JP5747299B2 - ベルトクリーナ - Google Patents

ベルトクリーナ Download PDF

Info

Publication number
JP5747299B2
JP5747299B2 JP2013168451A JP2013168451A JP5747299B2 JP 5747299 B2 JP5747299 B2 JP 5747299B2 JP 2013168451 A JP2013168451 A JP 2013168451A JP 2013168451 A JP2013168451 A JP 2013168451A JP 5747299 B2 JP5747299 B2 JP 5747299B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
belt
chip
skewer
stick
cleaner
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013168451A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015036327A (ja
Inventor
哲男 原田
哲男 原田
一美 大徳
一美 大徳
Original Assignee
マフレン株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by マフレン株式会社 filed Critical マフレン株式会社
Priority to JP2013168451A priority Critical patent/JP5747299B2/ja
Publication of JP2015036327A publication Critical patent/JP2015036327A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5747299B2 publication Critical patent/JP5747299B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cleaning In General (AREA)

Description

本発明は原料の輸送に用いるベルトコンベアのベルト表面に付着した付着物を掻き取るベルトクリーナに関する。
火力発電所、製鉄所、化学プラント、ゴミ処理場、下水処理場などではベルトコンベアは最も効率のよい大量運搬手段であることから、各種原料、燃料、処理済み材料、廃棄物などを搬送するためにベルトコンベアが多数使用されている。一般にベルトコンベアは駆動プーリと従動プーリとの間に所定幅のゴム製ベルトをエンドレスに巻き付け、駆動プーリを回転させることによりベルトを両プーリ間で周回運動させるものである。通常搬送物はキャリアベルト(搬送側ベルト)に載せて搬送され、駆動プーリ側で払い出されリターンベルト(戻り側ベルト)となり従動プーリへ戻るが、戻り側ベルト表面に付着した搬送物(付着物)が途中で落下し、ベルト下に堆積したりリターンローラやキャリアローラを摩耗させたりする問題があった。
ベルトに搬送物が付着するとリターンベルト表面の付着物が落下し、ベルト下に堆積するが、特にリターンローラの下に選択的に落下・堆積しやすく、堆積物を放置するとリターンローラやベルトの位置まで成長しこれらを摩耗させる。又、落下物の放置は作業環境の悪化や資源の損失となるため、定期的に落下物の回収作業を実施しているが自動化も難しく多大の労力と費用がかかっている。一旦落下した落下物は回収して再利用するが、コンベアの全機長に渡って広範囲に落下するので多くの労力とコストを要している。このため、出来るだけベルトクリーナを用いて一定の場所で落下物を掻き落として効率的に回収する方法が採用されている。ベルトクリーナとしては、固定された掻き板をベルトに押し付けることにより付着物を掻き板で掻き取るスクレーパ式、ブラシをベルトに接触させるブラシ方式や高圧の流体を吹き付けて付着物を除去する洗浄方式があるが、構造が簡単なことや整備性の優れたスクレーパ方式が多用されている。
コンベアベルトは使用するにつれ徐々に摩耗するが、均一に摩耗するのではなく中央部が選択的に大きく摩耗する。従ってベルトが古くなるとベルト中央部と端部では5〜6mmの厚み差が生じる。又、100m以上の機長の長いベルトになると、コストや作業時間の制約の点からベルトの取り換えを全長に渡り一括してやらない場合もあり、中央部が大きく摩耗している古いベルトと摩耗していない新しいベルトが混在することもある。そのため、ベルトクリーナの押圧調整はベルト中央部を強く押圧するだけでは対応不可能であり、結局ベルトの幅方向に均一に押圧せざるをえない。又、ベルトのエンドレス部は経年的に剥離してエンドレス端部が剥がれてくる。この剥がれ部はベルト表面から突出するのでベルトクリーナの撓み限界を超えるとベルトクリーナを破損したり、ベルトクリーナの押圧力が大きいと逆にエンドレスの剥がれ量を助長したりしてベルト切断の要因となる。従って、ベルトクリーナはベルト表面の付着物を掻き取るために必須のアイテムではあるがまかり間違うとベルトを破損させ生産障害を起こす場合もある。このようにベルトクリーナがクリアするべき課題はたくさんあり最大公約数的に全ての課題に対応するのは極めて困難である。今まで様々な形状、機能のベルトクリーナが提案されているが未だメンテナンスフリーで掻き取り効率に優れたベルトクリーナは具現化されていない。
