JPH072435Y2 - 密閉容器の蓋体の構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、密閉容器の蓋体の構造の分野に関するもので
ある。

［従来の技術］ 従来の密閉容器におけるワンタッチ式の蓋体の構成は、
下方蓋部材を押圧する上方蓋部材にワンタッチ機能を有
する押圧部材が左右対称的に装着されていた。

そのため容体に嵌着後、蓋体を離脱させるとき、２個の
押圧部材に一方親指１本と、他方人さし指等とを夫々内
側方向に押圧させないと下方の蓋部材が押圧され蓋体を
容体から離脱せしめることができなかった。

従って手指にきわめて大きい負担がかゝり、きわめて開
けにくかった。

［本考案が解決しようとする問題点］ 従来の密閉容器に対し嵌脱せしめるワンタッチ式の蓋体
は、蓋体に装着する押圧部材が２個装着されており、蓋
体の離脱時に押圧部材を押圧する手指にかゝる負担がき
わめて大きく、不便であった。

しかるに本考案の蓋体は、押圧部材を押圧する手指への
負担が従来のものよりも著しく軽減し、きわめて容易に
ワンタッチで蓋体を離脱せしめることができるようにし
たものである。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、蓋体を構成する膨出形状の上方蓋部材の裏面
部に、平行状で所定の幅員を有する垂直状対向壁部を突
設し、この対向壁部の端部に嵌挿孔付きの突起部を形成
し、対向壁部に嵌挿可能な幅員を有する基板部の下方に
基板部に対し下方向に傾斜状となっている押圧部を延設
し、前記基板部の下方の外側面部に前記突起部の嵌挿孔
に嵌挿せしめる突子を夫々形成し、基板部の上方に押圧
部の形成方向と同程度に延設するストッパー部と、基板
部の上方に湾曲状の手指当て部を形成し、上方蓋部材の
表面部に円形状の嵌込み用凹部と、この凹部の外側辺に
一方の手指挿入用凹部とを形成し、上方蓋部材の嵌込み
用凹部と前記挿入用凹部と反対の手指挿入用凹部とにか
けて上方蓋部材を切欠した切欠孔を形成し、この切欠孔
内に前記基板部を嵌挿し両突子を突起部の嵌挿孔内に嵌
込み組立ると共に、上方蓋部材の外周縁部に嵌着部を形
成し、以上を以て上方蓋部材を構成せしめ、上方蓋部材
の嵌着部が嵌挿可能にして、且別設の容体の開口部にも
嵌挿可能な形状の円形状嵌込み部と、表面中央部に前記
基板部の押圧部が当って押圧する出べそ部を形成した下
方蓋部材とを別設し、前記上方蓋部材の嵌着部に下方蓋
部材を嵌合させて組立てたことを特徴とする密閉容器の
蓋体の構造である。

［作用］ つぎに本考案の作用について説明すると以下のとおりで
ある。

蓋体に形成の両凹部内に手指を挿入した後、基板部の手
指当て部に手指をあてゝ内側方向に押圧すると、基板部
の両突子を支点にして、押圧部が出べそ部を下方向に押
圧する。この押圧によって熱可塑性下方蓋部材が膨出
し、容器内のエアーを圧縮し、圧縮されたエアーが蓋体
を押圧して蓋体を容易に上方へ持ち上げ蓋体を容体の開
口部から離脱させることができる。

以上の如く、本考案の場合基板部の手指当て部だけを内
側方向に押圧するだけで、下方蓋部材の出べそ部が押圧
されて前記部材を膨出させることができる。

蓋体の離脱後は、容体内の被収納を取り出したり、ある
いは挿入させてやり、しかる後蓋体を容体の開口部に嵌
め込んでやるだけで、容体を容易に密閉できる。

［実施例］ 本考案の実施の一例を図面に依拠して説明すれば以下の
とおりである。

１は本考案のプラスチック資材製の蓋体ａを構成する上
方蓋部材であり、上方へ若干膨出形状で形成する。そし
てこの蓋部材１の裏面部２には、所定の幅員を設けて垂
直状の対向壁部３を突設してやる。そして端部に嵌挿孔
４を有する突起部５を対向させて形成する。

６は対向壁部３間に嵌挿可能な幅員を有する基板部であ
り、この基板部６の下方に下方向へ若干傾斜する押圧部
７を形成する。８は基板部６の下方の外側面部に、突起
部５の嵌挿孔４に嵌挿させる突子である。そして基板部
６の上方に押圧部７の方向と同程度に延設せしめたスト
ッパー部９を形成し、さらに該部６の上方に手指が当る
手指当て部10を夫々形成する。11は前記部材１の表面部
12に形成した円形状の嵌込み用凹部であり、この凹部11
の外側辺に手指挿入用凹部13を形成する。また前記凹部
11と手指挿入用凹部13の反対側に形成した手指挿入用凹
部13′とにかけて上方蓋部材１を切欠して切欠孔14を形
成する。

