及びトナー粒子に強いせん断力が加えられることで、摩擦帯電を促すことができる。
図12のようなせん断混合装置10が備えるせん断力付与円柱10fのような駆動部材としては、棒形状や錐形状などが考えられ、より効率よく、せん断力を付与するために、その表面にパターン溝が刻まれていることが好ましい。また、駆動部材の駆動方式としては、せん断力を付与する面積を広くするために、落下経路と並行な上下駆動もしくは、回転駆動であることが好ましい。
せん断力付与筒10gのような落下経路形成部材は、キャリア粒子及びトナー粒子が通過する管路であり、その形状は円筒型及び錘型などが考えられ、より効率的にせん断力を付与するために、表面にパターン溝が刻まれていることが好ましい。
ただし、ここで示したものはあくまでも例示に過ぎず、混合する粉体の特性や目的の混合強度等に合わせて、形状及び材質などは任意に選択すれば良い。
また、辞し形態2の現像剤製造方法で用いるトナー及びキャリアとしては、上記参考形態1で説明したものと同様のものを用いることができるが、これに限るものではない。
〔実験例2〕
次に、本発明を適用した電子写真用の現像剤の製造方法について、製造した現像剤の混合度、帯電量及び地汚れを確認した実験例2について説明する。
以下、実験例2における参考形態2の特徴を備えた製造方法の各参考例と、参考形態2の特徴を備えたものとは異なる製造方法の各比較例の条件について説明する。
参考例11〕
参考例11に用いるキャリアは上記参考例1と同じ『キャリア1』である。
また、参考例11で用いるトナーは上記参考例1の『トナー1』とは、着色剤と、その含有量とが異なる。参考例11では、参考例1の『トナー1』の着色剤が「C.I.P.Y.180」で、その含有量が8[質量部]であるのに対して、着色剤として、「カーボンブラック♯44(三菱化学社製)を用い、含有量を10[質量部]として『トナー2』を得た。
上述した製造方法によって得た『キャリア1』と『トナー2』とを、図9に示す自重落下混合装置100によって混合した。
参考例11では、図9に示す自重落下混合装置100の混合配管3内に配置した方向制御手段として、目開き288[μm]の篩型方向制御部材7とリボン型方向制御部材4との組み合わせたものを用いている。参考例11で用いる自重落下混合装置100は、一つの篩型方向制御部材7と、1セグメントのリボン型方向制御部材4とを一段として、混合配管3内に12段積み重ねた構成となっている。
また、混合配管3の上方には、アキュレートフィーダー(株式会社クマエンジニアリング製)と、せん断混合搬送路10aとから構成され、搬送するキャリアとトナーとにせん断力を付与する、せん断混合装置10を備える。せん断混合搬送路10aは、キャリア及びトナーの通過経路となる内径20[mm]の円筒管であり、この円筒管状のせん断混合搬送路10a内にスクリュ部材が配置されている。このスクリュ部材は、羽部の外周とせん断混合搬送路10aの円筒管状の内周面との隙間が1[mm]であり、排出量が2.5[g/sec]となるように回転数が調節された構成である。
また、せん断混合装置10の上には、アキュレートフィーダーからなるキャリア供給部1及びトナー供給部2が配置されている。そして、キャリア供給部1及びトナー供給部2によって、キャリアとトナーとの供給比率が、『キャリア1』が93[質量部]、『トナー2』が7[質量部]となるようにそれぞれ供給した。そして、重力によってキャリアとトナーとの全部が上述した篩型方向制御部材7とリボン型方向制御部材4とを12段重ねた方向制御手段を通過するように落下させながら、その運動エネルギーによりキャリアとトナーとを混合する。これにより、トナー濃度が7[質量%]の『現像剤14』を作成した。
参考例11で用いたリボン型方向制御部材4は、帯状の板に180[°]ひねりを入れた形状のものである。また、参考例11で用いた自重落下混合装置100は、一つの篩型方向制御部材7を挟んで上下に位置する二つのリボン型方向制御部材4を、90[°]ずらして積み重ねて配置している。すなわち、処理物(キャリア及びトナー)が、篩型方向制御部材7を挟んで上側のリボン型方向制御部材4から篩型方向制御部材7を挟んで下側のリボン型方向制御部材4に処理物が移る度に、処理物の粉体が半分に分割されるように設置している。これにより、処理物の動きが複雑化し、混合が促進される。
参考例12〕
参考例11における自重落下混合装置100を、図10に示す自重落下混合装置100、すなわち、せん断力を付与する混合部(せん断混合装置10)が、自重落下による混合部(混合配管)の後に位置する装置に変更した。この変更点以外は、参考例11と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤15』を得た。
参考例13〕
参考例12におけるせん断力を付与する混合部(せん断混合装置10)を構成する円筒管(せん断混合搬送路10a)の先端に、キャリア及びトナーの排出口が、内径5[mm]になるような円錐形の絞りを設置する変更を行った。この変更点以外は、参考例12と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤16』を得た。
参考例14〕
参考例12におけるせん断力を付与する混合部(せん断混合装置10)を、図11を用いて説明したせん断混合装置10に変更した。すなわち、二枚の平板と、中央の回転軸とからなり、二枚の平板の片側が、中央の回転軸によって回転運動するような、石臼と同様の形状を持つせん断混合装置10とした。また、ここで用いた二枚の平板のそれぞれには、向かい合う面にパターン溝が刻まれているものを使用した。この変更点以外は、参考例12と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤17』を得た。
参考例15〕
参考例14におけるせん断力を付与する混合部(せん断混合装置10)の二枚の平板のうち、片側が回転運動していたものを、両側を回転運動するものに変更した。そして、せん断力を付与したキャリアとトナーとからなる混合物の排出量が2.5[g/sec]となるように、二枚の平板の回転数を調整した。この変更点以外は、参考例14と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤18』を得た。
参考例16〕
参考例12におけるせん断力を付与する混合部(せん断混合装置10)を、図12を用いて説明したせん断混合装置10に変更した。すなわち、落下方向と並行な円筒管(せん断力付与筒10g)と、円筒管内壁とのギャップが0.5[mm]で、円筒管内を上下運動する円柱(せん断力付与円柱10f)と、で構成されるせん断混合装置10とした。ここで用いた円柱(せん断力付与円柱10f)の上下運動は、排出量が2.5[g/sec]となるように運動速度を調節した。また、ここで用いた円筒管(せん断力付与筒10g)と、円柱(せん断力付与円柱10f)としては、キャリア及びトナーが通過する隙間(せん断力付与部10h)を形成する面にブラスト加工によって荒らす加工を施したものを使用した。この変更点以外は、参考例12と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤19』を得た。
参考例17〕
参考例16におけるせん断力を付与する混合部(せん断混合装置10)の円柱(せん断力付与円柱10f)の運動を上下運動ではなく、回転運動に変更した。この変更点以外は、参考例16と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤20』を得た。
参考例18〕
参考例12に対して、キャリアとトナーとの混合割合、すなわち、キャリアとトナーとの供給比率を、『キャリア1』が1[質量部]に対して、『トナー2』が9[質量部]となるように変更した。この変更点以外は、参考例12と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤21』を得た。なお、参考例18で得た混合物(現像剤21)は、補給用現像剤として用いるものとなる。
〔比較例4〕
参考例11に対して、自重落下混合装置100がせん断混合装置10を備えない構成、すなわち、混合方法が自重落下による混合部のみを持つ自重落下混合装置100に変更した。この変更点以外は、参考例11と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤22』を得た。
〔比較例5〕
参考例13に対して、混合工程を、自重落下による混合部を持たない混合工程に変更した。この変更点以外は、参考例13と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤23』を得た。
〔比較例6〕
参考例15に対して、混合工程を、自重落下による混合部を持たない混合工程に変更した。この変更点以外は、参考例15と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤24』を得た。
〔比較例7〕
参考例17に対して、混合工程を、自重落下による混合部を持たない混合工程に変更した。この変更点以外は、参考例17と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤25』を得た。
上記参考例11〜18及び比較例4〜7の現像剤混合において、得られた現像剤の混合度(トナー濃度ばらつき)と帯電量と地肌汚れとの評価を実施した。
評価結果を表2に示す。
表2に示す、各参考例及び各比較例における現像剤混合の評価方法は下記に従った。
〔混合度評価方法〕
実験例2における混合度の評価方法は、混合実験により得られた現像剤全体から、満遍なくランダムに10点サンプリングを行い、一般的なブローオフ法([株式会社東芝ケミカル製、TB−200型]にてトナー濃度を得た。こうして得たトナー濃度10点に対し標準偏差σを算出し、以下のとおりランク分けを行った。
「◎」 : σ<0.18
「○」 : 0.18≦σ<0.40
「△」 : 0.40≦σ<1.00
「×」 : 1.00≦σ
実験例2の混合度評価では、「◎」、「○」、「△」を合格とし、「×」を不合格とした。
〔帯電量評価方法〕
