JP6089264B1 - ベルトクリーナ - Google Patents

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Abstract

【課題】戻り側ベルトは幅方向に凹凸があるため、幅の広いベルトにベルトクリーナの掻き取り部を正確に当接させるのは困難であった。掻き板の幅を小分割した四角形棒状ゴム製弾性体を、ボルトで押し上げて、高さ調整をする方法があるが、四角形棒状ゴム製弾性体の数が多くなり、時間を要することや、戻り側ベルトの下部での作業となり、安全面や環境面で問題があった。【解決手段】四角形棒状ゴム製弾性体にスプリングを装着した固定用軸を取付け、架台の底板に設けたガイド穴に挿入することにより、四角形棒状ゴム製弾性体を簡単に架台に列設できるようにし、四角形棒状ゴム製弾性体を、スプリングが設定撓み量になるまで押し上げることにより、自動的に四角形棒状ゴム製弾性体と戻り側ベルトを、適切な押し付け状態に調整できるようにした。又、架台両端のスラストボルトを締め付けて、四角形棒状ゴム製弾性体を固定できるようにした。【選択図】図1

Description

本発明は原材料の輸送に用いるベルトコンベアの戻り側ベルト表面に付着した付着物を掻き取るベルトクリーナであり、ベルトの形状に合わせて掻き取り部の高さ調整を可能にしたベルトクリーナに関するものである。
一般にベルトコンベアは駆動プーリと従動プーリとの間に所定幅のゴム製ベルトをエンドレスに巻き付け、駆動プーリを回転させることによりベルトを両プーリ間で周回運動させるものである。通常搬送物はキャリアベルト(搬送側ベルト)に載せて搬送され、駆動プーリ側で払い出されリターンベルト(戻り側ベルト)となり従動プーリへ戻るが、戻り側ベルト表面に付着した搬送物(ベルトへの付着物)が途中で落下し、戻り側ベルト下に堆積する問題があった。又、付着物はリターンローラやスナッププーリを摩耗させたり、これらのローラに付着し、戻り側ベルトを蛇行させたりする問題があった。
通常、戻り側ベルトの付着物を効率的に掻き落として回収するために、戻り側ベルトの最先端にベルトクリーナを設置している。ベルトクリーナには、固定された掻き板を戻り側ベルトに押し付けることにより付着物を掻き板で掻き取るスクレーパ式、ブラシを戻り側ベルトに接触させるブラシ方式、高圧の流体を吹き付ける洗浄方式などがあるが、構造が簡単で取り換えの容易なスクレーパ方式が多用されている。
コンベアベルトは使用するにつれ徐々に摩耗するが、均一に摩耗するのではなく中央部が選択的に大きく摩耗する。従ってベルトが古くなるとベルト中央部と端部では数ミリの厚み差が生じる。又、機長の長いベルトになると、コストや作業時間の制約の点からベルトの取り換えを全長に渡り一括してやらない場合もあり、中央部が大きく摩耗している古いベルトと摩耗していない新しいベルトが混在することもある。摩耗状態が不均一なベルトに対して、ベルトクリーナの高さ調整は、摩耗の一番大きな部分に合わせることになるが、押圧力はベルトの幅方向で不均一になってしまう。又、ベルトのエンドレス部(繋ぎ部)は経年的に剥離してエンドレス端部が剥がれてくる。この剥がれ部は戻り側ベルト表面から突き出ているのでベルトクリーナの撓み限界を超えるとベルトクリーナを破損する危険性がある。又、ベルトクリーナの押圧力が大きいとエンドレスの剥がれを助長したりしてベルト損傷の要因となる。従って、ベルトクリーナはベルト表面の付着物を掻き取るために不可欠であるが、適切な取り付けや使用方法を逸脱するとベルトを破損させ生産障害を起こす場合がある。今まで様々な形状、機能のベルトクリーナが提案されているが未だメンテナンスフリーで掻き取り効率に優れたベルトクリーナは具現化されていない。