スクレーパ式のベルトクリーナに必要な要件は以下でありこの条件を全てクリアしないとベルトコンベアの多様な付着物に追随できない。(1)確実に、長時間にわたり付着物を掻き取ることができる。(2)掻き取り部の変形能力が大きく強靭であり、ベルト逆転にも対応可能である。(3)掻き取り部のチップの寿命が長く調整周期や取り換え周期が長い。(4)ベルトクリーナ本体への付着物の付着がないかもしくは付着物の量が極めて少ない。(5)付着物がベルトに強固に付着している場合やベルトのエンドレス部(接続部)に剥がれが生じている場合、チップがベルトの搬送方向に大きく撓むことによりこれらをやり過ごすことによりベルトクリーナの破損を回避できる。(6)ベルトクリーナの構造がシンプルでコンパクトでありヘッドプーリの下部にも取り付け可能である。(7)チップの調整が容易である。(8)取り付け取り外しが容易である。(9)安価である。ベルトクリーナの以上の特性を満足しようとして従来多種多様のベルトクリーナが提案されているがそれぞれ問題あり根本的な方法は具現化されていない。
特開2002−46851号広報において、スクレーパブレードを弾性体に取り付けてベルトに押圧する方法が提案されている。この方法の問題点は以下である。(1)1枚のスクレーパブレードの幅が広いので、ベルト中央部に向けて摩耗が大きくなるようなベルトの凹凸に柔軟に追随できないので掻き取り残しが生じる。(2)スクレーパブレードの幅が広いために大きな押圧力が必用であり、その分ブレードの剛性が高くなるため、大きな付着物やエンドレスの剥がれによる衝撃をまともに受けるのでベルトクリーナが破損する危険性がある。
特開平8−208020号広報において、チップを支持するクリーナ部材がチップをベルトに適正な押し付け力になるように弾性的に支持部材に支持され、異常な負荷が付加された時には支持部材はベルトの搬送方向に回動可能に取り付け部材に取り付けられているベルトクリーナが提案されている。この方法では以下の問題がある。(1)チップの押し付け機構と回動機構が分離されており機構が複雑である。(2)異常な負荷がかかった際はチップが回動して回避する必要があるが、負荷を受けているチップだけでなく全チップが回動するために大きな力が必要となる。その力は負荷側から与えられるので全チップの受ける負荷が大きくなるとともに回避遅れが生じる。(3)機構部が大きくなるため掻き落とした付着物がクリーナ部材に付着しやすい。(4)クリーナ部材の構造が複雑なため構成部材が大きくなりそれに比例してチップの幅を広くせざるを得ず、チップがベルト表面に均一に圧接しないため掻き残しが発生する。
特開平11−292250号広報において、コンベヤベルトの下面に近接して荒削クリーナ、メインクリーナ及び虹形仕上げクリーナを走行方向に沿って順次配置したコンベヤベルト用クリーナ装置において、荒削クリーナをウレタン樹脂で長方形の板状に形成し、又、メインクリーナを長方形のウレタン樹脂で形成し、その上縁に設けたチップの上半部を走行方向と逆方向に向けて傾斜し、さらに虹形仕上げクリーナをウレタン樹脂で形成すると共に、その弦方向に設けた軸を中心として回動可能に軸着することを特徴とするコンベヤベルト用クリーナ装置が提案されている。この方法では以下の問題がある。(1)荒削りクリーナと虹型仕上げクリーナは一枚のウレタン樹脂であり、ベルトとの接触部が摩耗しやすい。又、一枚の板がベルトに均一に当接するのは不可能であり掻き取り残しが生じる。(2)メインクリーナは小分割のウレタンの板の先端に鋼製のチップを取り付けたものであるが、一枚当たりのウレタン板の幅が大きいのでベルトに均一に当接するのは不可能である。又、ウレタン板のつなぎ目は隙間がありこの部分は掻き取り残しが発生する。(3)メインクリーナのチップはベルトの進行方向に対して逆向きに取り付けられており、エンドレスの剥がれ部や強固な付着に対して回避不可能である。このため、ベルトを損傷したり、クリーナ自体を損傷したりする問題がある。又、分割が大きい為、高速で進行する前記エンドレスの剥がれ部や強固な付着物と衝突した場合は、慣性モーメントが大きいためウレタンが瞬時に撓んで衝撃を軽減することができない問題がある。
特開2013−142027号広報において、ベルトコンベアの戻りベルトの下部に配設して前記戻り側ベルトに付着した付着物を弾性体の先端に取り付けたチップで掻き取るベルトクリーナにおいて、前記チップの前記ベルト幅方向の幅を最大30mm以下とし、該ベルトクリーナは前記チップにアンカー部を設け、ゴムからなる前記弾性体の自由端部に前記アンカー部を埋め込んでチップスティックを形成し、該チップスティックを前記戻り側ベルトの幅方向に配設した架台に複数並べ、前記チップスティックの隣り合う側面を互いに摺動可能にして前記弾性体の固定端を固定したベルトクリーナが提案されている。この方式においては、チップスティックを架台に配設する際に、隣り合うチップスティックを摺動可能に適正に調整・固定することが困難であった。隣り合うチップスティック同士の押し付け力が強いと摺動性が悪くなり、弱いとチップスティック間にダストが侵入する問題があった。従って、チップスティックの押し付け力の調整を定量的に且つ簡便にできる方法が求められていた。
