JP6094484B2 - 防汚塗料用樹脂組成物、防汚塗料および防汚塗膜 - Google Patents

防汚塗料用樹脂組成物、防汚塗料および防汚塗膜 Download PDF

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Description

本発明は、金属含有ビニル系ポリマーを用いた防汚塗料用組成物に関するものである。より詳しくは、水中構築物、船底等への海中生物および海藻類の付着を防止する塗膜を得るための防汚塗料用樹脂組成物および防汚塗膜に関するものである。
海洋構造物や船舶には、浸水部分の腐食や航行速度低下の原因となる海中生物の付着防止を目的として、加水分解型の防汚塗料を塗装することが知られている。加水分解型の防汚塗料から得られる塗膜は、塗膜表面が徐々に溶解して表面更新され、塗膜表面に常に防汚成分が露出すること(自己研磨)により、長期の防汚効果が発揮されるものである。加水分解型の防汚塗料には、2価の金属とイオン結合しているカルボキシル基を有する単位が側鎖に導入された金属含有ポリマーを用いたものや、有機ケイ素エステルが側鎖に導入された有機ケイ素含有ポリマーを用いたものが知られている。
金属含有ポリマーを用いた防汚塗料としては、例えば特許文献1に2価の金属を含有する樹脂を含む防汚性塗料組成物が提案されている。有機ケイ素含有ポリマーを用いた防汚塗料としては、例えば特許文献2に(メタ)アクリル酸トリオルガノシリルポリマー含有する樹脂を含む防汚性塗料組成物が提案されている。
特開2002−194293号公報 特再WO08/105122号公報
しかし、特許文献1および特許文献2に記載の防汚性塗料組成物は、長期間浸漬した場合、自己研磨性が低下し十分な防汚効果が得られない、という問題があった。
本発明の要旨は、2価の金属とイオン結合しているカルボキシル基を有する単位を含み、酸価が35mgKOH/g以上のビニル系ポリマー(A)と、酸価が20mgKOH/g未満のビニル系ポリマー(B)を含み、前記ビニル系ポリマー(B)のガラス転移温度(TgB)が28℃以下である防汚塗料用樹脂組成物にある。さらにこの防汚塗料用樹脂組成物から得られる塗膜に関する。
本発明の防汚塗料用樹脂組成物は、自己研磨性が損なわれず、海中での優れた防汚効果が長期間持続するとともに、耐水性が良好な防汚塗料用組成物を提供できる。特に、亜酸化銅を配合した場合においても、良好な自己研磨性が長期間継続する、という効果を有する。
本発明の防汚塗料用樹脂組成物は、ビニル系ポリマー(A)およびビニル系ポリマー(B)を含む。
[ビニル系ポリマー(A)]
本発明に用いるビニル系ポリマー(A)は、2価の金属とイオン結合しているカルボキシル基を有する単位を含み、酸価が35mgKOH/g以上であるポリマーである。2価の金属とイオン結合しているカルボキシル基を有する単位を含むことによって、海水中での自己研磨性が発現する。
(2価の金属とイオン結合しているカルボキシル基を有する単位)
2価の金属とイオン結合しているカルボキシル基を有する単位としては下記式(1)および/または(2)に示すような構造が挙げられる。
−C(R)−COO−M−OCO−C(R)− ・・・式(1)
−C(R)−COO−M−R ・・・式(2)
(式(1)、式(2)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは(メタ)アクリロイル基以外の有機酸残基を表し、Mは2価の金属を表す。)
2価の金属とイオン結合しているカルボキシル基を有する単位を含むビニル系ポリマー(A)は、(方法1)2価の金属含有エチレン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物を共重合する方法、あるいは(方法2)高酸価の共重合体に金属を付加する方法などの公知の方法で製造できる。
(方法1)2価の金属含有エチレン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物を共重合する方法
本方法は2価の金属含有エチレン性不飽和モノマー(m)と、エチレン性不飽和モノマーを共重合させる製造法である。
<2価の金属含有エチレン性不飽和モノマー(m)>
本発明において使用される2価の金属含有エチレン性不飽和モノマー(m)は、下記一般式で示される、2個の(メタ)アクリロイル基を有する2価の金属含有エチレン性不飽和モノマー(m1)および2価の金属含有エチレン性不飽和モノマー(m2)が挙げられる。
(m1):[(CH=C(R)−CO−O)]M・・・式(3)
(m2):CH=C(R)−CO−O−M−R・・・式(4)
(式(3)、式(4)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは(メタ)アクリロイル基以外の有機酸残基を表し、Mは2価の金属を表す。)
前記金属含有エチレン性不飽和モノマー(m)に含有される2価の金属としては、Mg、Ca、ZnおよびCuからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を用いることが、長期の自己研磨性の観点から好ましい。また、得られるポリマーの透明性の観点から、Mg、Ca、Znがより好ましく、Znが最も好ましい。前記金属は2種以上を併用してもよい。
