JP2017024835A - ベルトクリーナ - Google Patents

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Abstract

【課題】戻り側ベルトは、ベルト幅方向に凸状円弧の変形や凹凸があり、チップが均一にベルト表面に当接しないため大量の掻き取り残しが発生する。又、掻き板は架台にボルトなどで強固に固定するため、一旦架台に固定した後は、それぞれの掻き板の高さ調整は困難であった。又、掻き板は、金属板やゴムなどの樹脂板を使用する場合が多いが、横幅が大きいので剛性も大きく、高速で通過するベルトの形状に合わせて柔軟に撓むのは不可能であった。【解決手段】掻き板であるゴム製弾性板に切欠きや切り込みを設け、戻り側ベルトの幅方向において、ゴム製弾性板の強弱を剛性を調整し、ゴム製弾性板が柔軟に撓めるようにして、戻り側ベルトとの当接性を向上する。又、架台の底板に回転自在に複数の高さ調整ボルトを取り付け、高さ調整ボルトでゴム製弾性板を押し上げて、自由側端末と戻り側ベルトの当接状態を調節可能にする。【選択図】図1

Description

本発明はベルトコンベアの戻り側ベルト表面に付着した付着物を掻き取るベルトクリーナに関する。
ベルトコンベアは駆動プーリと従動プーリとの間に所定幅のゴム製ベルトをエンドレスに巻き付け、ベルトを両プーリ間で周回運動させるものである。通常搬送物はキャリアベルト(搬送側ベルト)に載せて搬送され、駆動プーリ側で払い出されリターンベルト(戻り側ベルト)となり従動プーリへ戻るが、戻り側ベルト表面に付着した搬送物(ベルトへの付着物)が途中で落下し、戻り側ベルト下に堆積する問題があった。又、付着物はリターンローラやスナッププーリを摩耗させたり、これらのローラに付着し戻り側ベルトを蛇行させたりする問題があった。
戻り側ベルト下に落下した付着物は、作業環境の悪化や資源の損失となるため、定期的に回収作業を実施しているが、戻り側ベルトの全長に渡るため多大の労力と費用がかかっている。又、回収作業は機械化が困難で、3K作業の繰り返しとなっている。ベルトの付着物はベルトクリーナを用いて、ホッパー内でまとめて掻き落とすことが最も優れた方法である。ベルトクリーナには、固定された掻き板を戻り側ベルトに押し付けることにより付着物を掻き板で掻き取るスクレーパ式、ブラシを戻り側ベルトに接触させるブラシ方式、高圧の流体を吹き付ける洗浄方式などがあるが、それぞれ長短があり、信頼性の高いベルトクリーナは具現化されていない。
コンベアベルトは使用するにつれ徐々に摩耗するが、均一に摩耗するのではなく中央部が選択的に大きく摩耗する。従ってベルトが古くなるとベルト中央部と端部では5〜6mmの厚み差が生じる。又、100m以上の機長の長いベルトになると、コストや作業時間の制約の点からベルトの取り換えを全長に渡り一括してやらない場合もあり、中央部が大きく摩耗している古いベルトと摩耗していない新しいベルトが混在することもある。摩耗状態が不均一なベルトに対するベルトクリーナの押圧調整は、摩耗の一番大きな中央部分に合わせるが、押圧力はベルトの幅方向で不均一になってしまう。又、ベルトのエンドレス部は経年的に剥離してエンドレス端部が剥がれてくる。この剥がれ部は戻り側ベルト表面から突出するのでベルトクリーナの撓み限界を超えるとベルトクリーナを破損したり、ベルトクリーナの押圧力が大きいとエンドレスの剥がれを助長したりしてベルト損傷の要因となる。従って、ベルトクリーナはベルト表面の付着物を掻き取るために不可欠であるが、適切な取り付けや使用方法でなければベルトを破損し生産障害を起こす場合がある。又、ベルトクリーナの掻き取り性能を適正に維持するためには、ベルト稼動中に掻き取り状況を見ながらベルトクリーナとベルトとの接触圧の調整を行うのが最良であるが、安全上の問題で困難であった。このようにベルトクリーナがクリアするべき課題はたくさんあり、今まで様々な形状、機能のベルトクリーナが提案されているが未だメンテナンスフリーで掻き取り効率に優れたベルトクリーナは具現化されていない。
スクレーパ式のベルトクリーナに必要な要件は以下である。(1)長時間にわたり確実に付着物を掻き取ることができる。(2)チップの交換が容易である。(3)掻き取り部のチップの寿命が長く調整周期や取り換え周期が長い。(4)ベルトクリーナ本体に付着物が付着しない、もしくは付着物の量が極めて少ない。(5)付着物が戻り側ベルトに強固に付着している場合やベルトのエンドレス部(接続部)に剥がれが生じている場合、チップが戻り側ベルトの搬送方向に大きく撓んで、これらの障害物をやり過ごすことによりベルトクリーナの破損を回避できる。(6)ベルトクリーナの構造がシンプルでコンパクトであり、ベルトクリーナの取り付け取り外しが容易である。以上の特性を満足しようとして従来多種多様のベルトクリーナが提案されているが、満足できる方法は具現化されていない。
特開2013−252976号広報において、スクレーパ式のクリーナの問題点を解決するために四角形棒状ゴム製弾性体の先端にチップを取り付けたクリーナが開示されている。この方法においては、戻り側ベルトの幅方向(スラスト方向)への摩擦力により、四角形棒状ゴム製弾性体がスラスト方向に倒れる問題があった。又、戻り側ベルトの凸円弧状の形状にベルトクリーナのチップを当接するのが困難であった。
