JP6094377B2 - 蛍光体、その蛍光体を用いた蛍光体含有組成物及び発光装置、並びに、その発光装置を用いた照明装置及び画像表示装置 - Google Patents

蛍光体、その蛍光体を用いた蛍光体含有組成物及び発光装置、並びに、その発光装置を用いた照明装置及び画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、赤色系の蛍光を発する蛍光体、及びその蛍光体を用いた蛍光体含有組成物及び発光装置、並びに、その発光装置を用いた画像表示装置及び照明装置に関する。
CaSiAlN3に代表される母体結晶構造を有する蛍光体(以下、CASN蛍光体と称する場合がある。)は、希土類元素付活サイアロン蛍光体よりも長波長に発光し、かつ高い輝度を有する赤色蛍光体として知られている(特許文献1及び2参照)。
特許文献1には、CASN蛍光体において種々の組成が検討されており、酸素添加量を調整してNの一部をOで置き換えた組成の無機化合物が開示されている。
特許文献2には、高輝度の赤色発光を示す窒化物または酸窒化物を母体とする蛍光体が開示されている。
特開2005−336253号公報 特開2007−291352号公報
しかしながら、本発明者らの検討では、特許文献1及び2に開示されているCASN蛍光体は、内部量子効率が低く発光強度としては不十分であることが分かった。
特に、本発明者らの検討では、Caの一部をSrで置換したCSAN蛍光体については、安定な構造を有し、結晶性の高い結晶相を作製することが困難であり、このため発光強度に優れた赤色蛍光体が得られていないことが明らかとなった。これは、CaよりもSrの方が結晶構造内に取り込まれにくいことによると考えられる。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、発光強度が高く演色性に優れた赤色蛍光体であって、特にSrを含む安定な結晶構造を有し、内部量子効率の高い蛍光体を提供することにある。加えて、この蛍光体を用いた蛍光体含有組成物及び発光装置と、この発光装置を用いた画像表示装置及び照明装置を提供することにある。
本発明者等は上記課題に鑑み、Caの一部をSrで置換したCASN蛍光体について詳細に検討した。その結果、Si−Nの一部をAl−Oで置換することによって、安定的にSrを結晶構造中に取り込むことが可能となり、その結果、内部量子効率の高い蛍光体が得られることを見出し、本発明を完成させた。また、本発明者等は、前記蛍光体が、表示装置、照明装置等の用途に好適に使用できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の要旨は次の(1)〜(9)に存する。
(1)下記式[1]:(A1−x,M)De [1]
(式[1]中、AはSrおよびCaを必須とするアルカリ土類金属元素を示し、Mは付活元素を示し、DはAlを必須とする3価の金属元素を示し、EはSiを必須とする4価の金属元素を示し、A元素全体に占めるSrの割合が50モル%以上であり、xは0.0001≦x≦0.20を満たす数を示し、b、c、d及びeは、それぞれ、
0.8≦b≦1.2
0.8≦c≦1.2
1.00<b/c≦1.25
2.5≦d≦3.3
0<e≦0.20
を満たす数を示す。)
で表される組成を有する結晶相を含むことを特徴とする蛍光体。
(2)前記式[1]において、b、cが、1.02≦b/c≦1.13を満たす数を示す、(1)に記載の蛍光体。
(3)前記式[1]において、eが、0<e≦0.07を満たす数を示す、(1)または(2)に記載の蛍光体。
(4)前記式[1]においてA元素全体に占めるSrの割合が70モル%以上であって、前記結晶相の格子定数から算出した単位格子体積(V)が288.4×10pm以上である、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の蛍光体。
(5)前記式[1]においてA元素全体に占めるSrの割合が80モル%以上であって、前記結晶相の格子定数から算出した単位格子体積(V)が289.4×10pm以上である、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の蛍光体。
(6)前記式[1]においてA元素全体に占めるSrの割合が90モル%以上であって、前記結晶相の格子定数から算出した単位格子体積(V)が290.8×10pm以上である、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の蛍光体。
(7)(1)〜(6)のいずれか1項に記載の蛍光体を液体媒体中に分散させてなることを特徴とする蛍光体含有組成物。
(8)第1の発光体(励起光源)と、当該第1の発光体からの光を可視光に変換して、可視光を発し得る第2の発光体とを有する発光装置であって、該第2の発光体が(1)〜(6)のいずれか1項に記載の蛍光体を含有することを特徴とする発光装置。
(9)(8)に記載の発光装置を備えることを特徴とする照明装置または画像表示装置。
本発明によれば、内部量子効率を向上させて、発光強度が高く演色性に優れた赤色蛍光体を提供することができる。
また、本発明の蛍光体を用いれば、高効率、及び高演色性の発光装置、画像表示装置、照明装置を提供することができる。
本発明の半導体発光装置の一実施例を示す模式的斜視図である。 図2(a)は、本発明の砲弾型発光装置の一実施例を示す模式的断面図であり、図2(b)は、本発明の表面実装型発光装置の一実施例を示す模式的断面図である。 本発明の照明装置の一実施例を示す模式的断面図である。 実施例2、3、5、比較例1、2の蛍光体のXRDパターンである。 実施例及び比較例の蛍光体のAl−Oの置換量の変化に伴う単位格子体積Vの変化を表したグラフである。 実施例2、4、6、比較例2の蛍光体の発光スペクトルである。実施例2の蛍光体の励起スペクトル、及び発光スペクトルである。 実施例7、8、比較例3の蛍光体のXRDパターンである。 実施例7、8、比較例3の蛍光体の発光スペクトルである。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載され
る数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書中の蛍光体の組成式において、各組成式の区切りは読点(、)で区切って表わす。また、カンマ(,)で区切って複数の元素を列記する場合には、列記された元素のうち一種又は二種以上を任意の組み合わせ及び組成で含有していてもよいことを示している。例えば、「(Ca,Sr,Ba)Al:Eu」という組成式は、「CaAl:Eu」と、「SrAl:Eu」と、「BaAl:Eu」と、「Ca1−xSrAl:Eu」と、「Sr1−xBaAl:Eu」と、「Ca1−xBaAl:Eu」と、「Ca1−x−ySrBaAl:Eu」とを全て包括的に示しているものとする(但し、前記式中、0<x<1、0<y<1、0<x+y<1)。
[1.蛍光体]
<蛍光体の組成>
本発明の蛍光体は、下記式[1]:(A1−x,M)De [1]
(式[1]中、AはSrおよびCaを必須とするアルカリ土類金属元素を示し、Mは付活元素を示し、DはAlを必須とする3価の金属元素を示し、EはSiを必須とする4価の金属元素を示し、A元素全体に占めるSrの割合が50モル%以上であり、xは0.0001≦x≦0.20を満たす数を示し、b、c、d及びeは、それぞれ、0.8≦b≦1.2、0.8≦c≦1.2、1.00<b/c≦1.25、2.5≦d≦3.3、0<e≦0.20を満たす数を示す。)
で表される組成を有する結晶相を含むことに特徴を有するものである。
上記のとおり、前記式[1]において、「A」は、ストロンチウム(Sr)およびカルシウム(Ca)を必須とするアルカリ土類金属元素を示す。また、A元素全体に対するSrの割合が50モル%以上であり、70モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましく、85モル%以上がより好ましく、87.5モル%以上がさらに好ましく、90モル%以上が特に好ましい。A元素全体に対するSrの割合が上記の範囲であると、フラックス効果により粒成長の促進が期待でき、結晶性の高い粒子が得られやすい点で好ましい。
さらに、A元素は、SrおよびCa以外に、バリウム(Ba)、マグネシウム(Mg)等のアルカリ土類金属元素を含んでいても良い。
前記式[1]において、「M」は付活元素を示す。付活元素としては、ユーロピウム(Eu)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホロミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)及びイッテルビウム(Yb)を含むことが好ましく、少なくともEuを含むことがより好ましい。さらに、Euに加えて、Ce、Pr、Sm、Tb及びYbよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含んでいてもよく、発光量子効率の点でCeがより好ましい。
