JP6091802B2 - ラッシュアジャスタ - Google Patents

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Description

本発明は、シリンダヘッドに設けられ、内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブを作動させるロッカーアームの揺動支点として機能するラッシュアジャスタで、特に加圧オイルが供給されて作動する油圧式のラッシュアジャスタに関するものである。
油圧式のラッシュアジャスタとして、例えば、下記特許文献1に開示される「油圧式ラッシュアジャスターおよびその製造方法」がある。このラッシュアジャスタの構成を図5に示す。図5に示すように、ラッシュアジャスタ100は、主に、有底の円筒形状に形成される本体101、本体101に摺動自在に収容される円筒形状のプランジャ部103、プランジャ部103と連続して継ぎ目のないように構成されて本体101の開口側に収容されるプランジャキャップ部102、プランジャ部103のオリフィス105を開閉するバルブ機構(チェックボール106、リテナ107およびボールスプリング108)、本体101の開口側にプランジャキャップ部102およびプランジャ部103を付勢するプランジャ部スプリング109等から構成されている。
本体101には、ラッシュアジャスタ100がシリンダヘッドに組み付けられた場合、シリンダヘッド内の油通路に連通可能な油導入口101aやこの油導入口101aに連通する環状溝112が形成されている。プランジャキャップ部102にはその先端に油噴出口102aが設けられており、また内部には油噴出口102a方向に向けて縮径する円錐台形状のセパレータ114が収容されている。さらにプランジャキャップ部102の周壁には、本体101の環状溝112に連通可能な位置に貫通孔113が形成されている。プランジャ部103には、高圧室111に連通可能なオリフィス105が形成されている。
このように構成することにより、シリンダヘッド内の油通路から供給される作動油が、本体101の油導入口101aおよび環状溝112を介してプランジャキャップ部102内に導入されると、セパレータ114の外周壁に沿って油噴出口102a方向に向かった後、セパレータ114方向に向かってセパレータ114内を通過しプランジャキャップ部102内に形成されるリザーバ室115に流入する。そして、作動油によるリザーバ室115内の油圧がバルブ機構の閉弁圧(ボールスプリング108による付勢力)を超えるとバルブ機構のチェックボール106が開弁して油が高圧室111に流入する。
特開平6−173622号公報
しかしながら、上記ラッシュアジャスタ100によると、プランジャキャップ部102およびプランジャ部103を連続した1つの部品として構成しても、これらを摺動自在に本体101内に収容するためには、本体101の内周壁と、プランジャキャップ部102およびプランジャ部103の外周壁との間に必ずクリアランスが形成される。そのため、ロッカーアームによる一定以上の押圧力がプランジャキャップ部102に加わわり続けると、高圧室111に充満した油がこのクリアランスを通って本体101の油導入口101aから外部に漏れ出てしまう。
また、油導入口101aから漏出しない場合でも、図5に示す太い破線のように、クリアランスを通った油は、プランジャキャップ部102の貫通孔113からプランジャキャップ部102内に流入して、その一部はプランジャキャップ部102の油噴出口102aから外部に漏れ出て残りがリザーバ室115に戻る。このため、一定以上の押圧力がプランジャキャップ部102に加わわり続けた場合には、前述のクリアランスと油噴出口102aを介して作動油が高圧室111から外部に漏れ出ることから、高圧室111の作動油が徐々に抜けてプランジャ部103が下がる。つまり、リークダウンが生じる。
このようなリークダウンが生じることを前提としている場合には、プランジャ部103が所定距離を下がる時間(リークダウン時間)を規定していることが多く、リークダウン時間は、主に、前述したクリアランスの大きさと長さで制御される。そのため、上記ラッシュアジャスタ100のように、クリアランスの長さL100が比較的に長い場合には、高圧室111からリザーバ室115への油戻りの時間が長くなる傾向にあり、クリアランスの大きさを調整しただけではリークダウン時間を適正なものに制御することが難しい。