JP2018047961A - ベルトクリーナ - Google Patents

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Abstract

【課題】戻り側ベルトの形状に、四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末を精密に合わせることができず大量の掻き取り残しが発生していた。又、隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体の隙間にダストが侵入し、固着するため四角形棒状ゴム製弾性体の揺動運動を妨げていた。又、多数の四角形棒状ゴム製弾性体を、同時に、確実に、強固に架台に固定することが困難であった。【解決手段】複数の四角形棒状ゴム製弾性体を、架台の両側に設けた2本のスラストボルトを締め付けることにより、簡単、安全に、架台の溝に固定できるようにした。又、複数の高さ調整ボルトを、架台の底板に回転自在に取り付け、高さ調整板を上方に押圧して、複数の四角形棒状ゴム製弾性体の高さ調節を同時にできるようにした。又、四角形棒状ゴム製弾性体の間にスペーサを設け、四角形棒状ゴム製弾性体の隙間に侵入したダストを自動的に排出できるようにした。【選択図】図1

Description

本発明は原材料の輸送に用いるベルトコンベアの戻り側ベルト表面に付着した付着物を掻き取るベルトクリーナであり、ベルトの形状に合わせて掻き取り部の高さ調整を可能にしたベルトクリーナに関するものである。
一般にベルトコンベアは駆動プーリと従動プーリとの間に所定幅のゴム製ベルトをエンドレスに巻き付け、駆動プーリを回転させることによりベルトを両プーリ間で周回運動させるものである。通常搬送物はキャリアベルト(搬送側ベルト)に載せて搬送され、駆動プーリ側で払い出されリターンベルト(戻り側ベルト)となり従動プーリへ戻るが、戻り側ベルト表面に付着した搬送物(ベルトへの付着物)が途中で落下し、戻り側ベルト下に堆積する問題があった。又、付着物はリターンローラやスナッププーリを摩耗させたり、これらのローラに付着し、戻り側ベルトを蛇行させたりする問題があった。
通常、戻り側ベルトの付着物を効率的に掻き落として回収するために、戻り側ベルトの最先端にベルトクリーナを設置している。ベルトクリーナには、固定された掻き板を戻り側ベルトに押し付けることにより付着物を掻き板で掻き取るスクレーパ式、ブラシを戻り側ベルトに接触させるブラシ方式、高圧の流体を吹き付ける洗浄方式などがあるが、構造が簡単で取り換えの容易なスクレーパ方式が多用されている。
コンベアベルトは使用するにつれ徐々に摩耗するが、均一に摩耗するのではなく中央部が選択的に大きく摩耗する。従ってベルトが古くなるとベルト中央部と端部では数ミリの厚み差が生じる。又、機長の長いベルトになると、コストや作業時間の制約の点からベルトの取り換えを全長に渡り一括してやらない場合もあり、中央部が大きく摩耗している古いベルトと摩耗していない新しいベルトが混在することもある。摩耗状態が不均一なベルトに対して、ベルトクリーナの高さ調整は、摩耗の一番大きな部分に合わせることになるが、押圧力はベルトの幅方向で不均一になってしまう。又、ベルトのエンドレス部(繋ぎ部)は経年的に剥離してエンドレス端部が剥がれてくる。この剥がれ部は戻り側ベルト表面から突き出ているのでベルトクリーナの撓み限界を超えるとベルトクリーナを破損する危険性がある。又、ベルトクリーナの押圧力が大きいとエンドレスの剥がれを助長したりしてベルト損傷の要因となる。従って、ベルトクリーナはベルト表面の付着物を掻き取るために不可欠であるが、適切な取り付けや使用方法を逸脱するとベルトを破損させ生産障害を起こす場合がある。今まで様々な形状、機能のベルトクリーナが提案されているが未だメンテナンスフリーで掻き取り効率に優れたベルトクリーナは具現化されていない。
スクレーパ式のベルトクリーナに必要な要件は以下である。(1)ベルトクリーナを戻り側ベルトの表面に取り付ける際に、戻り側ベルトの幅方向の凹凸に対して、クリーナの掻き取り部(チップ)を精密に当接できるようにする。(2)チップの摩耗による掻き取り性能の低下に合わせて、チップを上昇せしめ、掻き取り性能を回復できるようにする。(3)戻り側ベルトの強固な付着物やエンドレス部(接続部)の剥離に対して、チップが戻り側ベルトの走行方向に大きく撓んで、障害物を瞬時にやり過ごしてベルトクリーナの破損を回避すると同時に、正常な掻き取り状態に瞬時に復帰できる。(4)長期間にわたり確実に付着物を掻き取ることができる。(5)チップの寿命が長く、交換が容易である。(6)ベルトクリーナの調整周期や取り換え周期が長く、調整や取付け取り外しが容易である。(7)ベルトクリーナ本体に付着物が付着しない、もしくは付着物の量が極めて少ない。以上の特性を満足しようとして従来多種多様のベルトクリーナが提案されているが、満足できる方法は具現化されていない。
実開昭52−144590号広報において、ベルトの幅方向に列設した複数のスクレーパを板バネで支持し、板バネをセットボルトで弾性的に撓ませてスクレーパの高さ調整をするベルトクリーナが示されている。この方法においては、板バネが円弧状に上昇すると、スクレーパが扇形に開き、スクレーパの先端に隙間が生じ、線状の掻き取り残しが発生していた。又、スクレーパの剛性が大きい場合は、戻り側ベルトの突起物を瞬時に撓んで回避できないため、ベルトやベルトクリーナが損傷していた。又、ボルトの本数が少ないので、掻き取り部を精密に戻り側ベルトの表面に当接させることは出来ず、掻き取り性能が低下していた。
特開2013−23353号広報において、掻き取りブロック同士を互いに分離しないようにワイヤで連結し、掻き取りブロックをボルトなどの位置決め部材で支持したベルトクリーナが示されている。この方法によれば、ワイヤが緩んでいるときは、掻き取りブロック同士が分離したり、掻き取りブロックの先端が扇形に開き線状の掻き取り残しが生じたりする問題があった。又、掻き取りブロックが金属酸化物の焼結体の場合は、掻き取りブロックの剛性が大きいため、戻り側ベルトの突起物を瞬時に撓んで回避できず、ベルトやベルトクリーナが損傷していた。又、ボルト調整するためには、戻り側ベルトの下部に作業者が入り込んで作業しなければならず、安全面や環境面で問題があった。又、多数のボルトを調整して、掻き取り部を戻り側ベルトに当接するには多大な時間を要し、長期のコンベア停止時間が必要であった。
特開2013−196350号広報において、押し側板と受け側板からなる架台の溝に、スティックを列設し、押し側板に設けた複数のボルトで、押え板を押し込んでスティックを固定する方法が示されている。この方法では、押さえ板の真直度やボルトの押しつけ力を精密に管理できないため、戻り側ベルトの摩擦力によりスティックにかかる力を均等に受け止めることが不可能であり、スティックが次第に溝からはみ出してくる場合があった。又、ボルトの数が多いため現場での調整に時間がかかり生産機会損失となっていた。
特願2015−102359号広報(特許第5861953号)において、架台の溝底に高さ調整ボルトを設け、高さ調整ボルトで薄板の高さを調整して、可撓性のある連結棒で連結した四角形棒状ゴム製弾性体の高さを調整するとともに、四角形棒状ゴム製弾性体の間にスペーサを挿入し、四角形棒状ゴム製弾性体の揺動運動を円滑にしたベルトクリーナが示されている。この方法においては、四角形棒状ゴム製弾性体が連結棒で連結されているため、高さ調整量が小さくなる問題があった。
実開昭52−144590号広報 特開2013−23353号広報 特開2013−196350号広報 特願2015−102359号広報
本発明は以下の課題を解決するものである。(1)掻き取り部が四角形棒状ゴム製弾性体であるベルトクリーナにおいて、四角形棒状ゴム製弾性体の高さ調整後、四角形棒状ゴム製弾性体を架台の溝に固定する方法において、架台の両側から2本のスラストボルトを締め付けるだけで、簡単且つ安全にしかも短時間で、すべての四角形棒状ゴム製弾性体を架台に固定できるようにする。(2)四角形棒状ゴム製弾性体をスラストボルトで、溝の長手方向に押し付けることにより、四角形棒状ゴム製弾性体を弾性的に変形させて、溝と四角形棒状ゴム製弾性体の密着性を高めて、四角形棒状ゴム製弾性体を強固に溝に固定できるようにする。(3)スラストボルトで四角形棒状ゴム製弾性体を戻り側ベルトの幅方向に押し付けることにより、四角形棒状ゴム製弾性体の溝の戻り側ベルトの幅方向の隙間を小さくでき、その分四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末に取り付けた耐磨耗チップの隣り合う隙間を小さくできるので、筋状の掻き取り残しが減少する。(5)隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体の隙間に侵入したダストを自動的に掻き出せるようにして、四角形棒状ゴム製弾性体の円滑な揺動運動を維持する。(5)ベルトクリーナの掻き取り部である四角形棒状ゴム製弾性体の高さを、戻り側ベルトの形状に合わせて、調整する方法において、溝の底板に取り付けた高さ調整ボルトと高さ調整板を昇降させることにより、精密に調整可能にする。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、複数の四角形棒状ゴム製弾性体が、戻り側ベルトの幅方向に配設された架台の溝に列設されており、前記溝は前側板と後ろ側板と底板と前記溝両端に取り付けたフランジ板からなっているベルトクリーナにおいて、前記四角形棒状ゴム製弾性体は前記溝に挿入された固定部と、前記溝から露出して戻り側ベルトの長手方向に揺動する揺動部からなっており、前記四角形棒状ゴム製弾性体を前記溝に固定するために、前記フランジ板には、前記四角形棒状ゴム製弾性体を前記戻り側ベルトの幅方向に押圧する機能を有するスラストボルトが取り付けられており、該スラストボルトは、前記フランジ板に設けられたネジ付き貫通孔に回転自在に取り付けられており、前記スラストボルトを前記四角形棒状ゴム製弾性体に押し付けて、隣り合う前記四角形棒状ゴム製弾性体を、戻り側ベルトの幅方向にお互いに押し付け合うことにより、前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記固定部を前記架台に固定するとともに、前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記揺動部を、前記戻り側ベルト30の長手方向に揺動せしめることを特徴とするベルトクリーナである。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記架台の両端には、前記架台を前記戻り側ベルトの下部に固定するための支持パイプが取り付けられており、前記スラストボルトは、前記支持パイプの内部に内装され、前記スラストボルトを回転せしめるためのナット部が、前記支持パイプの端面近傍に延長されており、前記支持パイプの端末近傍で前記スラストボルトを回転可能にして、前記四角形棒状ゴム製弾性体を前記溝の戻り側ベルトの幅方向に押し付けて、前記架台に固定することを特徴とするベルトクリーナである。