付活元素全体に対するユーロピウム(Eu)の割合は、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、90モル%以上が特に好ましい。
前記式[1]において、「D」は、Alを必須とする3価の金属元素を示す。D元素は、得られる蛍光体の特性に影響を与えない範囲内で、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)等を含有していてもよい。D元素全体に対するAlの占める割合は、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、90モル%以上が特に好ましい。D元素全体に対するAlの占める割合が少なすぎると不純物が生成され、目的の組成の蛍光体を得るのが困難となる傾向がある。
前記式[1]において、「E」は、Siを必須とする4価の金属元素を示す。E元素は
、得られる蛍光体の特性に影響を与えない範囲内で、ゲルマニウム(Ge)等を含有していてもよい。E元素全体に対するSiの占める割合は、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、90モル%以上が特に好ましい。E元素全体に対するSiの占める割合が少なすぎると不純物が生成され、目的の組成の蛍光体を得るのが困難となる傾向がある。
前記式[1]において、「N」は、窒素である。N元素は、窒素を主成分としていればよく、得られる蛍光体の特性に影響を与えない範囲内で、フッ素(F)、塩素(Cl)等を含有していてもよい。
前記式[1]において、「O」は、酸素を示す。O元素は、酸素を主成分としていればよく、得られる蛍光体の特性に影響を与えない範囲内で、F、Cl等を含有していてもよい。
また、本発明の蛍光体は、上述したA、M、D、E、NおよびOの各構成元素の他に、本発明の効果に影響を与えない範囲内で不可避的に混入してしまう元素、例えば不純物元素などを含んでいてもよい。
前記式[1]において、「x」は付活元素(M元素)のモル比を示す。xは、0.0001≦x≦0.20を満たす数であり、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.003以上、さらに好ましくは0.005以上、さらに好ましくは0.007以上であり、また、好ましくは0.02以下、より好ましくは0.015以下、特に好ましくは0.012以下である。
xの値が大きすぎると濃度消光が起こって輝度が低下する傾向にあり、小さすぎると吸収効率が低下する傾向にあり、それに伴い、輝度が低下する傾向にある。
前記式[1]において、「b」はD元素(Alを必須とする3価の金属元素)のモル比を示す。「b」は、0.8≦b≦1.2を満たす数であり、好ましくは0.85以上、より好ましくは0.90以上、特に好ましくは0.95以上であり、また、好ましくは1.15以下、より好ましくは1.10以下、さらに好ましくは1.08以下、特に好ましくは1.05以下である。
「b」のモル比と、次に述べる「c」のモルを本発明の範囲とする、即ちAlとSiの割合を特定の範囲とすることで格子体積を調整することができ、Sr元素を確実に固溶させ、前記した効果を奏する蛍光体を得ることができる。
前記式[1]において、「c」はE元素(Siを必須とする4価の金属元素)のモル比を示す。「c」は、0.8≦c≦1.2を満たす数であり、好ましくは0.85以上、より好ましくは0.90以上、さらに好ましくは0.92以上、特に好ましくは0.94以上であり、また、好ましくは1.10以下、より好ましくは1.05以下、特に好ましくは1.03以下である。
また、「b/c」は、Siに対するAlの量であり、本発明の蛍光体においては、1.00<b/c≦1.25を満たす数となる。従来のCASN蛍光体の基本となる結晶構造においては、b/c=1となっているが、本発明の蛍光体においては、Si−Nの一部をAl−Oで置換した結晶構造を有するため、b/cが1を超えることを特徴とする。さらに、b/cは、好ましくは1.02以上、より好ましくは1.04以上であり、また、好ましくは1.22以下、より好ましくは1.17以下、特に好ましくは1.13以下である。
上記のとおり、本発明の蛍光体において、「b」のモル比と「c」のモル比を上記範囲とする、即ちb、c、b/cの数を上記範囲とすることにより、結晶構造を構成する骨格の大きさを調整し、Sr元素を確実に固溶させ、前記した効果を奏する蛍光体を得ること
ができる。
前記式[1]において、「d」はN元素(窒素)のモル比を示す。「d」は、2.5≦d≦3.3を満たす数であり、好ましくは2.7以上、より好ましくは2.8以上、特に好ましくは2.9以上であり、また、好ましくは3.15以下、より好ましくは3.10以下、特に好ましくは3.05以下である。
前記式[1]において、「e」はO元素(酸素)のモル比を示す。「e」は、0<d≦0.20を満たす数であり、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上であり、また、好ましくは0.10以下、より好ましくは1.08以下、特に好ましくは0.07以下である。
また、「e」はN元素に対するO元素の置換量である。D元素とE元素、N元素とO元素では価数が異なるため、それぞれ単純な置き換えは全体の価数が中性とならないため不可能である。よって、Si−NをAl−Oで置き換えることで、全体の電荷バランスを維持しつつ元素の置換を実施し得る。
結晶構造を維持するために全体の電荷バランスが合っていることが望ましく、バランスを合わせるために格子欠陥を導入していてもよい。ただし、この欠陥はエネルギー失活の原因となり、量子効率を低下させることがあるため、全体の電荷バランスが合っている上で、結晶構造内における欠陥量は少ないことが好ましい。
<蛍光体の特性>
(結晶相の構造)
本発明の蛍光体は、CaAlSiNと同様の結晶構造、すなわち結晶相の空間群がCmc2に分類される結晶構造を有するものである。空間群は、電子回折、又は収束電子回折により一義的に求めることができる。
結晶相の格子定数(pm)は、a軸が、通常9.79以上、好ましくは9.80以上、より好ましくは9.805以上であり、さらに好ましくは9.81以上、特に好ましくは9.815以上であり、通常9.84以下、好ましく9.835以下、より好ましくは9.83以下、特に好ましくは9.825以下である。また、b軸が、通常5.70以上、好ましくは5.71以上、より好ましくは5.72以上、特に好ましくは5.73以上であり、通常5.78以下、好ましくは5.77以下、より好ましくは5.76以下である。さらにc軸が、通常5.10以上、好ましくは5.12以上、より好ましくは5.13以上、特に好ましくは5.135以上であり、通常5.18以下、好ましくは5.175以下、より好ましくは5.17以下である。
本発明の蛍光体において、結晶構造中のSi−Nを一定の割合でAl−Oに置き換えることによって、結晶構造における格子間隔が大きくなって単位格子体積(V)が大きくなる傾向がある。これは、SiとAlのイオン半径、およびそれぞれの元素とNもしくはO間の結合エネルギーの違いによるものである。
本発明の蛍光体中の結晶相の格子定数から算出した単位格子体積(V)は、通常、286.2×10pm以上であって、293.0×10pm以下であることが好ましい。特に、A元素全体に占めるSrの割合が70モル%以上の場合には、単位格子体積(V)が288.4×10pm以上であることがより好ましく、289.0×10pm以上であることがさらに好ましい。また、A元素全体に占めるSrの割合が80モル%以上の場合には、単位格子体積(V)が289.4×10pm以上であることがより好ましく、289.6×10pm以上であることがさらに好ましく、289.8×10pm以上であることが特に好ましい。さらに、A元素全体に占めるSrの割合が
90モル%以上の場合には、単位格子体積(V)が290.8×10pm以上であることがより好ましく、291.0×10pm以上であることがさらに好ましく、291.2×10pm以上であることがさらに好ましく、291.4×10pm以上であることがさらに好ましい。
格子体積が上記の範囲にあると、Srが結晶構造中に安定的に導入され、本発明の蛍光体の内部量子効率を向上することが可能となる。これは、本発明の蛍光体がSiO結晶(鉱物名sinoite)と類似の骨格を有する結晶構造を有するためである。つまり、Si−O−Nで形成される骨格の空間にCaやSrなどのアルカリ土類金属元素(A元素)が侵入型元素として取り込まれた結晶である。なお、SiとAlは不規則的に分布(ディスオーダー)した状態でSiN結晶のSi位置を占める。このため、比較的イオン半径の大きいSrが骨格の空間に入る場合には、この空間が大きくSrが侵入しやすいサイズであることが好ましいと考えられる。よって、骨格のSi−Nの一部をAl−Oで置換して、格子体積を上記の範囲とすることによって、Srが結晶構造中に安定的に導入できるものと考えられる。
