JP3045701U - Ｐｔｐ包装の錠剤・カプセル取出器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】手のひらの中に入り、親指と人差し指の間で操
作することができ、錠剤でもカプセルでも簡単に位置合
わせして取り出すことができるＰＴＰ包装の錠剤・カプ
セル取出器を提供する。 【解決手段】錠剤・カプセルを一時的に収納する筒体
と、ＰＴＰ包装を破袋位置に案内するガイドストッパ
と、錠剤又はカプセルを押圧する突起を備えた揺動スナ
ップ板とからなり、筒体は錠剤及びカプセルが通過する
貫通孔を平坦な壁面に備え、ガイドストッパは、錠剤又
はカプセルを貫通孔上に位置決めする縁部を有し、揺動
スナップ板は錠剤用の突起及びカプセル用の突起を備
え、弾性復帰するようになっている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ＰＴＰ包装の錠剤・カプセル取出器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ＰＴＰ包装（プレススルーパッケージ）は、底面に適度の強度を有するアルミ ニウム箔を張り付けた硬質の分配用紙の上に錠剤やカプセル等を配置し、この錠 剤やカプセルの上面を凸条に膨出した樹脂フィルム等により被覆し、ヒートセッ トして錠剤やカプセルを独立に包装した収納包装である。このＰＴＰ包装は、錠 剤やカプセルを被覆している樹脂フィルムの凸部を上から指先で押し付けると底 面のアルミニウム箔が破壊されて錠剤やカプセルを取り出すことができる包装で ある。近年薬剤はほとんどがこの形式に包装されている。このようなＰＴＰ包装 は、親指によって上から押圧すると底面のアルミニウム箔が破れ、簡単に錠剤等 を取り出すことができるような構造、強度になっている。しかしながら、大量に 扱う場合、あるいは手の不自由な人にとっては、錠剤・カプセルを取出すことは 必ずしも容易ではない。

【０００３】 そこで、大量に取り扱う場合のＰＴＰ包装の錠剤・カプセル取出器として、図 １０に示すような器具６０が開発されている。この器具６０は、テーブルの上に 滑り止め用の網目つきマット６１をおき、この上に錠剤収納用箱６２をおき、こ の錠剤収納用箱６２の上をまたぐ曲り部６６を備えた硬質プラスチック製のＵ字 状のパンチフレーム６３を備えたものである。図１０ではわかり易いようにＵ字 状のパンチフレーム６３が空中に浮いているように描かれているが、使用中はＵ 字状のパンチフレーム６３はマット６１の上面上に接触している。このパンチフ レーム６３は、Ｕ字状の一方のウイング６５が上記錠剤収納用箱６２の上に被さ るように曲がっており、この錠剤収納用箱６２の上に錠剤の通る孔６７ａ，６７ ｂを設けておき、Ｕ字状の他方のウイング６４にこの孔を通る突起６８ａ，６８ ｂを突出させておき、Ｕ字の横方向からＵ字内に片方の手でＰＴＰ包装を挿入し 、目で確かめながら孔６７ａ又は６７ｂの位置にＰＴＰ包装の錠剤等をあてがい 、別の手のひらでウイング６４を押圧して、パンチング動作により上記錠剤収納 用箱６２内に錠剤等を落し込む。その後、パンチフレーム６３を取り除けて、錠 剤収納用箱６２の中に入っている錠剤等を使用に供する。この器具６０は、錠剤 やカプセルの形状に応じて複数の孔と突起を必要とし、テーブルの上で操作する もので、多くの人に次々と投薬するような作業の場合には便利なものであるが、 個人が使用するパーソナル・ユースの器具としては大袈裟であり、テーブルを必 要とし、また、目や手の不自由な人には、孔の上に正確に錠剤等の位置を合わせ ることが容易ではない。