第3の解決手段は特許請求項3に示すように、前記溝の前記底板には、垂直方向に複数のネジ付き貫通孔が設けられており、該貫通孔には、高さ調整ボルトが回転自在に取り付けられており、前記底板と前記四角形棒状ゴム製弾性体の間には可撓性のある高さ調整板が敷設されおり、隣り合う前記四角形棒状ゴム製弾性体の間には、スペーサが挿入されており、前記スラストボルトを前記四角形棒状ゴム製弾性体の側面に軽く接触せしめて、前記四角形棒状ゴム製弾性体の上下方向の動きを可能ならしめつつ、且つ、前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記戻り側ベルトの幅方向への倒れを防止して、前記高さ調整ボルトを上昇せしめることにより、前記高さ調整板を上方に押圧し、前記高さ調整板を上昇せしめ、前記四角形棒状ゴム製弾性体の高さを調整した後、前記スラストボルトを前記四角形棒状ゴム製弾性体の側面に押し付けて、前記四角形棒状ゴム製弾性体を前記架台に固定するとともに、前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記揺動部が前記戻り側ベルトの進行方向の摩擦力により揺動可能にしたことを特徴とするベルトクリーナである。
第1の解決手段による効果は以下である。(1)掻き取り部が四角形棒状ゴム製弾性体であるベルトクリーナにおいて、四角形棒状ゴム製弾性体の高さ調整後、四角形棒状ゴム製弾性体を架台の溝に固定する方法において、架台の両側からスラストボルトを締め付けることにより、戻り側ベルトの下部に人間が入ることなく可能となった。(2)複数の四角形棒状ゴム製弾性体を2個のスラストボルトを締め付けるだけで固定可能となり、ベルトクリーナの現場取り付け時間を短縮できる。(3)架台の溝の長手方向に、四角形棒状ゴム製弾性体を固定しているので、戻り側ベルトの摩擦力で四角形棒状ゴム製弾性体が、戻り側ベルトの幅方向(スラスト方向)へ倒れるのを防止可能となった。(4)四角形棒状ゴム製弾性体をスラスト方向に押し付けることにより、隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体同士間に隙間がなくなり、隣り合うチップ同士を精密にセットできる。(5)四角形棒状ゴム製弾性体やチップが破損したり、摩耗したりして交換する場合は、スラストボルトを緩めることにより、四角形棒状ゴム製弾性体を部分的に取り外し取り付け可能である。
第2の解決手段による効果は以下である。(1)スラストボルトと支持パイプを架台溝フランジの狭い領域にコンパクトに取り付けることができるようになった。このため、支持パイプの位置を若干フランジの中央部寄りに取り付けが可能となり、支持パイプが戻り側ベルトの摩擦力により生じるモーメントが小さくなった。(2)支持パイプの端部近傍までスラストボルトを延長できるので、スラストボルトの締め付け作業が容易になり、又、安全にできるようになった。(3)スラストボルトが支持パイプの中に内装されているので、スラストボルトが汚れたり、錆びたりする問題を解消できる。
第3解決手段による効果は以下である。(1)溝の底板には、垂直方向に複数のネジ付き貫通孔が設けられており、該貫通孔には、高さ調整ボルトが回転自在に取り付けられており、底板と四角形棒状ゴム製弾性体の間には可撓性のある高さ調整板が敷設されており、且つ、スラストボルトを前記四角形棒状ゴム製弾性体に軽く接触せしめることにより、四角形棒状ゴム製弾性体の上下方向の動きを自由にしつつ、戻り側ベルトの幅方向(スラスト方向)の動きを拘束できるので、四角形棒状ゴム製弾性体のスラスト方向への倒れ防止が可能となった。(2)高さ調整ボルトで四角形棒状ゴム製弾性体を上昇させた際に、四角形棒状ゴム製弾性体は垂直に上昇するので、四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末が扇形に開くことがなく、筋状の掻き取り残しが解消できる。(3)四角形棒状ゴム製弾性体の高さ調整後は、スラストボルトを四角形棒状ゴム製弾性体に押し付けることで、簡単にかつ強固に四角形棒状ゴム製弾性体を架台に固定できる。(4)連結棒で四角形棒状ゴム製弾性体を連結していないので、四角形棒状ゴム製弾性体の高さ調整量が大きくなった。(5)四角形棒状ゴム製弾性体の固定部の固定部側面とスペーサはスラストボルトの押しつけ力で固定されが、スペーサの高さを四角形棒状ゴム製弾性体より短くすることにより、四角形棒状ゴム製弾性体同士の間にはスペーサの厚み相当分の隙間が存在するので、四角形棒状ゴム製弾性体は締め付けられることがなく、円滑な揺動運動ができる。(5)四角形棒状ゴム製弾性体は戻り側ベルトの摩擦力で、戻り側ベルトの進行方向に揺動するが、スペーサは動くことがないので、スペーサと四角形棒状ゴム製弾性体の間に侵入した微細ダストは、四角形棒状ゴム製弾性体が揺動運動することにより、スペーサで自動的に排出できる。このため、四角形棒状ゴム製弾性体は円滑な揺動運動を長期間維持できる。(6)四角形棒状ゴム製弾性体の戻り側ベルトの進行方向に対向する面の幅W1を耐磨耗チップの幅W2よりも小さくすることにより、隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体の間にスペーサを挿入することが可能であり、スペーサの厚みを変えることにより、隣り合う耐磨耗チップの隙間を最小限に設定することができるので、筋状の掻き取り残しを解消できる。
は、ベルトクリーナを部分断面した部分斜視図。 は、スラストボルトが支持パイプの外側にあるベルトクリーナの部分断面図。 は、倒れ防止板を両側に設けたベルトクリーナの部分断面図。 は、スラストボルトが支持パイプの中にあるベルトクリーナの部分断面図。 は、スラストボルトが支持パイプの中にある部分断面斜視図。 は、高さ調整ボルトを設けたベルトクリーナの部分断面図。 は、ベルトクリーナの横断面図 は、スペーサとシム板を設けたベルトクリーナの拡大部分断面図。
本発明の実施形態を請求項1〜請求項3及び図1〜図8に基づいて説明する。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、複数の四角形棒状ゴム製弾性体20が、戻り側ベルト30の幅方向に配設された架台40の溝40aに列設されており、前記溝40aは前側板41と後ろ側板42と底板43と前記溝40a両端に取り付けたフランジ板44からなっているベルトクリーナ10において、前記四角形棒状ゴム製弾性体20は前記溝40aに挿入された固定部21と、前記溝40aから露出して戻り側ベルト30の長手方向に揺動する揺動部22からなっており、前記四角形棒状ゴム製弾性体20を前記溝40aに固定するために、前記フランジ板44には、前記四角形棒状ゴム製弾性体20を前記戻り側ベルト30の幅方向に押圧する機能を有するスラストボルト60が取り付けられており、該スラストボルト60は、前記フランジ板44に設けられたネジ付き貫通孔44aに回転自在に取り付けられており、前記スラストボルト60を前記四角形棒状ゴム製弾性体20に押し付けて、隣り合う前記四角形棒状ゴム製弾性体20を、前記戻り側ベルト30の幅方向にお互いに押し付け合うことにより、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の前記固定部21を前記架台40に固定するとともに、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の前記揺動部22を、前記戻り側ベルト30の長手方向に揺動せしめることを特徴とするベルトクリーナ10である。
図1は、ベルトクリーナ10を部分断面した部分斜視図である。図2は、スラストボルト60が支持パイプ45の外側にあるベルトクリーナ10の部分断面図である。図3は、倒れ防止板23を両側に設けたベルトクリーナ10の部分断面図である。図7はベルトクリーナの横断面図である。
本ベルトクリーナ10は、複数の四角形棒状ゴム製弾性体20が架台40の溝40aに列設されて固定されている。四角形棒状ゴム製弾性体20は、溝型の架台40に設けた溝40aに挿入されている。溝40aは前側板41と後ろ側板42と底板43と前記溝40a両端に取り付けたフランジ板44から構成されている。フランジ板44には、戻り側ベルト30の幅方向に貫通孔44aが設けられ、貫通孔44aにはネジ62が設けられている。ネジ62は貫通孔44aに直接形成してもよいし、図1のように、ナット(ネジ)62を溶接してネジ62を設けてもよい。貫通孔44aのネジ62にはスラストボルト60が回転自在に取り付けられている。
フランジ板44には支持パイプ45が取り付けてあり、支持パイプ45は取り付け架台基部46に固定され、取り付け架台基部46は、例えばコンベア架台47などに取り付けられている。
溝40aの両側に設けたスラストボルト60で四角形棒状ゴム製弾性体20を戻り側ベルト30の幅方向に押し付けることにより、四角形棒状ゴム製弾性体20を架台40に固定することができる。図7に示すように、四角形棒状ゴム製弾性体20は溝40aに収納されている固定部21と溝40aから露出している揺動部22に分かれている。固定部21はスラストボルト60で押し付けられることにより、隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20aは、作用反作用で互いに押し合うとともに、前側板41と後ろ側板42で拘束されているので、四角形棒状ゴム製弾性体20を強固に架台40に固定することができる。揺動部22においては、揺動部22の溝40a周辺部はスラストボルト60の締め付け力の影響を受けるが、溝40aから離れるに従ってスラストボルト60の締め付け力の影響は小さくなっていくので、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末20b周辺は自在に揺動運動することができる。
