JP6091756B2 - プラズマ表面処理装置 - Google Patents

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Description

この発明はプラズマ表面処理装置に関し、より詳細には、大気圧近傍の圧力下で発生させた放電プラズマを用いて被処理体の表面処理を行うプラズマ表面処理装置に関する。
この種のプラズマ表面処理装置は、電圧印加電極と接地電極で構成される対向電極間に所定の処理ガスを導入しつつ両電極に高周波電界を印加することによってこれら電極間の放電空間に放電プラズマを発生させ、この放電プラズマを放電空間の外に配置された被処理体に導いて、被処理体の表面処理を行うように構成されている(たとえば、特許文献1参照)。
ところで、このような構造のプラズマ表面処理装置では安定した放電プラズマを発生させるために、電圧印加電極または接地電極の少なくとも一方の電極対向面を誘電体で被覆しておくのが望ましいことから、最近では、電圧印加電極および接地電極の双方をそれぞれ固体誘電体からなる箱型のケースに収容する構造が提案されている(たとえば、特許文献2の図8参照)。
しかし、固体誘電体を箱型のケースとする場合、材料となるセラミックスの焼結品の切削加工が難しく加工に時間がかかるため固体誘電体のケースの製作費用が高くなり、装置全体の製造コストが高額になる。しかも箱型のケースでは、ケースの開口部(すなわち、ケースの背面)から外部への沿面放電のおそれがあるため、ケースの開口部に蓋を設けなけなければならないが、ケースと蓋との接合部の隙間から被処理体に放電が起こるおそれがあった。
そのため、このような問題点を解消するために、出願人は、電圧印加電極を構成する金属電極を被覆する固体誘電体として汎用品のセラミックス製の円筒パイプを用い、このパイプ内に金属電極を収容するとともに、接地電極には電圧印加電極の外周面に対応する形状の電極対向面を有する一対の金属電極を用い、これら一対の金属電極の電極対向面を電圧印加電極の外周面と対面するように配置してなる電極構造を提案している(特許文献3参照)。
なお、この特許文献3の構造によれば、電圧印加電極の固体誘電体として使用するセラミックス製の円筒パイプを安価に入手できることから、電圧印加電極の製造コストを大幅に削減できる一方、円筒パイプの外周面に接合部がないので、箱型のケースのような接合部からの異常放電のおそれもない。
特開2002−237480号公報 特開2004−128417号公報 特開2011−96616号公報
しかしながら、特許文献3に示す構造のプラズマ表面処理装置にはさらに以下のような問題があり、その改善が望まれていた。
すなわち、特許文献3に記載のプラズマ表面処理装置は、電圧印加電極の製造コストを格段に安価に抑えることは達成できたものの、接地電極を構成する金属電極が2点で構成されるため従来品より部品点数が増えるとともに、接地電極を構成する金属電極が大型となるため、接地電極の製造の手間やコストを十分に抑制するには至らなかった。そのため、プラズマ表面処理装置の製造コストの低減化が不十分であった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、被処理体への異常放電のおそれのない電極構造を従来品よりもさらに低コストで実現することにより高性能なプラズマ表面処理装置を安価に提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係るプラズマ表面処理装置は、大気圧近傍の圧力下において、電圧印加電極と接地電極との間に処理ガスを導入しつつ高周波電界を印加することにより得られる放電プラズマを、放電空間外に配置された被処理体に導いて上記被処理体の表面処理を行うプラズマ表面処理装置であって、上記電圧印加電極は、円筒状の固体誘電体の内部に金属電極を挿入してなる構造を有しており、上記接地電極は、金属板で構成され、その上面に、上記電圧印加電極の外周面の軸方向全長にわたる一部領域を収容可能なように、上記電圧印加電極の外周面と対応する断面半円弧状の内周面を有する凹状溝を有し、この凹状溝の内周面が上記電圧印加電極との電極対向面を形成する構造の金属電極で構成され、かつ、この凹状溝の底部最深部に上記電圧印加電極の軸方向に沿って上記放電プラズマの噴出口を形成することにより、当該噴出口に面する上記接地電極の先端部分の厚みが薄くなるように構成した