特開2015−036327号広報において、四角形棒状ゴム製弾性体のスラスト方向への倒れを防止するために、チップスティック(四角形棒状ゴム製弾性体)の固定部に、戻り側ベルトベルトの幅方向に貫通孔を設けて、複数の四角形棒状ゴム製弾性体を串に固定して一体化し固定する方法が提案されている。この方法においては、四角形棒状ゴム製弾性体の固定端部は固定しているが、自由端部を支えることができないため、両端の四角形棒状ゴム製弾性体がスラスト方向に曲がる問題があった。又、戻り側ベルトの凸円弧状の形状にベルトクリーナのチップを当接するのが困難であった。
特開2013−252976号広報 特開2015−036327号広報
ベルトクリーナは、通常戻り側ベルトの幅方向の長さ(横幅)が100〜500mm程度の掻き板に耐磨耗性のチップを取り付けて、チップを戻り側ベルトに表面に当接して付着物を掻き取る構造である。戻り側ベルトはトラフ癖や局部的な摩耗あるいは掻き疵などのため、ベルト幅方向に凹凸が生じており、チップが均一にベルト表面に当接しないことから大量の掻き取り残しが発生する。又、掻き板は架台にボルトなどで強固に固定しなければならないので、一旦架台に固定した後は、それぞれの掻き板の高さ調整は困難であった。又、掻き板は、金属板やゴムなどの樹脂板を使用する場合が多いが、横幅が大きいので剛性も大きく、高速で通過するベルトの形状に合わせて柔軟に撓むのは不可能であった。そのため、ベルトのエンドレス(繋ぎ目)部のめくれや強固な突起物と衝突した場合は、ベルトもしくはベルトクリーナを損傷する事故が発生していた。又、ベルトが蛇行した場合は、ベルトが掻き板のエッジに垂れ下がると、掻き板のエッジがベルトに食い込んで縦裂きされる事故が発生していた。本発明は以上の課題を解決するものである。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、複数のゴム製弾性板を戻り側ベルトの幅方向に配設した架台に列設して、前記ゴム製弾性板の自由側端末を前記戻り側ベルトに押圧して付着物を掻き取るベルトクリーナにおいて、前記ゴム製弾性板に切欠きを設け、前記戻り側ベルトの進行方向に対する前記ゴム製弾性板の剛性を調整することを特徴とするベルトクリーナである。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記ゴム製弾性板の前記切欠きは、前記戻り側ベルトの幅方向に形成されており、半円もしくは半楕円状もしくは円筒状であり、前記戻り側ベルトの幅方向において、それぞれの前記ゴム製弾性板の剛性の強弱を調整するために、前記切欠きの形状や大きさや数を変えることを特徴とするベルトクリーナである。
第3の解決手段は特許請求項3に示すように、 前記ゴム製弾性板の自由側端末に、前記戻り側ベルトに対して垂直方向の切り込みを入れて、四角形棒状ゴム製弾性体を形成していることを特徴とするベルトクリーナである。
第4の解決手段は特許請求項4に示すように、 前記ゴム製弾性板の自由側端末に、耐磨耗材からなる分割チップが取り付けられていることを特徴とするベルトクリーナである。
第5の解決手段は特許請求項5に示すように、前記架台の底板に回転自在に複数の高さ調整ボルトを取り付け、該高さ調整ボルトで前記ゴム製弾性板の固定側端末端面を押し上げて、前記自由側端末と前記戻り側ベルトの当接状態を調節できるようにしていることを特徴とするベルトクリーナである。
第6の解決手段は特許請求項6に示すように、前記ゴム製弾性板の固定側端末に貫通孔を設け、該貫通孔に、両端にネジを設けた可撓性のある連結棒を通して、前記ゴム製弾性板を連結し、前記連結棒の前記ネジにナットをねじ込んで、前記ゴム製弾性板をナットで挟み込んで固定するとともに、前記溝底に回転自在に複数の前記高さ調整ボルトを取り付け、該高さ調整ボルトで前記ゴム製弾性板を押し上げて、前記連結棒を円弧状に撓ませることにより、前記自由側端末と前記戻り側ベルトの当接状態を調節できるようにしていることを特徴とするベルトクリーナである。
第1の解決手段による効果は以下である。(1)掻き板を複数のゴム製弾性板に分割し、且つ、ゴム製弾性板に切欠きを設けているので、ゴム製弾性板がベルトの進行方向に柔軟に撓むことができる。(2)それぞれのゴム製弾性板の切欠きの大きさ、形状、数を適宜調整することによりベルトとの当接性を向上できる。(3)戻り側ベルトが蛇行してベルトクリーナから大きくはみ出した場合でも、ベルトクリーナが戻り側ベルトの重みで撓むことから、ベルトを裂傷することが無い。
第2の解決手段による効果は以下である。(1)切欠きは戻り側ベルトの幅方向に形成しているので、ゴム製弾性板はベルトの進行方向(水平方向)には柔軟に撓み、ベルトの凹凸や振動に柔軟に追随できる。(2)ベルトの幅方向(スラスト方向)には剛性が強く撓まないので、ゴム製弾性板をお互いに接触状態して取り付けることができ、ゴム製弾性板の繋ぎ目の掻き取り残しが発生しない。(3)戻り側ベルトの幅方向において、それぞれのゴム製弾性板の切欠きの大きさ、形状、数を適宜調整することにより、ゴム製弾性板の剛性を変えることができるので、戻り側ベルトとの当接性を向上できる。