即ち、架台40の溝40a内に収納された四角形棒状ゴム製弾性体20の固定部21をスラストボルト60で両側から締め付けることにより、溝40a内に四角形棒状ゴム製弾性体20を強固に固定できるとともに、溝40aから露出している揺動部22は、戻り側ベルト30の進行方向の摩擦力により、戻り側ベルト30の長手方向に自在に揺動できる。従って、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末20aは戻り側ベルト30の凹凸に自在に且つ瞬時に追随し、戻り側ベルト30の表面に付着した付着物を効率よくを掻き取ることができる。
四角形棒状ゴム製弾性体20は弾力性があるので、固定部21においては、スラストボルト60による押付け力により、四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20aが微小な凹みを生じ、隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体20はお互いに強固に拘束され、戻り側ベルト30の摩擦による水平力で溝40aからすっぽ抜けることはない。しかしながら、揺動部22においては、溝40aから離れるに従って、徐々に拘束力は減少していき、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末20b周辺では、ほとんど拘束力がなくなり、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末20bは、戻り側ベルト30の進行方向の摩擦力を受けて、戻り側ベルト30の長手方向に揺動運動することができる。
四角形棒状ゴム製弾性体20は、自由側端末20bを戻り側ベルト30に押圧するための押圧力が必要であるとともに戻り側ベルト30の微妙な凹凸に柔軟に追随する必要がある。そのため、四角形棒状ゴム製弾性体20はゴムを使用する。ゴムには例えば天然ゴムや合成天然ゴム、スチレン、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムなどが使用できる。
四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末20bには耐磨耗材からなるチップ50を取り付けるのが良い。チップ50の材質はセラミックスや超硬合金やサーメットを使用できる。セラミックスには、例えばアルミナ、窒化ケイ素、ジルコニア、炭化ケイ素などを使用できる。超硬合金には、例えばWC−Co系合金、WC−TiC−Co系合金、WC−TaC−TaC−Co系合金などを使用できる。サーメットはTiCやTiN、NbCを主成分とし、Co、Ni、Mo等の金属との複合材料の焼結品が使用できる。
スラストボルト60で直接押圧される四角形棒状ゴム製弾性体20は、局部的に強い面圧を受けるため、固定部21が押圧方向に微小に凹むため、揺動部22の先端即ち自由側端末20bが戻り側ベルト30の幅方向に微小に倒れる現象が生じ、隣り合うチップ50の隙間が開く場合がある。このような場合は、図3に示すように、四角形棒状ゴム製弾性体20とスラストボルト60の間に倒れ防止板23を挿入することにより、四角形棒状ゴム製弾性体20に作用する面圧を拡散できる。又、倒れ防止板23は、四角形棒状ゴム製弾性体20が、戻り側ベルト30の幅方向(スラスト方向)の力(スラスト力)によりスラスト方向に倒される現象を防止することができる。倒れ防止板の幅W3は、戻り側ベルト30のスラスト力に耐えるために、四角形棒状ゴム製弾性体20の幅W1の3倍以上が望ましい。
本ベルトクリーナ10は、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末20bを戻り側ベルト30に当接して、高さ調整が完了したら、架台40の両側から2本のスラストボルト60を締め付けるだけで、複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を同時に架台40に固定することが可能である。このため、作業が安全に行え、且つ容易であり、大幅な時間短縮が可能となった。又、架台40の溝40aの戻り側ベルト30の幅方向に、四角形棒状ゴム製弾性体20を固定しているので、戻り側ベルト30の摩擦力で四角形棒状ゴム製弾性体20が、戻り側ベルト30の幅方向(スラスト方向)へ倒れるのを防止できる。又、四角形棒状ゴム製弾性体20をスラスト方向に押し付けることにより、隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体20同士間に隙間がなくなり、隣り合うチップ50同士を精密にセットでき、掻き取り残しが減少する。又、四角形棒状ゴム製弾性体20を溝40a内に強固に固定できるうえに、戻り側ベルト30の進行方向の摩擦力による、戻り側ベルト30の長手方向の揺動運動は自在にできるため、戻り側ベルト30の凹凸に対する追随性に優れており、戻り側ベルト30の付着物の除去性能を飛躍的に向上できる。又、四角形棒状ゴム製弾性体20やチップ50が破損したり、摩耗したりした場合は、スラストボルト60を緩めることにより、四角形棒状ゴム製弾性体20を部分的に簡単に取り外し、取り付けできるので交換が容易である。
四角形棒状ゴム製弾性体20の横断面は、図7(a)、(b)に示すように四角形である。四角形棒状ゴム製弾性体20の戻り側ベルト30の幅方向の幅W1は、10〜30mmがよい。10mm以下であると剛性が弱く掻き取り能力が小さくなる。30mmより大きくなると剛性が大きくなり、戻り側ベルト30の長手方向への撓みが小さくなり、小さな凹凸に柔軟に追随しなくなるとともに、戻り側ベルト30の幅方向の小さな凹凸に対して精密に当接性できなくなり掻き取り性能が低下する。図7に示すように、四角形棒状ゴム製弾性体20の長さLは、後ろ側板42の上面42aから50〜300mmがよい。長さ50mmより短いと撓みが小さすぎて戻り側ベルト30への追随性が低下する。300mmより長いと撓み量が大きすぎて掻き取り力が低下する。
従来のベルトクリーナは、幅100〜500mm程度のゴム弾性板もしくは金属板などにチップを取り付けた掻き板が主流であり、掻き板の幅が広すぎるため、チップ全面が戻り側ベルト30表面に均一当接することは不可能であり、掻き取り残しが生じていた。又、掻き取り残しを解消するために掻き板を戻り側ベルト30に無理に接触させようとすると押圧力が大きくなるので、戻り側ベルト30を摩耗させたり、エンドレス部の剥がれ(突起物)を助長したりしてベルトを損傷させていた。この問題を解決するには、四角形棒状ゴム製弾性体20の幅W1やチップの幅W2をできるだけ小さくして、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末20bやチップ50が均一に戻り側ベルト30表面を押圧するとともに、ベルト30の突起物に対しては瞬時に回避し、回避後は瞬時に通常位置に復帰できることが不可欠である。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記架台40の両端には、前記架台40を前記戻り側ベルト30の下部に固定するための支持パイプ45が取り付けられており、前記スラストボルト60は、前記支持パイプ45の内部に内装され、前記スラストボルト60を回転せしめるための締め付けナット61が、前記支持パイプ45の端末45a近傍に延長されており、前記支持パイプ45の端面45a近傍で前記スラストボルト60を回転可能にして、前記四角形棒状ゴム製弾性体20を前記溝40aの戻り側ベルト30の幅方向に押し付けて、前記架台40に固定することを特徴とするベルトクリーナ10である。
図4は、スラストボルト60が支持パイプ45の中にあるベルトクリーナ10の部分断面図である。図5は、スラストボルト60が支持パイプ45の中にある部分断面斜視図である。図6は、高さ調整ボルト80を設けたベルトクリーナ10の部分断面図である。図8は、スペーサ70とシム板71を設けたベルトクリーナ10の拡大部分断面図である。
本ベルトクリーナ10は、フランジ44に支持パイプ45を取付けて、架台40を支持する構造である。フランジ44にスラストボルト60を取付けることにより、スラストボルト60を支持パイプ45の中に収納することができる。スラストボルト60を回転させるための締め付けナット61は、締め付け作業を容易にするため支持パイプの端面45aよりも外側に出るようにする。
本ベルトクリーナ10においては、スラストボルト60を支持パイプ45の中に収納することにより、スラストボルト60と支持パイプ45の取り付け空間を共有できるので、架台40の溝40aに設けたフランジ44の狭い領域に、支持パイプ45をコンパクトに取り付けることができる。支持パイプ45の位置をフランジ44の任意の位置に取り付けが可能となった。支持パイプ45をフランジ44の上方に取り付けることにより、戻り側ベルト30の摩擦力により支持パイプ45に作用するモーメントが小さくなった。又、支持パイプ45の端面近傍までスラストボルト60を延長できるので、スラストボルト60の締め付け作業が容易になり、且つ、安全にできるようになった。又、スラストボルト60が支持パイプ45の中に内装されているので、スラストボルト60の汚れや錆びを解消できる。
第3の解決手段は特許請求項3に示すように、前記溝40aの前記底板43には、垂直方向に複数のネジ付きの貫通孔43aが設けられており、該貫通孔43aには、高さ調整ボルト80が回転自在に取り付けられており、前記底板43と前記四角形棒状ゴム製弾性体20の間には可撓性のある高さ調整板90が敷設されおり、隣り合う前記四角形棒状ゴム製弾性体20の間には、スペーサ70が挿入されており、前記スラストボルト60を前記四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20aに軽く接触せしめて、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の上下方向の動きを可能ならしめつつ、且つ、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の前記戻り側ベルト30の幅方向への倒れを防止して、前記高さ調整ボルト60を上昇せしめることにより、前記高さ調整板90を上方に押圧し、前記高さ調整板90を上昇せしめ、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の高さを調整した後、前記スラストボルト60を前記四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20aに押し付けて、前記四角形棒状ゴム製弾性体20を前記架台40に固定するとともに、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の前記揺動部22が前記戻り側ベルト30の進行方向の摩擦力により揺動可能にしたことを特徴とするベルトクリーナ10である。
