JP6089929B2 - 鋼矢板及び鋼矢板壁 - Google Patents

鋼矢板及び鋼矢板壁 Download PDF

Info

Publication number
JP6089929B2
JP6089929B2 JP2013094078A JP2013094078A JP6089929B2 JP 6089929 B2 JP6089929 B2 JP 6089929B2 JP 2013094078 A JP2013094078 A JP 2013094078A JP 2013094078 A JP2013094078 A JP 2013094078A JP 6089929 B2 JP6089929 B2 JP 6089929B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel sheet
sheet pile
head
joint
fitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013094078A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014214532A (ja
Inventor
裕章 中山
裕章 中山
雅司 北濱
雅司 北濱
鈴木 崇
崇 鈴木
篤史 加藤
篤史 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2013094078A priority Critical patent/JP6089929B2/ja
Publication of JP2014214532A publication Critical patent/JP2014214532A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6089929B2 publication Critical patent/JP6089929B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、土木建築分野において、土留め、基礎、護岸壁、止水壁等の構築に用いる鋼矢板と、該鋼矢板を連結して構成した鋼矢板壁に関する。
従来から、土木建築分野において、土留め、基礎、護岸壁、止水壁等の構築に、U型鋼矢板、Z形鋼矢板、ハット形鋼矢板、直線鋼矢板等が広く使用されている。そして、鋼矢板を連結する継手の構造には、鍵型、二重爪型、柄爪型等がある。
図1に、例えば、従来のZ形又はハット形の鋼矢板の継手構造の断面を示す(特許文献1、参照)。図1に示す嵌合継手1は鍵型を基本とする継手である。内巻きの屈曲部によって略台形で先窄まりの嵌合溝1aが形成され、屈曲部の先端には鉤状の頭部1bが形成されている。また、上記屈曲部の基部には、回転防止用の小爪1cが設けられている。
嵌合継手1においては、一点鎖線Aで示すように、継手の嵌合時、嵌合継手1の重心軸と両側の鋼矢板のフランジ2の重心軸は一致する。このような構造の継手には、次の課題がある。
(1)嵌合継手1の重心軸と両側の鋼矢板のフランジ2の重心軸が一致しているので、嵌合継手1が鋼矢板壁の外面から飛び出すことになる。
(2)鋼矢板壁方向、又は、鋼矢板壁に直交する方向に引張力が作用したとき、小爪1cが対抗する頭部1bと接触せず、頭部1bの首下1dに応力が集中し、首下1dが変形し易い。
(3)頭部1b同士が接触する面が斜めで、嵌合接点Bから首下1dまでの距離が長くなるので、首下1dに作用するモーメントが大きくなり、首下1dが変形し易い。
(4)嵌合継手1の重心軸と両側の鋼矢板のフランジの重心軸を一致させることで、モーメントのアーム長を最小化して継手強度の向上を図っているが、継手変形が集中して生じる首下1dでは、嵌合接点Bから首下1dまでのアーム長でモーメントの大きさが決まるのであり、嵌合継手1の重心軸とフランジの重心軸の相対位置は、継手強度には関係がない。嵌合継手1の重心軸とフランジの重心軸を同じにしても、首下1dにおける変形は抑制されず、継手の高強度化に繋がらない。
(5)鋼矢板壁の方向に引張力が作用したとき、頭部1b同士が1箇所で接するので、抵抗部位が継手全体に広がらず、首下1dに応力が集中する。
図2に、従来のZ形鋼矢板の別の継手構造の断面を示す(非特許文献1、参照)。この継手構造においては、一方のフランジに、頭部1bの高さと同程度の高さの小爪1cが存在するのが特徴であるが、上記(2)、(3)、(5)の課題を抱えている。
図3に、従来のZ形鋼矢板の別の継手構造の断面を示す(非特許文献2、参照)。この継手構造においては、片方の継手に大きな小爪1cが存在するのが特徴であるが、次の課題を抱えている。
(1)鋼矢板壁に引張荷重が作用したとき、一方の継手の頭部のみを抑え込むことになるので、継手嵌合部が回転変形し易く、鋼矢板壁の直進性に影響を与える。
(2)鋼矢板壁に引張荷重が作用したとき、図中左側の継手の首下1dに応力が集中し、抵抗部位が継手全体に広がらない。
図4に、従来の直線形鋼矢板の継手構造の断面を示す(特許文献2、参照)。この継手構造においては、横方向(図中、左右方向)の動きを抑制するために、頭部1bの大きさと、頭部1bを嵌合する嵌合溝1aの内部空間の大きさを同じにしているのが特徴であるが、次の課題を抱えている。
(1)頭部1bの頂部位置をウェブ2aの外面位置と同じにしており、継手の底部3がウェブ2aの外面、即ち、鋼矢板壁の外面から飛び出ることになる。
(2)継手の嵌合において、嵌合裕度(隙間)がないので、打設位置がずれた場合、嵌合不能となる。
特許第3488232号公報 米国特許976,573号明細書