第3の解決手段による効果は以下である。(1)ゴム製弾性板の自由側端末に切り込みを入れているので、ゴム製弾性板が戻り側ベルトに柔軟に当接できる。(2)戻り側ベルトの凹凸や変形にゴム製弾性板が撓んで柔軟に当接すると同時に、さらに精密に自由側端末が戻り側ベルトの小さな凹凸、変形、振動に追随できるので、高速で衝突する突起物を瞬時に回避できる。
第4の解決手段による効果は以下である。(1)自由側端末に耐磨耗性からなるチップを取り付けているので、ゴム製弾性板の耐磨耗性が向上する。(2)通常ゴム製弾性板やチップは、戻り側ベルトの進行方向に倒れながら、ゴムの反発力で戻り側ベルトを押圧しているので、チップが摩耗した際はその分だけゴム製弾性板が自動的に起き上がることから、チップの高さ調整が不要である。
第5の解決手段による効果は以下である。(1)高さ調整ボルトでゴム製弾性板を押し上げることにより、ゴム製弾性板の自由側端末もしくはチップの高さを自在に調整できる。(2)一旦、架台にゴム製弾性板を組み込んだ後でも、押し付けボルトを緩めて、高さ調整ボルトを調整することにより簡単に自由側端末もしくはチップの高さ調整が可能である。
第6の解決手段による効果は以下である。(1)高さ調整ボルトでゴム製弾性板を押し上げることにより、ゴム製弾性板の自由側端末もしくはチップの高さを自在に調整できる。(2)一旦、架台にゴム製弾性板を組み込んだ後でも、押し付けボルトを緩めて、高さ調整ボルトを調整することにより簡単に自由側端末もしくはチップの高さ調整が可能である。(3)ゴム製弾性板を連結棒で連結しているので、ゴム製弾性板が戻り側ベルトから受ける水平力(摩擦力)によって、架台から引き抜かれることが無い。(4)ゴム製弾性板を両サイドから締め付けることができるので、隣り合うゴム製弾性板の隙間を小さく保持できる。(5)ゴム製弾性板が連結棒で連結されているので、高さ調整ボルトでゴム製弾性板を押し上げた際に、連結棒が滑らかに撓むことにより、隣り合うゴム製弾性板の高さが滑らかな円弧形状を形成できる。
は切欠きを設けたゴム製弾性板を列設したベルトクリーナの全体斜視図。 は切欠きを設けたゴム製弾性板を列設したベルトクリーナの部分斜視図。 は切欠きを設けたゴム製弾性板の斜視図。 は各種切欠きを設けたゴム製弾性板を列設したベルトクリーナ正面図。 は図4に示すゴム製弾性板の縦断面図。 は図4の斜視図。 は各種切欠きを設けたゴム製弾性板に切り込みを設けたベルトクリーナ正面図。 はゴム製弾性板にチップを取り付けたベルトクリーナ正面図。 は高さ調整ボルトを設けたベルトクリーナ正面図。 は連結棒と高さ調整ボルトを設けたベルトクリーナ正面図。 は切欠きと切り込みを設けたゴム製弾性板にチップを取り付けたベルトクリーナ部分斜視図。 は切り込みを入れたゴム製弾性板にかかる水平力とスラスト力の模式図。 はスラスト力や水平力により変形したゴム製弾性板の平面図。
本発明の実施形態を請求項1〜6及び図1〜図13に基づいて説明する。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、複数のゴム製弾性板20を戻り側ベルト31の幅方向に配設した架台40に列設して、前記ゴム製弾性板20の自由側端末20aを前記戻り側ベルト31に押圧して付着物を掻き取るベルトクリーナ10において、前記ゴム製弾性板20の幅方向に切欠き21を設け、前記戻り側ベルト31の進行方向に対する前記ゴム製弾性板20の剛性の強弱を調整することを特徴とするベルトクリーナ10である。
図1は複数のゴム製弾性体20を架台40の長溝40aに列設したベルトクリーナ10の全体斜視図を示している。ゴム製弾性板20には幅方向に半楕円状切欠き21、21aを設けている。長溝40aは押し側板41と受け側板42及び底板43で構成されている。押し側板41にはナット46が取り付けられ、押し付けボルト45が転動自在に取り付けてあり、押え板44を押し付けることにより、ゴム製弾性板20を受け側板42に押し付けて固定している。架台40の両側にはフランジ47が取り付けられ、フランジ47に丸型支持軸48が取り付けられている。前記丸型支持軸48には角型パイプ49が嵌装されており、角型パイプ49は溝型受け具50に載置されている。溝型受け具50はコンベアフレームに取り付けられたベルトクリーナ取付架台51に取り付けられている。ゴム製弾性板20の戻り側ベルト31への当接角度を決定後、角度設定ボルト52で丸型支持軸48の回転を固定する。次に、押し付け力調整ボルト53で角型パイプ49の高さを調整することによりゴム製弾性板20の押圧力を設定する。次に、固定ボルト54で角型パイプ49を溝型受け具50に固定する。
図2の部分斜視図に示すように、ゴム製弾性板20には幅方向に半円弧状切欠き21、21bをゴム製弾性板の高さ方向に3段に設けた例を示している。ゴム製弾性板20の幅方向とは戻り側ベルト31の幅方向を意味している。切欠き21の数を増加したり、形状を変えたり、大きさを大きくしたりすることによりゴム製弾性板20の剛性は弱くなり、戻り側ベルト31から受ける進行方向の摩擦力により、ゴム製弾性板20は撓みやすくなる。即ち、本発明の目的は、ゴム製弾性板20に設けた切欠き21の数、大きさ、形状を変えることによりゴム製弾性板20の剛性を変え、戻り側ベルト31とゴム製弾性板20の当接性を向上させることにある。ゴム製弾性板の剛性を小さくすると、ゴム製弾性板は戻り側ベルトから受ける水平力F1による撓みが大きくなり、戻り側ベルトの微小な凹凸に対して追随性が向上する。反対に剛性を大きくすると、ゴム製弾性板の撓みは小さくなり戻り側ベルトに対する追随性は低下する。又、剛性が強すぎると戻り側ベルトの摩耗を促進するので好ましくない。
