ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)ナビゲーション装置の構成:
(1−1)レーン維持状態:
(1−2)第1表示状態:
(1−3)第2表示状態:
(1−4)レーン変更状態:
(2)レーン案内表示処理:
(3)他の実施形態:
(1)ナビゲーション装置の構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかるレーン案内表示システムとしてのナビゲーション装置10の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、車両Cに備えられている。ナビゲーション装置10は、制御部20と記録媒体30とを備えている。制御部20は、CPUとRAMとROM等を備え、記録媒体30やROMに記憶されたプログラムを実行する。記録媒体30は、地図情報30aを記録する。地図情報30aは、道路の端点(交差点の中央位置)に対応して設定されたノードの位置を示すノードデータと、ノード間の道路に関する情報を示すリンクデータと、ノード間の道路の幅方向の中央位置を特定するための形状補間点データ等を含んでいる。リンクデータには、道路が含むレーンの数と、道路における幅方向の一方(本実施形態では左側)の端のレーンから数えた各レーンのレーン番号と、レーンを交差点まで走行した場合に当該交差点から退出できる道路とを示すレーン情報とが含まれる。
また、車両Cは、GPS受信部41と車速センサ42とジャイロセンサ43とカメラ44とユーザI/F部45とを備えている。GPS受信部41は、GPS衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両Cの現在位置を算出するための信号を制御部20に出力する。車速センサ42は、車両Cが備える車輪の回転速度に対応した信号を制御部20に出力する。ジャイロセンサ43は、車両Cに作用する角加速度に対応した信号を制御部20に出力する。カメラ44は、車両Cの前方の前方風景を撮影し、当該前方風景を表す前方画像を生成するイメージセンサである。
図2A,図2Bは、カメラ44が前方画像を撮影する様子を示す平面図である。図2A,図2Bに示すように、カメラ44は車両Cの前方を視野に含み、車両Cの前方風景を表す前方画像を撮影する。カメラ44が撮影した前方画像は、図示しないインタフェースを介して制御部20に出力される。制御部20は、カメラ44が所定の時間周期ごとに撮影した前方画像の画像データを連続して取得する。本実施形態において、カメラ44は、車両Cの幅方向の中央位置に備えられたバックミラー(インナーリアビューミラー)の裏側(前方側)に備えられている。ユーザI/F部45は、制御部20から出力された制御信号に基づいて各種案内を出力する出力装置を含む。本実施形態のユーザI/F部45の出力装置は、音声により案内を出力するスピーカと、画像により案内を表示する表示部としてのディスプレイとを含む。ディスプレイは、車両Cの運転者が視認できる方向に設置されており、ディスプレイに表示される画像の縦方向と横方向とがそれぞれ車両C内において鉛直方向と水平方向となるように設置されている。また、本実施形態において、カメラ44が撮影する各レーンのレーン方向は、すべて直線かつ互いに平行であることとする。
レーン案内表示プログラム21は、ナビゲーション部21aと推奨レーン取得部21bとレーン像特定部21cと表示制御部21dとを含む。
ナビゲーション部21aは、目的地点までの走行予定経路を案内するために必要な各種機能を制御部20に実行させるモジュールである。ナビゲーション部21aの機能により制御部20は、GPS受信部41、車速センサ42およびジャイロセンサ43等からの出力信号や地図情報30aに基づいて車両Cの現在位置を特定する。制御部20は、地図情報30aのリンクデータに基づいて車両Cが走行している道路を走行道路として特定し、地図情報30aの形状補間点データに基づいて車両Cの現在位置を走行道路の幅方向の中央位置に補正する。また、ナビゲーション部21aの機能により制御部20は、地図情報30aを参照して、現在位置から目的地点までの走行予定経路を公知の経路探索手法により探索する。本実施形態では走行予定経路が予め探索されていることとする。なお、ナビゲーション部21aの機能により制御部20は、走行予定経路を取得できればよく、外部のコンピュータにおいて探索された走行予定経路を通信等を介して取得してもよいし、リムーバブルメモリから読み出して取得してもよい。
図3A〜3Cは、前方画像を示す図である。車両Cが水平な道路上を走行する場合、前方画像の横方向の中央線(二等分線)上に消失点が存在し、当該中央線上の位置がカメラ44(車両Cの幅方向の中央位置)の正面前方Fの位置を示す。なお、車両Cが水平な道路上を走行する場合、前方画像内での横方向の位置は、道路上における道路の幅方向の位置に対応する。一方、前方画像内での縦方向の位置は、視野における鉛直方向の位置、および、カメラ44からの距離に依存する。すなわち、消失点よりも下方の領域において前方画像の縦方向の位置が高いほど、前方の路面上において車両Cから遠い位置を示す。本実施形態において、前方画像の下辺の中点CCをカメラ44の位置と見なすこととする。
推奨レーン取得部21bは、車両が走行すべき推奨レーンを取得する機能を制御部20に実行させるモジュールである。本実施形態において、推奨レーン取得部21bの機能により制御部20は、ナビゲーション部21aの機能によって予め探索された走行予定経路に基づいて推奨レーンを取得する。まず、制御部20は、地図情報30aと走行予定経路とに基づいて、車両Cが現在走行している走行道路が走行予定経路上の道路である場合に、当該走行道路の終点をなす交差点を直近交差点として特定する。さらに、制御部20は、直近交差点に接続する接続する接続道路のうち、走行予定経路上において直近交差点から退出すべき道路である退出道路を特定する。そして、制御部20は、走行道路が含むレーンのうち、直近交差点にて走行予定経路上の退出道路へと退出できるレーンを推奨レーンとして取得する。
レーン像特定部21cは、推奨レーンの像と車両が現在走行している走行レーンの像とを前方画像において特定する機能を制御部20に実行させるモジュールである。すなわち、制御部20は、公知のハフ変換等の線認識手法により、前方画像にてレーンの区画線の像を認識し、当該区画線の像によって左右から挟まれた領域をレーンの像として特定する。さらに、制御部20は、レーンの像のうち、カメラ44の位置を示す前方画像の下辺の中点CCから最も近いレーンの像が走行レーンの像であると特定する。また、制御部20は、前方画像において、左端のレーンの像から順に走行レーンの像まで数えることにより、走行レーンのレーン番号を特定する。一方、レーン像特定部21cの機能により制御部20は、推奨レーンのレーン番号を取得するとともに、前方画像において左端のレーンの像から順に推奨レーンのレーン番号だけ数えたレーンの像を推奨レーンの像として特定する。
表示制御部21dは、推奨レーンを案内する案内画像を前方画像に重畳してユーザI/F部45に表示させる機能を制御部20に実行させるモジュールである。以下、表示制御部21dの機能を詳細に説明する。本実施形態において、表示制御部21dの機能により制御部20は、4通りの案内画像の表示状態のいずれかを設定し、当該設定した表示状態の案内画像をユーザI/F部45に表示させる。表1は、案内画像の表示状態を示す表である。
表1に示すように、案内画像の表示状態として、レーン維持状態と第1表示状態と第2表示状態とレーン変更状態とが設定される。レーン維持状態とはレーン変更が必要でない場合における案内画像の表示状態であり、レーン変更状態とはレーン変更中における案内画像の表示状態である。第1表示状態とはレーン変更が必要であるがレーン変更を強く促さない場合における案内画像の表示状態であり、第2表示状態とはレーン変更が必要でありレーン変更を強く促す場合における案内画像の表示状態である。以下、各表示状態について順に説明する。