実験例2における帯電量の評価方法は、現像剤を一定量サンプリングし、両端に金属メッシュを備えた導体容器(ケージ)に入れた。そして、ノズルから圧縮ガスを吹き付け、トナーのみをケージの外へブローオフし、ケージ内に残されたキャリアの電荷の値Qを電圧計で測定した。さらに飛び出されたトナーの質量Mを測定し、単位質量当たりの電荷量を帯電量「Q/M値」として算出し、以下のとおりランク分けを行った。
「◎」 : 40≦「Q/M値」
「○」 : 30≦「Q/M値」<40
「△」 : 20≦「Q/M値」<30
「×」 : 「Q/M値」<20
実験例2の帯電量評価では、「◎」、「○」、「△」を合格とし、「×」を不合格とした。
〔地肌汚れ評価方法〕
市販のデジタルフルカラープリンタ(株式会社リコー製、imagio MP C5000)の改造機に現像剤をセットし、初期の現像剤の地肌汚れを評価した。
具体的には、上記デジタルフルカラープリンタを用いて、地肌ポテンシャルを150[V]に固定し、A3用紙全面の地肌画像を現像剤セット直後に現像を開始した。そして、現像途中の状態で現像を強制的に停止させることで、感光体上に地肌部が現像されている状態の感光体を得た。次に、この感光体上の地肌部が現像されている箇所に透明テープを貼り付け、引き剥がすことで、感光体上に存在するトナー粒子を透明テープ上に移した。
そして、この透明テープを新品の白紙上に貼り付け、透明テープ上を10分割にエリア分けし、それぞれのエリアの中央部の画像濃度を測定し、この10点の平均を代表値とした。なお、画像濃度の測定は、X−Rite社製の分光濃度計である、X−Rite938機を用いて行った。また、画像濃度の値は、感光体上から取り出した透明テープ上の画像濃度の値から、白紙上に透明テープを貼り付けたものの画像濃度を差し引いた値(地肌汚れ分だけを取り出した値)を測定値とし、以下のとおりランク分けを行った。
「◎」 : ID<0.01
「○」 : 0.01≦ID<0.03
「△」 : 0.03≦ID<0.05
「×」 : 0.05≦ID
実験例2の地肌汚れ評価では、「◎」、「○」、「△」を合格とし、「×」を不合格とした。
表2で示す評価結果から、各参考例11〜18による現像剤混合は、比較例4〜7と比較して、混合度、帯電量及び地肌汚れが改善されていることが明らかである。
参考形態3〕
以下、現像剤製造方法の三つ目に参考形態(以下、「参考形態3」と呼ぶ)について説明する。
図13は、参考形態3の現像剤製造方法において、トナーとキャリアとを自重落下によって混合させる自重落下混合工程を行う自重落下混合装置100の落下経路の概略説明図である。
落下経路を構成する方向制御手段以外の構成については、図1を用いて説明した参考形態1の自重落下混合装置100と同様の構成である。
図13に示すように、参考形態3の自重落下混合装置100は、方向制御手段として、少なくとも篩型部材である篩型方向制御部材7と、絞り形状型部材であるレデューサー型方向制御部材8とを組み合わせたものである。そして、篩型方向制御部材7の後に、レデューサー型方向制御部材8が位置する順番で設置されている。
上記参考形態2で述べたように、自重落下を利用した混合を行う上記参考形態1の現像剤製造方法は、環境面に対して非常に有利な混合方法である。しかし、参考形態1ように、全く駆動部を有さない自重落下を利用した混合工程では、製造した現像剤が十分に帯電を保持することができず、画像の地肌部をトナーで汚してしまう問題が生じるおそれがある。
一方、参考形態3の現像剤製造方法では、トナーとキャリアとを混合する自重落下混合装置100の方向制御手段が篩型方向制御部材7と、レデューサー型方向制御部材8とを備える。さらに、篩型方向制御部材7の後に、レデューサー型方向制御部材8が位置する順番で設置されている。これにより、混合が良好に行われるとともに、初期帯電の不良が無く、画像品質において非画像部の地肌汚れが発生しない現像剤を製造することができる。
これは以下の理由による。
篩型方向制御部材7及びレデューサー型方向制御部材8が、この順番で設置されていることにより、キャリアとトナーとの混合がより効率的に行われる。メッシュ形状の方向制御部材である篩型方向制御部材7によって、キャリア及びトナーの凝集体が分割され、表面積が増やされた後に、絞り形状の方向制御部材であるレデューサー型方向制御部材8によってキャリア及びトナーが集合される。これにより、キャリアとトナーとの摩擦の頻度を増やし、より効率的に帯電量を得ることが出来、混合が促進されるためである。
篩型方向制御部材7は、図6を用いて説明したものを用いることができるが、これに限るものではない。篩型方向制御部材7は、例えば、篩の目開き、篩設置間隔、篩設置段数、篩設置角度等により、混合強度を調整することが可能である。また、篩の目開きについては、単一の物を複数段組み合わせることも可能だが、目開きの異なる篩を組み合わせることで、混合効率が大幅に改善し、より大きな帯電量を得る場合があるが、これらに限定するものではない。
篩型方向制御部材7は、その素材についても、テフロン(登録商標)、ポリプロピレン及びポリエステルなどの負の電荷を帯びやすいものや、ナイロン及びシルクなどの正の電荷を帯びやすいものを使用することができる。これにより、混合効率が大幅に改善し、より大きな帯電量を得る場合があるが、これらに限定するものではない。
また、方向制御手段としては、篩型方向制御部材7とレデューサー型方向制御部材8とに加えて、ひねり形状の方向制御部材であるリボン型方向制御部材4を備える構成であることが好ましい。これは、以下の理由による。
すなわち、リボン型方向制御部材4によって、落下するキャリア及びトナーの塊を分割させたり、キャリア及びトナーの動きの向きを方向転換させたり、減速させたりすることが可能となる。これにより、キャリア及びトナーの動きを複雑化させることによって、キャリア及びトナーの摩擦の頻度が増やされ、より効率的に帯電量を得ることが出来、混合が促進されるためである。
リボン型方向制御部材4は、図4を用いて説明したものを用いることができるが、これに限るものではない。
また、方向制御手段としては、図13に示すように、リボン型方向制御部材4が、篩型方向制御部材7とレデューサー型方向制御部材8との間に位置する構成であることが好ましい。これは、以下の理由による。
すなわち、リボン型方向制御部材4が、篩型方向制御部材7の下に位置することによって、キャリア及びトナーの動きを複雑化させる働きが、キャリア一粒及びトナー一粒ずつに作用する。このため、リボン型方向制御部材4の効果がより大きくなるためである。さらに、キャリア及びトナーがリボン型方向制御部材4を落下した際、粉体の再配置が起きるため、レデューサー型方向制御部材8を落下する際のキャリアとトナーとの間での摩擦の頻度が増え、より効率的に帯電量を得ることが出来、混合が促進されるためである。
また、図13に示す参考形態3の方向制御手段としては、上から篩型方向制御部材7、リボン型方向制御部材4及びレデューサー型方向制御部材8の順に配置した方向制御ユニット50を構成している。
そして、方向制御手段としては、方向制御ユニット50のような方向制御部材の組み合わせを複数回繰り返す構成であることが好ましい。
上述したメッシュ形状及び絞り形状の順に配置した方向制御部材の組み合わせ、及び、メッシュ形状、ひねり形状及び絞り形状の順に配置した方向制御部材の組み合わせを一単位としたときに、これらを複数単位設置する。これによって、一単位では混ざりきらなかったキャリア及びトナーに対して、摩擦の回数が増え、より大きな帯電量を得ることが出来、混合が促進されるためである。
また、キャリアとトナーの落下経路を形成する部材(混合配管3)に、振動を与える不図示の機構を配置しても良い。これにより、方向制御部材(図13中の7、4、8)に付着したキャリア及びトナーを、振動によって落下させることができ、方向制御部材に常に新しいキャリア及びトナーを供給することが出来る。方向制御部材に常に新しいキャリア及びトナーを供給することで、方向制御部材の機能をより効率的に働かせることができるため、より効率的に帯電量を得ることが出来、混合が促進される。
ここで用いる振動を与える機構としては、例えば方向制御部材の中に、圧縮空気によって高速回転するボールなどを仕込み、方向制御部材に振動する機能を持たせる構成が考えられる。また、落下経路(混合配管3)の外部から、振動部材を接触させることによって振動を与える構成も考えられるが、これらに限定するものではない。
〔実験例3〕
次に、本発明を適用した電子写真用の現像剤の製造方法について、製造した現像剤の混合度、帯電量、地汚れ及びエネルギー原単位を確認した実験例3について説明する。
以下、実験例3における参考形態3の特徴を備えた製造方法の各参考例と、参考形態3の特徴を備えたものとは異なる製造方法の各比較例の条件について説明する。
参考例19〕
参考例19に用いるキャリアは、上記参考例1と同じ『キャリア1』であり、参考例19に用いるトナーは、上記参考例11と同じ『トナー2』である。
上述した製造方法によって得た『キャリア1』と『トナー2』とを、次のような方向制御手段によって混合した。
参考例19で用いる方向制御手段は、目開き288[μm]の篩型方向制御部材7を、5[mm]で垂直方向に三枚重ね、その下方に、レデューサー型方向制御部材8を設置した構成となっている。このような方向制御手段の上方に、アキュレートフィーダーからなるキャリア供給部1及びトナー供給部2を配置した。そして、キャリア供給部1及びトナー供給部2によって、キャリアとトナーとの供給比率が『キャリア1』が93[質量部]、『トナー2』が7[質量部]となるようにそれぞれ供給した。そして、重力によってキャリアとトナーとの全部が上述した方向制御手段を通過するように落下させながら、その運動エネルギーによりキャリアとトナーとを混合する。これにより、トナー濃度が7[質量%]の『現像剤26』を作成した。
参考例20〕
参考例19における方向制御手段のレデューサー型方向制御部材8の下方に、リボン型方向制御部材4を設置する変更を行った。この変更点以外は、参考例19と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤27』を得た。
参考例21〕