ことを特徴とする。
そして、本発明はその好適な実施態様として、上記接地電極は、上記凹状溝が形成される面と反対の面が上記被処理体と対面するように配置されていることを特徴とする。
また、本発明は他の好適な実施態様として、上記接地電極の放電プラズマの噴出口は、その噴出方向の長さ寸法が0.1〜30mmの範囲に設定されていることを特徴とする。
さらに、本発明は他の好適な実施態様として、上記電圧印加電極の固体誘電体としてセラミックス製の円筒パイプが用いられていることを特徴とする。
本発明によれば、大気圧近傍の圧力下において、電圧印加電極と接地電極との間に処理ガスを導入しつつ高周波電界を印加することにより得られる放電プラズマを、放電空間外に配置された被処理体に導いて上記被処理体の表面処理を行うプラズマ表面処理装置において、電圧印加電極として筒状の固体誘電体の内部に金属電極を挿入してなる構造の電極を用い、接地電極として電圧印加電極の外周面の軸方向全長にわたる一部領域を収容可能な凹状溝を有し、この凹状溝の内周面を上記電圧印加電極との電極対向面とする構造の金属電極を用い、この凹状溝の底部に電圧印加電極の軸方向に沿って上記放電プラズマの噴出口を形成していることから、接地電極として一枚の金属板を加工したものを使用することができるので、接地電極の製造コストを安価に抑えることができる。
しかも、この接地電極は、電圧印加電極を収容する凹状溝の底部に放電空間で生成された放電プラズマを噴き出す噴出口を備えているので、接地電極を装置筐体の底板として用いることができるので、プラズマ表面処理装置の筐体の部品点数を少なくでき、この点においてもプラズマ表面処理装置の製造コストを抑制することができる。
本発明に係るプラズマ表面処理装置におけるリアクタ部の外観構成の一例を示す斜視図である。 同プラズマ表面処理装置のリアクタ部をコンベアの搬送方向Xに沿って切断した断面図である。 同プラズマ表面処理装置の電圧印加電極における筒状の固体誘電体の一例を示す平面図である。 同プラズマ表面処理装置の電圧印加電極における金属電極の一例を示す平面図である。 同電圧印加電極の金属電極の部分拡大断面図であり、図5(a)は図4のA−A線に沿った断面を、図5(b)は図4のB−B線に沿った断面をそれぞれ示している。 同プラズマ表面処理装置の接地電極を構成する金属電極の一例を示す平面図である。 同プラズマ表面処理装置の設置電極の部分拡大断面図であり、図7(a)は図6のC−C線に沿った断面を、図7(b)は図6のD−D線に沿った断面をそれぞれ示している。 同プラズマ表面処理装置における電圧印加電極と接地電極の構造の一例を示す拡大断面図である。 同プラズマ表面処理装置を用いた実験例を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明に係るプラズマ表面処理装置は、大気圧近傍の圧力下において、電圧印加電極と接地電極との間に処理ガスを導入しつつ高周波電界を印加することにより得られる放電プラズマを、放電空間外に配置された被処理体に導いて被処理体の表面処理を行うプラズマ表面処理装置であって、図示しない処理ガスの供給源と、電圧印加電極に印加する高周波電力を生成する図示しない高周波電源と、図示しない冷却液の循環供給源と、上記電圧印加電極と接地電極を備えて処理ガスを放電プラズマ化させて被処理体に噴き付けるリアクタ部とを主要部として構成されている。
図1は本発明に係るプラズマ表面処理装置のリアクタ部1の外観構成を示しており、この図1に示すように、リアクタ部1は、被処理体Wを搬送するコンベア2の上方に、該コンベア2の搬送方向Xと直交する向きにコンベア2の搬送路を横断して配置される箱状の装置であって、図2に示すように、下方を開放した細長い箱型の装置カバー3の内部に、放電プラズマを生成するための電圧印加電極4および接地電極5と、これら電極4,5間に処理ガスを導入するためのガス導入部6とを収容してなる構造を備えている。
装置カバー3は、電気的に接地された導体板(たとえばステンレス鋼などの金属板)によって構成されており、内部に収容された電圧印加電極4によって発生する高周波電界が外部に漏れないようにシールドするシールドケースの役割を果たすようになっている。
