JP5861792B1 - ベルトクリーナ - Google Patents
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Abstract
【課題】四角形棒状ゴム製弾性体は、戻り側ベルトの幅方向(スラスト方向)の摩擦力に対して剛性が小さく、スラスト方向に倒れるため四角形棒状ゴム製弾性体同士の隙間が大きくなり線状の掻き取り残しがあった。ベルトクリーナの両サイドに四角形棒状ゴム製弾性体の倒れ防止板を取り付ける方法があるが、倒れ防止板に掻き取り機能がなく、ベルトの全幅を掻き取ることができなかった。【解決手段】ベルトクリーナの両サイドに設けたゴム製倒れ防止板の幅は、四角形棒状ゴム製弾性体の幅よりも幅広とし、ゴム製倒れ防止板と四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末が戻り側ベルトと当接するようにして、四角形棒状ゴム製弾性体とゴム製倒れ防止板の剛性を略同一にして、四角形棒状ゴム製弾性体とゴム製倒れ防止板の押圧力を同等にして戻り側ベルトを押圧することにより戻り側ベルトの全幅に渡り付着物を掻き取れるようにした。【選択図】図1
Description
本発明は原材料の輸送に用いるベルトコンベアの戻り側ベルト表面に付着した付着物を掻き取るベルトクリーナに関する。
一般にベルトコンベアは駆動プーリと従動プーリとの間に所定幅のゴム製ベルトをエンドレスに巻き付け、駆動プーリを回転させることによりベルトを両プーリ間で周回運動させるものである。通常搬送物はキャリアベルト(搬送側ベルト)に載せて搬送され、駆動プーリ側で払い出されリターンベルト(戻り側ベルト)となり従動プーリへ戻るが、戻り側ベルト表面に付着した搬送物(ベルトへの付着物)が途中で落下し、戻り側ベルト下に堆積する問題があった。又、付着物はリターンローラやスナッププーリを摩耗させたり、これらのローラに付着し戻り側ベルトを蛇行させたりする問題があった。
戻り側ベルト下に落下した搬送材の堆積物は、低床コンベアではにおいては、リターンローラや戻り側ベルトの高さ位置まで成長しこれらと接触し摩耗させる。又、落下物の放置は作業環境の悪化や資源の損失となるため、定期的に落下物の回収作業を実施しているが、戻り側ベルトの全長に渡り落下しているので多大の労力と費用がかかっている。又、落鉱回収作業は機械化が困難で、人力に頼る必要があり3K作業の繰り返しとなっている。落下した落下物は回収して再利用する場合もあるが、土砂や小石などとの篩分けが必要となりコスト高となるため、廃棄処分する場合が多く資源の無駄遣いとなっている。このため、ベルトクリーナを用いて、できるだけホッパー内でまとめて掻き落とすことにより、コンベア全体に渡って発生する落鉱を削減する方法が採用されている。ベルトクリーナには、固定された掻き板を戻り側ベルトに押し付けることにより付着物を掻き板で掻き取るスクレーパ式、ブラシを戻り側ベルトに接触させるブラシ方式、高圧の流体を吹き付ける洗浄方式などがあるが、構造が簡単で取り換えの容易なスクレーパ方式が多用されている。
コンベアベルトは使用するにつれ徐々に摩耗するが、均一に摩耗するのではなく中央部が選択的に大きく摩耗する。従ってベルトが古くなるとベルト中央部と端部では5〜6mmの厚み差が生じる。又、100m以上の機長の長いベルトになると、コストや作業時間の制約の点からベルトの取り換えを全長に渡り一括してやらない場合もあり、中央部が大きく摩耗している古いベルトと摩耗していない新しいベルトが混在することもある。摩耗状態が不均一なベルトに対するベルトクリーナの押圧調整は、摩耗の一番大きな中央部分に合わせるが、押圧力はベルトの幅方向で不均一になってしまう。又、ベルトのエンドレス部は経年的に剥離してエンドレス端部が剥がれてくる。この剥がれ部は戻り側ベルト表面から突出するのでベルトクリーナの撓み限界を超えるとベルトクリーナを破損したり、ベルトクリーナの押圧力が大きいとエンドレスの剥がれを助長したりしてベルト損傷の要因となる。従って、ベルトクリーナはベルト表面の付着物を掻き取るために不可欠であるが、適切な取り付けや使用方法を間違うとベルトを破損させ生産障害を起こす場合がある。又、ベルトクリーナの掻き取り性能を適正に維持するためには、ベルト稼動中に掻き取り状況を見ながらベルトクリーナとベルトとの接触圧の調整を行うのが最良であるが、安全上の問題で困難であった。このようにベルトクリーナがクリアするべき課題はたくさんあり最大公約数的に全ての課題に対応するのは極めて困難である。今まで様々な形状、機能のベルトクリーナが提案されているが未だメンテナンスフリーで掻き取り効率に優れたベルトクリーナは具現化されていない。
スクレーパ式のベルトクリーナに必要な要件は以下である。(1)長時間にわたり確実に付着物を掻き取ることができる。(2)チップの交換が容易である。(3)掻き取り部のチップの寿命が長く調整周期や取り換え周期が長い。(4)ベルトクリーナ本体に付着物が付着しない、もしくは付着物の量が極めて少ない。(5)付着物が戻り側ベルトに強固に付着している場合やベルトのエンドレス部(接続部)に剥がれが生じている場合、チップが戻り側ベルトの搬送方向に大きく撓んで、これらの障害物をやり過ごすことによりベルトクリーナの破損を回避できる。(6)ベルトクリーナの構造がシンプルでコンパクトであり、ベルトクリーナの取り付け取り外しが容易である。以上の特性を満足しようとして従来多種多様のベルトクリーナが提案されているが、満足できる方法は具現化されていない。
特開2013−252976号広報において、スクレーパ式のクリーナの問題点を解決するために四角形棒状ゴム製弾性体の先端にチップを取り付けたクリーナが開示されている。この方法においては、ゴム製倒れ防止板を設けていないので、戻り側ベルトの幅方向(スラスト方向)への摩擦力により、四角形棒状ゴム製弾性体がスラスト方向に倒れてしまう問題があった。
特開2015−036327号広報において、四角形棒状ゴム製弾性体のスラスト方向への倒れを防止するために、チップスティック(四角形棒状ゴム製弾性体)の固定部に、戻り側ベルトベルトの幅方向に貫通孔を設けて、複数の四角形棒状ゴム製弾性体を串に固定して一体化し固定する方法が提案されている。この方法においては、四角形棒状ゴム製弾性体の固定端部は固定しているが、自由端部を支えることができないため、両端の四角形棒状ゴム製弾性体がスラスト方向に曲がってしまう問題があった。
本発明は以下の課題を解決するものである。(1)四角形棒状ゴム製弾性体は戻り側ベルトの進行方向に倒れるようにして付着物を掻き取る機能を有しているが、戻り側ベルトの幅方向の摩擦力(スラスト力)に対する倒れは防止しなければならない。四角形棒状ゴム製弾性体がスラスト方向に倒れると、隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体の間に隙間が生じるので、その部分は掻き取り不能となり線状の掻き取り残しが発生するからである。この線状の掻き取り残しを最小限に抑えるため、四角形棒状ゴム製弾性体の両側にゴム製倒れ防止板を設ける。(2)ゴム製倒れ防止板の戻り側ベルトの幅方向(スラスト方向)の幅W1は、戻り側ベルトから受けるスラスト力に耐えるために、四角形棒状ゴム製弾性体の幅W2より広くする必要がある。ゴム製倒れ防止板の幅W2を広くすると、ゴム製倒れ防止板の撓みδ1が小さくなり、四角形棒状ゴム製弾性体の撓みδ2より小さくなるため、四角形棒状ゴム製弾性体とゴム製倒れ防止板の間に段差が生じ掻き取り不良部が生じる。このため、ゴム製倒れ防止板に切欠きを形成し、ゴム製倒れ防止板の剛性を小さくし、撓みδ2が撓みδ2と略等しくなるように調整する必要がある。(3)戻り側ベルトが蛇行すると、戻り側ベルトから外れた四角形棒状ゴム製弾性体は、戻り側ベルトからの摩擦力から解放されるので撓んだ状態から起き上がる。次に戻り側ベルトが正常な位置に復帰する際に、起き上がっている四角形棒状ゴム製弾性体に戻り側ベルトのエッジがまともにぶつかるので、戻り側ベルトの水平力を受けて四角形棒状ゴム製弾性体がスラスト方向に大きく曲がる現象が生じる。