(1−1)レーン維持状態:
表示制御部21dの機能により制御部20は、走行レーンのレーン番号と推奨レーンのレーン番号とが一致する場合に、案内画像の表示状態をレーン維持状態に設定する。すなわち、制御部20は、レーン維持状態において、推奨レーンと同一レーンである走行レーンをそのまま走行すればよいことを表す案内画像を前方風景に重畳してユーザI/F部45に表示させる。図2Aは、走行道路を構成する3個のレーンのうち走行レーンと推奨レーンとがともに中央のレーンであり、レーン変更が必要でない場合の例を示している。図2Aにおいて、直近交差点から直進方向に退出する道路が走行予定経路上の退出道路となっており、案内交差点において直進方向に退出できる中央のレーンが推奨レーンとなっている。図3Aは、図2Aの場合の前方画像を示す。図3Aの前方画像において、中央のレーンの像が走行レーンの像、かつ、推奨レーンの像(クロスハッチング)となっている。
図4Aは、レーン維持状態において、前方画像上に前方側端点FEと後方側端点BEとが設定される様子を示す図である。表1,図4Aに示すように、制御部20は、レーン維持状態において、前方画像における推奨レーンの像の横方向の中央線RC上の位置、かつ、前方画像の縦方向における高さHの位置において前方側端点FEを設定する。すなわち、制御部20は、推奨レーンの幅方向の中央位置を示し、かつ、推奨レーンのレーン方向における車両Cから所定距離だけ前方の位置を示す前方側端点FEを設定する。前方側端点FEとは、案内画像のうち実空間における最も前方の位置を表す点であり、前方画像における案内画像の上端を意味する。また、表1,図4Aに示すように、制御部20は、推奨レーンの像の横方向の中央線RCの下端に後方側端点BEを設定する。すなわち、推奨レーンの幅方向において推奨レーンの中央位置を示し、かつ、推奨レーンのレーン方向における車両C(カメラ44)の位置を示す後方側端点BEを設定する。なお、後方側端点BEとは、案内画像のうち実空間における最も後方(手前側)の位置を表す点であり、前方画像における案内画像の下端を意味する。
ここで、推奨レーンの像の横方向の中央線RCを特定する手順を説明する。図3Aにおいて、表示制御部21dの機能により制御部20は、前方画像の横方向における推奨レーンの左右の区画線の像BLの中点を通過する中央線RC(一点鎖線)を特定する。制御部20は、図3Aに示すように前方画像において横方向の補助直線O(二点鎖線)と推奨レーンの左右の区画線の像BLのそれぞれとの交点a(白丸)間の横方向の中点b(白三角)を特定する。そして、制御部20は、縦方向の位置が異なる2本以上の補助直線Oのそれぞれについて、推奨レーンの左右の区画線の像BLの横方向の中点bを特定し、当該中点b同士を結ぶ直線を推奨レーンにおける幅方向の中央位置を示す中央線RCとして特定する。なお、推奨レーンが直線でない場合には、推奨レーンの左右の区画線の像BLの横方向の中点bを3本以上の補助直線Oについて特定し、当該中点b同士を結ぶ曲線や折れ線を中央線RCとして特定してもよい。なお、レーン維持状態において、推奨レーンの像の中央線RCと走行レーンの像の中央線UCとが同一となる。制御部20は、レーン維持状態以外の表示状態においても同様の手順で推奨レーンの像の中央線RCを特定することとする。
表示制御部21dの機能により制御部20は、レーン維持状態において、前方側端点FEと後方側端点BEとを接続し、推奨レーンの像の横方向の中央線RCに沿った案内線GLを生成し、当該案内線GLに関して線対称となる案内画像glを生成する。図5Aは、図4Aにおける案内線GLに基づいて生成された矢印形状の案内画像glを示す図である。案内画像glが示す矢印の頭部は三角形状であり、矢印の頭部の先端に対応する頂点が前方側端点FEとなる。制御部20は、レーン維持状態において、案内画像glの全体が前方画像における推奨レーンの像内に収まるように、案内画像glの幅を設定する。具体的に、制御部20は、推奨レーンの像の幅が狭くなる消失点側に重畳される矢印の頭部のうち、最も幅が広くなる矢印の頭部の下端(頭部の三角形の底辺)の幅に基づいて案内画像glの幅を設定することとする。なお、矢印の頭部の下端の幅は、レーン維持状態における案内画像glの最大の幅であることとする。
すなわち、制御部20は、案内画像glのうち矢印の頭部の下端が設定される直線HL(案内線GLに直交する破線)上において、推奨レーンの左右の区画線の像BLのそれぞれと案内線GLとの距離を特定し、当該特定した距離のうち小さい方の2倍と等しくなるように案内画像glの矢印の頭部の下端の幅を設定する。なお、案内線GLと直線HLとの交点の前方側端点FEからの距離(矢印の頭部の高さ)は記録媒体30に記録されている。また、本実施形態において、案内線GL上における前方側端点FEからの距離ごとに、矢印の頭部の下端の幅に対する案内画像glの幅の比率が記録媒体30に記録されていることとする。そして、制御部20は、案内線GL上における前方側端点FEからの距離に応じた比率を矢印の頭部の下端の幅に乗じることにより、案内線GL上の各位置について案内画像glの幅を特定し、当該特定した幅を有する案内画像glを生成する。レーン維持状態の案内画像glを生成すると、表示制御部21dの機能により制御部20は、案内画像glを前方画像に重畳してユーザI/F部45に表示させる。
図5Aに示すように、走行レーンと推奨レーンとが一致する場合、走行レーンの像の中央線UC上に案内画像glが重畳されるため、運転者は走行レーン上をそのまま走行すべきことを認識できる。すなわち、運転者は、レーン変更が必要でないことを認識できる。
(1−2)第1表示状態:
第1表示状態とはレーン変更が必要であるがレーン変更を強く促さない案内画像glの表示状態である。表示制御部21dの機能により制御部20は、走行レーンと推奨レーンとが異なる場合であって、レーン変更の緊急度が閾値よりも小さい場合に、案内画像glを第1表示状態に設定する。図3Bは、走行レーンと推奨レーンとが異なる場合(図2Bの場合)の前方画像を示す。図3Bの前方画像において、中央のレーンの像が走行レーンの像(右肩上がりハッチング)となっており、左端のレーンの像が推奨レーンの像(右肩下がりハッチング)となっている。図2B,3Bのように走行レーンと推奨レーンとが異なる状態において、さらにレーン変更の緊急度が閾値よりも小さい場合に、制御部20は、案内画像glを第1表示状態に設定する。
本実施形態において、表示制御部21dの機能により制御部20は、車両の位置Cとレーン変更を完了すべき地点との位置関係に基づいて特定されるレーン変更の緊急度に応じて案内画像glの表示状態を変化させる。具体的に、表示制御部21dの機能により制御部20は、車両Cからレーン変更を完了すべき地点としての直近交差点までの残距離Nが小さいほどレーン変更の緊急度が大きいとする。すなわち、制御部20は、直近交差点までの残距離Nが基準値Nthよりも大きい場合に、レーン変更の緊急度が閾値未満であると見なし、案内画像glを第1表示状態に設定する。本実施形態において基準値Nth(例えば300m)は、記録媒体30に記録されている。例えば、基準値Nthは、過去の運転履歴等においてレーンの変更に要した距離(方向指示器の作動開始から変更先のレーンにてレーン方向に車両が走行するまでの距離等)の平均値に、所定の加算距離を加算した距離であってもよい。加算距離は、余裕を持ってレーン変更ができるように設定された一定の距離である。また、制御部20は、レーン変更における幅方向の移動量(走行レーンと推奨レーンとの間に存在する他のレーンの数)や車速や走行道路の制限車速が大きいほど大きい基準値Nthを取得してもよい。レーン変更における幅方向の移動量や車速が大きいほどレーン変更に要する距離が大きくなり、残距離Nが大きいうちに早期にレーン変更を開始する必要があるからである。