図3のゴム製弾性板20の斜視図に示すように、切欠き21の形状は例えば半楕円状切欠き21aや半円弧状切欠き21bや円筒状貫通孔切欠き21cなどがある。図3(a)は半楕円状切欠き21aと円弧状切欠き21bの組み合わせの例を示している。図3(b)は半楕円状切欠き21aをゴム製弾性板20の両面に設けた例を示している。図3(c)は複数の半円弧状切欠き21bをゴム製弾性板20の高さ方向に3段形成し、最下段に円筒状貫通孔切欠き21cを設けた例を示している。図3(d)は複数の円筒状貫通孔切欠き21cをゴム製弾性板20の高さ方向に形成した例を示している。切欠き21は、ゴム製弾性板20の両面に設けてもよいし、半楕円状切欠き21aや半円弧状切欠き21bや円筒状貫通孔状切欠き21cの大きさや数や種類を組み合わせて形成してもよい。切欠き21の方向はゴム製弾性板20の幅の外にゴム製弾性板20の高さ方向にも設けることもできるがスラスト力F2による捩じれが大きくなる。
戻り側ベルト31の中央部近辺や端末部近辺では、ベルト30の形状、摩耗状態、掻き疵などにより表面状態が異なるので、戻り側ベルト31の幅方向において表面状態に応じたゴム製弾性板20を取り付ける必要がある。例えば戻り側ベルト31は図9に示すように通常凸円弧状の形状であり、中央部周辺ではトラフ癖がついており、尚且つ摩耗量が大きいので表面の凹み量が大きい。このような部位はゴム製弾性板20の剛性を大きくしてゴム製弾性板の押圧を大きくして掻き取力を強くする。一方端末部周辺ではベルト形状はやや直線的で摩耗の進行も小さいのでゴムの凹み量は小さい。このような部位ではゴム製弾性板20の剛性を小さくしてできるだけ戻り側ベルト31を傷めないように掻き取り力を小さくする。このようにゴム製弾性板20に必要な剛性は戻り側ベルト31の幅方向で異なっているので、例えば、戻り側ベルト31の中央部周辺では、切欠きを小さくしたり、数を減らしたりして剛性を大きくする。又、戻り側ベルトの端末周辺では切欠きを大きくしたり、数を増やしたりして剛性を小さくする。
ゴム製弾性板20は自由側端末20aを戻り側ベルト31に押圧するための押圧力が必要であるとともに戻り側ベルト31の微小な凹凸に柔軟に追随する必要がある。そのため、ゴム製弾性板20はゴムを使用する。ゴムには例えば天然ゴムや合成天然ゴム、スチレン、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムなどが使用できる。
ゴム製弾性板20の横断面は、図1、図2、図3に示すように長方形である。ゴム製弾性板の幅W1の幅は30〜120mmである。ゴム製弾性板20は戻り側ベルト31から図12に示すような水平力F1とスラスト力F2を受けている。水平力F1は戻り側ベルト31の進行方向の摩擦力である。スラスト力F2は戻り側ベルト31の幅方向の摩擦力である。ゴム製弾性板20の幅W1が30mmより小さいと、スラスト力F2によりゴム製弾性板20がスラスト方向に倒れる問題がある。ゴム製弾性板20の幅W1が120mmより大きいと、戻り側ベルト31の幅方向の小さな凹凸や凸円弧状の変形に追随できず掻き取り残しが発生する問題がある。ゴム製弾性板の厚みBは10〜30mmである。10mm以下であると剛性が弱く掻き取り能力が小さくなる。30mmより大きくなると剛性が大きすぎて撓みが小さくなり戻り側ベルト30の小さな凹凸に柔軟に追随しなくなる。図2に示すようにゴム製弾性板20の長さL(押え板44の上端面44aからゴム製弾性板20の自由側端末端面20bまでの長さ)は50〜300mmよい。50mmより短いと撓みが小さすぎて戻り側ベルト31への追随性が低下する。300mmより長いと撓み量が大きすぎて掻き取り力が低下する。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記ゴム製弾性板20の前記切欠き21は、前記戻り側ベルト31の幅方向に形成されており、半楕円状切欠き21aもしくは半円弧状切欠き21bもしくは円筒状貫通孔切欠き21cであり、前記戻り側ベルト31の幅方向において、それぞれの前記ゴム製弾性板20の剛性の強弱を調整するために、前記切欠き21の形状や大きさや数を変えることを特徴とするベルトクリーナ10である。
戻り側ベルト31の中央部近辺や端末部近辺では、ベルト30の形状、摩耗状態、掻き疵などにより表面状態が異なるので、戻り側ベルト31の幅方向において表面状態に応じたゴム製弾性板20を取り付ける必要がある。例えば戻り側ベルト31の中央部周辺ではトラフ癖がついており、凸円弧状の形状であり、尚且つ摩耗量が大きいので表面の凹み量が大きい。このような部位はゴム製弾性板20の剛性を大きくしてゴム製弾性板の押圧を大きくして掻き取力を強くする。一方端末部周辺ではベルト30形状はなだらかな直線状で摩耗の進行も小さく局部的な凹み量も小さい。このような部位ではゴム製弾性板の剛性を小さくしてできるだけベルトを傷めないように掻き取り力を小さくする。このようにゴム製弾性板20に必要な剛性は戻り側ベルト31の幅方向で異なっているので、例えば、戻り側ベルト31の中央部周辺では、半円弧状切欠き21bを小さくしたり、数を減らしたりして剛性を大きくする。又、戻り側ベルト31の端末周辺では半楕円状切欠き21aを大きくしたり、数を増やしたりして剛性を小さくする。