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、外部に漏出するオイル量を減少させるとともに、リークダウン時間の制御を容易にし得るラッシュアジャスタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載されたラッシュアジャスタ(10)は、シリンダヘッド(60)に設けられ、内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブを作動させるロッカーアーム(70)の揺動支点として機能するラッシュアジャスタであって、一端側に底部(12)を有し加圧オイルが流れるシリンダヘッド(60)内のオイル流路(63)に連通可能な貫通孔(11c)を周壁に有する筒形状のボディ(11)と、ボディ(11)に摺動可能に収容される筒形状であって、周壁にボディ(11)の前記貫通孔(11c)に連通可能な加圧オイルの導入孔(21e)を有し、内側にこの導入孔(21e)を介して加圧オイルが最初に流入するセパレータ室(21b)とこのセパレータ室(21b)を介して流入するリザーバ室(21c)とを有し、一端側に加圧オイルの排出孔(21a)が形成され前記ロッカーアーム(70)の揺動支点になるピボット(22)を有し、他端側に前記リザーバ室(21c)内の加圧オイルが流出可能な連通路(21d)が形成されこの連通路(21d)が閉塞されるとボディ(11)の前記底部(12)との間で高圧室(11b)が区画形成される隔壁(26)を有するプランジャ(21)と、一端部(31a)に向けて縮径するテーパを備えかつ薄板材により形成されており、少なくとも外周壁(32)および内周壁(33)に防炭処理が施された筒形状のセパレータ(31)であって、この一端部(31a)をプランジャ(21)の前記一端側(31a)に向けかつ他端部(31b)をプランジャ(21)の前記導入孔(21e)よりも前記リザーバ室寄りの内周壁(23)に液密に嵌合するように前記セパレータ室(21b)に収容されて、前記導入孔(21e)から流入する加圧オイルを前記テーパの外周壁(32)で一端部(31a)の方向に案内し一端部(31a)から内側に流入した加圧オイルを他端部(31b)を介して前記リザーバ室(21c)に導くセパレータ(31)と、プランジャ(21)の前記高圧室(11b)に収容されてプランジャ(21)の前記連通路(21d)の開口部を閉塞し前記リザーバ室(21c)に流入した加圧オイルが所定圧に達するとこの開口部を開放して前記高圧室(11b)に加圧オイルを流入させるバルブ機構(40)と、プランジャ(21)の前記ピボット(22)がボディ(11)から突出する方向にバルブ機構(40)とともにプランジャ(21)を付勢して前記ロッカーアーム(70)に前記ピボット(22)を当接させるスプリング(48)と、を備え、前記プランジャ(21)は、前記導入孔(21e)よりも前記他端側の外周壁(28)に全周に亘って周溝(21f)が形成されるとともにこの周溝(21f)内に前記リザーバ室(21c)に連通する戻り孔(21g)が形成されて、前記高圧室(11b)に充満した加圧オイルは、前記プランジャ(21)の外周壁(28)と前記ボディ(11)の内周壁(13)との間に形成されるクリアランスを介して前記周溝(21f)に流入した後、前記セパレータ室(21b)を介することなく前記戻り孔(21g)を通って直接に前記リザーバ室(21c)に戻り得ることを技術的特徴とする。
また、特許請求の範囲の請求項2に記載されたラッシュアジャスタ(10)は、シリンダヘッド(60)に設けられ、内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブを作動させるロッカーアーム(70)の揺動支点として機能するラッシュアジャスタであって、一端側に底部(12)を有し加圧オイルが流れるシリンダヘッド(60)内のオイル流路(63)に連通可能な貫通孔(11c)を周壁に有する筒形状のボディ(11)と、ボディ(11)に摺動可能に収容される筒形状であって、周壁にボディ(11)の前記貫通孔(11c)に連通可能な加圧オイルの導入孔(21e)を有し、内側にこの導入孔(21e)を介して加圧オイルが最初に流入するセパレータ室(21b)とこのセパレータ室(21b)を介して流入するリザーバ室(21c)とを有し、一端側に加圧オイルの排出孔(21a)が形成され前記ロッカーアーム(70)の揺動支点になるピボット(22)を有し、他端側に前記リザーバ室(21c)内の加圧オイルが流出可能な連通路(21d)が形成されこの連通路(21d)が閉塞されるとボディ(11)の前記底部(12)との間で高圧室(11b)が区画形成される隔壁(26)を有するプランジャ(21)と、一端部(31a)に向けて縮径するテーパを備えかつ薄板材により形成されており、少なくとも外周壁(32)および内周壁(33)に防炭処理が施された筒形状のセパレータ(31)であって、この一端部(31a)をプランジャ(21)の前記一端側(31a)に向けかつ他端部(31b)をプランジャ(21)の前記導入孔(21e)よりも前記リザーバ室寄りの内周壁(23)に液密に嵌合するように前記セパレータ室(21b)に収容されて、前記導入孔(21e)から流入する加圧オイルを前記テーパの外周壁(32)で一端部(31a)の方向に案内し一端部(31a)から内側に流入した加圧オイルを他端部(31b)を介して前記リザーバ室(21c)に導くセパレータ(31)と、プランジャ(21)の前記高圧室(11b)に収容されてプランジャ(21)の前記連通路(21d)の開口部を閉塞し前記リザーバ室(21c)に流入した加圧オイルが所定圧に達するとこの開口部を開放して前記高圧室(11b)に加圧オイルを流入させるバルブ機構(40)と、プランジャ(21)の前記ピボット(22)がボディ(11)から突出する方向にバルブ機構(40)とともにプランジャ(21)を付勢して前記ロッカーアーム(70)に前記ピボット(22)を当接させるスプリング(48)と、を備え、前記プランジャ(21)は、一体に形成されており、かつ、前記プランジャ(21)は、前記導入孔(21e)よりも前記他端側の外周壁(28)に全周に亘って周溝(21f)が形成されるとともにこの周溝(21f)内に前記リザーバ室(21c)に連通する戻り孔(21g)が形成されて、前記高圧室(11b)に充満した加圧オイルは、前記プランジャ(21)の外周壁(28)と前記ボディ(11)の内周壁(13)との間に形成されるクリアランスを介して前記周溝(21f)に流入した後、前記セパレータ室(21b)を介することなく前記戻り孔(21g)を通って直接に前記リザーバ室(21c)に戻り得ることを技術的特徴とする。