Steel Foundation Solutions for Projects, Steel Sheet Piling, General Catalogue 2011 (Arcelor Mittal) http://www.steelcom.com.au/sheet-pile-hoesch-z-sections.htm
本発明は、従来技術の上記課題に鑑み、次の(x)と(y)を課題とし、該課題を解決する継手を備える鋼矢板と鋼矢板壁を提供することを目的とする。
(x)嵌合継手に荷重が作用したとき、荷重に対し、継手の一部位のみで抵抗するのではなく、嵌合継手全体で抵抗して、離脱強度の向上を図る。
(y)嵌合継手に荷重が作用したとき、嵌合接点に生じる反力でモーメントが発生し、特定の部位で継手が離脱するような変形が生じるが、このような変形を抑制するため、(y1)変形しそうな部位と嵌合接点の距離を短くして、発生するモーメントを小さくして、及び/又は、(y2)変形しそうな部位の厚さを厚くして、発生するモーメントに対する耐力を確保して、離脱強度の向上を図る。
本発明者らは、上記課題を解決する継手構造について鋭意検討した。その結果、嵌合継手に荷重が作用したとき、少なくとも3つの嵌合接点が形成されて荷重に抵抗する嵌合構造を基本構造として採用すれば、上記課題を解決し得ることを見いだした。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
(1)板面に垂直な断面形状にて、少なくとも各1つ以上のウェブ及びフランジを有して断面屈曲状に形成された鋼矢板であって、該鋼矢板の両側側部にフランジ部を備え、一方のフランジ部の外側端部に第1継手部を備え、他方のフランジ部の外側端部に第2継手部を備え、第1継手部と、第1継手部に隣接して配置される第2継手部を係合して連結し、壁を形成する鋼矢板において、
(a)第1継手部及び第2継手部は、それぞれ、
(a1)継手部先端から順に、頭部、底部、及び、小爪部を、C型形状に備え、
(a2)頭部、底部、及び、小爪部で囲まれ、頭部と嵌合可能な溝形状の嵌合溝を備え、
(a3)底部と小爪部の接続部でフランジ部に接続し、
(b)上記頭部は、
(b1)底部との接続部の最小肉厚がフランジ部の板厚以上であり、
(b2)頭部先端及び頭部先端の角部を除く形状が、上記最小肉厚の部位から頭部先端に向かう肉厚が漸次増大する末広がり形状であり、
(c)上記小爪部は、
(c1)嵌合溝の溝底から先端までの高さが、頭部先端の高さ以上であり、
(c2)嵌合溝側の側面と、フランジ部の中心面の嵌合溝側への延長面がなす角度が鋭角であり、
(c3)小爪部の中心線に直交し、底部と小爪部の接続部の嵌合溝の面上の点を含む肉厚が、上記頭部と底部の接続部の最小肉厚以上であり、
(c4)形状が、先端に向かい肉厚が漸次減厚する末窄まり形状であり、
(d)上記嵌合溝は、溝底及び溝底角部を除く形状が、溝底から溝口に向かう溝幅が漸次減幅する末窄まり形状であり、少なくとも3つの嵌合接点が形成されて荷重に抵抗する嵌合構造が基本構造である
ことを特徴とする鋼矢板。
(2)前記鋼矢板の板面に垂直な断面形状が、中間部にウェブ部を備え、該ウェブ部の両側にフランジ部を備えるZ形形状であることを特徴とする前記(1)に記載の鋼矢板。
(3)前記鋼矢板の板面に垂直な断面形状が、中間部に中央フランジ部を備え、該中央フランジの両端から延伸するウェブ部を備え、それぞれのウェブ部にフランジ部が接続したハット形形状であることを特徴とする前記(1)に記載の鋼矢板。
(4)前記頭部は、嵌合溝側の側面が略平面であり、該側面と、フランジ部の中心面の嵌合溝側への延長面がなす頭部角度が85°〜95°であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の鋼矢板。
(5)前記頭部の嵌合溝側の側面と反対の側面と、前記小爪部の嵌合溝側の側面は、いずれも略平面で、略平行をなし、かつ、フランジ部の中心面の嵌合溝側への延長面となす角度が40°〜50°であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の鋼矢板。
(6)前記底部は、頭部との接続部から小爪部との接続部に向けて肉厚が漸次増厚する幅広がり形状であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の鋼矢板。
(7)前記第1継手部と、他の鋼矢板の第2継手部と係合した際、(i)第1継手部の底部の嵌合溝側の面と反対の面は、第1継手部が接続するフランジ部側面と同一の鋼矢板壁面をなし、上記他の鋼矢板のフランジ部の面と同一の鋼矢板壁面をなし、(ii)上記第2継手部のフランジ部の側面が上記鋼矢板の壁面と同一の壁面をなすことを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の鋼矢板。
(8)前記頭部の頭頂部に窪みを有することを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の鋼矢板。
(9)前記嵌合溝の底に窪みを有することを特徴とする前記(1)〜(5)及び(7)〜(8)のいずれかに記載の鋼矢板。
(10)前記窪みに止水材を装着したことを特徴とする前記(8)又は(9)に記載の鋼矢板。
(11)前記(1)〜(10)のいずれかに記載の鋼矢板を連結して形成したことを特徴とする鋼矢板壁。
(12)前記(1)〜(10)のいずれかに記載の鋼矢板を連結して形成した鋼矢板壁に、別の鋼部材を取り付けたことを特徴とする鋼矢板壁。