このような四角形棒状ゴム製弾性体の曲りを防止するため、戻り側ベルトの蛇行量の分だけ、ゴム製倒れ防止板の幅W2を広くして、四角形棒状ゴム製弾性体が戻り側ベルトのエッジから外れて起き上がるのを防止する。(4)ゴム製倒れ防止板で戻り側ベルトの幅方向の両端部を掻き取りことにより、戻り側ベルトの全面を掻き取れるようにする。(5)戻り側ベルト表面の摩耗状況や付着物の付着力に応じて柔軟にチップが追随して確実に付着物を掻き取ることができるようにする。そのためにはチップの幅を小分割にして戻り側ベルトの小さな凹凸に細かに追随できるようにする。そのため、弾性体は四角形棒状ゴム製弾性体とし、戻り側ベルト幅方向のチップ幅や弾性体の幅の大きさを小さくする。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、複数の四角形棒状ゴム製弾性体が、戻り側ベルトの幅方向に配設された架台の溝に列設され、両端に位置する前記四角形棒状ゴム製弾性体と隣り合う両側に、前記四角形棒状ゴム製弾性体が前記戻り側ベルトの幅方向の摩擦力により倒れるのを防止するためのゴム製倒れ防止板が配設されたベルトクリーナにおいて、前記ゴム製倒れ防止板の前記戻り側ベルトの幅方向の幅W1は前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記戻り側ベルトの幅方向の幅W2よりも幅広とし、且つ、前記ゴム製倒れ防止板の自由側端末と前記四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末が戻り側ベルトに当接するようにして、且つ、前記四角形棒状ゴム製弾性体と前記ゴム製倒れ防止板のベルト進行方向の摩擦力による水平方向の力に対する剛性を略同一にして、前記四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末と前記ゴム製倒れ防止板の自由側端末を前記戻り側ベルトに押圧して、付着物を掻き取ることを特徴とするベルトクリーナである。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記ゴム製倒れ防止板に、剛性を調整するための切欠きが設けられ、前記ゴム製倒れ防止板の自由側端末と前記四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末による前記戻り側ベルトの押し付け力が略同一になるようにしたことを特徴とするベルトクリーナである。
第3の解決手段は特許請求項3に示すように、前記ゴム製倒れ防止板の幅W1は前記四角形棒状ゴム製弾性体の幅W2に対して、W1=NW2の関係にあり、Nは整数で、3以上であることを特徴とするベルトクリーナである。
第4の解決手段は特許請求項4に示すように、前記架台の前記溝に、前記戻り側ベルトの凸上形状と近似した凸上形状のライナを敷設したことを特徴とするベルトクリーナである。
第5の解決手段は特許請求項5に示すように、前記ライナは複数の薄板が、中央部が凸になるように階段状に積層されたものであることを特徴とするベルトクリーナである。
第6の解決手段は特許請求項6に示すように、前記四角形棒状ゴム製弾性体と前記ゴム製倒れ防止板はゴム製弾性板に切り込みが設けられ一体的に形成されたものであることを特徴とするベルトクリーナである。
第7の解決手段は特許請求項7に示すように、前記四角形棒状ゴム製弾性体と前記ゴム製倒れ防止板は前記ゴム製弾性板に切り込みを設けて一体的に形成するとともに、前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記自由側端末と前記ゴム製倒れ防止板の前記自由側端末が一体的な凸状の円弧を形成していることを特徴とするベルトクリーナである。
第8の解決手段は特許請求項8に示すように、前記戻り側ベルトの進行方向に対向する前記倒れ防止板の自由側端末前面と前記四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末前面に耐磨耗材からなるチップが取り付けられたことを特徴とするベルトクリーナである。
第9の解決手段は特許請求項9に示すように、前記戻り側ベルトの進行方向に対向する前記ゴム製倒れ防止板の前記自由側端末前面と前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記自由側端末前面、及び前記戻り側ベルトの進行方向に面する前記ゴム製倒れ防止板の自由側端末後面と前記四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末後面に耐磨耗材からなる前記チップが取り付けられ、前記戻り側ベルトが正逆運転した際に、前記ゴム製倒れ防止板の前記自由側端末と前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記自由側端末が前記戻り側ベルトの進行方向に倒れて、前記戻り側ベルトの進行方向とは逆に面して取り付けられている前記チップによって付着物を掻き取ることを特徴とするベルトクリーナである。
第10の解決手段は特許請求項10に示すように、前記チップは、前記ゴム製倒れ防止板もしくは前記四角形棒状ゴム製弾性体への取付け面が面取りされていることを特徴とするベルトクリーナである。
第1及び第2の解決手段による効果は以下である。(1)ゴム製倒れ防止板の高さL2と四角形棒状ゴム製弾性体の高さL2を略同一とし、ゴム製倒れ防止板の撓みδ1と四角形棒状ゴム製弾性体の撓みδ2を略同一としているので、四角形棒状ゴム製弾性体と同様にゴム製倒れ防止板に掻き取り機能を付加できるので、戻り側ベルトの全面を掻き取ることができる。(2)ゴム製倒れ防止板は戻り側ベルトから受けるスラスト方向の摩擦力に対して剛性が高いので、戻り側ベルトの蛇行により大きなスラスト力が付加されても四角形棒状ゴム製弾性体のスラスト方向への曲りを防止することができる。同時に、戻り側ベルトの進行方向に対する摩擦力に対しては、切欠きにより剛性が調整されているのでベルトの凹凸に柔軟に撓むことができ、四角形棒状ゴム製弾性体と同様に優れた掻き取り機能を有することができる。(3)ゴム製倒れ防止板の幅W2を戻り側ベルトの蛇行量Sよりも大きくすることにより、四角形棒状ゴム製弾性体から戻り側ベルトが外れないようにできるので、四角形棒状ゴム製弾性体が起き上がることが無くなり、戻り側ベルトのエッジや四角形棒状ゴム製弾性体を損傷することがない。
第3の解決手段による効果は以下である。(1)耐磨耗材のチップを四角形棒状ゴム製弾性体やゴム製ゴム製倒れ防止板の自由側端末前面や自由側端末後面に取り付ける場合、チップの幅を四角形棒状ゴム製弾性体の幅W2と略等しくすることにより、W1=NW2となり、ゴム製倒れ防止板と四角形棒状ゴム製弾性体に取り付けるチップを共通化できる。又、ゴム製倒れ防止板にN個のチップを精度よく取り付けることができる。
第4解決手段による効果は、戻り側ベルトの形状に合わせて、四角形棒状ゴム製弾性体の高さを設定できるので、四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末端面が戻り側ベルトに精密に当接するできることから掻き取り性能が向上する。
第5解決手段による効果は以下である。(1)薄板を積層してライナを形成するので、ベルトが摩耗したり、大きく変形したりする際は、追加の薄板を積層することで、戻り側ベルトの形状に合わせることができる。(2)四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末端面が戻り側ベルトに精密に当接できることから掻き取り性能が向上する。