図2Bにおいて、走行予定経路上において直近交差点から車両Cが退出すべき退出道路が左折した先の接続道路(以下、左折道路)であり、左端の左折レーンが推奨レーンとなっている。このような場合、車両Cが直近交差点に到達するまでに中央の直進レーンから左折レーンへとレーン変更を完了しておかなければ、車両Cは退出すべき退出道路(左折道路)へと退出できない。従って、直近交差点は、レーン変更を完了すべき地点となる。なお、制御部20は、直近交差点の中央位置Qを地図情報30aのノードデータに基づいて特定し、当該中央位置Qと車両Cの現在位置との直線距離を残距離Nとして特定する。むろん、制御部20は、車両Cから直近交差点の中央位置Qまでの道なりの距離を残距離Nとして特定してもよい。
表示制御部21dの機能により制御部20は、第1表示状態において、前方画像にて推奨レーンの位置を表す案内画像glを前方画像に重畳してユーザI/F部45に表示させる。すなわち、制御部20は、推奨レーンの位置を表すが、レーン変更の軌跡は表さない案内画像glをユーザI/F部45に表示させる。具体的に、表示制御部21dの機能により制御部20は、第1表示状態において、案内画像glの全体を前方画像における推奨レーンの像内に重畳してユーザI/F部45に表示させる。さらに、表示制御部21dの機能により制御部20は、第1表示状態において、案内画像glを前方画像における推奨レーンの像の横方向の中央線RC上に重畳してユーザI/F部45に表示させる。
図4Bは、レーン維持状態における案内線GLを示す図である。表1,図4Bに示すように、制御部20は、第1表示状態において、前方画像における推奨レーンの像の横方向の中央線RC上の位置、かつ、前方画像の縦方向における高さHの位置において前方側端点FEを設定する。すなわち、レーン維持状態と同様に、推奨レーンの幅方向の中央位置を示し、かつ、推奨レーンのレーン方向における車両Cから所定距離だけ前方の位置を示す前方側端点FEを設定する。また、表1,図4Bに示すように、制御部20は、推奨レーンの像の横方向の中央線RCにおいて前方側端点FEからの距離がY1となる位置に後方側端点BEを設定する。すなわち、制御部20は、推奨レーンの幅方向の中央位置を示す後方側端点BEを設定する。
表示制御部21dの機能により制御部20は、第1表示状態において、前方側端点FEと後方側端点BEとを接続し、推奨レーンの像の横方向の中央線RCに沿った案内線GLを生成し、当該案内線GLに関して線対称となる案内画像glを生成する。図5Bは、図4Bにおける案内線GLに基づいて生成された矢印形状の案内画像glを示す図である。制御部20は、案内画像glの全体が前方画像における推奨レーンの像内に収まるように、案内画像glの幅を設定する。すなわち、制御部20は、第1表示状態において、レーン維持状態と同様に案内画像glのうち矢印の頭部の下端が設定される直線HL上において、推奨レーンの左右の区画線の像BLのそれぞれと案内線GLとの距離を特定し、当該特定した距離のうち小さい方の2倍と等しくなるように案内画像glの矢印の頭部の下端の幅を設定する。さらに、制御部20は、案内線GL上における前方側端点FEからの距離に応じた比率を矢印の頭部の下端の幅に乗じることにより、案内画像glの幅を特定し、当該特定した幅を有する案内画像glを生成する。なお、矢印の頭部の下端の幅は、第1表示状態における案内画像glの最大の幅であることとする。第1表示状態の案内画像glを生成すると、表示制御部21dの機能により制御部20は、案内画像glを前方画像に重畳してユーザI/F部45に表示させる。
以上により、図5Bに示すように、第1表示状態において、推奨レーンの像内に全体が位置する案内画像glを推奨レーンの像の横方向の中央線RC上に重畳することができる。また、第1表示状態において、前方側端点FEは前方画像の縦方向における高さHの位置に維持される。
(1−3)第2表示状態:
第2表示状態とはレーン変更が必要でありレーン変更を強く促す場合における案内画像glの表示状態である。表示制御部21dの機能により制御部20は、走行レーンと推奨レーンとが異なる場合、走行レーンから推奨レーンへのレーン変更の緊急度に応じて案内画像glの表示状態を変化させる。具体的に、表示制御部21dの機能により制御部20は、走行レーンと推奨レーンとが異なる場合、レーン変更の緊急度に応じて案内画像glの形状を変化させる。さらに、表示制御部21dの機能により制御部20は、レーン変更の緊急度が閾値以上となった場合、すなわち直近交差点までの残距離Nが基準値Nth以下となった場合、第1表示状態(図5B)から、前方画像において走行レーンから推奨レーンへのレーン変更の軌跡を表す案内画像glを前方画像に重畳してユーザI/F部45に表示させる第2表示状態へと遷移させる。以下、第2表示状態における案内画像glを詳細に説明する。
図4Cは、第2表示状態における案内線GLを示す図である。表示制御部21dの機能により制御部20は、第2表示状態において、前方画像における推奨レーンの像の横方向の中央線RC上の位置、かつ、前方画像の縦方向における高さHの位置において前方側端点FEを設定する。すなわち、制御部20は、レーン維持状態と第1表示状態と同様に、推奨レーンの幅方向の中央位置を示し、かつ、推奨レーンのレーン方向における車両Cから所定距離だけ前方の位置を示す前方側端点FEを設定する。
表示制御部21dの機能により制御部20は、第2表示状態において、前方画像における走行レーンの像と推奨レーンの像とを接続する案内画像glを重畳してユーザI/F部45に表示させる。表1,図4Cに示すように、制御部20は、第2表示状態において、前方画像の下辺の中点CC上に後方側端点BEを設定する。下辺の中点CCは、車両Cが現在走行している位置(カメラ44の位置)を示し、車両Cが現在走行している走行レーンの像上の位置となる。以上のように、前方側端点FEを推奨レーンの像内に設定し、後方側端点BEを走行レーンの像内に設定することにより、これらを接続する案内線GLは走行レーンの像と推奨レーンの像とを接続する線となる。
さらに、表示制御部21dの機能により制御部20は、第2表示状態において、第1表示状態にて前方画像における推奨レーンの像内に重畳してユーザI/F部45に表示させた案内画像glの一部である共通部分を含む案内画像glを前方画像に重畳してユーザI/F部45に表示させる。また、表示制御部21dの機能により制御部20は、第2表示状態において、案内画像glの一部を構成する推奨レーン側部分を前方画像における推奨レーンの像の横方向の中央線RC上に重畳してユーザI/F部45に表示させる。表1,図4Cに示すように、制御部20は、推奨レーンの像の横方向の中央線RCにおいて前方側端点FEからの距離がY2(<Y1)となる位置に第1変化点K1を設定する。ここで、第1表示状態における案内線GLは、推奨レーンの像の横方向の中央線RC上における高さHを上端として有する長さY1(>Y2)の直線をなす。一方、第2表示状態における案内線GLは、推奨レーンの像の横方向の中央線RC上における高さHを上端として有する長さY2(<Y1)の直線である推奨レーン側案内線部分RLを含む。この推奨レーン側案内線部分RLは、第1表示状態における案内線GLと同様に推奨レーンの像の横方向の中央線RC上において高さHを上端とし、かつ、第1表示状態における案内線GLよりも短い直線であるため、第1表示状態における案内線GLの一部と共通となる。