参考例19における方向制御手段の篩型方向制御部材7の上方に、リボン型方向制御部材4を設置する変更を行った。この変更点以外は、参考例19と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤28』を得た。
参考例22〕
参考例19における方向制御手段の篩型方向制御部材7とレデューサー型方向制御部材8との間に、リボン型方向制御部材4を設置する変更を行った。この変更点以外は、参考例19と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤29』を得た。
参考例23〕
参考例22における方向制御手段の、篩型方向制御部材7とレデューサー型方向制御部材8とリボン型方向制御部材4とを一単位(図13中の方向制御ユニット50)として、十単位設置する変更を行った。この変更点以外は、参考例22と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤30』を得た。なお、図13に示す混合配管3内に配置された方向制御手段は、参考例23の方向制御手段と同じものである。
参考例24〕
参考例22における方向制御手段に対して外側からV形バイブレーター(シンフォニアテクノロジー社製)を接触させ、混合部を振動させる変更を行った。この変更点以外は、参考例23と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤31』を得た。
参考例25〕
参考例24における方向制御手段に対して、図13に示すように、方向制御手段を混合配管3内に配置する変更を行った。この変更点以外は、参考例24と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤32』を得た。
参考例26〕
参考例25に対して、キャリアとトナーとの混合割合、すなわち、キャリアとトナーとの供給比率を、『キャリア1』が1[質量部]に対して、『トナー2』が9[質量部]となるように変更した。この変更点以外は、参考例25と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤33』を得た。なお、参考例26で得た混合物(現像剤33)は、補給用現像剤として用いるものとなる。
〔比較例8〕
参考例19に対して、篩型方向制御部材7とレデューサー型方向制御部材8との設置位置を上下逆に変更した。この変更点以外は、参考例19と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤34』を得た。
〔比較例9〕
比較例8に対して、レデューサー型方向制御部材8と篩型方向制御部材7との間にリボン型方向制御部材4を配置する変更を行った。すなわち、比較例9の方向制御手段は、上から順にレデューサー型方向制御部材8、リボン型方向制御部材4、篩型方向制御部材7の順に配置している。この変更点以外は、比較例8と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤35』を得た。
〔比較例10〕
参考例19に対して、混合工程をターブラーミキサー(株式会社シンマルエンタープライゼス製、T2C型、電力量:180[kWh])を用いる混合工程に変更した。ターブラーミキサーを用いた混合工程としては、回転数を32[rpm]に設定し、7[分間]の混合を行った。この変更点以外は、参考例19と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤36』を得た。
上記参考例19〜26及び比較例8〜10の現像剤混合において、得られた現像剤の混合度(トナー濃度ばらつき)と帯電量と地肌汚れとの評価を実施した。また、これらの混合工程に生じる電力効率(エネルギー原単位)についても評価を実施した。
評価結果を表3に示す。
表3に示す、各参考例及び各比較例における現像剤混合の評価方法は下記に従った。
〔混合度評価方法〕
実験例3における混合度の評価方法は、混合実験により得られた現像剤全体から、満遍なくランダムに10点サンプリングを行い、一般的なブローオフ法([株式会社東芝ケミカル製、TB−200型]にてトナー濃度を得た。こうして得たトナー濃度10点に対し標準偏差σを算出し、以下のとおりランク分けを行った。
「◎」 : σ≦0.1
「○」 : 0.1<σ≦1.0
「△」 : 1.0<σ≦5.0
「×」 : 5.0<σ
実験例3の混合度評価では、「◎」、「○」、「△」を合格とし、「×」を不合格とした。
〔帯電量評価方法〕
実験例3における帯電量の評価方法は、現像剤を一定量サンプリングし、両端に金属メッシュを備えた導体容器(ケージ)に入れた。そして、ノズルから圧縮ガスを吹き付け、トナーのみをケージの外へブローオフし、ケージ内に残されたキャリアの電荷の値Qを電圧計で測定した。さらに飛び出されたトナーの質量Mを測定し、単位質量当たりの電荷量を帯電量「Q/M値」として算出し、以下のとおりランク分けを行った。
「◎」 : 30≦「Q/M値」
「○」 : 20≦Q/「Q/M値」<30
「△」 : 10≦Q/「Q/M値」<20
「×」 : 「Q/M値」<10
実験例3の帯電量評価では、「◎」、「○」、「△」を合格とし、×を不合格とした。
〔地肌汚れ評価方法〕
市販のデジタルフルカラープリンタ(株式会社リコー製、imagio MP C5000)の改造機に現像剤をセットし、初期の現像剤の地肌汚れを評価した。
具体的には、上記デジタルフルカラープリンタを用いて、地肌ポテンシャルを150[V]に固定し、A3用紙全面の地肌画像を現像剤セット直後に現像を開始した。そして、現像途中の状態で現像を強制的に停止させることで、感光体上に地肌部が現像されている状態の感光体を得た。次に、この感光体上の地肌部が現像されている箇所に透明テープを貼り付け、引き剥がすことで、感光体上に存在するトナー粒子を透明テープ上に移した。
そして、この透明テープを新品の白紙上に貼り付け、透明テープ上を10分割にエリア分けし、それぞれのエリアの中央部の画像濃度を測定し、この10点の平均を代表値とした。なお、画像濃度の測定は、X−Rite社製の分光濃度計である、X−Rite938機を用いて行った。また、画像濃度の値は、感光体上から取り出した透明テープ上の画像濃度の値から、白紙上に透明テープを貼り付けたものの画像濃度を差し引いた値(地肌汚れ分だけを取り出した値)を測定値とし、以下のとおりランク分けを行った。
「◎」 : ID<0.01
「○」 : 0.01≦ID<0.03
「△」 : 0.03≦ID<0.05
「×」 : 0.05≦ID
実験例3の地肌汚れ評価では、「◎」、「○」、「△」を合格とし、「×」を不合格とした。
〔エネルギー原単位判断基準〕
混合工程に印加された電力と、混合工程を通過した現像剤の生産量との比である「エネルギー原単位」について、以下のようにランク付けを行った。
「○」 : 「エネルギー原単位」<0.001
「△」 : 0.001≦「エネルギー原単位」<0.01
「×」 : 0.01≦「エネルギー原単位」
実験例3のエネルギー原単位判断では、「○」、「△」を合格とし、「×」を不合格とした。
表3で示す評価結果から、各参考例19〜26による現像剤混合は、比較例8及び9と比較して、混合度、帯電量及び地肌汚れが改善されていることが明らかである。また、各参考例19〜26による現像剤混合は、比較例10と比較してエネルギー原単位が小さくなっており、混合工程に要するエネルギーの削減が図られていることが明らかである。
〔実施形態〕
以下、本発明を適用した現像剤製造方法の実施形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について説明する。
図14は、実施形態の現像剤製造方法において、トナーとキャリアとを自重落下によって混合させる自重落下混合工程を行う自重落下混合装置100で用いる混合配管3の一部の説明図である。図14は、混合配管3の手前側半分の図示を省略しており、内部に配置した篩型方向制御部材7が視認できる図面となっている。
図14に示すように、実施形態では、混合配管3の一部に空気孔301が形成されている。
図15は、実施形態の自重落下混合装置100で用いる混合配管3の下方に、せん断混合装置10を追加した構成の説明図である。図15に示すせん断混合装置10では、せん断混合搬送路10aがせん断力付与部となる。
本発明を適用した自重落下を利用した混合工法は、キャリアとトナーとが重力によって落下する力を利用し、混合させる方法である。この方法の場合、キャリアとトナーとを静置された混合部(混合配管3等)へ供給させる。そして、混合部の落下経路内に設置された篩型部材、ひねり形状型部材や絞り形状型部材等の方向制御部材にキャリアとトナーとが衝突し落下方向を変えられ、キャリアとトナーとの間で接触、摩擦が起こる。このように落下によりそれぞれの粒子が混ざり合わさるものであるため、電力を消費することが無く、CO排出量を低減できる有効な手段である。
また、トナーとキャリアとが共に通過する通過経路を混合配管3のような管路にすることで、経路外への舞い上がりや飛散が防止出来る。さらに、混合部での物の流れが密状態で流れるため、混合させたい粉体が接する機会が非常に多くなると共に、トナーとキャリアとの流れが複雑化するので、混合が促進される。
しかしながら、混合配管3内に方向制御部材を複数配置した混合部で、トナー及びキャリアの供給量を増やすと、各々の方向制御部材を通過する前のトナー及びキャリアが方向制御部材上で滞留する。そして、滞留したトナー及びキャリアが方向制御部材上に満遍なく存在する状態となり、方向制御部材の下方が密閉状態となることがある。
方向制御部材の下方が密閉状態となると、混合配管3内に外部から空気を取り込むことができなくなり、方向制御部材を垂直に多数配置させると、下方の方向制御部材になればなるほど、空気の抜けは悪化することとなる。空気の抜けが悪くなると、トナー及びキャリアが方向制御部材を通過し難くなってしまい、排出時の脈動や、処理量の低下、混合具合のバラツキ等が発生してしまい、生産量の向上が困難となるおそれがある。
一方、実施形態では、混合配管3に少なくとも一つ以上の空気孔301が空いていることで、方向制御部材の下部が密閉されることを防ぎ、管内に外部から空気を取り込むことが出来る。このため、キャリア及びトナーの落下が逆噴きや落下速度の低下を起こすことなく、効率良く摩擦することが出来る。これにより、排出時の脈動や、処理量の低下、混合具合のバラツキ等が発生することを防止し、生産量の向上を図ることができる。