・2価の金属含有エチレン性不飽和モノマー(m1)
前記2価の金属含有エチレン性不飽和モノマー(m1)としては、例えば、アクリル酸マグネシウム[(CH=CHCOO)Mg]、メタクリル酸マグネシウム[(CH=C(CH)COO)Mg]、アクリル酸カルシウム[(CH=CHCOO)Ca]、メタクリル酸カルシウム[(CH=C(CH)COO)Ca]、アクリル酸亜鉛[(CH=CHCOO)Zn]、メタクリル酸亜鉛[(CH=C(CH)COO)Zn]、アクリル酸銅[(CH=CHCOO)Cu]、メタクリル酸銅[(CH=C(CH)COO)Cu]等の(メタ)アクリル酸の2価金属塩を挙げることができる。前記モノマー(m1)は、2種以上を必要に応じて適宜選択して用いることができる。中でも、溶液重合により得られるポリマーの透明性が高くなり、水性防汚塗料用樹脂組成物の塗膜の色調が美しくなる傾向にあるため、(メタ)アクリル酸亜鉛が好ましい。なお、「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸」または「メタクリル酸」を意味する。
前記2価の金属含有エチレン性不飽和モノマー(m1)は、無機金属化合物とカルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマー(例えばアクリル酸、メタクリル酸)とを有機溶剤等の希釈剤あるいは重合性不飽和基等を有する反応性希釈剤中で反応する方法により得られる。前記方法で得られる2価の金属含有エチレン性不飽和モノマー(m1)成分を含む反応物は、有機溶剤や他のエチレン性不飽和モノマーとの相溶性に優れ、重合を容易に行うことができる。前記反応は水の存在下で行うことが好ましく、反応物中の水の含有量は0.01〜30質量%の範囲とすることが好ましい。
・2価の金属含有エチレン性不飽和モノマー(m2)
前記2価の金属含有エチレン性不飽和モノマー(m2)は、無機金属化合物と、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーと、式(4)中の有機酸残基Rに対応する非重合性有機酸とを、有機溶剤等の希釈剤あるいは重合性不飽和基等を有する反応性希釈剤中で反応する方法により得られる。
の有機酸残基としては、モノクロル酢酸、モノフルオロ酢酸、酢酸、プロピオン酸、オクチル酸、バーサチック酸、イソステアリン酸、パルミチン酸、クレソチン酸、α−ナフトエ酸、β−ナフトエ酸、安息香酸、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、キノリンカルボン酸、ニトロ安息香酸、ニトロナフタレンカルボン酸、ピルビン酸等の一価の有機酸から誘導される残基が挙げられる。これは必要に応じて適宜選択することができる。長期にわたりクラックや剥離を防止できる耐久性の高い塗膜が得られるため、炭素数が1〜20の脂肪酸(脂肪族モノカルボン酸)系残基が好ましい。なお、Rの有機酸残基とは、有機酸のカルボキシル基からプロトンを除いた残りの部分をいい、このプロトンの代わりに金属Mとイオン結合している。
2価の金属含有エチレン性不飽和モノマー(m2)の具体例としては、モノクロル酢酸マグネシウム(メタ)アクリレート、モノクロル酢酸カルシウム(メタ)アクリレート、モノクロル酢酸亜鉛(メタ)アクリレート、モノクロル酢酸銅(メタ)アクリレート;モノフルオロ酢酸マグネシウム(メタ)アクリレート、モノフルオロ酢酸カルシウム(メタ)アクリレート、モノフルオロ酢酸亜鉛(メタ)アクリレート、モノフルオロ酢酸銅(メタ)8アクリレート;酢酸マグネシウム(メタ)アクリレート、酢酸カルシウム(メタ)アクリレート、酢酸亜鉛(メタ)アクリレート、酢酸銅(メタ)アクリレート;プロピオン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、プロピオン酸カルシウム(メタ)アクリレート、プロピオン酸亜鉛(メタ)アクリレート、プロピオン酸銅(メタ)アクリレート;オクチル酸マグネシウム(メタ)アクリレート、オクチル酸カルシウム(メタ)アクリレート、オクチル酸亜鉛(メタ)アクリレート、オクチル酸銅(メタ)アクリレート;バーサチック酸マグネシウム(メタ)アクリレート、バーサチック酸カルシウム(メタ)アクリレート、バーサチック酸亜鉛(メタ)アクリレート、バーサチック酸銅(メタ)アクリレート;イソステアリン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、イソステアリン酸カルシウム(メタ)アクリレート、イソステアリン酸亜鉛(メタ)アクリレート、イソステアリン酸銅(メタ)アクリレート;パルミチン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、パルミチン酸カルシウム(メタ)アクリレート、パルミチン酸亜鉛(メタ)アクリレート、パルミチン