電圧印加電極4は、図示しない高周波電源から供給される高周波電力が印加される電極であって、高周波電源と電気的に接続される金属電極41と、この金属電極41の周囲を覆う固体誘電体42を主要部として構成されている。そして、本発明に係るプラズマ表面処理装置では、この電圧印加電極4として、筒状の固体誘電体42の内部に金属電極41を挿入してなる構造の電極を採用している。
すなわち、本発明に係るプラズマ表面処理では、電圧印加電極4の固体誘電体42として安価に流通している既製品(既製の部品)を用いるようにしており、本実施形態ではこの既製品として円柱状の外周面を備えたセラミックス製の中空円筒パイプを使用している。なお、この固体誘電体42に使用する既製品としては、その外周面に放電経路を形成するおそれのあるつなぎ目(接合部)のないもの、たとえば、アルミナを焼結して一体成形してなる製品が使用される。
図3は、セラミックス製の中空円筒パイプを用いた固体誘電体42の具体例を示している。この図に示すように、セラミックス製の中空円筒パイプを固体誘電体42として使用するにあたっては、該中空円筒パイプの所定位置に、後述する冷却液の導入/排出用の配管7を挿通する冷却液配管用の孔42aと、固体誘電体42内に収容される金属電極41と図示しない高周波電源とを接続するための電気配線を挿通する電気配線用の孔42bとを穿設している。すなわち、既製品のセラミックス製の中空円筒パイプに対してこれらの孔42a,42bを穿設するだけで、安価に入手できるセラミックス製の中空円筒パイプを固体誘電体42として使用しており、その結果、固体誘電体42の製作コストの大幅な削減を実現している。
なお、この固体誘電体42の軸方向の長さ寸法(図3の上下方向の長さ寸法)は、固体誘電体42に収容する金属電極41の軸方向の長さ寸法(図4の上下方向の長さ寸法)に応じて決定される。すなわち、この固体誘電体42の軸方向の長さ寸法は、金属電極41の長さ寸法よりも長く設定されており、金属電極41を内部に挿入・収容した状態で、パイプ両端の開口を誘電体で構成された栓(図示せず)で閉塞するスペースが確保されている。
図4および図5は、このような固体誘電体42に挿入・収容される金属電極41の一例を示している。これらの図に示すように、金属電極41は、その全長にわたって固体誘電体42の内周面の一部領域とほぼ隙間なく嵌合する外周面41a(図5参照)を有する金属製の柱状部品で構成されている。具体的には、本実施形態では、この金属電極41は断面形状が略半円状を呈する柱状部品で構成されており、この半円柱状の部分の外周面41aが固体誘電体42の内周面と嵌合するようになっている。すなわち、この外周面41aは、固体誘電体42の内周面の全周と嵌合するのではなく、内周面の一部(図示例では、内周面のほぼ半分)と嵌合するようになっている。
そして、この金属電極41の内部には、図4の鎖線で示すように、金属電極41の軸方向に冷却液を通すための冷却液循環通路41bが備えられており、この冷却液循環通路41bの両端部が金属電極41の上部(上記外周面41aと反対の面)に開口して、冷却液導入/排出用の配管7の接続口41cを形成している。
しかして、このように構成された金属電極41および固体誘電体42は、固体誘電体42の内部に金属電極41を挿入・収容した状態で、上記冷却液配管用の孔42aから一端が上記冷却液の循環供給源に接続された冷却液導入/排出用の配管7の他端が接続口41cに接続されるとともに、電気配線用の孔42bから一端が高周波電源に電気的に接続された電気配線(図示せず)の他端が金属電極41に接続され、この状態で、固体誘電体42の内部空間43にその隙間を埋める充填材を充填して電圧印加電極4とされている。
ここで、この充填材としては、耐熱性を備えた無機質のペースト(たとえば、常温効果ガラスやシリコーン)などが用いられ、このような充填材を隙間43に充填することによって、高周波電界の印加時に金属電極41が空気と触れないようにしている。すなわち、金属電極41が空気と触れる状態で放置されると、高周波電界の印加時にコロナ放電が発生するおそれがあるので、そのようなコロナ放電の発生が防止されている。
なお、このようにして構成される電圧印加電極4の金属電極41の軸方向の長さ寸法は、本発明のプラズマ表面処理装置で処理する被処理体Wの幅寸法L1(図1参照)、換言すれば、上記コンベア2の搬送方向Xと直交する方向の長さ寸法に応じて決定される。すなわち、金属電極41は少なくとも被処理体Wの幅寸法L1よりも長くなるように設定され、コンベア2によって搬送される被処理体Wの幅方向全長にわたって、後述する噴出口5bから噴き出される放電プラズマが被処理体Wに噴き付けられるように設定されている。