実施形態の自重落下混合装置100は、参考形態1〜3と同様に、重落下による混合を行うものである。重落下による混合とは、キャリアとトナーとが重力によって落下する力を利用し、混合させる方法である。この方法の場合、キャリアとトナーとを混合部へ供給させることにより、それぞれの粒子の自重(重力)落下の動きにより、それぞれの粒子が混ざり合わさるものである。
実施形態のように、空気孔301を備える構成は、方向制御部材として、図6に示す篩型方向制御部材7や図7に示すレデューサー型方向制御部材8を備える混合部に適用することが好ましい。これらの方向制御部材により、キャリアとトナーとの落下方向の移動経路が複雑化され、キャリアとトナーとの衝突の機会が増え、混合が進む。しかし、これらの方向制御部材は、トナーやキャリアの落下方向への移動を阻害するため、その上方でトナーやキャリアが滞留し易く、方向制御部材の下方が密閉状態となり易い。これに対して、実施形態のように、空気孔301を備えることで、方向制御部材の下方が密閉状態となることを防止できる。
実施形態で用いる篩型方向制御部材7やレデューサー型方向制御部材8としては、上記参考形態1〜上記参考形態3で説明したものと同様のものを用いることができる。
実施形態の空気孔301は、キャリアとトナーとの落下経路の外壁の一部が開放されたものであり、例えば、形状や大きさ、数等により、管内の圧力と大気圧とを同等にするよう調整することが可能である。
図15に示すように、実施形態では、少なくとも一つのレデューサー型方向制御部材8の上方に少なくとも一つの篩型方向制御部材7を配置し、この特定の組み合わせを一単位(一段)として、複数単位備える構成となっている。
図15に示すように、篩型方向制御部材7の後に、レデューサー型方向制御部材8が位置する順番で設置されることで、キャリアとトナーとの混合がより効率的に行われることは、上記参考形態3で説明した通りである。
また、空気孔301は、少なくとも上記一単位毎か、一つの方向制御部材が配置される毎に、少なくとも一つ以上有することによってより効率的な混合を行うことができる。これは、以下の理由による。
すなわち、上記一単位毎、もしくは方向制御部材毎に空気孔301を設置することで、空気を取り込む頻度を高くすることができるため、管内でキャリアとトナーとによる密閉状態を防ぐことが出来、より効率的に摩擦することが可能となるためである。
さらに、実施形態において、混合配管3や方向制御部材に振動を与えるように、参考形態3で説明した振動を与える機構を配置しても良い。
また、図15に示すように、実施形態の自重落下混合装置100は、自重による混合部の下方にせん断混合装置10を備える。このように、自重落下による混合の後に、せん断力の付与による混合が行われることによって、より良好な混合を行うことが出来る。
これは、自重落下による混合よってキャリアとトナーとの位置置換が十分に行われた後で、せん断力の付与によって、キャリアとトナーとに高強度の摩擦を起こすことができ、それによってキャリアとトナーとの帯電が促進されるためである。
また、実施形態のせん断混合装置10は、図10を用いて説明したせん断混合装置10と同様のものである。このようなせん断混合装置10では、キャリアとトナーとが搬送される際に、搬送部材(スクリュ部材)と、通過経路(管状部材)の内壁との間で摩擦されることによってせん断力の付与による混合が行われる。また、搬送部材を複数備える構成の場合は、キャリアとトナーとが搬送部材同士の間で摩擦されることにより行われる。
このような摩擦による混合によって、参考形態2の図10の構成について説明した理由と同様の理由により、良好な混合を行うことができる。また、せん断力の付与によって混合を行う構成としては、参考形態2で説明した構成を適宜用いることができる。
〔実験例4〕
次に、本発明を適用した電子写真用の現像剤の製造方法について、製造した現像剤の混合度、帯電量、地汚れ、エネルギー原単位及び生産量を確認した実験例4について説明する。
以下、実験例4における実施形態の特徴を備えた製造方法の各実施例と、実施形態の特徴を備えたものとは異なる製造方法の各比較例の条件について説明する。
実施例1
実施例1に用いるキャリアは上記参考例1と同じ『キャリア1』であり、実施例1に用いるトナーは上記参考例11と同じ『トナー2』である。
上述した製造方法によって得た『キャリア1』と『トナー2』とを、実施形態の特徴を備えた自重落下混合装置100によって混合した。詳しくは、図1に示す自重落下混合装置100の落下経路となる円筒状の管である混合配管3として、図14に示す混合配管3を用いた自重落下混合装置100によって混合した。また、実施例1は、混合配管3にランダムに10ヶ所、1[cm]四方の角形状の空気孔301を開け、その管内に5[mm]間隔で垂直に三枚重ねた篩型方向制御部材7(目開き:288[μm])のユニットを一段とし、これを10段設置した構成である。
このような混合配管3の上方にアキュレートフィーダー(株式会社クマエンジニアリング製)からなるキャリア供給部1及びトナー供給部2を配置した。そして、キャリア供給部1及びトナー供給部2によって、キャリアとトナーとの供給比率がとして、『キャリア1』が93[質量部]、『トナー2』が7[質量部]となるように、さらに、供給全量が94.4[kg/hr]となるようにそれぞれ供給した。そして、重力によってキャリアとトナーとの全部が混合配管3内の篩型方向制御部材7を通過するように落下させながら、その運動エネルギーによりキャリアとトナーとを混合する。これにより、トナー濃度が7[質量%]の『現像剤34』を作成した。
実施例2
実施例1における混合配管3内の三枚重ねた篩型方向制御部材7の下方に、絞り径φ9.0[mm]のレデューサー型方向制御部材8を配置し、このユニットを一段とし、これを10段設置する変更を行った。こ変更点以外は、実施例1と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤35』を得た。
実施例3
実施例1における混合配管3に設けた空気孔301を、篩型方向制御部材7を三枚重ねた一つのユニット毎に1ヶ所ずつ、計10ヶ所に設ける変更を行った。この変更点以外は、実施例1と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤36』を得た。
実施例4
実施例3に対して、方向制御部材に対して外側からV形バイブレーター(シンフォニアテクノロジー社製)を接触させ、混合部を振動させる変更を行った。この変更点以外は、実施例3と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤37』を得た。
実施例5
実施例4に対して、混合配管3の下方に、すり鉢状の容器を設置し、混合配管3を通過した現像剤をこの容器で受け、すりこ木によって30[rpm]の速度でせん断力を与える変更を行った。この変更点以外は、実施例4と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤38』を得た。
実施例6
実施例4に対して、混合配管3の下方にスクリュフィーダーからなるせん断混合装置10を設置した(図15に例示する)。そして、スクリュフィーダーのスクリュ回転速度を93[rpm]に設定し、このスクリュフィーダーで現像剤を送り出すことにより、スクリュと内壁との間で摩擦することで現像剤にせん断力を与えた。このようにスクリュフィーダーからなるせん断混合装置10を設置した変更点以外は、実施例4と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤39』を得た。
実施例7
図16は、実施例7で用いた、せん断混合装置10の説明図である。実施例7では、実施例4において、混合配管3の下方に図16に示す二本のスクリュを有するせん断混合装置10を設置し、各々のスクリュについてスクリュ回転速度を93[rpm]に設定し、現像剤を送り出した。このように二本のスクリュで現像剤を送り出すことにより、スクリュ同士の間で摩擦することで現像剤にせん断力を与えた。このように図16に示すせん断混合装置10を設置した変更点以外は、実施例4と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤40』を得た。
実施例8
実施例7に対して、キャリアとトナーとの混合割合、すなわち、キャリアとトナーとの供給比率を、『キャリア1』が1[質量部]に対して、『トナー2』が9[質量部]となるように変更した。この変更点以外は、実施例7と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤41』を得た。なお、実施例8で得た混合物(現像剤41)は、補給用現像剤として用いるものとなる。
〔比較例11〕
実施例1に対して、混合配管3に空気孔301を設けない変更を行った。この変更点以外は、実施例1と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤42』を得た。
〔比較例12〕
実施例1に対して、混合工程をターブラーミキサー(株式会社シンマルエンタープライゼス製、T2C型、電力量:180[kWh])を用いる混合工程に変更した。ターブラーミキサーを用いた混合工程としては、回転数を32[rpm]に設定し、7[分間]の混合を行った。この変更点以外は、実施例1と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤43』を得た。
上記実施例1実施例8及び比較例11〜比較例12の現像剤混合において、得られた現像剤の混合度(トナー濃度ばらつき)と、帯電量と、地肌汚れとの評価を実施した。
評価結果を表4に示す。
表4に示す、各実施例及び各比較例における現像剤混合の評価方法は下記に従った。
〔混合度評価方法〕
実験例4における混合度の評価方法は、混合実験により得られた現像剤全体から、満遍なくランダムに10点サンプリングを行い、一般的なブローオフ法([株式会社東芝ケミカル製、TB−200型]にてトナー濃度を得た。こうして得たトナー濃度10点に対し標準偏差σを算出し、以下のとおりランク分けを行った。