酸銅(メタ)アクリレート;クレソチン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、クレソチン酸カルシウム(メタ)アクリレート、クレソチン酸亜鉛(メタ)アクリレート、クレソチン酸銅(メタ)アクリレート;α−ナフトエ酸マグネシウム(メタ)アクリレート、α−ナフトエ酸カルシウム(メタ)アクリレート、α−ナフトエ酸亜鉛(メタ)アクリレート、α−ナフトエ酸銅(メタ)アクリレート;β−ナフトエ酸マグネシウム(メタ)アクリレート、β−ナフトエ酸カルシウム(メタ)アクリレート、β−ナフトエ酸亜鉛(メタ)アクリレート、β−ナフトエ酸銅(メタ)アクリレート;安息香酸マグネシウム(メタ)アクリレート、安息香酸カルシウム(メタ)アクリレート、安息香酸亜鉛(メタ)アクリレート、安息香酸銅(メタ)アクリレート;キノリンカルボン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、キノリンカルボン酸カルシウム(メタ)アクリレート、キノリンカルボン酸亜鉛(メタ)アクリレート、キノリンカルボン酸銅(メタ)アクリレート;ピルビン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、プルビン酸カルシウム(メタ)アクリレート、プルビン酸亜鉛(メタ)アクリレート、プルビン酸銅(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
これらは2種以上を必要に応じて適宜選択して使用することができる。中でも、亜鉛含有モノマーを用いると、得られる樹脂成分の透明性が高くなり、塗膜の色調が美しくなるため好ましい。さらに、塗膜の耐久性の点から、脂肪酸亜鉛(メタ)アクリレート(式(4)のMが亜鉛、Rが脂肪酸残基)を用いることがより好ましい。なお、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」または「メタクリレート」を意味する。
前記(m1)と前記(m2)とを併用する場合には、前記(m1)と前記(m2)のモル比(m1/m2)が10/90〜90/10の範囲内が好ましい。より好ましくは20/80〜80/20の範囲内である。(m1/m2)が90/10以下であると、耐クラック性や密着性により優れた塗膜が得られる。10/90以上であると、得られる塗膜の自己研磨性がより長期間維持される傾向にある。特に、前記(m1)として(メタ)アクリル酸亜鉛と、前記(m2)として脂肪酸亜鉛(メタ)アクリレート(式(4)のMが亜鉛、Rが脂肪酸残基)との組み合わせが好ましい。
前記(m1)と前記(m2)とを含有するモノマー混合物は、無機金属化合物と、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーと、式(4)中の有機酸残基Rに対応する非重合性有機酸とを、有機溶剤等の希釈剤中で反応することによって得ることができる。その際、非重合性有機酸の使用量は無機金属化合物に対して0.01〜3倍モルであることが好ましい。より好ましくは0.01〜0.95倍モルであり、0.1〜0.7倍モルであることが更に好ましい。非重合性有機酸の使用量が0.01倍モル以上であると、モノマー混合物の製造工程において固体の析出が抑制され、さらに塗膜の自己研磨性、耐クラック性がより良好になる。3倍モル以下であると、塗膜の防汚性がより長期間維持される傾向にある。
ビニル系ポリマー(A)中に含まれる前記2価の金属含有エチレン性不飽和モノマー(m)の単位量は、特に限定されるものではないが、1〜50質量%(ビニル系ポリマー(A)中の全単量体単位=100質量%)の範囲内が好ましい。より好ましくは10〜40質量%の範囲内である。2価の金属含有エチレン性不飽和モノマー(m)の使用量が1質量%以上であると、塗膜の長期自己研磨性が良好となり、50質量%以下であると、塗膜の耐水性が良好となる傾向にある。
<2価の金属含有エチレン性不飽和モノマー(m)以外のエチレン性不飽和モノマー>
前記ビニル系ポリマー(A)を製造する際に用いる、2価の金属含有エチレン性不飽和モノマー(m)以外のエチレン性不飽和モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルコハク酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノメチル等のカルボキシル基含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物基含有ビニル系モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシブチル等のエポキシ基含有ビニル系モノマー;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル系のビニル系モノマー;(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミド等のアミド基を含有するビニル系モノマー;ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール等の複素環系塩基性モノマー、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル系モノマー、メトキシエチレングリコールアリルエーテル、メトキシポリエチレングリコールアリルエーテル、メトキシポリプロピレングリコールアリルエーテル、ブトキシポリエチレングリコールアリルエーテル、ブトキシポリプロピレングリコールアリルエーテル、メトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールアリルエーテル、ブトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールアリルエーテル等の末端アルコキシアリル化ポリエーテルモノマー、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、アリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、マレイン酸ジアリル、ポリプロピレングリコールジアリルエーテル等の多官能モノマーを挙げることができる。これらは、1種以上を適宜選択して使用することができる。
なお、「(メタ)アクリレート」は「アクリレートおよび/またはメタクリレート」を意味し、「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸および/またはメタクリル酸」を意味し、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイルおよび/またはメタクリロイル」を意味し、「(メタ)アクリロニトリル」は「アクリロニトリルおよび/またはメタクリロニトリル」を意味し、「(メタ)アクリルアミド」は「アクリルアミドおよび/またはメタクリルアミド」を意味する。
中でも、他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合性が良好であるという点で(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
(方法2)高酸価の共重合体に金属を付加する方法
本方法はカルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物を公知の方法によって重合し、その後酸化亜鉛などの金属酸化物と反応させる製造法である。本方法により、2価の金属とイオン結合しているカルボキシル基を有する式(1)および/または(2)の構造を有するビニル系ポリマー(A)を製造することができる。
得られる塗料が優れた貯蔵安定性を有し、防汚塗膜が長期にわたり安定した自己研磨性を維持できる点で(方法1)2価の金属含有エチレン性不飽和モノマーを共重合して製造する方法が好ましい。
本発明のビニル系ポリマー(A)の製造方法としては、(方法1)、(方法2)共に例えば、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法、乳化重合法などの公知の重合方法が適用できる。生産性、塗装性能の点で溶液重合方法が好ましい。溶液重合は、公知の重合開始剤を用いて、公知の方法で行えばよい。
前記重合開始剤としては、例えば、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシド、過酸化ラウリル、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシオクトエート等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(AMBN)等のアゾ系化合物が挙げられる。重合開始剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。重合開始剤の使用量は、特に限定されず、適宜設定することができる。
重合温度は60〜180℃であることが好ましい。重合時間は5〜14時間反応させることが好ましい。
また、必要に応じて、公知の連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、チオグリコール酸オクチル等のチオグリコール酸エステル類、α−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合反応に用いる溶媒としては、特に限定されるものではないが、(方法1)、(方法2)のいずれの場合においても、n−ブチルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素類等を用いることができる。これら溶剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、ビニル系ポリマー(A)を製造する際の安定性が良好となるため、アルコール系化合物を含むことが好ましい。
<ビニル系ポリマー(A)の酸価>
