JP6087785B2 - 錠剤取り出し装置 - Google Patents

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この発明は、隆起部を形成した透明の樹脂シートとアルミニュウム箔とを重合成形によって成された中空部に錠剤を封入するPTP包装体又はブリスタ−パック(以下、両方を錠剤パックと称する)において、封入してある錠剤を高齢者や障害者であっても、片手で且つ一回の動作で取り出すことができる錠剤取り出し装置に関する。
従来、錠剤又はカプセル剤の包装の多くは、錠剤の大きさと形に沿う隆起部を設けた樹脂シートとアルミニュウム箔によって形成する中空部に錠剤を封入した錠剤パックであって、この中の錠剤を取り出すには、樹脂シートの隆起部を錠剤と共に指先で押圧することで裏面のアルミニュウム箔を突き破って取り出している。
また、指先での押圧に代わる、錠剤の取り出し装置に関する出願もなされていて、その中には商品として一般に販売されているものもある。
特表2000−513308号公報
特開2009−255966号公報
特許文献1は、ベースプレートと同じ大きさのカバープレートはヒンジによって一体化され、カバープレートに錠剤パックの隆起部に適合する開口が配列され、ベースプレートにもカバープレートと同じ位置に開口が成されていて、ベースプレートの裏側には卓上面から空間を取るためのプレートが設けられている。
この構成による使用方法は、先ず卓上にベースプレートを置き、その上に錠剤パックの隆起部側を上向きに置き、更にカバープレートの開口を隆起部に合わせて閉じて被せる。そして錠剤を出すときは、指先で隆起部を押すことで錠剤が卓上に落ちる。
この文献によると片手で錠剤を押し出すことはできるものの、問題となるのは、錠剤パックに配列される隆起部の大きさと形はそれぞれの錠剤に合わされていて、その間隔と数にも決まりが無く、錠剤の大小やカプセル剤等その種類は無限と言える。従ってこの文献は殆どの錠剤パックに対応できない課題がある。
特許文献2は、片方の手に本体を持ち、もう片方の手で錠剤パックを支持部と装着ガイド部材との間だに隆起部を上にして差し込み、押し出し部を上から押し下げると、支持部にある脆弱部形成手段によって錠剤パックに脆弱部を作り、これによって押し出された錠剤が支持部下側の引き出し容器の中に落ちる。
この構成によると、両手による使用が目的であって、仮に卓上に置いて片手で錠剤を出すことができたとしても、容器から片手で錠剤を取り出せない課題がある。
先行技術は上記文献の他にも同じ目的の発明が多く出願されているが、片手で且つ一回の動作で錠剤を取り出せるものは無かった。
本願発明は上記の課題を解決するもので、錠剤取り出し装置に手を触れることもなく、片手で且つ一回の動作で錠剤パックから錠剤を取り出すことができる、錠剤取り出し装置を提供するものである。
錠剤パック31挿入用のスリット4と貫通孔3を有する受け体2を一端部に備えたアーム部1の他端部と、一端部を押し部10とする押しバー9の他端部を、適宜間隔を確保して基体21に軸着A・Bして可動状態とし、且つ前記貫通孔3に前記押し部10を挿通したことを特徴とする、錠剤押し出し装置。
本願発明は上述の構成によって次に述べる効果がある。
1.錠剤パックを手に持ってスリットに挿入し、その動作を少し持続するだけで、片手で 錠剤を取り出すことができる。
2.受け体の円弧移動の幅に比べて押し部の移動幅が7:1と小さいので、テコの原理に よって僅かな力で錠剤を取り出すことができる。従って高齢者や障害者が使用するとき は大きな効果を発揮する。
3.錠剤パックを挿入する所が手探りで確認できるので、視力が低くても難なく使いこな せる。
4.後記する実施例から明らかなように、卓上に置いたままで使用できる上に、その構造 上適当な高さがあり、部屋の何処に置いても目立つので見失うことが無い。
また、全体の形状と動き方に玩具的な要素があるので、デザインを考慮し、遊び心等を 表現すると、使用者の範囲を幼児から高齢者まで広げることができる。
特に、病のために日常的に薬を必要とするとき、些細な遊び心でもあるほうが良いと考 える。
本願発明の実施例1の立面図 図1のア−アを表す平面図 図2のイ−イを表す縦断面図 図2の受け体を押し下げた状態を表す縦断面図 図1のウ−ウを表す平面図 図1のエ−エを表す立面図 図1のオ−オを表す断面図
本願発明の実施例1を図面に基づいて詳細に説明する。
図1はこの実施例の立面図であって、先ず、中空の基体21の両面外部に可動状態に軸着Aとする一対のアーム部1・1は先端に一つの受け体2を形成し、また前記軸着Aに対し縦列に適宜な間隔を確保し、且つ基体21の中空内に軸着Bとする押しバー9は基体開口部22貫いて設け、該押しバー9の先端部に位置する押し部10は、前記受け体2に設けた貫通孔3に挿通している。そして該受け体2は錠剤パック31を挿入する為のスリット4とガイド部5及び一対の受け部7を形成し、また前記基体21には基体21の自立を確実にするために台座23を設けている。
図2は図1のア−アの平面図であって、図示するスリット4に錠剤パック31を挿入したとき、錠剤パック31に配列する隆起部32の一つが、後記する図7に記載のV型固定部6の作用によって、ガイド部5の中央に位置している状態を表している。