さらに、特許請求の範囲の請求項3に記載されたラッシュアジャスタ(10)は、請求項1または2に記載のラッシュアジャスタ(10)において、前記戻り孔(21g)は、複数箇所に形成されていることを技術的特徴とする。
請求項1または2の発明では、プランジャ(21)が有する導入孔(21e)よりも高圧室(11b)側にプランジャ(21)の外周壁(28)に全周に亘って周溝(21f)が形成され、この周溝(21f)内にリザーバ室(21c)に連通する戻り孔(21g)が形成される。これにより、高圧室(11b)から、プランジャ(21)の外周壁(28)とボディ(11)の内周壁(13)との間に形成されるクリアランスに流入した加圧オイルは、導入孔(21e)に達する前に周溝(21f)に到達し、戻り孔(21g)を経由してセパレータ室(21b)を介することなく直接にリザーバ室(21c)に流れ込む。このため、導入孔(21e)を介してセパレータ室(21b)に流入するオイルが減ることから、プランジャ(21)の排出孔(21a)から外部に漏出するオイル量を減少させることが可能となる。また、戻り孔(21g)を経由する場合、導入孔(21e)を経由する場合に比べて、加圧オイルが通るクリアランス(プランジャ(21)の外周壁(28)とボディ(11)の内周壁(13)との間)の長さが短い。このため、短時間で高圧室(11b)からリザーバ室(21c)に加圧オイルを戻すことが可能となり、またこのクリアランスの大きさを調整することで、リークダウン時間の制御を容易にすることが可能となる。したがって、外部に漏出するオイル量を減少させるとともに、リークダウン時間の制御を容易に行うことができる。また、セパレータ(31)は、薄板材により形成されており、少なくとも外周壁(32)および内周壁(33)に防炭処理が施されている。これにより、例えば、ピボット(22)を形成する前のプランジャ(21)の一端側から、セパレータ(31)をセパレータ室(21b)に圧入固定した後、プランジャ(21)の一端側にピボット(22)を形成し、その後、プランジャ(21)に浸炭焼入れ焼戻しをする工程を経て、当該ラッシュアジャスタ(10)を製造しても、予め防炭処理が施されているセパレータ(31)には炭素が添加されることなく浸炭による硬化はない。したがって、防炭処理が施されていない場合に比べて、浸炭後の硬化によるクラックや割れがセパレータ(31)に発生することを防ぐことが可能となる。
請求項の発明では、戻り孔(21g)が複数箇所に形成されている。これにより、戻り孔(21g)が1つの場合に比べ、周溝(21f)からリザーバ室(21c)に連通する流路が増加するため、さらに短時間に高圧室(11b)からリザーバ室(21c)にオイルを戻すことが可能となる。
本発明の一実施形態に係るラッシュアジャスタの構成を示す断面図である。 本実施形態のラッシュアジャスタをシリンダヘッドに組み付けた例を示す説明図である。 本実施形態のラッシュアジャスタによる加圧オイルの戻り経路を示す説明図である。 リークダウン時間を制御するために管理の対象となるクリアランスの範囲と長さを示す説明図である。 従来例によるラッシュアジャスタの構成を示す説明図である。
以下、本発明のラッシュアジャスタの実施形態について図を参照して説明する。まず本実施形態に係るラッシュアジャスタ10の構成を図1および図2に基づいて説明する。図1には、ラッシュアジャスタ10をその軸方向に切断して現れる断面図が図示されている。図2には、ラッシュアジャスタ10をシリンダヘッド60に組み付けた例を示す説明図が図示されている。
図1に示すように、ラッシュアジャスタ10は、主に、ボディ11、プランジャ21、セパレータ31、バルブ機構40により構成されている。図2に示すように、ラッシュアジャスタ10は、水平対向エンジン(内燃機関)のシリンダヘッド60に組み付けられ、エンジンの吸気バルブを作動させるロッカーアーム70の揺動支点として機能するものである。なお、この例では、カムシャフトが回転してカム80がロッカーアーム70を押し動かすと、吸気バルブのバルブリフト機構90とラッシュアジャスタ10との双方に荷重が加わるように構成されている。
ボディ11は、例えば、肌焼鋼からなり、一端側に底部12を有し他端側に開口部11aを有する有底の円筒形状に形成されている。ボディ11の内周径は、開口部11aを形成する内周壁13でプランジャ21が摺動し得るように、プランジャ21の外周径よりも僅かに大きく設定されている。