本発明のビニル系ポリマー(A)の酸価は35mgKOH/g以上であることが必要である。酸価を35mgKOH/g以上とすることにより、塗膜の初期の自己研磨性が良好となる。好ましくは50mgKOH/g以上であり、より好ましくは70mgKOH/g以上である。ビニル系ポリマー(A)の酸価を35mgKOH/g以上とするためには、例えば2価の金属含有エチレン性不飽和モノマー(m)を、10〜40質量%の範囲内で共重合することによって得られる。酸価は通常の中和滴定法によって求められる。
[ビニル系ポリマー(B)]
本発明の防汚塗料用樹脂組成物は、酸価が20mgKOH/g未満であり、かつガラス転移温度(TgB)が28℃以下であるビニル系ポリマー(B)を含むことが必要である。ビニル系ポリマー(B)を含むことにより、塗膜の初期の自己研磨性および長期の浸漬後においても塗膜の外観が良好となり、かつ塗膜の自己研磨性が長期間にわたって持続する。
<ビニル系ポリマー(B)の酸価>
本発明のビニル系ポリマー(B)の酸価は20mgKOH/g未満であることが必要である。酸価を20mgKOH/g未満とすることにより、耐水性と長期自己研磨性が良好となる。好ましくは10mgKOH/g以下であり、より好ましくは5mgKOH/g以下である。ビニル系ポリマー(B)の酸価はビニル系ポリマー(A)の酸価と同様の方法で求めることができる。
<ビニル系ポリマー(B)のガラス転移温度(TgB)>
本発明において、ビニル系ポリマー(B)のガラス転移温度(TgB)は28℃以下であることが必要である。28℃以下とすることにより、塗膜の初期の自己研磨性と長期自己研磨性が良好となる。好ましくは10℃以下である。塗膜の耐水性と長期の浸漬後においても塗膜の外観が良好となるという点で、前記ビニル系ポリマー(B)のTgBが−60℃以上であることが好ましい。さらに好ましくは−50℃以上である。
ガラス転移温度(Tg)
ガラス転移温度(Tg)は、下記式(5)より算出される絶対温度(K)を摂氏(℃)に換算した値である。
1/Tg=Σ(w/Tg)・・・(5)
式(5)において、wはビニル系ポリマーを構成するエチレン性不飽和モノマーiの質量分率を表し、Tgはポリマーを構成するエチレン性不飽和モノマーiのホモポリマーのガラス転移温度を表し、式(5)中のTgおよびTgは、絶対温度(K)で表した値である。また、Tgは、「ポリマーハンドブック第4版(POLYMER HANDBOOK、FOURTH EDITION)、出版、著者等、VI/p,193〜253」に記載されている値である。
ビニル系ポリマー(B)は、前記ビニル系ポリマー(A)を重合する際に用いる、エチレン性不飽和モノマーと同様のモノマーを共重合して得られる。得られるポリマーのガラス転移温度が低くなるという点でアクリレートモノマーが好ましい。
本発明のビニル系ポリマー(B)の製造方法としては、ビニル系ポリマー(A)の製造方法と同様の方法にて製造することができる。ガラス転移温度の低いビニル系ポリマーであっても重合後に容易に取り出せることから、溶液重合法が好ましい。
ビニル系ポリマー(B)の数平均分子量(Mn)は、300以上〜20000以下の範囲内が好ましい。より好ましくは、500以上、2000未満の範囲内である。ビニル系ポリマー(B)のMnが300以上であると、塗膜の耐水性が向上する傾向にある。ビニル系ポリマー(B)のMnが20000以下であると、塗膜の初期の自己研磨性と長期自己研磨性が向上する傾向にある。
[ビニル系ポリマー(A)のガラス転移温度(TgA)およびビニル系ポリマー(B)のガラス転移温度(TgB)]
本発明の防汚塗料用樹脂組成物に用いられるビニル系ポリマー(B)のガラス転移温度(TgB)は28℃以下であることが必要であるが、さらに、ビニル系ポリマー(A)のガラス転移温度(TgA)との関係に応じ、特定の温度範囲とすることで、より耐水性および初期の自己研磨性を向上させることが可能である。
TgA>TgBの場合、TgA−TgB≦70℃の範囲内であることが好ましい。TgA−TgB≦70℃の範囲内であると、海水中の耐水性が向上する傾向にある。より好ましくは、TgA−TgB≦60℃である。
TgA<TgBの場合、TgB−TgA≦40℃の範囲内であることが好ましい。TgB−TgA≦40℃の範囲内であると、塗膜の初期の自己研磨性が向上する傾向にある。より好ましくは、TgB−TgA≦20℃である。
なお、本発明のTgAの算出方法においては、前記記載の式(5)を用いて求めることができるが、2価の金属とイオン結合しているカルボキシル基を有する単位のガラス転移温度(Tg)は、金属部分を除いたカルボキシル基を有するエチレン性不飽和モノマー単位として計算している。
[防汚塗料用樹脂組成物]
本発明の防汚塗料用樹脂組成物は、ビニル系ポリマー(A)とビニル系ポリマー(B)とを含む。前記ビニル系ポリマー(A)100質量部に対して、ビニル系ポリマー(B)が0.1〜30質量部の範囲内であることが好ましい。より好ましくは5〜25質量部である。前記ビニル系ポリマー(B)が0.1質量部以上であると、塗膜の長期自己研磨性、表面平滑性が良好となり、30質量部以下であると、塗膜の耐水性が良好となる傾向にある。