Sr金属の沸点は1382℃なので、焼成温度では蒸発が進むことから“(遊離した)Srは飛び”易くなる。一方、結晶格子に入ったSrは飛びにくく、Srの入り方によって飛び易さが変化する。結晶格子内の骨格の空間(サイト)がSrのサイズに対して小さくなく、十分な大きさが実現できればSrは飛びにくくなり、欠陥の生成が抑制されて結晶性のよい結晶蛍光体が成長し、優れた発光特性を発現することが期待できる。
(発光ピーク波長)
本発明の蛍光体は、波長455nmの光で励起した場合における発光スペクトルを測定した際の発光ピーク波長λpが、通常600nm以上、好ましくは610nm以上、より好ましくは615nm以上、また、通常680nm以下、好ましくは650nm以下、より好ましくは630nm以下の波長範囲に発光ピークを有する。即ち、赤色の発光色を有するものである。
(CIE色度座標)
本発明の蛍光体のCIE色度座標のx値は、通常0.590以上、好ましくは0.595以上、より好ましくは0.600以上であり、通常0.650以下、好ましくは0.640以下、より好ましくは0.638以下である。また、本発明の蛍光体のCIE色度座標のy値は、通常0.360以上、好ましくは0.370以上であり、通常0.420以下、好ましくは0.400以下である。
(励起波長)
本発明の蛍光体は、通常300nm以上、好ましくは330nm以上、より好ましくは360nm以上、また、通常500nm以下、好ましくは480nm以下、より好ましくは460nm以下の波長範囲に励起ピークを有する。即ち、紫外から青色領域の光で励起される。
(温度消光特性(発光強度維持率))
本発明の蛍光体は、温度特性にも優れるものである。具体的には、波長455nmにピークを有する光を照射した場合における25℃での発光スペクトル図中の発光ピーク強度値に対する100℃での発光スペクトル図中の発光ピーク強度値の割合が、通常55%以上であり、好ましくは60%以上であり、より好ましくは65%以上、さらに好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上、である。また、通常の蛍光体は温度上昇と共に発光強度が低下するので、該割合が100%を越えることは考えられにくいが、何らかの理由により100%を超えることがあっても良い。ただし
150%を超えるようであれば、温度変化により色ずれを起こす傾向となる。
(量子効率)
本発明の蛍光体の外部量子効率(η)は、通常60%以上、好ましくは65%以上、更に好ましくは70%以上、さらに好ましくは75%以上、特に好ましくは80%以上である。外部量子効率は高いほど好ましく、外部量子効率が低くなると発光効率が低下する傾向がある。
本発明の蛍光体の内部量子効率(η)は、通常80%以上、好ましくは85%以上、更に好ましくは88%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは92%以上である。特に結晶構造内における格子欠陥が少ないことが望ましく、その場合には90%以上、より好ましくは92%以上、特に好ましくは95%以上という非常に高い内部量子効率を有する蛍光体を得ることができる。欠陥は構成している元素すべてにあてはまるが、特にアルカリ金属元素、さらに好ましくはSr元素の欠損が結晶構造内に欠陥を生じやすいため、これらの元素を適切に結晶格子内に留めておくことで、非常に高い内部量子効率を有する蛍光体を得ることができる。ここで、内部量子効率とは、蛍光体が吸収した励起光の光子数に対する発光した光子数の比率を意味する。よって、内部量子効率は高いほど好ましく、内部量子効率が低くなると発光効率や発光強度が低下する傾向がある。
上記した蛍光体の各特性は、実施例の項に記載の測定方法により求めることができる。
[2.蛍光体の製造方法]
本発明の蛍光体は、各蛍光体原料を、前記式[1]で表される結晶相の組成となるように秤量して蛍光体原料混合物を調整し、得られた蛍光体原料混合物を焼成することにより製造することができる。
蛍光体原料としては、金属化合物、金属などを用いる。例えば、上記式[1]で表わされる結晶相の組成を有する蛍光体を製造する場合、A元素の原料(以下適宜「A源」という)、D元素の原料(以下適宜「D源」という)、E元素の原料(以下適宜「E源」という)、N元素の原料(以下適宜「N源」という)、O元素の原料(以下適宜「O源」という)、M元素の原料(以下適宜「M源」という)から必要な組み合わせを混合し(混合工程)、得られた混合物を焼成し(焼成工程)、得られた焼成物を、必要に応じて、解砕・粉砕や洗浄する(後処理工程)ことにより製造することができる。
(蛍光体原料)
使用される蛍光体原料としては、公知のものを用いることができる。
上記M源のうち、Eu源の具体例としては、Eu23、Eu2(SO43、Eu2(C2
43・10H2O、EuF2、EuF3、EuCl2、EuCl3、Eu(NO33・6H2O、EuN、EuNH等が挙げられる。中でも窒化物、酸化物又はハロゲン化物が好ましく、より好ましくはEuNである。また、使用するEu源の純度はより高い方が好ましく、通常、98%以上、好ましくは99%以上、特に好ましくは99.5%以上である。
また、Mn、Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYb等のその他の付活元素の原料の具体例としては、Eu源の具体例として挙げた各化合物において、EuをそれぞれMn、Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbに置き換えた化合物が挙げられる。
上記A源としてのSr源の具体例としては、SrO、Sr(OH)2・8H2O、SrCO3、Sr(NO32、SrSO4、Sr(C24)・H2O、Sr(OCOCH32・0
.5H2O、SrF2、SrCl2、Sr32、SrNH等が挙げられる。中でも、Sr32が好ましい。
上記A源としてのCa源の具体例としては、CaO、Ca(OH)2、CaCO3、Ca(NO32・4H2O、CaSO4・2H2O、Ca(C24)・H2O、Ca(OCOCH32・H2O、CaF2、CaCl2、Ca32、CaNH等が挙げられる。中でも、Ca32が好ましい。
上記A源としてのBaの具体例としては、BaO、Ba(OH)2・8H2O、BaCO3、Ba(NO32、BaSO4、Ba(C24)、Ba(OCOCH32、BaF2、B
aCl2、Ba32、BaNH等が挙げられる。このうちBa32が好ましい。
上記A源としてのMg源の具体例としては、MgO、Mg(OH)2、塩基性炭酸マグ
ネシウム(mMgCO3・Mg(OH)2・nH2O)、Mg(NO32・6H2O、MgSO4、Mg(C24)・2H2O、Mg(OCOCH32・4H2O、MgF2、MgCl2
、Mg32、MgNH等が挙げられる。中でも、Mg32が好ましい。
上記D源としてのAl源の具体例としては、Al、AlNを用いるのが好ましい。中でも特に好ましくはAlNを用いるのが好ましい。また、AlNとして、反応性の点から、粒径が小さく、発光効率の点から純度の高いものが好ましい。
上記E源としてのSi源の具体例としては、SiO2又はSi34を用いるのが好まし
い。また、反応中にSiO2となる化合物を用いることもできる。このような化合物とし
ては、具体的には、SiO2、H4SiO4、Si(OCOCH34等が挙げられる。また
、Si34として、反応性の点から、粒径が小さく、発光効率の点から純度の高いものが好ましい。さらに、発光効率の点からはα−Si34よりもβ−Si34の方が好ましく、特に不純物である炭素元素の含有割合が少ないものの方が好ましい。Si34の炭素元素の含有割合は、少なければ少ないほど好ましいが、通常0.001重量%以上含有され、通常0.3重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.05重量%以下である。
なお、前記式[1]におけるO源(酸素)やN源(窒素)は、A源(Sr源、Ca源)、D源(Al源)、E源(Si源)、Eu源から供給されてもよいし、焼成雰囲気から供給されてもよい。また、各原料には、不可避的不純物が含まれていてもよい。
前記式[1]におけるA源(Sr源、Ca源)、D源(Al源)、E源(Si源)、Eu源、O源(酸素)、N源(窒素)は焼成時に生じる原子の欠損や元素自体の高温時の揮発のしやすさを考慮し、特定の元素源のみを化学量論比よりも過剰に加えることもできる。この場合、特に高温時に揮発しやすいアルカリ土類源やSi源を過剰に添加することが好ましく。中でもアルカリ土類源を過剰に添加するとよい。焼成時に揮発しやすい元素を供給する元素を過剰に添加することで、欠陥が少なく量子効率の高い蛍光体を得ることができる。
(混合工程)
目的組成が得られるように蛍光体原料を秤量し、ボールミル等を用いて十分混合し、蛍光体原料混合物を得る(混合工程)。
上記混合手法としては、特に限定はされないが、具体的には、下記(A)及び(B)の手法が挙げられる。
(A)例えばハンマーミル、ロールミル、ボールミル、ジェットミル等の乾式粉砕機、又は、乳鉢と乳棒等を用いる粉砕と、例えばリボンブレンダー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等の混合機、又は、乳鉢と乳棒を用いる混合とを組み合わせ、前述の蛍光体原料を粉砕混合する乾式混合法。