ボディ11の周壁には、シリンダヘッド60に組み付けられたときにシリンダヘッド60内のオイルギャラリ63に連通可能な位置にオイル孔11cが形成されている。このオイル孔11cは、オイルギャラリ63を流れる加圧オイルをボディ11内に取り込むための貫通孔で、内周壁13には、このオイル孔11cに連通する環状凹部11dが形成されている。環状凹部11dは、プランジャ21の導入孔21eに加圧オイルを導くための周溝で、プランジャ21の移動位置にかかわらず加圧オイルを導入可能にするため、環状凹部11dの幅はプランジャ21の可動範囲によって定められている。
環状凹部11dの開口部11a側にはピン挿入孔11eが形成されている。このピン挿入孔11eは、ラッシュアジャスタ10をシリンダヘッド60に組み付けるときにピン51を挿入する孔である。このピン51は、プランジャ21のキー溝21hと協働してプランジャ21の突出方向の移動を規制するとともに(図4(A)参照)、シリンダヘッド60の長溝62と協働してラッシュアジャスタ10がシリンダヘッド60の取付穴61の内部で回転するのを防止している。
環状凹部11dから底部12方向に向かう内周壁13の端部には、底部12に近づくほど拡径する環状のテーパ溝16が形成されており、さらにその先には内周壁13よりも小径の高圧室壁14が形成されて底面12aに繋がっている。つまり、内周壁13と高圧室壁14との間には段部15が形成されており、この段部15によってプランジャ21の挿入方向の移動が規制されている(図4(B)参照)。
高圧室壁14は、後述するように、プランジャ21の隔壁26、排出部27、ボール43、底部12や内周壁13ととも高圧室11bを区画形成する壁体である。高圧室11bには、バルブ機構40やプランジャスプリング48が収容されている。
プランジャ21は、ボディ11に摺動可能に収容される円筒形状をベースに、一端側にピボット22、他端側に隔壁26や排出部27、がそれぞれ形成されている。即ち、プランジャ21の外周径は、ボディ11の内周径よりも僅かに小さく設定されており、一端側から他端側に向かって内部に、セパレータ室21b、リザーバ室21cおよび連通路21dがそれぞれ形成されている。なお、プランジャ21は、ボディ11と同様に、例えば肌焼鋼からなる。
ピボット22は、ロッカーアーム70の一端側に当接する支承部分(ロッカーアームの浮動支点)で、頂部に排出孔21aを有しほぼドーム形状に形成されている。この排出孔21aは、プランジャ21内のセパレータ室21bに連通しており、セパレータ室21bに充満した加圧オイルの排出を可能にしている。なお、このピボット22は、後述するセパレータ31がセパレータ室21bに圧入固定された後、ほぼドーム形状に成形される。
セパレータ31を収容するセパレータ室21bは、セパレータ室壁23によって形成される部屋で、後述するように加圧オイルが最初に流入する。セパレータ室壁23には加圧オイルを導入する導入孔21eが形成されており、この導入孔21eは、ボディ11に挿入されたプランジャ21の可動範囲において、前述したボディ11の環状凹部11dに連通可能な位置に設けられている。これにより、ボディ11のオイル孔11cから流入する加圧オイルを環状凹部11dを介してセパレータ室21bに導入可能にしている。
セパレータ室21bに連通するリザーバ室21cは、リザーバ室壁24により形成される部屋で、セパレータ室21bのセパレータ31を介して流入したオイルを溜める。リザーバ室21cの内径は、セパレータ31の内径とほぼ同径で、セパレータ室21bの内径よりも小径に設定されている。即ち、セパレータ室21bを形成するセパレータ室壁23とリザーバ室21cを形成するリザーバ室壁24との間には、段部25が設けられている。この段部25は、セパレータ室21b内にセパレータ31が圧入固定される際に、セパレータ31の固定位置を決定している。
段部25に対するリザーバ室壁24の反対側には、リザーバ室壁24の全周に繋がる隔壁26が形成されている。隔壁26は、流路径が絞られた連通路21dが中央に開口する円盤形状の板壁で、連通路21dを形成する排出部27に繋がっている。排出部27は、リザーバ室21cに充満した加圧オイルを高圧室11bに排出可能にする肉厚の円筒形状部で、端部にシート27aが形成されている。このシート27aは、後述するように、バルブ機構40を構成するボール43が着座可能な弁座として機能する。
リザーバ室壁24には戻り孔21gが形成されている。戻り孔21gは、外周壁28の全周に形成される周溝21fに連通可能な位置に設けられており、本実施形態では、段部25の近傍に位置している。外周壁28に形成される周溝21fは、プランジャ21の可動範囲において、ボディ11の環状凹部11dに連通しない位置に設けられている。
外周壁28には、周溝21fの他にキー溝21hが形成されている。このキー溝21hは、ボディ11のピン挿入孔11eに挿入されたピン51の先端がプランジャ21の可動範囲で入り込んでプランジャ21の突出方向の移動を規制する溝で、プランジャ21の軸方向に延設されて、溝の長さがプランジャ21のほぼストローク長に設定されている。本実施形態では、キー溝21hは、前述した導入孔21eにほぼ対向する位置に設けられている。