本発明によれば、嵌合継手に、どの方向から荷重が作用しても、常に、少なくとも3箇所で接して、継手全体に荷重を分散させ、継手の嵌合離脱の原因となる特定部位の局所的変形の進行を抑制することができるので、継手の嵌合離脱強度を向上させることができる。
従来のZ形又はハット形鋼矢板の継手構造の断面を示す図である。 従来のZ形鋼矢板の別の継手構造の断面を示す図である。 従来のZ形鋼矢板の別の継手構造の断面を示す図である。 従来の直線形鋼矢板の継手構造の断面を示す図である。 本発明のZ形又はハット形鋼矢板の継手構造を示す図である。 本発明のZ形又はハット形鋼矢板の継手構造における頭部の構造を示す図である。 本発明のZ形又はハット形鋼矢板の継手構造における頭部と頭部の接触態様を示す図である。 頭部角度と嵌合離脱時の荷重の関係を示す図である。 本発明のZ形又はハット形鋼矢板の継手構造における小爪部の形状・構造(高さ関係)を示す図である。 本発明のZ形又はハット形鋼矢板の継手構造における小爪部の形状・構造(小爪角)を示す図である。 本発明のZ形又はハット形鋼矢板の継手構造における小爪部の形状・構造(肉厚)を示す図である。 小爪部の頭部からの突出高さ(mm)と嵌合離脱時の荷重(kN/m)の関係を示す図である。 本発明のZ形又はハット形鋼矢板の継手構造における嵌合溝の溝形状を示す図である。 本発明のZ形又はハット形鋼矢板の継手構造における底部の形状・構造を示す図である。 継手が鋼矢板壁の外面から飛び出ない嵌合継手で鋼矢板壁を構成した態様を示す。 鋼矢板壁の外面から飛び出ない嵌合継手において、3つの嵌合接点域で嵌合接点が形成される態様を示す図である。 鋼矢板壁の外面から飛び出ない嵌合継手に荷重が作用したときの、3つの嵌合接点の形成態様を示す。(a)は、時計方向に回転荷重が作用したときの3つの嵌合接点の形成態様を示し、(b)は、反時計方向に回転荷重が作用したときの3つの嵌合接点の形成態様を示し、(c)は、鋼矢板壁に直交する方向に引張荷重が作用したときの3つの嵌合接点の形成態様を示し、(d)は、鋼矢板壁に沿って引張荷重が作用したときの3つの嵌合接点の形成態様を示し、(e)は、鋼矢板壁に45°の方向に引張荷重が作用したときの3つの嵌合接点の形成態様を示す。 鋼矢板壁の外面から飛び出ない嵌合継手の頭部に窪みを設けた態様を示す図である。 鋼矢板壁の外面から飛び出ない嵌合継手の底部に窪みを設けた態様を示す図である。 Z形鋼矢板の態様を示す図である。 ハット形鋼矢板の態様を示す図である。 本発明のZ形鋼矢板と他の部材を組み合わせた構造例を示す図である。
本発明の鋼矢板(以下「本発明鋼矢板」ということがある。)は、嵌合継手に荷重が作用すると3つの嵌合接点が形成され、この3つの嵌合接点で荷重に抵抗する嵌合構造を継手の基本構造として採用するものである。
具体的には、板面に垂直な断面形状にて、少なくとも各1つ以上のウェブ及びフランジを有して断面屈曲状に形成された鋼矢板であって、上記鋼矢板の両側側部にフランジ部を備え、一方のフランジ部の外側端部に第1継手部を備え、他方のフランジ部の外側端部に第2継手部を備え、第1継手部と、第1継手部に隣接して配置される第2継手部を係合して連結し、壁を形成する鋼矢板において、
(a)第1継手部及び第2継手部は、それぞれ、
(a1)継手部先端から順に、頭部、底部、及び、小爪部をC型形状に備え、
(a2)頭部、底部、及び、小爪部で囲まれ、頭部と嵌合可能な溝形状の嵌合溝を備え、
(a3)底部と小爪部の接続部でフランジ部に接続し、
(b)上記頭部は、
(b1)底部との接続部の最小肉厚がフランジ部の板厚以上であり、
(b2)頭部先端及び頭部先端の角部を除く形状が、上記最小肉厚の部位から頭部先端に向かう肉厚が漸次増大する末広がり形状であり、
(c)上記小爪部は、
(c1)嵌合溝の溝底から先端までの高さが、頭部先端の高さ以上であり、
(c2)嵌合溝側の側面と、フランジ部の中心面の嵌合溝側への延長面がなす角度が鋭角であり、
(c3)小爪部の中心線に直交し、底部と小爪部の接続部の嵌合溝の面上の点を含む肉厚が、上記頭部と底部の接続部の最小肉厚以上であり、
(c4)形状が、先端に向かい肉厚が漸次減厚する末窄まり形状であり、
(d)上記嵌合溝は、溝底及び溝底角部を除く形状が、溝底から溝口に向かう溝幅が漸次減幅する末窄まり形状であり、少なくとも3つの嵌合接点が形成されて荷重に抵抗する嵌合構造が基本構造である
ことを特徴とする。
以下、本発明鋼矢板について図面に基づいて説明する。
図5に、本発明鋼矢板の継手構造を示す。本発明鋼矢板は、板面に垂直な断面形状にて、中間部にウェブ部2aを備え、その両側にフランジ部2を備え、一方のフランジ部の外側端部に第1継手部2bを備え、他方のフランジ部の外側端部に第2継手部(図示なし)を備え、第1継手部2bと、第1継手部に隣接して配置される第2継手部2cを係合して連結し、鋼矢板壁を形成する。
本発明鋼矢板の継手構造は、荷重が作用すると、3つの嵌合接点域C内で嵌合接点が形成され(図5、参照)、この3つの嵌合接点で荷重に抵抗する構造となっている。この構造を構成する各部位について、図面に基づいて詳細に説明する。
(a)第1継手部及び第2継手部
図5に示すように、第1継手部及び第2継手部は、それぞれ、(a1)継手部先端から順に、頭部1b、底部3、及び、小爪部1cをC型形状に備え、(a2)頭部1b、底部3、及び、小爪部1cで囲まれ、頭部と嵌合可能な溝形状の嵌合溝1aを備え、(a3)底部3と小爪部1cの接続部でフランジ部2に接続されている。