(B)前述の蛍光体原料に水等の溶媒又は分散媒を加え、例えば粉砕機、乳鉢と乳棒、又は蒸発皿と撹拌棒等を用いて混合し、溶液又はスラリーの状態とした上で、噴霧乾燥、加熱乾燥、又は自然乾燥等により乾燥させる湿式混合法。
蛍光体原料の混合は、上記湿式混合法又は乾式混合法のいずれでもよいが、水分による蛍光体原料の汚染を避けるために、乾式混合法や非水溶性溶媒を使った湿式混合法がより好ましい。
(焼成工程)
続いて、混合工程で得られた蛍光体原料混合物を焼成する(焼成工程)。上述の蛍光体原料混合物を、必要に応じて乾燥後、坩堝等の容器内に充填し、焼成炉、加圧炉等を用いて焼成を行なう。
本発明者らの検討により、本発明の蛍光体を製造する場合、焼成工程において、炉内の圧力が0.2MPa以上、200MPa以下である条件下で上述の蛍光体原料混合物を焼成することが好ましいことがわかった。焼成工程における好ましい諸条件を以下に述べる。
焼成工程で用いる焼成容器(坩堝など)の材質としては、アルミナ、石英、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、マグネシウム、ムライト等のセラミックス、白金、モリブデン、タングステン、タンタル、ニオブ、イリジウム、ロジウム等の金属、あるいは、それらを主成分とする合金、カーボン等が挙げられる。
焼成温度は、圧力など、その他の条件によっても異なるが、通常1300℃以上、2100℃以下の温度範囲で焼成を行なうことができる。焼成工程における最高到達温度としては、通常1300℃以上、好ましくは1400℃以上、より好ましくは1500℃以上、より好ましくは1600℃以上であり、また、通常2100℃以下、好ましくは2000℃以下、より好ましくは1900℃以下である。焼成温度が高すぎると窒素が飛んで母体結晶に欠陥を生成し着色する傾向にあり、低すぎると固相反応の進行が遅くなる傾向にある。
焼成工程における昇温速度は、通常2℃/分以上、好ましくは5℃/分以上、より好ましくは10℃/分以上であり、また、通常30℃/分以下、好ましくは25℃/分以下である。昇温速度がこの範囲を下回ると、焼成時間が長くなる可能性がある。また、昇温速度がこの範囲を上回ると、焼成装置、容器等が破損する場合がある。
焼成工程における焼成雰囲気は、本発明の蛍光体が得られる限り任意であるが、窒素含有雰囲気とすることが好ましい。具体的には、窒素雰囲気、水素含有窒素雰囲気等が挙げられ、中でも窒素雰囲気が好ましい。なお、焼成雰囲気の酸素含有量は、通常10ppm以下、好ましくは5ppm以下にするとよい。
焼成時間は、焼成時の温度や圧力等によっても異なるが、通常10分間以上、好ましくは30分間以上、また、通常24時間以下、好ましくは12時間以下である。焼成時間が短すぎると粒生成と粒成長を促すことができないため、特性のよい蛍光体を得ることができず、焼成時間が長すぎると構成している元素の揮発が促されるため、原子欠損により結晶構造内に欠陥が誘発され特性のよい蛍光体を得ることができない。
焼成工程における圧力は、焼成温度等によっても異なるが、通常0.2MPa以上、好ましくは0.4MPa以上であり、また、通常200MPa以下、好ましくは190MPa以下である。圧力が高すぎると、副生物が多くなる傾向にあり、圧力が低すぎると得られた蛍光体が分解したり、着色したりする可能性があるので、圧力の調整が重要である。構成している元素、特にアルカリ土類金属元素の揮発を抑え、欠陥が生じるのを抑える場合は0.8MPa以上が好ましく、さらに10MPa以上が好ましく、さらに50MPa以上が好ましく、さらに100MPa以上が好ましく、特に150MPaが好ましい。また、吸収効率の高い蛍光体を得たい場合は10MPa以下が好ましく、さらに5MPa以下が好ましく、さらに3MPa以下が好ましく、特に1.0MPa以下が好ましい。
なお、焼成工程は、必要に応じて、複数回繰り返し行なってもよい。その際は、一回目の焼成と、二回目の焼成とで、焼成条件を同一にしてもよいし、異なるものにしてもよい。
蛍光体生成時に原子が均一に拡散し、内部量子効率の高い蛍光体を焼成する場合や数μmの大きな粒子を得る場合は、繰り返し焼成が有効となる。この場合の第一の焼成工程の最高到達温度は第二の焼成工程での最高温度よりも低いことが好ましい。
第一の焼成工程で(Sr,Ca)SiNなどの別の相を焼成しておき、第二の焼成工
程で目的の結晶相を得ることも、構成している元素の拡散が進みやすくなるため有効である。
(後処理工程)
得られる焼成物は、粒状又は塊状となる。これを解砕、粉砕及び/又は分級操作を組み合わせて所定のサイズの粉末にする。ここでは、D50が約30μm以下になるように処理するとよい。
具体的な処理の例としては、合成物を目開き45μm程度の篩分級処理し、篩を通過した粉末を次工程に回す方法、或いは合成物をボールミルや振動ミル、ジェットミル等の一般的な粉砕機を使用して所定の粒度に粉砕する方法が挙げられる。後者の方法において、過度の粉砕は、光を散乱しやすい微粒子を生成するだけでなく、粒子表面に結晶欠陥を生成し、発光効率の低下を引き起こす可能性がある。
また、必要に応じて、蛍光体(焼成物)を洗浄する工程を設けてもよい。洗浄工程後は、蛍光体を付着水分がなくなるまで乾燥させて、使用に供する。さらに、必要に応じて、凝集をほぐすために分散・分級処理を行ってもよい。
[3.蛍光体の用途]
本発明の蛍光体は、蛍光体を使用する任意の用途に用いることができる。また、本発明の蛍光体を単独で使用することも可能であるが、2種以上併用したり、本発明の蛍光体とその他の蛍光体とを併用したりした、任意の組み合わせの蛍光体混合物として用いることも可能である。
本発明の蛍光体は、公知の液体媒体(例えば、シリコーン系化合物等)と混合して、蛍光体含有組成物として用いることもできる。
発光装置の発光色としては紫色や、白色に制限されず、蛍光体の組み合わせや含有量を適宜選択することにより、電球色(暖かみのある白色)やパステルカラー等、任意の色に発光する発光装置を製造することができる。こうして得られた発光装置を、画像表示装置の発光部(特に液晶用バックライトなど)や照明装置として使用することができる。
[4.蛍光体含有組成物]
本発明の蛍光体は、液体媒体と混合して用いることもできる。特に、本発明の蛍光体を発光装置等の用途に使用する場合には、これを液体媒体中に分散させた形態で用いることが好ましい。本発明の蛍光体を液体媒体中に分散させたものを、適宜「本発明の蛍光体含有組成物」と呼ぶものとする。
(蛍光体)
上記蛍光体含有組成物に含有させる本発明の蛍光体の種類に制限は無く、任意に選択することができる。また、蛍光体含有組成物に含有させる本発明の蛍光体は、1種のみであってもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。更に、蛍光体含有組成物には、本発明の効果を著しく損なわない限り、本発明の蛍光体以外の蛍光体を含有させてもよい。
(液体媒体)
蛍光体含有組成物に用いられる液体媒体の種類は特に限定されず、通常、半導体発光素子を覆ってモールディングすることのできる硬化性材料を用いることができる。硬化性材料とは、流体状の材料であって、何らかの硬化処理を施すことにより硬化する材料のことをいう。ここで、流体状とは、例えば液状又はゲル状のことをいう。硬化性材料は、固体発光素子から発せられた光を蛍光体へ導く役割を担保するものであれば、具体的な種類に制限は無い。また、硬化性材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。したがって、硬化性材料としては、無機系材料及び有機系材料並びに両者の混合物のいずれを用いることも可能である。
無機系材料としては、例えば、金属アルコキシド、セラミック前駆体ポリマー若しくは金属アルコキシドを含有する溶液をゾル−ゲル法により加水分解重合して成る溶液、またはこれらの組み合わせを固化した無機系材料(例えばシロキサン結合を有する無機系材料)等を挙げることができる。
一方、有機系材料としては、例えば、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等が挙げられる。具体例を挙げると、ポリ(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル樹脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエステル樹脂;フェノキシ樹脂;ブチラール樹脂;ポリビニルアルコール;エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース系樹脂;エポキシ樹脂;フェノール樹脂;シリコーン樹脂等が挙げられる。
これら硬化性材料の中では、半導体発光素子からの発光に対して劣化が少なく、耐アルカリ性、耐酸性、耐熱性にも優れる珪素含有化合物を使用することが好ましい。珪素含有化合物とは分子中に珪素原子を有する化合物をいい、ポリオルガノシロキサン等の有機材料(シリコーン系化合物)、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素等の無機材料、及びホウケイ酸塩、ホスホケイ酸塩、アルカリケイ酸塩等のガラス材料を挙げることができる。中でも、透明性、接着性、ハンドリングの容易さ、機械的、熱的応力の緩和特性に優れる等の点から、シリコーン系材料が好ましい。