図2の部分斜視図に示すように、ゴム製弾性板20には幅方向に半円弧状切欠き21bをゴム製弾性板20の高さ方向に3段に設けた例を示している。図3のゴム製弾性板20の斜視図に示すように、切欠き21の形状は例えば半楕円状切欠き21aや半円弧状切欠き21bや円筒状貫通孔切欠き21cなどがある。図3(a)は半楕円状切欠き21aの例を示している。図3(b)は半楕円状切欠き21aをゴム製弾性板20の両面に設けた例を示している。図3(c)は半円弧状切欠き21bをゴム製弾性板20の高さ方向に3段に形成した例を示している。図3(d)は円筒状貫通孔切欠き21cをゴム製弾性板20の高さ方向に4段に形成した例を示している。切欠きは、ゴム製弾性板20の両面に設けてもよいし、半楕円状切欠き21aや半円弧状切欠き21bや円筒状貫通孔切欠き21cの大きさや数や種類を組み合わせて形成することができる。
図4は種々の切欠き21を形成した複数のゴム製弾性板20を列設したベルトクリーナ10の正面図である。切欠き21の形状や大きさを明瞭にするためにハッチングしている。中央部周辺は切欠き21の大きさを小さくし、数を少なくしている。端末部周辺は切欠き21の大きさを大きくしたり、切欠き21の数を多くしたりしている。図5は図4に示した切欠き21の縦断面を示している。図5(a)はベルトクリーナ10中央のゴム製弾性板20を示しており、図5(f)はベルトクリーナの端末のゴム製弾性板20を示している。図5(a)はゴム製弾性板20に1個の半円弧状切欠き21bを形成している。図5(b)は2個の半円弧状切欠き21bを形成している。図5(c)は3個の半円弧状切欠き21bである。図5(d)は4個の半円弧状切欠き21bである。図5(e)は2個の半楕円状切欠き21aを形成している。図5(f)は1個の半楕円状切欠き21aを形成している。図5(a)から図5(f)までの間に、ゴム製弾性板20の剛性が徐々に小さくなっている状態を示している。図6は図4の部分斜視図である。図5に示した切欠き21の形成方法は一例であり、前述したように、切欠き21は、ゴム製弾性板20の両面に設けてもよいし、半楕円状切欠き21aや半円弧状切欠き21bや円筒状貫通孔切欠き21cの大きさや数や種類を組み合わせて形成することができる。
第3の解決手段は特許請求項3に示すように、前記ゴム製弾性板20の自由側端末20aに、前記戻り側ベルト31に対して垂直方向の切り込み22を入れて、四角形棒状ゴム製弾性体23を形成していることを特徴とするベルトクリーナ10である。
図7は、ゴム製弾性板20に切り込み22を入れて四角形棒状ゴム製弾性体23を形成したベルトクリーナ10の全体図である。戻り側ベルト31の幅方向に複数のゴム製弾性板20を架台40に列設し、ゴム製弾性板20には切欠き21を形成し、切欠き21の形状や個数や大きさを変えて、ゴム製弾性板20の剛性がベルトクリーナ10の中央部から端末部にかけて徐々に小さくなるように調整している。ゴム製弾性板20に切欠き21を設けることにより、戻り側ベルト31に対するゴム製弾性板20の追随性は良好となるが、戻り側ベルト31の小さな凹凸に対する追随性は不十分である。このため、さらにゴム製弾性板20の自由側端末20aに切り込み22を設けて、四角形棒状ゴム製弾性体23を形成する。ゴム製弾性板20が戻り側ベルト31に追随すると同時に、四角形棒状ゴム製弾性体23がさらに精密に戻り側ベルト31の小さな凹凸に追随できることから掻き取り残しがなくなる。
ゴム製弾性板20への切り込み22は、電動糸鋸、グラインダー、ナイフカッター、レーザー、ウォータージェット(高圧水切断機)などを使用できる。
四角形棒状ゴム製弾性体23の幅W2はゴム製弾性板20の厚みB(図12参照)と同等もしくは1.5倍程度大きくするのが望ましい。例えば、ゴム製弾性板20の厚みが15mmの場合、幅W2は15〜20mm程度にするのがよい。四角形棒状ゴム製弾性体23は戻り側ベルト31から受ける水平力やスラスト力に対して捩じれることにより戻り側ベルトとの当接性が向上するからである。ゴム製弾性板20への切り込み22の長さは、四角形棒状ゴム製弾性体の幅の1.5〜2倍程度がよい。ゴム製弾性板20の厚みが15mmの場合、22.5〜30mmである。22.5mmより短いと四角形棒状ゴム製弾性体23の撓みが小さく、戻り側ベルト31に精密に当接できなくなる。30mmより長いと剛性即ち押圧力が低下し十分な掻き取り力を得られなくなる。
図12に示すように、ゴム製弾性板20及び四角形棒状ゴム製弾性体23は戻り側ベルト31の水平力により戻り側ベルト31の進行方向に撓んだ状態になり、ゴム製弾性板20の弾性により生じる復元力により戻り側ベルト31を押圧し付着物を強力に掻き取ることができる。大きな付着物や戻り側ベルト31のエンドレスの剥がれや強固に付着した付着物に対しては、四角形棒状ゴム製弾性体23が瞬間的に大きく撓み、次にゴム製弾性板20が撓むことにより、戻り側ベルト31もしくはベルトクリーナ10を損傷することなく円滑に回避できる。