前述したように、本発明鋼矢板の継手構造は、嵌合継手に荷重が作用すると3つの嵌合接点が形成され、この3つの嵌合接点で荷重に抵抗する嵌合構造であるが、さらに、嵌合接点で発生する反力で生じる曲げモーメントで特定の部位が局所的に変形しないように、継手部を構成する頭部、底部、及び、小爪部の形状・構造を工夫することが重要である。以下に、継手部を構成する頭部、底部、及び、小爪部の形状・構造について説明する。
(b)頭部
嵌合継手に荷重が作用したとき、継手の嵌合が離脱(嵌合離脱)するのを防ぐうえで、頭部の構造は極めて重要である。図6に、本発明鋼矢板の継手構造における頭部の構造を示す。
頭部においては、(b1)頭部1bと底部3の接続部3aの最小肉厚d1がフランジ部2の板厚d2以上であり、(b2)頭部先端1b'及び頭部先端の角部1b''を除く形状が、上記最小肉厚d1の部位から頭部先端1b'に向かう肉厚が漸次増大する末広がり形状(図中、矢印、参照)である。
鋼矢板壁に沿って引張荷重が嵌合継手に作用したとき、継手部が鋼矢板本体よりも先に降伏しないように、頭部1bと底部3の接続部3aの最小肉厚d1を、フランジ部2の板厚d2以上とする。
頭部の嵌合溝側の側面1b'''は、対向する継手の頭部と面接触して、荷重を継手の広い範囲に分散させる。それ故、頭部の嵌合溝側の側面1b'''は略平面である必要がある。上記側面が曲面状の場合は、荷重が局所的に集中し、継手の一部のみが変形し易くなり、嵌合離脱時の抵抗力が低下する。
頭部の嵌合溝側の側面1b'''と反対側の側面を斜めにして、頭部先端1b'へ向かって幅を広げ(図中、矢印、参照)、鋼矢板壁に直交する方向に引張荷重を受けても、簡単に引き抜けないようにする。鋼矢板壁に直交する方向も平行方向と同様に離脱強度を高めるために、頭部の形状を、頭部先端1b'に向かう肉厚が漸次増大する末広がり形状とする。
本発明鋼矢板の嵌合継手に引張荷重が作用すると、第1継手部の頭部の嵌合溝側の側面1b'''が、一方の第2継手部の頭部の嵌合溝側の側面1b'''と嵌合接点で接触して、引張荷重に抵抗するが、嵌合接点で発生する反力で、頭部と底部の接続部に曲げモーメントが作用する。
曲げモーメントによる変形で継手が離脱するのを防ぐには、頭部1bと底部の接続部に作用する曲げモーメントを最小にするとともに、曲げモーメントの起点となる頭部1bと底部3の接続部3aの最小肉厚d1を曲げモーメントに耐える肉厚にする必要がある。
図7に、本発明鋼矢板の継手構造における頭部と頭部の接触態様を示す。頭部1bの嵌合溝側の側面1b'''は、フランジ部2の中心面の嵌合溝1a側への延長面2'に対し、略垂直(頭部角度:85°〜95°)とする。
頭部1bと底部の接続部に作用する曲げモーメントを最小にし、頭部と底部の接続部における変形を抑制するためには、嵌合接点から上記接続部までの距離を短くすることが必要である。頭部角度が90°であれば、上記距離を最も短くすることができるが、製造上、完全に90°にすることは困難で、当然に誤差が発生する。
頭部角度を85°〜95°の±5°以内の範囲に抑えることができれば、現実的な製造が可能となるので、頭部角度は85°〜95°とする。
また、頭部角度が85°〜95°であれば、上記距離に変動があっても、工学的に通常処理される有効数字3桁で四捨五入すれば、90°の時と同じ距離として扱うことができるので、実用上問題はない。
これにより、嵌合接点Bから首下1dまでの距離d3を短くすることができ、頭部と底部の接続部に作用する曲げモーメントを最小にすることができる。そして、曲げモーメントに起因して、首下1dより下の部位で生じる変形を抑制することができる。その結果、嵌合溝1aの溝口幅の変化量を小さくし、離脱に対する抵抗荷重を大きくすることができる。
ここで、図8に、頭部角度(頭部1bの嵌合溝側の側面1b'''の上記延長面2'に対する角度)と嵌合離脱時の荷重の関係を示す。頭部角度が80°を超えると、嵌合離脱時の荷重が大きく増加することが解る。なお、頭部角度は、前述したように、90°が好ましい。
また、頭部1bと底部3の接続部3aの最小肉厚d1をフランジ部2の板厚d2以上とする(d1≧d2)ことにより、小爪部と協働して、接続部3a周辺での変形を抑制することができる。この協働については、次の「(c)小爪部」の項で説明する。
嵌合継手に、鋼矢板壁に直交する方向に圧縮荷重が作用すると、頭部と、頭部と対向する底部(対向する継手の底部)が面接触して、打設時、摩擦面が増え、打設抵抗が増加する。そこで、頭部に窪みを設けてもよい。頭部に窪みを設けると、対向する継手の底部との接触部が減り、鋼矢板壁に直交する方向に圧縮荷重が作用しても、打設抵抗の増大を抑制することができる(図18、参照)。
さらに、頭部の窪みに吸水性膨張止水材(例えば、ゴム・ゲル状材等)を取り付けてもよい。頭部の窪みに吸水性膨張止水材を取り付けると、鋼矢板壁において、高い止水性を確保することができる。なお、吸収性膨張止水材は、窪み内に納まるよう取り付けて、打設時に剥離しないようにすることが好ましい。
(c)小爪部
図9〜11に、本発明鋼矢板の継手構造における小爪部の構造を示す。小爪部においては、図9に示すように、(c1)嵌合溝1aの溝底1a'から先端1c''までの高さh1が、頭部先端1b'の高さh2以上である(h1=h2+h3)。
また、図10に示すように、(c2)嵌合溝1a側の側面1c'と、フランジ部2の中心面の嵌合溝1a側への延長面2'がなす角度θ(小爪部角度)が鋭角(40°〜50°)である。好ましくは45°である。鋼矢板壁に平行及び直交方向のどちらか又は両方向に引張荷重が作用しても、嵌合継手全体で荷重を分散して抵抗できるように、斜めに鋭角(40°〜50°)で飛び出、対向する頭部を覆う小爪部を設ける。
小爪部は、斜め45°の方向に飛び出ていることが好ましいが、製造誤差を考慮すると、±5°以内の範囲内に抑えることができれば、現実的な製造が可能となるので、小爪部角度は40°〜50°とする。