表示制御部21dの機能により制御部20は、第2表示状態において、前方画像における推奨レーン側部分の後方側の端点である第1変化点K1と前方画像における走行レーンの像内の位置とを接続した線分に沿った交差部分を案内画像glの一部として前方画像に重畳してユーザI/F部45に表示させる。制御部20は、第2表示状態において、交差部分を生成するために第2変化点K2を設定する。以下、第2変化点K2について説明する。制御部20は、前方画像の横方向の中央線上において第1変化点K1よりも下方の位置に第2変化点K2を設定する。すなわち、第2変化点K2は、走行レーンを走行している車両Cの正面前方Fであって、第1変化点K1よりも後方側(手前側)の位置を示すように設定される。さらに、制御部20は、前方画像において、走行レーンと推奨レーンとの間に存在する区画線の像BLと、第1変化点K1と第2変化点K2とを結ぶ直線(交差線部分CL)とがなす鋭角θが所定角度と等しくなるように第2変化点K2を設定する。また、所定角度は前方画像に非依存であり、記録媒体30に記録されている。所定角度は90度に近いほど望ましく、本実施形態では60度とする。鋭角θは、走行レーンと推奨レーンとの間に存在する区画線の像BLと、交差線部分CLとの交点まわりに形成される4個の角のうち90度以下の小さい2個の角を指す。なお、交差線部分CLは、第1変化点K1と後方側端点BEとを結ぶ直線であっても曲線であってもよい。
表示制御部21dの機能により制御部20は、第2表示状態において、前方画像の上方から順に前方側端点FEと第1変化点K1と第2変化点K2と後方側端点BEとを接続する折れ線状の案内線GLを生成し、当該案内線GLに関して線対称となる案内画像glを生成する。図5Cは、図4Cにおける案内線GLに基づいて生成された矢印形状の案内画像glを示す図である。制御部20は、第2表示状態において、案内線GLのうち推奨レーンの像の横方向の中央線RC上の推奨レーン側案内線部分RLに関して線対称となる推奨レーン側部分rlを生成する。そして、制御部20は、推奨レーン側部分rlが前方画像における推奨レーンの像内に収まるように案内画像glの幅を設定する。すなわち、制御部20は、第2表示状態において、レーン維持状態と第1表示状態と同様に案内画像glのうち矢印の頭部の下端が設定される直線HL上において、推奨レーンの左右の区画線の像BLのそれぞれと案内線GLとの距離を特定し、当該特定した距離のうち小さい方の2倍と等しくなるように案内画像glの矢印の頭部の下端の幅を設定する。そして、制御部20は、案内線GL上における前方側端点FEからの距離に応じた比率を矢印の頭部の下端の幅に乗じることにより、案内線GL上の各位置について案内画像glの幅を特定し、当該特定した幅を有する案内画像glを生成する。なお、矢印の頭部の下端の幅は、第2表示状態における推奨レーン側部分rlの最大の幅であることとする。第2表示状態の案内画像glを生成すると、表示制御部21dの機能により制御部20は、案内画像glを前方画像に重畳してユーザI/F部45に表示させる。
図5Cに示すように、第2表示状態の案内画像glは、推奨レーン側案内線部分RLに関して線対称となる推奨レーン側部分rlと交差線部分CLに関して線対称となる交差部分clと、第2変化点K2と後方側端点BEとの結ぶ線分に関して線対称となる直近部分ALとを含む。上述のように案内線GLは走行レーンの像と推奨レーンの像とを接続する線であるため、案内線GLに関して線対称となる案内画像glも走行レーンの像と推奨レーンの像とを接続する画像となる。また、案内画像glのうち、第1表示状態における案内線GLと共通となる推奨レーン側案内線部分RLに関して線対称となる推奨レーン側部分rlは、第1表示状態における案内画像glの一部(推奨レーンの像の中央線RC上において高さHの点からの距離が長さY2以内となる部分)と共通する共通部分W(図5B,図5Cのハッチング)を構成する。一方、共通部分Wを除く部分については、第1表示状態から第2表示状態へと遷移することにより形状が変化している。なお、共通部分Wとは、第1表示状態と第2表示状態とにおいて前方画像の共通の座標に重畳される案内画像glの部分を意味するのではなく、第1表示状態と第2表示状態とにおいて共通する設定規則によって設定された座標(推奨レーンの像の中央線RC上において高さHの点からの距離が長さY2以内となる座標)に重畳される案内画像glの部分を意味する。
(1−4)レーン変更状態:
レーン変更状態とはレーン変更中における案内画像glの表示状態である。表示制御部21dの機能により制御部20は、車両Cがレーン変更を開始しており、かつ、車両Cがレーン変更を完了していない場合にはレーン変更中であると判定する。制御部20は、車両Cが走行レーンと他のレーンとを区画する区画線を跨いだ場合に、車両Cがレーン変更を開始したと判定する。具体的に、制御部20は、前方画像の下辺において中点CCを中心(中点)として存在する車幅範囲T内に走行レーンと他のレーンとを区画する区画線の像BLが一度でも存在した場合に、車両Cがレーン変更を開始したと判定する(図3C)。一方、制御部20は、前方画像の下辺における車幅範囲T内に走行レーンと他のレーンとを区画する区画線の像BLが一度も存在しなかった場合に、車両Cがレーン変更を開始していないと判定する(図3B)。なお、車幅範囲Tの幅は、車両Cの車幅の長さに対応する幅に設定されており、記録媒体30に記録されている。なお、車幅範囲Tの幅は、ユーザが入力した車両Cの車種に対応する値に設定されてもよいし、ユーザが直接入力した車幅に応じて設定されてもよい。
さらに、表示制御部21dの機能により制御部20は、前方画像の下辺における車幅範囲T内に推奨レーンの像の中央線RCが存在した場合に、車両Cがレーン変更を完了したと判定する。表示制御部21dの機能により制御部20は、車両Cがレーン変更を開始してから、車両Cがレーン変更を完了するまでの期間において、車両Cがレーン変更中であるとして、案内画像glの表示状態をレーン変更状態に設定する。
図4Dは、レーン変更状態(図3Cの場合)における案内線GLを示す図である。表示制御部21dの機能により制御部20は、レーン変更状態において、前方画像における推奨レーンの像の横方向の中央線RC上の位置、かつ、前方画像の縦方向における高さHの位置において前方側端点FEを設定する。すなわち、レーン維持状態と第1表示状態と第2表示状態と同様に、推奨レーンの幅方向の中央位置を示し、かつ、推奨レーンのレーン方向における車両Cから所定距離だけ前方の位置を示す前方側端点FEを設定する。また、表1,図4Dに示すように、制御部20は、レーン変更状態において、第2表示状態と同様に、前方画像の下辺の中点CC上に後方側端点BEを設定する。さらに、表1,図4Dに示すように、制御部20は、第2表示状態と同様に、推奨レーンの像の横方向の中央線RCにおいて前方側端点FEからの距離がY2(<Y1)となる位置に第1変化点K1を設定する。なお、表1,図4Dに示すように、制御部20は、レーン変更状態において、第2変化点K2は設定しない。