第4の解決手段は特許請求項4に示すように、前記ゴム製弾性板20の自由側端末20aに、耐磨耗材からなる複数のチップ60が取り付けられていることを特徴とするベルトクリーナ10である。
チップ60の材質はセラミックスや超硬合金やサーメットなどの耐磨耗材を使用できる。セラミックスには、例えばアルミナ、窒化ケイ素、ジルコニア、炭化ケイ素などを使用できる。超硬合金には、例えばWC−Co系合金、WC−TiC−Co系合金、WC−TaC−TaC−Co系合金などを使用できる。サーメットはTiCやTiN、NbCを主成分とし、Co、Ni、Mo等の金属との複合材料の焼結品が使用できる。チップ60の幅W2は10〜30mmがよい。10mmより小さいと四角形棒状ゴム製弾性体20の剛性が小さくなり掻き取り性能が低下する。30mmより大きいと戻り側ベルト31の凹凸に追随できない。ゴム製弾性板20の幅は30〜120mmであることから、複数のチップ60をゴム製弾性板20の幅方向に取り付ける。例えば、ゴム製弾性板20の幅が45mm、チップ60の幅が15mmの場合は、3枚のチップ60を取り付ければよい。
図8は、切欠き21を設けた複数のゴム製弾性板20を戻り側ベルト31の幅方向に配設した架台40に列設して、ゴム製弾性板20の自由側端末20aに耐磨耗材からなるチップ60を分割して取り付けたクリーナ10である。
チップ60はネジ61にてゴム製弾性板20に取り付ける。ネジ61の材質は炭素鋼、SUS、チタンなどの金属を使用できる。更に、ネジ61の摩耗を防止するためにはセラミックス、超硬、サーメットなどが使用できる。ゴム製弾性板20は厚みBを厚くできるので強固にネジ25止めできる。チップ60はネジ61止めしてさらに接着剤で接合することにより接合強度がアップすると同時にネジ61に水分の浸入を防止できる。ネジ61はチップ60の回転を防止するために2本以上で固定するのがよい。チップ60の幅W2が大きすぎるとチップ60が戻り側ベルト31表面に精密に当接できなくなり、チップ60全体の押圧力が不均一になり掻き取り斑が生じるので、複数のチップ60を並べてゴム製弾性板20に取り付ける。
ゴム製弾性板20の表面には、ベルトクリーナ10の中央部から端末部にかけて剛性が小さくなるように切欠き21が設けてある。図12に示すように、ゴム製弾性板20は戻り側ベルト31から受ける水平方向(ベルトの進行方向)の水平力F1(摩擦力)により撓みながら、且つ、ベルト幅方向のスラスト力F2により捻じれを受けながら、戻り側ベルト31表面に付着している付着物を掻き取る。ゴム製弾性板20が水平力により柔軟に撓んだり捻じれたりすることにより、チップ60と戻り側ベルト31の表面は精密に当接できる。
ゴム製弾性板20はそれぞれ30〜120mm程度の幅を有するので、ゴム製弾性板20の全幅おいて一様に水平力F1を受けているのではない。ゴム製弾性板20が戻り側ベルト31の表面に強く接触している部分では強い水平力F1を受け、弱く接触している部分では弱い水平力F1を受ける。このため、図13(a)のような理想的な当接状態に対して、実際のゴム製弾性板20は水平力F1とスラスト力F2が合成されることによる捩じりを受けて図13(b)の様に常時瞬間的に撓みや捩じれなどにより変形した状態で当接している。ゴム製弾性板20が水平力F1やスラスト力F2により自由自在に捩じられることにより戻り側ベルト31との当接性が向上する。ゴム製弾性板20は、戻り側ベルト31と精密に当接するために、自由自在な捻じれ機能が必要である。このため、チップ60は小分割にしてゴム製弾性板20の捩じれを抑制しないようにする。チップ60がゴム製弾性板20と同一幅であると、チップ60の剛性が高いのでゴム製弾性板20は捩じれを拘束され、戻り側ベルト31の表面に精密に当接できなくなる。そのため、小分割した複数のチップ60をゴム製弾性板20に取り付けるのがよい。
図9は、切欠き21を有する複数のゴム製弾性板20を戻り側ベルト31の幅方向に配設した架台40に列設し、ゴム製弾性板20の自由側端末20aに、戻り側ベルト31に対して垂直方向の切り込み22を入れて、四角形棒状ゴム製弾性体23を形成し、四角形棒状ゴム製弾性体23にチップ60を取り付けたベルトクリーナ10である。
図11は、半円弧状切欠き21bを3段に設けたゴム製弾性板20に、切り込22みを設けて四角形棒状ゴム製弾性体23を形成し、それぞれの四角形棒状ゴム製弾性体23にチップを1枚ずつ取り付けているベルトクリーナ10の部分斜視図である。チップ60は四角形棒状ゴム製弾性体23にネジ61止めする。チップ60は戻り側ベルト31との面圧を大きくするため、ゴム製弾性板20の上部端面20bが戻り側ベルト31の表面に接触しないように、上部端面20bから突き出した状態で取り付けるのがよい。この場合、チップ60が水平力F1で折損しないようにチップ60の背面60aに補強板62を取り付けるのがよい。ゴム製弾性板20は切欠き21の効果により柔軟に撓むことができるが、切り込み23を入れて形成した四角形棒状ゴム製弾性体23はゴム製弾性板20の撓みに追加されて撓むことができるので、戻り側ベルト31の表面との当接性がより精密になる。大きな付着物や戻り側ベルト31のエンドレスの剥がれや強固に付着した付着物に対しては、四角形棒状ゴム製弾性体23が瞬間的に大きく撓み、次にゴム製弾性板20が撓むことにより、戻り側ベルト31もしくはベルトクリーナ10を損傷することなく円滑に回避できる。