高さ調整ボルト80と高さ調整板90を組み合わせて、スクレーパを上昇せしめて、戻り側ベルトに当接させる方法は、特許文献1の実開昭52−144590号広報に示されているが、スクレーパが扇形に開くため、チップ同士に隙間が生じて、筋状の掻き取り残しが発生する問題があった。本発明では、スラストボルト60を四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20aに軽く接触する程度に押し付けて、四角形棒状ゴム製弾性体20が戻り側ベルト30の幅方向へ倒れるのを防止しつつ、四角形棒状ゴム製弾性体20を垂直に上昇させることができる。このため、チップ50同士に隙間が生じることがないので筋状の掻き取り残しが発生することはない。
戻り側ベルト30の筋状の掻き取り残しを小さくするためには、隣り合うチップ50の隙間を小さくする必要があることから、四角形棒状ゴム製弾性体20の戻り側ベルト30の幅方向の幅W1はチップ50の戻り側ベルト30の幅方向の幅W2よりも小さくする。隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20aの間には隙間20cが生じるので、図6に示すように、この隙間20cにスペーサ70を挿入する。スペーサ70を挿入することにより、隙間20cへのダスト侵入を防止できる。又、ダストが侵入しても、揺動部22は戻り側ベルト30の長手方向に揺動するが、スペーサ70は動かないので、スペーサ70と揺動部22側面20aが擦れ合うことにより、揺動部22がワイパの機能を果たして、ダストが自動的に隙間20cから排出される。このようなスペーサ70のダストクリーニング機能により、隙間20cにはダストの詰まりが生じることなく、揺動部22の円滑な動きが維持される。固定部21の側面20aとスペーサ70は強固に固定する必要があり、押圧力が弱いとスペーサ70が溝40aの中から次第に抜け出てくる問題がある。本発明のように、溝40aの両側からスラストボルト60で、戻り側ベルト30の幅方向に押し付けることにより、スペーサ70を確実に保持できるようになった。従来、スペーサ70を溝40aの戻り側ベルト30の幅方向に押し付けて固定する方法がなかった。
スペーサ70の長さを調整することにより、揺動部22の柔軟性を調節できる。図6のように、スペーサ70が前側板41や後ろ側板42よりも短ければ、四角形棒状ゴム製弾性体20をスラストボルト60で強く押し付けた場合でも、揺動部22の動きは柔軟で滑らかである。図8のように、スペーサ70の高さが高くなるにつれて、スペーサ70と四角形棒状ゴム製弾性体20の側面の摩擦力は大きくなるので、揺動部22の動きは抑制される。
図8に示すように、揺動部22とスペーサ70の摩擦を小さくするためには、溝40aに収納されているスペーサ70両側にシム板71を挿入する。四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20aで強固にスペーサ70を押し付けても、スペーサ70と四角形棒状ゴム製弾性体20の間には、必ずシム板71の厚みの隙間が保持されるので、揺動部22とスペーサ70の摩擦は解消し、揺動部22は円滑に揺動できる。
スペーサ90の材質は、ウレタン、フッ素、プラスチックなどの樹脂からなる薄板やSUS、銅、チタン、炭素鋼などからなる金属薄板などを使用できる。四角形棒状ゴム製弾性体20の戻り側ベルトの幅方向に面する側面20aとスペーサ90が摺動することから、フッ素樹脂のような摩擦の小さな薄板が望ましい。スペーサ90は、架台40の溝40aに挿入するため長方形薄板にするのが望ましい。スペーサ90の厚みは、0.3〜2.0mmがよい。0.3mm以下になると、四角形棒状ゴム製弾性体20に戻り側ベルト30のスラスト力が作用した際に、四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20aが接触し、四角形棒状ゴム製弾性体20が元の形状に復帰できなくなる。2.0mm以上になると、四角形棒状ゴム製弾性体20の断面係数が低下し弾性力が小さくなることから、戻り側ベルト30に対する押圧力が低下するので掻き取り性能が低下する。
戻り側ベルト30の形状や表面状況は戻り側ベルト30毎に異なるため、従来のベルトクリーナ10のように、幅広の掻き板にチップを取り付けた構造では、戻り側ベルト30の表面に正確に当接できないため大量の掻き取り残しがあった。この問題を解決するため、本発明によるベルトクリーナ10は、底板43に貫通孔43aを設け、貫通孔43aにネジ81を設けて高さ調整ボルトを取り付けている。且つ、四角形棒状ゴム製弾性体20と底板の間に高さ調整板90を敷設している。
高さ調整ボルト80を押し上げると、高さ調整板90が凸円弧状に撓んで、複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を円弧状に押し上げて、凸円弧状の戻り側ベルト30の形状に合わせて、四角形棒状ゴム製弾性体20の高さを調整できるため、四角形棒状ゴム製弾性体20を戻り側ベルト30に精密に当接できる。高さ調整ボルト80で高さ調整板90を上昇させることにより、1本の高さ調整ボルト80で、同時に複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を凸円弧状に上昇させることができる。四角形棒状ゴム製弾性体20の高さ調整機能により、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末20bを精密に戻り側ベルト30の表面に当接できるので、付着物の掻き取り残しが発生しない。
図6、図8に示すように、可撓性のある高さ調整板90を高さ調整ボルト80で押し上げると、高さ調整板90は自動的に凸円弧形状に撓むので、高さ調整板90の形状に合わせて、四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末20bも上昇することから、少数の高さ調整ボルト80で、同時に複数の四角形棒状ゴム製弾性体20の高さ調整ができる。又、可撓性があり強度を有する高さ調整板90は、滑らかな凸円弧状に湾曲するので、列設した四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末20bの形状を、戻り側ベルト30の形状に沿った階段状の滑らかな凸円弧状に形成できる。
高さ調整ボルト80は、架台40の底板43に設けた貫通孔43aにネジ81を設け、回転自在に取り付けている。ネジ81は、底板43に直接形成してもよいし、ナット81(ネジ)を溶接して取り付けてもよい。ベルト30を交換した際や経年的にベルト30が摩耗して表面形状や凹凸状態が変化した場合は、四角形棒状ゴム製弾性体20を取り外すことなく、高さ調整ボルト80を調整することで容易に四角形棒状ゴム製弾性体20の高さを調整して、戻り側ベルト30の凸円弧の形状に合わせることができる。
高さ調整板22の材質は、ウレタン、フッ素、ゴム、プラスチックなどの樹脂薄板やSUS、銅、チタン、炭素鋼などの金属薄板やカーボンファイバーなどを使用できる。又、ワイヤや金属線を樹脂で被覆したケーブルなどを使用することができる。高さ調整ボルト80で押し上げた際に柔軟に撓める可撓性があり、複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を同時に押し上げることのできる強度があればよい。
高さ調整板90の厚みは、樹脂の場合0.5〜5mmがよい。0.5mm以下では、複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を押し上げることができない。又、5mm以上になると適正な凸円弧を形成できず直線的な形状になる。金属薄板22の場合は、0.1〜3mmがよい。0.1mm以下では複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を押し上げることができない。3mm以上では適正な凸円弧を形成できず直線的な形状になる。
10:ベルトクリーナ
20:四角形棒状ゴム製弾性体
20a:(四角形棒状ゴム製弾性体の)側面
20b:(四角形棒状ゴム製弾性体の)自由側端末
20c:(隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体の間の)隙間
21:(四角形棒状ゴム製弾性体の)固定部
22:(四角形棒状ゴム製弾性体の)揺動部
23:倒れ防止板
30:戻り側ベルト
40:架台
40a:溝
41:前側板
42:後ろ側板
42a:後ろ側板の上面
43:底板
43a:貫通孔
44:フランジ
44a:貫通孔
45:支持パイプ
45a:(支持パイプの)端面
46:ベルトクリーナ取付け基部
47:コンベア架台
50: チップ
60:スラストボルト
61:締め込みナット
62:ナット(ネジ)
70:スペーサ
71:シム板
80:高さ調整ボルト
81:ナット(ネジ)
90:高さ調整板
W1:戻り側ベルトの幅方向の四角形棒状ゴム製弾性体の幅
W2:チップの幅
W3:倒れ防止板の幅
L:四角形棒状ゴム製弾性体の長さ
本発明は原材料の輸送に用いるベルトコンベアの戻り側ベルト表面に付着した付着物を
掻き取るベルトクリーナであり、ベルトの形状に合わせて掻き取り部の高さ調整を可能に
したベルトクリーナに関するものである。
一般にベルトコンベアは駆動プーリと従動プーリとの間に所定幅のゴム製ベルトをエンドレスに巻き付け、駆動プーリを回転させることによりベルトを両プーリ間で周回運動させるものである。通常搬送物はキャリアベルト(搬送側ベルト)に載せて搬送され、駆動プーリ側で払い出されリターンベルト(戻り側ベルト)となり従動プーリへ戻るが、戻り側ベルト表面に付着した搬送物(ベルトへの付着物)が途中で落下し、戻り側ベルト下に堆積する問題があった。又、付着物はリターンローラやスナッププーリを摩耗させたり、これらのローラに付着し、戻り側ベルトを蛇行させたりする問題があった。