【０００４】 また、実開昭６３−１２８９７４号公報には、弾力性を持った握り部と錠剤収 納部との間に錠剤が入るくらいに切込みを入れ、握り部先端の下に錠剤押し出し 用突起を設け、本体の下部分を端に錠剤を収納する錠剤収納部を設けたパック錠 剤取出し器具が開示されている。この器具は簡単なものであるが依然として視力 の弱い人や手の不自由な人が正確に取出すことが容易でなく、またカプセルを取 扱うことはできない。またこの器具を製造する技術についてもなんら明らかにし ていない。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記実情に鑑み、手のひらの中に入り、親指で操作することができ、 錠剤でもカプセルでも簡単に位置合わせして取り出すことができるＰＴＰ包装の 錠剤・カプセル取出器を提供することを目的とする。 本考案は、軽量簡便で、携帯容易であり、個人使用の器具であって、ＰＴＰ包 装の錠剤・カプセルを取り出すのが容易でないような条件の人、例えば老人、視 力の弱い人や手の不自由な人でも容易に操作することができるＰＴＰ包装の錠剤 ・カプセル取出器を提供することを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記問題点を解決するために開発されたもので、その技術手段はＰ ＴＰ包装を破袋させて取り出した錠剤・カプセルを一時的に収納する筒体と、Ｐ ＴＰ包装を破袋位置に案内するガイドストッパと、錠剤又はカプセルを押圧する 突起を備えた揺動スナップ板とからなり、 前記筒体は全体が手のひらの中に収納される大きさで、少なくとも１つの平坦 な壁面を有し長手方向の一端に閉止部を備え、錠剤及びカプセルが通過する孔を 両者の端縁部を内接させて重ね合わせた形状の貫通孔を前記平坦な壁面に備えた 筒体であり、 前記ガイドストッパは、該壁面との間にＰＴＰ包装のプレートが進入する隙間 をあけて前記中空筒体外面に取りつけられ、錠剤又はカプセルを貫通孔上に位置 決めする縁部を有する板体とし、 前記揺動スナップ板は錠剤の上面を押圧する錠剤用の突起及びこの突起に連設 されこの突起と共にカプセルの上面を押圧するカプセル用の突起を前記貫通孔に 対向する位置に突出し、板の一端を前記筒体の閉止端側に取付け他端を筒体から 離れた位置に位置させ、該一端を固定部として、親指で押圧して湾曲させ前記突 起を錠剤又はカプセル上に押圧し、弾性復帰する揺動スナップ板であることを特 徴とするＰＴＰ包装の錠剤・カプセル取出器である。

【０００７】 本考案は手のひらに入る大きさの一端を閉じた中空筒体を用いる。この中空筒 体には、少なくとも１つの平面の壁を設けた形状のものとし、この平面の部分に 錠剤及びカプセルが通過する兼用の貫通孔を設ける。上記平面壁に沿って中空筒 の長手方向からＰＴＰ包装を差し込むと、この貫通孔の上に錠剤又はカプセルが 自動的に容易に位置決めされるようなガイドを設けてある。そして、この錠剤又 はカプセルを押圧する突起を有する揺動スナップ板を設け、親指でこれを押圧す ることによってパンチ作用をさせるものである。この突起は、錠剤用とカプセル 用とを兼用した、特殊な形状に形成してある。

【０００８】 前記中空筒体、ストッパ及びスナップ板はそれぞれプラスチック成形体からな り、互いにはめ込み固定する固定用孔と、これらの孔に嵌入する抜き出し防止突 起を設けた取付爪を備えたものとすることによって、これらの部品を単に嵌込ん で組立てることができ、接着、溶着等を全く必要としないＰＴＰ包装の錠剤・カ プセル取出器とすることができる。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下図面を参照して本考案の実施例を詳しく説明する。図１は本考案の一実施 例の斜視図、図２はその分解側面図である。本考案のＰＴＰ包装の錠剤・カプセ ル取出器１は、中空筒体１０とストッパ２０と揺動スナップ板３０とから構成さ れている。