特開2002−46851号広報 特開平8−208020号広報 特開平11−292250号広報 特開2013−142027号広報
本発明は以下の課題を解決するものである。(1)ベルト表面の摩耗状況や付着物の付着力に応じて柔軟にチップが追随して確実に付着物を掻き取ることができるようにする。そのためにはチップの幅を適正にして、チップをそれぞれ弾性体で支持するようにする。(2)チップをセラミックスや超硬金属で製作し耐摩耗性を向上させる。(3)ベルトクリーナ本体の投影面積を最小限にして、掻き落とした付着物がベルトクリーナに付着しにくいようにする。ベルトクリーナの表面にフッ素樹脂のような低付着性のコーティングを施すことにより付着物の付着を最小限にする。(4)強固な付着物やエンドレスの剥がれなどの障害物に対してはチップが逃げられるようにする。その手段として、チップをベルトの搬送方向に大きく撓ませてこれらの障害物をやり過ごせるようにする。又、高速で衝突する障害物を瞬時に回避するためにチップの慣性モーメントを極力低減することが重要である。(5)ベルトクリーナの構造をシンプルでコンパクトにする。複雑な機構ではなく簡単な原理でチップを保持するようにする。又、スペースの狭いヘッドプーリの下部にも取り付け可能にする。(6)チップを1枚ずつしかも簡単に調整できるようにする。(7)ベルトクリーナの取り付け取り外しを容易にする。(8)構造をシンプルにすることにより安価に製造できるようにする。(9)隣り合うチップスティック同士の押し付け力を定量的に且つ簡便にする機構を具現化する。以上の課題を満足するベルトクリーナを具現化する。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、ベルトコンベアの戻り側ベルトの下部に配設して、前記戻り側ベルトに付着した付着物を弾性体の先端に取り付けたチップで掻き取るベルトクリーナにおいて、前記チップにアンカー部を設け、前記弾性体の端部に前記アンカー部を埋め込んでチップスティックを形成し、前記戻り側ベルトの幅方向に配設した長溝部に、複数の前記チップスティックを該チップスティックの隣り合う側面を互いに摺動可能に固定したベルトクリーナであって、前記チップスティックの固定部に、前記戻り側ベルトの幅方向に貫通孔を設け、該貫通孔に串を貫通せしめ、該串の両端に固定部を設け、複数の前記チップスティックを前記串に固定して一体化し、該一体化したチップスティックを前記長溝に固定したことを特徴とするベルトクリーナである。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、 前記串を2段に取り付けたことを特徴とするベルトクリーナである。
第3の解決手段は特許請求項3に示すように、前記串にバネを取り付けて、該バネで前記チップスティック板を押し付けることを特徴とするベルトクリーナである。
本発明のベルトクリーナの効果は以下である。(1)ベルト表面の摩耗状況や付着物の付着力に応じて柔軟にチップが追随して確実に付着物を掻き取ることができる。そのためにはチップのベルト幅方向の幅を適正な大きさにして、チップをそれぞれ弾性体で支持できるようにしている。(2)チップをセラミックスや超硬金属で製作しているので耐摩耗性が向上し取り替え周期や調整周期が長い。(3)ベルトクリーナ本体の投影面積を最小限にしているので、掻き落とした付着物がベルトクリーナに付着しにくい。ベルトクリーナの表面にフッ素樹脂のような低付着性のコーティングを施すことにより付着物の付着を最小限にしている。(4)ベルトクリーナやベルトの破損を回避できるように、チップが大きく撓めるようにしている。又、チップの慣性モーメントを小さくして、高速で衝突する障害物に対して瞬時に撓むことができるようにしている。(5)ベルトクリーナの構造がシンプルでコンパクトである。複雑な機構を避けて簡単な原理でチップが保持できる。スペースの厳しいヘッドプーリの下部にも取り付け可能である。(6)チップの調整が容易である。(7)ベルトクリーナの取り付け取り外しが容易である。(8)構造がシンプルであり製造コストが安価である。(9)隣り合うチップスティック同士の押し付け力を定量的に且つ簡便にできる。チップスティックを串で連結してチップスティックを一体化することで、チップスティックを一括して架台に取り付けることができるので組立が容易である。(10)隣り合うチップスティックが互いに摺動しながら支えあうので、チップスティックはベルトの長手方向にしか撓まない。このため、チップスティック間に隙間が生じることがなく、チップスティック間にダストが侵入することはない。(11)チップスティックを串で連結しているので、チップスティックが架台から脱落することがない。
はベルトクリーナをベルトに取り付けた斜視図で部分断面図である。 はベルトクリーナの側面の部分断面図である。 はベルトクリーナの側面の部分拡大図である。 はチップスティックに串を1本通した部分断面図である。 はチップスティックに串を2本通した部分断面図である。 はベルトクリーナをヘッドプーリの下部に取り付けた図である。 はベルトにチップスティックが当接している図である。 はチップのアンカー形状例を示した図である。