第6の解決手段による効果は以下である。(1)ゴム製弾性板に複数の切り込みを入れて四角形棒状ゴム製弾性体とゴム製倒れ防止板を形成しているので、複数の四角形棒状ゴム製弾性体やゴム製倒れ防止板を芯出しして組み立てる必要がなくしかも高精度にセッティングできる。(2)四角形棒状ゴム製弾性体とゴム製倒れ防止板の高さ調整が容易でありしかも連続的に変化するように形成できる。(3)四角形棒状ゴム製弾性体同士の間及び四角形棒状ゴム製弾性体とゴム製倒れ防止板の間にガタが生じない。そのため、四角形棒状ゴム製弾性体のスラスト方向の撓みを完全に抑えることができるので、四角形棒状ゴム製弾性体の隣り合う隙間が広がることが無くダストの侵入もないので円滑な搖動運動を維持でき、線状の掻き取り残しが生じることもない。
第7の解決手段による効果は以下である。(1)前記四角形棒状ゴム製弾性体と前記ゴム製倒れ防止板を凸状の円弧に形成することにより、戻り側ベルトの円弧状の形状に合わせることができるので、ゴム製倒れ防止板と四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末を戻り側ベルトに精度よく当接させることができる。(2)ゴム製倒れ防止板と四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末が戻り側ベルトに均一に当接するので、掻き取り性能を向上できる。
第8の解決手段による効果は以下である。(1)四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末前面及びゴム製倒れ防止板の自由側端末前面に耐磨耗材からなるチップを取り付けているので、四角形棒状ゴム製弾性体やゴム製倒れ防止板の摩耗寿命を延長できる。(2)チップを戻り側ベルトに強く押圧できるので、付着物を強力に掻き取ることができる。
第9の解決手段による効果は以下である。(1)四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末前面と自由側端末後面及びゴム製倒れ防止板の自由側端末前面と自由側端末後面に耐磨耗材からなるチップを取り付けているので、戻り側ベルトが正逆運動するコンベアベルトの付着物を掻き取ることができる。(2)四角形棒状ゴム製弾性体とゴム製倒れ防止板は柔軟に撓むことができるので、戻り側ベルトを正逆切り替えた際に、戻り側ベルトの進行方向に撓むことにより、自由側端末前面と自由側端末後面のチップが切り替わって、戻り側ベルトを押圧して付着物を掻き取ることができる。
第10の解決手段による効果は以下である。(1)ゴム製倒れ防止板や四角形棒状ゴム製弾性体が戻り側ベルトの進行方向に撓んで搖動運動する際に、チップの取付け面にチップの掻取り面が引っ掛からないようにできる。(2)チップの戻り側ベルトの進行方向の搖動運動が円滑にできるので掻き取り性能が向上する。
本発明の実施形態を請求項1〜10及び図1〜図17に基づいて説明する。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、複数の四角形棒状ゴム製弾性体22が、戻り側ベルト31の幅方向に配設された架台40の溝40aに列設され、両端に位置する前記四角形棒状ゴム製弾性体22と隣り合う両側に、前記四角形棒状ゴム製弾性体22が前記戻り側ベルト31の幅方向の摩擦力により倒れるのを防止するためのゴム製倒れ防止板21が配設されたベルトクリーナ10において、前記ゴム製倒れ防止板21の前記戻り側ベルト31の幅方向の幅W1は前記四角形棒状ゴム製弾性体22の前記戻り側ベルト31の幅方向の幅W2よりも幅広とし、且つ、前記ゴム製倒れ防止板21の自由側端末21aと前記四角形棒状ゴム製弾性体22の自由側端末22aが戻り側ベルト31に当接するようにして、且つ、前記四角形棒状ゴム製弾性体22と前記ゴム製倒れ防止板21のベルト進行方向の摩擦力による水平方向の力に対する剛性を略同一にして、前記四角形棒状ゴム製弾性体22の自由側端末22aと前記ゴム製倒れ防止板21の自由側端末21aを前記戻り側ベルト31に押圧して、付着物を掻き取ることを特徴とするベルトクリーナ10である。
図8は複数の四角形棒状ゴム製弾性体22やゴム製倒れ防止板21を単独で形成して架台40の溝40aに列設したベルトクリーナ10の正面図を示している。図9はゴム製弾性板20に切り込み20aを入れて四角形棒状ゴム製弾性体22やゴム製倒れ防止板21を形成して架台40の溝40aに取り付けたベルトクリーナ10の正面図を示している。
ゴム製倒れ防止板21や四角形棒状ゴム製弾性体22は自由側端末22aを戻り側ベルト31に押圧するための押圧力が必要であるとともに戻り側ベルト31の微妙な凹凸に柔軟に追随する必要がある。そのため、ゴム製倒れ防止板21や四角形棒状ゴム製弾性体22はゴムを使用する。ゴムには例えば天然ゴムや合成天然ゴム、スチレン、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムなどが使用できる。
四角形棒状ゴム製弾性体22の横断面は、図1、図2、図6、図7に示すように四角形である。四角形棒状ゴム製弾性体の幅W2と厚みBを同一にした場合、W2=B=10〜30mmがよい。10mm以下であると剛性が弱く掻き取り能力が小さくなる。30mmより大きくなると剛性が大きすぎて撓みが小さくなり戻り側ベルト30の小さな凹凸に柔軟に追随しなくなる。四角形棒状ゴム製弾性体22の長さL2は50〜300mmよい。50mmより短いと撓みが小さすぎてベルトへ30の追随性が低下する。300mmより長いと撓み量が大きすぎて掻き取り力が低下する。
図7に示すように、四角形棒状ゴム製弾性体22は、ベルト30の駆動力により生じる戻り側ベルト31の進行方向(水平方向)の摩擦力(水平力F1)や戻り側ベルト31が蛇行する際に生じる幅方向(スラスト方向)の摩擦力(スラスト力F2)を受ける。四角形棒状ゴム製弾性体22は、常に水平力F1とスラスト力F2の合成した力を受けているので、捻じれの力が作用することから、正方形もしくは正方形に近い棒状が望ましい。図2のように、四角形棒状ゴム製弾性体22の幅W2と厚みBは略等しくするのが望ましい。四角形棒状ゴム製弾性体22の捩じれを防止することにより隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体22同士の摺動性が円滑になり、四角形棒状ゴム製弾性体22の間に隙間が生じることがないのでダストが侵入して四角形棒状ゴム製弾性体22同士が互いに固着することがない。
図2に示すように、ゴム製倒れ防止板21と四角形棒状ゴム製弾性体22の自由側端末21aが戻り側ベルト31に当接するためには、ゴム製倒れ防止板21の長さL1は四角形棒状ゴム製弾性体22の長さL2と略同じ長さにしている。少なくともL1はL2と同等もしくは短くするのがよいが、L1が短すぎるとゴム製倒れ防止板21の自由側端末21aが戻り側ベルト31に当接しなくなる。図10に示すように、戻り側ベルト31の幅方向の形状は、凸円弧状であることから、L1とL2の長さの差は、L2−L1=H(Hは円弧の玄の高さ)となるのが望ましい。ゴム製倒れ防止板21の役割は、(1)戻り側ベルト31に付着した付着物を掻き取ること、(2)四角形棒状ゴム製弾性体22が戻り側ベルト31の幅方向の摩擦力(スラスト力F2)により、スラスト方向に倒れるのを防止すること、(3)図12に示すように、戻り側ベルト31が蛇行した場合に、戻り側ベルト31のエッジ31aを支えて、四角形棒状ゴム製弾性体22の起き上がりを防止することである。戻り側ベルト31が蛇行して戻り側ベルト31のエッジ31aから四角形棒状ゴム製弾性体22が外れると、撓んでいた四角形棒状ゴム製弾性体22が起き上がり、戻り側ベルト31のエッジ31aが四角形棒状ゴム製弾性体22の側面を損傷するからである。