「○」 : σ≦0.1
「△」 : 0.1<σ≦1.0
「×」 : 1.0<σ
実験例4の混合度評価では、「○」、「△」を合格とし、「×」を不合格とした。
〔帯電量評価方法〕
実験例4における帯電量の評価方法は、現像剤を一定量サンプリングし、両端に金属メッシュを備えた導体容器(ケージ)に入れた。そして、ノズルから圧縮ガスを吹き付け、トナーのみをケージの外へブローオフし、ケージ内に残されたキャリアの電荷の値Qを電圧計で測定した。さらに飛び出されたトナーの質量Mを測定し、単位質量当たりの電荷量を帯電量「Q/M値」として算出し、以下のとおりランク分けを行った。
「◎」 : 30≦「Q/M値」
「○」 : 20≦Q/「Q/M値」<30
「△」 : 10≦Q/「Q/M値」<20
「×」 : 「Q/M値」<10
実験例4の帯電量評価では、「◎」、「○」、「△」を合格とし、×を不合格とした。
〔地肌汚れ評価方法〕
市販のデジタルフルカラープリンタ(株式会社リコー製、imagio MP C5000)の改造機に現像剤をセットし、初期の現像剤の地肌汚れを評価した。
具体的には、上記デジタルフルカラープリンタを用いて、地肌ポテンシャルを150[V]に固定し、A3用紙全面の地肌画像を現像剤セット直後に現像を開始した。そして、現像途中の状態で現像を強制的に停止させることで、感光体上に地肌部が現像されている状態の感光体を得た。次に、この感光体上の地肌部が現像されている箇所に透明テープを貼り付け、引き剥がすことで、感光体上に存在するトナー粒子を透明テープ上に移した。
そして、この透明テープを新品の白紙上に貼り付け、透明テープ上を10分割にエリア分けし、それぞれのエリアの中央部の画像濃度を測定し、この10点の平均を代表値とした。なお、画像濃度の測定は、X−Rite社製の分光濃度計である、X−Rite938機を用いて行った。また、画像濃度の値は、感光体上から取り出した透明テープ上の画像濃度の値から、白紙上に透明テープを貼り付けたものの画像濃度を差し引いた値(地肌汚れ分だけを取り出した値)を測定値とし、以下のとおりランク分けを行った。
「◎」 : ID<0.01
「○」 : 0.01≦ID<0.03
「△」 : 0.03≦ID<0.05
「×」 : 0.05≦ID
実験例4の地肌汚れ評価では、「◎」、「○」、「△」を合格とし、「×」を不合格とした。
〔エネルギー原単位判断基準〕
混合工程に印加された電力と、混合工程を通過した現像剤の生産量との比である「エネルギー原単位」について、以下のようにランク付けを行った。
「○」 : 「エネルギー原単位」<0.001
「△」 : 0.001≦「エネルギー原単位」<0.01
「×」 : 0.01≦「エネルギー原単位」
実験例4のエネルギー原単位判断では、「○」、「△」を合格とし、「×」を不合格とした。
〔生産量判断基準〕
94.4[kg/hr]の供給量に対する一時間当たりの処理量の比である処理率(「処理量」/「供給量」×100[%])について、以下のようにランク付けを行った。
「○」 : 50≦処理率
「×」 : 処理率<50
実験例4の生産量判断では、「○」を合格とし、「×」を不合格とした。
表4で示す評価結果から、各実施例1による現像剤混合は、比較例11と比較して、混合度、帯電量、地肌汚れ及び生産量が改善されていることが明らかである。また、各実施例1による現像剤混合は、比較例12と比較してエネルギー原単位が小さくなっており、混合工程に要するエネルギーの削減が図られていることが明らかである。
参考形態4
以下、現像剤製造方法のつ目に参考形態(以下、「参考形態4」と呼ぶ)について説明する。
図17は、参考形態4の現像剤製造方法において、トナーとキャリアとを自重落下によって混合させる自重落下混合工程を行う自重落下混合装置100で用いる混合配管3とせん断混合装置10との説明図である。図17では図示を省略しているが、参考形態4の自重落下混合装置100は、せん断混合装置10にキャリア及びトナーをそれぞれ供給するキャリア供給部1及びトナー供給部2を備える。
参考形態4のせん断混合装置10は、せん断混合搬送路10aに配置された搬送部材である搬送スクリュ210によって搬送されるトナー等の粉体に対して、抵抗を付加するせん断混合搬送部抵抗手段を備える。
上記参考形態2の構成は、自重落下を用いた混合と、せん断力を付与する混合とを組み合わせた混合方法である。特に、図9や図10に記載の構成は、キャリアとトナーとが重力によって落下する力を利用し、混合させる自重落下による混合方法と、搬送部にのみ駆動するような比較的省電力な攪拌装置を用いた混合方法を組み合わせている。これにより、所望の混合度、帯電量を低環境負荷で実現することが可能である。
自重落下による混合工法では、キャリアとトナーとを混合部へ供給させることにより、それぞれの粒子の自重(重力)落下の動きにより、それぞれの粒子が混ざり合わさるものである。このため、電力を消費することが無く、環境面に対して非常に有利な方法である。一方で、搬送部材のみ駆動するような攪拌装置では、混合度、帯電量を高くするためには攪拌距離を長くする必要がある。このため、所望の混合度及び帯電量を得るために、装置が長大にする必要があり、コストや設置スペースの面で不利となる問題があった。
これに対して、参考形態4の現像剤製造方法では、攪拌装置として機能するせん断混合装置10のせん断混合搬送路10aに、搬送されるトナーに対して、抵抗を付加するせん断混合搬送部抵抗手段を備える。これにより、現像剤が搬送される際に、現像剤の搬送に抵抗する力が加わることで、せん断力を付与する搬送路であるせん断混合搬送路10a中で現像剤が詰まり、現像剤に対して、より強いせん断力が加わる。このため、所望の混合度及び帯電量を得るための攪拌距離をより短くすることが出来る。よって、せん断混合搬送路10aでの混合効率の向上を図ることができ、混合度、帯電量を高くするためには攪拌距離(せん断混合搬送路10aの長さ、搬送スクリュ210の搬送距離)を長くする必要がなくなる。これにより、自重落下混合装置100全体の小型化を図ることができる。また、混合効率の向上を図ることで、現像剤の混合性が均一となり、帯電の不良が無い電子写真用現像剤を製造することが出来る。
参考形態4の現像剤製造方法における、せん断混合搬送部抵抗手段としては、例えば、現像剤の搬送路の壁面の形状の一部を狭めたり、搬送路中に搬送を妨げる部材を設置したりするものが挙げられる。また、搬送路の外部から磁力や風力などを加えるなども挙げられる。このように、せん断混合搬送部抵抗手段は、搬送される現像剤が詰まって、より強いせん断力を生み出すような手段のことであるが、これらに限定するものではない。
また、参考形態4の現像剤製造方法における、自重落下による混合とは、キャリアとトナーとが重力によって落下する力を利用し、混合させる方法である。この方法の場合、キャリアとトナーとを混合部へ供給させることにより、それぞれの粒子の自重(重力)落下の動きにより、それぞれの粒子が混ざり合わさるものである。
また、参考形態4の現像剤製造方法における搬送部材としては、例えば棒形状、コイル形状及びスクリュ形状などが考えられるが、これに限定するものではない。搬送部材は、その形状によって混合効率が大幅に改善し、より大きな帯電量を得て搬送距離を短くできる場合があるが、これらに限定するものではない。
せん断混合搬送部抵抗手段としては、図19に示す板状方向制御部材202や図20に示すメッシュ状方向制御部材203のように、搬送路に設置した、少なくとも一つ以上の搬送路方向制御部材を用いることができる。せん断混合搬送部抵抗手段として、搬送路方向制御部材にすることで、現像剤の搬送が搬送路方向制御部材によって妨げられる際に、現像剤が経路で詰まり、より高いせん断力が発生する。これにより、攪拌距離を短くすることが出来る。
参考形態4の現像剤製造方法における搬送路方向制御部材としては、例えば錐形状や球形状、板形状等のものが挙げられる。そして、その形状や大きさ、設置数や設置間隔、設置位置などにより、抵抗力を調整することが可能である。これらの調整によって混合効率が大幅に改善し、より大きな帯電量を得て搬送距離を短くできる場合があるが、これらに限定するものではない。
また、せん断混合搬送部抵抗手段に用いる搬送路方向制御部材としては、図20に示すメッシュ状方向制御部材203を用いることが好ましい。他の形状の搬送路方向制御部材では、搬送される現像剤の中で受ける抵抗の偏りが生じてしまう。これに対して、搬送路方向制御部材がメッシュ形状をしている場合、通過する全ての現像剤がより均等に抵抗力を受けることが出来る。
参考形態4の現像剤製造方法におけるメッシュ状方向制御部材203は、現像剤の搬送路の一部及び全部を網羅するように設置され、目開き、設置数、設置間隔、設置位置などにより、抵抗力を調整することが可能である。よって、これらの抵抗力を調整する構成は、現像剤の種類や要求される帯電量に合わせて決めれば良い。メッシュ状方向制御部材203の素材については、テフロン、ポリプロピレン及びポリエステルなどの負の電荷を帯びやすいものや、ナイロン及びシルクなどの正の電荷を帯びやすいものを使用することが可能である。このような素材を使用することによって、混合効率が大幅に改善し、より大きな帯電量を得て搬送距離を短くできる場合があるが、これらに限定するものではない。
メッシュ状方向制御部材203としては、目開きが、100〜1000[μm]であることが望ましい。この範囲の目開きのメッシュ状方向制御部材203を使用することによって、現像剤の搬送速度の低下を抑えながらも現像剤を通過させることが出来るため、処理量を低下させることなく高いせん断力を与えることができる。これにより、特にエネルギー原単位を低く抑えつつ、搬送距離を短くすることが出来る。メッシュ状方向制御部材203の開孔率によっても、搬送に対する抵抗力に差が生じ、特に20〜60[%]が望ましいが、この範囲に限定するものではない。
せん断混合搬送部抵抗手段としては、図21に示す磁石204のように、搬送路の内側または外側の何れか一方、もしくは両方から磁力を加える磁界発生手段であってもよい。搬送路の内側または外側の少なくとも何れか一方から磁力を加えることで、磁力の働く側に現像剤が引き付けられるため、現像剤に搬送に抵抗する力が加わり、より大きなせん断力を加えることができるため、搬送距離を短くすることが出来る。