本発明の実施形態を請求項と図1〜図8に基づいて説明する。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、四角形棒状ゴム製の弾性体22の自由端部22aにチップ21を取り付けたチップスティック20を、ベルトコンベアの戻り側ベルト31の下部に配設した長溝部54に固定して、前記チップ21を前記戻り側ベルト31に押圧して付着物を掻き取るベルトクリーナ10において、前記チップスティック20の固定部20bに、前記戻り側ベルト31の幅方向に貫通孔20cを設け、該貫通孔20cに串40を貫通せしめ、該串40の両端に固定部41を設け、複数の前記チップスティック20を前記串40に固定して一体化し、該一体化したチップスティック20を前記長溝部54に固定したことを特徴とするベルトクリーナ10である。
チップ21の材質はセラミックス又は超硬合金である。セラミックスには例えばアルミナ、窒化ケイ素、ジルコニア、炭化ケイ素などを使用できる。超硬合金には例えばWC−Co系合金、WC−TiC−Co系合金、WC−TaC−TaC−Co系合金などを使用できる。
弾性体22はチップ21をベルト30に押圧するための押圧力が必要であるとともにベルト30の微妙な凹凸に柔軟に追随する必要があるためにゴムを使用する。ゴムには例えば天然ゴムやアクリルゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴムなどの合成ゴムが使用できる。
チップ21がベルト30から受ける水平方向の摩擦力によりすっぽ抜けないようにするためチップ21を弾性体22に強固に取り付ける必要がある。そのため図8に示すように、チップ21にはアンカー部23を設ける。アンカー部23はチップ21がすっぽ抜けないようにするためのものであり、図8(a)のようにチップ21に貫通孔21cを設けボルト24などをアンカー部23として取り付けてもよいし、図8(b)のようにチップ21を延長してアンカー部23を形成してもよい。チップ21は弾性体22の自由端部22aにエポキシ樹脂などの接着剤で接合することにより一層強固に取り付けることができる。接着剤で接合することによりチップ21と弾性体22の接合部にダストが侵入しなくなる効果もある。アンカー部23を直方体にすることによりチップ21がベルト30から受ける摩擦力によって回転するのを防止できる。アンカー23(ボルト24)は弾性体22を成形する際に同時に取り付けることができる。又、ボルト24は弾性体22成形後ねじ込んでもよい。チップ21と弾性体22はベルト30の幅方向に対して、お互いの幅が飛び出さないようにして平滑に接合しなければならない。隣り合うチップスティック20同士に隙間が発生しダストを噛みこんで正常な摺動ができなくなるからである。チップスティック20は前後に撓むことができるので、ベルト30の逆回転に対しても追随可能である。
図1〜図3に示すように、押し側板51と受け側板52と底板53で長溝部54を構成し、チップスティック20は長溝54aに挿入されている。押し側板51にはネジ穴付き貫通孔51aが設けられボルト55が転動自在に取り付けてあり、ボルト55で押さえ板56を押し付けることによりチップスティック20を受け側板52に押し付けて固定している。長溝部54はベルト30の幅方向に配設した架台50に取り付けられている。架台50はベルトコンベアのフレーム70に固定した溝型の受け台60に差し込んで水平方向の動きを固定している。垂直方向の動きは、受け台60に取り付けたジャッキボルト61で支持されている。ジャッキボルト61を調整することによりチップスティック20の押圧力を調整する。長溝部54を支える架台50は図1、図2に示すように例えばフラットバーのような板材でもよいし、鋼管でもよい。即ち、架台50や受け台60の構造は、長溝部54を支えて高さ調整できればよく、図1、図2に示した方法以外にもいろいろな形態を選択でき、いずれの形態も本発明の範囲に属するものであることは言うまでもない。
チップスティック20は付着物を確実に掻き取れるように、戻り側ベルト31を数ミリから十数ミリ程度押圧するように高さ調整する。そのため、図2に示すように、チップスティック20は戻り側ベルト31の摩擦力により戻り側ベルト31の進行方向に撓んだ状態になり、チップ21が傾くことにより、チップ21のエッジ21aが戻り側ベルト31表面に接するので付着物を強力に掻き取ることができる。大きな付着物やベルト30の剥がれや強固に付着した付着物に対しては、チップスティック20が大きく撓むことにより付着物を回避できるようにしている。図3において、チップスティック20の撓み量Hの大きさは搬送物に応じて考慮する必要がある。チップスティック20の撓み量Hはチップスティック20の弾性体22の弾性力や長さによって自由に設計や製造が可能である。又、押え板56の高さh を調整することによりチップスティック20を支える支点が変わるので、チップスティック20の撓み量Hを調整することができる。