スクレーパ式のベルトクリーナに必要な要件は以下である。(1)ベルトクリーナを戻り側ベルトの表面に取り付ける際に、戻り側ベルトの幅方向の凹凸に対して、クリーナの掻き取り部(チップ)を精密に当接できるようにする。(2)チップの摩耗による掻き取り性能の低下に合わせて、チップが上昇し、自動的に掻き取り性能を回復できるようにする。(3)戻り側ベルトの強固な付着物やエンドレス部(接続部)の剥離に対して、チップが戻り側ベルトの走行方向に大きく撓んで、障害物を瞬時にやり過ごしてベルトクリーナの破損を回避すると同時に、正常な掻き取り状態に瞬時に復帰できる。(4)長期間にわたり確実に付着物を掻き取ることができる。(5)チップの寿命が長く、交換が容易である。(6)ベルトクリーナの調整周期や取り換え周期が長く、調整や取付け取り外しが容易である。(7)ベルトクリーナ本体に付着物が付着しない、もしくは付着物の量が極めて少ない。以上の特性を満足しようとして従来多種多様のベルトクリーナが提案されているが、満足できる方法は具現化されていない。
特開平11−292250号広報において、長方形の掻き板を戻り側ベルトに押し当てて、付着物を掻き取る方法が示されている。この方法においては、凸円弧状の変形をしている戻り側ベルトに正確に当接できず掻き取り残しが発生していた。又、掻き板が摩耗して掻き取り性能が低下した場合は、コンベアを停止して、掻き板と戻り側ベルトの当接状態を調整する必要があった。又、掻き板は剛性が大きく柔軟に撓めないため、エンドレスのめくれやベルトに付着した突起物が衝突した際に、ベルトや掻き板を損傷させる問題があった。
特開2013−252976号広報において、スクレーパ式のクリーナの問題点を解決するために四角形棒状ゴム製弾性体の先端にチップを取り付けたクリーナが開示されている。この方法においては、戻り側ベルトの強固な付着物やエンドレスのめくれなどの突起を瞬時に回避可能であるが、実機取り付けの際に、戻り側ベルトの上側に凸円弧状の形状に追随するためのチップの高さ調整が困難であった。
実開昭52−144590号広報において、ベルトの幅方向に列設した複数のスクレーパを板バネで支持し、板バネをセットボルトで弾性的に撓ませてスクレーパの高さ調整をするベルトクリーナが示されている。この方法においては、板バネが円弧状に上昇すると、スクレーパが扇形に開き、スクレーパの先端に隙間が生じ、線状の掻き取り残しが発生していた。又、スクレーパの剛性が大きい場合は、戻り側ベルトの突起物を瞬時に撓んで回避できないため、ベルトやベルトクリーナが損傷していた。又、ボルトの本数が少ないので、掻き取り部を精密に戻り側ベルトの表面に当接させることは出来ず、掻き取り性能が低下していた。
特開2013−23353号広報において、掻き取りブロック同士を互いに分離しないようにワイヤで連結し、掻き取りブロックをボルトなどの位置決め部材で支持したベルトクリーナが示されている。この方法によれば、ワイヤが緩んでいるときは、掻き取りブロック同士が分離したり、掻き取りブロックの先端が扇形に開き線状の掻き取り残しが生じたりする問題があった。又、掻き取りブロックが金属酸化物の焼結体の場合は、掻き取りブロックの剛性が大きいため、戻り側ベルトの突起物を瞬時に撓んで回避できず、ベルトやベルトクリーナが損傷していた。又、ボルト調整するためには、戻り側ベルトの下部に人願が入り込んで作業しなければならず、安全面や環境面で問題があった。又、多数のボルトを調整して、掻き取り部を戻り側ベルトに当接するには多大な時間を要し、長期のコンベア停止時間が必要であった。
特開2013−196350号広報において、押し側板と受け側板からなる架台の溝に、スティックを列設し、押し側板に設けた複数のボルトで、押え板を押し込んでスティックを固定する方法が示されている。この方法では、スティックの高さ調整ができないため、スティックと戻り側ベルトが正確に当接できず掻き取り残しが発生していた。
特開平11−292250号広報 特開2013−252976号広報 実開昭52−144590号広報 特開2013−23353号広報 特開2013−196350号広報