表示制御部21dの機能により制御部20は、レーン変更状態において、前方画像の上方から順に前方側端点FEと第1変化点K1と後方側端点BEとを接続する折れ線状の案内線GLを生成し、当該案内線GLに関して線対称となる案内画像glを生成する。図5Dは、図4Dにおける案内線GLに基づいて生成された矢印形状の案内画像glを示す図である。制御部20は、レーン変更状態においても第2表示状態と同様に、案内画像glのうち推奨レーンの像の横方向の中央線RC上の推奨レーン側案内線部分RL(前方側端点FEと第1変化点K1とを接続する直線)に関して線対称となる推奨レーン側部分rlが前方画像における推奨レーンの像内に収まるように、案内画像glの幅を設定する。すなわち、制御部20は、レーン変更状態において、レーン維持状態と第1表示状態と第2表示状態と同様に案内画像glのうち矢印の頭部の下端が設定される直線HL上において、推奨レーンの左右の区画線の像BLのそれぞれと案内線GLとの距離を特定し、当該特定した距離のうち小さい方の2倍と等しくなるように案内画像glの矢印の頭部の下端の幅を設定する。そして、制御部20は、案内線GL上における前方側端点FEからの距離に応じた比率を矢印の頭部の下端の幅に乗じることにより、案内線GL上の各位置について案内画像glの幅を特定し、当該特定した幅を有する案内画像glを生成する。なお、矢印の頭部の下端の幅は、レーン変更状態における推奨レーン側部分rlの最大の幅であることとする。レーン変更状態の案内画像glを生成すると、表示制御部21dの機能により制御部20は、案内画像glを前方画像に重畳してユーザI/F部45に表示させる。
図5Dに示すように、レーン変更状態においても第2表示状態と同様に、第1表示状態における案内画像glの一部と共通する共通部分Wとしての推奨レーン側部分rlを含む案内画像glを、前方画像に重畳することができる。また、レーン変更状態においても、前方側端点FEは前方画像の縦方向における高さHの位置に維持される。
前記の構成において、走行レーンと推奨レーンとが異なる場合、すなわち推奨レーンへのレーン変更が必要となる場合に、制御部20は、レーン変更の緊急度に応じて推奨レーンを案内する案内画像glの表示状態を変化させる。従って、運転者は、案内画像glに基づいて推奨レーンを認識できるとともに、案内画像glの表示状態の変化に基づいてレーン変更の緊急度を認識できる。すなわち、できるだけ早急に推奨レーンへのレーン変更をしなければならいのか、ある程度余裕を持って推奨レーンへのレーン変更をすることができるのかを運転者が認識できる。さらに、制御部20は、走行レーンと推奨レーンとが異なる場合、レーン変更の緊急度に応じて案内画像glの形状を変化させる。形状の変化は運転者に認識されやすいため、案内画像glの形状を変化させることによりレーン変更の緊急度を容易に運転者に認識させることができる。
本実施形態において、制御部20は、車両Cからレーン変更を完了すべき地点としての直近交差点までの残距離Nを特定し、当該残距離Nが小さいほどレーン変更の緊急度が大きいとする。直近交差点までの残距離Nが小さいほど、直近交差点にて走行予定経路上の退出道路へ退出できる推奨レーンへのレーン変更を完了させるべきタイミングまでの期間が短くなると判断できる。従って、レーン変更を完了させるべきタイミングまでの期間が短くなった場合に、レーン変更を促すように案内画像glの表示状態を変化させることができる。
さらに、制御部20は、レーン変更の緊急度が閾値以上となった場合、すなわち直近交差点までの残距離Nが基準値Nth以下となった場合、推奨レーンの位置を表す案内画像glを表示する第1表示状態から、レーン変更の軌跡を表す案内画像glを表示する第2表示状態へと遷移させる。このように、第2表示状態においてレーン変更の軌跡を表す案内画像glを表示させることにより、レーン変更の緊急度が大きい段階でレーン変更を運転者に強く促すことができる。一方、第1表示状態において推奨レーンの位置を表す案内画像glを表示させることより、レーン変更の緊急度が小さい段階から推奨レーンの位置を運転者に認識させることができる。さらに、レーン変更の軌跡を表さない第1表示状態から、レーン変更の軌跡を表す第2表示状態へと案内画像の形状が変化することとなるため、レーン変更の緊急度が大きくなったことを容易に認識できる。
また、制御部20は、第2表示状態において、前方画像における走行レーンの像と推奨レーンの像とを接続する案内画像glを重畳する。このように、案内画像glを走行レーンの像と推奨レーンの像とを接続する案内画像glを重畳することにより、走行レーンから推奨レーンにかけて車両Cが移動するレーン変更の軌跡を表現することができる。一方、制御部20は、第1表示状態において、案内画像glの全体を前方画像における推奨レーンの像内に重畳する。案内画像glの全体が推奨レーンの像内に位置することにより、推奨レーンの位置を認識できる。また、案内画像glの全体が推奨レーンの像内に位置することにより、案内画像glが推奨レーンの像から他のレーンの像にはみ出ないようにすることができ、案内画像glがレーンの間の移動軌跡を表すことが防止できる。すなわち、レーン変更の緊急度が小さい段階で、案内画像glがレーン変更の軌跡を表しているような印象を与えることを防止できる。さらに、全体が単一のレーン(推奨レーン)の像内に収まる第1表示状態から、複数のレーン(走行レーンと推奨レーン)の像同士を接続する第2表示状態へと案内画像glの形状が変化することとなるため、レーン変更の緊急度が大きくなったことを容易に認識できる。
また、制御部20は、第2表示状態において、第1表示状態にて前方画像における推奨レーンの像内に重畳してユーザI/F部45に表示させた案内画像glの一部である共通部分W(推奨レーン側部分rl)を含む案内画像glを前方画像に重畳する。これにより、第1表示状態から第2表示状態へと遷移しても、継続して同一の推奨レーンが案内されているように運転者に認識させることができる。
また、制御部20は、第1表示状態において、案内画像glを前方画像における推奨レーンの像の横方向の中央線RC上に重畳する。案内画像glを推奨レーンの像の横方向の中央線上に重畳することにより、推奨レーンの像内において案内画像glを他のレーンから遠い位置に重畳することができる。従って、案内画像glが推奨レーンの像以外のレーンの像を表しているように運転者が誤認することが防止できる。一方、制御部20は、第2表示状態において、案内画像glの一部を構成する推奨レーン側部分rlを前方画像における推奨レーンの像の横方向の中央線RC上に重畳する。従って、推奨レーン側部分rlが推奨レーンの像以外のレーンの像を表しているように運転者が誤認することが防止できる。さらに、制御部20は、第2表示状態において、前方画像における推奨レーン側部分rlの後方側の端点である第1変化点K1と前方画像における走行レーンの像内の位置に設定された第2変化点K2とを接続した交差線部分CLに沿った交差部分clを案内画像glの一部として前方画像に重畳する。これにより、走行レーンから推奨レーンにかけて車両Cが移動する軌跡を交差部分clによって表すことができ、交差部分clを含む案内画像glによってレーン変更の軌跡を表現することができる。
さらに、制御部20は、案内画像glの前方側端点FEの位置を前方画像における一定の高さに設定する。これにより、車両Cを移動させる目標の位置であると認識される前方側端点FEが車両Cを移動させる目標の位置が車両Cに対して遠ざかったり近づいたりして違和感を生じさせることを防止できる。
(2)レーン案内表示処理:
図6はレーン案内表示処理のフローチャートである。レーン案内表示処理は、制御部20が所定の時間周期で前方画像を取得するごとに実行するループ処理である。制御部20は、カメラ44にて撮影された前方画像を取得する(ステップS100)。次に、レーン像特定部21cの機能により制御部20は、前方画像において車両Cが現在走行している走行レーンの像を特定する(ステップS105)。具体的に、レーン像特定部21cの機能により制御部20は、前方画像における区画線の像の画像認識により特定したレーンの像のうち、前方画像の下辺の中点CCから最も近いレーンの像を走行レーンの像として特定する。さらに、制御部20は、前方画像において車両Cが走行すべき推奨レーンの像を特定する(ステップS110)。具体的に、推奨レーン取得部21bの機能により制御部20は、走行予定経路上において直近交差点にて退出すべき退出道路へと退出できる走行道路上のレーンを推奨レーンとして取得する。そして、レーン像特定部21cの機能により制御部20は、前方画像にて認識したレーンの像のうち、推奨レーンのレーン番号に対応するレーンの像を推奨レーンの像として特定する。