四角形棒状ゴム製弾性体22は戻り側ベルト31の水平力F1によって、戻り側ベルト31の進行方向に倒れて、付着物を掻き取る構造である。同時に、戻り側ベルト31のスラスト力F2によって、スラスト方向にも倒れやすい性質がある。そのため、四角形棒状ゴム製弾性体22は隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体22同士が互いに支え合って、スラスト方向へ倒れないようにしている。しかしながら、四角形棒状ゴム製弾性体22の両サイドには大きなスラスト力F2が作用し、特に両端の四角形棒状ゴム製弾性体22はゴム製倒れ防止板21が無ければスラスト方向に倒れてしまう。ゴム製倒れ防止板21は戻り側ベルト31のスラスト力F2によって、四角形棒状ゴム製弾性体22がスラスト方向に倒れないようにするためのものであることから、スラスト方向の剛性を高めるために、少なくともゴム製倒れ防止板21の幅W1は、四角形棒状ゴム製弾性体の幅W2よりも大きくする。W1=NW2とした場合、Nは3〜20の整数である。Nが2以下であると、ゴム製倒れ防止板21がスラスト力F1に耐えきれず、スラスト方向に曲がってしまう。Nが21以上になると、ゴム製倒れ防止板21の自由側端末21aと戻り側ベルト31の当接性が低下し掻き取り性能が低下する。図14に示すように、W1をW2の整数倍にすることにより、耐磨耗材からなるチップ60を四角形棒状ゴム製弾性体22やゴム製倒れ防止板21に取り付ける際に、チップ60を共通化できるメリットがある。ゴム製倒れ防止板21の厚みBは四角形棒状ゴム製弾性体22の厚みBと略同一にする。四角形棒状ゴム製弾性体22とゴム製倒れ防止板21を同一の架台溝40aに固定できるからである。
図12に示すように、ゴム製倒れ防止板21の幅W1は戻り側ベルト31の蛇行量Sよりも大きくする。戻り側ベルト31の蛇行量はベルト30速度、ベルト30の幅、ローラの芯出し精度、ローラへの付着物の状況、天候などにより異なる。W1=NW2>Sとすることにより、戻り側ベルト31のエッジ31aから四角形棒状ゴム製弾性体22が外れないようにできるので、四角形棒状ゴム製弾性体22が起き上がることが無くなり、戻り側ベルト31のエッジ31aや四角形棒状ゴム製弾性体22を損傷することがない。
ゴム製倒れ防止板21は、高さL1を四角形棒状ゴム製弾性体22の高さL2と同等にし、ゴム製倒れ防止板21の剛性と1本当たりの四角形棒状ゴム製弾性体22の剛性を略同一にしている。このため、ゴム製倒れ防止板21や四角形棒状ゴム製弾性体22が戻り側ベルト31に押し付けられて撓むと、ゴム製倒れ防止板21の撓みδ1と四角形棒状ゴム製弾性体22の撓みδ2は略同一となると同時に、戻り側ベルト31の押し付け力も略同一となり、ゴム製倒れ防止板21と四角形棒状ゴム製弾性体22は均等な掻き取り能力を有することになる。ゴム製倒れ防止板21の撓みδ1と四角形棒状ゴム製弾性体22の撓みδ2は等しいので、ゴム製倒れ防止板21と四角形棒状ゴム製弾性体22の隣り合う側面21e、22eは、お互いに全長に渡り接触して撓むことができることから、戻り側ベルト31の蛇行により大きなスラスト力F2が付加されても、ゴム製倒れ防止板21は全長L1に渡り四角形棒状ゴム製弾性体22の全長L2のスラスト方向への倒れを支えることができる。ゴム製倒れ防止板21が四角形棒状ゴム製弾性体22に対して短いと、四角形棒状ゴム製弾性体22の自由側端末22aはゴム製倒れ防止板21の自由側端末21aによって支えられないのでスラスト方向に曲がってしまう。即ち、ゴム製倒れ防止板22は四角形棒状ゴム製弾性体22がスラスト力F2により戻り側ベルト31の幅方向へ押し付けられ倒れるのを防止する役割を果たす。同時に、戻り側ベルト31の進行方向(水平方向)に対する摩擦力(水平力F1)に対しては、図3に示すように、ゴム製倒れ防止板21のスラスト方向に軸心を持つ半楕円状23a切欠きや半円状23b切欠きや円筒形23c切欠きなどにより剛性が調整されているので戻り側ベルト31の凹凸に柔軟に撓むことができ、四角形棒状ゴム製弾性体22と同様に優れた掻き取り機能を有することができる。又、ゴム製倒れ防止板21の剛性の調整は、四角形棒状ゴム製弾性体22よりも小さな剛性を有するゴム材を選択することでも可能である。例えば、四角形棒状ゴム製弾性体をウレタンにした場合は、ゴム製倒れ防止板21は天然ゴムにするとよい。
図2に示すように、ゴム製倒れ防止板21の高さL1と四角形棒状ゴム製弾性体22の高さL2を略同一にすることにより、ゴム製倒れ防止板21の自由側端末端面21bと四角形棒状ゴム製弾性体22の自由側端末端面22bの高さレベルを揃えて戻り側ベルト31を押圧できるようにする。L1は押え板44の上面44aから倒れ防止板21の自由側端末端面21bまでの長さである。L2は押え板44の上面44aから四角形棒状ゴム製弾性体22の自由側端末端面22bまでの長さである。又、ゴム製倒れ防止板21の材質選定や切欠き23などを設けることによりゴム製倒れ防止板21の剛性を調整して、ゴム製倒れ防止板21と四角形棒状ゴム製弾性体22の戻り側ベルトに対する押圧力が略同じになるようにする。
ゴム製倒れ防止板21や四角形棒状ゴム製弾性体22は戻り側ベルト31に押さえつけられているので、それぞれの撓みδ1、δ2は等しいが、ゴム製倒れ防止板21と四角形棒状ゴム製弾性体22の戻り側ベルト31に対する押圧力は異なっている。例えば、単位長さ当たりの水平力をF1としたときに、ゴム製倒れ防止板21には水平方向に、FW1=FNW2の力が加わっている。一方、四角形棒状ゴム製弾性体22には水平方向に1本あたり、FW2の力が加わっている。即ち、四角形棒状ゴム製弾性体22に対してゴム製倒れ防止板21の剛性を1/Nに低減すれば、ゴム製倒れ防止板21と四角形棒状ゴム製弾性体22の戻り側ベルトに対する押圧力は略等しくなり、戻り側ベルト31の掻き取り性能を同一にできる。ゴム製倒れ防止板21の剛性と四角形棒状ゴム製弾性体22の剛性を略同一にすることによりゴム製倒れ防止板21にチップ60を取り付ければ、掻き取り機能を付加できるので、戻り側ベルト31の全面を掻き取ることができる。
ゴム製倒れ防止板21と四角形棒状ゴム製弾性体22は付着物を確実に掻き取れるように、戻り側ベルト31を数ミリから十数ミリ程度押圧するように高さ調整する。そのため、図7に示すように、ゴム製倒れ防止板21と四角形棒状ゴム製弾性体22は戻り側ベルト31の水平力F1により戻り側ベルト31の進行方向に撓んだ状態になり、戻り側ベルト31を押圧し付着物を強力に掻き取ることができる。ゴム製倒れ防止板21や四角形棒状ゴム製弾性体22は戻り側ベルト31の水平力F1やスラスト力F2により押し付けられ、撓んでいると同時にゴムによる弾性力で常に戻り側ベルト31を押し返している。そのため、戻り側ベルト31の小さな凹凸に瞬時に反応し微振動しながら戻り側ベルト31に精密に当接することができる。戻り側ベルト31のエンドレスの剥がれや強固に付着した付着物などの障害物に対しては、ゴム製倒れ防止板21や四角形棒状ゴム製弾性体22が大きく撓むことにより障害物を回避できるようにしている。
戻り側ベルト31の表面状態は戻り側ベルト31の幅方向に対して均一ではなく一般的には中央部の摩耗が最大になる。即ち、戻り側ベルト31は幅方向で摩耗量に差があるため厚みが均一ではなく、又、線状の掻き疵や材料の落下疵あるいは高温材料による焼き疵などにより部分的なくぼみが生じている。又、戻り側ベルト31の中央近辺は搬送物の積載圧力が大きくなるので摩耗が大きく無数の微細疵が生じており、付着物が付着しやすくしかも強固に付着する傾向がある。又、コンベアベルト30は原材料を搬送する際にトラフ角を形成するので、トラフ癖がつくことから戻り側ベルト31は中央部が凸上に変形する。又、強固な付着物やエンドレス部(戻り側ベルト繋ぎ部)のめくれなどの突起が生じている。従って、四角形棒状ゴム製弾性体22の幅W2が大きすぎると四角形棒状ゴム製弾性体22の自由側端末22aが戻り側ベルト31表面に精密に当接できなくなり、自由側端末22a全体の押圧力が不均一になり掻き取り斑が生じる。従来のベルトクリーナは、幅100〜500mm程度のゴム弾性板もしくは金属板にチップを取り付けた掻き板が主流であり、掻き板の幅が広すぎるため、チップ全面が戻り側ベルト表面に均一当接することは不可能であり、必然的に掻き取り残しが生じていた。又、掻き取り残しを解消するためにクリーナを戻り側ベルトに無理に接触させようとすると押圧力が大きくなるので、戻り側ベルトを摩耗させたり、エンドレス部の剥がれを助長したりしてベルトを損傷させていた。この問題を解決するには四角形棒状ゴム製弾性体22の幅W2をできるだけ小さくして四角形棒状ゴム製弾性体22の自由側端末22aが均一に戻り側ベルト31表面を押圧することが不可欠である。