セパレータ31は、一端部31aに向けて縮径するテーパを備えた肉厚の薄い、例えば、冷間圧延鋼板からなり円筒形状に形成されている。テーパのない他端部31bの外径は、セパレータ室21bの内径よりも僅かに大径に設定され、全長がセパレータ室21bの軸方向長さよりも僅かに短く設定されている。テーパのない他端部31bの幅は、セパレータ31をセパレータ室21bに組み付けた状態で、プランジャ21の導入孔21eを塞ぐことのない位置、つまりテーパとの境界が導入孔21eの形成位置よりも段部25側に位置する大きさに設定されている。また他端部31bの内径は、プランジャ21のリザーバ室21cの内径とほぼ同径に設定されている。本実施形態では、セパレータ31の表面に、防炭処理として硫化銅浴等によるメッキ加工が施されており、外周壁32および内周壁33を含めて全体が銅メッキされている。
セパレータ31は、プランジャ21にピボット22を形成する前に組み付けられる。即ち、ピボットをドーム形状に成形する前にセパレータ室21bの内径と同径で開口するプランジャ21の一端側から、他端部31b方向からセパレータ31をセパレータ室21b内に挿入し、他端部31bが段部25に当接する(または当接する直前位置)までセパレータ31を圧入する。他端部31bの外径は、セパレータ室21bの内径よりも僅かに大径に設定されていることから、このような圧入固定によって他端部31bをセパレータ室壁23に液密に嵌合させる。
セパレータ31が組み付けられたプランジャ21は、セパレータ室21bの内径と同径に開口する一端側がドーム形状にプレスまたは絞り加工され、さらに浸炭焼入れ焼戻しの各工程等を経て完成する。浸炭焼入れ焼戻しは、プランジャ21の表面の硬度を内部よりも高めるためのもので、これよりプランジャ21の耐摩耗性と靭性がともに向上する。なお、プランジャ21内のセパレータ31には、その表面に防炭処理が施されているため、浸炭されることなく、クラックや割れが発生しない。
ラッシュアジャスタ10は、ピボット22が斜め上方(反重力方向)に向くようにシリンダヘッド60に組み付けられる(図2参照)。このため、このようなセパレータ31をプランジャ21のセパレータ室21bに設けることによって、プランジャ21の導入孔21eから流入した加圧オイルは、テーパのある外周壁32により、一旦、上方、つまりピボット22の方向(セパレータ31の一端部31aの方向)に案内された後、セパレータ31の内側を通って一端部31aから他端部31b、つまりリザーバ室21cの方向に導かれる。これにより、オイル孔11cから供給される加圧オイルに空気が混入していても、オイルより軽い空気は、ピボット22の方向に向かう際に、その大半がピボット22の排出孔21aからプランジャ21の外に排出される。そのため、加圧オイルとともにセパレータ31の中を通ってリザーバ室21cに空気が流入することを抑制する。
また、セパレータ31には防炭処理が施されていることから、浸炭焼入れ焼戻しによるクラックや割れが発生しない。このため、図2に示すように、ラッシュアジャスタ10のピボット22が斜め上方(反重力方向)に向くようにシリンダヘッド60に組み付けられている状態において、プランジャ21内に溜まるオイルが減ってセパレータ31がオイル溜まりとして機能している場合、クラックや割れを介してセパレータ室21bに漏れ出るのを防ぐことが可能となる。
バルブ機構40は、プランジャ21のリザーバ室21cに充満した加圧オイルを排出部27から高圧室11bに導入する制御を行う弁装置で、リテーナ41、ボール43およびボールスプリング45により構成されている。
リテーナ41は、ボールスプリング45により弁体であるボール43を弁座であるシート27a方向に付勢可能に、ボール43およびボールスプリング45をプランジャ21の他端側に保持している。また、このリテーナ41には、排出部27から導入されたオイルがボール43の周囲を通過してスムースに高圧室11bを満たすように、ボール43の周囲に開口部41aが形成され、またシート27aから離れたボール43を受ける部位にも連通孔41bが形成されている。
ボールスプリング45は、圧縮コイルスプリングで、ボール43を排出部27のシート27a方向に付勢するもので、一端側をリテーナ41、他端側をボール43にそれぞれ当接し得るように、ボール43とともにリテーナ41によって保持されている。このボールスプリング45による付勢力(ばね圧)は、所定圧に設定されている。
リテーナ41は、一端側が底面12aに当接するプランジャスプリング48の他端側によって、プランジャ21の他端側に押圧されている。これによってリテーナ41と一緒に突出方向に付勢されるプランジャ21は、前述したキー溝21hとピン51により移動が規制される位置までボディ11の開口部11aから突出する(図4(A)参照)。
また、リザーバ室21c内のオイル圧が所定圧未満でボール43がシート27aに着座した状態においては、排出部27の連通路21dはボール43により閉塞されるため、プランジャ21の他端側よりも底部12方向には、隔壁26、排出部27、ボール43、底面12a(底部12)、内周壁13および高圧室壁14によって高圧室11bが区画形成される。なお、図1にはこの状態が図示されている。
このように構成されたラッシュアジャスタ10がシリンダヘッド60に組み付けられると、当該ラッシュアジャスタ10は、ロッカーアーム70の揺動支点として次のように動作する。