シリコーン系材料とは、通常、シロキサン結合を主鎖とする有機重合体をいい、例えば、縮合型、付加型、改良ゾルゲル型、光硬化型等のシリコーン系材料を用いることができる。
これらのシリコーン系材料は単独で使用してもよいし、混合することにより硬化阻害が起きなければ複数のシリコーン系材料を混合して用いてもよい。
(液体媒体及び蛍光体の含有率)
液体媒体の含有率は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、本発明の蛍光体含有組成物全体に対して、通常25質量%以上、好ましくは40質量%以上であり、また、通常99質量%以下、好ましくは95質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。液体媒体の量が多い場合には特段の問題は起こらないが、半導体発光装置とした場合に所望の色度座標、演色指数、発光効率等を得るには、通常、上記のような配合比率で液体媒体を用いることが望ましい。一方、液体媒体が少な過ぎると流動性が低下し取り扱い難くなる可能性がある。
液体媒体は、本発明の蛍光体含有組成物において、主にバインダーとしての役割を有する。液体媒体は、一種を単独で用いてもよいが、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。例えば、耐熱性や耐光性等を向上させることを目的として珪素含有化合物を使用する場合は、当該珪素含有化合物の耐久性を損なわない程度に、エポキシ樹脂など他の熱硬化性樹脂を含有してもよい。この場合、他の熱硬化性樹脂の含有量は、バイン
ダーである液体媒体全量に対して、通常25質量%以下、好ましくは10質量%以下とすることが望ましい。
蛍光体含有組成物中の蛍光体の含有率は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、本発明の蛍光体含有組成物全体に対して、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは20質量%以上であり、通常75質量%以下、好ましくは60質量%以下である。また、蛍光体含有組成物中の蛍光体に占める本発明の蛍光体の割合についても任意であるが、通常30質量%以上、好ましくは50質量%以上であり、通常100質量%以下である。蛍光体含有組成物中の蛍光体含有量が多過ぎると蛍光体含有組成物の流動性が劣り、取り扱いにくくなることがあり、蛍光体含有量が少な過ぎると発光装置の発光の効率が低下する傾向にある。
(その他の成分)
蛍光体含有組成物には、本発明の効果を著しく損なわない限り、蛍光体及び液体媒体以外に、その他の成分、例えば、屈折率調整のための金属酸化物や、拡散剤、フィラー、粘度調整剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含有させても良い。その他の成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
[5.発光装置]
本発明の発光装置は、第1の発光体(励起光源)と、当該第1の発光体からの光を可視光に変換して、可視光を発し得る第2の発光体とを有する発光装置であって、該第2の発光体として前述の[1.蛍光体]の項で記載した本発明の蛍光体を1種以上含む第1の蛍光体を含有するものである。
本発明の発光装置に用いられる本発明の蛍光体の好ましい具体例としては、前述の[1.蛍光体]の欄に記載した本発明の蛍光体や、後述の[実施例]の欄の各実施例に用いた蛍光体が挙げられる。また、本発明の蛍光体は、何れか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明の発光装置は、第1の発光体(励起光源)を有し、且つ、第2の発光体として少なくとも本発明の蛍光体を使用している他は、その構成は制限されず、公知の装置構成を任意にとることが可能である。装置構成の具体例については後述する。
本発明の発光装置のうち、特に白色発光装置として、具体的には、第1の発光体として後述するような励起光源を用い、本発明の蛍光体の他、後述するような青色の蛍光を発する蛍光体(以下、適宜「青色蛍光体」という)、緑色の蛍光を発する蛍光体(以下、適宜「緑色蛍光体」という)、赤色の蛍光を発する蛍光体(以下、適宜「赤色蛍光体」という)、黄色の蛍光を発する蛍光体(以下、適宜「黄色蛍光体」という)等の公知の蛍光体を任意に組み合わせて使用し、公知の装置構成をとることにより得られる。
ここで、該白色発光装置の白色とは、JIS Z 8701により規定された、(黄みの)白、(緑みの)白、(青みの)白、(紫みの)白及び白の全てを含む意であり、このうち好ましくは白である。
<発光装置の構成>
(第1の発光体)
本発明の発光装置における第1の発光体は、後述する第2の発光体を励起する光を発光するものである。
第1の発光体の発光ピーク波長は、後述する第2の発光体の吸収波長と重複するものであれば、特に制限されず、幅広い発光波長領域の発光体を使用することができる。通常は、紫外領域から青色領域までの発光波長を有する発光体が使用される。
第1の発光体の発光ピーク波長の具体的数値としては、通常300nm以上、好ましくは330nm以上、より好ましくは360nm以上、また、通常500nm以下、好ましくは480nm以下、より好ましくは460nm以下の発光ピーク波長を有する発光体を使用することが望ましい。
第1の発光体としては、一般的には半導体発光素子が用いられ、具体的には発光ダイオード(LED)やレーザーダイオード(LD)等が使用できる。その他、第1の発光体として使用できる発光体としては、例えば、有機エレクトロルミネッセンス発光素子、無機エレクトロルミネッセンス発光素子等が挙げられる。但し、第1の発光体として使用できるものは本明細書に例示されるものに限られない。
中でも、第1の発光体としては、GaN系化合物半導体を使用したGaN系LEDやLDが好ましい。なぜなら、GaN系LEDやLDは、この領域の光を発するSiC系LED等に比し、発光出力や外部量子効率が格段に大きく、前記蛍光体と組み合わせることによって、低電力で非常に明るい発光が得られるからである。例えば、20mAの電流負荷に対し、通常GaN系LEDやLDはSiC系の100倍以上の発光強度を有する。GaN系LEDやLDとしては、AlGaN発光層、GaN発光層又はInGaN発光層を有しているものが好ましい。中でも、発光強度が非常に高いことから、GaN系LEDとしては、InGaN発光層を有するものが特に好ましく、InGaN層とGaN層との多重量子井戸構造のものがさらに好ましい。
なお、上記においてX+Yの値は、通常0.8〜1.2の範囲の値である。GaN系LEDにおいて、これら発光層にZnやSiをドープしたものやドーパント無しのものが発光特性を調節するうえで好ましいものである。
GaN系LEDはこれら発光層、p層、n層、電極、及び基板を基本構成要素としたものであり、発光層をn型とp型のAlGaN層、GaN層、又はInGaN層などでサンドイッチにしたヘテロ構造を有しているものが、発光効率が高くて好ましく、更にヘテロ構造を量子井戸構造にしたものが、発光効率が更に高いため、より好ましい。
なお、第1の発光体は、1個のみを用いてもよく、2個以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
(第2の発光体)
本発明の発光装置における第2の発光体は、上述した第1の発光体からの光の照射によって可視光を発する発光体であり、第1の蛍光体として本発明の蛍光体を1種以上含有するとともに、その用途等に応じて適宜、後述する第2の蛍光体(青色蛍光体、緑色蛍光体、黄色蛍光体、橙色蛍光体、赤色蛍光体等)を含有する。また、例えば、第2の発光体は、第1及び第2の蛍光体を封止材料中に分散させて構成される。
上記第2の発光体中に用いられる、本発明の蛍光体以外の蛍光体(即ち、第2の蛍光体)の組成には特に制限はないが、母体結晶となる、Y、YVO、ZnSiO、Yl512、SrSiO等に代表される金属酸化物、SrSi等に代表される金属窒化物、Ca(POCl等に代表されるリン酸塩及びZnS、SrS、CaS等に代表される硫化物、YS、LaS等に代表される酸硫化物等にCe、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb等の希土類金属のイオンやAg、Cu、Au、Al、Mn、Sb等の金属のイオンを付活元素又は共付活元素として組み合わせたものが挙げられる。
好ましい結晶母体の具体例を表1に示す。
Figure 0006094377
但し、上記の母体結晶及び付活元素又は共付活元素は、元素組成には特に制限はなく、同族の元素と一部置き換えることもでき、得られた蛍光体は近紫外から可視領域の光を吸収して可視光を発するものであれば用いることが可能である。