ゴム製倒れ防止板21と四角形棒状ゴム製弾性体22は、例えば図1、図2に示すように架台40に設けた長溝40aに挿入されている。長溝40aは押し側板41と受け側板42及び底板43で構成されている。押し側板41にはナット46が取り付けられ、押し付けボルト45が転動自在に取り付けてあり、押え板44を押し付けることにより、ゴム製倒れ防止板21や四角形棒状ゴム製弾性体22を受け側板42に押し付けて固定している。架台40の両側にはフランジ47が取り付けられ、フランジ47に丸型支持軸48が取り付けられている。前記丸型支持軸48には角型パイプ49が嵌装されており、角型パイプ49は溝型受け具50に載置されている。溝型受け具50はコンベアフレームに取り付けられたベルトクリーナ取付架台51に取り付けられている。四角形棒状ゴム製弾性体22の戻り側ベルト31への当接角度を決定後、角度設定ボルト52で丸型支持軸48の回転を固定する。次に、押し付け設定ボルト53で角型パイプ49の高さを調整することにより四角形棒状ゴム製弾性体の押圧力を設定する。次に、固定ボルト54で角型パイプ49を溝型受け具50に固定する。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記ゴム製倒れ防止板21に、剛性を調整するための切欠き23が設けられ、前記ゴム製倒れ防止板21の自由側端末21aと前記四角形棒状ゴム製弾性体22の自由側端末22aによる前記戻り側ベルト31の押し付け力が略同一になるようにしたことを特徴とするベルトクリーナ10である。
図3に示すように、ゴム製倒れ防止板21の切欠き23の形状は種々考えられる。図3(a)は、ゴム製倒れ防止板21の片面に、スラスト方向に軸心を持つ半楕円状の切欠き23,23aを設けている。図3(b)は、ゴム製倒れ防止板21の両面に、スラスト方向に軸心を持つ半楕円状の切欠き23、23aを設けている。図3(c)は、ゴム製倒れ防止板21の片面にスラスト方向に軸心を持つ複数の半円状もしくは半楕円状の切欠き23,23bを設けている。図3(d)は、ゴム製倒れ防止板21の中に、スラスト方向に軸心を持つ円筒状の切欠き23、23cを設けている。切欠き23の形状や大きさや数によってゴム製倒れ防止板21の剛性は調整できる。ゴム製倒れ防止板21の剛性と1本あたりの四角形棒状ゴム製弾性体22の剛性が略同一となるように切欠き23を設定する。ゴム製倒れ防止板21にF1×W1(=NF1W2)の力が作用し、四角形棒状ゴム製弾性体22の幅W2にはF1×W2の力が作用するが、四角形棒状ゴム製弾性体22に対してゴム製倒れ防止板21の剛性を1/Nに低減すれば、ゴム製倒れ防止板21の押し付け力と四角形棒状ゴム製弾性体22の押し付け力を略同一にすることができる。ゴム製倒れ防止板21の自由側端末21aと四角形棒状ゴム製弾性体22の自由側端末22aが戻り側ベルト31を押圧する力を略同一にすることにより、戻り側ベルト31の付着物をベルト30の全幅に渡り均一に掻き取ることができる。例えば、図3(c)の剛性を小さくするためには、切欠き23cの数を増やしたり、切欠きの半径を大きくしたりすることにより可能である。
ゴム製倒れ防止板21の剛性が大きいと戻り側ベルト31のエッジ31a周辺を偏磨耗させるから恐れがある。ゴム製倒れ防止板21と四角形棒状ゴム製弾性体22の押し付け力を同等にすることにより、四角形棒状ゴム製弾性体22と同様にゴム製倒れ防止板21に掻き取り機能を付加できるので、戻り側ベルト31の全面を掻き取ることができる。
第3の解決手段は特許請求項3に示すように、 前記ゴム製倒れ防止板21の幅W1は前記四角形棒状ゴム製弾性体22の幅W2に対して、W1=NW2の関係にあり、Nは整数で、3以上であることを特徴とするベルトクリーナ10である。
図13ないし図16に示すように、耐磨耗材のチップ60をゴム製倒れ防止板21の自由側端末前面21cあるいは自由側端末後面21d、及び四角形棒状ゴム製弾性体22の自由側端末前面22cあるいは自由側端末後面22dに取り付ける場合、チップ60の幅W2を四角形棒状ゴム製弾性体の幅W2と略等しくすることにより、W1=NW2となり、チップ60を共通化できる。又、ゴム製倒れ防止板21にN個のチップ60を精度よく取り付けることができる。
第4の解決手段は特許請求項4に示すように、前記架台40の前記溝40aに、前記戻り側ベルト31の凸上形状と近似した凸上形状のライナ70を敷設したことを特徴とするベルトクリーナ10である。
ライナは、樹脂、プラスチック、アルミニウム、銅、鉄などの材料を使用できる。ライナは、四角形棒状ゴム製弾性体の固定側端面の下に敷設するため、四角形棒状ゴム製弾性体の幅Bよりも小さくすることにより架台40の溝40aに納めることができる。
図4に示すように、四角形棒状ゴム製弾性体22の自由側端末22aはライナ70の形状に近似され、階段状になる。ゴム製倒れ防止板21の自由側端末21aはあらかじめ小さな円弧にしておくことにより、なだらかな円弧を形成できる。玄の高さH1は1〜10mmである。ベルトが新品でトラフ癖がついていない場合の玄の高さH1は小さいが、古いベルトで中央部の摩耗が大きくなるにつれてH1は大きくするのがよい。
第5の解決手段は特許請求項5に示すように、前記ライナ70は複数の薄板71が、中央部が凸になるように階段状に積層されたものであることを特徴とするベルトクリーナ10である。
図5に示すように、薄板71は、樹脂、プラスチック、銅、鉄、アルミニウムなどの薄い板を使用できる。薄板71の1枚当たりの厚みは0.1〜1.0mmである。薄板71を71a、71b、71cのように階段状に積層する。階段の高さH2は1〜10mmである。薄板71は接着剤で接合して、凸状の戻り側ベルト31の形状を近似的に形成する。
第6の解決手段は特許請求項6に示すように、前記四角形棒状ゴム製弾性体22と前記ゴム製倒れ防止板21はゴム製弾性板20に切り込み23が設けられ一体的に形成されたものであることを特徴とするベルトクリーナ10である。
図1、図6、図7あるいは図9ないし図15は、ゴム製弾性板20に切り込み20aを入れてゴム製倒れ防止板21と四角形棒状ゴム製弾性体22を一体的に形成したベルトクリーナ10を示している。ゴム製弾性板20への切り込み20aは、電動糸鋸、グラインダー、ナイフカッター、レーザー、ウォータージェット(高圧水切断機)などを使用できる。ゴム製弾性板20の厚みは5〜30mmがよい。5mmより薄いと剛性が小さくなり、ゴム製倒れ防止板21や四角形棒状ゴム製弾性体22の戻り側ベルト31への押圧力が小さくなり付着物の掻き取り性能が低下する。30mmより厚いと剛性が大きすぎて撓みδ1及びδ2が小さくなり戻り側ベルト31の表面凹凸に柔軟に追随できず掻き取り残しが生じる。望ましくは10〜25mmである。
ゴム製弾性板20に複数の切り込み20aを入れて四角形棒状ゴム製弾性体22とゴム製倒れ防止板21を形成しているので、複数の四角形棒状ゴム製弾性体22やゴム製倒れ防止板21を芯出しして組み立てる必要がなくしかも高精度にセッティングできる。四角形棒状ゴム製弾性体22とゴム製倒れ防止板21の高さ調整が容易でありしかも連続的に変化するように形成できる。図9は、四角形棒状ゴム製弾性体22の自由側端末22aとゴム製倒れ防止板21の自由側端末21aの戻り側ベルト31の幅方向の高さを直線的に揃えた例を示している。図10は、四角形棒状ゴム製弾性体22の自由側端末22aとゴム製倒れ防止板21の戻り側ベルト31の幅方向の高さを円弧状に形成した例を示している。図11は、四角形棒状ゴム製弾性体22の自由側端末22aとゴム製倒れ防止板の自由側端末21aの戻り側ベルト31の幅方向の高さを円弧状に形成するとともに、切り込み20aの長さを円弧状にした例を示している。一体的に形成することで、四角形棒状ゴム製弾性体22同士の隙間及び四角形棒状ゴム製弾性体22とゴム製倒れ防止板21の隙間にガタが生じない。そのため、四角形棒状ゴム製弾性体22のスラスト方向の撓みを完全に抑えることができるので、四角形棒状ゴム製弾性体22の隣り合う隙間が広がることが無くダストの侵入もないので円滑な搖動運動を維持でき、線状の掻き取り残しが生じることもない。