磁石204としては、フェライト磁石や金属磁石、ボンド磁石、電磁石などが挙げられ、その磁気強度により、搬送に対する抵抗力が大幅に改善し、より大きな帯電量を得て搬送距離を短くできる場合がある。また、その配置も搬送部材自体を磁石にしてしまう手段や、角形状やリング形状などの磁石を搬送路の周囲に配置するなど様々な形状が考えられる。これらは混合する現像剤の種類や要求される帯電量に合わせて調整することで、より大きな帯電量を得て搬送距離を短くできる場合があるが、これらに限定するものではない。
〔実験例5〕
次に、本発明を適用した電子写真用の現像剤の製造方法について、製造した現像剤のエネルギー原単位及び使用したせん断混合装置の攪拌距離を確認した実験例5について説明する。
以下、実験例5における参考形態4の特徴を備えた製造方法の各参考及び実施例9と、参考形態4の特徴を備えたものとは異なる製造方法の各比較例の条件について説明する。
参考例27
参考例27に用いるキャリアは上記参考例1と同じ『キャリア1』であり、参考例27に用いるトナーは上記参考例11と同じ『トナー2』である。
上述した製造方法によって得た『キャリア1』と『トナー2』とを、参考形態4の特徴を備えた自重落下混合装置100によって混合した。詳しくは、図17に示す自重落下混合装置100の不図示のキャリア供給部1とトナー供給部2とから、図17に示すせん断混合装置10に『キャリア1』と『トナー2』とを供給した。
図18は、参考例27のせん断混合装置10が備えるせん断混合搬送路10aの説明図である。参考例27のせん断混合搬送路10aは、内径20[mm]で下に凸形状の半円筒状の搬送路形成部材220を備える。そして、搬送路形成部材220の内部表面の排出側端部から10[mm]の領域に対してサンドブラストによって粗面処理を施し、粗面処理部201としている。粗面処理部201は、搬送部材である搬送スクリュ210の搬送に対して抵抗となり、せん断混合搬送部抵抗手段として機能する。搬送スクリュ210の回転数は160[rpm]に調整した。
また、搬送路形成部材220の排出側端部の下方に、自重落下による混合部として、混合配管3を配置し、混合配管3内にはレデューサー型方向制御部材8を10段配置している。また、不図示のキャリア供給部1とトナー供給部2とは、アキュレートフィーダー(株式会社クマエンジニアリング製)からなる。このキャリア供給部1とトナー供給部2とによって、キャリアとトナーとの供給比率が『キャリア1』が93[質量部]に対して、[トナー2]が7[質量部]となるように供給し、順に混合を進めることで[現像剤44]を作製した。
参考例28
図19は、参考例28のせん断混合装置10が備えるせん断混合搬送路10aの説明図である。参考例28のせん断混合搬送路10aは、搬送路形成部材220の排出側端部に半円状の断面の下半分を覆うように、せん断混合搬送部抵抗手段として機能する板状方向制御部材202を設けている。粗面処理部201を設ける代わりに板状方向制御部材202を設けた変更点以外は、参考例27と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤45』を得た。
参考例29
図20は、参考例29のせん断混合装置10が備えるせん断混合搬送路10aの説明図である。参考例29のせん断混合搬送路10aは、搬送路形成部材220の排出側端部に半円状の断面を塞ぐように、メッシュ状方向制御部材203を設けている。メッシュ状方向制御部材203としては、目開きが98[μm]で、開孔率が19[%]のものを用いた。板状方向制御部材202を設ける代わりにメッシュ状方向制御部材203を設けた変更点以外は、参考例28と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤46』を得た。
参考例30
参考例29に対して、メッシュ状方向制御部材203の目開きを100[μm]とし、開孔率を20[%]に変更した。この変更点以外は、参考例29と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤47』を得た。
参考例31
参考例29に対して、使用するキャリアを『キャリア1』の代わりに、芯材粒子を平均粒径100[μm]のCu−Zn系焼成フェライト粉に、被覆膜形成溶液を芯材粒子表面に膜厚0.3[μm]になるようにコーティングした、『キャリア2』に変更した。さらに、メッシュ状方向制御部材203の目開きを1002[μm]とし、開孔率を61[%]に変更した。これらの変更点以外は、参考例29と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤48』を得た。
参考例32
参考例31に対して、メッシュ状方向制御部材203の目開きを1000[μm]とし、開孔率を60[%]に変更した。この変更点以外は、参考例31と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤49』を得た。
参考例33
図21は、参考例33のせん断混合装置10が備えるせん断混合搬送路10aの説明図である。参考例33のせん断混合搬送路10aは、半円筒状の搬送路形成部材220の周囲に角形状の磁石204を設けている。粗面処理部201を設ける代わりに磁石204を設けた変更点以外は、参考例27と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤50』を得た。
参考例34
図22は、参考例34の自重落下混合装置100で用いる混合配管3とせん断混合装置10との説明図である。参考例34は、参考例27に対して、自重落下による混合部を構成する混合配管3の設置位置を、せん断混合装置10の上方に変更した。この変更点以外は、参考例27と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤51』を得た。
参考例35
図23は、参考例35のせん断混合装置10が備えるせん断混合搬送路10aの説明図である。参考例35は、参考例27に対して、半円筒状の搬送路形成部材220から円筒状の搬送路形成部材220に変更した。円筒状の搬送路形成部材220は、供給側端部と排出側端部以外は閉じた形状である。この変更点以外は、参考例27と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤52』を得た。
〔実施例
図24は、実施例の自重落下混合装置100が備える混合配管3の説明図である。実施例の混合配管3は、5[mm]間隔で並行に設置された目開き288[μm]の篩型方向制御部材7が3枚と、レデューサー型方向制御部材8が一つとで構成されるユニットを一段(一単位)として、これを10段備える構成である。このように混合配管3を変更した変更点以外は、参考例27と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤53』を得た。
参考例36
参考例27に対して、キャリアとトナーとの混合割合、すなわち、キャリアとトナーとの供給比率を、『キャリア1』が1[質量部]に対して、『トナー2』が9[質量部]となるように変更した。この変更点以外は、参考例27と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤54』を得た。なお、参考例36で得た混合物(現像剤54)は、補給用現像剤として用いるものとなる。
〔比較例13〕
参考例27において、混合工程をターブラーミキサー(株式会社シンマルエンタープライゼス製、T2C型、電力量:180[kWh])を用いる混合工程に変更した。ターブラーミキサーを用いた混合工程としては、回転数を32[rpm]に設定し、7[分間]の混合を行った。この変更点以外は、参考例27と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤55』を得た。
〔比較例14〕
参考例27に対して、半円筒状の搬送路形成部材220の内部表面に粗面処理を施さない、すなわち、せん断混合搬送部抵抗手段として機能する粗面処理部201を備えない構成に変更した。この変更点以外は、参考例27と同様にしてトナー及びキャリアの製造と、現像剤の混合とを行い、『現像剤56』を得た。
上記参考例2735、実施例9及び比較例13〜14の現像剤混合において、所望の混合度(σ:0.10以下)及び帯電量(Q/M:30以上)となる現像剤を作製した。このときの各混合工法に生じる電力効率(エネルギー原単位)と、所望の現像剤を作製するために要する攪拌距離(搬送路形成部材220の長さ)についても評価を実施した。
評価結果を表5に示す。
表5に示す各参考例、実施例及び各比較例における現像剤混合の評価方法は下記に従った。
〔エネルギー原単位判断基準〕
混合工程に印加された電力と、混合工程を通過した現像剤の生産量との比である「エネルギー原単位」について、以下のようにランク付けを行った。
「○」 : 「エネルギー原単位」≦0.0022
「△」 : 0.0022<「エネルギー原単位」≦0.0030
「×」 : 0.0030<「エネルギー原単位」
実験例5のエネルギー原単位判断では、「○」、「△」を合格とし、「×」を不合格とした。
〔攪拌距離判断基準〕
所望の混合度(「σ」が0.10以下)及び帯電量(「Q/M」が30以上)を得るために必要な「攪拌距離」について、以下のようにランク付けを行った。
「○」 : 「攪拌距離」≦0.5
「△」 : 0.5<「攪拌距離」≦1.0
「×」 : 1.0<「攪拌距離」
実験例5の攪拌距離判断では、「○」、「△」を合格とし、「×」を不合格とした。
表5で示す評価結果から、各参考例2736及び実施例9による現像剤混合は、比較例13と比較してエネルギー原単位が小さくなっており、混合工程に要するエネルギーの削減が図られていることが明らかである。また、各参考例2736及び実施例9による現像剤混合は、比較例14と比較して攪拌距離が改善されていることが明らかである。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
少なくとも、キャリアとトナー等の粉体とを混合する混合工程を含む現像剤製造方法において、混合工程が、キャリアと粉体とを自重で落下させながら混合する自重落下混合工程を含む。