具体的には、蛍光体として以下に挙げるものを用いることが可能であるが、これらはあくまでも例示であり、本発明で使用できる蛍光体はこれらに限られるものではない。なお、以下の例示では、前述の通り、構造の一部のみが異なる蛍光体を、適宜省略して示している。
(第1の蛍光体)
本発明の発光装置における第2の発光体は、少なくとも上述の本発明の蛍光体を含む第1の蛍光体を含有する。本発明の蛍光体は、何れか1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよく、所望の発光色となるよう、本発明の蛍光体の組成を適宜調整すればよい。
(第2の蛍光体)
本発明の発光装置における第2の発光体は、その用途に応じて、上述の第1の蛍光体以外にも蛍光体(即ち、第2の蛍光体)を含有していてもよい。通常、これらの第2の蛍光体は、第2の発光体の発光の色調を調節するために使用されるため、第2の蛍光体としては第1の蛍光体とは異なる色の蛍光を発する蛍光体を使用することが多い。例えば、第1の蛍光体として赤色蛍光体を使用する場合、第2の蛍光体としては、青色蛍光体、緑色蛍光体、黄色蛍光体等の赤色蛍光体以外の蛍光体を用いるとよい。但し、第1の蛍光体と同色の蛍光体を第2の蛍光体として用いることも可能である。
本発明の発光装置に使用される第2の蛍光体の質量メジアン径D50は、通常2μm以上、中でも5μm以上、また、通常30μm以下、中でも20μm以下の範囲であることが好ましい。質量メジアン径D50が小さ過ぎると、輝度が低下し、蛍光体粒子が凝集してしまう傾向がある。一方、質量メジアン径が大き過ぎると、塗布ムラやディスペンサー等の閉塞が生じる傾向がある。
(青色蛍光体)
本発明の蛍光体に加えて青色蛍光体を使用する場合、当該青色蛍光体は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。この際、青色蛍光体の発光ピーク波長は、通常420nm以上、好ましくは430nm以上、より好ましくは440nm以上、また、通常490nm以下、好ましくは480nm以下、より好ましくは470nm以下、更に好ましくは460nm以下の波長範囲にあることが好適である。使用する青色蛍光体の発光ピーク波長がこの範囲にあると、本発明の蛍光体の励起帯と重なり、当該青色蛍光体からの青色光により、本発明の蛍光体を効率良く励起することができるからである。このような青色蛍光体として使用できる蛍光体を表2に示す。
Figure 0006094377
以上の中でも、青色蛍光体としては、(Ca,Sr,Ba)MgAl1017:Eu、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO(Cl,F):Eu、(Ba,Ca,Mg,Sr)SiO:Eu、(Ba,Ca,Sr)MgSiO8:Euが好ましく、(Ba,Sr)MgAl1017:Eu、(Ca,Sr,Ba)10(PO(Cl,F):Eu、BaMgSi:Euがより好ましく、Sr10(POCl:Eu、BaMgAl1017:Euが特に好ましい。
(緑色蛍光体)
本発明の蛍光体に加えて緑色蛍光体を使用する場合、当該緑色蛍光体は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。この際、緑色蛍光体の発光ピーク波長は、通常500nmより大きく、中でも510nm以上、更には515nm以上、また、通常550nm以下、中でも542nm以下、更には535nm以下の範囲であることが好ましい。この発光ピーク波長が短過ぎると青味を帯びる傾向がある一方で、長過ぎると黄味を帯びる傾向があり、何れも緑色光としての特性が低下する場合がある。このような緑色蛍光体として利用できる蛍光体を表3に示す。
Figure 0006094377
以上の中でも、緑色蛍光体としては、Y(Al,Ga)12:Tb、CaSc:Ce、Ca(Sc,Mg)Si12:Ce、(Sr,Ba)SiO:Eu、(Si,Al)(O,N):Eu(β−sialon)、(Ba,Sr)Si12:N:Eu、SrGa:Eu、BaMgAl1017:Eu,Mnが好ましい。
得られる発光装置を照明装置に用いる場合には、Y(Al,Ga)12:Tb、CaSc:CeCa(Sc,Mg)Si12:Ce、(Sr,Ba)SiO:Eu、(Si,Al)(O,N):Eu(β−sialon)、(Ba,Sr)Si12:Euが好ましい。
また、得られる発光装置を画像表示装置に用いる場合には、(Sr,Ba)SiO:Eu、(Si,Al)(O,N):Eu(β−sialon)、(Ba,Sr)Si12:Eu、SrGa:Eu、BaMgAl1017:Eu,Mnが好ましい。
(黄色蛍光体)
本発明の蛍光体に加えて黄色蛍光体を使用する場合、当該黄色蛍光体は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。この際、黄色蛍光体の発光ピーク波長は、通常530nm以上、好ましくは540nm以上、より好ましくは550nm以上、また、通常620nm以下、好ましくは600nm以下、より好ましくは580nm以下の波長範囲にあることが好適である。このような黄色蛍光体として利用できる蛍
光体を表4に示す。
Figure 0006094377
以上の中でも、黄色蛍光体としては、YAl12:Ce、(Y,Gd)l512:Ce、(Sr,Ca,Ba,Mg)SiO:Eu、(Ca,Sr)Si:Euが好ましい。
(橙色ないし赤色蛍光体)
本発明の蛍光体に加えて橙色ないし赤色蛍光体を使用する場合、当該橙色ないし赤色蛍光体は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。この際、橙色ないし赤色蛍光体の発光ピーク波長は、通常570nm以上、好ましくは580nm以上、より好ましくは585nm以上、また、通常780nm以下、好ましくは700nm以下、より好ましくは680nm以下の波長範囲にあることが好適である。このような橙色ないし赤色蛍光体として使用できる蛍光体を表5に示す。
Figure 0006094377
以上の中でも、赤色蛍光体としては、(Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O):Eu、(Sr,Ba)SiO:Eu、(Ca,Sr)S:Eu、(La,Y)S:Eu、Eu(ジベンゾイルメタン)3・1,10−フェナントロリン錯体等のβ−ジケトン系Eu錯体、カルボン酸系Eu錯体、KSiF:Mnが好ましく、(Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Sr,Ca)AlSi(N,O):Eu、(La,Y)S:Eu、KSiF:Mnがより好ましい。
また、橙色蛍光体としては、(Sr,Ba)SiO:Eu、(Sr,Ba)SiO:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O):Ceが好ましい。
[6.発光装置の実施形態]
<発光装置の実施形態>
以下、本発明の発光装置について、具体的な実施の形態を挙げて、より詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
本発明の発光装置の一例における、励起光源となる第1の発光体と、蛍光体を有する蛍光体含有部として構成された第2の発光体との位置関係を示す模式的斜視図を図1に示す。図1中の符号1は蛍光体含有部(第2の発光体)、符号2は励起光源(第1の発光体)としての面発光型GaN系LD、符号3は基板を表す。相互に接触した状態をつくるために、励起光源(LD)2と蛍光体含有部1(第2の発光体)とそれぞれ別個に作製し、それらの面同士を接着剤やその他の手段によって接触させてもよいし、励起光源(LD)2の発光面上に蛍光体含有部1(第2の発光体)を製膜(成型)させてもよい。これらの結果、励起光源(LD)2と蛍光体含有部1(第2の発光体)とを接触した状態とすることができる。
このような装置構成をとった場合には、励起光源(第1の発光体)からの光が蛍光体含有部(第2の発光体)の膜面で反射されて外にしみ出るという光量損失を避けることができるので、装置全体の発光効率を良くすることができる。
図2(a)は、一般的に砲弾型と言われる形態の発光装置の代表例であり、励起光源(第1の発光体)と蛍光体含有部(第2の発光体)とを有する発光装置の一実施例を示す模式的断面図である。該発光装置4において、符号5はマウントリード、符号6はインナーリード、符号7は励起光源(第1の発光体)、符号8は蛍光体含有部、符号9は導電性ワイヤ、符号10はモールド部材をそれぞれ指す。
また、図2(b)は、表面実装型と言われる形態の発光装置の代表例であり、励起光源(第1の発光体)と蛍光体含有部(第2の発光体)とを有する発光装置の一実施例を示す模式的断面図である。図中、符号22は励起光源(第1の発光体)、符号23は蛍光体含有部(第2の発光体)、符号24はフレーム、符号25は導電性ワイヤ、符号26及び符号27は電極をそれぞれ指す。
<発光装置の用途>
本発明の発光装置の用途は特に制限されず、通常の発光装置が用いられる各種の分野に使用することが可能であるが、演色性が高い、及び色再現範囲が広いことから、中でも照明装置や画像表示装置の光源として、とりわけ好適に用いられる。