通常、戻り側ベルトの付着物を効率的に掻き落として回収するために、戻り側ベルトの最先端にベルトクリーナを設置している。ベルトクリーナには、固定された掻き板を戻り側ベルトに押し付けることにより付着物を掻き板で掻き取るスクレーパ式、ブラシを戻り側ベルトに接触させるブラシ方式、高圧の流体を吹き付ける洗浄方式などがあるが、構造が簡単で取り換えの容易なスクレーパ方式が多用されている。
コンベアベルトは使用するにつれ徐々に摩耗するが、均一に摩耗するのではなく中央部が選択的に大きく摩耗する。従ってベルトが古くなるとベルト中央部と端部では数ミリの厚み差が生じる。又、機長の長いベルトになると、コストや作業時間の制約の点からベルトの取り換えを全長に渡り一括してやらない場合もあり、中央部が大きく摩耗している古いベルトと摩耗していない新しいベルトが混在することもある。摩耗状態が不均一なベルトに対して、ベルトクリーナの高さ調整は、摩耗の一番大きな部分に合わせることになるが、押圧力はベルトの幅方向で不均一になってしまう。又、ベルトのエンドレス部(繋ぎ部)は経年的に剥離してエンドレス端部が剥がれてくる。この剥がれ部は戻り側ベルト表面から突き出ているのでベルトクリーナの撓み限界を超えるとベルトクリーナを破損する危険性がある。又、ベルトクリーナの押圧力が大きいとエンドレスの剥がれを助長したりしてベルト損傷の要因となる。従って、ベルトクリーナはベルト表面の付着物を掻き取るために不可欠であるが、適切な取り付けや使用方法を逸脱するとベルトを破損させ生産障害を起こす場合がある。今まで様々な形状、機能のベルトクリーナが提案されているが未だメンテナンスフリーで掻き取り効率に優れたベルトクリーナは具現化されていない。
スクレーパ式のベルトクリーナに必要な要件は以下である。(1)ベルトクリーナを戻り
側ベルトの表面に取り付ける際に、戻り側ベルトの幅方向の凹凸に対して、クリーナの掻
き取り部(チップ)を精密に当接できるようにする。(2)チップの摩耗による掻き取り
性能の低下に合わせて、チップを上昇せしめ、掻き取り性能を回復できるようにする。(
3)戻り側ベルトの強固な付着物やエンドレス部(接続部)の剥離に対して、チップが戻
り側ベルトの走行方向に大きく撓んで、障害物を瞬時にやり過ごしてベルトクリーナの破
損を回避すると同時に、正常な掻き取り状態に瞬時に復帰できる。(4)長期間にわたり
確実に付着物を掻き取ることができる。(5)チップの寿命が長く、交換が容易である。
(6)ベルトクリーナの調整周期や取り換え周期が長く、調整や取付け取り外しが容易で
ある。(7)ベルトクリーナ本体に付着物が付着しない、もしくは付着物の量が極めて少
ない。以上の特性を満足しようとして従来多種多様のベルトクリーナが提案されているが、
満足できる方法は具現化されていない。
実開昭52−144590号広報において、ベルトの幅方向に列設した複数のスクレーパを板バネで支持し、板バネをセットボルトで弾性的に撓ませてスクレーパの高さ調整をするベルトクリーナが示されている。この方法においては、板バネが円弧状に上昇すると、
スクレーパが扇形に開き、スクレーパの先端に隙間が生じ、線状の掻き取り残しが発生し
ていた。又、スクレーパの剛性が大きい場合は、戻り側ベルトの突起物を瞬時に撓んで回
避できないため、ベルトやベルトクリーナが損傷していた。又、ボルトの本数が少ないの
で、掻き取り部を精密に戻り側ベルトの表面に当接させることは出来ず、掻き取り性能が
低下していた。
特開2013−23353号広報において、掻き取りブロック同士を互いに分離しないようにワイヤで連結し、掻き取りブロックをボルトなどの位置決め部材で支持したベルトクリーナが示されている。この方法によれば、ワイヤが緩んでいるときは、掻き取りブロック同士が分離したり、掻き取りブロックの先端が扇形に開き線状の掻き取り残しが生じたりする問題があった。又、掻き取りブロックが金属酸化物の焼結体の場合は、掻き取りブロックの剛性が大きいため、戻り側ベルトの突起物を瞬時に撓んで回避できず、ベルトやベルトクリーナが損傷していた。又、ボルト調整するためには、戻り側ベルトの下部に作業者が入り込んで作業しなければならず、安全面や環境面で問題があった。又、多数のボルトを調整して、掻き取り部を戻り側ベルトに当接するには多大な時間を要し、長期のコンベア停止時間が必要であった。
特開2013−196350号広報において、押し側板と受け側板からなる架台の溝に、
スティックを列設し、押し側板に設けた複数のボルトで、押え板を押し込んでスティック
を固定する方法が示されている。この方法では、押さえ板の真直度やボルトの押しつけ力
を精密に管理できないため、戻り側ベルトの摩擦力によりスティックにかかる力を均等に
受け止めることが不可能であり、スティックが次第に溝からはみ出してくる場合があった。
又、ボルトの数が多いため現場での調整に時間がかかり生産機会損失となっていた。
特願2015−102359号広報(特許第5861953号)において、架台の溝底に高さ調整ボルトを設け、高さ調整ボルトで薄板の高さを調整して、可撓性のある連結棒で連結した四角形棒状ゴム製弾性体の高さを調整するとともに、四角形棒状ゴム製弾性体の間にスペーサを挿入し、四角形棒状ゴム製弾性体の揺動運動を円滑にしたベルトクリーナが示されている。この方法においては、四角形棒状ゴム製弾性体が連結棒で連結されているため、高さ調整量が小さくなる問題があった。
実開昭52−144590号広報 特開2013−23353号広報 特開2013−196350号広報 特願2015−102359号広報
本発明は以下の課題を解決するものである。(1)掻き取り部が四角形棒状ゴム製弾性体
であるベルトクリーナにおいて、四角形棒状ゴム製弾性体の高さ調整後、四角形棒状ゴム
製弾性体を架台の溝に固定する方法において、架台の両側から2本のスラストボルトを締
め付けるだけで、簡単且つ安全にしかも短時間で、すべての四角形棒状ゴム製弾性体を架
台に固定できるようにする。(2)四角形棒状ゴム製弾性体をスラストボルトで、溝の長
手方向に押し付けることにより、四角形棒状ゴム製弾性体を弾性的に変形させて、溝と四
角形棒状ゴム製弾性体の密着性を高めて、四角形棒状ゴム製弾性体を溝に強固に固定可能にする。(3)スラストボルトで四角形棒状ゴム製弾性体を戻り側ベルトの幅方向に押し付けることにより、四角形棒状ゴム製弾性体の溝の戻り側ベルトの幅方向の隙間を小さくでき、その分四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末に取り付けた耐磨耗チップの隣り合う隙間を小さくできるので、筋状の掻き取り残しが減少する。(5)隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体の隙間に侵入したダストを自動的に掻き出せるようにして、四角形棒状ゴム製弾性体の円滑な揺動運動を維持する。(5)ベルトクリーナの掻き取り部である四角形棒状ゴム製弾性体の高さを、戻り側ベルトの形状に合わせて、調整する方法において、溝の底板に取り付けた高さ調整ボルトと高さ調整板を昇降させることにより、精密に調整可能にする。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、複数の四角形棒状ゴム製弾性体が、戻り側ベルトの幅方向に配設された架台の溝に列設されており、前記溝は前側板と後ろ側板と底板と前記溝両端に取り付けたフランジ板と該フランジ板に取り付けられた支持用パイプからなっているベルトクリーナにおいて、前記四角形棒状ゴム製弾性体は前記溝に挿入された固定部と、前記溝から露出して戻り側ベルトの長手方向に揺動する揺動部からなっており、前記四角形棒状ゴム製弾性体を前記溝に固定するために、前記フランジ板には、前記四角形棒状ゴム製弾性体を前記戻り側ベルトの幅方向に押圧する機能を有するスラストボルトが取り付けられているベルトクリーナにおいて、該スラストボルトは、前記フランジ板に設けられたネジ付き貫通孔に回転自在に取り付けられ、且つ前記支持用パイプの内部に内装され、前記スラストボルトを回転せしめるためのナット部が、前記支持用パイプの端面近傍に延長されており、前記支持用パイプの端末近傍で前記スラストボルトを回転せしめて、前記四角形棒状ゴム製弾性体を前記溝の戻りベルトの幅方向に押し付けて、前記架台に固定することを特徴とするベルトクリーナである。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記溝の前記底板には、垂直方向に複数のネジ付き貫通孔が設けられており、該貫通孔には、高さ調整ボルトが回転自在に取り付けられており、前記底板と前記四角形棒状ゴム製弾性体の間には可撓性のある高さ調整板が敷設されており、隣り合う前記四角形棒状ゴム製弾性体の間には、スペーサが挿入されており、前記スラストボルトを前記四角形棒状ゴム製弾性体の側面に軽く接触せしめて、前記四角形棒状ゴム製弾性体の上下方向の動きを可能ならしめつつ、且つ、前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記戻り側ベルトの幅方向への倒れを防止して、前記高さ調整ボルトを上昇せしめることにより、前記高さ調整板を上方に押圧し、前記高さ調整板を上昇せしめ、前記四角形棒状ゴム製弾性体の高さを調整した後、前記スラストボルトを前記四角形棒状ゴム弾性体の側面に押し付けて、前記四角形棒状ゴム製弾性体を前記架台に固定するとともに、前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記揺動部が前記戻り側ベルトの進行方向の摩擦力により揺動可能にしたことを特徴とする請求項1記載のベルトクリーナである。
第1の解決手段による効果は以下である。(1)掻き取り部が四角形棒状ゴム製弾性体で
あるベルトクリーナにおいて、四角形棒状ゴム製弾性体の高さ調整後、四角形棒状ゴム製
弾性体を架台の溝に固定する方法において、架台の両側からスラストボルトを締め付ける
ことにより、戻り側ベルトの下部に人間が入ることなく可能となった。(2)複数の四角
形棒状ゴム製弾性体を2個のスラストボルトを締め付けるだけで固定可能となり、ベルト