これによれば、上記参考形態1について説明したように、混合工程に要するエネルギーを抑制することが出来る。
(態様B)
(態様A)において、キャリアと粉体とを自重で落下させながら混合する混合配管3等の落下経路内に、キャリア及び粉体の移動方向を制御するリボン型方向制御部材4等の方向制御手段が配置されている。
これによれば、上記参考形態1について説明したように、落下する粉体の塊を分割させたり、粒子の動きの向きを方向転換させたり、減速させたりすることが可能となり、複雑化した粒子の動きにより、混合が促進され、混合効果の向上を図ることができる。
(態様C)
(態様B)において、方向制御手段が、リボン型方向制御部材4等のひねり形状型部材、複数分割型方向制御部材6等の複数分割型部材、篩型方向制御部材7等の篩型部材、レデューサー型方向制御部材8等の絞り形状型部材、の何れか、又はこれらの組み合わせである。
これによれば、上記参考形態1について説明したように、複数種類の方向制御部材を配置することで、粒子の動きがさらに複雑化して、キャリアと粒子との混合が促進され、混合効果の向上を図ることができる。
(態様D)
(態様C)において、方向制御手段が、少なくとも篩型方向制御部材7等の篩型部材とレデューサー型方向制御部材8等の絞り形状型部材とを組み合わせたものであり、篩型部材の後に絞り形状型部材が位置する順番で設置されている。
これによれば、上記参考形態3について説明したように、篩型部材によって、キャリア及び粉体の凝集体が分割され、表面積が増やされた後に、絞り形状型部材によってキャリア及び粉体が集合される。これにより、キャリアと粉体との摩擦の頻度を増やし、より効率的に帯電量を得ることが出来、混合が促進される。よって、エネルギー原単位が小さく、混合度が良好で、帯電量の不足が無く、画像品質において非画像部の地肌汚れが発生しない現像剤の製造が可能となる。
(態様E)
(態様D)において、方向制御手段が、篩型部材と絞り形状型部材とに加えて、リボン型方向制御部材4等のひねり形状型部材を有する組み合わせである。
これによれば、上記参考形態3について説明したように、ひねり形状型部材によって、落下するキャリア及び粉体の塊を分割させたり、キャリア及び粉体の動きの向きを方向転換させたり、減速させたりすることが可能となる。これにより、キャリア及び粉体の動きを複雑化させることによって、キャリア及び粉体の摩擦の頻度が増やされ、より効率的に帯電量を得ることが出来、混合が促進される。
(態様F)
(態様E)において、方向制御手段が、篩型部材と絞り形状型部材との間に、ひねり形状型部材を有する組み合わせである。
これによれば、上記参考形態3について説明したように、ひねり形状型部材が、篩型部材の下に位置することによって、キャリア及び粉体の動きを複雑化させる働きが、キャリア及び粉体一粒ずつに作用する。このため、ひねり形状型部材の効果がより大きくなるためである。さらに、キャリア及び粉体がひねり形状型部材を落下した際、粉体の再配置が起きるため、絞り形状型部材を落下する際のキャリアと粉体との間での摩擦の頻度が増え、より効率的に帯電量を得ることが出来、混合が促進される。
(態様G)
(態様D)乃至(態様F)の何れかの態様において、方向制御手段が方向制御ユニット50等の組み合わせを複数回繰り返す構成である。
これによれば、上記参考形態3について説明したように、一単位(組み合わせ一つ)では混ざりきらなかったキャリア及び粉体に対して、摩擦の回数が増え、より大きな帯電量を得ることが出来、混合が促進される。
(態様H)
(態様A)乃至(態様G)の何れかの態様において、キャリアと粉体とを自重で落下させながら混合する混合配管3等の落下経路内に、キャリア及び粉体に振動を付与する振動機構を有する。
これによれば、上記参考形態3について説明したように、方向制御部材に常に新しいキャリア及び粉体を供給することで、方向制御部材の機能をより効率的に働かせることができるため、より効率的に帯電量を得ることが出来、混合が促進される。
(態様I)
(態様A)乃至(態様H)の何れかの態様において、自重落下混合工程では、キャリアと粉体とを共に混合配管3等の管路内を通過させる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、粉体とキャリアとが共に通過する通過経路を管路にすることで、経路外への舞い上がりや飛散が防止出来る。さらに、混合部での物の流れが密状態で流れるため、混合させたい粉体が接する機会が非常に多くなると共に、粉体とキャリアとの流れが複雑化するので、混合が促進される。
(態様J)
(態様I)において、混合配管3等の管路の内側と外側とを連通する空気孔301等の連通開口部を設ける。
これによれば、上記実施形態について説明したように、管路に少なくとも一つ以上の連通開口部が空いていることで、方向制御部材の下部等、管路内の一部が密閉されることを防ぎ、管路内に外部から空気を取り込むことが出来る。このため、キャリア及びトナー等の粉体が落下する際に、逆噴きや落下速度の低下を起こすことを抑制でき、効率良く混合することが出来る。
また、上記実施形態について説明したように、連通開口部を設ける構成は、少なくとも篩型方向制御部材7等の篩型部材とレデューサー型方向制御部材8等の絞り形状型部材との少なくとも一方を複数備える構成に適用することが有用である。これらの方向制御部材により、キャリアと粉体との落下方向の移動経路が複雑化され、キャリアと粉体との衝突の機会が増え、混合が進む。しかし、これらの方向制御部材は、粉体やキャリアの落下方向への移動を阻害するため、その上方で粉体やキャリアが滞留し易く、方向制御部材の下方が密閉状態となり易い。これに対して、連通開口部を備えることで、方向制御部材の下方が密閉状態となることを防止できる。
(態様K)
(態様J)において、空気孔301等の管路内に、キャリア及びトナー等の粉体の移動方向を制御する方向制御手段を配置し、篩型方向制御部材7やレデューサー型方向制御部材8等の方向制御手段として、一つの方向制御部材、または、複数の方向制御部材の特定の組み合わせ、を一単位とし、一単位を複数個備え、空気孔301等の連通開口部を、一単位毎に配置する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、外部の気体を取り込む頻度を高くすることができるため、管内でキャリアと粉体とによる密閉状態を防ぐことが出来、より効率的に摩擦することが可能となる。
(態様L)
(態様A)乃至(態様K)の何れかの態様において、混合工程が、自重落下混合工程に加えて、キャリアと粉体とにせん断力を付与しながら混合するせん断混合装置10等を用いたせん断混合工程を含む。
これによれば、上記参考形態2について説明したように、混合が良好に行われるとともに、初期帯電の不良が無く、画像品質において非画像部の地肌汚れが発生しない現像剤を製造することができる。
(態様M)
(態様L)において、せん断混合工程は、自重落下混合工程の後に行われる。
これによれば、上記参考形態2について説明したように、自重落下混合工程で、混合がある程度行われることによって、キャリアと粉体との位置が置換され、キャリア粒子と粉体粒子という異種の粉体が隣接した位置に存在する状態となる。電気的性質が異なる物質同士が隣接することでせん断力が付与されたときの摩擦帯電が促進され、キャリアと粉体とに対する帯電を促進することができる。
(態様N)
(態様L)または(態様M)において、せん断混合工程は、せん断混合搬送路10a等の搬送経路を形成する搬送経路形成部材の内壁と、搬送経路形成部材内でキャリア及び上記粉体に搬送力を付与するスクリュ部材等の搬送部材との間での摩擦によってせん断力が付与される。
これによれば、上記参考形態2について説明したように、搬送しながら摩擦帯電を行うことで、キャリアと粉体とに対する帯電を促進することができる。
(態様O)
(態様N)において、搬送スクリュ210等の搬送部材が搬送力を付与するせん断混合搬送路10a等の搬送路に、搬送部材の搬送に対する抵抗を付加する粗面処理部201等のせん断混合搬送部抵抗手段を備える。
これによれば、上記参考形態4について説明したように、搬送部材の搬送距離を短くしつつ、帯電の不良が無い電子写真用現像剤を製造することが出来る。
(態様P)
(態様O)において、せん断混合搬送部抵抗手段が、せん断混合搬送路10a等の搬送路での移動方向を制御する板状方向制御部材202やメッシュ状方向制御部材203等の搬送路方向制御部材である。
これによれば、上記参考形態4について説明したように、現像剤の搬送が搬送路方向制御部材によって妨げられる際に、現像剤が搬送路内で詰まり、より高いせん断力が発生するため搬送距離を短くすることが出来る。
(態様Q)
(態様P)において、搬送路方向制御部材が、多数の孔を有するメッシュ状方向制御部材203等のメッシュ形状部材である。
これによれば、上記参考形態4について説明したように、通過する全ての現像剤がより均等に抵抗力を受けることが出来、より均一な混合を行うことができる。
(態様R)
(態様Q)において、メッシュ状方向制御部材203等のメッシュ形状部材の目開きが、100〜1000[μm]である。
これによれば、上記参考形態4について説明したように、現像剤の搬送速度の低下を抑えながらも現像剤を通過させることが出来る。これにより、処理量を低下させることなく高いせん断力を与えることができ、特にエネルギー原単位を低く抑えつつ、搬送距離を短くすることが出来る。
(態様S)
(態様O)において、せん断混合搬送部抵抗手段が、せん断混合搬送路10a等の搬送路内に磁力を作用させる磁石204磁界発生手段である。
これによれば、上記参考形態4について説明したように、磁力の働く側に現像剤が引き付けられるため、現像剤に搬送に抵抗する力が加わり、より大きなせん断力を加えることができるため、搬送距離を短くすることが出来る。
(態様T)
(態様L)乃至(態様S)の何れかの態様において、せん断混合工程は、少なくとも何れか一方が移動する上部板部材10b及び下部板部材10c等の二枚の板状部材の隙間をキャリア及び粉体を通過させることによって、板部材隙間10e等の隙間での摩擦によってせん断力が付与される。