一方、上記電圧印加電極4の対向電極を構成する接地電極5は、電気的に接地された金属電極51で構成されている。そして、本実施形態では、この接地電極5は、図2に示すように、装置カバー3の開放された下端部に装着され、リアクタ部1の装置筐体の底板を兼ねるようになっている。
具体的には、この接地電極5は、図6および図7に示すように、長方形状の金属板(たとえば、アルミニウム製の金属板)の一方の面(上面)に、上記電圧印加電極4の外周面の軸方向全長にわたる一部領域を収容可能な凹状溝5aが形成されており、この凹状溝5aの内周面が上記電圧印加電極4との電極対向面を構成するようになっている。
本実施形態では、この凹状溝5aは、上記電圧印加電極4の円柱状の外周面と対応する断面半円弧状の内周面を有する溝として構成される。この凹状溝5aの軸方向の長さ寸法(図6の上下方向の長さ寸法)は電圧印加電極4の長さ寸法よりも長く設定されるとともに、この凹状溝5aの半円弧状の溝の内径は上記電圧印加電極4の外径よりも大きく設定され、凹状溝5aの内側に電圧印加電極4を落とし込むようにして収容できるようになっている。
そして、この凹状溝5aに電圧印加電極4を収容する際には、電圧印加電極4の外周面と凹状溝5aの内周面との間に一定間隔の放電空間10が形成されるように、凹状溝5aの両端部などに両者の間隔を一定に保つためのスペーサ(図示せず)が配設される。なお、このスペーサによって電圧印加電極4の外周面(より具体的には金属電極41の半円柱状の外周面41a)と接地電極5の凹状溝5aの内周面との間に形成される放電空間10のギャップ(間隔)L2は適宜設定されるが、本実施形態ではこのギャップL2は1mm程度に設定されている。
ここで、このように接地電極5の凹状溝5aに収容される電圧印加電極4と接地電極5との関係について付言すると、電圧印加電極4を接地電極5の凹状溝5aに収容した状態にあるとき、上記電圧印加電極4の金属電極41の半円柱状の外周面41aは固体誘電体42を介して接地電極5の凹状溝5aの内周面と対面するようになっている。すなわち、電圧印加電極4を接地電極5の凹状溝5aに収容したときに、電圧印加電極4の金属電極41の半円柱状の外周面41aが接地電極5の凹状溝5aからはみ出すことがないように、電圧印加電極4の金属電極41および接地電極5の凹状溝5aの形状寸法が設定されている。
そして、この凹状溝5aの底部(具体的には、凹状溝5aの内周面の底部最深部)には、電圧印加電極4の軸方向に沿って放電プラズマの噴出口5bが形成されている。この噴出口5bは、図7(a)に示すように、凹状溝5aの内周面側から接地電極5の他方の面(凹状溝5aが形成される面とは反対の面)側に開口幅L3でもって貫通するスリット状の貫通孔で構成されており、後述するように、電圧印加電極4と接地電極5との間の放電空間10で生成された放電プラズマがこの噴出口5bを通って放電空間10の外部(つまり、接地電極5の外部)に噴き出されるようになっている。なお、この噴出口5bの長さ寸法は、少なくとも被処理体Wの幅寸法L1と同寸以上に設定される。
また、この噴出口5bは凹状溝5aの内周面の底部最深部に形成されるので、噴出口5bに面する接地電極5の先端部分の厚みL4は薄くなる(つまり、噴出口5bの噴出方向の長さ寸法は短くなる)が、この厚みL4は可及的に薄くに設定することが望ましく、そうすることによって放電空間10で生成された放電プラズマの被処理体Wへの到達距離を短くでき、被処理体Wの表面処理を効率よく実施することができるようになる。本実施形態では、この先端部分を形成する際の機械的精度や先端部分の機械的強度、ならびに、この噴出口5bから噴出される放電プラズマの寿命(つまり、放電プラズマによる被処理体Wに対する処理性能)を考慮して、この先端部分の厚み(噴出口5bの噴出方向の長さ寸法)L4は、0.1〜30mmの範囲で設定するようにしている。
そして、この接地電極5の凹状溝5aの両側には、この凹状溝5aに沿って接地電極5の内部に冷却液を通す冷却液循環通路5cが備えられており、この冷却液循環通路5cの両端部が接地電極5の上記一方の面に開口して、冷却液導入/排出用の配管の接続口5dを形成している。なお、この接続口5dも図示しない配管によって冷却液の循環供給源に接続されている。