次に、表示制御部21dの機能により制御部20は、レーンの跨ぎ状態を特定する(ステップS115)。具体的に、制御部20は、前方画像の下辺における車幅範囲Tと、前方画像の下辺における走行レーンと他のレーンとを区画する区画線の像BLの位置とを特定する(図3A〜3C)。そして、表示制御部21dの機能により制御部20は、レーン変更中であるか否かを判定する(ステップS120)。具体的に、表示制御部21dの機能により制御部20は、車両Cがレーン変更を開始しており、かつ、車両Cがレーン変更を完了していない場合にはレーン変更中であると判定する。制御部20は、前方画像の下辺における車幅範囲T内に走行レーンと他のレーンとを区画する区画線の像BLが一度でも存在した場合に、車両Cがレーン変更を開始したと判定する。一方、制御部20は、前方画像の下辺における車幅範囲T内に推奨レーンの像の中央線RCが存在した場合に、車両Cがレーン変更を完了したと判定する。
レーン変更中であると判定しなかった場合、表示制御部21dの機能により制御部20は、走行レーンと推奨レーンとが異なるか否かを判定する(ステップS125)。具体的に、表示制御部21dの機能により制御部20は、走行レーンのレーン番号と推奨レーンのレーン番号とが異なるか否かを判定する。走行レーンと推奨レーンとが異なると判定しなかった場合、表示制御部21dの機能により制御部20は、案内画像glの表示状態をレーン維持状態に設定する(ステップS130)。すなわち、制御部20は、レーン変更が必要でない場合に、案内画像glの表示状態をレーン維持状態に設定する。
案内画像glの表示状態をレーン維持状態に設定すると、表示制御部21dの機能により制御部20は、前方側端点FEと後方側端点BEとを設定する(ステップS135)。具体的に、制御部20は、前方画像における推奨レーンの像の横方向の中央線RC上の位置、かつ、前方画像の縦方向における高さHの位置において前方側端点FEを設定する(図4A)。また、制御部20は、推奨レーンの像の横方向の中央線RCの下端に後方側端点BEを設定する(図4A)。これにより、走行レーンと同一のレーンである推奨レーンの幅方向の中央位置を示す前方側端点FEと後方側端点BEとが設定できる。
次に、表示制御部21dの機能により制御部20は、レーン維持状態の案内画像glを生成する(ステップS137)。具体的に、表示制御部21dの機能により制御部20は、前方側端点FEと後方側端点BEとを接続し、推奨レーンの像の横方向の中央線RCに沿った案内線GLを生成し、当該案内線GLに関して線対称となる矢印形状の案内画像glを生成する。そして、表示制御部21dの機能により制御部20は、案内画像glを前方画像に重畳してユーザI/F部45に表示させる(ステップS140,図5A)。レーン維持状態において、案内画像glは走行レーン(推奨レーン)の中央線UC(中央線RC)上に常に位置する前方側端点FEと後方側端点BEとを接続し、推奨レーンの像の横方向の中央線RCに沿った矢印となる。矢印形状の案内画像glは、車両Cの位置に応じて走行レーンの区画線の像BLに近づいたり離れたりしないため、案内画像glが視認しやすい。また、前方画像の縦方向の一定の高さHに前方側端点FEが維持されるため、前方側端点FEが車両Cから遠ざかったり近づいたりして違和感を生じさせることを防止できる。
ステップS125において走行レーンと推奨レーンとが異なると判定した場合、表示制御部21dの機能により制御部20は、車両Cから直近交差点までの残距離Nを特定する(ステップS145)。そして、表示制御部21dの機能により制御部20は、直近交差点までの残距離Nが基準値Nth以下であるか否かを判定する(ステップS150)。すなわち、レーン変更が必要であり、かつ、まだレーン変更中でない場合に、制御部20は、レーン変更の緊急度が閾値以上であるか否かを判定する。
そして、車両Cから直近交差点までの残距離Nが基準値Nth以下であると判定しなかった場合、表示制御部21dの機能により制御部20は、案内画像glの表示状態を第1表示状態に設定する(ステップS155)。すなわち、制御部20は、レーン変更が必要であり、まだレーン変更中でなく、かつ、レーン変更の緊急度が小さい場合に、案内画像glの表示状態を第1表示状態に設定する。
案内画像glの表示状態を第1表示状態に設定すると、表示制御部21dの機能により制御部20は、前方側端点FEと後方側端点BEとを設定する(ステップS160)。具体的に、制御部20は、前方画像における推奨レーンの像の横方向の中央線RC上の位置、かつ、前方画像の縦方向における高さHの位置において前方側端点FEを設定する(図4B)。また、制御部20は、推奨レーンの像の横方向の中央線RCにおいて前方側端点FEからの距離がY1となる位置に後方側端点BEを設定する(図4B)。これにより、推奨レーンの幅方向の中央位置を示す前方側端点FEと後方側端点BEとが設定できる。
次に、表示制御部21dの機能により制御部20は、第1表示状態の案内画像glを生成する(ステップS162)。具体的に、表示制御部21dの機能により制御部20は、前方側端点FEと後方側端点BEとを接続し、推奨レーンの像の横方向の中央線RCに沿った案内線GLを生成し、当該案内線GLに関して線対称となる矢印形状の案内画像glを生成する。このとき、制御部20は、案内画像gl全体が推奨レーンの像内に位置するように、案内画像glの矢印の頭部の下端の幅を設定する。そして、表示制御部21dの機能により制御部20は、案内画像glを前方画像に重畳してユーザI/F部45に表示させる(ステップS140,図5B)。第1表示状態において、矢印形状の案内画像glは、推奨レーンの横方向の中央線RC上に常に位置する前方側端点FEと後方側端点BEとを接続し、推奨レーンの像の横方向の中央線RCに沿った矢印となる。矢印形状の案内画像glは、車両Cの位置に応じて推奨レーンの区画線の像BLに近づいたり離れたりしないため、案内画像glにより推奨レーンの位置を容易に認識できる。また、第1表示状態において、矢印形状の案内画像glは、全体が推奨レーンの像内に位置し、推奨レーンの像から他のレーンの像にはみ出すことがないため、レーン変更の軌跡を表しているような印象を与えることはない。すなわち、レーン変更の緊急度が小さい段階で、レーン変更を運転者に強く促すことを防止できる。また、前方画像の縦方向の一定の高さHに前方側端点FEが維持されるため、前方側端点FEが車両Cから遠ざかったり近づいたりして違和感を生じさせることを防止できる。
一方、ステップS150において車両Cから直近交差点までの残距離Nが基準値Nth以下であると判定した場合、表示制御部21dの機能により制御部20は、案内画像glの表示状態を第2表示状態に設定する(ステップS165)。すなわち、制御部20は、レーン変更が必要であり、まだレーン変更中でなく、かつ、レーン変更の緊急度が大きい場合に、案内画像glの表示状態を第2表示状態に設定する。
案内画像glの表示状態を第2表示状態に設定すると、表示制御部21dの機能により制御部20は、前方側端点FEと後方側端点BEとを設定する(ステップS170)。具体的に、制御部20は、前方画像における推奨レーンの像の横方向の中央線RC上の位置、かつ、前方画像の縦方向における高さHの位置において前方側端点FEを設定する(図4C)。また、制御部20は、前方画像の下辺の中点CCに後方側端点BEを設定する(図4C)。これにより、推奨レーンの幅方向の中央位置を示す前方側端点FEと、車両C(カメラ44)が現在走行している位置を示す後方側端点BEとが設定できる。