例えば、プランジャ21のピボット22とロッカーアーム70との間に隙間がある場合には、プランジャスプリング48に付勢されるプランジャ21が突出方向に移動してピボット22がロッカーアーム70との隙間を埋める。つまり、プランジャスプリング48の付勢力によってプランジャ21が移動することにより、基本的には、高圧室11bは負圧に作用するためバルブ機構40が開弁してリザーバ室21cから高圧室11bへ加圧オイルが流れ込む。
これに対して、ロッカーアーム70によりピボット22に荷重が加わりプランジャ21が挿入方向に押圧される場合には、プランジャ21の挿入方向への移動とともに高圧室11bを区画形成する隔壁26も移動するため、高圧室11bの容積が減少して高圧室11bを満たすオイル圧が上昇する。これにより、高圧室11bのオイル圧が、リザーバ室21cのオイル圧からボールスプリング45のばね圧を引いた圧力以上になると、バルブ機構40は閉弁し高圧室11bに充満する加圧オイルのオイル圧でプランジャ21の位置を保持してロッカーアーム70の押圧に抗する。
ところで、ラッシュアジャスタ10は、これまで説明したように、一定の可動範囲においてプランジャ21がボディ11内で摺動自在に移動し得るように構成されている。そのため、ボディ11の内周壁13とプランジャ21の外周壁28との間には、クリアランス(μmオーダの微小隙間)が必ず存在することから、高圧室11bを区画形成する内周壁13と隔壁26(外周壁28)との間にもこのクリアランスが存在して両者間が液密にシールされることはない。
したがって、ロッカーアーム70によるピボット22への荷重が一定時間以上継続した場合には、図3に示すように、高圧室11bに充満する加圧オイルは、このクリアランスに流れ込んでボディ11の開口部11a方向に向かうことから、プランジャ21は、ロッカーアーム70の押圧に抗しながらも徐々に挿入方向に移動してリークダウンが生じる。図3には、ラッシュアジャスタ10による加圧オイルの戻り経路が図示されている。
本実施形態では、プランジャ21の外周壁28には周溝21fが設けられているため、クリアランスを通って開口部11a方向に向かう加圧オイルは、この周溝21fに流れ込んだ後、周溝21fに連通する導入孔21eを通ってリザーバ室21cに流入する。図3には、このような加圧オイルの戻り経路が矢視付きの太い実線により表されている。
一方、図3に示す矢視付きの太い破線は、周溝21fや戻り孔21gが設けられていない場合における加圧オイルの戻り経路を表している。この場合、内周壁13(ボディ11)と外周壁28(プランジャ21)との間のクリアランスに連通する周溝21fや戻り孔21gはないため、高圧室11bから、このクリアランスに流れ込んだ加圧オイルは、ボディ11の環状凹部11dに達するまでクリアランスを流れる。そして、環状凹部11dに到達すると、導入孔21eを介してセパレータ室21bに流入する。
導入孔21eは、前述した通り、オイル孔11cを介して外部から供給される加圧オイルをセパレータ室21bに導入するためのもので、このようなクリアランスを通る加圧オイルのために設けられているものではない。そのため、高圧室11bからクリアランスを通って流入した加圧オイルであっても、外部から供給される加圧オイルと同様に、一旦、ピボット22方向に案内された後、セパレータ31を介してリザーバ室21cに流入する。つまり、太い破線の戻り経路を通ってリザーバ室21cに戻る。
このため、戻り孔21gが設けられていない場合には、周溝21fや戻り孔21gが設けられている場合に比べて、長い経路を通らなければ、高圧室11bからリザーバ室21cに戻ることができないため、加圧オイルがリザーバ室21cや高圧室11bに戻る時間(以下「戻り時間」)が長くなる。また、戻り孔21gがない場合には、セパレータ室21bに流入してから、一旦、ピボット22方向に案内されるため、排出孔21aから外部に排出されてリザーバ室21cに戻らないオイルも相当量予想され、このような分油消費によるオイルの減少も少なくない。
さらに、前述したようなリークダウンが生じることを前提としている場合には、プランジャ21が所定距離を下がる時間(リークダウン時間)は、戻り経路に含まれるクリアランスの長さと大きさ(隙間幅)によって、制御され管理されている。そのため、戻り孔21gが設けられていない場合には、周溝21fや戻り孔21gが設けられている場合に比べて管理の対象となるクリアランスが長くなることから、クリアランスの大きさを調整しただけではリークダウン時間を適正にする制御が難しくなり、またボディ11やプランジャ21の製造コストの増加を招く。
なお、このような管理の対象となるクリアランスの範囲と長さは、図4に示すように、プランジャ21の位置によって変動する。図4には、リークダウン時間を制御するために管理の対象となるクリアランスの範囲と長さを示す説明図が図示されており、図4(A)はプランジャ21の最大突出(最小挿入)時、図4(B)はプランジャ21の最小突出(最大挿入)時を示す。