本発明は以下の課題を解決するものである。(1)ベルトクリーナの掻き取り部の高さ調整を、戻り側ベルトの下部に人間が入ることなく可能とする。(2)ベルトクリーナの掻き取り部である四角形棒状ゴム製弾性体の高さを、実機取り付けの際に、戻り側ベルトの形状に合わせて自動的に調整可能にする。(3)それぞれの四角形棒状ゴム製弾性体の高さを、個別に調整できるようにする。(4)掻き取り部(チップ)の摩耗に合わせて、自動的にチップが上昇し、チップと戻り側ベルトの表面が常に適切に当接できるようにする。(5)四角形棒状ゴム製弾性体が戻り側ベルトの突起物により大きく撓んだ際にきちんと通常の掻き取り位置に復帰できるようにする。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、複数の四角形棒状ゴム製弾性体が、戻り側ベルトの幅方向に配設された架台の溝に列設されたベルトクリーナにおいて、それぞれの前記四角形棒状ゴム製弾性体の固定側端末に、前記四角形棒状ゴム製弾性体の中心軸方向に固定用軸が取り付けられており、該固定用軸は、前記架台の底板に設けた保持用ガイド穴に挿入され、前記四角形棒状ゴム製弾性体を垂直に保持しており、且つ、前記固定用軸には、スプリングが挿入されており、該スプリングは、前記四角形棒状ゴム製弾性体の固定側端と前記底板の間に挟まれており、前記架台の両端にフランジが設けられ、該フランジには、戻り側ベルトの幅方向に貫通孔が設けられ、該貫通孔にはネジが設けられ、該ネジにはスラストボルトが回転自在に取り付けられており、前記四角形棒状ゴム製弾性体を上方に押し上げ、前記スプリングを撓ませて、前記四角形棒状ゴム製弾性体と前記戻り側ベルトを当接せしめた後、前記スラストボルトを前記四角形棒状ゴム製弾性体に押し付けて、前記四角形棒状ゴム製弾性体のスラスト方向と垂直方向の動きを固定したことを特徴とするベルトクリーナである。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記フランジには、前記架台を支持するための支持用パイプが取り付けられており、前記スラストボルトは、前記支持用パイプに収納されていることを特徴とするベルトクリーナである。
第1の解決手段による効果は以下である。(1)四角形棒状ゴム製弾性体を戻り側ベルトに押し当てることにより、スプリングが撓んで、四角形棒状ゴム製弾性体と戻り側ベルトが適切な圧着力を有した状態で精密に当接できる。この状態で、スラストボルトをネジ込んで、四角形棒状ゴム製弾性体を押し付けることにより、隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体が、スラスト方向(戻り側ベルトの幅方向)に圧着されるので、四角形棒状ゴム製弾性体が垂直方向とスラスト方向に拘束され、位置決めすることができる。(2)スラストボルトはベルトコンベアの外から操作できるので、安全作業が可能である。(3)四角形棒状ゴム製弾性体の固定側端末に固定用軸が取り付けられ、固定用軸は底板の保持用ガイド穴に挿入されているので、四角形棒状ゴム製弾性体を垂直に且つ強固に架台に取り付けることができる。(4)四角形棒状ゴム製弾性体と固定用軸が一体となっているので、固定用軸を底板の保持用ガイド穴に挿入するだけで、四角形棒状ゴム製弾性体と架台を正確に且つ簡単に組立てることができる。(5)戻り側ベルトの進行方向の摩擦力(水平力)に対して、保持用ガイド穴と固定用軸の間にモーメントが作用することから、四角形棒状ゴム製弾性体がすっぽ抜けなくなる。
第2解決手段による効果は以下である。(1)スラストボルトが支持パイプ内に収納されているので、ダスト付着や腐食が低減され、長期に渡りスラストボルトを健全な状態に維持できる。(2)スラストボルトが支持パイプに収納されているので、ベルトクリーナをコンパクトな構造にできる。
はベルトクリーナを部分断面した全体斜視図。 は固定用軸にスプリングを挿入した部分断面図。 は固定用軸にスプリングを取付けた部分正面断面図。 は固定用軸の四角形棒状ゴム製弾性体への取付け例の断面図。 は固定用軸にスプリングを挿入したベルトクリーナ正面図の断面図。 は固定用軸にスプリングを挿入したベルトクリーナと戻り側ベルトの縦断面図。 はスラストボルト設けたベルトクリーナ正面図断面図。 はスラストボルトと倒れ防止板を設け、隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体の間にスペーサを挿入しているチップ付きベルトクリーナの横断面図。 はチップ付きベルトクリーナの横断面図。 はスラストボルトと倒れ防止板を設け、隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体の間にスペーサを挿入しているチップ付きベルトクリーナを部分拡大した断面図。