次に、ガス導入部6は、ガスの供給源から供給される処理ガスを放電空間10に均一に導入するための空間を形成するものであって、凹状溝5aの外周をとり囲むようにして接地電極5の上記一方の面(凹状溝5aが設けられる面)に起立して設けられる金属製の側壁部61と、この側壁部61によって開口する上部を閉塞する樹脂製の天井部62とで構成されており、これらにより接地電極5の凹状溝5aに収容された電圧印加電極4の周囲に処理ガスを充満させる密閉空間11を形成させている。
ここで、この天井部62には、処理ガスの供給源から上記密閉空間11内に処理ガスを導入するためのガス導入口(図示せず)が備えられており、このガス導入口を通じて密閉空間11内に処理ガスが導入されるようになっている。また、この天井部62には、ガス導入口の他に、上述した冷却液導入/排出用の配管7や高周波電源と電圧印加電極4とを接続する電気配線などを挿通させる孔(図示せず)も備えられており、これらの孔に配管7や電気配線が通されるようになっている。なお、これらの孔に配管7や電気配線を通すときには、配管7や電気配線の周囲から密閉空間11内に充満する処理ガスが漏れ出さないようにシール部材(図示せず)等によってその隙間がシールされる。
しかして、このように構成された電圧印加電極4、接地電極5およびガス導入部6は、図2に示すように、上記接地電極5の外周部に箱型の装置カバー3の内周面の下端部が位置するように接地電極5に装置カバー3を被せた状態で、接地電極5と装置カバー3とがビスなどによって固定される。
これにより接地電極5がリアクタ部1の底板を兼用するようになる。そして、この状態でリアクタ部1をコンベア2の搬送方向Xと直交する向きに搬送路を横断して配置することにより、接地電極5の上記他方の面、すなわち、接地電極5において凹状溝5aが形成される面とは反対の面がコンベア2によって搬送される被処理体Wと対面するように配置される。
そのため、この状態で、ガス供給源から供給される処理ガスを密閉空間11に供給すると、密閉空間11で拡散・均一化された処理ガスが高周波電極4と接地電極5との間に形成された放電空間10に導入される。そして、この状態で、高周波電源からの高周波電力を電圧印加電極4に印加すると、放電空間10内に導入された処理ガスは放電空間10においてプラズマ化され、処理ガスの導入に伴う圧力によって放電空間10内の放電プラズマが噴出口5bから押し出されるように噴き出され、コンベア2上を搬送される被処理体Wの表面に噴き付けられ、被処理体Wの表面処理が行われる。
このように、本発明に係るプラズマ表面処理装置によれば、接地電極5として一枚の金属板を加工したものを用いることができるので、接地電極5の製造コストを安価に抑えることができる。しかも、この接地電極5は、リアクタ部1の筐体の底板に兼用されるので、少ない部品点数でリアクタ部1を構成することができ、この点でもリアクタ部1の製造コストを抑制することができる。
次に、本発明に係るプラズマ表面処理装置の実験例を図9に基づいて説明する。
この実験例は、被処理体Wの表面改質(ぬれ性改善)に本発明に係るプラズマ表面処理装置を用いて、噴出口5bに面する接地電極5の先端部分の厚み(噴出口5bの噴出方向の長さ寸法)L4と表面処理の効果との関係を調べた実験である。
この実験の詳細は、図9に示すように、被処理体WとしてITO(Indium Tin Oxide)膜基板を用いるとともに、処理ガスに窒素(N2)とCDA(Clean Dry Air)の混合ガスを用いて、高周波出力2,4kW、搬送速度5.0m/分で表面処理を行っている。その結果、噴出口5bに面する接地電極5の先端部分の厚みL4を1mmとしたときの接触角は25.5°、20mmとしたときの接触角は46.7°、35mmとしたときの接触角は51.6°との結果が得られた(なお、接触角はいずれも平均値を示している)。
このように、本発明に係るプラズマ表面処理装置では、噴出口5bに面する接地電極5の先端部分の厚みL4を薄く(噴出口5bの噴出方向の長さ寸法を短く)するほど、表面処理に高い効果(高いぬれ性)が得られ、反対に、この厚みL4を厚くするほど表面処理の効果が低下する(ぬれ性が下がる)ことが判明した。