ベルト30の表面状態は幅方向に対して均一ではなく中央部の摩耗が最大になる。即ち、ベルト30は幅方向で摩耗量に差があるためベルト厚みが均一ではないうえに、線状の掻き疵や部分的なくぼみが生じている。例えば、ベルト30の中央近辺は搬送物の積載圧力が大きくなるので摩耗が大きくなり、付着物が付着しやすくしかも強固に付着する傾向がある。又、強固な付着物やエンドレス部(ベルト繋ぎ部)のめくれなどに突起が生じている。従って、図1に示すチップ21の幅Wが大きすぎるとチップがベルト30表面に均一に当接することは不可能であり、チップ21の全体の押圧力が不均一になり掻き取り斑が生じる。従来のベルトクリーナ10はベルト30の幅方向にチップ21を分割しているタイプのものもあるが、チップ21や弾性体22の剛性を高めるために50〜500mm程度の幅で構成されている。1枚当たりのチップ21の幅Wが広いためチップ21の全面がベルト30を均一に押圧することは不可能であり掻き取り斑が生じていた。掻き取り斑を解消するためにチップ21の幅W全体にわたって戻り側ベルト31に接触させようとするとチップ21の押圧力が大きくなるので、却ってベルト30を摩耗させたり、エンドレス部の剥がれを助長したりしてベルト30の管理上の問題を生じていた。この問題を解決するにはチップ21のベルト30の幅方向の幅Wをできるだけ小さくしてチップ21が均一に戻り側ベルト31を押圧するようすることが重要である。図7はチップ21の幅を小分割して、戻り側ベルト31の摩耗状態に応じて柔軟に当接するようした状態を示している。そのためのチップ21の幅Wは特開2013−142027に示すように、30mm以下が望ましい。30mmより大きいとベルト幅方向の摩耗や付着物の状況変化に追随できず掻き取り残しが生じる。ベルト30のくぼみや線状疵の幅は通常30mm以下であることから、チップの幅Wは30mm以下とすることが好適である。又、施工上も従来のような幅広いチップ21を戻り側ベルト31の表面に対して正確に平行を保って取り付けることは不可能であり、チップ21と戻り側ベルト31に隙間が生じてしまい掻き取り残しに繋がる。チップ幅Wが30mm以下であれば戻り側ベルト31の変化に柔軟に追随可能である。チップスティック20の1本当たりの押圧力も小さく設定できるので戻り側ベルト31の摩耗やエンドレスの剥離を助長することもない。又、高速で衝突する強固な付着物やエンドレス部のめくれなどの障害物は衝突の瞬間にチップ21に大きな衝撃を与えるので、チップを破損したり、逆にエンドレス部のめくれを大きくしたりする危険性がある。この対策として、チップスティック20の慣性モーメントをできるだけ小さくして、障害物が衝突した瞬間に大きく撓んで衝撃力を回避することが極めて重要である。このことからもチップスの幅Wは30mm以下が好適である。
チップスティック20は戻り側ベルト31との摩擦により戻り側ベルト31の進行方向に対して撓みながら付着物を掻き取る。ベルト30駆動中はベルト30の摩耗による凹凸や付着物の厚みや付着力によりチップスティック20は常に戻り側ベルト31の進行方向に対して小さな振幅で微振動している。さらに、付着力が強くて掻き取れない付着物やエンドレスの剥離部分はチップスティック20に大きな負荷を与えるので、チップスティック20はその分大きく撓んで過負荷をやり過ごすことが必要である。このような場合、チップスティック20は隣り合うチップスティック20に関係なく単独に撓めるほうが、大きく撓めると同時に瞬時に撓めるので大きな付着物やベルト30の剥がれを柔軟にやり過ごすことができる。このような障害物をまともに受けると大きな過負荷を受けるのでベルトクリーナ10の損傷に繋がる。又、隣のチップスティック20も他のチップスティック20の動きに左右されることなく正常な掻き取りを継続することができる。このため、隣り合うチップスティック20は互いに摺動する必要がある。隣り合うチップスティック20の側面(摺動面)20aの隙間は略ゼロがよくお互いが円滑に摺動できる程度に軽く接触している程度が望ましい。即ち、隣り合うチップスティック20の側面20aは摺動面20aとなっている。側面20a(摺動面20a)の隙間が大きくなるとこの隙間にダストが侵入し固着するのでチップスティック20の撓み運動ができなくなる。又、隣り合うチップスティック20同士でベルト幅方向への倒れを支えあう役割も有していることから、隙間が大きいと支えとしての機能を果たせなくなる。このため、チップスティック20の摺動面20aの隙間は略ゼロとして、チップスティック20同士が軽く接触してしかも円滑に摺動できるようにする。このような調整は実際に組み立てる際に摺動状況を確認しながら調整するのがよい。隙間をゼロとすることで、たとえダストが入り込んでもチップスティック20の微振動や撓みによる摺動運動によりダストは隙間から排出される。又、摺動運動による清掃効果で摺動面20aは常に清浄に保持できる。摺動面20aはお互いの摩擦力を低減するためにフッ素樹脂コーティングしてもよい。又、チップスティック20全体にフッ素樹脂コーティングすることにより掻き取った後のダスト付着を低減できる。
上述したように、隣り合うチップスティック20の押し付け力を適正にセットすることは極めて重要である。このため、チップスティック20を長溝54aに仮セットした後、各チップスティック20を1本ずつベルトの進行方向に動かして摺動性を確認する必要があるが、このような方法は手間がかかるとともに定量性に欠ける問題があった。そのため、図4に示すように、チップスティック20の固定部20bに、ベルト30の幅方向に貫通孔20cを設け、この貫通孔20cに串40を貫通せしめ、この串40の両端に固定部41を設け、複数のチップスティック20を串40に固定して一体化し、この一体化したチップスティック20を長溝54aに固定するようにした。串40の材質は金属材料やプラスチックなどが使用できる。串40の片側の固定部41は完全に固定し、片側の固定部41は串40にネジ40aを設けナット42を取り付けて可動式にする。ナット42の締め付け力をトルクレンチ(図示せず)などで定量的に調整することにより、一括してチップスティック20の押し付け力をセットできる。チップスティック20に串40を通して一体化し、予め押し付け力をセットした後に長溝54aに取り付けることができるので、チップスティック20毎に押し付け力を調整する手間が大幅に削減できる。