クリーナの現場取り付け時間を短縮できる。(3)架台の溝の長手方向に、四角形棒状ゴ
ム製弾性体を固定しているので、戻り側ベルトの摩擦力で四角形棒状ゴム製弾性体が、戻
り側ベルトの幅方向(スラスト方向)へ倒れるのを防止可能となった。(4)四角形棒状
ゴム製弾性体をスラスト方向に押し付けることにより、隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体
同士間に隙間がなくなり、隣り合うチップ同士を精密にセットできる。(5)四角形棒状
ゴム製弾性体やチップが破損したり、摩耗したりして交換する場合は、スラストボルトを
緩めることにより、四角形棒状ゴム製弾性体を部分的に取り外し取り付け可能である。(6)スラストボルトと支持パイプを架台溝フランジの狭い領域にコンパクトに取り付けることができるようになった。このため、支持パイプの位置を若干フランジの中央部寄りに取り付けが可能となり、支持パイプが戻り側ベルトの摩擦力により生じるモーメントが小さくなった。(7)支持パイプの端部近傍までスラストボルトを延長できるので、スラストボルトの締め付け作業が容易になり、又、安全にできるようになった。(8)スラストボルトが支持パイプの中に内装されているので、スラストボルトが汚れたり、錆びたりする問題を解消できる。
第2解決手段による効果は以下である。(1)溝の底板には、垂直方向に複数のネジ付き
貫通孔が設けられており、該貫通孔には、高さ調整ボルトが回転自在に取り付けられてお
り、底板と四角形棒状ゴム製弾性体の間には可撓性のある高さ調整板が敷設されており、
且つ、スラストボルトを前記四角形棒状ゴム製弾性体に軽く接触せしめることにより、四
角形棒状ゴム製弾性体の上下方向の動きを自由にしつつ、戻り側ベルトの幅方向(スラス
ト方向)の動きを拘束できるので、四角形棒状ゴム製弾性体のスラスト方向への倒れ防止
が可能となった。(2)高さ調整ボルトで四角形棒状ゴム製弾性体を上昇させた際に、四
角形棒状ゴム製弾性体は垂直に上昇するので、四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末が扇
形に開くことがなく、筋状の掻き取り残しが解消できる。(3)四角形棒状ゴム製弾性体
の高さ調整後は、スラストボルトを四角形棒状ゴム製弾性体に押し付けることで、簡単に
かつ強固に四角形棒状ゴム製弾性体を架台に固定できる。(4)連結棒で四角形棒状ゴム
製弾性体を連結していないので、四角形棒状ゴム製弾性体の高さ調整量が大きくなった。
(5)四角形棒状ゴム製弾性体の固定部の固定部側面とスペーサはスラストボルトの押し
つけ力で固定されが、スペーサの高さを四角形棒状ゴム製弾性体より短くすることにより、
四角形棒状ゴム製弾性体同士の間にはスペーサの厚み相当分の隙間が存在するので、四
角形棒状ゴム製弾性体は締め付けられることがなく、円滑な揺動運動ができる。(5)四
角形棒状ゴム製弾性体は戻り側ベルトの摩擦力で、戻り側ベルトの進行方向に揺動するが、
スペーサは動くことがないので、スペーサと四角形棒状ゴム製弾性体の間に侵入した微
細ダストは、四角形棒状ゴム製弾性体が揺動運動することにより、スペーサで自動的に排
出できる。このため、四角形棒状ゴム製弾性体は円滑な揺動運動を長期間維持できる。(
6)四角形棒状ゴム製弾性体の戻り側ベルトの進行方向に対向する面の幅W1を耐磨耗チ
ップの幅W2よりも小さくすることにより、隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体の間にスペ
ーサを挿入することが可能であり、スペーサの厚みを変えることにより、隣り合う耐磨耗
チップの隙間を最小限に設定することができるので、筋状の掻き取り残しを解消できる。
は、ベルトクリーナを部分断面した部分斜視図。 は、スラストボルトが支持パイプの外側にあるベルトクリーナ部分断面図。 は、倒れ防止板を両側に設けたベルトクリーナの部分断面図。 は、スラストボルトが支持パイプの中にあるベルトクリーナの部分断面図。 は、スラストボルトが支持パイプの中にある部分断面斜視図。 は、高さ調整ボルトを設けたベルトクリーナの部分断面図。 は、ベルトクリーナの横断面図 は、スペーサとシム板を設けたベルトクリーナの拡大部分断面図。
本発明の実施形態を請求項1〜請求項3及び図1〜図8に基づいて説明する。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、複数の四角形棒状ゴム製弾性体20が、戻り側ベルト30の幅方向に配設された架台40の溝40aに列設されており、前記溝40aは前側板41と後ろ側板42と底板43と前記溝40a両端に取り付けられたフランジ板44と該フランジ板44に取り付けられた支持パイプ45からなっているベルトクリーナ10において、前記四角形棒状ゴム製弾性体20は前記溝40aに挿入された固定部21と、前記溝40aから露出して前記戻り側ベルト30の長手方向に揺動する揺動部22からなっており、前記四角形棒状ゴム製弾性体20を前記溝40aに固定するために、前記フランジ板44には、前記四角形棒状ゴム製弾性体20を前記戻り側ベルト30の幅方向に押圧する機能を有するスラストボルト60が取り付けられたベルトクリーナにおいて、該スラストボルト60は、前記フランジ板44に設けられたネジ付き貫通孔44aに回転自在に取り付けられており、且つ前記スラストボルト60は、前記支持パイプ45の内部に内装され、前記スラストボルト60を回転せしめるための締め込みナット61が、前記支持パイプ45の端面近傍に延長されており、前記支持パイプ45の端末近傍で前記スラストボルト60を回転せしめて、前記四角形棒状ゴム製弾性体20を前記溝40aの戻りベルト30の幅方向に押し付けて、前記架台40に固定することを特徴とするベルトクリーナ10である。
図1は、ベルトクリーナ10を部分断面した部分斜視図である。図2は、スラストボルト60が支持パイプ45の外側にあるベルトクリーナ10の部分断面図である。図3は、倒れ防止板23を両側に設けたベルトクリーナ10の部分断面図である。図7はベルトクリーナの横断面図である。
本ベルトクリーナ10は、複数の四角形棒状ゴム製弾性体20が架台40の溝40aに列
設されて固定されている。四角形棒状ゴム製弾性体20は、溝型の架台40に設けた溝4
0aに挿入されている。溝40aは前側板41と後ろ側板42と底板43と前記溝40a
両端に取り付けたフランジ板44から構成されている。フランジ板44には、戻り側ベル
ト30の幅方向に貫通孔44aが設けられ、貫通孔44aにはネジ62が設けられている。
ネジ62は貫通孔44aに直接形成してもよいし、図1のように、ナット(ネジ)62を
溶接してネジ62を設けてもよい。貫通孔44aのネジ62にはスラストボルト60が
回転自在に取り付けられている。
フランジ板44には支持パイプ45が取り付けてあり、支持パイプ45は取り付け架台
基部46に固定され、取り付け架台基部46は、例えばコンベア架台47などに取り付けられている。
溝40aの両側に設けたスラストボルト60で四角形棒状ゴム製弾性体20を戻り側ベルト30の幅方向に押し付けることにより、四角形棒状ゴム製弾性体20を架台40に固定することができる。図7に示すように、四角形棒状ゴム製弾性体20は溝40aに収納されている固定部21と溝40aから露出している揺動部22に分かれている。固定部21はスラストボルト60で押し付けられることにより、隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20aは、作用反作用で互いに押し合うとともに、前側板41と後ろ側板42で拘束されているので、四角形棒状ゴム製弾性体20を強固に架台40に固定することができる。揺動部22においては、揺動部22の溝40a周辺部はスラストボルト60の締め付け力の影響を受けるが、溝40aから離れるに従ってスラストボルト60の締め付け力の影響は小さくなっていくので、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末20b周辺は自在に揺動運動することができる。
即ち、架台40の溝40a内に収納された四角形棒状ゴム製弾性体20の固定部21をスラストボルト60で両側から締め付けることにより、溝40a内に四角形棒状ゴム製弾性体20を強固に固定できるとともに、溝40aから露出している揺動部22は、戻り側ベルト30の進行方向の摩擦力により、戻り側ベルト30の長手方向に自在に揺動できる。
従って、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末20aは戻り側ベルト30の凹凸に自
在に且つ瞬時に追随し、戻り側ベルト30の表面に付着した付着物を効率よく掻き取ることができる。
四角形棒状ゴム製弾性体20は弾力性があるので、固定部21においては、スラストボルト60による押付け力により、四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20aが微小な凹みを生じ、隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体20はお互いに強固に拘束され、戻り側ベルト30の摩擦による水平力で溝40aからすっぽ抜けることはない。しかしながら、揺動部22においては、溝40aから離れるに従って、徐々に拘束力は減少していき、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末20b周辺では、ほとんど拘束力がなくなり、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末20bは、戻り側ベルト30の進行方向の摩擦力を受けて、戻り側ベルト30の長手方向に揺動運動することができる。
四角形棒状ゴム製弾性体20は、自由側端末20bを戻り側ベルト30に押圧するための押圧力が必要であるとともに戻り側ベルト30の微妙な凹凸に柔軟に追随する必要がある。そのため、四角形棒状ゴム製弾性体20はゴムを使用する。ゴムには例えば天然ゴムや合成天然ゴム、スチレン、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムなどが使用できる。