第7の解決手段は特許請求項7に示すように、前記四角形棒状ゴム製弾性体22と前記ゴム製倒れ防止板21は前記ゴム製弾性板20に切り込み23を設けて一体的に形成するとともに、前記四角形棒状ゴム製弾性体22の前記自由側端末22aと前記ゴム製倒れ防止板21の前記自由側端末21aが一体的な凸状の円弧を形成していることを特徴とするベルトクリーナ10である。
図10や図11に示すように、ゴム製倒れ防止板21や四角形棒状ゴム製弾性体22の自由側端末21a、22aを戻り側ベルト31の形状に合わせて、上に凸の円弧状に形成できる。ゴム製倒れ防止板21や四角形棒状ゴム製弾性体22のそれぞれの自由側端末21a、22aの形状を戻り側ベルト31の円弧形状に合わせることにより、ゴム製倒れ防止板21や四角形棒状ゴム製弾性体22と戻り側ベルト31との当接性が向上し掻き取り性能が向上する。
戻り側ベルト31は使用期間が長くなるにつれて、中央部周辺の摩耗がエッジ31a周辺より大きくなるので、ゴム製倒れ防止板21や四角形棒状ゴム製弾性体22に対して円弧状に凸に膨らんだ形状となる。戻り側ベルト31の円弧状の摩耗形状に合わせるために、ゴム製倒れ防止板21や四角形棒状ゴム製弾性体22の高さL1、L2を中央部周辺が高く、両端側周辺が低くなるように円弧状に変化させる。ゴム製倒れ防止板21や四角形棒状ゴム製弾性体22の高さL1、L2を円弧状にすることにより、ゴム製倒れ防止板21と四角形棒状ゴム製弾性体22の戻り側ベルト31に対する当接状態が戻り側ベルト31の幅全体に渡り均一化できるので、掻き取り状態も均一になる。
図10に示すように、円弧の玄の高さH3は1〜10mmである。通常、戻り側ベルト31の中央部周辺と両端側周辺の摩耗量の差は最大10mm前後になる場合がある。又トラフ癖が付くために最大10mm程度となっている。そのため、玄の高さH3は最大10mm程度必要である。
図11は、ゴム製倒れ防止板と四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末を円弧形状にして、さらに、戻り側ベルト31の幅方向において、切り込み20aの長さL3を変えたベルトクリーナを示している。切り込み20aの長さL3を変えることにより、ゴム製倒れ防止板21や四角形棒状ゴム製弾性体22の剛性を変えることができる。従って、ゴム製倒れ防止板21と四角形棒状ゴム製弾性体22の撓み量δ1とδ2は戻り側ベルト31で押さえつけられているので同一の撓み量(δ1=δ2)となるが、剛性が異なることにより、ゴム製倒れ防止板21や四角形棒状ゴム製弾性体22と戻り側ベルト31との押圧力は異なってくる。押圧力が大きいほど付着物の掻き取り性能は向上する。戻り側ベルト31の中央部周辺は付着物が多いので、切り込み20aの長さL3を短くして、四角形棒状ゴム製弾性体22の撓みを小さくすることにより掻き取り能力を上げることができる。一方、戻り側ベルト31の両端周辺は付着物が少ないので、切り込み20aの長さL3を長くして、ゴム製倒れ防止板21や四角形棒状ゴム製弾性体22の剛性を小さくして押圧力を低減し、戻り側ベルト31の摩耗を抑えることができる。最大切り込み長さL3(Max)と最小切り込み長さL3(Min)の差(L3(Max)―L3(Min))は最大100mm程度である。
戻り側ベルト31の中央部周辺は通常、凸状のトラフ癖や摩耗が大きくなるため、ゴム製倒れ防止板21や四角形棒状ゴム製弾性体22の自由側端末21a、22aが当接しにくい形状となっている。一方、戻り側ベルト31のエッジ31a周辺は、凸状変形や摩耗が小さいため、ゴム製倒れ防止板21や四角形棒状ゴム製弾性体22は戻り側ベルト31に当接しやすい形状になっている。従って、四角形棒状ゴム製弾性体22の長さL2が同じ場合は、戻り側ベルト31の中央周辺部では、押し付け力は弱く、両端側周辺では押し付け力が大きくなることから、戻り側ベルト31の幅方向で掻き取り斑が生じることになる。これを解消するために、ゴム製弾性板20の中央部周辺の切り込み20aの長さを短くして、四角形棒状ゴム製弾性体31の撓みを小さくすることにより押し付け力を大きくする。反対に、ゴム製弾性板20の両端側周辺の切り込み20aを長くして、四角形棒状ゴム製弾性体22の撓みを大きくすることにより押し付け力を小さくすることにより付着物をより効果的に掻き取ることができる。
第8の解決手段は特許請求項8に示すように、前記戻り側ベルト31の進行方向に対向する前記倒れ防止板21の自由側端末前面21cと前記四角形棒状ゴム製弾性体22の自由側端末前面22cに耐磨耗材からなるチップ60が取り付けられたことを特徴とするベルトクリーナ10である。
チップ60の材質はセラミックスや超硬合金やサーメットを使用できる。セラミックスには例えばアルミナ、窒化ケイ素、ジルコニア、炭化ケイ素などを使用できる。超硬合金には例えばWC−Co系合金、WC−TiC−Co系合金、WC−TaC−TaC−Co系合金などを使用できる。サーメットはTiCやTiN、NbCを主成分とし、Co、Ni、Mo等の金属との複合材料の焼結品が使用できる。チップ60の幅W2(四角形棒状ゴム製弾性体の幅W2と同一)は10〜30mmがよい。10mmより小さいと四角形棒状ゴム製弾性体22の剛性が小さくなり掻き取り性能が低下する。30mmより大きいと戻り側ベルト31の小さな凹凸に追随できない。
ネジ61の材質は炭素鋼、SUS、チタンなどの金属を使用できる。更に、ネジ64の摩耗を防止するためにはセラミックス、超硬、サーメットなどが使用できる。四角形棒状ゴム製弾性体22は厚みを厚くできるので強固にネジ64止めできる。チップ60はネジ64止めしてさらに接着剤で接合することにより接合強度がアップすると同時にネジ64に水分の浸入を防止できる。
図13は、ゴム製弾性板に切り込みを入れて形成したゴム製倒れ防止板と四角形棒状ゴム製弾性体にチップを取り付けたベルトクリーナ10の正面図である。図14はゴム製倒れ防止板21と四角形棒状ゴム製弾性体22にチップを取り付けたベルトクリーナ10の部分斜視図であり、四角形棒状ゴム製弾性体22には幅W2のチップ60を1枚ずつ固定し、ゴム製倒れ防止板21には3枚のチップを固定した例を示している。ゴム製倒れ防止板21の幅W1と四角形棒状ゴム製弾性体の幅W2について、W1=NW2の関係にすることにより、ゴム製倒れ防止板21にN枚のチップを正確に取り付けることができる。例えば、図13と図14の例では、N=3である。
図14に示すように、チップ60には貫通孔60aを設けてネジ64を挿入し、四角形棒状ゴム製弾性体22の自由側端末前面22cにチップ60をネジ64止めする。自由側端末前面22cとは戻り側ベルト31の進行方向に対向する面である。チップ60の貫通孔60a及び四角形棒状ゴム製弾性体22の貫通孔22fはネジ64によってチップ60を四角形棒状ゴム製弾性体22に固定するためのものである。チップ60の貫通孔60aは段付きやテーパ状でもよい。ネジ64がチップ60の表面から突き出ないようにするためである。ネジ64がチップ60の表面から突き出ると掻き取った付着物が付着したり摩耗したりする問題を解消できる。ゴム製倒れ防止板21においても自由側端末前面21cに、四角形棒状ゴム製弾性体22と同様な方法でチップ60をネジ64止めしている。