次に、表示制御部21dの機能により制御部20は、第1変化点K1を設定する(ステップS175)。具体的に、制御部20は、推奨レーンの像の横方向の中央線RCにおいて前方側端点FEからの距離がY2となる位置に第1変化点K1を設定する(図4C)。次に、表示制御部21dの機能により制御部20は、第2変化点K2を設定する(ステップS180)。具体的に、制御部20は、前方画像の横方向の中央線上において第1変化点K1よりも下方の位置に第2変化点K2を設定する(図4C)。より具体的に、制御部20は、前方画像において、走行レーンと推奨レーンとの間に存在する区画線の像BLと、第1変化点K1と第2変化点K2とを結ぶ交差線部分CLとがなす鋭角θが所定角度と等しくなるように第2変化点K2を設定する。
次に、表示制御部21dの機能により制御部20は、第2表示状態の案内画像glを生成する(ステップS182)。具体的に、表示制御部21dの機能により制御部20は、前方画像の上方から順に前方側端点FEと第1変化点K1と第2変化点K2と後方側端点BEとを接続する折れ線状の案内線GLを生成し、当該案内線GLに関して線対称となる案内画像glを生成する。そして、表示制御部21dの機能により制御部20は、案内画像glを前方画像に重畳してユーザI/F部45に表示させる(ステップS140,図5C)。第2表示状態において、矢印形状の案内画像glは、第1変化点K1と第2変化点K2とを結ぶ交差線部分CLに関して線対称となる交差部分clが走行レーンから推奨レーンへと移動する車両Cの軌跡を表現でき、交差部分clを含む案内画像glによりレーン変更の軌跡を表現できる。特に、走行レーンと推奨レーンとの間に存在する区画線の像BLと、第1変化点K1と第2変化点K2とを結ぶ交差線部分CLとがなす鋭角θが所定角度と等しくなるため、区画線と交差する方向に車両Cを走行させてレーン変更すべきことを明確に認識できる。従って、レーン変更の緊急度が大きい場合に、レーン変更を運転者に強く促すことができる。
また、推奨レーンの像の中央線RC上に設定された前方側端点FEと第1変化点K1とを結ぶ推奨レーン側案内線部分RLに関して線対称となる推奨レーン側部分rlは、車両Cの位置に応じて推奨レーンの区画線の像BLに近づいたり離れたりしないため、推奨レーン側部分rlにより推奨レーンの位置を容易に認識できる。また、推奨レーン側部分rlの長さは、一定の長さY2だけ確保されるため、推奨レーンの位置を容易に認識できる。また、前方画像の縦方向の一定の高さHに前方側端点FEが維持されるため、前方側端点FEが車両Cから遠ざかったり近づいたりして違和感を生じさせることを防止できる。さらに、第1表示状態と第2表示状態とにおいて共通部分W(第2表示状態の推奨レーン側部分rl)が推奨レーンの像内に表示されるため、第1表示状態から第2表示状態に遷移して案内画像glの形状が変化しても、推奨レーンが変化していないことを容易に認識できる。
ステップS120において車両Cがレーン変更中であると判定した場合、表示制御部21dの機能により制御部20は、案内画像glの表示状態をレーン変更状態に設定する(ステップS185)。案内画像glの表示状態をレーン変更状態に設定すると、表示制御部21dの機能により制御部20は、前方側端点FEと後方側端点BEとを設定する(ステップS190)。具体的に、制御部20は、前方画像における推奨レーンの像の横方向の中央線RC上の位置、かつ、前方画像の縦方向における高さHの位置において前方側端点FEを設定する(図4D)。また、制御部20は、前方画像の下辺の中点CCに後方側端点BEを設定する(図4D)。これにより、推奨レーンの幅方向の中央位置を示す前方側端点FEと、車両C(カメラ44)が現在走行している位置を示す後方側端点BEとが設定できる。
次に、表示制御部21dの機能により制御部20は、第1変化点K1を設定する(ステップS195)。具体的に、制御部20は、推奨レーンの像の横方向の中央線RCにおいて前方側端点FEからの距離がY2となる位置に第1変化点K1を設定する(図4D)。
次に、表示制御部21dの機能により制御部20は、レーン変更状態の案内画像glを生成する(ステップS197)。具体的に、表示制御部21dの機能により制御部20は、前方画像の上方から順に前方側端点FEと第1変化点K1と後方側端点BEとを接続する折れ線状の案内線GLを生成し、当該案内線GLに関して線対称となる案内画像glを生成する。そして、表示制御部21dの機能により制御部20は、案内画像glを前方画像に重畳してユーザI/F部45に表示させる(ステップS140,図5D)。
レーン変更状態において、推奨レーンの像の中央線RC上に設定された前方側端点FEと第1変化点K1とを結ぶ推奨レーン側案内線部分RLに関して線対称となる推奨レーン側部分rlは、車両Cの位置に応じて推奨レーンの区画線の像BLに近づいたり離れたりしないため、推奨レーン側部分rlにより推奨レーンの位置を容易に認識できる。また、前方画像の縦方向の一定の高さHに前方側端点FEが維持されるため、前方側端点FEが車両Cから遠ざかったり近づいたりして違和感を生じさせることを防止できる。なお、第1表示状態と第2表示状態において推奨レーンが案内されているため、ほとんどの場合、車両Cは推奨レーンへのレーン変更を行っていることとなる。仮に、車両Cが走行レーンの区画線のうち推奨レーンと反対の区画線を跨いだ場合や、走行レーンと推奨レーンとが一致する状態で不必要に走行レーンの区画線を跨いだ場合でも、レーン変更状態において推奨レーン側部分rlによって推奨レーンを案内できる。特に、レーン変更状態では、後方側端点BEが車両Cの位置を示すため、推奨レーン側部分rlに対する後方側端点BEの位置の推移に基づいて適切なレーン変更を行っているか否かを判断できる。
(3)他の実施形態:
制御部20は、走行レーンと推奨レーンとが異なる場合、レーン変更の緊急度が閾値以上であるか否かを判定することなく、レーン変更の緊急度に応じて案内画像glの表示状態を変化させてもよい。すなわち、制御部20は、案内画像glを第1表示状態から第2表示状態へと遷移させることなく、レーン変更の緊急度が大きいほど、案内画像glの色を鮮明(高彩度、高明度)にしたり、案内画像glの透明度を低くしたり、注意を惹く位置に案内画像glを移動させたりしてもよい。さらに、制御部20は、走行レーンと推奨レーンとが異なる場合、レーン変更の緊急度が大きいほど、案内画像glを拡大したり、案内画像glの幅を拡幅してもよい。これらの場合、制御部20は、レーン変更の緊急度に応じて、案内画像glの色を透明度や位置や大きさや幅を連続的に変化させてもよい。また、制御部20は、レーン変更の緊急度に応じて、案内画像glが表す線の線種(破線、実線等)を変化させてもよいし、案内画像glの表示期間(点滅表示、連続表示等)を変化させてもよい。さらに、制御部20は、前記実施形態の第1表示状態のようにレーン変更の軌跡を表さない案内画像glの形状を維持したまま、当該案内画像glの色や透明度や位置をレーン変更の緊急度に応じて変化させてもよい。同様に、制御部20は、前記実施形態の第2表示状態のようにレーン変更の軌跡を表す案内画像glの形状を維持したまま、当該案内画像glの色や透明度や位置をレーン変更の緊急度に応じて変化させてもよい。さらに、制御部20は、第1表示状態において、推奨レーンの像と同一形状の案内画像glを生成し、当該案内画像glを推奨レーンの像の全体に重畳することにより、推奨レーンの像を塗りつぶすような表示を行ってもよい。さらに、制御部20は、第2表示状態において、レーン変更の軌跡を表す矢印形状の案内画像glを前方画像に重畳すれば、案内画像glの変化を容易に認識させることができる。