四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末20bには耐磨耗材からなるチップ50を取り付けるのが良い。チップ50の材質はセラミックスや超硬合金やサーメットを使用できる。セラミックスには、例えばアルミナ、窒化ケイ素、ジルコニア、炭化ケイ素などを使用できる。超硬合金には、例えばWC−Co系合金、WC−TiC−Co系合金、WC−TaC−TaC−Co系合金などを使用できる。サーメットはTiCやTiN、NbCを主成分とし、Co、Ni、Mo等の金属との複合材料の焼結品が使用できる。
スラストボルト60で直接押圧される四角形棒状ゴム製弾性体20は、局部的に強い面圧を受けるため、固定部21が押圧方向に微小に凹むため、揺動部22の先端即ち自由側端末20bが戻り側ベルト30の幅方向に微小に倒れる現象が生じ、隣り合うチップ50の隙間が開く場合がある。このような場合は、図3に示すように、四角形棒状ゴム製弾性体20とスラストボルト60の間に倒れ防止板23を挿入することにより、四角形棒状ゴム製弾性体20に作用する面圧を拡散できる。又、倒れ防止板23は、四角形棒状ゴム製弾性体20が、戻り側ベルト30の幅方向(スラスト方向)の力(スラスト力)によりスラスト方向に倒される現象を防止することができる。倒れ防止板の幅W3は、戻り側ベルト30のスラスト力に耐えるために、四角形棒状ゴム製弾性体20の幅W1の3倍以上が望ましい。
本ベルトクリーナ10は、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末20bを戻り側ベルト30に当接して、高さ調整が完了したら、架台40の両側から2本のスラストボルト60を締め付けるだけで、複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を同時に架台40に固定することが可能である。このため、作業が安全に行え、且つ容易であり、大幅な時間短縮が可能となった。又、架台40の溝40aの戻り側ベルト30の幅方向に、四角形棒状ゴム製弾性体20を固定しているので、戻り側ベルト30の摩擦力で四角形棒状ゴム製弾性体20が、戻り側ベルト30の幅方向(スラスト方向)へ倒れるのを防止できる。又、四角形棒状ゴム製弾性体20をスラスト方向に押し付けることにより、隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体20同士間に隙間がなくなり、隣り合うチップ50同士を精密にセットでき、掻き取り残しが減少する。又、四角形棒状ゴム製弾性体20を溝40a内に強固に固定できるうえに、戻り側ベルト30の進行方向の摩擦力による、戻り側ベルト30の長手方向の揺動運動は自在にできるため、戻り側ベルト30の凹凸に対する追随性に優れており、戻り側ベルト30の付着物の除去性能を飛躍的に向上できる。又、四角形棒状ゴム製弾性体20やチップ50が破損したり、摩耗したりした場合は、スラストボルト60を緩めることにより、四角形棒状ゴム製弾性体20を部分的に簡単に取り外し、取り付けできるので交換が容易である。
四角形棒状ゴム製弾性体20の横断面は、図7(a)、(b)に示すように四角形である。
四角形棒状ゴム製弾性体20の戻り側ベルト30の幅方向の幅W1は、10〜30mmがよい。10mm以下であると剛性が弱く掻き取り能力が小さくなる。30mmより大きくなると剛性が大きくなり、戻り側ベルト30の長手方向への撓みが小さくなり、小さな凹凸に柔軟に追随しなくなるとともに、戻り側ベルト30の幅方向の小さな凹凸に対して精密に当接性できなくなり掻き取り性能が低下する。図7に示すように、四角形棒状ゴム製弾性体20の長さLは、後ろ側板42の上面42aから50〜300mmがよい。長さ50mmより短いと撓みが小さすぎて戻り側ベルト30への追随性が低下する。300mmより長いと撓み量が大きすぎて掻き取り力が低下する。
従来のベルトクリーナは、幅100〜500mm程度のゴム弾性板もしくは金属板などにチップを取り付けた掻き板が主流であり、掻き板の幅が広すぎるため、チップ全面が戻り側ベルト30表面に均一当接することは不可能であり、掻き取り残しが生じていた。又、
掻き取り残しを解消するために掻き板を戻り側ベルト30に無理に接触させようとすると
押圧力が大きくなるので、戻り側ベルト30を摩耗させたり、エンドレス部の剥がれ(突
起物)を助長したりしてベルトを損傷させていた。この問題を解決するには、四角形棒状
ゴム製弾性体20の幅W1やチップの幅W2をできるだけ小さくして、四角形棒状ゴム製
弾性体20の自由側端末20bやチップ50が均一に戻り側ベルト30表面を押圧すると
ともに、ベルト30の突起物に対しては瞬時に回避し、回避後は瞬時に通常位置に復帰で
きることが不可欠である。
架台40の両端には、架台40を戻り側ベルト30の下部に固定するための支持パイプ45が取り付けられており、スラストボルト60は、支持パイプ45の内部に内装され、スラストボルト60を回転せしめるための締め付けナット61が、支持パイプ45の端末45a近傍に延長されており、支持パイプ45の端面45a近傍でスラストボルト60を回転可能にして、四角形棒状ゴム製弾性体20を溝40aの戻り側ベルト30の幅方向に押し付けて、架台40に固定されているベルトクリーナ10である。
図4は、スラストボルト60が支持パイプ45の中にあるベルトクリーナ10の部分断面図である。図5は、スラストボルト60が支持パイプ45の中にある部分断面斜視図である。図6は、高さ調整ボルト80を設けたベルトクリーナ10の部分断面図である。図8は、スペーサ70とシム板71を設けたベルトクリーナ10の拡大部分断面図である。
本ベルトクリーナ10は、フランジ44に支持パイプ45を取付けて、架台40を支持する構造である。フランジ44にスラストボルト60を取付けることにより、スラストボルト60を支持パイプ45の中に収納することができる。スラストボルト60を回転させるための締め付けナット61は、締め付け作業を容易にするため支持パイプの端面45aよりも外側に出るようにする。
本ベルトクリーナ10においては、スラストボルト60を支持パイプ45の中に収納することにより、スラストボルト60と支持パイプ45の取り付け空間を共有できるので、架台40の溝40aに設けたフランジ44の狭い領域に、支持パイプ45をコンパクトに取り付けることができる。支持パイプ45の位置をフランジ44の任意の位置に取り付けが可能となった。支持パイプ45をフランジ44の上方に取り付けることにより、戻り側ベルト30の摩擦力により支持パイプ45に作用するモーメントが小さくなった。又、支持パイプ45の端面近傍までスラストボルト60を延長できるので、スラストボルト60の締め付け作業が容易になり、且つ、安全にできるようになった。又、スラストボルト60が支持パイプ45の中に内装されているので、スラストボルト60の汚れや錆びを解消できる。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記溝40aの前記底板43には、垂直方向に複数のネジ付きの貫通孔43aが設けられており、該貫通孔43aには、高さ調整ボルト80が回転自在に取り付けられており、前記底板43と前記四角形棒状ゴム製弾性体20の間には可撓性のある高さ調整板90が敷設されおり、隣り合う前記四角形棒状ゴム製弾性体20の間には、スペーサ70が挿入されており、前記スラストボルト60を前記四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20aに軽く接触せしめて、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の上下方向の動きを可能ならしめつつ、且つ、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の前記戻り側ベルト30の幅方向への倒れを防止して、前記高さ調整ボルト60を上昇せしめることにより、前記高さ調整板90を上方に押圧し、前記高さ調整板90を上昇せしめ、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の高さを調整した後、前記スラストボルト60を前記四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20aに押し付けて、前記四角形棒状ゴム製弾性体20を前記架台40に固定するとともに、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の前記揺動部22が前記戻り側ベルト30の進行方向の摩擦力により揺動可能にしたことを特徴とするベルトクリーナ10である。
高さ調整ボルト80と高さ調整板90を組み合わせて、スクレーパを上昇せしめて、戻り側ベルトに当接させる方法は、特許文献1の実開昭52−144590号広報に示されているが、スクレーパが扇形に開くため、チップ同士に隙間が生じて、筋状の掻き取り残しが発生する問題があった。本発明では、スラストボルト60を四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20aに軽く接触する程度に押し付けて、四角形棒状ゴム製弾性体20が戻り側ベルト30の幅方向へ倒れるのを防止しつつ、四角形棒状ゴム製弾性体20を垂直に上昇させることができる。このため、チップ50同士に隙間が生じることがないので筋状の掻き取り残しが発生することはない。
戻り側ベルト30の筋状の掻き取り残しを小さくするためには、隣り合うチップ50の隙間を小さくする必要があることから、四角形棒状ゴム製弾性体20の戻り側ベルト30の幅方向の幅W1はチップ50の戻り側ベルト30の幅方向の幅W2よりも小さくする。隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20aの間には隙間20cが生じるので、図6に示すように、この隙間20cにスペーサ70を挿入する。スペーサ70を挿入することにより、隙間20cへのダスト侵入を防止できる。又、ダストが侵入しても、揺動部22は戻り側ベルト30の長手方向に揺動するが、スペーサ70は動かないので、スペーサ70と揺動部22側面20aが擦れ合うことにより、揺動部22がワイパの機能を果たして、ダストが自動的に隙間20cから排出される。このようなスペーサ70のダストクリーニング機能により、隙間20cにはダストの詰まりが生じることなく、揺動部22の円滑な動きが維持される。固定部21の側面20aとスペーサ70は強固に固定する必要があり、押圧力が弱いとスペーサ70が溝40aの中から次第に抜け出てくる問題がある。本発明のように、溝40aの両側からスラストボルト60で、戻り側ベルト30の幅方向に押し付けることにより、スペーサ70を確実に保持できるようになった。従来、スペーサ70を溝40aの戻り側ベルト30の幅方向に押し付けて固定する方法がなかった。