チップスティック20の押し付け力を、チップスティック20の長手方向に均一に分散させるために、チップスティック20の両側に補強板43を設ける。補強板43によってナット42によって締め付けられて発生する押し付け力は、補強板43の剛性によってチップスティック20の先端部まで均一に伝わることができる。補強板43がない場合は、串40の近辺だけが押し付けられることになり、チップスティック20の先端が扇形に広がってしまい、チップスティック20の間にダストが侵入してくる問題がある。補強板43の材質は金属、プラスチックなどが使用できる。
図6に示すように、本発明のベルトクリーナ10は高さLを低くできるのでスペースの狭いヘッドプーリ71の下部に配設できる。ヘッドプーリ71はシュート72の上に取り付けられているケースが多いので、掻き取られたダストはシュート72を経由してホッパーの中や次のベルト上に落下するのでダスト処理の必要がなくなる。又、ベルト30に付着物が強固にへばりつくような場合は、ベルトクリーナ10を2重、3重に配設することも可能である。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記チップスティック20の前記固定部20aに、前記戻り側ベルト31の幅方向に、上段貫通孔201cと下段貫通孔202cを設け、該上段貫通孔201cと該下段貫通孔202cにそれぞれ上段串401と下段串402を貫通せしめ、該上段串401と下段串402の両端にそれぞれ上段固定部41a、下段固定部41bを設け、複数の前記チップスティック20を前記上段串401と前記下段串402に固定して一体化することにより、前記串40(401、402)を2段に取り付けたことを特徴とするベルトクリーナ10である。
図4に示すように、串40を1段にした場合は、串40の近辺だけが選択的に押し付けられ、チップスティック20の先端が扇形に広がってしまい、チップスティック20の間にダストが侵入してくる問題がある。補強板43を配設することにより締め付け力をチップスティック20の長手方向に分散する効果は大きいが、1段締め付けでは扇形に開いてしまう。これを完全に防止するために、図5に示すように串40を2段に配設する。串40を2段に配設することにより、ナット42を締め付けた際に発生する押し付け力を、チップスティック20の長さ方向に対して均一に付与することができ、チップスティック20が扇形に開く問題を完全に解消できる。串40を2段に取り付ける場合も剛性の高い補強板43を取り付けることにより、チップスティック20の長手方向に対する押し付け力の均一化が図れる。
第3の解決手段は請求項3に示すように、前記串40の片側端末にネジ40aを設けナット42を取り付けて可動式にし、前記ナット42とチップスティック20の間にバネ44を挿入し、前記ナット42で該バネ44を押し付けることにより、該バネ44でチップスティック20を押し付けることを特徴とするベルトクリーナ10である。
図5に示すように、チップスティック20の固定部20bに、戻り側ベルト30の幅方向に貫通孔20cを設け、この貫通孔20cに串40を貫通せしめ、この串40の両端に固定部41を設け、複数のチップスティック20を串40に固定して一体化した構造において、串40の片側の固定部41は完全に固定し、片側の固定部41は串40にネジ40aを設けナット42を取り付けて可動式にする。ナット42の締め付け力をトルクレンチ(図示せず)などで定量的に調整する方法もあるが、ナット42とチップスティック20の間にバネ44を挿入することにより、バネ44の縮み量を測定することにより簡単に押し付け力を調整できる。バネ44によって常にチップスティック20に押し付け力を付加することにより、チップスティック20同士の押し付け力が緩んでチップスティック20間に隙間が生じるのを防止できる。又、微振動によってチップスティック20が片側に偏在するのを防止できる。バネ44とチップスティック20の間に補強板43を挿入することにより、バネ44の力をチップスティック20に均等に加えることができる。バネ44の押し付け力は5〜100Nに設定するのが好適である。
10:ベルトクリーナ
20:チップスティック
20a:隣り合う側面
20b:固定端側
20c:貫通孔
201c:上段貫通孔
202c:下段貫通孔
21:チップ
22:弾性体
22a:自由端末側
23:アンカー部
30:ベルト
31:戻り側ベルト
40:串
401:上段串
402:下段串
40a:ネジ
41:固定部
41a:上段固定部
41b:下段固定部
42:ナット
43:補強板
44:バネ
51:押し板側
51a:ネジ穴付き貫通孔
52:受け板側
53:底板
54:長溝部
54a:長溝
55:ボルト
60:受け台
61:ジャッキボルト
70:ベルトコンベアのフレーム
71:ヘッドプーリ
72:シュート
H:チップスティックの撓み量
h:押え板の高さ
W:チップの幅W
L:ベルトクリーナの高さ