本発明の防汚塗料用樹脂組成物は、特に防汚剤を配合しなくとも防汚効果を有するが、必要に応じて防汚剤を配合してもよい。この防汚剤としては、例えば、亜酸化銅、チオシアン銅、銅粉末等の銅系防汚剤や、鉛、亜鉛、ニッケル等その他の金属化合物、ジフェニルアミン等のアミン誘導体、ニトリル化合物、ベンゾチアゾール系化合物、マレイミド系化合物、ピリジン系化合物等が挙げられる。これらは、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。より具体的には、マンガニーズエチレンビスジチオカーバメイト、ジンクジメチルジチオカーバメート、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素、ジンクエチレンビスジチオカーバメイト、ロダン銅、4,5−ジクロロ−2−nオクチル−3(2H)イソチアゾロン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド、N,N’−ジメチル−N’−フェニル−(N−フルオロジクロロメチルチオ)スルファミド、2−ピリジンチオール−1−オキシド亜鉛塩、テトラメチルチウラムジサルファイド、Cu−10質量%Ni固溶合金、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド,2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、3−ヨード−2−プロピニールブチルカーバメイト、ジヨードメチルパラトリスルホン、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート、フェニル(ビスピリジル)ビスマスジクロライド、2−(4−チアゾリル)−ベンツイミダゾール、ピリジン−トリフェニルボラン等を挙げることができる。中でも、亜酸化銅が好ましい。
本発明の防汚塗料用樹脂組成物には、塗膜表面に潤滑性を付与し、生物の付着を防止する目的で、ジメチルポリシロキサン、シリコーンオイル等のシリコン化合物やフッ化炭素等の含フッ素化合物等を配合することができる。
さらに本発明の防汚塗料用樹脂組成物は、各種の顔料、消泡剤、顔料分散剤、レベリング剤、たれ防止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱性向上剤、スリップ剤、防腐剤、可塑剤、他のエマルション樹脂、水溶性樹脂、粘性制御剤等を含有してもよい。本発明の防汚塗料用樹脂組成物を含有する防汚塗料を用いた塗膜は、船舶や各種の漁網、港湾施設、オイルフェンス、橋梁、海底基地等の水中構造物等の基材表面に、直接に、若しくは下地塗膜の上に形成することができる。この下地塗膜としては、ウオッシュプライマー、塩化ゴム系やエポキシ系等のプライマー、中塗り塗料等を用いることができる。
本発明の塗膜の形成方法は、基材表面あるいは基材上の下地塗膜の上に、水性防汚塗料用樹脂組成物を、刷毛塗り、吹き付け塗り、ローラー塗り、沈漬塗り等の手段で塗布することができる。塗布量は、一般的には乾燥塗膜として10〜400μmの厚さになる量に設定できる。塗膜の乾燥は、通常、室温で行うことができ、必要に応じて加熱乾燥を行ってもよい。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに詳しく説明する。なお、実施例中の部は質量部を表す。本実施例で調製した防汚塗料用樹脂組成物の評価は、以下に示す方法で行った。
(分子量)
ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製 HLC−8220)を用いて測定した。カラムは、TSKgelα−M(東ソー株式会社製、7.8mm×30cm)、TSKguardcolumnα(東ソー株式会社製、6.0mm×4cm)を使用した。検量線は、F288/F128/F80/F40/F20/F2/A1000(東ソー株式会社製 標準ポリスチレン)、およびスチレン単量体を使用して作成した。ポリマーを0.4質量%溶解したN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を調製し、調製したDMF溶液を100μl使用して、40℃で測定を行った。標準ポリスチレン換算にて数平均分子量(Mn)を算出した。
(酸価)
試料約0.5gをビーカーに精秤し(A(g))、トルエン/エタノール溶液50mlを加えた。フェノールフタレイン数滴を加え、0.2規定のKOH溶液にて滴定した。(滴定量=B(ml)、KOH溶液の力価=f)。ブランク測定を同様に行い(滴定量=C(ml))、以下の式に従って算出した。
酸価(mgKOH/g)={(B−C)×0.2×56.11×f}/A/固形分
(耐水性試験)
ガラス基板上に、防汚塗料用樹脂組成物を4milアプリケーターで塗布して、室温で1週間乾燥させて試験板を作製し、滅菌濾過海水中に1ヶ月間浸漬した後、該試験板を温度20℃の室温で1週間乾燥させた。白化度は該試験板の塗膜表面を観察し以下の基準で評価した。
○:白化が観察されない