第5の解決手段は特許請求項5に示すように、前記架台40の底板43に回転自在に複数の高さ調整ボルト70を取り付け、該高さ調整ボルト70で前記ゴム製弾性板20の固定側端末端面20dを押し上げて、前記自由側端末20aと前記戻り側ベルト31の当接状態を調節できるようにしていることを特徴とするベルトクリーナ10である。
図9は、ベルトクリーナ10の中央部周辺と端末部周辺において、切欠き21の種類、大きさ、数を変化させて剛性を変えたゴム製弾性板20を、戻り側ベルト31の幅方法に設けた架台40に列設し、ゴム製弾性板20には切り込み22を設けて、四角形棒状ゴム製弾性体23を形成し、それぞれの四角形棒状ゴム製弾性体23にチップ60を取り付けてあり、架台40の底板43に高さ調整ボルト70を取り付け、それぞれのゴム製弾性板20の固定側端末端面20dをそれぞれの高さ調整ボルト70で押し上げて、ゴム製弾性板20の自由側端末20aと戻り側ベルト31の当接状態を調節できるようにしたベルトクリーナ10である。
図9では、ゴム製弾性板20の自由側端末20aに切り込22みを設け四角形棒状ゴム製弾性体23を形成し、四角形棒状ゴム製弾性体23にチップ60を取り付けているが、ベルト30の種類や搬送物種類や付着物の付着状況に応じて、切り込み22のないゴム製弾性板20やチップ60を取り付けていないゴム製弾性板20を使用してもよいことはもちろんである。
戻り側ベルト31の形状や表面状況はベルト30毎に異なるため、従来のベルトクリーナ10のように、幅広の掻き板にチップ60を取り付けた構造では、戻り側ベルト31の表面に正確に当接できないため大量の掻き取り残しがあり、戻り側ベルト31の下には途中で落下した付着物の山が形成されていた。本発明によるベルトクリーナ10は、それぞれのゴム製弾性板20の固定側端末端面20dに対応して、それぞれの高さ調整ボルト70を底板43に取り付けている。高さ調整ボルト70でゴム製弾性板20の固定側端末端面20dを押し上げて、凸円弧状の戻り側ベルト31の形状に合わせて、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末20a即ち自由側端末端面20bの高さを調整できる。
図9に示すように、通常、戻り側ベルト31は凸円弧状に変形している。ゴム製弾性板20は付着物を確実に掻き取れるように、戻り側ベルト31を数ミリから十数ミリ程度押圧するように高さ調整する。図9に示すように、高さ調整ボルト70を調整して、戻り側ベルト31にゴム製弾性板20の自由側端末20aを当てただけの状態の場合、ゴム製弾性板20の自由側端末20aが水平のため、凸円弧状の戻り側ベルト31との間に最大Xの隙間が生じる。このように、ゴム製弾性板20を戻り側ベルト31に押し当てた場合、ゴム製弾性板20の幅W1が均一に戻り側ベルト31に当接するのではなく、一部分だけが当接した状態となっている。特に、ベルトの端末周辺では最大Xの隙間が生じている。Xの値は通常3〜10mm程度である。掻き取り残しを解消するには、少なくとも隙間X以上に高さ調整ボルト70でゴム製弾性板20を戻り側ベルト31に押し付ける必要がある。ゴム製弾性板20をX値以上突き上げると、ベルト30走行時はゴム製弾性板20が戻り側ベルト31の進行方向に撓むことにより、ゴム製弾性板20は戻り側ベルト31に対して適切な押圧力を保持しながら当接する。このような精密な高さ調整を行うことにより、ゴム製弾性板20と戻り側ベルト31は精密な当接性を具現化できた。
ベルト30を交換した際や経年的にベルト30が摩耗して表面形状や凹凸状態が変化した場合は、高さ調整ボルト70を調整することで容易にゴム製弾性板20の自由側端末20aの高さを調整して、戻り側ベルト31の凸円弧の形状に合わせることができる。
第6の解決手段は特許請求項6に示すように、前記ゴム製弾性板20の固定側端末20cに貫通孔20dを設け、該貫通孔20dに、両端にネジ80aを設けた可撓性のある連結棒80を通して、前記ゴム製弾性板20を連結し、前記連結棒80の前記ネジ80aにナット81をねじ込んで、前記ゴム製弾性板20をナット81で挟み込んで固定するとともに、前記底板43に回転自在に複数の前記高さ調整ボルト70を取り付け、該高さ調整ボルト70で前記ゴム製弾性板20の固定側端末端面20dを押し上げて、前記連結棒80を円弧状に撓ませることにより前記自由側端末20aと前記戻り側ベルト31の当接状態を調節できるようにしていることを特徴とするベルトクリーナ10である。
図10は、ベルトクリーナ10の中央部周辺と端末部周辺において、切欠き21の種類、大きさ、数を変化させて剛性を変えたゴム製弾性板20を、戻り側ベルト31の幅方法に設けた架台40に列設し、ゴム製弾性板20に切り込み22を設けて、四角形棒状ゴム製弾性体23を形成し、それぞれの四角形棒状ゴム製弾性体23にチップ60を取り付け、ゴム製弾性板20の戻り側ベルト31の幅方向に貫通孔20dを設け、貫通孔20dに両端にネジ80aを設けた可撓性のある連結棒80を貫通せしめて、ゴム製弾性板20を連結し、ナット81でゴム製弾性板20を挟み込んで固定し、高さ調整ボルト70でゴム製弾性板20の固定側端末端面20dを押し上げて、連結棒70を円弧状に撓ませることによりゴム製弾性板20の自由側端末20aの高さを調整して、戻り側ベルト31の表面との当接性を調整するベルトクリーナである。