小爪部の高さh1は、頭部高さh2よりも高いので、何らかの力で継手が回転しようとするとき、対向する頭部が小爪部に確実に引っかかり、嵌合離脱が起き難い。
ここで、図12に、小爪部の頭部からの突出高さ(mm)と嵌合離脱時の荷重(kN/m)の関係を示す。図12から、小爪部の頭部からの突出高さ(mm)が約8mm以上になると、嵌合離脱時の荷重(kN/m)が800kN/mを超えることが解る。
ただし、小爪部の高さは、対向する継手の底部を超えないことが好ましい。小爪部の高さが、対向する継手の底部を超えても、3つの嵌合接点を確保でき、継手の嵌合離脱強度に影響はないが、対向継手底部の外面内に収まるようにすれば、突起のないコンパクトな嵌合継手となり、打設抵抗の増大を抑制できる。
本発明鋼矢板の継手構造においては、この小爪部の存在で、3つの嵌合接点を確保することができる。この点が、本発明鋼矢板の特徴である。
また、小爪部においては、図11に示すように、(c3)小爪部の中心線1c'''に直交し、底部3と小爪部1cの接続部における嵌合溝の面上の点を含む肉厚d4が、上記頭部と底部の接続部の最小肉厚d1以上であり、(c4)形状が、先端1c''に向かい肉厚が漸次減厚する末窄まり形状である(図中、矢印、参照)。
何らかの力で継手が回転して、対向する頭部が小爪部に引かったとき、小爪部においては、下部に行くほど、作用する曲げモーメントが大きくなる。そのため、小爪部の下部の肉厚を厚くして、曲げモーメントによる変形を抑制し、嵌合離脱を防止する。
小爪部の高さh1(嵌合溝の溝底からの高さ)は、頭部の高さh2(嵌合溝の溝底からの高さ)より高いので(図9、参照)、小爪部では、曲げモーメントのアーム長が長くなり、小爪部には、より大きな曲げモーメントが発生する。
そこで、小爪部と頭部で、曲げモーメントに対する耐力を略同等にし、3つの嵌合接点による離脱強度の向上をより図るため、小爪部付け根部の肉厚を、頭部と底部の接続部の最小肉厚以上とする。即ち、小爪部の中心線1c'''に直交し、底部3と小爪部1cの接続部における嵌合溝の面上の点を含む肉厚d4を、上記頭部と底部の接続部の最小肉厚d1以上(d4≧d1)とする。
前述したように、頭部と底部の接続部の最小肉厚d1をフランジ部の板厚d2以上とする(d1≧d2)ので、肉厚は、3つの嵌合接点で、略均等に、継手に作用する荷重に抵抗するため、下記式を満たすように設計する。
d4≧d1≧d2
d4:底部と小爪部の接続部における嵌合溝の面上の点を含む肉厚
d1:頭部と底部の接続部の最小肉厚
d2:フランジ部の板厚
そして、小爪部全体の形状は、底部と小爪部の接続部の肉厚を厚くし、先端に向かって肉厚が漸次減厚する末窄まり形状とする(図中、矢印、参照)。
ここで、頭部と小爪部が協働して、接続部3a周辺での変形を抑制することについて、曲げモーメントの観点から、詳細に説明する。
対向する継手の頭部が、嵌合溝から離脱しようとするとき(図5、参照)、離脱を拘束する頭部と小爪部のどちらか一方の拘束力が弱いと、一方の変形が局所的に急激に進行し、嵌合離脱に対する抵抗力が著しく低下する。
それ故、頭部と小爪部とで、離脱に対する抵抗力を、3つの嵌合接点で、略均等に分担するように、曲げモーメントが最も大きく作用する頭部の首下の最小肉厚部の抵抗力と、小爪部の付け根部の抵抗力を等しくすることが望ましい。
頭部の接続部における最小肉厚部の中心から、頭部の嵌合溝側の嵌合接点までの距離をL1とし、小爪部の付け根部の中心から、小爪部と嵌合するもう一方の頭部の嵌合溝と反対側の接点までの距離をL2としたとき、下記式を満たすことが望ましい。
L2/(d1)2=(0.8〜1.2)×L1/(d4)2
d1:頭部の接続部における最小肉厚(図5、参照)
d4:小爪部の肉厚方向の中心ラインに直交し底部と小爪が接続する点から延伸す
る小爪付け根部の肉厚(図11、参照)
L1とL2の距離は、嵌合状態、引張状態、及び、回転状態に応じて、±20%の範囲で変化するので、上記式において、右項:L1/(d4)2に、係数(0.8〜1.2)を乗じた。
(d)嵌合溝
C型形状に頭部、底部、及び、小爪部が並んで形成され、他の鋼矢板の第1継手部又は第2継手部の頭部と嵌合する嵌合溝は、溝底及び溝底角部を除く形状が、溝底から溝口に向かう溝幅が漸次減幅する末窄まり形状である。
溝口における小爪部先端と頭部先端との最小距離は、嵌合する他の鋼矢板継手の頭部の首下の幅よりも大きくする。確実に嵌合するため、溝口の最小幅を、嵌合する一方の頭部の首下の幅よりも大きくする。小爪部の先端の高さは、頭部先端より高くするが、高すぎると、嵌合に必要な溝口の最小幅を確保できなくなる。それ故、小爪部の先端の最大高さは、溝口の最小幅を確保できる長さ以下とする。
(e)底部
底部の板厚は、頭部との接続部から小爪部との接続部にかけて同じである必要はない。図14に、本発明鋼矢板の継手構造における底部の形状・構造を示す。図14に示すように、底部の板厚d5は、頭部との接続部から小爪部との接続部にかけて、漸次増厚してもよい。
底部においては、継手が回転し、継手離脱直前、最大耐力に達した時、底部付け根部に作用する曲げモーメントが最大となる。それ故、継手全体の曲げ抵抗をほぼ同じにするとの観点から、板厚d5は、頭部と底部の接続部の最小板厚d1よりも大きくし、フランジ部より先に降伏するのを避けるため、フランジ部の板厚d2以上とする。
嵌合継手に、鋼矢板壁に直交する方向に圧縮荷重が作用すると、頭部と、頭部と対向する底部(対向する継手の底部)が面接触して、打設時、摩擦面が増え、打設抵抗が増加する。