(照明装置)
本発明の発光装置を照明装置に適用する場合には、前述のような発光装置を公知の照明装置に適宜組み込んで用いればよい。例えば、図3に示されるような、前述の発光装置4を組み込んだ面発光照明装置11を挙げることができる。
図3は、本発明の照明装置の一実施形態を模式的に示す断面図である。この図3に示すように、該面発光照明装置は、内面を白色の平滑面等の光不透過性とした方形の保持ケース12の底面に、多数の発光装置13(前述の発光装置4に相当)を、その外側に発光装置13の駆動のための電源及び回路等(図示せず。)を設けて配置し、保持ケース12の蓋部に相当する箇所に、乳白色としたアクリル板等の拡散板14を発光の均一化のために
固定してなる。
そして、面発光照明装置11を駆動して、発光装置13の励起光源(第1の発光体)に電圧を印加することにより光を発光させ、その発光の一部を、蛍光体含有部(第2の発光体)としての蛍光体含有樹脂部における前記蛍光体が吸収し、可視光を発光し、一方、蛍光体に吸収されなかった青色光等との混色により演色性の高い発光が得られ、この光が拡散板14を透過して、図面上方に出射され、保持ケース12の拡散板14面内において均一な明るさの照明光が得られることとなる。
(画像表示装置)
本発明の発光装置を画像表示装置の光源として用いる場合には、その画像表示装置の具体的構成に制限は無いが、カラーフィルターとともに用いることが好ましい。例えば、画像表示装置として、カラー液晶表示素子を利用したカラー画像表示装置とする場合は、上記発光装置をバックライトとし、液晶を利用した光シャッターと赤、緑、青の画素を有するカラーフィルターとを組み合わせることにより画像表示装置を形成することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
なお、下記の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限または下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は、前記上限または下限の値と下記実施例の値または実施例同士の値との組合せで規定される範囲であってもよい。
[蛍光体の特性測定・評価方法]
各実施例及び比較例において、蛍光体粒子の各種の特性測定・評価は、特に断りの無い限り、以下の手法で行った。
<発光スペクトル>
励起光源として150Wキセノンランプを備え、スペクトル測定装置としてマルチチャンネルCCD検出器C7041(浜松フォトニクス社製)を備える蛍光測定装置(日本分光社製)を用いて測定した。
具体的には、励起光源からの光を焦点距離が10cmである回折格子分光器に通し、波長455nmの励起光のみを光ファイバーを通じて蛍光体に照射した。励起光の照射により蛍光体から発生した光を焦点距離が25cmである回折格子分光器により分光し、300nm以上800nm以下の波長範囲においてスペクトル測定装置により各波長の発光強度を測定し、パーソナルコンピュータによる感度補正等の信号処理を経て発光スペクトルを得た。なお、測定時には、受光側分光器のスリット幅を1nmに設定して測定を行った。
また、発光ピーク波長(以下、「ピーク波長」と称することがある。)および発光ピーク半値幅は、得られた発光スペクトルから読み取った。
<色度座標>
x、y表色系(CIE 1931表色系)の色度座標は、上述の方法で得られた発光スペクトルの360nm〜800nmの波長領域のデータから、JIS Z8724に準じた方法で、JIS Z8701で規定されるXYZ表色系における色度座標CIExとCIEyとして算出した。
<粉末X線回折>
粉末X線回折装置X’Pert(PANalytical社製)にて精密測定した。測定条件は以下の通りである。また、測定データについては、データ処理用ソフトX’Pert High Score(PANalytical社製)を用い、ベンディングフィルターを5として自動バックグラウンド処理を実施した。
CuKα管球使用
X線出力=45KV,40mA
発散スリット=1/4°,X線ミラー
検出器=半導体アレイ検出器X’Celerator使用
Niフィルター使用
走査範囲 2θ=10°〜65°
読み込み幅=0.05°
計数時間=33秒
<格子定数精密化>
格子定数は、各実施例および比較例の粉末X線回折測定データより、Si、Al、N、およびOから構成される骨格構造を有し、その空隙にCaサイトが存在するという結晶構造を持つ蛍光体の一種であるCaSiAlNと同じ結晶構造、つまり空間群がCmc2(Intarnational Tables for Crystallography,No.36)に分類される結晶構造に起因したピークを抽出し、データ処理用ソフ
トX’Pert Plus(PANalytical社製)を用いて精密化することによ
り求めた。
<量子効率>
内部量子効率ηを求めるに際し、まず、測定対象となる蛍光体サンプル(例えば蛍光体の粉末等)を、測定精度が保たれるように、十分に表面を平滑にしてセルに詰め、積分球等の集光装置に取り付けた。
該集光装置に、蛍光体サンプルを励起するための発光源として、Xeランプを取り付けた。また、発光源の発光ピーク波長が455nmの単色光となるように、フィルターやモノクロメーター(回折格子分光器)等を用いて調整を行なった。
この発光ピーク波長が調整された発光源からの光を、測定対象の蛍光体サンプルに照射し、発光(蛍光)及び反射光を含むスペクトルを分光測定装置(大塚電子株式会社製 MCPD7000)で測定した。
<吸収効率α
吸収効率αは、蛍光体サンプルによって吸収された励起光のフォトン数Nabsを、励起光の全フォトン数Nで割った値として算出した。
具体的な算出手順は以下の通りである。
まず、後者の励起光の全フォトン数Nを、次のようにして求めた。
すなわち、励起光に対してほぼ100%の反射率Rを持つ物質、例えばLabsphere製「Spectralon」(455nmの励起光に対して98%の反射率Rを持つ)等の白色反射板を測定対象として、蛍光体サンプルと同様の配置で上述の集光装置に取り付け、該分光測定装置を用いて反射スペクトルを測定した(この反射スペクトルを以下「Iref(λ)」とする)。
この反射スペクトルIref(λ)から、下記(式I)で表わされる数値を求めた。なお、下記(式I)の積分区間は、440nm〜470nmとした。下記(式I)で表わされる数値は、励起光の全フォトン数Nに比例する。
Figure 0006094377
また、吸収効率αの測定対象となる蛍光体サンプルを集光装置に取り付けたときの反射スペクトルI(λ)から、下記(式II)で表わされる数値を求めた。なお、上記(式II)の積分区間は、440nm〜470nmとした。下記(式II)で求められる数値は、蛍光体サンプルによって吸収された励起光のフォトン数Nabsに比例する。
Figure 0006094377
以上より、吸収効率αを次の式により算出した。
(数3)
吸収効率α = Nabs/N =(式II)/(式I)
<内部量子効率η
内部量子効率ηは、蛍光現象に由来するフォトンの数NPLを、蛍光体サンプルが吸収したフォトンの数Nabsで割った値として算出した。
上記のI(λ)から、下記式(III)で表わされる数値を求めた。なお、(式III)の積分区間の下限は、471nm〜780nmとした。下記(式III)で求められる数値は、
蛍光現象に由来するフォトンの数NPLに比例する。
Figure 0006094377
以上より、内部量子効率ηを次の式により算出した。
(数5)
η = (式III)/(式II)
[比較例1]
蛍光体原料として、Sr(セラック社製)、Ca(セラック社製)、EuN(太平洋セメント社製)、Si(宇部興産社製)、AlN(トクヤマ社製)を用いて、次のとおり蛍光体を調製した。
上記原料を、表6に示す各仕込み組成と各重量となるように電子天秤で秤量し、アルミナ乳鉢に入れ、均一になるまで粉砕及び混合した。これらの操作は、Nガスで満たしたグローブボックス中で行った。
得られた原料混合粉末から約1.5gを秤量し、坩堝にそのまま充填した。この坩堝を、抵抗加熱式真空加圧雰囲気熱処理炉(富士電波工業社製)内に置いた。次いで、5×10−3Pa以下まで減圧した後、室温から800℃まで昇温速度20℃/分で真空加熱した。800℃に達したところで、その温度で維持して炉内圧力が0.85MPaになるまで高純度窒素ガス(99.9995%)を30分間導入した。高純度窒素ガスの導入後、炉内圧力を0.85MPaに保持しながら、さらに、昇温速度20℃/分で1200℃ま
で昇温した。1200℃で5分間保持する間に熱電対から放射温度計に換えた後、さらに昇温速度20℃/分で1750℃まで加熱し、1750℃に達したところで8時間維持した。焼成後1200℃まで降温速度20℃/分で冷却し、次いで放冷した。その後、生成物を解砕し、比較例1の蛍光体を得た。
[実施例1〜6、比較例2]
蛍光体原料として、Sr(セラック社製)、Ca(セラック社製)、EuN(太平洋セメント社製)、Si(宇部興産社製)、AlN(トクヤマ社製)、SiO(龍森社製)を用いて、次のとおり蛍光体を調製した。