残距離Nは、車両Cからレーン変更を完了すべき地点までの距離であればよく、法令上、レーン変更が可能であると定められているレーン変更可能区間の終点までの距離であってもよい。例えば、地図情報30aのリンクデータにレーン変更が禁止されているレーン変更禁止区間(進路変更禁止区間)を特定する情報を記録しておき、制御部20は、直近交差点の手前におけるレーン変更禁止区間の始点の位置を取得してもよい。そして、制御部20は、車両Cから直近交差点の手前におけるレーン変更禁止区間の始点までの距離を残距離Nとして特定してもよい。むろん、トンネル内や急カーブ等におけるレーン変更禁止区間の始点までの距離を残距離Nとして特定してもよい。さらに、レーン変更を完了すべき地点とは、渋滞における車両の列や交差点の手前において滞留している車両の列の最後尾の地点であってもよい。例えば、制御部20は、前方画像の画像認識によって推奨レーン上の停止車両の像の位置を特定し、当該推奨レーン上の停止車両の像の位置に基づいて、渋滞における車両の列や交差点の手前において滞留している車両の列の最後尾の地点の位置を特定してもよい。さらに、制御部20は、サーバ等から取得した交通量情報に基づいて車両の列の最後尾の地点の位置を特定してもよい。
制御部20は、レーン変更をすべきタイミングまでの期間を予測し、当該予測した期間が短いほどレーン変更の緊急度が大きい特定してもよい。例えば、制御部20は、残距離Nを車速や制限車速で除算することによりレーン変更をすべきタイミングまでの期間を予測し、当該予測した期間が短いほどレーン変更の緊急度が大きい特定してもよい。
なお、制御部20は、残距離Nが基準値Nth以下となった場合に、第1表示状態の案内画像gl(図5B)から第2表示状態の案内画像gl(図5C)へと遷移させるが、遷移時における案内画像glの変化が不自然に感じされないようにしてもよい。例えば、制御部20は、残距離Nが基準値Nth以下となった場合に、案内画像glの長さが第2表示状態の推奨レーン側部分rlの長さY2となるまで徐々に短くなるようにしてもよい。また、制御部20は、第1表示状態の案内画像glのうち共通部分Wを除く部分について、残距離Nが基準値Nth以下となった場合に、100%となるまで徐々に透明度を高くしてもよい。一方、制御部20は、第2表示状態の案内画像glのうち共通部分W(推奨レーン側部分rl)を除く部分について、残距離Nが基準値Nth以下となった場合に、100%から推奨レーン側部分rlと同一の透明度となるまで徐々に透明度を低くしてもよい。さらに、残距離Nが基準値Nth以下となった場合に、第1表示状態から第2表示状態へと遷移したことを報知する画像や音声をユーザI/F部45にて出力してもよい。
前記実施形態においては、第1表示状態における案内画像glの長さをY1に維持したが、制御部20は、残距離Nが小さいほど案内画像glの長さを長くしてもよい。同様に、制御部20は、第2表示状態において、残距離Nが小さいほど推奨レーン側部分rlの長さを長くしてもよい。このように案内画像glのうち推奨レーンの像上に重畳される部分を長くすることにより、走行レーンと異なるレーンが推奨レーンであることを強調して案内できる。また、制御部20は、第2表示状態において、残距離Nが小さいほど、走行レーンと推奨レーンとの間に存在する区画線の像BLと、交差線部分CLとの交点まわりに形成される鋭角θが90度に近くなるように第2変化点K2を設定してもよい。鋭角θが90度に近くなるほど、短距離で完了するレーン変更の軌跡を表すことができ、レーン変更の緊急度が大きいことを認識できる。なお、走行レーンと推奨レーンとの間に他のレーンが存在する場合、交差線部分CLは走行レーンと推奨レーンとの間に存在する複数の区画線の像BLと交差することとなる。この場合、制御部20は、交差線部分CLと複数の区画線の像BLとの交点まわりの鋭角θのうち、角度が最小の鋭角θが所定角度となるように第2変化点K2を設定してもよい。さらに、第1表示状態における案内画像glの長さをY1は、第2表示状態における推奨レーン側部分rlの長さY2と同じであってもよいし、第2表示状態における推奨レーン側部分rlの長さY2よりも短くてもよい。
なお、前記実施形態のレーン変更状態においては、残距離Nが基準値Nth以下であるか否かに拘わらず、案内画像glの表示状態を遷移させないようにしたが、レーン変更状態においても残距離Nに応じて案内画像glの表示状態を遷移させてもよい。例えば、レーン変更状態において、残距離Nが基準値Nthよりも大きい場合には、制御部20は、第1表示状態(図5B)と同様に、案内画像glの全体を推奨レーンの像の横方向の中央線RC上に重畳してもよい。
さらに、制御部20は、前方側端点FEを前方画像における一定の高さHに維持しなくてもよく、前方側端点FEの位置を残距離Nに応じて変化させてもよい。また、第1表示状態において案内画像glが推奨レーンの像の横方向の中央線RC上に重畳されればよく、必ずしも案内画像glは推奨レーンの像の横方向の中央線RCに関して線対称な形状でなくてもよい。同様に、第2表示状態において推奨レーン側部分rlが推奨レーンの像の横方向の中央線RC上に重畳されればよく、必ずしも推奨レーン側部分rlは推奨レーンの像の横方向の中央線RCに関して線対称な形状でなくてもよい。むろん、案内画像glは矢印形状でなくてもよく、線状または折れ線状であってもよい。
また、第1表示状態において案内画像glが推奨レーン以外の像を示しているように誤認されなければよく、案内画像glは推奨レーンの像の横方向の中央線RC上に重畳されなくてもよい。同様に、第2表示状態において推奨レーン側部分rlが推奨レーン以外の像を示しているように誤認されなければよく、推奨レーン側部分rlは推奨レーンの像の横方向の中央線RC上に重畳されなくてもよい。また、第2表示状態とレーン変更状態とにおいて、制御部20は、案内線GLのうち推奨レーン側案内線部分RLを第1変化点K1まわりに回転補正してもよい。例えば、制御部20は、第2表示状態とレーン変更状態とにおいて、案内画像glの頭部の下端と推奨レーンの左側の区画線の像BLとの間の隙間の横方向の幅と、案内画像glの頭部の下端と推奨レーンの右側の区画線の像BLとの間の隙間の横方向の幅との差を抑制するように、推奨レーン側案内線部分RLを第1変化点K1まわりに回転補正してもよい。
前方画像は、地図情報30aに基づいて前方風景を描画することにより得られてもよい。地図情報30aに基づいて前方風景を描画する場合、前方画像と同時に案内画像glを描画するようにしてもよい。ここで、案内画像glを前方風景に重畳してユーザI/F部45に表示させるとは、案内画像glをユーザI/F部45に表示させることにより、結果的に案内画像glを前方風景に重畳することであってもよい。例えば、ユーザI/F部45は、少なくとも案内画像glを表示すればよく、前方画像を表示しなくてもよい。すなわち、ユーザI/F部45は、案内画像glを、車両のフロントガラス越しに運転者が視認する現実の前方風景に重畳してもよい。例えば、ユーザI/F部45を半透過型とし、ユーザI/F部45から現実の前方風景が透けて見えるようにすることにより、案内画像glを現実の前方風景に重畳してもよい。
上述したように本発明においては、必ずしも案内画像glを第1表示状態から第2表示状態へと遷移させなくてもよい。また、案内画像glを第1表示状態から第2表示状態へと遷移させる場合において、必ずしもレーン維持状態とレーン変更状態の案内画像glを表示させなくてもよい。少なくとも案内画像glを第1表示状態から第2表示状態へと遷移させれば、レーン変更の緊急度を運転者に認識させることができるからである。例えば、図6に示すレーン案内表示処理において、ステップS120,S185〜S197を省略することにより、レーン変更状態の案内画像glを表示させなくてもよい。さらに、図6に示すレーン案内表示処理において、ステップS130〜S137を省略することにより、レーン維持状態の案内画像glを表示させなくてもよい。