△:塗膜表面の30%程度白化が観察される
×:塗膜表面の60%以上に白化が観察される
(自己研磨性試験および塗膜状態の確認)
表4に記載の配合量でそれぞれ50mm×50mm×2mm(厚さ)の硬質塩化ビニル板に、乾燥膜厚が120μmになるようにアプリケーターで塗布して試験板を作製した。該試験板を海水中に設置した回転ドラムに取り付け、周速7.7m/s(15ノット)で回転させた。3ヶ月、6ヶ月後にそれぞれ試験板を取り出し、塗膜の膜厚を測定した。塗膜の消耗度は、塗膜の消耗度(μm)=初期塗膜の膜厚−3ヶ月、6ヶ月後の膜厚(μm)によって算出した。
初期の塗膜の自己研磨性は3ヶ月後の塗膜の消耗度によって判断した。3ヶ月後の塗膜の消耗度が15μm以下であると、初期の塗膜の自己研磨性が不十分である。長期の塗膜の自己研磨性は6ヶ月後の膜厚を3ヶ月後の膜厚で割った値によって判断した。6ヶ月後の膜厚を3ヶ月後の膜厚で割った値が1.5以下であると、長期の塗膜の自己研磨性が不良である。
更に、6ヶ月後の該試験板の塗膜表面を目視で観察した。評価は以下の基準で行った。
◎:塗膜表面に変化が見られない
○:塗膜表面の凹凸が僅かに観察される
△:塗膜表面の端部にわずかに剥がれが観察される
×:塗膜表面の白化または塗膜表面が粗い
<2価の金属含有エチレン不飽和モノマー(m)の製造>
[製造例M1:(m1)]
冷却器、温度計、滴下ロートおよび攪拌機を備えた四つ口フラスコにPGM(プロピレングリコールメチルエーテル)85.4部および酸化亜鉛40.7部を仕込み、撹拌しながら75℃に昇温した。続いて、滴下ロートからメタクリル酸43.1部、アクリル酸36.1部、水5部からなる混合物を3時間かけて一定速度で滴下した。滴下終了後反応溶液は乳白色状態から透明となった。さらに2時間撹拌した後PGMを36部添加して金属含有モノマー混合物M1を得た。固形分は44.8%であった。各原料の仕込み量、固形分(質量%)を表1に示す。
[製造例M2:(m1)と(m2)の混合物]
冷却器、温度計、滴下ロートおよび攪拌機を備えた四つ口フラスコにPGM(プロピレングリコールメチルエーテル)72.4部および酸化亜鉛40.7部を仕込み、撹拌しながら75℃に昇温した。続いて、滴下ロートからメタクリル酸34.4部、アクリル酸28.8部、オクチル酸28.8部からなる混合物を3時間でかけて一定速度で滴下した。滴下終了後反応溶液は乳白色状態から透明となった。さらに2時間撹拌した後PGMを11部添加して金属含有モノマー混合物M2を得た。固形分は59.6%であった。各原料の仕込み量、固形分(質量%)を表1に示す。
Figure 0006094484
(ビニル系ポリマー(A−1)の製造方法)
冷却器、温度計、滴下ロートおよび攪拌機を備えた四つ口フラスコにPGM(プロピレングリコールメチルエーテル)15部およびキシレン60部およびエチルアクリレート4部を仕込み、撹拌しながら100℃に昇温した。続いて、滴下ロートからメチルメタクリレート17部、エチルアクリレート51.7部、n−ブチルアクリレート10部、製造例M1記載の金属含有モノマー混合物47.5部、キシレン10部、連鎖移動剤(日本油脂社製ノフマーMSD)1.5部、AIBN2.5部、AMBN7部からなるからなる混合物を6時間かけて一定速度で滴下した。滴下終了後にt−ブチルパーオキシオクトエート0.5部とキシレン7部を30分で滴下し、さらに1時間30分撹拌した後キシレンを8部添加して、固形分46.0%、ガードナー粘度+Uのビニル系ポリマーA−1を得た。
(ビニル系ポリマー(A−2〜A−4)の製造方法)
ビニル系ポリマー(A−1)と同様の方法で、表2に示す仕込み量でビニル系ポリマー(A−2〜A−4)を製造した。表2に得られたビニル系ポリマーA−2〜A−4の固形分(質量%)、ガードナー粘度、TgAおよび数平均分子量(Mn)を記載した。
Figure 0006094484
表2中、M1、M2の上段は固形分に換算した値、下段は実際の添加量である。
MMA:メチルメタクリレート
EA:エチルアクリレート
n−BA:n−ブチルアクリレート
2−MTA:2−メトキシエチルアクリレート
2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
AA:アクリル酸
AIBN:2,2’―アゾイソブチロニトリル
AMBN:2,2’―アゾビス(2―メチルブチロニトリル)
(ビニル系ポリマー(A−5))
冷却器、温度計、滴下ロートおよび攪拌機を備えた四つ口フラスコにキシレン120部、n−ブタノール30部を仕込み、撹拌しながら110℃に昇温した。続いて、滴下ロートからアクリル酸エチル60部、アクリル酸2−エチルヘキシル25部、アクリル酸15部、アゾビスイソブチロニトリル2部からなる混合物を3時間かけて一定速度で滴下した。滴下終了後2時間撹拌して、固形分39.7%、ガードナー粘度+Jの特性値を有するワニスを得た。
次に、冷却器、温度計、滴下ロートおよび攪拌機を備えた四つ口フラスコに、得られたワニス100部、ナフテン酸20部、水酸化銅7部を加え、120℃に昇温して2時間攪拌し、この間生成する水(2.6g)を脱水後、加熱残分51.9%、ガードナー粘度+Hの特性値を有するビニル系ポリマー(A−5)を得た。