本発明の実施形態を請求項1〜請求項及び図1〜図10に基づいて説明する。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、複数の四角形棒状ゴム製弾性体20が、戻り側ベルト30の幅方向に配設された架台40の溝40aに列設されたベルトクリーナ10において、それぞれの前記四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末20aに、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の中心軸20c方向に固定用軸21が取り付けられており、該固定用軸21は、前記架台40の底板43に設けた保持用ガイド穴43aに挿入され、前記四角形棒状ゴム製弾性体20を垂直に保持しており、且つ、前記固定用軸21には、スプリング22が挿入されており、該スプリング22は、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端20aと前記底板43の間に挟まれており、前記架台40の両端にフランジ44が設けられ、該フランジ44には、戻り側ベルト30の幅方向に貫通孔44aが設けられ、該貫通孔44aにはネジ62が設けられ、該ネジ62にはスラストボルト60が回転自在に取り付けられており、前記四角形棒状ゴム製弾性体20を上方に押し上げ、前記スプリング22を撓ませて、前記四角形棒状ゴム製弾性体20と前記戻り側ベルト30を当接せしめた後、前記スラストボルト60を前記四角形棒状ゴム製弾性体20に押し付けて、前記四角形棒状ゴム製弾性体20のスラスト方向と垂直方向の動きを固定したことを特徴とするベルトクリーナ10である。
図1は、ベルトクリーナ10を部分断面した全体斜視図である。図2は、四角形棒状ゴム製弾性体20と底板43の間にスプリング22を載置して、固定用軸21をスプリング22と保持用ガイド穴43aに挿入した部分断面図である。図3は、四角形棒状ゴム製弾性体20と底板43の間にスプリング22を載置して、固定用軸21をスプリング22と保持用ガイド穴43aに挿入した部分拡大断面図である。図4は四角形棒状ゴム製弾性体20への固定用軸21の取付け方法の例を示した断面図である。図5は固定用軸21とスプリング22を取付けた四角形棒状ゴム製弾性体20を列設したベルトクリーナ10全体を横断面した正面図である。図6は、固定用軸21とスプリング22を取付けた四角形棒状ゴム製弾性体20を列設したベルトクリーナ10を、戻り側ベルト30に当接させた場合の正面図の縦断面図である。
本ベルトクリーナ10の構造を図1ないし図6に基づいて説明する。複数の四角形棒状ゴム製弾性体20が架台40の溝40aに列設されて固定されている。四角形棒状ゴム製弾性体20は、溝型の架台40に設けた溝40aに挿入されている。溝40aは押し側板41と受け側板42及び底板43で構成されている。四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末20aには中心軸20c方向に固定用軸21が取り付けられており、固定用軸21は、底板43に設けられた保持用ガイド穴43aに挿入されている。四角形棒状ゴム製弾性体20と底板43の間には、固定用軸21を嵌装したスプリング22が載置されている。架台40の両側にはフランジ44が取り付けられ、フランジ44に支持パイプ45が取り付けられている。支持パイプ45はコンベア架台50に固定されたベルトクリーナ取付け基部46で固定されている。
本ベルトクリーナ10を戻り側ベルト30に対してセットする手順を図1ないし図6に基づいて説明する。第1ステップとして、架台40を戻り側ベルト30の表面に当接するまで押し上げる。第2ステップとして、スプリング22が目標の撓み量に圧縮されるまで、さらに四角形棒状ゴム製弾性体20を戻り側ベルト30に押し付ける。スプリング22が撓むことにより、戻り側ベルト30の幅方向の凹凸に対して、四角形棒状ゴム製弾性体20は適切な押し付け力で戻り側ベルト30に当接することができる。以上の様に、第1、第2ステップの作業は、多数の掻き取り部を有するベルトクリーナ10の高さ調整作業を、人間が戻り側ベルト30の下部に入らなくても可能にしたものであり、安全面や環境面でベルトクリーナ10の取り付け作業を大幅に改善したものである。