そのため、本発明のプラズマ表面処理装置では、放電プラズマの噴出口5bに面する接地電極5の先端部分の厚み(噴出口5bの噴出方向の長さ寸法)L4は、表面処理において高い効果が得られる範囲、すなわち、噴出口5bの噴出方向の長さ寸法L4を0.1〜30mmの範囲に設定するようにしている。
なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれらに限定されることなくその範囲内で種々の設計変更が可能である。
たとえば、上述した実施形態では、電圧印加電極4の金属電極41および固体誘電体42として中空円筒パイプを用いた場合を示したが、筒状に一体成形された固体誘電体の内部に金属電極が挿入される構造であれば、その断面形状は円形に限らず、たとえば楕円形や矩形などの円形以外の形状の中空パイプを用いることも可能である。なお、その場合は、固体誘電体42の外周面の形状に対応させて、接地電極5における凹状溝5aの内周面の形状も変更することはもちろんである。
また、上述した実施形態では、電圧印加電極4の固体誘電体42として、セラミックス製の中空円筒パイプを用いた場合を示したが、金属電極41を挿入する固体誘電体の材質としてはセラミックスに限らず、ガラスなど他の材質の固体誘電体を用いることも可能である。したがって、たとえば、一体成型されたガラス製の中空円筒パイプの内部に金属電極41を挿入するように構成することもできる。
また、上述した実施形態では、プラズマ表面処理の対象である被処理体Wがガラスなどの基板である場合を示したが、本発明のプラズマ表面処理装置における表面処理の対象は、基板状のものに限られず、たとえばフィルム、布地など様々なものを被処理体Wとして表面処理を行うことができる。
さらに、上述した実施形態では、電圧印加電極4の固体誘電体42として一体成形された中空の円筒パイプを用いが、たとえば、縦割りに2分割された円筒パイプを接合して筒状の固体誘電体を形成したもので代用することもできる。ただし、この場合、接合部を介した放電のおそれがあるため、金属電極41において放電を行う半円柱状の外周面41aは当該接合部からできるだけ遠ざかるように構成しておくのが望ましい。
また、上述した実施形態では、特に示していないが、接地電極5の凹状溝5aの部分は、硬質アルマイト加工を施すことにより、耐プラズマ性の向上を図ることが好ましい。
1 リアクタ部
2 コンベア
3 装置カバー
4 電圧印加電極
41 電圧印加電極の電極本体
42 電圧印加電極の固体誘電体
5 接地電極
5a 凹状溝
5b 噴出口
10 放電空間
W 被処理体

Claims (4)

  1. 大気圧近傍の圧力下において、電圧印加電極と接地電極との間に処理ガスを導入しつつ高周波電界を印加することにより得られる放電プラズマを、放電空間外に配置された被処理体に導いて前記被処理体の表面処理を行うプラズマ表面処理装置であって、
    前記電圧印加電極は、円筒状の固体誘電体の内部に金属電極を挿入してなる構造を有しており、
    前記接地電極は、金属板で構成され、その上面に、前記電圧印加電極の外周面の軸方向全長にわたる一部領域を収容可能なように、前記電圧印加電極の外周面と対応する断面半円弧状の内周面を有する凹状溝を有し、この凹状溝の内周面が前記電圧印加電極との電極対向面を形成する構造の金属電極で構成され、かつ、この凹状溝の底部最深部に前記電圧印加電極の軸方向に沿って前記放電プラズマの噴出口を形成することにより、当該噴出口に面する前記接地電極の先端部分の厚みが薄くなるように構成した
    ことを特徴とするプラズマ表面処理装置。
  2. 前記接地電極は、前記凹状溝が形成される面と反対の面が前記被処理体と対面するように配置されていることを特徴とする請求項に記載のプラズマ表面処理装置。
  3. 前記接地電極の放電プラズマの噴出口は、その噴出方向の長さ寸法が0.1〜30mmの範囲に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ表面処理装置。
  4. 前記電圧印加電極の固体誘電体としてセラミックス製の円筒パイプが用いられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプラズマ表面処理装置。
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