スペーサ70の長さを調整することにより、揺動部22の柔軟性を調節できる。図6のように、スペーサ70が前側板41や後ろ側板42よりも短ければ、四角形棒状ゴム製弾性体20をスラストボルト60で強く押し付けた場合でも、揺動部22の動きは柔軟で滑らかである。図8のように、スペーサ70の高さが高くなるにつれて、スペーサ70と四角形棒状ゴム製弾性体20の側面の摩擦力は大きくなるので、揺動部22の動きは抑制される。
図8に示すように、揺動部22とスペーサ70の摩擦を小さくするためには、溝40aに収納されているスペーサ70両側にシム板71を挿入する。四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20aで強固にスペーサ70を押し付けても、スペーサ70と四角形棒状ゴム製弾性体20の間には、必ずシム板71の厚みの隙間が保持されるので、揺動部22とスペーサ70の摩擦は解消し、揺動部22は円滑に揺動できる。
スペーサ90の材質は、ウレタン、フッ素、プラスチックなどの樹脂からなる薄板やSUS、銅、チタン、炭素鋼などからなる金属薄板などを使用できる。四角形棒状ゴム製弾性体20の戻り側ベルトの幅方向に面する側面20aとスペーサ90が摺動することから、
フッ素樹脂のような摩擦の小さな薄板が望ましい。スペーサ90は、架台40の溝40a
に挿入するため長方形薄板にするのが望ましい。スペーサ90の厚みは、0.3〜2.0
mmがよい。0.3mm以下になると、四角形棒状ゴム製弾性体20に戻り側ベルト30
のスラスト力が作用した際に、四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20aが接触し、四角
形棒状ゴム製弾性体20が元の形状に復帰できなくなる。2.0mm以上になると、四角
形棒状ゴム製弾性体20の断面係数が低下し弾性力が小さくなることから、戻り側ベルト
30に対する押圧力が低下するので掻き取り性能が低下する。
戻り側ベルト30の形状や表面状況は戻り側ベルト30毎に異なるため、従来のベルトクリーナ10のように、幅広の掻き板にチップを取り付けた構造では、戻り側ベルト30の表面に正確に当接できないため大量の掻き取り残しがあった。この問題を解決するため、
本発明によるベルトクリーナ10は、底板43に貫通孔43aを設け、貫通孔43aにネ
ジ81を設けて高さ調整ボルトを取り付けている。且つ、四角形棒状ゴム製弾性体20と
底板の間に高さ調整板90を敷設している。
高さ調整ボルト80を押し上げると、高さ調整板90が凸円弧状に撓んで、複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を円弧状に押し上げて、凸円弧状の戻り側ベルト30の形状に合わせて、四角形棒状ゴム製弾性体20の高さを調整できるため、四角形棒状ゴム製弾性体20を戻り側ベルト30に精密に当接できる。高さ調整ボルト80で高さ調整板90を上昇させることにより、1本の高さ調整ボルト80で、同時に複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を凸円弧状に上昇させることができる。四角形棒状ゴム製弾性体20の高さ調整機能により、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末20bを精密に戻り側ベルト30の表面に当接できるので、付着物の掻き取り残しが発生しない。
図6、図8に示すように、可撓性のある高さ調整板90を高さ調整ボルト80で押し上げると、高さ調整板90は自動的に凸円弧形状に撓むので、高さ調整板90の形状に合わせて、四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末20bも上昇することから、少数の高さ調整ボルト80で、同時に複数の四角形棒状ゴム製弾性体20の高さ調整ができる。又、可撓性があり強度を有する高さ調整板90は、滑らかな凸円弧状に湾曲するので、列設した四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末20bの形状を、戻り側ベルト30の形状に沿った階段状の滑らかな凸円弧状に形成できる。
高さ調整ボルト80は、架台40の底板43に設けた貫通孔43aにネジ81を設け、回転自在に取り付けている。ネジ81は、底板43に直接形成してもよいし、ナット81(ネジ)を溶接して取り付けてもよい。ベルト30を交換した際や経年的にベルト30が摩耗して表面形状や凹凸状態が変化した場合は、四角形棒状ゴム製弾性体20を取り外すことなく、高さ調整ボルト80を調整することで容易に四角形棒状ゴム製弾性体20の高さを調整して、戻り側ベルト30の凸円弧の形状に合わせることができる。
高さ調整板22の材質は、ウレタン、フッ素、ゴム、プラスチックなどの樹脂薄板やSUS、銅、チタン、炭素鋼などの金属薄板やカーボンファイバーなどを使用できる。又、ワイヤや金属線を樹脂で被覆したケーブルなどを使用することができる。高さ調整ボルト80で押し上げた際に柔軟に撓める可撓性があり、複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を同時に押し上げることのできる強度があればよい。
高さ調整板90の厚みは、樹脂の場合0.5〜5mmがよい。0.5mm以下では、複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を押し上げることができない。又、5mm以上になると適正な凸円弧を形成できず直線的な形状になる。金属薄板22の場合は、0.1〜3mmがよい。0.1mm以下では複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を押し上げることができない。3mm以上では適正な凸円弧を形成できず直線的な形状になる。
10:ベルトクリーナ
20:四角形棒状ゴム製弾性体
20a:(四角形棒状ゴム製弾性体の)側面
20b:(四角形棒状ゴム製弾性体の)自由側端末
20c:(隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体の間の)隙間
21:(四角形棒状ゴム製弾性体の)固定部
22:(四角形棒状ゴム製弾性体の)揺動部
23:倒れ防止板
30:戻り側ベルト
40:架台
40a:溝
41:前側板
42:後ろ側板
42a:後ろ側板の上面
43:底板
43a:貫通孔
44:フランジ
44a:貫通孔
45:支持パイプ
45a:(支持パイプの)端面
46:ベルトクリーナ取付け基部
47:コンベア架台
50: チップ
60:スラストボルト
61:締め込みナット
62:ナット(ネジ)
70:スペーサ
71:シム板
80:高さ調整ボルト
81:ナット(ネジ)
90:高さ調整板
W1:戻り側ベルトの幅方向の四角形棒状ゴム製弾性体の幅
W2:チップの幅
W3:倒れ防止板の幅
L:四角形棒状ゴム製弾性体の長さ

Claims (3)

  1. 複数の四角形棒状ゴム製弾性体が、戻り側ベルトの幅方向に配設された架台の溝に列設されており、前記溝は前側板と後ろ側板と底板と前記溝両端に取り付けたフランジ板からなっているベルトクリーナにおいて、前記四角形棒状ゴム製弾性体は前記溝に挿入された固定部と、前記溝から露出して戻り側ベルトの長手方向に揺動する揺動部からなっており、前記四角形棒状ゴム製弾性体を前記溝に固定するために、前記フランジ板には、前記四角形棒状ゴム製弾性体を前記戻り側ベルトの幅方向に押圧する機能を有するスラストボルトが取り付けられており、該スラストボルトは、前記フランジ板に設けられたネジ付き貫通孔に回転自在に取り付けられており、前記スラストボルトを前記四角形棒状ゴム製弾性体に押し付けて、隣り合う前記四角形棒状ゴム製弾性体を、戻り側ベルトの幅方向にお互いに押し付け合うことにより、前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記固定部を前記架台に固定するとともに、前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記揺動部を、前記戻り側ベルトの長手方向に揺動せしめることを特徴とするベルトクリーナ。
  2. 前記架台の両端には、前記架台を前記戻り側ベルトの下部に固定するための支持パイプが取り付けられており、前記スラストボルトは、前記支持パイプの内部に内装され、前記スラストボルトを回転せしめるためのナット部が、前記支持パイプの端面近傍に延長されており、前記支持パイプの端末近傍で前記スラストボルトを回転可能にして、前記四角形棒状ゴム製弾性体を前記溝の戻り側ベルトの幅方向に押し付けて、前記架台に固定することを特徴とする請求項1記載のベルトクリーナ。
  3. 前記溝の前記底板には、垂直方向に複数のネジ付き貫通孔が設けられており、該貫通孔には、高さ調整ボルトが回転自在に取り付けられており、前記底板と前記四角形棒状ゴム製弾性体の間には可撓性のある高さ調整板が敷設されおり、隣り合う前記四角形棒状ゴム製弾性体の間には、スペーサが挿入されており、前記スラストボルトを前記四角形棒状ゴム製弾性体の側面に軽く接触せしめて、前記四角形棒状ゴム製弾性体の上下方向の動きを可能ならしめつつ、且つ、前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記戻り側ベルトの幅方向への倒れを防止して、前記高さ調整ボルトを上昇せしめることにより、前記高さ調整板を上方に押圧し、前記高さ調整板を上昇せしめ、前記四角形棒状ゴム製弾性体の高さを調整した後、前記スラストボルトを前記四角形棒状ゴム製弾性体の側面に押し付けて、前記四角形棒状ゴム製弾性体を前記架台に固定するとともに、前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記揺動部が前記戻り側ベルトの進行方向の摩擦力により揺動可能にしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のベルトクリーナ。
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