そこで、底部に窪みを設けてもよい。底部に窪みを設けると、対向する継手の頭部との接触部が減り、鋼矢板壁に直交する方向に圧縮荷重が作用しても、打設抵抗の増大を抑制することができる(図19、参照)。
底部に窪みを設ける場合、継手離脱時、底部に発生するモーメントによる変形を抑制するため、窪み形成により薄肉となる部分は底部中央付近とし、中央付近から底部付け根に向かうにつれて肉厚になるようにする。
さらに、底部の窪みに吸水性膨張止水材(例えば、ゴム・ゲル状材等)を取り付けてもよい。底部の窪みに吸水性膨張止水材を取り付けると、鋼矢板壁において、高い止水性を確保することができる。なお、吸収性膨張止水材は、窪み内に納まるよう取り付けて、打設時に剥離するのを防ぐことが好ましい。
嵌合継手において、左右両方の継手の離脱強度を均等に上げようとすると、嵌合時、それぞれの継手が、フランジ部の重心軸に対して点対称の位置関係となり、鋼矢板壁の外面から嵌合継手が飛び出ることになる。本発明者らは、嵌合継手の構造を、嵌合継手が鋼矢板壁の外面から飛び出ない構造にして、離脱強度の向上を図ることを試みた。
図15に、継手が鋼矢板壁の外面から飛び出ない嵌合継手で鋼矢板壁を構成した態様を示す。図に示すように、嵌合継手4と嵌合継手5は、フランジ部の重心軸に対して点対称の位置関係にないが、第1継手部及び第2継手部には、頭部、底部、小爪部、及び、嵌合溝が、本発明の条件に従って構成されている。
図16に、鋼矢板壁の外面から飛び出ない嵌合継手において、3つの嵌合接点域で嵌合接点が形成される態様を示す。図16に示すように、3つの嵌合接点域C内で嵌合接点が形成されて、継手の離脱強度が向上する。
図17に、鋼矢板壁の外面から飛び出ない嵌合継手に荷重が作用したときの、3つの嵌合接点の形成態様を示す。図17(a)に、嵌合継手4に対して、嵌合継手5が時計方向に回転して荷重が作用したときの3つの嵌合接点の形成態様を示し、図17(b)に、反時計方向に回転荷重が作用したときの3つの嵌合接点の形成態様を示す。
図17(c)に、鋼矢板壁に直交する方向に引張荷重が作用したときの3つの嵌合接点の形成態様を示し、図17(d)に、鋼矢板壁に沿って引張荷重が作用したときの3つの嵌合接点の形成態様を示し、図17(e)に、鋼矢板壁に45°の方向に引張荷重が作用したときの3つの嵌合接点の形成態様を示す。
図17から、本発明鋼矢板の嵌合継手は、どの方向から荷重が作用しても、3つの嵌合接点が形成されて、荷重に抵抗する嵌合構造を備えていることが解る。
図16及び図17に示す、鋼矢板壁の外面から飛び出ない嵌合継手においても、頭部又は底部に窪みを設けてもよい。
図18に、鋼矢板壁の外面から飛び出ない嵌合継手の頭部に窪みを設けた態様を示し、図19に、鋼矢板壁の外面から飛び出ない嵌合継手の底部に窪みを設けた態様を示す。窪みを設ける技術的理由は、前述したとおりである。
図20に、中間部にウェブ部を備え、その両側にフランジ部を備えたZ形鋼矢板を示す。また、図21に、中間部に中央フランジを備え、中央フランジの両端から延伸するウェブ部を備え、それぞれのウェブ部にフランジ部が接続したハット形鋼矢板を示す。
Z形鋼矢板及びハット形鋼矢板においては、嵌合部が鋼矢板壁の外面に位置して、壁体方向に沿ったフランジ延長線上にあるので、継手が、壁体方向の引張荷重を直接受けることになり、また、壁体に直交する方向に作用する土圧が不等圧であると、土圧の差分が、直接、継手の嵌合離脱を引き起こす方向に作用する。
それ故、Z形形状及びハット形形状の鋼矢板に大きな継手強度が必要となる。継手強度が大きい本発明鋼矢板の嵌合継手は、Z形鋼矢板及びハット形鋼矢板の継手として最適である。
鋼矢板壁の外面から飛び出ない嵌合継手は、他の部材との組み合わせが容易であるので、鋼矢板の応用範囲が広がる。図22に、本発明鋼矢板と他の部材(H形状部材)を組み合わせた構造例を示す。このように、本発明鋼矢板の嵌合継手は、他部材との組合せの自由度が広がり、様々な剛性をもつ鋼矢板を構築でき、応用範囲が広いものである。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例)
図5に示す嵌合継手を作製し、嵌合離脱強度を測定した。嵌合時の嵌合部の全幅は、従来継手と同様に15cm以下としている。嵌合離脱強度は、1000kN/m以上であった。これは、図1及び図2に示す従来の嵌合離脱強度200〜400kN/mを遥かに超える強度である。
前述したように、本発明によれば、嵌合継手に、どの方向から荷重が作用しても、常に、3箇所以上で接して、継手全体に荷重を分散させ、継手の嵌合離脱の原因となる特定部位の局所的変形の進行を抑制することができるので、継手の嵌合離脱強度を向上させることができる。
その結果、隣接する鋼矢板において、継手の頭部が対向する継手の頭部と小爪部で抑え込まれるので、継手の回転変位が起き難くなり、鋼矢板壁の方向に延伸して打設する際、鋼矢板壁の方向における位置のバラツキが低減して、鋼矢板壁の面の直線性及び平面性が向上する。
また、鋼矢板壁の外面に継手による突起がなく平面を保つので、(a)擁壁として構成し、内部を掘削するとき、擁壁に取り付ける切梁支保工への干渉がない、(b)圧入施工において、圧入機の鋼矢板上での水平移動を円滑に行うことができる、また、(c)鋼矢板にH形状の部材を取り付けた高剛性鋼矢板の加工が容易である。
ハット形鋼矢板においては、中央フランジにH形状の部材を取り付けてもよいが、上記形態とすることで、嵌合継手部にもH形状の部材を取り付けることが容易となる。この場合、継手部をH形状部材のフランジで覆うことになるので、鋼矢板壁の止水性を高めることができる。