Claims (3)

  1. 四角形棒状ゴム製の弾性体の自由端部にチップを取り付けたチップスティックを、ベルトコンベアの戻り側ベルトの下部に配設した架台の長溝部に固定して、前記チップを前記戻り側ベルトに押圧して付着物を掻き取るベルトクリーナにおいて、前記チップスティックの固定部に、前記戻り側ベルトの幅方向に貫通孔を設け、該貫通孔に串を貫通せしめ、該串の両端に固定部を設け、複数の前記チップスティックを前記串に固定して一体化し、該一体化したチップスティックを前記長溝部に固定したことを特徴とするベルトクリーナ。
  2. 前記チップスティックの前記固定部に、前記戻り側ベルトの幅方向に、上段貫通孔と下段貫通孔を設け、該上段貫通孔と該下段貫通孔にそれぞれ上段串と下段串を貫通せしめ、該上段串と下段串の両端にそれぞれ上段固定部、下段固定部を設け、複数の前記チップスティックを前記上段串と前記下段串に固定して一体化することにより、前記串を2段に取り付けたことを特徴とする請求項1記載のベルトクリーナ。
  3. 前記串の片側端末にネジを設けナットを取り付けて可動式にし、前記ナットとチップスティックの間にバネを挿入し、前記ナットで該バネを押し付けることにより、該バネで前記チップスティックを押し付けることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のベルトクリーナ。
JP2013168451A 2013-08-14 2013-08-14 ベルトクリーナ Active JP5747299B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013168451A JP5747299B2 (ja) 2013-08-14 2013-08-14 ベルトクリーナ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013168451A JP5747299B2 (ja) 2013-08-14 2013-08-14 ベルトクリーナ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015036327A JP2015036327A (ja) 2015-02-23
JP5747299B2 true JP5747299B2 (ja) 2015-07-15