【００１０】 中空筒体１０の詳細図を図３に示した。図３（ａ）は平面図、図３（ｂ）はそ のＡ−Ａ矢視断面図、図３（ｃ）、（ｄ）はそれぞれ図３（ｂ）のＢ−Ｂ矢視図 、Ｃ−Ｃ矢視図である。中空筒体１０は本考案のＰＴＰ包装の錠剤・カプセル取 出器の基体をなすもので、ＰＴＰ包装の錠剤・カプセルを破袋させるパンチング 作用とパンチングにより取出した錠剤・カプセルを一時的に収納する収納部をな すもので、長手方向の一端を閉止し、他端が開口した中空筒体である。中空筒体 １０として図３に示す実施例では横断面が矩形状の筒を示しているが、この横断 面形状に限るものではなく、半円形、馬蹄形などでもよい。また長手方向の断面 形状も一様である必要はなく、全体が手のひらの中に入るなめらかな形状のもの であって、少なくとも１つの平面壁１１を有しこの平面壁１１に貫通孔１２を備 えていればどのようなものでもよい。この貫通孔１２は、錠剤を通過させる孔と カプセルを通過させる孔とを、カプセルの長手方向の一端が錠剤の縁部と一致す るように重ねたひょうたん状の形状とする。

【００１１】 中空筒体１０の長手方向一端の閉止端には壁１５を備えて２重壁になっており 、揺動スナップ板３０を挿入するスリット状の挿入部１４を形成している。この 壁１５には揺動スナップ板３０の挿入舌片が係止する三ケ月状の孔１６を形成し てある。また平面壁１１には図４に示すガイドストッパ２０を取付ける孔１３が 設けられている。図４はガイドストッパ２０を示すものである。平板２１は一方 の縁に錠剤・カプセルの位置決め用の凹部２３を形成してある。この凹部２３は 錠剤のパッケージの凸部の縁にほぼ一致する弧状となしている。平板２１の他方 の縁にこの平板２１を中空筒体１０の孔１３に取付ける爪２４をもつ差込部２２ を設けてある。そして平板２１が中空筒体１０の孔１３に取付ける爪２４をもつ 差込部２２を設けてある。そして平板２１が中空筒体１０の平面壁１１から浮上 して取付けるための肉厚部２６を備えている。この肉厚部２６の厚さは、ＰＴＰ 包装のプレートが進入する浮上り寸法２５を形成するものである。プレートが容 易に進入する厚さとする。また、平板２１の位置決め用の凹部２３から奥部にＰ ＴＰ包装のプレートの周縁をパッケージの凸部の縁との距離より大きくし、ＰＴ Ｐ包装を差込んだとき、パッケージの凸部の縁が必ず位置決め用の凹部に接する ようにする。

【００１２】 図５は揺動スナップ板３０の詳細を示すものである。揺動スナップ板３０は板 ３１の背面に突起３４，３５を有し、取付端部に湾曲部３７を設け、湾曲した先 端に挿入片３２，３３を備えている。湾曲部３７は板３１が鈍角（図２のθ）を なしている。挿入片３２，３３は中空筒体１０のスリット状挿入部１４に挿入さ れ、壁１５に設けた三ケ月状の孔１６に挿入片３３の爪が係止して抜出防止され る。揺動スナップ板は親指で表面を押すと湾曲部３７で湾曲しながら曲り、突起 ３４，３５が錠剤・カプセルを押圧する。そして親指を離すと元の湾曲状に弾性 復帰する。

【００１３】 本考案のＰＴＰ包装の錠剤・カプセル取出器の使用方法は次の通りである。Ｐ ＴＰ包装の錠剤又はカプセルのプレートをガイドストッパ２０の下に差込み、錠 剤又はカプセルの包装の凸部をガイドストッパのガイド部縁に合わせる。次いで 揺動スナップ板を押下げる。図８、図９はこれを示す。取出すものが錠剤のとき は図８に示すように突起３４が錠剤４１を押出す。カプセルの場合は図９に示す ように錠剤用突起３４が先ず押圧し、次いでカプセル用突起３５が突起３４と協 動してカプセルを押出す。このとき板３１は先端側が余分に下る。

【００１４】 このため、板３１から突出する高さは突起３５が突起３４より高さが低い。従 って、突起３４が錠剤４１を取出すときは、突起３５は遊んでいる。カプセル５ １を取出すときは二段モーションでカプセル５１を押出す。板３１の先端には凹 部３６が設けられている。この凹部はカプセルを取出すとき板３１の先端が中空 筒体の平面壁に接するように揺動するので、板３１の先端が隣接するカプセルに 当らないように逃げを設けたものである。中空筒体１０内に一時貯留された錠剤 ・カプセルは中空筒体１０を単に傾けて取出すことができる。