これによれば、上記参考形態2について説明したように、搬送しながら摩擦帯電を行うことで、キャリアと粉体とに対する帯電を促進することができる。
(態様U)
(態様L)乃至(態様T)の何れかの態様において、せん断混合工程は、キャリアと粉体とが通過する通過経路を形成するせん断力付与筒10g等の通過経路形成部材の内壁と、通過経路形成部材内に設置されたせん断力付与円柱10f等の駆動部材との間を、キャリア及び粉体が通過する際に、通過経路形成部材の内壁と、駆動部材との間での摩擦によってせん断力が付与される。
これによれば、上記参考形態2について説明したように、キャリア粒子及び粉体粒子に強いせん断力が加えられることで、摩擦帯電を促すことができる。
(態様V)
(態様A)乃至(態様U)の何れかの態様において、粉体がトナーである。
これによれば、上記参考形態1について説明したように、自重落下による混合を効率良く行うことができる。これは、以下の理由による。すなわち、トナーは無機酸化微粒子や無機酸化微粒子の表面を疎水化、低抵抗化処理した物等に比べ粒径が大きい。このため、ファンデルワールス力などによる凝集力が、無機酸化微粒子や無機酸化微粒子の表面を疎水化、低抵抗化処理した物等に比べ大幅に小さいため、効率良くキャリアと混ざっていく。
(態様W)
トナーとキャリアとの混合によって得られる電子写真用現像剤において、(態様A)乃至(態様V)の何れかの態様に記載の現像剤製造方法によって製造される。
これによれば、上記参考形態1について説明したように、製造工程における混合工程に要するエネルギーを抑制した電子写真用現像剤を実現できる。
(態様X)
(態様W)において、キャリアが1[質量部]に対して、上記トナーを2〜50[質量部]の配合割合で含有する補給用現像剤である。
これによれば、上記参考形態1について説明したように、プレミックストナー等の補給用現像剤の場合であっても、製造工程における混合工程に要するエネルギーを抑制した電子写真用現像剤を実現できる。
(態様Y)
感光体11等の静電潜像担持体と、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像剤により現像し可視像を形成する現像装置13等の現像手段とを少なくとも有し、複写機500等の画像形成装置本体に着脱可能なプロセスユニット110等のプロセスカートリッジにおいて、現像剤が、(態様W)に記載の電子写真用現像剤である。
これによれば、上記参考形態1について説明したように、製造工程における混合工程に要するエネルギーを抑制した電子写真用現像剤を収容した現像手段の交換性の向上を図ることができる。また、エネルギーを抑制した電子写真用現像剤を収容していることで、プロセスカートリッジ全体の製造に要するエネルギーを抑制することができる。
(態様Z)
静電潜像を担持する感光体11等の静電潜像担持体と、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する光書込装置30等の露光手段と、静電潜像を現像剤により現像して可視像を形成する現像装置13等の現像手段と、可視像を記録媒体に転写する転写ユニット20等の転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着装置150等の定着手段とを有する複写機500等の画像形成装置において、現像剤が、(態様W)に記載の電子写真用現像剤である。
これによれば、上記参考形態1について説明したように、製造に必要なエネルギーが抑制された現像剤を使用する画像形成装置が実現でき、画像形成装置全体の製造に必要なエネルギーを抑制することが可能となる。
1 キャリア供給部
2 トナー供給部
3 混合配管
4 リボン型方向制御部材
5 現像剤収容容器
6 複数分割型方向制御部材
7 篩型方向制御部材
8 レデューサー型方向制御部材
9 混合傾斜板
10 せん断混合装置
10a せん断混合搬送路
10b 上部板部材
10c 下部板部材
10d 投入口
10e 板部材隙間
10f せん断力付与円柱
10g せん断力付与筒
10h せん断力付与部
11 感光体
12 帯電装置
13 現像装置
14 感光体クリーニング装置
20 転写ユニット
21 中間転写ベルト
22 ベルトクリーニング装置
23 一次転写ローラ
24 紙搬送ユニット
25 二次転写ローラ
30 光書込装置
31 給紙カセット
32 両面搬送部
40 給紙カセット
50 方向制御ユニット
100 自重落下混合装置
102 スキャナ部
103 画像形成部
104 給紙部
110 プロセスユニット
132 現像スリーブ
141 給紙路
142 給紙ローラ
143 搬送ローラ対
144 レジストローラ対
145 手差しトレイ
146 手差しレジストローラ対
147 排紙ローラ対
148 排紙トレイ
150 定着装置
201 粗面処理部
202 板状方向制御部材
203 メッシュ状方向制御部材
204 磁石
210 搬送スクリュ
211 二次転写バックアップローラ
220 搬送路形成部材
301 空気孔
401 右セグメント
402 左セグメント
500 複写機
H 水平面
特開2008−020795号公報 特開2001−125317号公報 特開平07−281482号公報

Claims (19)

  1. 少なくとも、キャリアと粉体とを混合する混合工程を含む現像剤製造方法において、
    上記混合工程が、上記キャリアと上記粉体とを自重で落下させながら混合する自重落下混合工程を含み、
    自重落下混合工程では、上記キャリアと上記粉体とを共に管路内を通過させ、
    上記管路の内側と外側とを連通する連通開口部を設け、
    上記管路内に、上記キャリア及び上記粉体の移動方向を制御する方向制御手段を配置し、
    該方向制御手段として、一つの方向制御部材、または、複数の方向制御部材の特定の組み合わせ、を一単位とし、該一単位を複数個備え、
    上記連通開口部を、該一単位毎に配置することを特徴とする現像剤製造方法。
  2. 請求項1の現像剤製造方法において、
    上記キャリアと上記粉体とを自重で落下させながら混合する落下経路内に、該キャリア及び該粉体の移動方向を制御する方向制御手段が配置されていることを特徴とする現像剤製造方法。
  3. 請求項2の現像剤製造方法において、
    上記方向制御手段が、ひねり形状型部材、複数分割型部材、篩型部材、絞り形状型部材の何れか、又はこれらの組み合わせであることを特徴とする現像剤製造方法。
  4. 請求項3の現像剤製造方法において、
    上記方向制御手段が、少なくとも上記篩型部材と上記絞り形状型部材とを組み合わせたものであり、該篩型部材の後に該絞り形状型部材が位置する順番で設置されていることを特徴とする現像剤製造方法。
  5. 請求項4の現像剤製造方法において、
    上記方向制御手段が、上記篩型部材と上記絞り形状型部材とに加えて、上記ひねり形状型部材を有する組み合わせであることを特徴とする現像剤製造方法。
  6. 請求項5の現像剤製造方法において、
    上記方向制御手段が、上記篩型部材と上記絞り形状型部材との間に、上記ひねり形状型部材を有する組み合わせであることを特徴とする現像剤製造方法。
  7. 請求項4乃至6の何れかの現像剤製造方法において、
    上記方向制御手段が、上記組み合わせを複数回繰り返す構成であることを特徴とする現像剤製造方法。
  8. 請求項1乃至7の何れかの現像剤製造方法において、
    上記キャリアと上記粉体とを自重で落下させながら混合する落下経路内に、該キャリア及び該粉体に振動を付与する振動機構を有することを特徴とする現像製造方法
  9. 求項1乃至の何れかの現像剤製造方法において、
    上記混合工程が、上記自重落下混合工程に加えて、上記キャリアと上記粉体とにせん断力を付与しながら混合するせん断混合工程を含むことを特徴とする現像剤製造方法。
  10. 請求項の現像剤製造方法において、
    上記せん断混合工程は、上記自重落下混合工程の後に行われることを特徴とする現像剤製造方法。
  11. 請求項または10の現像剤製造方法において、
    上記せん断混合工程は、搬送経路を形成する搬送経路形成部材の内壁と、搬送経路形成部材内で上記キャリア及び上記粉体に搬送力を付与する搬送部材との間での摩擦によってせん断力が付与されることを特徴とする現像剤製造方法。
  12. 請求項11の現像剤製造方法において、
    上記搬送部材が搬送力を付与する搬送路に、該搬送部材の搬送に対する抵抗を付加するせん断混合搬送部抵抗手段を備えることを特徴とする現像剤製造方法。
  13. 請求項12の現像剤製造方法において、
    上記せん断混合搬送部抵抗手段が、上記搬送路での移動方向を制御する搬送路方向制御部材であることを特徴とする現像剤製造方法。
  14. 請求項13の現像剤製造方法において、
    上記搬送路方向制御部材が、多数の孔を有するメッシュ形状部材であることを特徴とする現像剤製造方法。
  15. 請求項14の現像剤製造方法において、
    上記メッシュ形状部材の目開きが、100〜1000[μm]であることを特徴とする現像剤製造方法。
  16. 請求項12の現像剤製造方法において、
    上記せん断混合搬送部抵抗手段が、上記搬送路内に磁力を作用させる磁界発生手段であることを特徴とする現像剤製造方法。
  17. 請求項乃至16の何れかの現像剤製造方法において、
    上記せん断混合工程は、少なくとも何れか一方が移動する二枚の板状部材の隙間を上記キャリア及び上記粉体を通過させることによって、該隙間での摩擦によってせん断力が付与されることを特徴とする現像剤製造方法。
  18. 請求項乃至17の何れかの現像剤製造方法において、
    上記せん断混合工程は、上記キャリアと上記粉体とが通過する搬送経路を形成する搬送経路形成部材の内壁と、該搬送経路形成部材内に設置された駆動部材との間を、上記キャリア及び上記粉体が通過する際に、該搬送経路形成部材の内壁と、該駆動部材との間での摩擦によってせん断力が付与されることを特徴とする現像剤製造方法
  19. 請求項1乃至18の何れかの現像剤製造方法において、
    上記粉体がトナーであることを特徴とする現像剤製造方法
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