よって、本発明は、土木建築分野の各種産業において利用可能性が高いものである。
1 嵌合継手
1a 嵌合溝
1a' 溝底
1a'' 溝底角部
1a''' 溝口
1b 頭部
1b' 頭部先端
1b'' 頭部先端の角部
1b''' 嵌合溝側の側面
1c 小爪部
1c' 嵌合溝側の側面
1c'' 小爪部の先端
1c''' 小爪部の中心線
1d 首下
2 フランジ部
2' フランジ部の中心面の嵌合溝側への延長面
2a ウェブ部
3 底部
3a 底部と頭部の接続部
4、5 嵌合継手
6 窪み
7 H形状部材
A 一点鎖線
B 嵌合接点
C 嵌合接点域
d1 頭部と底部の接続部の最小肉厚
d2 フランジ部の板厚
d3 嵌合接点から首下までの距離
d4 底部と小爪部の接続部における嵌合溝の面上の点を含む肉厚
d5 底部の板厚
h1 嵌合溝の溝底から小爪部先端までの高さ
h2 頭部先端の高さ

Claims (12)

  1. 板面に垂直な断面形状にて、少なくとも各1つ以上のウェブ及びフランジを有して断面屈曲状に形成された鋼矢板であって、該鋼矢板の両側側部にフランジ部を備え、一方のフランジ部の外側端部に第1継手部を備え、他方のフランジ部の外側端部に第2継手部を備え、第1継手部と、第1継手部に隣接して配置される第2継手部を係合して連結し、壁を形成する鋼矢板において、
    (a)第1継手部及び第2継手部は、それぞれ、
    (a1)継手部先端から順に、頭部、底部、及び、小爪部をC型形状に備え、
    (a2)頭部、底部、及び、小爪部で囲まれ、頭部と嵌合可能な溝形状の嵌合溝を備え、
    (a3)底部と小爪部の接続部でフランジ部に接続し、
    (b)上記頭部は、
    (b1)底部との接続部の最小肉厚がフランジ部の板厚以上であり、
    (b2)頭部先端及び頭部先端の角部を除く形状が、上記最小肉厚の部位から頭部先端に向かう肉厚が漸次増大する末広がり形状であり、
    (c)上記小爪部は、
    (c1)嵌合溝の溝底から先端までの高さが、頭部先端の高さ以上であり、
    (c2)嵌合溝側の側面と、フランジ部の中心面の嵌合溝側への延長面がなす角度が鋭角であり、
    (c3)小爪部の中心線に直交し、底部と小爪部の接続部の嵌合溝の面上の点を含む肉厚が、上記頭部と底部の接続部の最小肉厚以上であり、
    (c4)形状が、先端に向かい肉厚が漸次減厚する末窄まり形状であり、
    (d)上記嵌合溝は、溝底及び溝底角部を除く形状が、溝底から溝口に向かう溝幅が漸次減幅する末窄まり形状であり、少なくとも3つの嵌合接点が形成されて荷重に抵抗する嵌合構造が基本構造である
    ことを特徴とする鋼矢板。
  2. 前記鋼矢板の板面に垂直な断面形状が、中間部にウェブ部を備え、その両側にフランジ部を備えたZ形形状であることを特徴とする請求項1に記載の鋼矢板。
  3. 前記鋼矢板の板面に垂直な断面形状が、中間部に中央フランジを備え、中央フランジの両端から延伸するウェブ部を備え、それぞれのウェブにフランジ部が接続したハット形の形状であることを特徴とする請求項1に記載の鋼矢板。
  4. 前記頭部は、嵌合溝側の側面が略平面であり、該側面と、フランジ部の中心面の嵌合溝側への延長面がなす頭部角度が85°〜95°であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋼矢板。
  5. 前記頭部の嵌合溝側の側面と反対の側面と、前記小爪部の嵌合溝側の側面は、いずれも略平面で、略平行をなし、かつ、フランジ部の中心面の嵌合溝側への延長面となす角度が40°〜50°であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の鋼矢板。
  6. 前記底部は、頭部との接続部から小爪部との接続部に向けて肉厚が漸次増厚する幅広がり形状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の鋼矢板。
  7. 前記第1継手部と、他の鋼矢板の第2継手部と係合した際、(i)第1継手部の底部の嵌合溝側の面と反対の面は、第1継手部が接続するフランジ部側面と同一の鋼矢板壁面をなし、上記他の鋼矢板のフランジ部の面と同一の鋼矢板壁面をなし、(ii)上記第2継手部のフランジ部の側面が上記鋼矢板の壁面と同一の壁面をなすことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の鋼矢板。
  8. 前記頭部の頭頂部に窪みを有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の鋼矢板。
  9. 前記嵌合溝の底に窪みを有することを特徴とする請求項1〜5及び7のいずれか1項に記載の鋼矢板。
  10. 前記窪みに止水材を装着したことを特徴とする請求項8又は9に記載の鋼矢板。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の鋼矢板を連結して形成したことを特徴とする鋼矢板壁。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の鋼矢板を連結して形成した鋼矢板壁に、別の鋼部材を取り付けたことを特徴とする鋼矢板壁。