連結棒80の材質は、ウレタン、フッ素、ゴムなどの樹脂棒やSUS、銅、炭素鋼などの金属棒を使用できる。高さ調整ボルト70でゴム製弾性板20を押し上げた際に、凸円弧状に柔軟に撓める可撓性が必要である。
連結棒80の径は、樹脂棒の場合3.0〜6.0mmがよい。3.0mm以下では、複数のゴム製弾性板20を同時に押し上げることができない。又、6.0mm以上になると円弧を形成できず直線的な形状になるので望ましくない。金属棒の場合は、1.0〜3.0mmがよい。1.0mm以下では複数のゴム製弾性板20を押し上げることができない。3mm以上では凸円弧を形成できず直線的な形状になるので望ましくない。
可撓性のある連結棒80でゴム製弾性板20を連結し、底板43に回転自在に取り付けた高さ調整ボルト70で、ゴム製弾性板20の固定側端末端面20dを押し上げることにより、少数の高さ調整ボルト21でゴム製弾性板20の自由側端末20aの高さ調整ができる。連結棒80は高さ調整ボルト70で押し上げられた部分を中心に円弧状に撓むので、滑らかな円弧を形成し、隣り合うゴム製弾性板20同士に大きな段差が生じることなく滑らかな凸円弧が形成できる。又、連結棒80で形成される凸円弧は戻り側ベルト31の凸円弧状の変形に合うように形成されるのでゴム製弾性板20と戻り側ベルト31が精密に当接できる。
ゴム製弾性板20の貫通孔20eの径は、連結棒80に対して0.1mm以上大きくするのがよい。連結棒80が大きく撓んだ際に、貫通孔20eと連結棒80の間に隙間が無い場合は連結棒80が撓みにくくなるからである。
10:ベルトクリーナ
20:ゴム製弾性板
20a:自由側端末
20b:自由側端末端面
20c:固定側端末
20d:固定側端末端面
20e:貫通孔
21:切欠き
21a:半楕円状切欠き
21b:半円弧状切欠き
21c:円筒状貫通孔切欠き
22:切り込み
23:四角形棒状ゴム製弾性体
24:
30:ベルト
31:戻り側ベルト
40:架台
40a:長溝
41:押し側板
42:受け側板
43:底板
44:押え板
44a:押え板上面
45:押し付けボルト
46:ナット
47:フランジ
48:丸型支持軸
49:角型パイプ
50:溝型受け具
51:ベルトクリーナ取付け架台
52:角度設定ボルト
53:押し付け力調整設定ボルト
54:固定ボルト
60:チップ
60a:背面
61:ネジ
62:補強板
70:高さ調整ボルト
71:薄板
80:連結棒
80a:ネジ
81:ナット
B:ゴム製弾性板の厚み
F1:水平力
F2:スラスト力
W1:ゴム製弾性板の幅
W2:四角形棒状ゴム製弾性体もしくはチップの幅
X:ベルトとゴム製弾性板の幅方向の最大隙間

Claims (6)

  1. 複数のゴム製弾性板を戻り側ベルトの幅方向に配設した架台に列設して、前記ゴム製弾性板の自由側端末を前記戻り側ベルトに押圧して付着物を掻き取るベルトクリーナにおいて、前記ゴム製弾性板の幅方向に切欠きを設け、前記戻り側ベルトの進行方向に対する前記ゴム製弾性板の剛性の強弱を調整することを特徴とするベルトクリーナ。
  2. 第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記ゴム製弾性板の前記切欠きは、前記戻り側ベルトの幅方向に形成されており、半楕円状切欠きもしくは半円弧状切欠きもしくは円筒状貫通孔切欠きであり、前記戻り側ベルトの幅方向において、それぞれの前記ゴム製弾性板の剛性の強弱を調整するために、前記切欠きの形状や大きさや数を変えることを特徴とする請求項1記載のベルトクリーナ。
  3. 前記ゴム製弾性板の自由側端末に、前記戻り側ベルトに対して垂直方向の切り込みを入れて、四角形棒状ゴム製弾性体を形成していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のベルトクリーナ。
  4. 前記ゴム製弾性板の自由側端末に、耐磨耗材からなる複数のチップが取り付けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載のベルトクリーナ。
  5. 前記架台は、前記架台の底板に回転自在に複数の高さ調整ボルトを取り付け、該高さ調整ボルトで前記ゴム製弾性板の固定側端末端面を押し上げて、前記自由側端末と前記戻り側ベルトの当接状態を調節できるようにしていることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4記載のベルトクリーナ。
  6. 前記ゴム製弾性板の固定側端末に貫通孔を設け、該貫通孔に、両端にネジを設けた可撓性のある連結棒を通して、前記ゴム製弾性板を連結し、前記連結棒の前記ネジにナットをねじ込んで、前記ゴム製弾性板をナットで挟み込んで固定するとともに、前記底板に回転自在に複数の前記高さ調整ボルトを取り付け、該高さ調整ボルトで前記ゴム製弾性板の固定側端末端面を押し上げて、前記連結棒を円弧状に撓ませて、前記自由側端末と前記戻り側ベルトの当接状態を調節できるようにしていることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5記載のベルトクリーナ。
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