【００１５】 本考案のＰＴＰ包装の錠剤・カプセル取出器は図２に示すように中空筒体１０ 、ガイドストッパ２０、揺動スナップ板３０をプラスチックスで成形してガイド ストッパ２０、揺動スナップ板３０を矢印で示すように中空筒体１０に差込むこ とによって、図１に示すように、１体のものに組立てることができる。本考案の ＰＴＰ包装の錠剤・カプセル取出器はこのように小型、軽量で取扱い、保管等が 容易である。また、中空筒体１０、ガイドストッパ２０、揺動スナップ板３０を 射出成形等によって製作することは容易であるから、ＰＴＰ包装の錠剤・カプセ ル取出器は容易に製造することができる。

【００１６】

【考案の効果】

本考案のＰＴＰ包装の錠剤・カプセル取出器は以上のように構成されているの で、ＰＴＰ包装から手で錠剤等を取出すことが困難人が、容易に取出すことが可 能となった。また、本考案の取出器は３つのプラスチック成形品を組立てて簡単 に製造することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例のＰＴＰ包装の錠剤・カプセル取出器の
斜視図である。

【図２】実施例のＰＴＰ包装の錠剤・カプセル取出器の
分解図である。

【図３】実施例の筒体の４面図である。

【図４】実施例のストッパの３面図である。

【図５】実施例のスナップ板の３面図である。

【図６】ＰＴＰ包装の例を示す斜視図である。

【図７】ＰＴＰ包装の例を示す斜視図である。

【図８】実施例の作用を示す説明図である。

【図９】実施例の作用を示す説明図である。

【図１０】従来例の説明図である。

【符号の説明】

１ ＰＴＰ包装の錠剤・カプセル取出器 １０ 中空筒体 １１ 平面壁 １２ 貫通孔 １３ 取付孔 １４ 挿入部 １５ 壁 １６ 三ケ月状の孔 １７ 開口 ２０ ガイドストッパ ２１ 平板 ２２ 差込部 ２３ 凹部 ２４ 爪 ２５ 浮上り寸法 ２６ 肉厚部 ３０ 揺動スナップ板 ３１ 板 ３２、３３ 挿入片 ３４、３５ 突起 ３６ 凹部 ３７ 湾曲 ４０ ＰＴＰ包装（錠剤） ４１ 錠剤 ４２、５２ プレート ４３、５３ 凸部の縁 ４４、５４ プレートの縁 ５０ ＰＴＰ包装 ５１ カプセル ５５ 隣接凸部の縁 ６０ 錠剤取出器具 ６１ マット ６２ 錠剤収納用箱 ６３ Ｕ字パンチフレーム ６４、６５ ウイング ６６ 曲り部 ６７ａ，６７ｂ 孔 ６８ａ，６８ｂ 突起

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ＰＴＰ包装を破袋させて取り出した錠剤
   ・カプセルを一時的に収納する筒体と、ＰＴＰ包装を破
   袋位置に案内するガイドストッパと、錠剤又はカプセル
   を押圧する突起を備えた揺動スナップ板とからなり、 前記筒体は全体が手のひらの中に収納される大きさで、
   少なくとも１つの平坦な壁面を有し長手方向の一端に閉
   止部を備え、錠剤及びカプセルが通過する孔を両者の端
   縁部を内接させて重ね合わせた形状の貫通孔を前記平坦
   な壁面に備えた筒体であり、 前記ガイドストッパは、該壁面との間にＰＴＰ包装のプ
   レートが進入する隙間をあけて前記中空筒体外面に取り
   つけられ、錠剤又はカプセルを貫通孔上に位置決めする
   縁部を有する板体とし、 前記揺動スナップ板は錠剤の上面を押圧する錠剤用の突
   起及びこの突起に連設されこの突起と共にカプセルの上
   面を押圧するカプセル用の突起を前記貫通孔に対向する
   位置に突出し、板の一端を前記筒体の閉止端側に取付け
   他端を筒体から離れた位置に位置させ、該一端を固定部
   として、親指で押圧して湾曲させ前記突起を錠剤又はカ
   プセル上に押圧し、弾性復帰する揺動スナップ板である
   ことを特徴とするＰＴＰ包装の錠剤・カプセル取出器。