Family

ID=52686969

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013168451A Active JP5747299B2 (ja) 2013-08-14 2013-08-14 ベルトクリーナ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5747299B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7284511B2 (ja) * 2020-01-31 2023-05-31 株式会社アステック入江 コンベアのクリーニング方法及びクリーニング装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6321901B1 (en) * 1999-03-17 2001-11-27 Martin Engineering Company Conveyor belt cleaner and tensioner
JP4149479B2 (ja) * 2005-11-28 2008-09-10 株式会社キンキエステート ベルトクリーナ装置
JP5739313B2 (ja) * 2011-11-18 2015-06-24 株式会社ハクビ 搬送ベルトクリーナおよび搬送ベルトクリーナ構造
JP2013142027A (ja) * 2012-01-11 2013-07-22 Mafren Kk ベルトクリーナ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015036327A (ja) 2015-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5458334B2 (ja) ベルトクリーナ
JP2013142027A (ja) ベルトクリーナ
JP4839412B2 (ja) ベルトコンベヤ用クリーナ装置
CN102016171B (zh) 用于处理运动表面的清洁装置
JP2017190245A (ja) ベルトクリーナ
JP5861792B1 (ja) ベルトクリーナ
JP5861953B1 (ja) ベルトクリーナ
JP2014043332A (ja) ベルトクリーナ
JP5747299B2 (ja) ベルトクリーナ
JP5791006B2 (ja) ベルトクリーナ
JP6143243B1 (ja) ベルトクリーナ
JP5771886B1 (ja) ベルトクリーナ
JP5712450B1 (ja) ベルトクリーナ
JP6191935B1 (ja) ベルトクリーナ
JP5853341B1 (ja) ベルトクリーナ
JP2018047961A (ja) ベルトクリーナ
JP2945388B1 (ja) コンベアベルトのクリーナ
AU2020102942A4 (en) Self-aligning conveyor belt cleaning assembly
JP5773468B1 (ja) ベルトクリーナ
JP2009091150A (ja) ベルトクリーニング装置
JP5707572B1 (ja) ベルトクリーナ
JP3917531B2 (ja) ベルトクリーナ装置
JP6056024B1 (ja) ベルトクリーナ
CN220181932U (zh) 一种砂石料输料皮带用自清洁机构
JP2017024835A (ja) ベルトクリーナ

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150217

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150414

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150417

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5747299

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150