四角形棒状ゴム製弾性体20が摩耗するにつれて、摩耗量に応じて四角形棒状ゴム製弾性体20がスプリング22によって押し上げられ、四角形棒状ゴム製弾性体20は常に適切な押し付け力を維持することができるので、良好な掻き取り性能が長期に渡り自動的に維持される。このため、ベルトクリーナ10の調整周期や取り換え周期を大幅に延長できるので、生産性の向上やメンテナンスの効率化を具現化できる。
四角形棒状ゴム製弾性体20を戻り側ベルト30にスプリング22の弾性力で押し付けることにより、戻り側ベルト30の進行方向の摩擦力により、四角形棒状ゴム製弾性体20が戻り側ベルト30の進行方向に倒れる。四角形棒状ゴム製弾性体20が倒れることにより、戻り側ベルト30に適度な弾力性を有した押圧力が加わり、戻り側ベルト30の凹凸や振動による上下変動に対して瞬時に追随して付着物を掻き取ることができる。
四角形棒状ゴム製弾性体20は自由側端末20bを戻り側ベルト30に押圧するための押圧力が必要であるとともに戻り側ベルト30の微妙な凹凸に柔軟に追随する必要がある。そのため、四角形棒状ゴム製弾性体20はゴムを使用する。ゴムには例えば天然ゴムや合成天然ゴム、スチレン、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムなどが使用できる。
四角形棒状ゴム製弾性体20に取り付けた固定用軸21は、炭素鋼、SUS、チタン、銅などの金属棒やプラスチックなどの樹脂が使用できる。固定用軸21の径は3〜10mmがよい。3mmより細いと、戻り側ベルト30の摩擦力によるスラスト力や水平力で曲がる恐れがある。又、10mmより太いと、架台40の底板43の保持用ガイド穴43aの径が大きくなり、底板43の剛性が低下する問題がある。
四角形棒状ゴム製弾性体20への固定用軸21の取付け方法は、図2に示すように、予め、四角形棒状ゴム製弾性体20に穴を設けて、固定用軸21を挿入し、接着剤で接合することができる。又、四角形棒状ゴム製弾性体20を金型で成形する際に、固定用軸21を予め金型にセットすることにより、四角形棒状ゴム製弾性体20と固定用軸21を一体的に成形することができる。金型で一体的に成形する場合は、図4(a)のように、固定用軸21に貫通孔21aを設け、ピン210を固定する方法、図4(b)のように、貫通孔21aにボルト211を固定する方法、図4(c)のように、固定用軸に凹凸部212を設け、ゴム材を食い込ませる方法、図4(d)のように大きな断面積のアンカー孔213を設け、ゴム材をアンカー孔212に充填することでアンカーとする方法などがあり、固定用軸21のすっぽ抜けを防止できる。
スプリング22の内径は4〜12mmがよい。4mmより細いと、固定用軸21と接触し伸縮の障害となる。12mmより太いと隣り合うスプリング22と干渉し、伸縮の障害となる。スプリング22の伸縮量は5〜30mmがよい。5mm以下であると、戻り側ベルト30の表面の凹凸量よりも小さくなり精密な当接ができない。30mmより大きいと、戻り側ベルト30の進行方向の摩擦力で四角形棒状ゴム製弾性体20がすっぽ抜ける問題が生じる。スプリング22の材質はステンレスやバネ鋼が適している。
請求項1の発明においては、図4、図5、図6に示すように、四角形棒状ゴム製弾性体20に取り付けた固定用軸21にスプリング22を挿入して、底板43の保持用ガイド穴43aに挿入することにより、四角形棒状ゴム製弾性体20の高さ調整や架台40の長手方向の芯出し調整をすることなく、簡単にしかも精密に四角形棒状ゴム製弾性体20を架台40に列設することができる。図3に示すように、保持用ガイド穴43aを架台40の底板43に正確に穿孔することにより、四角形棒状ゴム製弾性体20を高精度で架台40の溝40aに列設できる。保持用ガイド穴43aと固定用軸21のクリアランスは、0.1〜1.0mmが望ましい。0.1mmより小さいと、保持用ガイド穴43aと固定用軸21の摩擦によりスプリング22の伸縮に障害が生じる。1.0mmより大きいと、固定用軸21を垂直に保持できなくなる。クリアランスを小さく保持することにより、四角形棒状ゴム製弾性体20を略垂直に保つとともに、ガタつきやスラスト方向への倒れを防止することができる。