図4(A)に示すように、プランジャ21のキー溝21hがピン51により係止されてプランジャ21の突出方向の移動が規制される状態、つまりプランジャ21がボディ11から最も突出している状態では、管理の対象となるクリアランスは、隔壁26と高圧室11bとの境界から周溝21fの開口までの範囲でその長さはL10になる。これに対し、図4(B)に示すように、プランジャ21の隔壁26が段部15に当接してプランジャ21の挿入方向の移動が規制される状態、つまりプランジャ21がボディ11に最も挿入されている状態では、管理の対象となるクリアランスは、内周壁13と段部15の間に形成されるテーパ溝16の拡径開始位置から周溝21fの開口までの範囲でその長さはL10’になる。
したがって、プランジャ21の可動範囲における管理対象となるクリアランスは、プランジャ21がボディ11から最も突出している状態におけるテーパ溝16の拡径開始位置から周溝21fの開口までの範囲でその長さLmaxになる。なお、このようなクリアランスの長さを短くする場合には、プランジャ21に形成される戻り孔21gの位置を高圧室11b側、つまり隔壁26の方向に設定することで、隔壁26の厚さ相当分まで短くすることが可能となる。逆に、戻り孔21gの形成位置を段部25の方向に設定することでクリアランスの長さを長くすることが可能となる。要は、管理対象となるクリアランスの長さは、戻り孔21gの形成位置により決定される。
以上説明したように、本実施形態に係るラッシュアジャスタ10によると、プランジャ21が有する導入孔21eよりも高圧室11b側にプランジャ21の外周壁28に全周に亘って周溝21fが形成され、この周溝21f内にリザーバ室21cに連通する戻り孔21gが形成される。これにより、高圧室11bから、プランジャ21の外周壁28とボディ11の内周壁13との間に形成されるクリアランスに流入した加圧オイルは、導入孔21eに達する前に周溝21fに到達し、戻り孔21gを経由してリザーバ室21cに流れ込む。このため、導入孔21eを介してセパレータ室21bに流入する加圧オイルが減ることから、プランジャ21の排出孔21aから外部に漏出するオイル量を減少させることができる。また戻り孔21gを経由する場合、導入孔21eを経由する場合に比べて、加圧オイルが通るクリアランスの長さが短い。このため、短時間で高圧室11bからリザーバ室21cに加圧オイルを戻すことが可能となり、このクリアランスの大きさを調整することで、リークダウン時間の制御を容易に行うことができる。また、戻り孔21gの形成位置によってクリアランスの長さを任意に変更できるため、クリアランスの大きさと長さを調整することで、リークダウン時間を適正にする制御が容易になる。
また、本実施形態に係るラッシュアジャスタ10では、セパレータ31は、薄板材により形成されており、少なくとも外周壁32および内周壁33に防炭処理が施されている。これにより、例えば、ピボット22を形成する前のプランジャ21の一端側から、セパレータ31をセパレータ室21bに圧入固定した後、プランジャ21の一端側にピボット22を形成し、その後、プランジャ21に浸炭焼入れ焼戻しをする工程を経て、当該ラッシュアジャスタ10を製造しても、予め防炭処理が施されているセパレータ31には炭素が添加されることなく浸炭による硬化はない。したがって、防炭処理が施されていない場合に比べて、浸炭後の硬化によるクラックや割れがセパレータ31に発生することを防ぐことが可能となる。なお、防炭処理は、銅メッキ以外の防炭メッキでも良い。
なお、上述した実施形態では、戻り孔21gを1箇所に形成したが、戻り孔21gを複数箇所に形成しても良い。例えば、戻り孔21gに対向する位置に2箇所目の戻り孔21gを形成しても良いし、また、プランジャ21の周方向に90度間隔で4箇所等、プランジャ21の径方向中心に対して放射状に複数の戻り孔21gを配置するように形成しても良い。これにより、戻り孔21gが1つの場合に比べ、周溝21fからリザーバ室21cに連通する流路が増加するため、さらに短時間に高圧室11bからリザーバ室21cに加圧オイルを戻すことが可能となる。
また、上述した実施形態では、ボディ11、プランジャ21およびセパレータ31は、いずれも円筒形状またはそれをベースにした形状等、径方向断面の形状が円形になる形状で構成したが、筒形状またはそれをベースにした形状等であれば、径方向断面の形状が楕円や多角形になるもので構成しても、上述と同様の作用および効果が得られる。
さらに、上述した実施形態では、吸気バルブを作動させるロッカーアーム70にラッシュアジャスタ10を適用する例を説明したが、排気バルブを作動させるロッカーアームにラッシュアジャスタ10を適用しても上述と同様の作用および効果を得ることができる。また、レシプロタイプのエンジンであれば、V型エンジンや直列型エンジン等にも搭載することができる。
10…ラッシュアジャスタ
11…ボディ
11b…高圧室
11c…オイル孔(貫通孔)
12…底部
13…内周壁
21…プランジャ
21a…排出孔
21b…セパレータ室
21c…リザーバ室
21d…連通路
21e…導入孔
21f…周溝
21g…戻り孔
22…ピボット
26…隔壁
27…排出部
28…外周壁
31…セパレータ
31a…一端部
31b…他端部
32…外周壁
33…内周壁
40…バルブ機構
48…プランジャスプリング(スプリング)
60…シリンダヘッド