(ビニル系ポリマー(B−1)の製造方法)
冷却器、温度計、滴下ロートおよび攪拌機を備えた四つ口フラスコにキシレン46.9部、PGM(プロピレングリコールメチルエーテル)12.6部を仕込み、撹拌しながら120℃に昇温した。続いて、滴下ロートからメチルメタクリレート25部、2−メトキシエチルメタクリレート75部、キシレン15部、PGM(プロピレングリコールメチルエーテル)15.5部、パーブチルO10部からなる混合物を4時間かけて一定速度で滴下した。滴下終了後にパーブチルO1.5部とキシレン3部を30分で滴下し、さらに1時間30分撹拌した後キシレンを7部添加して、固形分50.1%、ガードナー粘度A以下を有するビニル系ポリマー(B−1)を得た。
(ビニル系ポリマー(B−2〜B−12)の製造方法)
ビニル系ポリマー(B−2)と同様の方法で、表3に示す仕込み量でビニル系ポリマー(B−2〜B−12)を製造した。表3に得られたビニル系ポリマー(B−2〜B−12)の固形分(質量%)、ガードナー粘度、TgBおよび数平均分子量(Mn)を記載した。
Figure 0006094484
表中の略号は以下の通りである。
2−MTMA:2−メトキシエチルメタクリレート
MA:メチルアクリレート
パーブチルO:t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油株式会社製)
(実施例1〜18、比較例1〜3)
次いで、ビニル系ポリマー(A−1〜A−5、B−1〜B−12)を用いて以下に示す配合で、高速ディスパーにより防汚塗料用組成物(P1〜P21)を得た。
ビニル系ポリマー(A)、ビニル系ポリマー(B):表4の値参照
亜酸化銅:50部
酸化亜鉛:2部
酸化チタン:1部
粉末状シリカ:3部
ディスパロン4200−20(楠本化成株式会社製、タレ防止剤):4部
キシレン:5部
得られた防汚塗料用組成物(P1〜P21)の評価結果を表4に示す。
Figure 0006094484
実施例1〜18については、優れた防汚効果が長期間持続するとともに、耐水性も良好であった。
TgBが28℃以上であるビニル系ポリマー(B−11)を用いた比較例1では、6ヶ月後の塗膜表面に白化が見られ、塗膜の初期の自己研磨性が低く、長期での自己研磨性も不良であった。酸価が20mgKOH/g以上であるビニル系ポリマー(B−12)を用いた比較例2では、耐水性及び長期での自己研磨性が不良であった。ビニル系ポリマー(B)を用いていない比較例3では、塗膜の表面が粗く、初期に比べて長期の自己研磨性が大きく低下していた。

Claims (10)

  1. 2価の金属とイオン結合しているカルボキシル基を有する単位を含み、酸価が35mgKOH/g以上のビニル系ポリマー(A)と、酸価が20mgKOH/g未満のビニル系ポリマー(B)を含み、前記ビニル系ポリマー(B)のガラス転移温度(TgB)が28℃以下である防汚塗料用樹脂組成物。
  2. ビニル系ポリマー(A)の2価の金属とイオン結合しているカルボキシル基を有する単位が下記式(1)および/または(2)に示す構造である請求項1に記載の防汚塗料用樹脂組成物。
    −C(R)−COO−M−OCO−C(R)− ・・・式(1)
    −C(R)−COO−M−R ・・・式(2)
    (式(1)、式(2)中、Rは水素原子またはメチル基、Rは(メタ)アクリロイル基以外の有機酸残基、Mは2価の金属を表す)
  3. ビニル系ポリマー(A)のガラス転移温度(TgA)と、ビニル系ポリマー(B)のガラス転移温度(TgB)が下記の式(3)、(4)を満足する請求項1または請求項2に記載の防汚塗料用樹脂組成物。
    TgA>TgB・・・式(3)
    TgA−TgB≦70(℃)・・・式(4)
  4. ビニル系ポリマー(A)のガラス転移温度(TgA)と、ビニル系ポリマー(B)のガラス転移温度(TgB)が下記の式(5)、(6)を満足する請求項1または請求項2に記載の防汚塗料用樹脂組成物。
    TgA<TgB・・・式(5)
    TgB−TgA≦40(℃)・・・式(6)
  5. ビニル系ポリマー(A)中に含まれる2価の金属とイオン結合しているカルボキシル基を有する単量体単位が、1〜50質量%である請求項1または請求項2に記載の防汚塗料用樹脂組成物。
  6. ビニル系ポリマー(B)の数平均分子量が500以上、2000未満である請求項1または請求項2に記載の防汚塗料用樹脂組成物。
  7. ビニル系ポリマー(B)が(メタ)アクリル系重合体である請求項1または請求項2に記載の防汚塗料用樹脂組成物。
  8. ビニル系ポリマー(A)100質量部に対して、ビニル系ポリマー(B)を0.1〜30質量部含む、請求項1または請求項2に記載の防汚塗料用樹脂組成物。
  9. 請求項1または請求項2に記載の防汚塗料用樹脂組成物を含む防汚塗料。
  10. 請求項9に記載の防汚塗料から得られる塗膜。
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