四角形棒状ゴム製弾性体20の横断面は、図2に示すように四角形である。四角形棒状ゴム製弾性体20の戻り側ベルト30の幅方向の幅W1と戻り側ベルト30の進行方向の幅W2は、10〜30mmがよい。幅W1は10mm以下であると剛性が弱く掻き取り能力が小さくなる。30mmより大きくなると剛性が大きくなり、戻り側ベルト30の進行方向への撓みが小さくなり、小さな凹凸に柔軟に追随しなくなるとともに、戻り側ベルト30の幅方向の小さな凹凸に対して精密に当接性できなくなり掻き取り性能が低下する。従って、四角形棒状ゴム製弾性体20の戻り側ベルト30の進行方向に対する剛性をアップする場合は、幅W2を幅W1よりも大きくするのがよい。四角形棒状ゴム製弾性体20の長さLは50〜300mmがよい。図2に示すように、長さLは押し側板41の上面41aから四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末20bまでの長さである。50mmより短いと撓みが小さすぎて戻り側ベルト30への追随性が低下する。300mmより長いと撓み量が大きすぎて掻き取り力が低下する。
従来のベルトクリーナは、幅100〜500mm程度のゴム弾性板もしくは金属板などにチップを取り付けた掻き板が主流であり、掻き板の幅が広すぎるため、チップ全面が戻り側ベルト30表面に均一当接することは不可能であり、掻き取り残しが生じていた。又、掻き取り残しを解消するために掻き板を戻り側ベルト30に無理に接触させようとすると押圧力が大きくなるので、戻り側ベルト30を摩耗させたり、エンドレス部の剥がれ(突起物)を助長したりしてベルトを損傷させていた。この問題を解決するには、四角形棒状ゴム製弾性体20の幅W1をできるだけ小さくして、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末20bが均一に戻り側ベルト30表面を押圧するとともに、ベルト30の突起物に対しては瞬時に回避し、回避後は瞬時に通常位置に復帰できることが不可欠である。
図7は、架台40の両側に、貫通孔44aを有するフランジ44を設け、フランジ44に設けたネジ(ナット62)にスラストボルト60を取付けたベルトクリーナ10を断面した正面図である。ネジ(ナット62)は貫通孔44aに形成してもよいが、図7,8,10に示すように、ナット62を溶接してネジを形成してもよい。フランジ44は押し側板41、受け側板42、底板43を一体化するように溶接固定する。
図7に示すように、四角形棒状ゴム製弾性体20を戻り側ベルト30に押し付けて、スプリング22を撓ませることにより、四角形棒状ゴム製弾性体20を精密に且つ適正な押し付け力で当接させることができるが、この状態を維持するためには、四角形棒状ゴム製弾性体20の垂直方向と水平方向の動きを抑える必要がある。このため、スラストボルト60の締め込みナット61を回転させて、スラストボルト60を四角形棒状ゴム製弾性体側20に押し付けて、四角形棒状ゴム製弾性体20を架台40の両側から締め付ける。四角形棒状ゴム製弾性体20は、隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体20同士が近接しているので、スラストボルト60による押し付け力は全ての四角形棒状ゴム製弾性体20に伝わり、四角形棒状ゴム製弾性体20同士が互いに押し合うことにより、四角形棒状ゴム製弾性体20の垂直方向と水平方向の動きを抑えることができる。
即ち、第1ステップとして、架台40を戻り側ベルト30の表面に当接するまで押し上げる。第2ステップとして、スプリング22が目標の撓み量に圧縮されるまで、さらに四角形棒状ゴム製弾性体20を戻り側ベルト30に押し付ける。そして、第3ステップとして、架台40の両側から、スラストボルト60により四角形棒状ゴム製弾性体20を締め付けることにより、四角形棒状ゴム製弾性体20を強固に固定することができるのである。この方法によれば、それぞれの四角形棒状ゴム製弾性体20を、個別に戻り側ベルト30に当接させるための細かい位置決め作業が不要であり、位置決め後に、それぞれの四角形棒状ゴム製弾性体20を、個別に固定する必要がなくなる。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記フランジ44には、前記架台40を支持するための支持用パイプ45が取り付けられており、前記スラストボルト60は、前記支持用パイプ45に収納されていることを特徴とするベルトクリーナ10である。