63…オイルギャラリ(オイル流路)
70…ロッカーアーム

Claims (3)

  1. シリンダヘッドに設けられ、内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブを作動させるロッカーアームの揺動支点として機能するラッシュアジャスタであって、
    一端側に底部を有し加圧オイルが流れるシリンダヘッド内のオイル流路に連通可能な貫通孔を周壁に有する筒形状のボディと、
    ボディに摺動可能に収容される筒形状であって、周壁にボディの前記貫通孔に連通可能な加圧オイルの導入孔を有し、内側にこの導入孔を介して加圧オイルが最初に流入するセパレータ室とこのセパレータ室を介して流入するリザーバ室とを有し、一端側に加圧オイルの排出孔が形成され前記ロッカーアームの揺動支点になるピボットを有し、他端側に前記リザーバ室内の加圧オイルが流出可能な連通路が形成されこの連通路が閉塞されるとボディの前記底部との間で高圧室が区画形成される隔壁を有するプランジャと、
    一端部に向けて縮径するテーパを備えかつ薄板材により形成されており、少なくとも外周壁および内周壁に防炭処理が施された筒形状のセパレータであって、この一端部をプランジャの前記一端側に向けかつ他端部をプランジャの前記導入孔よりも前記リザーバ室寄りの内周壁に液密に嵌合するように前記セパレータ室に収容されて、前記導入孔から流入する加圧オイルを前記テーパの外周壁で一端部の方向に案内し一端部から内側に流入した加圧オイルを他端部を介して前記リザーバ室に導くセパレータと、
    プランジャの前記高圧室に収容されてプランジャの前記連通路の開口部を閉塞し前記リザーバ室に流入した加圧オイルが所定圧に達するとこの開口部を開放して前記高圧室に加圧オイルを流入させるバルブ機構と、
    プランジャの前記ピボットがボディから突出する方向にバルブ機構とともにプランジャを付勢して前記ロッカーアームに前記ピボットを当接させるスプリングと、を備え、
    前記プランジャは、前記導入孔よりも前記他端側の外周壁に全周に亘って周溝が形成されるとともにこの周溝内に前記リザーバ室に連通する戻り孔が形成されて、前記高圧室に充満した加圧オイルは、前記プランジャの外周壁と前記ボディの内周壁との間に形成されるクリアランスを介して前記周溝に流入した後、前記セパレータ室を介することなく前記戻り孔を通って直接に前記リザーバ室に戻り得ることを特徴とするラッシュアジャスタ。
  2. シリンダヘッドに設けられ、内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブを作動させるロッカーアームの揺動支点として機能するラッシュアジャスタであって、
    一端側に底部を有し加圧オイルが流れるシリンダヘッド内のオイル流路に連通可能な貫通孔を周壁に有する筒形状のボディと、
    ボディに摺動可能に収容される筒形状であって、周壁にボディの前記貫通孔に連通可能な加圧オイルの導入孔を有し、内側にこの導入孔を介して加圧オイルが最初に流入するセパレータ室とこのセパレータ室を介して流入するリザーバ室とを有し、一端側に加圧オイルの排出孔が形成され前記ロッカーアームの揺動支点になるピボットを有し、他端側に前記リザーバ室内の加圧オイルが流出可能な連通路が形成されこの連通路が閉塞されるとボディの前記底部との間で高圧室が区画形成される隔壁を有するプランジャと、
    一端部に向けて縮径するテーパを備えかつ薄板材により形成されており、少なくとも外周壁および内周壁に防炭処理が施された筒形状のセパレータであって、この一端部をプランジャの前記一端側に向けかつ他端部をプランジャの前記導入孔よりも前記リザーバ室寄りの内周壁に液密に嵌合するように前記セパレータ室に収容されて、前記導入孔から流入する加圧オイルを前記テーパの外周壁で一端部の方向に案内し一端部から内側に流入した加圧オイルを他端部を介して前記リザーバ室に導くセパレータと、
    プランジャの前記高圧室に収容されてプランジャの前記連通路の開口部を閉塞し前記リザーバ室に流入した加圧オイルが所定圧に達するとこの開口部を開放して前記高圧室に加圧オイルを流入させるバルブ機構と、
    プランジャの前記ピボットがボディから突出する方向にバルブ機構とともにプランジャを付勢して前記ロッカーアームに前記ピボットを当接させるスプリングと、を備え、
    前記プランジャは、一体に形成されており、かつ、
    前記プランジャは、前記導入孔よりも前記他端側の外周壁に全周に亘って周溝が形成されるとともにこの周溝内に前記リザーバ室に連通する戻り孔が形成されて、前記高圧室に充満した加圧オイルは、前記プランジャの外周壁と前記ボディの内周壁との間に形成されるクリアランスを介して前記周溝に流入した後、前記セパレータ室を介することなく前記戻り孔を通って直接に前記リザーバ室に戻り得ることを特徴とするラッシュアジャスタ。
  3. 前記戻り孔は、複数箇所に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のラッシュアジャスタ。
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