本発明では、四角形棒状ゴム製弾性体22の端末前面22cにチップ60を取り付けることで、四角形棒状ゴム製弾性体22の断面寸法(W2×B)が小さくなっても剛性を確保することができる。即ち、弾性体形状を四角形棒状22とすることでチップ60の幅W2を小さくして、剛性と柔軟性を併せ持つ構造を実現できたことから、戻り側ベルト31の表面状況に応じて精密に当接可能にすることを具現化した。そのためのチップ60の幅W2は特開2013−252976号広報に示すように、30mm以下でなければならない。30mmより大きいと戻り側ベルト31幅方向の摩耗や付着物の状況変化に追随できず掻き取り残しが生じる。戻り側ベルト31の窪みや線状疵の幅は通常30mm以下であることから、チップ60の幅W2は30mm以下でなければならない。チップ60の幅W2が30mm以下であれば戻り側ベルト31の変化に柔軟に追随可能である。又、前述したように、四角形棒状ゴム製弾性体22の撓みδ2はW2の4乗に反比例するので、四角形棒状ゴム製弾性体22が30mm以上になると急速に撓み量が小さくなってしまう。このことからも四角形棒状ゴム製弾性体22やチップ60の幅は30mm以下でなければならない。
高速で衝突する強固な付着物やエンドレス部のめくれなどの障害物は衝突の瞬間にチップ60に大きな衝撃を与えるので、チップ60を破損したり、逆にエンドレス部のめくれや疵を大きくしたりして戻り側ベルト31を損傷する危険性がある。この対策として、チップ60や四角形棒状ゴム製弾性体22の慣性モーメントをできるだけ小さくして、障害物が衝突した瞬間に大きく撓んで衝撃力を回避することが極めて重要である。従来のベルトクリーナにおいては、チップやチップを取り付けている掻き板の慣性モーメントを小さくして衝突時の衝撃を瞬時に回避することはできなかった。このため、度々重大なベルト損傷事故を発生し生産障害となっていた。
チップ60の幅W2が大きすぎるとチップ60が戻り側ベルト31表面に精密に当接できなくなり、チップ60全体の押圧力が不均一になり掻き取り斑が生じる。従来のベルトクリーナは、幅100〜500mm程度のゴム弾性板もしくは金属板にチップを取り付けた掻き板が主流であり、掻き板の幅が広すぎるため、チップ全面が戻り側ベルト表面に均一当接することは不可能であり、必然的に掻き取り残しが生じていた。又、掻き取り残しを解消するためにクリーナを戻り側ベルトに無理に接触させようとすると押圧力が大きくなるので、戻り側ベルトを摩耗させたり、エンドレス部の剥がれを助長したりしてベルトを損傷させていた。この問題を解決するにはチップ60の幅W2をできるだけ小さくしてチップ60が均一に戻り側ベルト31表面を押圧するようにすることが必須である。
第9の解決手段は特許請求項9に示すように、前記戻り側ベルト31の進行方向に対向する前記ゴム製倒れ防止板21の前記自由側端末前面21cと前記四角形棒状ゴム製弾性体22の前記自由側端末前面22c、及び前記戻り側ベルト31の進行方向に面する前記ゴム製倒れ防止板21の自由側端末後面21dと前記四角形棒状ゴム製弾性体22の自由側端末後面22dに耐磨耗材からなる前記チップ60が取り付けられ、前記戻り側ベルト31が正逆運転した際に、前記ゴム製倒れ防止板21の前記自由側端末21aと前記四角形棒状ゴム製弾性体22の前記自由側端末22aが前記戻り側ベルト31の進行方向に倒れて、前記戻り側ベルト31の進行方向とは逆に面して取り付けられている前記チップ60によって付着物を掻き取ることを特徴とするベルトクリーナ10である。
図15におけるベルト30は正逆回転ベルトである。戻り側ベルト31のAの進行方向に対向するゴム製倒れ防止板21の自由側端末前面21cと四角形棒状ゴム製弾性体22の自由側端末前面22cにはチップ61が取り付けられている。又、戻り側ベルト31のBの進行方向に対向するゴム製倒れ防止板21の自由側端末後面21dと四角形棒状ゴム製弾性体22の自由側端末後面22dにはチップ62が取り付けられている。
戻り側ベルト31がA方向に進行する場合は、ゴム製倒れ防止板21の自由側端末21aと四角形棒状ゴム製弾性体22の自由側端末22aはA方向に倒れる。そのため、A方向とは逆に面して取り付けられているゴム製倒れ防止板21の自由側端末前面21cのチップ61と四角形棒状ゴム製弾性体22の自由側端末前面22cのチップ61が戻り側ベルト31に当接し、戻り側ベルト31に付着した付着物を掻き取る。
戻り側ベルト31がB方向に進行する場合は、ゴム製倒れ防止板21の自由側端末21aと四角形棒状ゴム製弾性体22の自由側端末22aはB方向に倒れる。そのため、B方向とは逆に面して取り付けられているゴム製倒れ防止板21の自由側端末後面21dのチップ62と四角形棒状ゴム製弾性体22の自由側端末後面22dのチップ62が戻り側ベルト31に当接し、戻り側ベルト31に付着した付着物を掻き取る。
四角形棒状ゴム製弾性体22のスラスト方向への倒れを防止するためのゴム製倒れ防止板21を取り付けて、四角形棒状ゴム製弾性体22と同様にゴム製倒れ防止板21の自由側端末前面21c及び自由側端末後面21dにチップ60を取り付けることにより、正逆回転のベルト30においてもベルト30の全幅に渡り付着物の掻き取りが可能となった。
第10の解決手段は特許請求項10に示すように、 前記チップ60は、前記ゴム製倒れ防止板21もしくは前記四角形棒状ゴム製弾性体22への取付け面60cが面取り63されていることを特徴とするベルトクリーナで10ある。
図16はゴム製倒れ防止板21と四角形棒状ゴム製弾性体22のそれぞれの自由側端末前面21c、22cに、チップ60の取付け面60cに面取りしたチップ60を取り付けた斜視図である。図7に示すように、戻り側ベルト31から受ける水平力F1により、ゴム製倒れ防止板21や四角形棒状ゴム製弾性体22のそれぞれの自由側端末21a、22aは戻り側ベルト31の進行方向に倒れ、チップ60の掻取り面60bが戻り側ベルト31に当接することにより付着物を掻き取る。戻り側ベルト31にエンドレスの剥離や付着物による強固な突起物があると、四角形棒状ゴム製弾性体22は瞬間的に大きく撓む。その後、ゴムの弾性力により定常状態の位置に復帰しようとするが、その際に、チップ60の掻取り面60bが四角形棒状ゴム製弾性体22からはみ出していると、大きく撓んでいた四角形棒状ゴム製弾性体22のチップ60の掻取り面60bが、隣の四角形棒状ゴム製弾性体22の取付け面60cと干渉する場合がある。隣り合うチップ60の取付け面60cと掻取り面60bが干渉すると、大きく撓んでいたチップ60は定常の位置に復帰できなくなり大きく撓んだ状態のままとなる。そのため、チップ60が戻り側ベルト31に当接できず離れたままとなるので掻き取り不能となり、線状の掻き取り残しが生じてしまう。この問題を防止するために、チップ60の取付け面60cを面取り63する。
面取り63は、図17(a)に示すように、円弧状の円面(まる面)63aでもよいし、図17(b)に示すように角面(かど面)63bでもよい。お互いの取付け面60bと掻取り面60cが引っ掛からない構造であればよい。
10:ベルトクリーナ
20:ゴム製弾性板
20a:切り込み
21:ゴム製倒れ防止板
21a:ゴム製倒れ防止板の自由側端末
21b:ゴム製倒れ防止板の自由側端末端面
21c:ゴム製倒れ防止板の自由側端末前面
21d:ゴム製倒れ防止板の自由側端末後面
21e:ゴム製倒れ防止板の四角形棒状ゴム製弾性体と隣り合う側面
22:四角形棒状ゴム製弾性体
22a:四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末
22b:四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末端面
22c:四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末前面
22d:四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末後面
22e:四角形棒状ゴム製弾性体のゴム製倒れ防止板と隣り合う側面
22f:四角形棒状ゴム製弾性体のネジ用貫通孔
23:切欠き
23a:半楕円状切欠き
23b:半円状切欠き
23c:円筒形切欠き
30:ベルト
31:戻り側ベルト
31a:戻り側ベルトのエッジ
40:架台
40a:溝
41:押し板側
42:受け側板
43:底板