図8は、スラストボルト60と倒れ防止板70を設け、隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体20の間にスペーサ90を挿入しているチップ80付きベルトクリーナ10の横断面図である。図9は、チップ付きベルトクリーナの横断面図である。図10はスラストボルト60と倒れ防止板70を設け、隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体20の間にスペーサ90を挿入しているチップ80付きベルトクリーナ10を部分拡大した断面図である。
図7、8、10に示すように、本ベルトクリーナ10は、フランジ44に支持パイプ45を取付けて、架台40を支持する構造である。フランジ44にスラストボルト60を取付けることにより、スラストボルト60を支持パイプ45の中に収納することができる。スラストボルト60を支持パイプ45に収納することにより、スラストボルト60へのダストや水分の付着を防止できるので、スラストボルト60の回転不良や腐食を抑制できる。又、ベルトクリーナ10の取付け周辺部は狭いので、支持パイプ45をスラストボルト60の収納具として活用することで、ベルトクリーナ10の構造をシンプルにすることができる。
10:ベルトクリーナ
20:四角形棒状ゴム製弾性体
20a:(四角形棒状ゴム製弾性体の)固定側端末
20b:(四角形棒状ゴム製弾性体の)自由側端末
20c: 中心軸
21:固定用軸
21a:貫通孔
210:ピン
211:ボルト
212:凹凸部
213:アンカー孔
22:スプリング
30:戻り側ベルト
40:架台
40a:溝
41:押し側板
41a:押し側板上面
42:受け側板
43:底板
43a:保持用ガイド穴
44:フランジ
44a:貫通孔
45:支持パイプ
46:ベルトクリーナ取付け基部
47:押し付け板
48:押し付けボルト
49:ナット
50: コンベア架台
60:スラストボルト
61:締め込みナット
62:ナット(ネジ)
70:倒れ防止板
80:チップ
90:スペーサ
W1:戻り側ベルトの幅方法の四角形棒状ゴム製弾性体の幅
W2:戻り側ベルトの進行方法の四角形棒状ゴム製弾性体の幅
L:四角形棒状ゴム製弾性体の長さ
















Claims (2)

  1. 複数の四角形棒状ゴム製弾性体が、戻り側ベルトの幅方向に配設された架台の溝に列設されたベルトクリーナにおいて、それぞれの前記四角形棒状ゴム製弾性体の固定側端末に、前記四角形棒状ゴム製弾性体の中心軸方向に固定用軸が取り付けられており、該固定用軸は、前記架台の底板に設けた保持用ガイド穴に挿入され、前記四角形棒状ゴム製弾性体を垂直に保持しており、且つ、前記固定用軸には、スプリングが挿入されており、該スプリングは、前記四角形棒状ゴム製弾性体の固定側端と前記底板の間に挟まれており、前記架台の両端にフランジが設けられ、該フランジには、戻り側ベルトの幅方向に貫通孔が設けられ、該貫通孔にはネジが設けられ、該ネジにはスラストボルトが回転自在に取り付けられており、前記四角形棒状ゴム製弾性体を上方に押し上げ、前記スプリングを撓ませて、前記四角形棒状ゴム製弾性体と前記戻り側ベルトを当接せしめた後、前記スラストボルトを前記四角形棒状ゴム製弾性体に押し付けて、前記四角形棒状ゴム製弾性体のスラスト方向と垂直方向の動きを固定したことを特徴とするベルトクリーナ。
  2. 前記フランジには、前記架台を支持するための支持用パイプが取り付けられており、前記スラストボルトは、前記支持用パイプに収納されていることを特徴とする請求項1記載のベルトクリーナ。
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