上述のように形成された切欠孔14内に基板部６を嵌挿
し、突子８を嵌挿孔４に嵌込み組立てる。

15は上方蓋部材１の外周縁部に形成した嵌着部であり、
以上を以て前記蓋部材１を構成する。

16はプラスチック資材製の下方蓋部材であって、外周縁
部には上方蓋部材１の嵌着部15が嵌挿可能にして、しか
も容体ｂの開口部も嵌挿可能な形状の円形状嵌込み部17
を形成する。そして表面の中央部には、押圧部７が当っ
て押圧する出べそ部18を形成する。以上が下方蓋部材16
の構成である。

前記のように形成された上方蓋部材１の嵌着部15に下方
蓋部材16の嵌込み部17を嵌合させて組立てる。

19は容体ｂの開口部、20は上方蓋部材１の凹部11内に嵌
挿し、離脱しないように容体ｂの底面部21に形成した凸
部である。

なお本考案においては、容体ｂの形状は図面図示の如く
限定しない。

［効果］ 本考案は以下に示す効果を奏する。

本考案の蓋体は、下方蓋部材に嵌合する上方蓋部材に基
板部を回動自在に装着し、基板部だけを手指で押圧させ
るだけで、下方の押圧部を突子を支点に下方蓋部材の出
べそ部を押圧することによって、蓋体全体がきわめて容
易に容体から離脱せしめることができるようになしたの
で、従来品と異って僅かの手指の押圧で簡単にして、し
かも確実に開けることができる利点を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案密閉容器の蓋体を使用した状態の半截縦
断正面図、第２図は同半截縦断側面図、第３図は同上方
蓋部材の縦断面正面図、第４図は第３図における蓋部材
の縦断側面図、第５図は同蓋部材の底面図、第６図は上
方蓋部材の平面図、第７図は同下方蓋部材の平面図、第
８図は同蓋部材の半截縦断面図、第９図は基板部の正面
図、第10図は基板部の背面図、第11図は同側面図、第12
図は出べそ部の平面図、第13図は出べそ部の半截断面
図、第14図は２つの容体を積重した状態の正面図であ
る。 ａ……蓋体、１……上方蓋部材、２……表面部、３……
対向壁部、４……嵌挿孔、５……突起部、６……基板
部、７……押圧部、８……突子、９……ストッパー部、
10……手指当て部、11……嵌込み用凹部、12……表面
部、13、13′……手指挿入用凹部、14……切欠部、15…
…嵌着部、16……下方蓋部材、ｂ……容体、17……円形
状嵌込み部、18……出べそ部、19……開口部、20……凸
部、21……底面部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】蓋体を構成する膨出形状の上方蓋部材の裏
   面部に、平行状で所定の幅員を有する垂直状対向壁部を
   突設し、この対向壁部の端部に嵌挿孔付きの突起部を形
   成し、対向壁部に嵌挿可能な幅員を有する基板部の下方
   に基板部に対し下方向に傾斜状となっている押圧部を延
   設し、前記基板部の下方の外側面部に前記突起部の嵌挿
   孔に嵌挿せしめる突子を夫々形成し、基板部の上方に押
   圧部の形成方向と同程度に延設するストッパー部と、基
   板部の上方に湾曲状の手指当て部を形成し、上方蓋部材
   の表面部に円形状の嵌込み用凹部と、この凹部の外側辺
   に一方の手指挿入用凹部とを形成し、上方蓋部材の嵌込
   み用凹部と前記挿入用凹部と反対の手指挿入用凹部とに
   かけて上方蓋部材を切欠した切欠孔を形成し、この切欠
   孔内に前記基板部を嵌挿し両突子を突起部の嵌挿孔内に
   嵌込み組立ると共に、上方蓋部材の外周縁部に嵌着部を
   形成し、以上を以て上方蓋部材を構成せしめ、 上方蓋部材の嵌着部が嵌挿可能にして、且別設の容体の
   開口部にも嵌挿可能な形状の円形状嵌込み部と、表面中
   央部に前記基板部の押圧部が当って押圧する出べそ部を
   形成した下方蓋部材とを別設し、 前記上方蓋部材の嵌着部に下方蓋部材を嵌合させて組立
   てたことを特徴とする密閉容器の蓋体の構造。