44:押え板
44a:押え板上面
45:押し付けボルト
46:ナット
47:フランジ
48:丸型支持軸
49:角パイプ
50:溝型受け具
51:ベルトクリーナ取付け架台
52:角度設定ボルト
53:押し付け設定ボルト
54:固定ボルト
60:チップ
60a:貫通孔
60b:掻取り面
60c:取付け面
61:チップ
62:チップ
63:面取り
63a:円面(まる面)
63b:角面(かど面)
64:ネジ
70:ライナ
71:薄板
71a:薄板
71b:薄板
71c:薄板
L1:ゴム製倒れ防止板の長さ
L2:四角形棒状ゴム製弾性体の長さ
L3:切り込み長さ
B:四角形棒状ゴム製弾性体とゴム製倒れ防止板の厚み
F1:戻り側ベルトの進行方向(水平方向)の摩擦力、水平力
F2:戻り側ベルトの幅方向(スラスト方向)の摩擦力、スラスト力
H1:玄の高さ
H2:玄の高さ
H3:玄の高さ
S:戻り側ベルトの蛇行量
20:ゴム製弾性板
20a:切り込み
21:ゴム製倒れ防止板
21a:ゴム製倒れ防止板の自由側端末
21b:ゴム製倒れ防止板の自由側端末端面
21c:ゴム製倒れ防止板の自由側端末前面
21d:ゴム製倒れ防止板の自由側端末後面
21e:ゴム製倒れ防止板の四角形棒状ゴム製弾性体と隣り合う側面
22:四角形棒状ゴム製弾性体
22a:四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末
22b:四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末端面
22c:四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末前面
22d:四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末後面
22e:四角形棒状ゴム製弾性体のゴム製倒れ防止板と隣り合う側面
22f:四角形棒状ゴム製弾性体のネジ用貫通孔
23:切欠き
23a:半楕円状切欠き
23b:半円状切欠き
23c:円筒形切欠き
30:ベルト
31:戻り側ベルト
31a:戻り側ベルトのエッジ
40:架台
40a:溝
41:押し板側
42:受け側板
43:底板
44:押え板
44a:押え板上面
45:押し付けボルト
46:ナット
47:フランジ
48:丸型支持軸
49:角パイプ
50:溝型受け具
51:ベルトクリーナ取付け架台
52:角度設定ボルト
53:押し付け設定ボルト
54:固定ボルト
60:チップ
60a:貫通孔
60b:掻取り面
60c:取付け面
61:チップ
62:チップ
63:面取り
63a:円面(まる面)
63b:角面(かど面)
64:ネジ
70:ライナ
71:薄板
71a:薄板
71b:薄板
71c:薄板
L1:ゴム製倒れ防止板の長さ
L2:四角形棒状ゴム製弾性体の長さ
L3:切り込み長さ
B:四角形棒状ゴム製弾性体とゴム製倒れ防止板の厚み
F1:戻り側ベルトの進行方向(水平方向)の摩擦力、水平力
F2:戻り側ベルトの幅方向(スラスト方向)の摩擦力、スラスト力
H1:玄の高さ
H2:玄の高さ
H3:玄の高さ
S:戻り側ベルトの蛇行量
Claims (10)
- 複数の四角形棒状ゴム製弾性体が、戻り側ベルトの幅方向に配設された架台の溝に列設され、両端に位置する前記四角形棒状ゴム製弾性体と隣り合う両側に、前記四角形棒状ゴム製弾性体が前記戻り側ベルトの幅方向の摩擦力により倒れるのを防止するためのゴム製倒れ防止板が配設されたベルトクリーナにおいて、前記ゴム製倒れ防止板の前記戻り側ベルトの幅方向の幅W1は前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記戻り側ベルトの幅方向の幅W2よりも幅広とし、且つ、前記ゴム製倒れ防止板の自由側端末と前記四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末が戻り側ベルトに当接するようにして、且つ、前記四角形棒状ゴム製弾性体と前記ゴム製倒れ防止板のベルト進行方向の摩擦力による水平方向の力に対する剛性を略同一にして、前記四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末と前記ゴム製倒れ防止板の自由側端末を前記戻り側ベルトに押圧して、付着物を掻き取ることを特徴とするベルトクリーナ。
- 前記ゴム製倒れ防止板に、剛性を調整するための切欠きが設けられ、前記ゴム製倒れ防止板の自由側端末と前記四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末による前記戻り側ベルトの押し付け力が略同一になるようにしたことを特徴とする請求項1記載のベルトクリーナ。
- 前記ゴム製倒れ防止板の幅W1は前記四角形棒状ゴム製弾性体の幅W2に対して、W1=NW2の関係にあり、Nは整数で、3以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のベルトクリーナ。
- 前記架台の前記溝に、前記戻り側ベルトの凸上形状と近似した凸上形状のライナを敷設したことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載のベルトクリーナ。
- 前記ライナは複数の薄板が、中央部が凸になるように階段状に積層されたものであることを特徴とする請求項4記載のベルトクリーナ。
- 前記四角形棒状ゴム製弾性体と前記ゴム製倒れ防止板はゴム製弾性板に切り込みが設けて一体的に形成されたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載のベルトクリーナ。
- 前記四角形棒状ゴム製弾性体と前記ゴム製倒れ防止板は前記ゴム製弾性板に切り込みを設けて一体的に形成するとともに、前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記自由側端末と前記ゴム製倒れ防止板の前記自由側端末が一体的な凸状の円弧を形成していることを特徴とする請求項6記載のベルトクリーナ。
- 前記戻り側ベルトの進行方向に対向する前記倒れ防止板の自由側端末前面と前記四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末前面に耐磨耗材からなるチップが取り付けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6又は請求項7記載のベルトクリーナ。
- 前記戻り側ベルトの進行方向に対向する前記ゴム製倒れ防止板の前記自由側端末前面と前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記自由側端末前面、及び前記戻り側ベルトの進行方向に面する前記ゴム製倒れ防止板の自由側端末後面と前記四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末後面に耐磨耗材からなる前記チップが取り付けられ、前記戻り側ベルトが正逆運転した際に、前記ゴム製倒れ防止板の前記自由側端末と前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記自由側端末が前記戻り側ベルトの進行方向に倒れて、前記戻り側ベルトの進行方向とは逆に面して取り付けられている前記チップによって付着物を掻き取ることを特徴とする請求項8記載のベルトクリーナ。
- 前記チップは、前記ゴム製倒れ防止板もしくは前記四角形棒状ゴム製弾性体への取付け面が面取りされていることを特徴とする請求項8又は請求項9記載のベルトクリーナ。
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- 2015-04-14 JP JP2015082230A patent/JP5861792B1/ja active Active
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