基体21の両外側に軸着A・Aとする一対のアーム部1・1の他端部には受け体2を備え、該受け体2の中央に前記アーム部1・1に対して直交方向のスリット4を形成し、該スリット4を挟んでアーム部側にガイド部5を、そして逆側に一対の受け部7・7を形成している。また前記基体21の内部に軸着Bとする押しバー9は基体開口22から前記受け体2に向けて突出し、該押しバー9の先端小口面とする押し部10は、前記受け体2に形成する貫通孔3を貫いたところまで到達している。
図3は図1のイ−イの縦断面図であって、図2と同じく錠剤パック31をスリット4に挿入した状態を表している。
本図において一対のアーム部1の軸着部Aは基体21の内部に軸体Fを備えていて、該軸体Fは交点Cの逆側に軸側フック25を形成し、且つ該軸側フック25と基体側フック26との間にスプリング24を張架し、該スプリング24の牽引力によってア−ム部1を常に最上位置に停止させておくことができる。この最上位置での停止の方法は軸体Fと基体21とに係わるストッパーを設けるか、或いは軸着Bとする押しバー9がアーム部1の動きに連動して最上位置に到達したときに、前記押しバー9が基体開口22の上縁部に当接するようにしてもストッパーとしての効果が得られる。
また、本実施例ではスプリングはコイルスプリングとしているが、他に弾発体または重りでも良く、更に軸芯にスプリングを設けても良い。
そして受け体2に形成する貫通口3と押し部10及び交点Cは同位置に設定していて、縦列に位置する軸着Aと軸着Bを結ぶ直線と、芯線D・芯線Eは、芯線Dを略水平とする三角形を呈している。
ここでこの実施例による作用を図3・図4に基づいて詳細に説明する。
図3に示すように、手に持った錠剤パック31の隆起部32をガイド部5に合わせてスリット4に挿入し、図4ではこの挿入の動作をそのまま続けて受け体2を押し下げたときに、押し部10によって錠剤が押し出された状態を表している。
先ず図3において、縦列に位置する軸着Aと軸着Bを結ぶ直線と、交点Cと芯線D・芯線Eによって表される三角形の形状は、交点Cが台座23の方向へ円弧移動するのに伴って変化する。このとき軸着Aと軸着Bの位置が固定されているので、必然的に交点Cは軸着Bの方向に移動する。その結果押しバ−9は貫通孔3の中を摺動し、先端の押し部10はスリット4を貫いたところまで到達する。これによって隆起部32内の錠剤33は押し部10によって押し出されて容器27の中に落下する。
容器27を台座23と係わるずれ防止装置を設けて置型にしておくと、即座に容器27を手に持って直接錠剤を口に運ぶことができる。
また押し部10が到達する位置は、押しバー9の円弧移動の角度を調整することで適宜に決定できる。
次に、図5・図6・図7に基づいて受け体2を詳細に説明する。
図5は受け部2の平面図であって、錠剤パック31の隆起部32が押しバー9によって押潰されて、隆起部32内に封入されている錠剤33が錠剤パック31裏面のアルミ箔を突き破って出た状態を表している。
受け体2は中央のスリット4を挟んで、アーム1側に錠剤パックの隆起部32を挿入するための平面コの字型のガイド部5を形成し、そして前記スリット4の逆側には一対の受け部7・7を形成し、該受け部7・7の上部はスリット4に向く曲面8・8としている。
更に図6に示すように、前記受け部7・7の長さをを前記ガイド部5の先端より短くすることで、前記曲面8・8と合わせて、錠剤パック31をスリット4へ挿入する際に、挿入を容易にする事ができる。
また前記ガイド部5の中央に形成する貫通孔3は逆向きの長台形の形をしていて、該貫通孔3に挿通する前記押し部10形状も貫通孔3よりやや小さめの同型としている。
そこで、隆起部32の大きさと形状は、内部に封入する錠剤またはカプセル剤の大きさに伴うもので、その大きさは約6ミリ×約20ミリ小さいものは直径5ミリに満たないものまであるので、錠剤の大きさを限定できるものではない。この事を考慮した上で、隆起部32を常にガイド部5の中央に位置させるために、図7に示すように、前記ガイド部5の所要範囲をV字固定部6としている。
従って該V字固定部6の作用によってあらゆる錠剤パックの隆起部32をガイド部5の中央に位置させることができ、押し部10が常に隆起部32の中央を押圧することができのであるる。
A・B:軸着 C:交点 D・E:芯線 F:軸体
1:ア−ム部 2:受け体 3:貫通孔 4:スリット
5:ガイド部 6:V型固定部 7:受け部 8:曲面
9:押しバ− 10:押し部
21:基体 22:基体開口部 23:台座 24:スプリング
25:軸側フック 26:基体側フック 27:容器
31:錠剤パック 32:隆起部 33:錠剤

Claims (1)

  1. PTP包装体内部に封入された錠剤を取り出す為の装置において、
    PTP包装体挿入用スリットと貫通孔を有する受け体を一端部に備えたアーム部の他端部と、
    前記貫通孔に位置する押し部を一端部とする押しバーの他端部を、基体に適宜間隔を保ち並列軸着してそれぞれを回動可能にしたことと、
    前記貫通孔と前記ア−ム部の他端部と前記押しバーの他端部の三点が角型を形成する位置にあることと、
    前記受け体の回動時に前記押し部の位置が前記受け体に形成する貫通孔を貫いたところまで到達することと、
    前記アーム部又は該アーム部の他端部の軸着と基体とに係わる弾発体を備えたことを特徴とする錠剤取り出し装置。
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