上記原料を、表6に示す各仕込み組成と各重量となるように電子天秤で秤量し、アルミナ乳鉢に入れ、均一になるまで粉砕及び混合した。これらの操作は、Nガスで満たしたグローブボックス中で行った。
得られた原料混合粉末から約1.5gを秤量し、坩堝にそのまま充填した。比較例1と同様に1200℃で5分間保持する間に熱電対から放射温度計に換えた後、昇温速度20℃/分で1600℃まで加熱した。1600℃に達したところで2時間維持し、さらに引き続いて20℃/分で1750℃まで加熱し、その温度で2時間維持したこと以外は比較例1と同様にして実施例1〜6、比較例2の蛍光体を得た。
Figure 0006094377
実施例1〜6、および比較例1、2で得られた蛍光体について、上記した方法により各種特性評価を行った。その結果を表7、8及び図4〜6に示す。
なお、比較例1はAl−Oを全く置換していない蛍光体、実施例1〜6、比較例2は任
意の割合で格子内のSi−NをAl−Oで置換した蛍光体である。
Figure 0006094377
Figure 0006094377
実施例1〜3、5、比較例1、2の蛍光体の粉末X線回折パターンを図4に示す。
実施例1〜6、比較例1、2の蛍光体の粉末X線回折パターンを解析したところ、すべての蛍光体は図4に示したように結晶系が斜方晶であり、空間群がCmc2を有する結晶相が主相として生成したことを確認した。また、比較例1、実施例1については28°付近にピークを有する前記結晶相以外の結晶相が、比較例2の蛍光体については32.5°付近にピークを有する前記結晶相以外の結晶相が不純物相として確認された。特定の組成範囲において、目的とする結晶相が得られやすく、各種特性も改善されることが示唆される。
表7は実施例1〜6、比較例1、2の蛍光体について粉末X線回折パターンをもとに格子定数を精密化し、単位格子体積を算出した値であり、図5は得られた単位格子体積の値をAl−O置換量に対してプロットした図である。結晶構造中のSi−NのペアをAl−Oのペアで置換していくにつれて、単位格子体積が増加することが確認された。したがって、本実施例で得られた蛍光体では確実にAl−O置換し、単位格子体積を任意に調整することが可能となった。
表8は、実施例1〜6、および比較例1、2の蛍光体の発光ピーク波長、CIE色度座標、発光ピーク半値幅、および比較例1の内部量子効率を100とした場合の各々の相対的な内部量子効率の割合を示したものである。表8からAl−Oの置換により単位格子体積を大きくすることで、課題であった内部量子効率の改善ができることが確認された。これは組成内のSi−NをAl−Oに任意の割合で置換することで、単位格子の大きさをコントロールすることが可能となり、より目的としている結晶相ができやすい組成を見つけ出したこと、ならびに最適な安定構造を構築することができたためであると考えられる。また、比較例2では比較例1よりも内部量子効率が数パーセント低下した。これは目的とするAl−O置換量に対してすべてが固溶置換されなかったことで、不純物相が生成したことによるものであることが示唆される。したがって、Al−O置換量には最適な範囲があることも明確になった。
図6は実施例2、4、6、及び比較例2の蛍光体の発光スペクトルである。いずれの実施例の蛍光体も目的としている結晶相からの発光が確認できた。さらに、表8に示すように内部量子効率が改善されたことで発光強度が高く演色性に優れた蛍光体を提供することが可能となった。
[実施例7、8、比較例3]
蛍光体原料として、Sr(セラック社製)、Ca(セラック社製)、EuN(太平洋セメント社製)、Si(宇部興産社製)、AlN(トクヤマ社製)、SiO(龍森社製)を用いて、次のとおり蛍光体を調製した。
上記原料を、表9に示す各仕込み組成となるように電子天秤で秤量し、さらに、Srを表9に示す重量で過剰に加えた原料を、アルミナ乳鉢に入れ、均一になるまで粉砕及び混合した。それぞれ、Sr源が仕込み組成に対して0.077g過剰となるようにした。これらの操作は、Nガスで満たしたグローブボックス中で行った。
得られた原料混合粉末を坩堝にそのまま充填した。この坩堝を、抵抗加熱式真空加圧雰囲気熱処理炉(富士電波工業社製)内に置き、比較例1と同様にして実施例7、8、比較例3の蛍光体を得た。
Figure 0006094377
得られた蛍光体について、上記した方法により各種特性評価を行った。その結果を表10及び図7に示す。
なお、比較例1はAl−Oを全く置換せず、Srを過剰に入れていない蛍光体、
実施例7、8、及び比較例3は任意の割合で格子内のSi−NをAl−Oで置換し、原料秤量の行程時にSrを過剰に加えて焼成した蛍光体である。
Figure 0006094377
実施例7、8、及び比較例3の蛍光体の粉末X線回折パターンを図7に示す。実施例7、8、及び比較例3の蛍光体の粉末X線回折パターンを解析したところ、すべての蛍光体は図7に示したように斜方晶であり、空間群がCmc2を有する結晶相が主相として生成したことを確認された。
表10は、実施例7、8、および比較例1、3の蛍光体の発光ピーク波長、CIE色度座標、発光ピーク半値幅、および比較例1の内部量子効率を100とした場合の相対的な内部量子効率の割合を示したものである。実施例7、8についてはAl−O置換に加え、焼成時にSr源であるSrを過剰に加えることで課題であった内部量子効率をさらに改善できることが確認された。
これは組成内のSi−NをAl−Oに任意の割合で置換することで、単位格子の大きさ
をコントロールすることが可能となったことに加え、焼成時にSr源であるSrを過剰に加えたことで、焼成時に揮発してしまうアルカリ土類金属の揮発を抑制することが可能となり、より目的としている結晶相ができやすい組成を見つけだすこと、ならびに最適な安定構造を構築することができたためであると考えられる。
また、図8は実施例7、8及び比較例3の蛍光体の発光スペクトルである。いずれの実施例の蛍光体も目的としている結晶相からの発光が確認できた。さらに、表10に示すように内部量子効率が改善されたことで発光強度が高く演色性に優れた蛍光体の生成が可能となった。
本発明の蛍光体は、光を用いる任意の分野において用いることができ、例えば屋内及び屋外用の照明などのほか、携帯電話、家庭用電化製品、屋外設置用ディスプレイ等の各種電子機器の画像表示装置などに好適に用いることができる。
1 蛍光体含有部(第2の発光体)
2 励起光源(第1の発光体)(LD)
3 基板
4 発光装置
5 マウントリード
6 インナーリード
7 励起光源(第1の発光体)
8 蛍光体含有部
9 導電性ワイヤ
10 モールド部材
11 面発光照明装置
12 保持ケース
13 発光装置
14 拡散板
22 励起光源(第1の発光体)
23 蛍光体含有部(第2の発光体)
24 フレーム
25 導電性ワイヤ
26 電極
27 電極

Claims (8)

  1. 下記式[1]:
    (A1−x,M)D [1]
    (式[1]中、AはSrおよびCaを必須とするアルカリ土類金属元素を示し、Mは付活元素を示し、DはAlを必須とする3価の金属元素を示し、EはSiを必須とする4価の金属元素を示し、A元素全体に占めるSrの割合が50モル%以上であり、xは0.0001≦x≦0.20を満たす数を示し、b、c、d及びeは、それぞれ、
    0.8≦b≦1.2
    0.8≦c≦1.2
    1.02≦b/c≦1.13
    2.5≦d≦3.3
    0<e≦0.20
    を満たす数を示す。)
    で表される組成を有する結晶相を含むことを特徴とする蛍光体。
  2. 前記式[1]において、eが、0<e≦0.07を満たす数を示す、請求項1に記載の蛍光体。
  3. 前記式[1]においてA元素全体に占めるSrの割合が70モル%以上であって、前記結晶相の格子定数から算出した単位格子体積(V)が288.4×10 pm 以上である、請求項1または2に記載の蛍光体。
  4. 前記式[1]においてA元素全体に占めるSrの割合が80モル%以上であって、前記結晶相の格子定数から算出した単位格子体積(V)が289.4×10 pm 以上である、請求項1または2に記載の蛍光体。
  5. 前記式[1]においてA元素全体に占めるSrの割合が90モル%以上であって、前記結晶相の格子定数から算出した単位格子体積(V)が290.8×10 pm 以上である、請求項1または2に記載の蛍光体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の蛍光体を液体媒体中に分散させてなることを特徴とする蛍光体含有組成物。
  7. 第1の発光体(励起光源)と、当該第1の発光体からの光を可視光に変換して、可視光を発し得る第2の発光体とを有する発光装置であって、該第2の発光体が請求項1〜5のいずれか1項に記載の蛍光体を含有することを特徴とする発光装置。
  8. 請求項7に記載の発光装置を備えることを特徴とする照明装置または画像表示装置。
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