JP2013094078A 2013-04-26 2013-04-26 鋼矢板及び鋼矢板壁 Active JP6089929B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013094078A JP6089929B2 (ja) 2013-04-26 2013-04-26 鋼矢板及び鋼矢板壁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013094078A JP6089929B2 (ja) 2013-04-26 2013-04-26 鋼矢板及び鋼矢板壁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014214532A JP2014214532A (ja) 2014-11-17
JP6089929B2 true JP6089929B2 (ja) 2017-03-08

Family

ID=51940566

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013094078A Active JP6089929B2 (ja) 2013-04-26 2013-04-26 鋼矢板及び鋼矢板壁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6089929B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7135740B2 (ja) * 2018-11-02 2022-09-13 日本製鉄株式会社 鋼矢板

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB347556A (en) * 1929-08-28 1931-04-30 Walther Prielipp Improvements in and relating to sheet pile walls
GB402275A (en) * 1932-04-08 1933-11-30 Arbed Improvements in sheet piling
US2020315A (en) * 1934-04-16 1935-11-12 John B Hughes Interlocking sheet piling
US2581717A (en) * 1943-12-28 1952-01-08 Arbed Joint for sheet piles
JPS49134808U (ja) * 1973-03-14 1974-11-20
JPH076179Y2 (ja) * 1990-04-07 1995-02-15 新日本製鐵株式会社 鋼矢板
JP3488232B1 (ja) * 2002-11-15 2004-01-19 新日本製鐵株式会社 圧延鋼矢板
JP4959452B2 (ja) * 2007-07-10 2012-06-20 新日本製鐵株式会社 控え式土留め壁用または控え工用組合せ鋼矢板および控え式土留め壁または控え工
JP5407998B2 (ja) * 2010-03-31 2014-02-05 新日鐵住金株式会社 鋼矢板及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014214532A (ja) 2014-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3488232B1 (ja) 圧延鋼矢板
WO2015140889A1 (ja) 柱構造及びベース部材
JP6089929B2 (ja) 鋼矢板及び鋼矢板壁
JP2014020129A (ja) 鋼矢板及び鋼矢板壁体
JP5114741B2 (ja) ハット形鋼矢板
WO2013171909A1 (ja) 組合せ鋼製壁
JP2009235672A (ja) ハット形鋼矢板
JP5194782B2 (ja) ハット形鋼矢板
JP5782729B2 (ja) Z形鋼矢板、該z形鋼矢板で形成された鋼矢板壁
JP6394180B2 (ja) 鋼管矢板の継手構造
WO2013171910A1 (ja) Z形鋼矢板、該z形鋼矢板で形成された鋼矢板壁
JP6232830B2 (ja) 鋼矢板の打設時変形抑止治具
JP6515293B2 (ja) 鋼矢板壁
JP5939622B2 (ja) 土留壁
JP4867936B2 (ja) 鋼管矢板及び鋼管矢板の連結構造
JP5772658B2 (ja) ハット型鋼矢板およびハット型鋼矢板を用いた構造体
JP5257470B2 (ja) 組合せ鋼製壁
JP5772659B2 (ja) U型鋼矢板およびu型鋼矢板を用いた構造体
JP5633502B2 (ja) 壁体構造
JP5737058B2 (ja) H形鋼矢板
JP5370311B2 (ja) 鋼管矢板、鋼管矢板の継手構造、鋼管矢板基礎、および鋼管矢板の製造方法
JP2002294691A (ja) Z型鋼矢板
JP7379519B2 (ja) デッキプレート
JP6988051B2 (ja) 杭頭接合構造
JP5334391B2 (ja) 壁状地盤改良体及び壁状改良体の施工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160823

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160824

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161019

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170123

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6089929

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350